ES(エントリーシート)の書き方と注意点|よくある質問と回答例も解説!
「ES(エントリーシート)を書く時、みんなどんな事に書いているのかなぁ」と考えていませんか?
就職活動はエントリーシートで決まると言っても過言ではないくらい、エントリーシートは重要です。
そこで、エントリーシートを正しく書く方法とエントリーシートを書く際に注意する点などを解説します。
エントリーシートによく聞かれる質問とその回答例も紹介するので、ぜひ就活の参考にして下さい。
エントリーシートと履歴書の違いとは?

エントリーシートと履歴書の違いは、簡単に言うと下記の通りです。
履歴書 | エントリーシート |
入社後に必要な情報 | 採用選考の参考資料 |
上記を見れば、エントリーシートが就活に関して履歴書よりも採用に関わる重要な資料であることが分かります。
エントリーシートは、志望動機や自己PR、ガクチカなど就活者の個性や人柄が伺える質問が多く、適当に書いていては選考突破できません。
企業や業種ごとに質問内容は異なり、面接での質疑応答の参考資料にもなりますので、しっかり書きあげましょう。
エントリーシートで企業が見ているポイント

一部上場企業であれば、これまでに数えきれないほどのエントリーシートを見ていることでしょう。
そこで採用担当者の目に留まるように、企業が見ているエントリーシートの3つのポイントを紹介します。
①自社に必要な人物かどうか
企業は、エントリーシートの回答を見て、自社に必要な人物かどうかを判断しています。
企業によって必要だと思える人物像も全く異なるので一概には言えませんが、会社説明会や募集要項、HPなどで企業の研究をして下さい。
企業の研究をすることで、応募企業の求める人物像が明らかになり、アピールすべきポイントも明確になるでしょう。
どの企業にも共通して好まれる能力やスキル |
コミュケーション能力/問題解決能力/積極性/リーダーシップ力/向上心/マネジメントスキル/協調性 |
また最近ではビジネススキルとして、語学力やITスキル・ITリテラシーも求められています。
②入社後の活躍を期待できるか
企業は、エントリーシートの回答をみて、入社後に活躍できる人物かどうかを判断しています。
過去の経験や実績が、企業の業務内容と一致していれば即戦力として活躍でき、採用担当者も入社後の活躍をイメージしやすいでしょう。
また、入社してから取り組んでみたい仕事を述べれば、入社について積極的な考え方を持ており、目的達成に向けて一生懸命に働いてくれるイメージが湧きやすいです。
③伝達能力があるかどうか
企業は、文字の数や回答する欄が決められているエントリーシートの中で、いかに伝達する能力があるかどうかを見ています。
どれだけ高い能力があり、経験豊富であっても、自身の経験や考えを他者にうまく伝える能力に欠けていては、ビジネスパーソンとして評価されません。
伝達する能力を養うコツは、5W1H(誰が・何を・いつ・どこで・なぜ・どのように)を意識し、専門用語を使わず、分かりやすいエピソードにすることです。
後で紹介する「エントリーシートの書き方のコツ5つ」と合わせて是非参考にして下さい。
エントリーシートでアピールすべき3つのポイント

「企業がエントリーシートで見ているポイント」につながるアピールすべきポイントを具体的に3つ紹介します。
①能力や経験
エントリーシートでは、企業が求めている人物像につながる能力や経験をアピールしましょう。具体的には、自己PRに当たる部分になります。
エントリーシートを通過させるためには、企業が欲しい人材の特徴と自分の特徴が一致しないといけません。
例えば、事務を希望している場合、コツコツと真面目に取り組む姿勢が求められますが、何事もおおざっぱで豪快な性格をアピールしては採用される可能性は低いです。
②応募企業を選んだ理由
エントリーシートでは、なぜその企業を選んだのか、応募企業を選んだ理由をアピールしましょう。具体的には、志望動機に当たる部分です。
企業は、応募理由から応募者の価値観や就活における判断基準を知ります。応募理由を知ることで、入社への強い意志や入社後の活躍をイメージしていますよ。
更にその企業でしかできないことを伝えて、入社の意欲の高さをよりアピールしましょう。
③やる気や熱意
エントリーシートでは、やる気や熱意をアピールしましょう。
仕事に対するやる気や熱意をどれだけ持っているかによって、実際に仕事をする上での成長力が変わってきます。
仕事の成果は、その人が培った能力や経験も大事ですが、やる気や熱意が加わることで驚異的に伸びる傾向にあるのです。
エントリーシートの書き方のコツ5つ

