BtoB企業のメリット・デメリット・向いている人を解説
就職活動を行う中で、「BtoB」や「BtoC」という言葉が頻繁に耳に入ってきますよね。これらのビジネスモデルを理解し、自分がどちらのタイプに適しているかの見極めは、企業選びにおいて重要です。
この記事では、BtoB企業に勤めることの利点と、そこで活躍するために必要な人物像について解説します。みなさんのキャリア選択に役立てていただければ幸いです。
BtoB企業とは法人が顧客の企業
BtoB、すなわち「business to business」は、企業間で行われる取引を指すビジネスモデルを表します。このモデルでは、顧客は法人であり、その取引の規模は一般的に大きなものとなります。
一方で、BtoCという言葉もよく耳にしますよね。これは「business to consumer」の略で、ここでは顧客が個人または消費者となります。BtoBと比較すると、BtoCの場面では顧客の意思決定プロセスが速やかなのが特徴的です。
また、CtoCという形態も存在し、これは「consumer to consumer」、つまり個人間での取引を意味します。「ヤフーオークション」や「メルカリ」は、CtoC取引の典型的な例として挙げられます。
BtoB企業で働く4つのメリット
ここでは、BtoB企業で働くメリットを4つ紹介します。
- 規模が大きい仕事に関われる
- 顧客との信頼関係を築ける
- 経済的に安定した環境である
- 土日が休みである場合が多い
①規模が大きい仕事に関われる
BtoBの魅力は、その規模の大きさにあります。企業間取引を特徴とするBtoBでは、個人顧客を対象とするBtoCと比べて、一回の取引に動く金額が桁違いに大きいのです。
莫大な資金や商品がやり取りされることもあり、売上が年間で億単位に達する企業も少なくありません。これにより、社会への影響力も大きくなります。
大規模なビジネスを扱うことに魅力を感じ、大きなプロジェクトに関わりたいと考えている人にとって、BtoBは理想的な職種と言えるでしょう。
②顧客との信頼関係を築ける
BtoB企業は企業間取引を行うため、一度契約が成立すれば、アフターフォローを含む継続的な関係を築きます。
またBtoC市場の一般消費者を対象としたビジネスと比較して、BtoBでは顧客の要求がはっきりしていることが多く、取引先を特定しやすいという利点があります。
特殊な技術を持つ企業やニッチな市場で高いシェアを誇る企業がBtoBには多いため、市場での競争力が強く、経営が安定しています。その結果、従業員は安定した職場環境で長期的な信頼関係を築けるのです。
③経済的に安定した環境で働ける
BtoB分野のサービスや製品は、社会的に不可欠な役割を果たしています。そのためこれらが欠けると経済や社会活動に支障をきたす可能性があるため、高い社会貢献をしていると考えられます。
世界市場でトップシェアを誇る製品や、独自の高度な技術によるユニークな製品を提供するメーカーも存在し、これらは社会にとって欠かせないサービスや製品です。
BtoB企業でのキャリアは、経済や社会に対する貢献度が高く、仕事に対する大きな満足感を得られるため、多くの人にとって魅力的な選択肢となっています。
④土日が休みである場合が多い
BtoC企業は、消費者の休日に対応して土日も営業することが多く、忙しい時期には休暇を取りにくくなる特徴があります。
これに対し、BtoB企業は取引先が他の企業であるため、相手の休日スケジュールに合わせて自分たちの休日を設定しやすいという利点があります。取引先が週末に休む場合、自社も同様に土日を休むことが可能です。
このようにBtoB企業では週末を休むことが一般的であり、長期間安定して働きやすい環境が整っていると言えます。
BtoB企業で働くデメリット2つ
続いて、BtoB企業で働くデメリットについて解説します。
- 業務ごとの責任が大きい
- 企業の知名度が低い
①業務ごとの責任が大きい
BtoB企業はその市場の規模が大きいことが特徴ですが、社会にとって重要な商品を扱っているため、リスク管理の重要性が増します。
製品が供給されない場合、インフラが機能しなくなったり、消費者向け製品の生産が停止するほどの影響を及ぼす可能性があるのです。
また商品は高価なものが多く売上が大きい一方で、損失も大きくなり得るため、業務には高い責任が伴います。
その結果、責任感を感じたくない就活生の中でBtoB企業への就職を望む割合は、BtoC企業に比べて低い傾向が見られます。
②企業の知名度が低い
