損害保険会社向けの志望動機の書き方と例文を解説!新卒・中途・転職の例も紹介
就活において、損害保険会社への志望動機の書き方や内容は、多くの志望者が悩みやすいポイントですよね。
多くの志望者は「社会貢献」「人の役に立ちたい」といった抽象的な表現に終始し、採用担当者に意欲を十分に伝えられていません。採用を目指すには、企業の特徴や事業内容を深く理解した魅力的な志望動機が不可欠です。
今回の記事では、損害保険会社の概要・魅力・志望動機の書き方・例文などを詳しくまとめました。本記事を読めば、企業研究と自分の強みを活かした、採用担当者の心に響く志望動機を作成できますよ。
基本構成から重要なポイントまで作り方を学び、魅力的な志望動機で損害保険会社への内定獲得を目指しましょう。
損害保険会社とは

損害保険会社は、偶然のリスクによって発生した損害を補償する保険商品を提供する金融機関です。
自動車事故・火災・地震などの復旧支援と、リスクコンサルティングを通じた事故の予防が社会的な役割で、過去のデータから科学的に事故の発生確率と被害額を分析し、適切な保険料の設定も行います。
損害保険会社は火災保険や自動車保険などの個人向け商品から、企業の事業活動に関わる各種保険まで幅広く展開しています。また、2001年からは医療保険や介護保険などの第三分野商品も取り扱えるようになりました。
実際に発生した損害額に応じて保険金を支払う実損払い方式を採用しているため、契約者から提供される正確な情報に基づき、リスクに応じた公平な保険料設定を行う必要があります。
参考:新潟大学学術リポジトリ「第三分野保険市場」
損害保険と生命保険の違い

生命保険と損害保険では、補償対象・保険期間・保険金支払いの性質に大きな違いがあります。
保険の種類 | 損害保険 | 生命保険 |
対象 | 物や財産・行為 | 人の生存・死亡 |
保険金の 支払い方式 | 損害額に応じて支払う 実損払い方式 | あらかじめ定めた金額を 支払う定額払い方式 |
取り扱う 保険の種類 | 火災保険・自動車保険・ 賠償責任保険など | 死亡保険・終身保険・ 養老保険など |
主な目的 | 偶然の事故による 損害の補填 | 人の生死に関する 保障の提供 |
保険金の性質 | 補償(損害を補う) | 保障 (生命や生活を守る) |
生命保険は人の生命や医療に関連する長期的な保障を提供し、保険金は被保険者の死亡や入院時に支払われるのが特徴です。
損害保険は火災・事故による物的損害や賠償責任などの短期的なリスクを補償し、実際の損害額に基づいて保険金が支払われます。
また、生命保険は長期の契約が一般的である一方、損害保険は通常1年ごとの契約更新となります。加えて、生命保険は貯蓄性がありますが、損害保険は純粋な保障性商品で期間が終了しても保険料は戻りません。
損害保険会社で働く5つの魅力

損害保険会社で働く5つの魅力は、以下の通りです。
損害保険会社は、社会貢献性・やりがい・収入・スキルアップなどがバランスよく備わった魅力的な職場環境です。
1. 社会貢献性が高くやりがいが得られる
損害保険の業務には、事故・災害時に人々の生活再建を支援する社会貢献性があります。被災者や事故の当事者に寄り添い、迅速な保険金支払いを通じて、顧客の生活復興に直接的に貢献できるやりがいが得られます。
例えば、東日本大震災などの大規模災害時には、損害保険会社の社員が現地へ赴き、損害を調査する業務にあたりました。
震災に限らず、現場での活動は単なる保険金支払いの手続きだけでなく、被害にあった人たちの心の支えともなっています。
実際に、多くの社員は「困っている人の力になれた」「感謝の言葉をいただいた」などの経験から仕事の意義を実感しています。
参考:あいおいニッセイ同和損保 新卒採用ホームページ「松井 遼」
2. 高い給与を得られる
損害保険会社では高い基本給に加え、成果に応じたインセンティブ制度により、魅力的な収入を得られます。大手損害保険会社の初任給は23万円から28万円と、全業界平均の21万円を上回る水準です。
例えば、損害保険ジャパンは初任給が約28万円で、年収はおよそ400万円~420万円に達します。さらに、営業職は契約数に応じたインセンティブが付与されるため、努力次第で高い収入を目指せますよ。
