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履歴書の卒業研究の書き方と例文|企業が見る5つの視点や注意点

「卒業研究って、履歴書にどう書けば良いんだろう…」卒業研究は、就職活動において自分の専門性やスキルをアピールする重要な部分です。

しかし、どのように書くべきか、企業が見るポイントについては悩むところですよね。

本記事では、履歴書に卒業研究をどう書けば効果的にアピールできるか、企業が見ている視点や注意すべき点を解説します。

しっかりと内容を整理し、企業の求める人物像に合わせて伝えることで、履歴書を魅力的に仕上げましょう。

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目次

履歴書の卒業研究は魅力をアピールする場

履歴書の「卒業研究」欄は、学業の記録だけでなく、企業があなたの人柄や取り組み姿勢を知るための重要な部分です。

企業は研究内容を通じて、あなたの思考力や粘り強さ、成長力を評価します。ただし、新卒採用では、即戦力よりも過程や学びが重視されるため、研究テーマの難易度にこだわる必要はありません。

重要なのは、自分なりの工夫や姿勢、得られた気づきを具体的に伝えることです。成果だけでなく、努力や学びを丁寧に記載しましょう。

卒業研究とは

卒業研究は、大学の最終学年で行う専門的な研究活動であり、履歴書に記載することが求められる場面が多いです。

就活では、研究テーマそのものよりも、そのプロセスや取り組み姿勢が重要視されます。企業はこの欄から、思考力、課題解決能力、主体性、継続力を読み取ろうとしています。

そのため研究内容だけでなく、「なぜそのテーマを選んだのか」「どんな工夫をしたのか」「得られた学びは何か」を具体的に伝えることが重要です。

理系・文系問わず、卒業研究は強いアピール材料となりますので、経験や気づきをしっかりと振り返って記述しましょう。

履歴書の卒業研究に企業が見ているポイント

履歴書の卒業研究欄は、単なる研究の報告ではありません。企業はこの欄を通じて、あなたの思考力や課題への向き合い方、成長意欲などを見ています。

どう評価されるのかを理解すれば、より効果的な書き方ができるはずです。

  1. 課題解決への主体性や粘り強さはあるか
  2. 専門性と企業ニーズの一致度しているか
  3. 研究への取り組み方や姿勢はあるか
  4. 成果ではなくプロセスを重視しているか
  5. コミュニケーション力や協働性が伝わるか

①課題解決への主体性や粘り強さはあるか

企業が特に注目するのは、課題に対して主体的に動けるか、困難な状況でも粘り強く取り組めるかという点です。

卒業研究は試行錯誤の連続であり、その中でどんな工夫をし、どう乗り越えたのかが評価につながります。

たとえば、予想通りに進まなかった実験を改善したり、必要な資料を自分で探して補ったりした経験があれば、具体的に書いてみてください。結果ではなく、そこに至るまでの姿勢を見せることが重要です。

失敗した経験であっても、対応の仕方や考え方を丁寧に伝えることで、前向きな印象を与えられます。履歴書には、行動と成長のプロセスを忘れず盛り込んでください。

②専門性と企業ニーズの一致度しているか

卒業研究では、学んできた内容が企業とどのように結びつくかを示すことも大切です。企業は、あなたの専門性が自社の業務にどれだけ関係しているかを見ています。

たとえば、IT系企業を志望していて、研究テーマが「データ分析」や「機械学習」であれば、実務に直結するスキルとして好印象を与えるでしょう。

一方で、業界が異なる場合でも、論理的思考力や問題解決力など、応用できる力を言語化できれば十分にアピールになります。

大切なのは、自分の研究が企業のどんな場面で活かせるかを説明できることです。難しい言葉ではなく、自分の言葉でわかりやすく伝えてみてください。

③研究への取り組み方や姿勢はあるか

卒業研究では、どのように物事に取り組んだかも見られています。単に与えられた課題をこなすだけではなく、自分なりに工夫し、積極的に動いた経験があれば、それを具体的に書いてください。

