HOME > 就活マガジン記事 > 「貴社」「御社」どっち?就活メールで迷わない敬語マナー

「貴社」「御社」どっち?就活メールで迷わない敬語マナー

「就活メールで“貴社”と“御社”のどちらを使えばいいの?」そんな疑問を抱く就活生は少なくありません。

正しく使い分けないと、相手に失礼な印象を与えてしまう可能性もあります。言葉遣いは社会人としての基本。とくにメールや面接での敬語マナーは、選考にも影響する重要なポイントです。

そこで本記事では、「貴社」と「御社」の違いと使い分け方、具体的な使用例や間違えたときの対処法まで詳しく解説します。ぜひ本記事を参考にして、適切に使い分けましょう。

「ビジネスメールの作成法がわからない…」「突然のメールに戸惑ってしまっている」と悩んでいる場合は、無料で受け取れるビジネスメール自動作成シートをダウンロードしてみましょう!シーン別に必要なメールのテンプレを選択し、必要情報を入力するだけでメールが完成しますよ。

目次

「貴社」と「御社」の意味の違い

「貴社」も「御社」も、相手の会社を敬って表現する言葉です。ただし使う場面が異なり、「貴社」は書き言葉、「御社」は話し言葉として使うのが一般的

たとえば、メールや履歴書には「貴社」を使い、面接や電話では「御社」を使うと自然な印象になります。

「貴社」は「きしゃ」と読みますが、話し言葉として使うと「記者」や「汽車」と聞き間違えられるおそれがあります。そのため、口頭では「御社(おんしゃ)」を使うのが適切です。

このように、場面だけでなく発音の観点からも言葉の使い分けが求められます。意味はほとんど同じでも、状況に合わない使い方をすると相手に違和感を与える可能性がありますよ。

メールでの「貴社」と「御社」の使い方

就職活動中、企業とメールでやり取りする機会はとても多いです。その中で「貴社」と「御社」の違いをしっかり理解していないと、知らないうちにマナー違反になることも。

ここでは、それぞれの使い方と混同を防ぐためのコツを紹介しましょう。

  1. メールで「貴社」を使う場面とは?
  2. メールで「御社」を使う場面とは?
  3. メールで「貴社」と「御社」を混同しないためのコツは?

① メールで「貴社」を使う場面とは?

メールでは、基本的に「貴社」を使うのがマナーです。「貴社」は書き言葉として使われる敬語であり、文面上のやり取りに適しています。

たとえば、エントリー後の連絡、面接日程の調整、お礼や辞退のメールなど、多くの場面で「貴社」を使用する一方で、「御社」は話し言葉なので、メールに使うと違和感を与えるかもしれません。

書類選考では、文面の丁寧さも見られています。書き慣れないうちは堅く感じるかもしれませんが、使いこなせると信頼感が伝わるでしょう。

② メールで「御社」を使う場面とは?

原則として、メールで「御社」は使いません。ただし、どうしても会話の引用や口頭の再現が必要な場面では、例外的に使われることも。

たとえば、面接で聞いた言葉を引用する場合などが該当します。それでも基本は「貴社」と覚えておくと安心です。

うっかり「御社」と書いても、すぐに訂正する必要はありませんが、今後のためにも覚えておきましょう。

③ メールで「貴社」と「御社」を混同しないためのコツは?

混同を防ぐには、「メール=貴社」「会話=御社」と明確に覚えるのが一番です。そのうえで、実際に何度も使ってみることが大切になるでしょう。

テンプレートに「貴社」を入れておいたり、メール練習で繰り返し使ったりすることで自然に身についていきます。

また、書いている途中で「これは話し言葉か、書き言葉か」と考えるクセをつけると、判断がしやすくなるでしょう。辞書登録や入力補助ツールの活用も、うまく使えば心強い味方になります

「貴社」を使ったメールの例文

就職活動では、企業への連絡やお礼など、さまざまなシーンでメールを送る機会があります。その中で「貴社」の使い方に不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

ここでは、具体的なシーン別に「貴社」を使ったメール例文を紹介し、状況に応じた正しい表現方法を理解できるように解説します。

  1. 自己紹介メールでの「貴社」の使い方
  2. エントリー受付メールでの「貴社」の使い方
  3. 面接日程調整メールでの「貴社」の使い方
  4. お礼メールでの「貴社」の使い方
  5. 辞退メールでの「貴社」の使い方

また、ビジネスメールがそもそも書けずに困っている人は、就活マガジン編集部が作成したメール自動作成シートを試してみてください!