業界内の競争が激しくなるなか、各社は優秀な人材確保のため給与水準の引き上げを続けているのが現状です。
管理職に昇進すれば年収1,000万円以上も視野に入り、資格取得支援や研修制度の活用でさらなる収入増加も期待できます。
参考:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」,損保ジャパン 新卒採用サイト「募集要項 総合系[限定なし]」
3. 専門知識とスキルを身につけられる
損害保険会社では、保険商品・法律・税務まで幅広い専門知識を習得できる環境が整っているのが魅力です。
保険の複雑な商品性質や各種関連法規の理解に加え、正確な保険金算定のための損害額算出スキルも磨けます。また、法人営業では財務・会計の知識以外に、経営の潜在的なリスクを見出す分析力も身につきます。
保険事務の実務を通じて、契約手続き・給付金の処理・営業サポートなど多岐にわたる業務スキルの習得が可能です。
コミュニケーション能力やコンサルティング能力が顧客との対話で培われるため、ビジネスパーソンとして成長できるでしょう。
4. グローバルに活躍する機会がある
損害保険業界では、アジア太平洋地域から欧米まで、世界中で活躍できる豊富な機会が広がっています。
シンガポール・中国・オーストラリアなどのアジア太平洋地域では保険市場が急成長し、今後も良好なビジネス展開が期待されます。
欧州ではイギリス・ドイツ・フランスなどが注目されており、特にロンドンは世界的な再保険市場の中心地です。
北米市場ではインシュアテック・サイバーセキュリティ・気候変動リスクなど、最先端分野で活躍できます。インシュアテックとは保険(Insurance)と技術(Technology)を組み合わせた、保険分野でのIT活用を指す造語ですよ。
参考:MyCVCreator「Global Opportunities in the Insurance Industry: Working Abroad」
5. チームで顧客の課題解決にあたれる
損害保険会社では、顧客の課題に対してチーム一丸となって解決策を提供するため、連帯感を得られるのも魅力です。
例えば、自然災害の発生時には全国各地から社員が被災地に駆けつけ、建物の損害確認や保険金支払いなどをチームで行います。現地で活動するため、顧客の生活と地域への貢献を実感できる機会があるのが特徴ですよ。
社員には、顧客の声に耳を傾けて不安な気持ちに寄り添いながら、最適な保険商品やサービスを提案する姿勢が求められます。
損害保険会社の主な業務内容

損害保険会社の主な業務内容は、以下の通りです。
損害保険会社では商品開発から資産運用まで幅広い業務を通じて、顧客と社会の安心・安全を支えています。
1.保険商品の開発・販売
損害保険会社においてメインとなる業務のひとつが、保険商品の開発や販売です。
商品開発は、市場調査・顧客ニーズの分析・商品コンセプトの立案・商品設計・保険料算定のプロセスを経て進められます。市場ニーズに合致した魅力的な保険商品を開発し、顧客へ提供するのが役割です。
一方、保険商品の販売では保険代理店が中心となり、個人や企業に対して直接的に提案・販売します。代理店は複数の保険会社の商品を取り扱い、顧客のニーズやリスクに最適な保険プランを提案するのが役割ですよ。
近年、デジタル技術を活用した保険商品開発や販売の迅速化により、オンラインでの販売体制も整備されています。モジュール化された商品設計で、顧客の個別ニーズにも迅速に対応できる体制が整えられつつあります。
2.リスク査定と保険料の算出
損害保険会社のリスク査定部門は、契約締結時に保険契約に伴うリスクを評価し、適切な保険料を設定する役割を担っています。
リスク査定では過去の事故データや損害額の統計分析に基づき、発生頻度や損害規模を定量的に評価しています。例えば、損害額と発生確率の関係を分析するため、リスクカーブという手法を用いるケースが多くなっていますよ。
保険料の算出においては、収支相等の原則と給付・反対給付均等の原則に基づき、契約者間の公平性を確保しています。
3.保険金の支払い査定・支払い