たとえば、自主的に計画を立てたり、チームでの役割を見直してみたりといった行動があると、前向きな姿勢が伝わりやすくなります

受け身の姿勢では、社会人としての将来性を感じにくくなるでしょう。どんな小さな工夫でも、目的意識を持って取り組んでいたことが伝われば、履歴書の内容に深みが出ます。

④成果ではなくプロセスを重視しているか

企業は、卒業研究でどんな成果を出したかよりも、その過程でどんな経験をし、どう成長したかに注目しています。

なぜなら、実際の仕事では成果だけでなく、そこに至るプロセスが評価される場面が多いからです。

たとえば、研究途中でテーマを変更せざるを得なかったり、想定外のトラブルに直面したりした場合でも、そのときに何を考え、どんな工夫をしたのかを書けば、前向きな印象を与えられます。

プロセスを書くことで、あなたの考え方や行動の特徴が企業に伝わりやすくなります。履歴書では結果だけに頼らず、そこまでの道のりにも目を向けてみてください。

⑤コミュニケーション力や協働性が伝わるか

研究というと個人作業のように思われがちですが、実際には他者とのやり取りが欠かせません。企業は、卒業研究の中でどのように周囲と関わったかを通じて、あなたの協調性や伝達力を見ています。

たとえば、ゼミの仲間と意見をすり合わせたり、指導教員とこまめに相談したりした経験があるなら、それをしっかり伝えてください。役割分担を自ら提案したようなエピソードも、好印象を与えるでしょう。

企業は「この人と一緒に働きたいか」を重視しています。卒業研究を通じて得た人間関係やコミュニケーションの工夫も、あなたの強みとして活かせるポイントです。

履歴書の卒業研究に書く内容

履歴書で卒業研究を伝える際は、単にテーマ名を記載するだけでは十分とはいえません。企業に内容が正しく伝わるよう、「何を・なぜ・どうやって・何が得られたか」という構成を意識する必要があるのです。

ここでは、効果的な書き方を5つのポイントに分けて紹介します。

  1. どんな研究に取り組んだかを簡潔に伝える
  2. 研究の目的や背景を明確に伝える
  3. 研究方法や進め方をわかりやすく伝える
  4. 得られた成果と学びを具体的に伝える
  5. 研究内容が将来の仕事にどう活きるかを伝える

① どんな研究に取り組んだかを簡潔に伝える

最初に取り組んだ研究の概要を短くまとめることで、採用担当者の興味を引きやすくなります。

たとえば「AIを活用した医療画像の解析」や「地域観光に関するマーケティング戦略の分析」など、テーマの内容がひと目でわかるよう表現しましょう。

ここで詳細を詰め込みすぎると、読みづらくなる恐れも。専攻とのつながりを意識した書き方にすると、学びの一貫性が伝わりやすくなるでしょう。

② 研究の目的や背景を明確に伝える

テーマ選定の理由や背景を伝えることで、主体性や問題意識が伝わりやすくなります。単に「指導教員にすすめられたから」などと書いてしまうと、興味の薄さを疑われかねません。

たとえば「○○業界の社会的課題に関心を持ち、自分なりに解決策を考えたいと思った」など、自身の視点を交えて動機を示してください。目的が明確であれば、研究全体に説得力が生まれます。