ビジネスマナーを押さえたメールが【名前・大学名】などの簡単な基本情報を入れるだけで出来上がります。

「面接の日程調整・辞退・リスケ」など、就活で起きうるシーン全てに対応しており、企業からのメールへの返信も作成できるので、早く楽に質の高いメールの作成ができますよ。

① 自己紹介メールでの「貴社」の使い方

就職活動で初めて企業へメールを送る際、自分を紹介しながら「貴社」という表現を自然に盛り込むことが求められます。

ここでは、大学生がインターン応募や会社説明会後などに送る自己紹介メールの例文を紹介しています。

《例文》

件名:インターンシップ参加希望のご連絡(〇〇大学〇〇)

〇〇株式会社
人事部 採用ご担当者様

突然のご連絡失礼いたします。
私は〇〇大学〇〇学部〇〇学科に在学中の〇年、〇〇と申します。

先日、貴社のオンライン会社説明会に参加させていただき、御社の○○事業に深く感銘を受けました。

特に、「地域課題を解決するビジネスモデル」のお話に強く惹かれ、自分の将来像と重ね合わせることができました。

つきましては、貴社で実施されているインターンシップにぜひ参加させていただきたく、ご連絡差し上げました。何卒よろしくお願い申し上げます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〇〇大学〇〇学部〇〇学科
氏名:〇〇〇〇
メール:xxxx@example.com
電話:090-xxxx-xxxx
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

《解説》
自分の所属と名前を明確に伝えたうえで、「貴社」に対する関心や理由を具体的に述べるのがポイントです。初対面の印象づくりとして、丁寧で簡潔な構成を心がけましょう。

② エントリー受付メールでの「貴社」の使い方

企業の採用ページやナビサイトからエントリーした後は、確認のご連絡を入れることで丁寧な印象を与えられます。

ここでは、エントリー完了後に送る簡潔かつ礼儀正しいメール例文を紹介しましょう。

《例文》

件名:エントリー完了のご報告(〇〇大学〇〇)

〇〇株式会社
人事部 採用ご担当者様

お世話になっております。
〇〇大学〇〇学部〇〇学科に在学中の〇年、〇〇〇〇と申します。

このたびは、貴社の2026年度新卒採用にエントリーさせていただきましたことをご報告申し上げます。

学生時代に取り組んだゼミでのフィールドワークが、貴社の○○事業の理念と重なり、大変魅力を感じております。

今後の選考を通じて、より深く貴社のことを学び、自分の想いや強みをしっかりとお伝えできればと考えております。何卒よろしくお願い申し上げます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〇〇大学〇〇学部〇〇学科
氏名:〇〇〇〇
メール:xxxx@example.com
電話:090-xxxx-xxxx
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

《解説》
エントリー完了の報告とともに、企業への関心や応募のきっかけを添えると印象が良くなります。「貴社」は書き言葉として丁寧に使用しましょう。

③ 面接日程調整メールでの「貴社」の使い方

企業から面接の案内が届いた際、日程を調整する返信メールでも「貴社」という表現を丁寧に使うことが大切です。ここでは、日時の希望を伝える場面を想定したメール例文を紹介します。

《例文》

件名:面接日程のご連絡(〇〇大学〇〇)