損害保険会社の保険金支払い部門では、事故や災害の発生時に適切な保険金額を算定し、迅速な支払いを実現します。損害保険会社による保険金の支払いのプロセスは、以下の通りです。
- 契約者からの事故連絡を受け付け
- 保険会社による事故状況・損害程度の確認と必要書類の提出依頼
- 損害保険登録鑑定人による詳細調査
- 保険金請求書・修理見積書などの書類の精査と支払い金額の決定
査定プロセスでは損害保険登録鑑定人などの専門家が、損害が発生した物・場所・原因・損害状況などを詳細に調査し、提出された保険金請求書や修理見積書などの書類を精査して支払い金額を決定します。
4.資産運用による保険料の管理
損害保険会社は、受け取った保険料を安全かつ効率的に資産運用し、将来の保険金支払いに備えた資金管理をしています。
資産運用業務は保険業法により保険会社の本来業務として位置づけられており、経常損益の重要な構成要素です。基本方針として安全性・収益性・流動性の3つの要素を重視し、バランスをとって資産運用を行っています。
運用資産の大部分は国債や特殊債などの債券で構成され、安全性を重視した保守的な運用が基本ですが、収益性向上のため、株式投資やオルタナティブ投資などリスクを適切にコントロールしながら分散投資もしていますよ。
参考:金融庁「保険会社の業務の提供体制に関するワーキング・グループ 資料」
損害保険会社で求められる人材に必要な能力

損害保険会社で求められる人材に必要な能力は、以下の通りです。
どのような能力やスキルが必要なのかを理解し、自分の強みと結びつけて採用担当者にアピールしましょう。
1.コミュニケーション能力
損害保険会社では、顧客との信頼関係構築に不可欠な要素としてコミュニケーション能力が重視されます。保険商品の複雑な内容を分かりやすく説明し、顧客の不安や要望に適切に対応する必要があるからです。
相手の話を積極的に聞く姿勢を持って、事故や災害の不安や混乱を抱える顧客に寄り添い、適切にサポートできる高いコミュニケーション力が求められますよ。
複雑な保険商品をわかりやすく説明するためには、知識はもちろんですが説明力も非常に大切です。保険商品は無形であり店頭で実物を確認できないため、担当者の説明力が顧客の理解度に直結します。
2.商品・財務などの知識
保険商品や財務に関する専門的な知識は、損害保険会社の業務上で必要不可欠なため、理解度が重視されます。損害保険会社の業務分野別に必要な知識は以下の通りです。
分野 | 必要な知識・スキル |
---|---|
財務 | ・簿記、金融、会計の専門知識 ・財務諸表の分析力 ・論理的分析による課題解決能力 |
資産運用 | ・安全性、収益性、流動性のバランス管理 ・保険契約準備金の管理 ・運用知識 |
商品開発 | ・マーケットリサーチスキル ・競合分析能力 ・法律、規制の理解 |
保険商品の知識習得には、商品パンフレット・オンライン資料・業界ニュースなどを活用した日々の学習が重要です。
保険会社や代理店が開催する定期的な研修会や勉強会を通じて、商品の改定点や最新動向を把握する必要があります。
3.マーケティング力
損害保険会社では、市場動向やニーズを的確に捉えたマーケティング力が重要な能力として求められています。損害保険商品は形のない商品であり、どのように顧客に価値を伝えるかが営業の成否を分けるためです。
顧客のニーズは年々多様化しており、自然災害の増加・デジタル化の進展など、社会環境の変化に応じて保険商品も進化していますよ。
サイバーリスク保険などの新領域では、市場調査や競合分析を基に独自性を確立する必要があり、SNSやWebサイトを通じた情報発信・顧客接点の創出といったデジタルマーケティングの活用も重要です。
変化の激しい状況下で、市場分析・商品開発・プロモーション戦略の立案まで、幅広い知識と実践力が求められます。
4.ホスピタリティ精神や向上心などの人間性
損害保険会社では、顧客に寄り添い、相手の立場で考えられるホスピタリティ精神を持った人材が求められています。事故や災害で不安を抱える顧客に信頼される人間性や性格は、貴重な資質だからです。
また、保険商品には形がなく価値を判断しづらいため、相手のニーズを読み取り適切な提案ができる人間力も重要ですよ。