③ 研究方法や進め方をわかりやすく伝える

企業は、研究にどのように取り組んだかを通じて、行動力や思考力を見ています。

たとえば「アンケート調査を行い、得られたデータを統計的に分析した」や「現地に足を運び、ヒアリング調査を実施した」など、工程が具体的に伝わるように書きましょう。

専門用語は極力使わず、かみ砕いた表現にするのがコツです。工夫した点や課題への対応方法も交えると、より実践的な姿勢が伝わります。

④ 得られた成果と学びを具体的に伝える

成果とは、研究で得た知識だけでなく、取り組みを通じて成長した部分も含まれます。

「仮説を検証する中でデータ分析力が向上した」「発表に向けて論理的に話す力が身についた」といった成長を言葉にして伝えてください。

うまくいかなかったことから得た教訓なども、自己理解の深さとして評価されます。学びを振り返りながら、簡潔かつ前向きな表現を意識しましょう。

⑤ 研究内容が将来の仕事にどう活きるかを伝える

研究と志望する企業や職種との関連性を示すことは、履歴書の印象を高めるうえで効果的です。

たとえ内容が直接関係していなくても、「課題解決のプロセスを学んだ経験を今後の業務に応用したい」といった繋げ方ができます。

研究と将来像を結びつけることで、自分のキャリアビジョンを持っていることも伝わるでしょう。最後に一文でも加えることで、読み手の納得感が大きく変わります。

卒業研究で自分の魅力をアピールするコツ

卒業研究は、自分の努力や成長を伝えるチャンスです。研究内容そのものよりも、取り組む姿勢や考え方をどう表現するかが大切になります。

ここでは、履歴書で魅力を伝えるための具体的なポイントを5つ紹介します。

  1. 取り組みの工夫や苦労した点を伝える
  2. 研究内容に対する熱意や継続力を伝える
  3. 成果よりもプロセスと姿勢に焦点を当てて伝える
  4. 仕事への再現性や応用力を伝える
  5. 企業の特徴に合ったアピールポイントを伝える

①取り組みの工夫や苦労した点を伝える

履歴書では、卒業研究をどのように進めたのかを具体的に書くことが重要です。

単に「頑張った」と述べるよりも、「何に対してどんな工夫をしたのか」を明確にするほうが、あなたらしさが伝わりやすくなります。

たとえば、「必要なデータが足りなかったため、自分でアンケートを作成して集めた」「研究計画がうまくいかず、手法を見直した」といった経験は、自主性や問題解決力のアピールにつながります。

苦労したことを書いても、マイナス評価にはなりません。むしろ、その困難にどう向き合ったかを示すことで、前向きな姿勢を伝えられるでしょう。

②研究内容に対する熱意や継続力を伝える

卒業研究は長期的に取り組むものです。そのため、興味関心の深さや継続して努力したことがしっかり伝わると、評価されやすくなります。

たとえば、「高校の頃から興味のあったテーマを深掘りした」「専門外の分野にも踏み込んで文献を調べた」など、熱意が感じられるエピソードが効果的です。

自分の意志で学び続けたことは、入社後の成長にも期待できると捉えられるでしょう。履歴書には、研究に対してどれだけ本気で取り組んだのかが伝わるように書いてください。

③成果よりもプロセスと姿勢に焦点を当てて伝える

就活では、結果よりも過程が重視される傾向があります。研究が思うように進まなかった場合でも、そのなかで何を考え、どう工夫したかを伝えることが大切です。

たとえば、「思うようなデータが得られず、分析方法を変えた」「進行が遅れたため、計画を見直してチーム内での作業を再配分した」など、課題に向き合った過程に注目してみてください。

履歴書では、結果を誇るのではなく、取り組んだ姿勢や工夫の内容に焦点を当てて書くと、誠実さや努力が伝わりやすくなります。

④仕事への再現性や応用力を伝える

研究を通じて身につけた力を、社会人としてどう活かせるかを伝えると、企業からの印象が良くなります。研究テーマそのものよりも、そこで得たスキルや考え方の応用が大切です。

たとえば、「調査結果をまとめる経験が、営業資料の作成に役立つと思う」「複雑な内容をわかりやすく説明した経験が、顧客対応に活かせると感じた」など、業務とのつながりを意識して書いてみてください。