〇〇株式会社
人事部 採用ご担当者様

お世話になっております。
このたびは、貴社の一次選考(面接)にお招きいただき、誠にありがとうございます。

〇〇大学〇〇学部〇〇学科に在学中の〇年、〇〇〇〇と申します。

ご案内いただきました面接日程につきまして、以下の日程で調整可能です。

・〇月〇日(火) 午後
・〇月〇日(水) 終日

上記のいずれかでご都合が合いましたら幸いです。ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

なお、別日程をご希望の場合は柔軟に対応させていただきますので、お申し付けください。
何卒よろしくお願い申し上げます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〇〇大学〇〇学部〇〇学科
氏名:〇〇〇〇
メール:xxxx@example.com
電話:090-xxxx-xxxx
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

《解説》
面接日程調整メールでは、丁寧な言い回しと柔軟な姿勢が好印象を与えます。「貴社」を自然に含めつつ、簡潔に伝えることを意識しましょう。

④ お礼メールでの「貴社」の使い方

面接や会社説明会の後に感謝の気持ちを伝えるお礼メールは、企業側に丁寧な印象を残す絶好の機会です。ここでは「貴社」を自然に使った、面接後のお礼メールの例文を紹介します。

《例文》

件名:面接のお礼(〇〇大学〇〇)

〇〇株式会社
人事部 採用ご担当者様

お世話になっております。
本日、貴社の一次面接に参加させていただきました〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇〇〇と申します。

お忙しい中、お時間を頂戴し誠にありがとうございました。

面接では、貴社の事業内容や今後の展望について直接伺うことができ、大変貴重な機会となりました。

特に○○の取り組みにおける考え方に共感し、貴社で働くイメージがより具体的になりました。
今後とも選考のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〇〇大学〇〇学部〇〇学科
氏名:〇〇〇〇
メール:xxxx@example.com
電話:090-xxxx-xxxx
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

《解説》
お礼とともに「貴社」への関心や共感を具体的に伝えると印象が強まります。形式的になりすぎず、自分の言葉で丁寧にまとめるのがポイントです。

⑤ 辞退メールでの「貴社」の使い方

就職活動では、複数の企業から内定をいただいた場合などに、選考を辞退するメールを送る必要があるでしょう。

ここでは、失礼なく丁寧に辞退の意思を伝える「貴社」を使ったメール例文を紹介します。

《例文》

件名:選考辞退のご連絡(〇〇大学〇〇)

〇〇株式会社
人事部 採用ご担当者様

お世話になっております。
貴社の採用選考にご対応いただいております、〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇〇〇と申します。

このたびは、貴社の選考に参加させていただき、誠にありがとうございました。

誠に恐縮ではございますが、自己の今後のキャリアや適性を熟慮した結果、別の進路に進むことを決意いたしました。

つきましては、貴社の選考を辞退させていただきたく、ご連絡差し上げました。
貴社の益々のご発展とご活躍を心よりお祈り申し上げます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〇〇大学〇〇学部〇〇学科
氏名:〇〇〇〇
メール:xxxx@example.com
電話:090-xxxx-xxxx
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

《解説》
辞退メールでは、「貴社」への感謝と敬意を忘れずに伝えることが大切。理由は簡潔に、失礼のない表現でまとめるのがポイントです。

就活で使える「御社」の例文

面接や説明会、OB・OG訪問など、就活中はさまざまな場面で企業に話しかけたり連絡を取ったりする機会があります。

こうした場面で「御社」を自然に使えると、好印象を与えやすくなります。以下では、シーン別に「御社」の使い方を例文付きで紹介します。

  1. 会社説明会のお礼での「御社」の使い方
  2. 面接時の自己紹介における「御社」の使い方
  3. OB・OG訪問時の「御社」の使い方
  4. 職種や配属希望を伝える際の「御社」の使い方
  5. 電話対応での「御社」の使い方

① 会社説明会のお礼での「御社」の使い方

会社説明会に参加した後、企業の方と対面で直接話す機会がある場合もあります。その場で好印象を残すには、「御社」を自然に使いつつ感謝の気持ちをしっかり伝えることが大切です。