加えて、保険業界には目標達成意識が強く向上心を持った人材が適しています。契約数・顧客獲得数などの目標にチャレンジする姿勢と、世のなかの動向に目を向け顧客ニーズを汲み取る意欲が必要です。
さらに、被害にあって疲弊している顧客を、全力でサポートできる精神的なタフさも大切な要素です。
5.英語力
損害保険会社では、グローバル化の進展と海外展開に伴い、英語力が重要視されています。世界中の顧客や海外拠点との円滑なコミュニケーションを実現し、ビジネスチャンスを広げる人材が必要だからです。
近年、海外ベンダーとの協業や国際的な保険取引において、英語でのコミュニケーション能力が不可欠で、保険契約書やポリシーの条項など専門的な文書を正確に理解し、顧客との円滑なやり取りも求められます。
大手損害保険会社ではTOEICスコア730点以上を推奨しており、試験・英語力コンテスト・海外研修などの実施例もあります。英語力は他のスキルに比べ入社前に伸ばしやすいため、積極的に習得しましょう。
参考:IIBC「コンテストや海外研修などを実施し、会社全体の英語力アップを図る」
6.リスク管理能力
損害保険会社のリスク管理能力は、企業の財務安定性と顧客保護を確保するうえで最も重要なスキルです。
リスク管理の基本となる分析力では複雑なデータを解析し、許容可能なリスクレベルを判断する能力が求められます。さらに、財務諸表や市場動向などの定量的・定性的なデータを収集・処理・解釈する能力も必要です。
保険商品開発やリスク査定では、統計的手法やデータモデリングでリスクを定量化し、適切な保険料を設定しなければなりません。
また、自然災害や経済変動などの予期せぬ事象に対するストレステストを実施する能力も求められます。
7.統計・データなどの分析力
損害保険会社では、顧客ニーズにあった商品提供を実現するために、高度な統計・データ分析力が必須です。
データ分析では、保険契約情報・コールセンター入電データ・事故データなどを統合的に扱う能力が求められます。機械学習や統計的手法を用いて、新商品開発やリスク評価の精度向上に取り組むために分析力は必須ですよ。
近年は特に、AIやIoTの発展により収集できるデータ量が飛躍的に増加しており、より高度な分析スキルが求められます。
例えば、運転データの分析による自動車保険料の算出や、気象データと被害実績の相関分析による自然災害リスクの評価などです。
損害保険会社の志望動機を書くときのポイント

損害保険会社の志望動機を書くときのポイントは、以下の通りです。
損害保険会社への志望動機を書くときのポイントを押さえ、採用担当者に好印象を与えられる志望動機を作成しましょう。
1.なぜ生命保険ではなく損害保険なのかを明確にする
志望動機作成時は、生命保険との明確な違いを示しながら、損害保険ならではの魅力を具体的に説明しましょう。
それぞれの事業領域や特性の違いを理解したうえで、専門性の高い説明をできるかが、採用時の重要な判断材料ですよ。
損害保険は企業向けの多様なリスク補償や自然災害への対応など、生命保険とは異なる幅広い事業領域を持ちます。事故・災害時には、顧客とのコミュニケーションを通じて問題解決を図る機会が多いのも特徴です。
以上のように、「社会インフラとしての役割」「変化するリスクへの対応」などを具体的に説明できれば、説得力を高められるでしょう。
2.曖昧な表現は避けて具体的に書く
損害保険会社への志望動機では、具体的な数値や実例を交えながら、自身の考えを明確に表現しましょう。
採用担当者は志望者の過去の体験や調査データに基づく説得力のある主張から、入社後の貢献度をイメージします。
就業・アルバイトでの経験やゼミ活動など、自身の体験に基づく具体的なエピソードを組み込むと説得力が増しますよ。
例えば、「営業インターンで顧客の課題を解決し、成約率◯%を達成した」など数値を盛り込むのが効果的です。
3.他社でも使える理由は避ける
志望動機作成時に、「社会貢献したい」「人の役に立ちたい」といった、他社でも使える表現は避けましょう。これでは、採用担当者に自社への強い関心と入社意欲を印象づけられません。
