面接で長所と短所を聞かれたら?採用したくなる解答例6つとNG例を紹介します
個室で淡々と質問をする複数人の面接官に、自分の人となりを短時間で分かりやすく伝えるのは、緊張しますよね。
しかしながら、面接で聞かれる内容は、ある程度決まっています。面接で回答する内容を事前に準備しておくと、緊迫した空気の中でも落ち着いて答えられますよ。
この記事では、面接で質問される長所と短所の返答への対応策について詳しく紹介しています。面接官に伝えてはいけないNG例も解説しているので、面接が不安な人は必見ですよ。
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面接で長所と短所を聞く理由
面接で長所と短所を質問するのは以下の理由があります。
①応募者の人となりを知りたいから
面接官は応募者の人となりを知るために、長所と短所の質問をします。履歴書や職務経歴書だけでは伝わらない、性格や行動特性を知ることが目的です。
面接官は短時間で応募者がどんなかを判断するため、より鮮明にイメージしてもらえるよう、長所が活きた場面や短所を自覚したできごとを具体的に述べましょう。
これらは、企業の社風と応募者の性格が合うかを判断する重要な判断材料になります。
②適性を見極めるため
企業は、単にどんな人物かを知るためだけではなく、長所・短所から自社が求める人材に適しているかを判断しています。
例えば、チームワークを重視する企業であれば、協調性の高さや対人関係の築き方が評価されるでしょう。また、業務に支障の出る短所を持つ場合、克服の努力が見られるかも重要です。
したがって、ただ長所と短所を挙げるのではなく、長所の活かし方や短所への向き合い方にも言及する必要があります。
③自己分析ができているか確認するため
面接官は、応募者がどれほど準備してきたかを確認しようとしています。面接での受け答えから、自己分析ができているかを判断するのです。
客観的に見た自分を分析できているのか判断するために、長所と短所の質問は最適です。自分を客観視できる人材は自己改善に効率的に取り組めるため、入社後の成長が期待されます。
面接に臨む前にしっかりと自己分析を行い、論理的かつ具体的にアピールできるよう準備しておきましょう。
面接で「長所・短所はありません」の回答はNG
長所・短所の質問に「ありません」と回答するのはNGです。人間誰しも少なからず長所と短所があります。
そのため、長所や短所がないと答えてしまうと、自分を理解できていない、あるいは成長意欲がないと判断される可能性があります。
また、前述の通り「準備をしてこなかった」とみなされてしまうので、必ず回答しましょう。
面接の臨む前に|「自己PR」と「長所」の違いを理解しておこう
自己PRと長所は似ているようで、若干意味が異なります。面接においては、その差は「企業への貢献度」にあると理解しておきましょう。
長所は「評価される性格や個人の特性」です。一方、自己PRで述べる強みは「仕事で活かせるスキル」です。
たとえば、「優しい」「おおらか」などは長所です。そして、「論理的思考が得意」「PCスキルが高い」「留学経験がある」などは、仕事に活かせる強みになります。
もちろん、「仕事に活かせる長所」もあります。「努力家」「思いやりがある」「好奇心旺盛」「共感力が高い」などの特性は、仕事で活かせますよ。
長所と短所の見つけ方

自分の長所と短所が分からない人は、下記の方法で見つけてみましょう。
①自己分析を徹底する
徹底的に自己分析をして自分の価値観を深掘りすると、今まで気付けなかった長所や短所が見えてきます。
まずは過去の経験を振り返り、成功した場面や失敗した場面を具体的に思い出してみましょう。うまくいった理由や苦労した原因を掘り下げることで、自分の強みや課題が見えてきます。
また、マインドマップやモチベーショングラフを活用するのも良いでしょう。自己分析を深めることで、面接でも説得力のある回答ができるようになります。
自分1人での自己分析に不安がある方は、就活のプロと一緒に自己分析をしてみませんか?あなたらしい長所や強みが見つかり、就活がより楽になりますよ。
②周りの人に聞く
長所や短所を見つけるには、周りの人に聞いてみるのもひとつの手段です。自分では気付いていないところに、周囲は気付いています。
自分を深く知る家族や友人に意見をもらうと、気付かなかったクセや行動パターンを指摘してもらえて、客観的に自分を見つめ直せるでしょう。
周囲の意見を集めてみることで、より多角的な自己理解が深まりますよ。
③長所⇔短所を言い換える
どちらか片方しか見つからない場合は、長所と短所を言い換えてみましょう。長所は言い換えれば短所にもなり、反対に短所は長所にもなります。