ここでは、説明会後に企業の担当者へ口頭で伝えるお礼の例文を紹介します。

《例文》

本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

御社の説明会に参加させていただき、仕事の内容だけでなく、社員の方々の雰囲気や社風にも触れることができ、大変参考になりました。

特に、若手社員の方のご活躍や挑戦できる環境について伺い、御社で働くイメージがより具体的になりました。

今後の選考にも前向きに取り組ませていただきたいと思っております。改めて、本日はありがとうございました。

《解説》
口頭でのお礼では、表情や声のトーンも印象に影響します。「御社」を丁寧に使いながら、印象に残った内容を一つ伝えると効果的です。

② 面接時の自己紹介における「御社」の使い方

面接の冒頭で行う自己紹介は、第一印象を決める重要な場面です。ここでは、「御社」を自然に盛り込みながら、自分の強みや志望動機も簡潔に伝えられる自己紹介の例文を紹介します。

《例文》

本日はお時間をいただき、誠にありがとうございます。〇〇大学〇〇学部〇〇学科に在学中の〇〇〇〇と申します。

大学ではゼミ活動を通じて地域活性化プロジェクトに取り組みました。現地調査や企画立案を通じて、課題解決に向けて行動する力を養うことができたと感じています。

御社の“自ら考え行動する人材”を大切にする企業理念に共感し、自分の経験を活かせると考えて志望いたしました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

《解説》
面接での「御社」は話し言葉として自然に使うのがポイントです。企業の理念と自分の経験をつなげて語ることで、志望度の高さをアピールできます。

③ OB・OG訪問時の「御社」の使い方

OB・OG訪問の最後に、対面でお礼を伝える場面は非常に大切です。丁寧な言葉遣いと自然な「御社」の使い方を心がけることで、社会人としてのマナーや誠意を伝えられます。

ここでは、訪問後に口頭でお礼を伝える際の例文を紹介しています。

《例文》

本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。
御社の業務内容や働くうえでの価値観を直接伺うことができ、大変参考になりました。

特に、若手のうちから責任ある仕事を任せていただけるというお話に大きな魅力を感じました。
御社での働き方をより具体的にイメージできるようになり、志望度も一層高まりました。

本日は本当にありがとうございました。

《解説》
口頭でのお礼は、相手の目を見て明るく話すのがポイントです。「御社」を自然に取り入れながら、印象に残った話題を一つ盛り込むと丁寧で好印象を与えるでしょう。

④ 職種や配属希望を伝える際の「御社」の使い方

面接やエントリーシートなどで、職種や配属についての希望を尋ねられることがあります。その際に「御社」を丁寧に使いながら、自分の思いや適性を簡潔に伝えることが大切です。

ここでは、職種や配属先の希望を述べる際の例文を紹介します。

《例文》

はい、御社での配属先についてですが、もし可能であれば営業職を希望しております。

大学では、ゼミ活動を通じて地域の企業に対して商品企画を行う経験があり、実際に提案した内容が採用されたことで、人に伝える力や提案力を培うことができました。

こうした経験を活かし、お客様と直接関わりながら信頼関係を築く営業の仕事に強い魅力を感じております。もちろん、御社の方針や状況に従って柔軟に対応したいと考えております。

《解説》
「御社」を用いて希望を伝える際は、押しつけにならない表現を心がけましょう。希望理由には具体的な経験や背景を添えるのが効果的です。

⑤ 電話対応での「御社」の使い方

就職活動中は、企業からの連絡に対して電話で応答する機会もあります。電話では言葉選びが印象を左右するため、「御社」を正しく使って丁寧に対応することが重要です。

ここでは、企業からの面接日程の連絡を受けた際の電話での返答例を紹介します。

《例文》

お電話ありがとうございます。〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇〇〇と申します。

面接の日程につきまして、○月○日(○)の午後で承知いたしました。御社からこのようなご案内をいただけたこと、大変うれしく思っております。面接当日は、何卒よろしくお願いいたします。

また、何かご準備するものなどございましたらご指示いただけますと幸いです。それでは、当日お時間をいただけますこと、心より感謝申し上げます。

《解説》
電話対応では、「御社」を自然に使いながらも明るく丁寧な口調を意識しましょう。聞き取りやすく、簡潔な受け答えが好印象につながります

「貴社」と「御社」を間違えた場合の対処法

就活中に「貴社」と「御社」を混同してしまうと、相手に違和感を与えてしまう恐れも。ただし、ミスが起きた後の対応次第で、誠実さや真摯な姿勢を伝えることは十分可能です。