企業は、自社での活躍を想像できる人材を求めています。あなたの経験をどう再現できるかを伝えましょう。

⑤企業の特徴に合ったアピールポイントを伝える

履歴書の内容は、応募先企業ごとに調整するのが効果的です。企業によって重視するポイントが異なるため、それに合った伝え方を選ぶことで印象が大きく変わります。

たとえば、チームワークを重視する企業なら「ゼミ内での役割分担の調整や話し合いに力を入れた」ことを、個人の自主性を求める企業なら「研究テーマの選定から発表までを自分で進めた」ことを強調するとよいでしょう。

同じ研究内容でも、企業に合わせた見せ方を工夫することで、より高い評価が得られる可能性があります。

卒業研究のテーマが決まっていないときの対処法

履歴書の卒業研究欄は、テーマがまだ確定していなくても空欄にしない方が安心です。準備中の段階であっても、現在の状況や興味を正直に伝えることで、前向きな印象を与えられるでしょう。

ここでは、テーマ未定でも履歴書に記載できる方法を5つ紹介します。

  1. 予定している研究テーマを書く
  2. ゼミや講義の中から履歴書に書ける内容を探して書く
  3. 研究で取り組みたいテーマや関心領域を書く
  4. なぜテーマが決まっていないのか、いつ決まる予定かを書く
  5. ガクチカや得意科目を研究の代わりに書く

① 予定している研究テーマを書く

まだ研究に着手していない場合でも、予定しているテーマについて触れておくと、意欲が伝わりやすくなります。

「地域活性化と観光資源の関係性について調査予定」など、簡潔に方向性を伝えてください。

確定していない内容でも、関心や取り組み姿勢を示すことで、ポジティブな印象を持たれやすくなります。曖昧なままにせず、今後の展望も添えるとより親切でしょう。

② ゼミや講義の中から履歴書に書ける内容を探して書く

卒業研究が未定でも、これまで取り組んだゼミや授業のテーマを書けば問題ありません。

たとえば「○○ゼミで地域経済に関する事例分析を行った」など、具体的な経験があると信頼性が高まります。

講義の中で特に関心を持った内容やレポート課題について触れることで、これまでの学習姿勢も伝えやすくなるでしょう。

研究未着手だからといって空欄にするのはもったいないので、学びの棚卸しをしてみてください。

③ 研究で取り組みたいテーマや関心領域を書く

将来的に取り組みたいテーマや、強く関心を持っている領域について書くのも効果的です。

「高齢者福祉とICTの連携に関心がある」や「持続可能な都市開発をテーマにしたい」など、自分の視点を含めることがポイント。

まだ実際の研究が始まっていなくても、企業は学生の関心や問題意識を知りたいと考えています。漠然とした表現より、できるだけ具体的に書くよう心がけましょう。

④ なぜテーマが決まっていないのか、いつ決まる予定かを書く

テーマが未定である理由と、今後の決定予定を明記すると丁寧な印象になります

「4月にゼミが始まるため、その後に指導を受けてテーマを確定する予定です」など、スケジュールとともに伝えてください。

説明を加えることで、読む側の疑問を先回りして解消できます。正直に書くことがマイナス評価になるわけではないため、事実を簡潔に示すことが信頼につながるでしょう。

⑤ ガクチカや得意科目を研究の代わりに書く

研究テーマがまだ全く決まっていない場合は、履歴書欄を「学業で力を入れたこと」で埋めても問題ありません。

「統計分析の演習でプレゼン力を磨いた」や「異文化理解を深める授業に積極的に参加した」など、自分の学びや成長が伝わる内容を選んでください。

形式にこだわるよりも、今の自分をどう表現するかを重視した方が、履歴書全体の印象も良くなります。

履歴書の卒業研究の例文

「自分の研究をどう書けばいいのかわからない」「文字数に合わせた書き方に悩んでいる」そんな声は少なくありません。ここでは、就活生の状況に応じた卒業研究の記載例を紹介します。

例文を参考にすることで、自分の強みや取り組みを具体的に表現するヒントが得られるはずです。

  1. 文系学生向けの卒業研究の例文
  2. 理系学生向けの卒業研究の例文
  3. 研究内容が志望業界と異なる場合の記載例
  4. 卒業研究が未定の場合の記載例
  5. ゼミに所属していない場合の記載例