BtoC企業は、日常生活でよく目にする商品を提供し、テレビCMやインターネット広告を通じて積極的に宣伝活動を行っています。
これに対して、BtoB企業は他の企業を主な顧客としており、一般消費者向けの広告はあまり行わないため、メディアでの露出が少なく、一般にはあまり知られていないことが多いです。
この低い知名度は一見すると不利な点のように思えますが、就職市場においては異なる影響をもたらします。BtoB企業への応募者が少ないため、求人に対する応募倍率が低くて競争が少ない状況が生まれやすく、就職活動においては有利に働く可能性があります。
BtoB企業に向いている人の特徴3つ
ここからは、BtoB企業に向いている人の特徴を3つ紹介します。自分が当てはまっていたら向いていると言えるでしょう。
- 長期的な関係を築くのが得意
- 論理的思考力を持っている
- サポート役になりやすい
①長期的な関係を築くのが得意
BtoCビジネスでは、個々の顧客が多数存在するため、多くの異なる人々との出会いがあります。これは、多様なニーズに応え、幅広い市場にアプローチする機会を提供します。
一方BtoBビジネスモデルでは、取引先が限られており、定期的に同じ企業とのやり取りを行うのが一般的です。これは、新しい人との交流が得意でない人にとっても、安定した職場環境を提供できます。
またBtoBでは、相手が企業であるため、専門知識を深め、スキルを磨くことが不可欠です。業務は通常、就業時間内に行われるため、効率的な仕事の進め方が重要となります。
②論理的思考力を持っている
BtoB市場における顧客は企業であるため、購入プロセスは個々のケースに応じて複雑です。企業顧客は、提供される商品やサービスが自社にもたらす利益を合理的に評価します。
このような環境では、高い技術力と付加価値の高い製品やサービスの提供が不可欠です。それには、論理的な思考能力が重要となり、顧客に対して明確で理解しやすい説明をできる人材が求められます。
因果関係を明確にし、順序立てて思考する能力は、BtoBビジネスにおいて活かせるでしょう。このようなスキルを持つ人材は、BtoB企業での仕事に適していると言えます。
③サポート役になりやすい
BtoB企業は、一般消費者に直接アピールする宣伝活動をほとんど行わないため、存在が広く知られていないことが多いです。これらの企業が世界中で活躍していても、その名前が表舞台に出ることは少ないのです。
日常生活では目にすることのない特定のサービスや商品を扱っていることもありますが、これらは社会を支える不可欠な要素を提供しています。BtoB企業は、製品やサービスの背後にある重要な役割を担っており、その重要性は計り知れません。
そうした企業で働くことは、目立たないかもしれませんが、社会の基盤を支える喜びを感じる人や、製品開発の根幹に関わることに情熱を持つ人にとって非常にやりがいがあるでしょう。BtoB企業は、そうした役割を担うことに魅力を感じる人に最適な職場と言えます。
BtoB企業は多様な分野がある
BtoB企業は大きく2つのカテゴリーに分けられます。1つは物理的な製品を扱う企業、もう1つはサービスを提供する企業です。
例えば、物品を扱う企業としては、日本製鉄やINPEXがあります。日本製鉄は、国内最大級の鉄鋼メーカーとして、世界中に鉄を供給しています。
サービスを提供するBtoB企業としては、電通グループや三菱商事の産業インフラグループが知られています。これらの企業は、広告や産業インフラといった分野で、社会に不可欠なサービスを提供しています。
これらの企業は、それぞれが社会において不可欠な役割を果たしており、その重要性は計り知れません。物品を扱う企業もサービスを提供する企業も、BtoB市場においては、それぞれが特有の価値を持ち、社会の発展に寄与しています。
BtoB企業ではやりがいを感じやすいのがメリット
この記事では、BtoB企業での勤務がもたらす利点と、そこで活躍する人々の特性について解説しました。
BtoBは法人向けの営業を行い、BtoCは個人向けの営業を行います。職種が似ていても、対象とする顧客層が異なるため、仕事の魅力ややりがいは個人の価値観によって変わってきます。
BtoB企業は一般消費者との直接的な接触は少ないものの、取引の規模が大きく、経済的な安定性を提供する大きなプロジェクトに携われるでしょう。
キャリアの可能性を広げ、新たなチャレンジを求めるなら、BtoC市場だけでなく、BtoB市場にも目を向けることが重要ですよ。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。