ここでは、間違いに気づいた際の適切な対処法を具体的に紹介します。

  1. 履歴書で間違えた場合の対処法
  2. エントリーシートで間違えた場合の対処法
  3. メールで間違えた場合の対処法
  4. 電話で間違えた場合の対処法
  5. 面接で間違えた場合の対処法

① 履歴書で間違えた場合の対処法

履歴書は提出後に修正できないため、誤字に気づいたとしても書類そのものを差し替えることはできません。

そうした場合には、次の接点である面接などの場を活用して、誠実な対応を示すことが重要です。

たとえば、「先日提出した履歴書にて、貴社と記載すべきところを誤っておりました。大変失礼いたしました」と一言添えるだけでも、相手には誠意が伝わります。

完璧を求めて言い訳をするよりも、素直にミスを認め、冷静に謝罪する姿勢が社会人としての信頼感を高める結果につながるでしょう。

② エントリーシートで間違えた場合の対処法

エントリーシートも履歴書と同様に、一度提出してしまうと内容の修正ができない書類です。

もし提出後に「貴社」と「御社」の使い方を誤っていたことに気づいた場合は、落ち着いて次の機会に補足対応を行いましょう

たとえば、次のメールや面接の場面で「提出済みのエントリーシートにおいて、敬称の使い方に誤りがありました。深くお詫び申し上げます」と伝えることで、相手の不安を和らげられます。

自分の非を素直に認めて、過剰に恐縮しすぎず、丁寧に補足することが信頼を損ねないポイントです。

③ メールで間違えた場合の対処法

メールで誤って「貴社」と「御社」を取り違えてしまったときは、気づいた段階ですぐに訂正のメールを送りましょう。時間を空けすぎず、その日のうちに対応することが望ましいです。

件名には「お詫びと訂正」と記載し、本文では「先ほどのメールで『貴社』と記載すべきところを『御社』と誤っておりました。失礼いたしました」と具体的に訂正内容を明記してください。

加えて、「お手数おかけし申し訳ございませんが、ご確認いただけますと幸いです」と締めることで、丁寧かつ前向きな印象を与えることができます。

④ 電話で間違えた場合の対処法

電話中に「貴社」と「御社」をうっかり間違えてしまった場合でも、焦らず落ち着いた対応を心がけてください。会話の流れを止めることなく、自然な形で言い直すことが基本です。

「貴社…失礼しました、御社の件で」といった具合に、簡潔に訂正するだけで相手にも十分誠意は伝わります。

間違えたことに気を取られすぎると会話がぎこちなくなってしまうため、あえて謝罪の言葉を繰り返す必要はありません。

要点を押さえた訂正をして、すぐに本題に戻ることで、会話全体の印象も良好なまま保てます。敬語の正確さも大切ですが、それ以上に落ち着いた姿勢が評価されやすい場面です。

⑤ 面接で間違えた場合の対処法

面接では緊張によって敬語表現を誤ってしまうことは誰にでもあります。「御社」と言うべきところで「貴社」と言ってしまったときには、すぐに訂正すれば問題ありません

「貴社で働きたいと考えております…失礼しました、御社で働きたいと考えております」といったように、自然に言い直すことで、冷静さと誠実さの両方を伝えられます

過剰に恐縮せず、自信を持って修正する姿勢こそが評価されるポイントです。言い間違えたことよりも、そこからどう立て直すかが印象を左右します。

「貴社」「御社」を使わないケースとは?