就活のいいスタートを切れるかどうかは、エントリーシートに次第と言っても過言ではありません。
そのため、エントリーシートの書き方のコツを5つ紹介します。
①伝えたい話を1つに絞る
何か伝えたい話を1つに絞ることでエピソードに深みが増し、自身の魅力も伝わるでしょう。
エントリーシートは、企業から文字数が指定されていたり、スペースにも限りがあるので書けることが限られています。
あれもこれも内容を盛り込みすぎると、結局何を伝えたかったのかが分からなくなり自分の魅力も伝わりません。
これまでの努力の結果成功した経験や、勇気を出し行動して感謝された話などを1つに絞って書いて下さい。
②結論をはじめに書く
エントリーシートの書き方の基本は、結論をはじめに書くことです。
結論を最後に持ってくると、面接官は最後まで「何の話をしているのかな?」と思いながら最後まで読み続けなければなりません。
最初の段階で、何を伝えたいのかを共有することで、相手の理解もスムーズになり伝わりやすいでしょう。
③理解しやすいエピソードにする
エントリーシートは、読み手がイメージしやすいように、具体的なエピソードにすることが大事です。
具体的なエピソードとは、自分の強みや魅力を裏付ける事実や経験に当たります。
自分の強みや経験が、どんな成果や学びをもたらしたのか、またその経験を入社後どのように活かせるのかまで書けば、説得力のあるエピソードになるでしょう。
④分かりやすく、丁寧に書く
エントリーシートは、分かりやすい短かい文章で書くことを心がけて下さい。
長々とした文章だと、内容を理解するのに時間がかかり分かりづらいです。
また、難しい言葉や汚い字では、読みにくく伝わりにくいので誰が読んでもわかるような書き方を心がけましょう。
⑤第三者の意見を求める
実際に書いたエントリーシートが、企業の評価がいいかどうか分からず不安な方は、第三者に意見を求めましょう。
ここでいう第三者とは、友達や家族、社会人の先輩、学校のキャリアアドバイザー、就職エージェントなどです。
第三者に見てもらうことで、エントリーシートがブラッシュアップされ、「本当にこの内容でいいのかな」という不安も解消されますよ。
エントリーシートの頻出6項目と回答例