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① 文系学生向けの卒業研究の例文

今回は、地域社会との関わりをテーマにした文系学生の卒業研究例文を紹介します。身近な問題を通じて、実地調査や分析力をアピールできる構成がポイントです。

《例文》

私は大学で地域社会における高齢者の孤立問題について研究しました。きっかけは、祖父が一人暮らしをしているなかで「近所付き合いが減って寂しい」とこぼしたことでした。

そこから、高齢者が地域からどう孤立し、何に困っているのかを知りたくなったのです。

研究では、地元自治体が実施する見守り活動に関する聞き取りや、地域住民へのアンケート調査を行いました。

特に注目したのは、行政やNPOがどのように連携して支援の仕組みをつくっているかです。

分析の結果、地域によって支援のあり方が大きく異なることがわかり、制度と現場の温度差にも気づきました。

この研究を通じて、人の声を丁寧に聞く力や、情報を整理して伝える力が身についたと感じています。今後はこの経験を活かし、相手の立場に立って考え、行動できる社会人を目指したいです。

《解説》
身近なきっかけから社会的テーマにつなげることで、説得力のある研究としてまとめています。同様のテーマでは、「なぜそれを選んだのか」「何を得たのか」をしっかり書くのが大切です。

② 理系学生向けの卒業研究の例文

ここでは、理系の中でも多くの学生が取り組む実験・検証型の研究をテーマにした例文を紹介します。研究の流れや学びを具体的に伝えることがポイントです。

《例文》

私は、食品の保存に関する研究に取り組みました。きっかけは、大学1年のときに食品ロスについて学んだことです。

家庭でもコンビニでも多くの食品が捨てられている現状を知り、保存技術を通じて社会課題の解決に貢献できるのではと考えたのです。

研究では、保存方法によって食材の鮮度がどのように変化するかを調べるために、温度や湿度を変えて実験を行いました。

データの分析を重ねる中で、微妙な条件の違いが食品の状態に大きく影響することに気づいたのです。また、試行錯誤の中で実験の精度を高める工夫も行いました。

この研究を通じて、正確な記録をとる力や、計画的に物事を進める姿勢が身についたと実感しています。今後も地道な努力を重ねながら、社会に役立つ技術開発に関わっていきたいです。

《解説》
身近な社会課題と自分の研究を結びつけている点が好印象です。同じような研究テーマの場合、研究のきっかけと、どんな工夫や発見があったかを丁寧に書くことが大切でしょう。

③ 研究内容が志望業界と異なる場合の記載例

ここでは、研究分野と志望業界が異なるケースでも、学びや姿勢をうまくアピールする例文を紹介します。研究内容そのものよりも、そこから得た力の伝え方がカギです。

《例文》

私は大学で、江戸時代の商人文化について研究しました。研究を始めたきっかけは、旅行先の資料館で見た商家の帳簿に興味を持ったことです。

数字の管理や日常的なやりとりから、当時の経済活動のリアルさを感じたことを覚えています。

文献をもとに、地域ごとの商習慣や人の動きについて調査を進め、資料の読み取りと比較を繰り返しました。

その中で、数字だけでは見えない背景や、商人の判断力が地域経済に与える影響にも着目するようになったのです。

現在はIT業界を志望していますが、研究を通じて得た「情報を正確に読み解き、物事の本質を見極める力」は、業界が違っても活かせると感じています。

相手の立場に立って考え、丁寧に伝える姿勢を今後も大切にしていきたいです。

《解説》
業界が異なっても、研究で得たスキルや考え方を活かせる点を明確にするのがポイントです。「どう応用できるか」に焦点を当てて書くと説得力が増します。

④ 卒業研究が未定の場合の記載例

ここでは、卒業研究のテーマがまだ確定していない場合でも、関心分野やこれからの意欲を伝えることで前向きにアピールする記載例を紹介します。

《例文》

現在、卒業研究のテーマは最終決定に至っていませんが、ゼミでは「人と人の信頼関係を生む仕組み」について興味を持って学んでいます。

特にSNSの発展によって、顔を合わせなくても信頼が生まれる背景に強く関心を持ちました。夏頃には、SNS上でのやりとりが信頼構築に与える影響を調べる実験を予定しています。