「貴社」や「御社」は敬意を表す呼び方として広く使われますが、すべての組織に対して当てはまるわけではありません。特定の分野や業種では、より適切な呼び方があります。

ここでは、就活でよく出会う相手ごとに、正しい表現と注意点を紹介しましょう。

  1. 学校・教育機関
  2. 病院・医療機関
  3. 官公庁・役所
  4. 銀行・信用金庫
  5. NPO・公益法人

① 学校・教育機関

大学や専門学校といった教育機関に対しては、「貴社」や「御社」は適切ではありません。かわりに「貴学」「御校」などの敬称を使うのが一般的です。

たとえば、「貴学の研究内容に深く共感しました」といった表現が自然で丁寧でしょう。

採用担当者や教授などに対して敬意を表したい場合でも、企業向けの表現ではなく、教育機関専用の言葉を選ぶ必要があります。

また、相手が学校法人であるとしても、営利企業とは異なる立場であることを認識しておくと安心です。就職活動で教育関連職を志望する場合は、こうした言葉選びの配慮が評価につながるでしょう。

② 病院・医療機関

病院やクリニックなどの医療機関に敬意を示す場合、「貴院」や「御院」といった表現が適切です。「貴社の診療方針」などと書いてしまうと、相手に違和感を与えてしまう可能性があります。

医療機関は営利企業とは異なり、公共性や専門性が高い分野のため、特有の言葉遣いが求められるでしょう。たとえば「貴院の地域医療への貢献に感銘を受けました」といった表現が好印象です。

医療系職種を目指す場合は、業界ごとの慣習や敬称の使い分けに十分注意しましょう。特に志望動機やお礼メールなど、敬意を表したい場面での丁寧な言葉遣いは欠かせません。

③ 官公庁・役所

官公庁や地方自治体などの公的機関に対しては、「貴庁」「御庁」といった敬称を用いるのが正しいマナーです。

「貴社が推進する政策」ではなく、「貴庁が推進する政策」と表現することで、相手の立場を的確に尊重する姿勢が伝わります。

また、部署や課宛てに連絡をする場合には、「貴課」「御課」などの表現を使用するとさらに丁寧です。公的機関は形式や表現に厳格な傾向があるため、言葉遣いの正確さが特に重視されます。

公務員志望や行政系の仕事に関心がある就活生は、日頃からこうした敬称の使い分けに慣れておくと安心です。

④ 銀行・信用金庫

銀行や信用金庫などの金融機関に対しては、「貴行」「御行」といった敬称が使われます

たとえば「貴行の地域密着型サービスに魅力を感じました」と書くことで、相手に対する正しい敬意を表せるでしょう。

また、信用金庫の場合は「貴庫」「御庫」といった表現を使うこともあります。金融業界は言葉遣いや表現に厳密な文化があるため、こうした細かな使い分けが評価に影響することも少なくありません。

書類や面接で敬称を誤るとマイナス印象につながる可能性もあるため、業界ごとの呼び方に十分注意してください。職種を問わず金融機関を志望するなら、業界特有の言い回しにも慣れておくことが大切です。

⑤ NPO・公益法人

NPO法人や公益法人といった団体に対しては、「貴団体」「御団体」といった敬称を使用します

「御社の社会貢献活動に感銘を受けました」ではなく、「貴団体の活動に感銘を受けました」と表現することで、相手の立場に即した敬意を伝えることが可能です。

こうした団体は営利を目的とせず、公共性や社会的意義を重視しているため、企業と同じ表現を用いると違和感を持たれる可能性があります

志望動機や自己PRで活動内容に触れる際は、適切な敬称と丁寧な表現を心がけてください。NPOや公益法人に関心のある方は、こうした細やかな言葉の配慮が評価されやすい傾向にあります。

知っておこう!社会人が「自社」を対外的に表現するときの言い方

就活中の自己PRやエントリーシートでは、「自社」という表現は使いません。企業や団体を丁寧に指すためには、相手や場面に合った適切な言い換えが求められます。

ここでは、主にビジネスメールや面接で使われる「自社」の表現を整理して紹介しています。

  1. 「弊社」
  2. 「当社」
  3. 「小社」
  4. 「当方」
  5. 「自社」

①「弊社」

「弊社」は、自分の所属している会社をへりくだって表現する、もっとも一般的で丁寧な言い方です。

就活の場面では面接やメール、説明会の場面などで幅広く使用され、「弊社は〇〇を専門としております」や「弊社の強みは〇〇にあります」といった自然な言い回しがよく見られます。