エントリーシートは、基本的な「名前・生年月日」のほかにも、その人の考え方や特徴を知れる質問を用意しています。
エントリーシートの中でも、頻出質問6項目とその回答例を紹介しますので、是非参考にして下さい。
①学歴
学歴は、どの時点から書くべきか悩みますが、一般的に学歴は義務教育の卒業時を書くことが多いです。
大学受験のための浪人中に通った予備校は、記載する必要はありません。中退した際には、学校名の後に「中途退学」と記載しましょう。
学校名は省略せず、正式名称で記入して下さい。
②志望動機
エントリーシートで必ず聞かれる質問は、「志望動機」です。
志望動機は、面接官が先を聞きたいと思てくれるような「インパクトの強い書き出し」が重要ですよ。
面接官は、とんでもない量のエントリーシートを目にしているので、印象に残る内容であることが大切です。
かつ、他の会社でも当てはまるような内容ではなく、自社だけに当てはまる内容で「なぜその会社を選んだのか」をしっかり伝えましょう。
【志望動機の回答例】
私は、世界一おもしろいイベントを手掛け、人々に感動を与えたいと思い、貴社を志望しました。 貴社は、他社にはないこちらの予想を上回る自然とテクノロジーを融合させたイベントの企画を運営されています。 私が中学生の時の〇〇のイベントや高校生の時の〇〇のイベントは、感動のあまり今でも忘れられません。 私自身、大学でレクリエーション部に所属しており、学園祭の企画から運営まで実施した経験があります。 その際、仲間たちと「あーでもないこーでもない」と試行錯誤しながら協力し、3万人が来場する学園祭を無事成功させることができました。 貴社に入社した際には、持ち前のリーダーシップを発揮しみんなをまとめ、明るくコミュニケーションを取りながら世界一のイベントを成功させたいと考えております。 |
③自己PR
自己PRは、ありきたりな内容ではなく、応募企業の職務に関連した強みをアピールしましょう。
企業がどのような人材を求めているのか把握したうえで、これまでの経験や自分にできることで共通点を見出します。
企業へ、自分を採用すべき理由をプレゼンし、入社の際に貢献できることをアピールして下さい。
【自己PRの回答例】
私の強みは、目標を達成するまで諦めず努力し続けることができることです。 大学時代に、アルバイトでスポーツジムに務めていましたが、新規オープンということもあり会員がなかなか思うように伸びませんでした。 そこで、責任者とどんな事をしたら会員が増えるのかを考え、SNSで発信したり、私もヨガの資格を取りヨガを教えたりしました。 また、筋肉にいい食べ物やプロテインの知識などを勉強し、会員様に何を聞かれても答えられるように努力しました。 最初は500人ほどの会員でしたが、会員様の評判も高かったことで、目標の1000人の会員数まで増やすことができました。 スタッフみんなで販売目標も達成することができ、みんなで喜びを分かち合ったのを今でも覚えています。 入社後は、この強みを生かし、みんなと協力しながら成果を得られるよう尽力していきたいと考えております。 |
④ガクチカ
ガクチカとは、「学生時代に力を入れたこと」の略語で、エントリーシートの頻出質問です。
「自己PRとどう違うのか」と悩む就活生も多いと思いますが、下記のような違いがありますよ。
自己PRは「企業に貢献できる能力」をアピールするのに対し、ガクチカは「能力を引き出すことができた経験があるのか」をアピールするのです。
ガクチカは、「なぜその活動をしたのか」「どのように取り組んだのか」まで詳しく書くことが大事になるでしょう。
【ガクチカの回答例】
私は大学在学中に、ITのベンチャー企業でインターンシップを経験しました。 私自身、ゲームが大好きで、将来はゲームの開発を手掛けたいという思いもあったので、ゲームアプリを開発する会社を選びました。 インターンシップでは、「どんなゲームを作りたいか」を企画するプレゼンをするというものでした。 グループに分かれ、意見を出し合った結果、私が発案した「運命の人に出会うゲーム」が採用されました。 このゲームは、ステージをクリアするごとに恋愛にまつわる質問が出現し、その回答からAIがその人に合う運命の相手を導き出し、マッチングするというものです。 私は、ゲームを紹介するスライドを作りプレゼンした結果、インターンシップの中で1位を獲得することができました。 この経験を通じて、自分のアイデアが商品化される喜びを知りました。 貴社に入社した際にも、自分の得意なことを活かして組織に貢献していきたいと考えております。 |
⑤長所・短所
エントリーシートには「長所」と「短所」も書くことが多い項目です。
しかし、長所と短所は表裏一体なので、短所はマイナスポイントにならないよう長所でもあり、短所でもあるような捉え方ができる書き方にしましょう。
長所⇔短所の言い換え |
(長所)粘り強い→(短所)頑固/(長所)慎重→(短所)優柔不断/(長所)芯を持っている→(短所)頑固/(長所)おおらか→(短所)マイペース |
まず初めに長所を一言で書き、次に長所の分かるエピソード、短所を一言、短所が分かるエピソード、最後に短所に対しどのように改善しているかを書きます。
【長所・短所の回答例】
私の長所は、笑顔で周りの人を元気にできることです。 大学時代にチアリーディング部に所属していましたが、演技中は常に笑顔が基本でした。 入部当初は、苦笑いしかできませんでしたが、大会に出るたびに自然と笑顔になり、見ている人から元気をもらったと感謝され嬉しかったです。 私の短所は、おせっかいなところです。 大学時代、ハンバーガー屋さんで2年間アルバイトをしていた時の話です。 私は、新人さんが入ってきた際に私が教えなくてもいいことでも、「これはこうしたらいいよ」と助言してしまっています。 私のおせっかいのせいで、もしかしたら自ら学ぶ機会を無くしてしまったかもしれないと思い、今では本当に自分が助言すべきかどうかを考えて行動するように心がけております。 |
⑥入社後の展望
入社後の展望の書き方は、自分の経験や価値観と入社後のビジョンをつなげるのがポイントです。
企業は、入社後のビジョンを知ることで、自社にマッチした人材かどうか、長く働いてもらえるかを判断していますよ。また、事業内容を把握し、働くイメージができているかも見ています。
そのため、企業研究をしっかりしてから、実際に働くイメージを持ってもらえるような書き方にする必要があるでしょう。
【入社後の展望の回答例】
入社後5年以内に、営業部のトップセールスマンになりたいと考えています。 まず、貴社の1000以上ある商材について勉強し、商材のいいところを知り、たくさんのクライアントに認知されるよう行動していきたいです。 そのためには、顧客に適した提案の仕方を考え、顧客に喜ばれる営業マンになります。 試行錯誤しながら自分の営業スタイルを確立し、トップセールスマンになった際には、後輩の指導にも携わりたいと考えております。 何事も負けるのが嫌な性格なので、自分の売り上げに拘りつつも、チーム全体でも協力しながら会社に利益をもたらし貢献していきたいと考えております。 |
エントリーシートを書く際の5つの注意点