実際に複数のやりとりのパターンを設定し、参加者の感じ方を測定・分析する予定です。

今はテーマが完全には固まっていませんが、リサーチや仮説の設定に取り組んでおり、研究を通じて人の心理や行動の背景を深く理解したいと考えています。

卒業研究を通して得られる観察力や分析力を、今後の仕事にも活かしていきたいです。

《解説》
未定であっても、関心や予定している取り組みを具体的に書くことで、前向きな姿勢が伝わります。「なぜその分野か」も一緒に書くと説得力が増すでしょう。

⑤ ゼミに所属していない場合の記載例

ここでは、ゼミに所属していない学生が、自主的な学びや個人での取り組みをアピールできる卒業研究の記載例を紹介します。

《例文》

私はゼミには所属していませんが、「高齢者のスマートフォン利用の課題と支援策」というテーマに個人で取り組んでいます。

きっかけは、祖父母がスマートフォンの操作に苦労している様子を見て、日常生活で困っている高齢者が多いのではと感じたことでした。

そこで、地元の高齢者支援施設に協力をお願いし、利用者の声をもとに課題を整理しました。

今後は、どのようなサポートが実際に役立つのかを検証するためのインタビューや観察調査を行う予定です。

ゼミに所属していなくても、実社会とつながるテーマを通じて、自分なりに問題を発見し、解決に向けた行動を続けています。

《解説》
ゼミに入っていなくても、自主性や行動力を具体的に書くことで十分アピールになります。研究の背景や着眼点を丁寧に伝えることが大切です。

履歴書の卒業研究を書く際の注意点

履歴書の卒業研究欄は、ただ埋めればよい項目ではありません。内容や書き方次第で評価が変わるため、誤解を招かない工夫が必要です。ここでは、特に気をつけたい5つのポイントを紹介します。

  1. 空欄や「なし」と記載しない
  2. 専門用語を多用しない
  3. 成果だけを書いて課題や失敗を隠さない
  4. 志望業界と異なる研究内容を否定的に捉えない

①空欄や「なし」と記載しない

卒業研究欄を空欄にしたり、「なし」と書いたりするのは避けてください。採用担当者からは、やる気が感じられない、あるいは準備不足だと受け取られる恐れも。

たとえ研究がまだ始まっていなくても、予定しているテーマや興味のある分野を書いておくと印象がよくなります。「○○について研究を予定しています」と記載すれば、前向きな姿勢が伝わるでしょう。

内容が曖昧でも、意欲や考えが伝われば十分です。空欄にせず、自分の言葉で表現してみてください。

②専門用語を多用しない

専門的な研究内容を書く場合でも、用語を使いすぎると伝わりにくくなります。読む人がその分野に詳しいとは限らないため、難しい表現は避けたほうがよいでしょう。

たとえば「ナノ粒子の光学特性」と書く代わりに、「小さな粒子が光をどう反射するかを調べました」と言い換えると伝わりやすくなります。

研究の正確さよりも、わかりやすさが重視される場面です。だれが読んでも理解できる内容を目指してください。

③成果だけを書いて課題や失敗を隠さない

履歴書には、研究で得た成果を書くことが多いですが、成功体験だけに終始するのはもったいないことです。むしろ、途中で直面した課題や失敗への対応を伝えるほうが、人間性や成長が伝わります。