ビジネス文書や会話において、相手に敬意を示すうえで欠かせない言葉といえるでしょう。

特に、企業とのやりとりの中では、正確で丁寧な言葉選びが求められるため、まずは「弊社」という表現を基本として身につけておくことが重要です。

②「当社」

「当社」は、「弊社」と比べてやや中立的で、カジュアルな印象を持つ表現です。企業説明会やプレゼン資料、広報文書など、自社のことを客観的に紹介する場面で多く使われます。

「当社では〇〇を重視しております」「当社のサービスは〇〇です」といったように、事実を伝える目的に適しています。

ただし、目上の相手に話す場面では、ややフォーマルさに欠ける印象を与えることもあるため、状況に応じた使い分けが大切です。

メールや口頭でのやりとりでは「弊社」を優先し、「当社」は情報提供を目的とした資料などで使うと効果的でしょう。

③「小社」

「小社」は、「弊社」よりもさらにへりくだった表現で、相手に対して強く謙遜する意図を含んでいます

たとえば、「小社は創業以来〇〇に取り組んでおります」といった文脈で用いられますが、現在では古風な印象を与えることが多く、一般的な就職活動の場面ではあまり使われません。

特に、学生が自己紹介や志望動機で「小社」を使うと、堅苦しく不自然に感じられる場合もあります

ビジネスシーンでも一部の業界や年配の方とのやりとりに限られるため、基本的には避けておいた方が無難な表現です。

④「当方」

「当方」は、自分自身または自分側の立場を丁寧に表すときに用いられる言葉です。

会社や組織名を直接出さずに、「当方としましては〇〇のように考えております」「当方の希望としましては〇〇です」といった表現で活用できます。

ビジネス文書やメールでも使われるほか、情報開示を控えたいときや、個人の意見として話すときにも便利です。

就活においては、柔らかく謙虚な印象を与えたい場面や、企業側の立場を尊重しつつ自己主張をする場面で重宝するでしょう。ただし、相手との関係性や文脈に応じて使いすぎないよう注意も必要です。

⑤「自社」

「自社」は、自分の会社を表すもっともカジュアルな言い方で、社内の会話やメモ、同僚同士での口頭説明など、内向きのやりとりで使われることが一般的です。

たとえば「自社製品の改善について話し合う」といったようなケースで使われます。

しかし、社外の相手に向けてこの表現を使うと、敬意を欠いた印象を与えるおそれがあるため、ビジネスメールや就活の面接では避けた方がよいでしょう。

特に、学生の立場から企業に向けて自分を表現する際には、「弊社」あるいは「当社」など、より丁寧な言い換えを意識することで、より良い印象につながります。

「御社」「貴社」以外にも注意すべき就活の言葉遣い

就活では「御社」「貴社」だけでなく、他にも使い方を誤ると印象を悪くする表現があります。ここでは、特に気を付けたい4つの言葉遣いについて解説しましょう。

  1. 敬語の種類と正しい使い分け方
  2. 一人称「私」の使い方
  3. 「御中」と「様」の使い分け方
  4. 二重敬語にならないための使い方

① 敬語の種類と正しい使い分け方

敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つの種類があり、それぞれの役割を理解したうえで使い分ける必要があります。

たとえば「先生がおっしゃられた」という表現は尊敬語が重複しており、正しくは「先生がおっしゃった」です。

尊敬語は相手の行動を敬うときに、謙譲語は自分の行動をへりくだるときに使います。丁寧語は「です」「ます」など、全体を柔らかく整える表現です。

就活の場では、これらを適切に組み合わせることで、敬意を過不足なく伝えられます

慣れていないと複雑に感じますが、実際の会話やメール文での具体例を見ながら練習すると、自然に身についてくるでしょう。敬語の正しい使い方をマスターすることが、信頼感を高める第一歩になります。