エントリーシートを書く上で、どのような点に注意して書いたらいいのでしょうか。
エントリーシートを書く時の5つの注意点を紹介していきます。
①口語体では書かない
エントリーシートは、ビジネスでも通用する言葉遣いでなくてはならない公の文書なので、「口語体」は絶対にいけません。
若者言葉や流行語、略語などは、企業の面接では使ってはいけませんよ。下記は、間違いやすい話し言葉をまとめてたものなので参考にして下さい。
(誤)だから→(正)そのため/(誤)ちゃんと→(正)きちんと/(誤)やっと→(正)ようやく |
社会人としてふさわしい言葉遣いをし、口語体(話し言葉)は書かないようにしましょう。
②句読点以外使わない
メールやSNSで使うような顔文字や記号は使ってはいけません。エントリーシートは、就職試験の第一歩であり、企業の選考に突破するための最初の書類です。
最近は、手書きも少なくなりつつあり、ウェブ上で提出する企業も多々あります。気持ちを表したくて顔文字など使いたくなった場合は、言葉に感情をのせて表現しましょう。
③9割は埋める
エントリーシートの回答欄は、9割は埋めるようにしましょう。
企業は、質問に対し最適な回答スペースを空けているので、大幅な余白を残してしまうと、「アピールする気がない」もしくは「入社する強い意思がない」とも捉えられかねません。
また、手書きの場合、文字のバランスに気を付け、大きくなったり小さくなったりしないように気を付けて下さい。
企業が用意したエントリーシートは、なるべく余白がないようにするのがマナーです。
④誤字脱字はNG
エントリーシートを書く際には、誤字脱字はNGです。
誤字脱字に気を付けることは、最低限のマナーであり、できなければ注意力がないと見なされ悪い評価になります。
エントリーシートは、完璧に書いたと思っても何度も読み返したり、本当に間違いがないか確認しましょう。
⑤日付は送付日にする
エントリーシートの日付を記載する際は、企業にエントリーシートを送付(送信・持参)する日にしましょう。
最近では、エントリーシートはウェブ上で提出することがほとんどですが、たまに郵送や持参するところもあります。
エントリーシートに書く日付は、提出した日にするのがマナーなので、日付1つとっても気を配り、マイナスの印象にならないように注意しましょう。
日付を空欄にしておいて最後に書こうと思っていたところ、書き忘れないように確認して下さい。
完璧なエントリーシートで差をつけよう!

就職活動の第一歩は、エントリーシートで決まると言っても過言ではないくらい、エントリーシートは採用選考で重要な資料です。
企業は、エントリーシートで、「自社に必要な人材か」、「入社後活躍を期待できるか」、「伝達能力はあるか」の3つのポイントを見ています。
そのため自己分析や企業研究をし、自身の能力や経験をアピールし、企業の求める人材の共通点を見つけ、入社への熱意をアピールしましょう。
エントリーシートの書き方のコツは、伝えたいことを1つに絞り、結論ファーストで書き、具体的なエピソードを分かりやすい言葉で書いて、提出前に第三者に意見を求めることです。
口語体や誤字脱字に気を付け、日付は送付日し、9割以上を埋め高評価を狙ってくださいね。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。