たとえば「データ収集がうまくいかず、分析方法を見直した」といった経験があるなら、その対応を丁寧に説明しましょう。その過程にこそ、思考力や工夫の跡が表れます。

失敗は悪いことではありません。どう向き合ったかを伝えることで、ポジティブな印象につながります。

④志望業界と異なる研究内容を否定的に捉えない

研究内容が志望業界と関係ない場合、「書かない方がいいかも」と迷うかもしれませんが、心配は要りません。直接つながりがなくても、研究で得た力は十分に応用できます。

たとえば文学を専攻していてIT業界を目指す場合でも、読解力や情報整理力は業務に活かせるはず。重要なのは、研究で得た経験をどう応用できるかを伝える視点です。

研究の分野が違うからといって、自信をなくす必要はありません。そこから得た力を活かす意識があれば、魅力的に伝えられるでしょう。

面接で深掘りされる卒業研究の質問例

面接では、履歴書に書いた卒業研究について詳しく聞かれることがあります。企業は研究を通じて、あなたの考え方や取り組み姿勢を見ようとしているのです。

ここでは、よくある質問とその意図、回答のポイントを5つに分けて紹介します。

  1. どのようなテーマで研究したか
  2. そのテーマを選んだ理由
  3. 研究の過程で苦労した点
  4. 研究を通じて得た学びや成長
  5. 志望企業の業務との関連性

① どのようなテーマで研究したか

最初に問われやすいのが、研究テーマの内容です。聞き手が専門外でも理解できるよう、簡潔に説明しましょう。

たとえば「地方創生に関する観光政策の効果検証」や「AIを使った画像認識技術の精度向上」といった表現がおすすめです。専門用語が必要な場合は、意味を補足すると丁寧。

話の導入がわかりやすければ、その後の質問にも答えやすくなるでしょう。

② そのテーマを選んだ理由

テーマ選定の理由を尋ねる質問では、あなたの関心や主体性が見られています。

「社会課題への関心から選んだ」「授業で興味を持った内容を掘り下げたかった」など、自分の思いや動機を具体的に伝えてください。

もし迷った経験がある場合も、その過程を語ることで思考の深さを示せます。自ら選んで取り組んだ姿勢をしっかり伝えることが大切です。

③ 研究の過程で苦労した点

研究で直面した困難について聞かれたら、単に苦労を語るだけでなく、そのときどう対応したかまで伝えましょう。

たとえば「データ収集が思うように進まなかったが、調査方法を見直して改善した」など、工夫や行動が伝わるエピソードが効果的です。

結果よりも、取り組み方や問題への向き合い方が評価されるポイントになります。

④ 研究を通じて得た学びや成長

卒業研究から得た学びは、あなたの成長を示す材料です。「情報を整理して伝える力がついた」「計画的に物事を進める意識が身についた」など、具体的な行動と結びつけて伝えてください。

抽象的な表現では伝わりにくいため、体験やエピソードを交えると説得力が増します。一言でまとめてから具体例を添える構成が効果的です。

⑤ 志望企業の業務との関連性

最後に、研究経験が志望企業でどう活きるかを問われる場合があります。

研究内容と業務が直接つながらなくても、「課題発見から解決までの姿勢は仕事でも役立つと思います」など、自分なりの視点で応用可能性を伝えてください。

企業の業務内容と関連づけることで、理解度の高さもアピールできます。面接前に企業研究と自己分析を整理しておきましょう。

履歴書で卒業研究の成果をアピールして好印象を目指そう!

履歴書における卒業研究は、自分の強みや姿勢を企業に伝える重要なアピール材料です。

どんな研究を行ったのかを記すだけでなく、目的や取り組み方、成果を通じて「どう考え、どう行動したのか」を表現することが評価の鍵になります。

たとえテーマが未定であっても、関心領域や予定内容を伝えることで、前向きな印象を与えられるでしょう。大切なのは、成果よりもプロセスや姿勢を丁寧に伝えることです。

履歴書の卒業研究欄を活用して、自分の魅力を的確に表現してください。

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    「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。