② 一人称「私」の使い方

就活中のやりとりでは、自分のことを表す一人称に「私(わたくし)」を使うのが基本です。

「僕」や「俺」といったカジュアルな表現は、親しみやすさはあるものの、面接官に不適切な印象を与える可能性があります。

場面によっては「当方」「弊社」など、よりフォーマルな一人称を用いるケースもあるでしょう。たとえば、企業との共同プロジェクトについて話す際や、グループでの応募を伝える場面などです。

一人称の選び方ひとつで、あなたの印象は大きく変わります。丁寧さや信頼性を感じさせる「私(わたくし)」という表現は、誠実な姿勢を伝える手段としても非常に有効です。

言葉遣いに自信がない場合でも、この基本を守ることで大きな失敗は防げるでしょう。

③ 「御中」と「様」の使い分け方

「御中」と「様」は、送付先の宛名を正確に書くために欠かせない敬称です。組織や部署に対しては「御中」、個人に対しては「様」を用いるのが原則と覚えておきましょう。

送り先によって「人事部御中」「株式会社〇〇 採用担当者様」など、適切に使い分けてください。

よくある間違いとして、部署名に「様」を付けたり、個人名に「御中」を使ってしまったりするケースがありますが、これは敬意の方向を誤った表現となってしまいます。

こうした基本的なミスでも、細かい部分に注意が向いていない印象を与えてしまうことがあるため要注意です。

応募書類や問い合わせメールを送る前に、必ず宛名の敬称が正しいかを確認してください。形式的なルールであっても、相手への配慮が感じられる重要なポイントです。

④ 二重敬語にならないための使い方

丁寧さを強調しようとするあまり、敬語を重ねてしまう「二重敬語」になってしまうこともあります。

「ご覧になられる」「お越しになられます」などがその代表例で、正しくは「ご覧になる」「お越しになる」です。

一見丁寧に聞こえるものの、実際には過剰で不自然な表現となり、相手に違和感を与えてしまう可能性があります。

特に面接やプレゼンテーションの場では、言葉遣いが話し手の印象を大きく左右することも。敬語は「敬う気持ちを正しく伝える」ことが目的であり、言葉の装飾ではありません

就活では、マナーを守りながらも自然で簡潔な言葉を選ぶことが重要です。敬語の基本をおさえたうえで、言い過ぎない、やりすぎない表現を心がけましょう。

「貴社」「御社」の正しい使い方を押さえて印象アップを目指そう

就活メールでは、「貴社」と「御社」の使い分けが大切です。たとえば、文面では「貴社」、会話では「御社」が一般的とされます。

間違えやすいポイントではありますが、事前に意味や使う場面を理解し、例文をもとに練習すれば安心です。たとえ誤っても、適切な対処法を知っておけば印象を損なうことはありません。

また、「自社」や敬語表現にも注意を払うことで、社会人としてのマナーをアピールできます。

基本の言葉遣いを押さえることは、就活の第一歩。自信を持って相手に敬意を伝えられるよう、正しい言葉選びを意識しましょう。

  • フェイスブック
  • X

まずは志望動機を作ってみる

    • 卒業年数
    • 学校
    • 名前
    • 連絡先

    No.1

    卒業年月日を選択してください

    2026年3月2025年3月2027年3月2028年3月卒業済み

    例)
    現在、大学4年の場合は「2026年度3月」
    現在、大学3年の場合は「2027年度3月」
    現在、大学2年の場合は「2028年度3月」

    No.2

    学校区分を選択してください

    大学大学院(博士)大学院(修士)短期大学専門学校

    No.2

    学校情報を入力してください

    学校名
    学部名
    学科名
    学校名
    学部名
    学科名

    No.3

    お名前を入力してください

    お名前
    フリガナ

    No.4

    連絡先を入力してください

    電話番号
    メールアドレス

    本利用規約には、株式会社C-mindが「https://shukatsu-magazine.com」上で提供するサービスにおける、本サービスを利用するお客様との間の基本的な事項が規定されております。本サービスの利用者におかれましては、必ず全文お読み下さいますようお願いいたします。

    個人情報保護方針」と 「サービス利用規約」を確認する

    編集部

    この記事を書いた人

    編集部

    「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。