以下に言い換えた内容を紹介しているので、参考にしてみてください。
長所 | 短所 |
責任感が強い | 人に頼るのが苦手 |
真面目 | 柔軟性に欠ける |
行動力がある | 慎重さに欠ける |
協調性がある | 主張が苦手 |
忍耐強い | 我慢し過ぎる |
計画性がある | 予定通り進まないと焦る |
気配りができる | 気を遣い過ぎる |
コミュニケーション力が高い | 話し過ぎる |
効率よく動ける | 面倒くさがり |
感受性が豊か | 気持ちが揺れやすい |
冷静に考えられる | 感情が表に出にくい |
向上心がある | こだわりが強い |
臨機応変に対応できる | 優柔不断になりやすい |
几帳面 | 細かいことが気になる |
決断が早い | せっかち |
負けず嫌い | 意地を張り過ぎる |
場の空気を読める | 主張が苦手 |
几帳面 | 神経質 |
おおらか | 細かい部分を見落としがち |
慎重 | 行動が遅くなる |
人をサポートするのが得意 | 人前が苦手 |
責任感がある | 抱え込みやすい |
コツコツ努力する | 視野が狭くなりがち |
面接で好印象を獲得できる長所と短所の伝え方
長所と短所を伝えるときは、ポジティブな印象を与える内容にしましょう。
以下では好印象がもてる長所と短所の伝え方を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
①まずは結論から伝える
まず初めに、結論を伝えるようにしましょう。これにより、面接官があとに続く内容を理解しやすくなります。
例えばエピソードから話し始めてしまうと、聞き手は「この話はどこに行きつくのだろう?」と考えながら話を聞くことになります。
しかし、「私の長所は○○です」と最初に結論を伝えると、要点がしっかり伝わります。この方法は、面接に限らずビジネスの場で広く活用できますよ。
面接で要点を押さえた話し方ができることが伝われば、長所とは別にビジネスパーソンに必要な「伝える力」も評価してもらえるでしょう。
②長所・短所がわかる具体的なエピソードを入れる
要点を伝えたら、具体的なエピソードを入れましょう。エピソードを提示すると結論の裏付けとなり、説得力が高まります。
また、具体的に伝えることで面接官はあなたがどんな人物なのか想像しやすくなり、応募者が自社で働いている様子をイメージできるようになります。
自分の実体験に基づく話を具体的に述べることで、他の応募者との差別化にもつながり、より印象に残りやすくなるメリットもありますよ。
③長所は活かし方・短所は向き合い方を伝える
長所は具体的にどう活きるのか、短所は克服するためにどのような取り組みをしているのかを伝えましょう。
たとえば「協調性がある」ことを長所とするならば、過去にチームで取り組んだことを例に挙げ、その時に自分がどのような働きをして結果に貢献したかを具体的に説明します。
また、短所を挙げる際にはただネガティブな面を提示するのではなく、それにどのように向き合い改善に取り組んでいるのかを伝えることが大切です。
短所を把握しているのに対策をしていなければ、マイナスイメージのまま終わってしまい良い印象が残せません。前向きな印象で終わるように伝え方を工夫しましょう。
面接で長所を伝える具体例3選

ここでは、長所の伝え方の具体例を3つ紹介します。
①コミュニケーション力
ここでは、「コミュニケーション力」を長所として伝える際の例文を紹介します。
私の長所は、人とコミュニケーションを取るのが好きで、誰とでも自然に会話できることです。 大学ではサークルの新歓活動を担当し、新入生が緊張せずに話せるよう、相手に合わせた話題を選ぶことを意識していました。その結果、多くの新入生が入会を決めてくれ、後輩との関係もスムーズに築くことができました。 職場でも、この長所を活かして、周囲と良好な関係を築きながら業務を円滑に進めていきたいと考えています。 |
単に「コミュニケーション力が高い」と言うだけでは抽象的なので、例文のように具体的な経験を交えて伝えることが重要です。
「どんな場面で活かされたか」を伝えることで、仕事でも役立つ長所としてアピールできますよ。
②思いやりがある
「思いやりがある」「優しい」「気配りできる」などをアピールするなら、以下の例文を参考にしてください。
私の長所は、思いやりを持って行動できるところです。 特に意識していたわけではないのですが、友人に「○○は思いやりがあるよね」と言われて、確かに自分はどんな人にも寄り添った行動を選んでいたなと気づきました。それ以来、この長所を伸ばすべく、誰かといるときには相手をよく観察し、どんなサポートができるかを考えるようになりました。 このように意識することで、相手の立場や感情を理解しながら、効果的にコミュニケーションを取る力や、必要に応じて行動を変える柔軟性も身についたと思います。 入社後は、この思いやりの精神を活かして、チームの一員として他のメンバーと円滑に協力し、より良い成果を生み出していきたいと考えています。 |
この例文では、思いやりを意識的に活かすプロセスと、それがどのようにスキルに繋がったかを明確に示しています。
また、入社後にどのように活かせるかが具体的に伝えられているのも好印象です。
③責任感がある
ここでは、「責任感」をアピールする例文を紹介します。
私の長所は、責任感を持って自分の役割を全うできるところです。 大学のバレーチームでは、キャプテンを務めながらレフトとして試合にも出場していました。自分のプレーがチームの勝敗に直結するため、どんな状況でも冷静にボールをつなぎ、粘り強くプレーすることを徹底しました。 さらに、チーム全体のモチベーション維持にも気を配り、メンバーの性格に合わせた関わり方を意識することで、一体感のあるチーム作りを心がけました。その結果、地区大会で優勝することができました。 責任を持って自分の役割を果たしつつ、周囲と協力しながら成果を出す姿勢は、仕事でも活かせると考えています。 |
「責任感がある」という表現は面接でもよく使われます。「あなたらしさ」を出して印象に残すためには、自分だけの体験を具体的に提示する必要があります。
困難な状況でどのように行動したのか、どんな結果を残したかを伝えることで、「単なる自己評価」ではなく「周囲にも認められる長所」であることがアピールできますよ。
面接で長所を伝えるNG例文3選
長所を伝えるうえで、次の点に注意する必要があります。
①結論が伝わらない
私は友人や家族と楽しい時間を過ごすのが好きで、よくみんなで旅行に行きます。しかし、人数が多い場合には意見が割れることもあります。 そんなときには、旅行を有意義なものにするためにそれぞれの意見を聞いてまとめ、全員が納得できるプランを考えています。 みんなをまとめる調整役として、常に全員が楽しめるよう心掛けています。 |
結論が最初に述べられていない文章では、「どこが長所なのか」が伝わりにくくなります。物語などで使われる「起承転結」の構成は結論が見えにくくなりがちで、ビジネスの場ではあまり好まれません。
この場合は「私は周りの意見をまとめるのが得意です」と結論を最初に述べてから、たとえばどんな風に意見をまとめられるのかを伝えられると良いですね。
②長所が絞り切れていない
私の長所は、明るく、活発で、積極的に行動できることです。明るい性格なので誰とでもコミュニケーションが取れて友達も多く、活発なので色々なスポーツにも積極的にチャレンジしました。 新しいことに挑戦するのも好きで、大学のサークル活動では様々なイベントの企画や運営にも携わりました。 どんな場面でもポジティブな態度で行動し、周りを引っ張っていくことが得意です。 |
長所が複数あるのは良いことですが、盛り込み過ぎると結局何を伝えたいのかが分からなくなってしまいます。
長所を述べる場合はしっかりと企業研究を行い、企業が求める人材に合った長所をアピールしましょう。
③仕事に活かしにくい
面接で長所を伝える際、仕事に活かせないものを選ぶのは避けましょう。たとえば、以下のような長所は避けてください。
- 足が速い
- 方向感覚が強い
- 好き嫌いが少ない
どれも長所ではありますが、就活で企業に自分を売り込むための材料としてはふさわしくありません。面接では、「仕事をする上で活きる特性だ」と印象付けられる長所を選ぶ必要があります。
面接で短所を伝える具体例3選
ここでは、短所を伝える具体的な例文を3つ紹介します。
①マイペース
ここでは、「マイペース」を短所として伝える場合の例文を紹介します。
私の短所は、マイペースなところです。自分のペースで物事を進めることが多く、周囲との調整が遅れることがありました。 例えば、大学のグループワークで自分の作業に集中しているうちに、チームに必要な情報が共有されていないことに気づくのが遅れ、後から焦ることがありました。 この経験をきっかけに、進行中の仕事では定期的に状況を確認し、周囲のメンバーとこまめにコミュニケーションを取ることを意識しています。 また、締め切りに余裕を持って取り組むことで、予想外のトラブルにも対応できるようにしています。 |
面接官は、短所から「仕事で問題に直面したときにどう向き合い乗り越えていくか」を推し量っています。
そのため短所を伝える際には、上記の例文のように「短所を補う対応策」までセットで述べることが重要です。
②心配性
以下は、「心配性」を短所として伝える例文です。
私の短所は、心配性なところです。新しいことに挑戦する際は、不安を感じやすく、慎重になりすぎることがあります。 しかしその分、事前準備を大切にしています。例えば大学のプレゼン発表では、当日緊張しないように何度もリハーサルを行い、想定される質問への回答も準備しました。 その結果、本番では落ち着いて発表でき、高評価をいただきました。 仕事においても、リスクを考えた上で対策を練り、冷静に対応できるよう心がけていきたいです。 |
上記の例文では、短所を逆手に取り心配性であることのメリットが提示できているのが好印象です。
度の短所も、「○○な半面、こんなメリットもある」と提示できると、短所を述べながら効果的な自己PRができますよ。
③優柔不断
ここでは、「優柔不断」を短所として述べる場合の例文を紹介します。
私の短所は、優柔不断なところです。選択肢が多いと慎重になりすぎて決断に時間がかかることがあります。 しかし、優柔不断な自分を自覚したことで、決断にかかる時間を短縮することができました。 例えば、以前であれば時間をかけすぎていた選択も、今ではメリット・デメリットを整理して、迅速に決断できるようになりました。 今後も、リスクなどを慎重に判断する姿勢は大切にしつつ、スピーディに意思決定を行えるよう意識を持ち続けていきます。 |
どんな短所を述べる際も、その短所が併せ持つ「良い部分」に焦点を当て、プラスの印象に転じられるよう内容を組み立ててみましょう。
本記事でも紹介している「長所⇔短所の言い換え表」を参考にしてください。
面接で短所を伝えるNG例文

ここでは、短所として伝えてはいけない内容とNG例を紹介します。
避けるべき内容を知って、不採用の確率を減らしましょう。
①社会人として致命的な短所を選んでいる
短所の中でも、「社会人として致命的だ」と受け取られるような短所を提示するのはNGです。例えば、以下のような短所がこれに当てはまります。
- 飽き性
- 時間にルーズ
- 指摘が受け入れられない
- 向上心がない など
私の短所は、飽きっぽいところです。新しいことに挑戦するのは好きですが、少し時間が経つと興味が薄れてしまい、継続することが難しくなります。 例えば、大学のプロジェクトでは最初はやる気満々で取り組んでいましたが、途中でモチベーションが下がり、成果物を仕上げるのが遅れました。 その結果、チームメンバーに迷惑をかけ、最終的にはクオリティも満足できるものにはなりませんでした。 このままではいけないと感じ改善に努めていますが、現時点ではまだ課題を感じています。 |
例えば飽きっぽい性格だと、「採用しても長続きしないのでは」と思われてしまいます。時間にルーズであれば納期を守れず信用を得られませんし、指摘が受け入れられず向上心がなければ成長は見込めません。
選考を突破するためには、こうした短所は伝えないのが無難です。ただし、社会人として改善への取り組みはしっかりと行っていきましょう。
②短所に対する向き合い方に言及していない
短所を述べる際には、どのように向き合い克服するのかを必ず伝えてください。ネガティブな印象のまま終わってしまうと、採用には繋がりません。
例えば、先に紹介した「優柔不断」で向き合い方が述べられていないと、以下のようになります。
私の短所は優柔不断なところです。選択肢が多いと決断に時間がかかり、最終的に決めるのが遅くなってしまいます。 例えば、大学のゼミで研究テーマを決める際、複数のアイデアを思いつくものの、どれが最適か決められず、時間を浪費してしまいました。 結局、テーマが決まったのはギリギリになり、準備が間に合わず、結果として良い成果を出すことができませんでした。 |
「短所を述べてください」の回答として間違っているわけではありませんが、これでは「なぜ短所を聞かれているのかわかっていない」と受け取られてしまいます。
企業は「短所をどのように自覚し、向き合い、乗り越えようとしているのか」を知り、「仕事に向き合い努力できる人材か」を見極めていることを頭に入れておきましょう。
面接では長所と短所を効果的に伝えよう!

この記事では、長所・短所の見つけ方や、面接で好印象を得られる伝え方について解説しました。
長所・短所は改めて問われると難しい質問ですが、どんな人にも必ずあるものです。記事を参考に自分を見つめ直し、企業にアピールできるものを選んで伝えましょう。
また、短所は改善に向けた取り組みを行っているかが重要なポイントになります。自己分析を通して今まで気付かなかった短所を見つけたなら、1日でも早く改善への取り組みを始めましょう。
紹介したことを参考に、自分を魅力的にアピールしてください。