一例をあげると、「形のない商品を販売したい」「お客様と信頼関係を築きたい」などは、銀行・証券会社などにも当てはまります。
独自の志望動機にするため、経営方針・求める人物像・仕事内容などを比較分析し、志望企業ならではの特徴を見つけましょう。
自身の経験から具体的なエピソードを交えながら、なぜその企業でなければならないのかを志望動機で明確に伝えてください。
4.前向きな表現を心がける
マイナスをプラスに変える前向きな表現を用いれば、志望動機で採用担当者に好印象を与えられます。ポジティブな姿勢を示せば、損害保険会社が求める問題解決力や顧客対応力が採用担当者に伝わるからです。
例えば、「保険金支払い業務は大変な仕事」より「顧客の生活再建に貢献できる重要な業務」と表現した方が好印象でしょう。また、課題解決に向けてポジティブに行動した経験を提示するのも効果的です。
前向きでポジティブな視点は、志望者の長期的な成長意欲と業界理解の深さを示すシグナルになります。
損害保険会社の志望動機の基本構成

損害保険会社の志望動機の基本構成は、以下の通りです。
基本の流れを守り、結論から具体的な貢献方法まで説得力のある構成で志望動機の土台を作りましょう。
1.なぜ志望したのかという結論
損害保険会社の志望動機では、冒頭で明確な結論を示し、自身の意思を端的に伝えましょう。採用担当者が志望理由を最初に把握できれば、後に続く文章が伝わりやすくなります。
結論部分では「人の役に立ちたい」などの一般的な表現を避け、損害保険ならではの特徴と結びつけた表現を心がけましょう。
例えば、「サイバー保険で企業のIT化を支援したい」など、具体的な商品や取り組みに言及すると効果的です。
2.志望理由を裏付ける具体的なエピソード
志望動機では、自身の経験を通じて感じた保険の重要性を具体的に示しましょう。実体験に基づく志望理由の説明があれば、損害保険業界への深い理解と真摯な姿勢を採用担当者に印象付けられます。
志望理由を裏付けるエピソードとして考えられる一例を、以下の表にまとめました。
志望理由となる エピソード | 具体的な内容 |
---|---|
保険活用の経験 | ・幼少期の交通事故体験 ・家族の入院経験 ・保険による支援体験 |
企業理解の活動 | ・インターンシップでの経験 ・OB訪問を通じた経営方針理解 ・企業の社風への共感 |
ボランティア活動 | ・自然災害の被災地支援 ・損害保険の社会的重要性の実感 |
エピソードを書くときには、自分の経験を通じて感じた保険業界の魅力を盛り込み、入社後の具体的な目標にどう繋げるかを意識しましょう。
3.なぜ志望企業を選んだのかという理由
志望企業では、企業固有の特徴や強みを具体的に示し、なぜ選んだのかを明確に伝えましょう。
企業研究で得た独自の強みや特徴に関する深い理解は、志望企業への熱意や貢献意欲の裏付けになります。企業の経営理念・事業内容・商品特性などを示しながら、自身の価値観との結びつきを説明しましょう。
例えば、「貴社が展開する運転データを活用した自動車保険は、私のデータ分析の知識を活かせる分野です」とアピールすると効果的です。
また、企業の市場シェア・成長性・デジタル戦略への投資額など、数値データに基づく客観的な魅力も積極的に言及して企業研究の深さを示しましょう。これにより、分析力や情報収集能力をアピールできます。
4.入社後の展望や志望企業への貢献方法
エントリーシートには、損害保険会社での将来のキャリアプランを具体的に描きましょう。入社後の具体的な目標や行動計画を示せば、自身のキャリア意識の高さと志望企業への理解度を効果的にアピールできます。
例えば、「入社後1年目・3年目・5年目になにを実現したいか」といった段階的な目標設定が有効です。また、企業の中期経営計画や成長戦略を踏まえた貢献プランも採用担当者に好印象を与えます。
入社後の展望を具体性を持って提示するには、深い業界・企業研究と自己分析がかかせません。志望動機作成時には企業研究・自己分析を徹底し、志望動機の土台作りに十分な時間をかけましょう。
シーン別で参考になる損害保険会社向けの志望動機の例文

シーン別で参考になる損害保険会社向けの志望動機の例文は、以下の通りです。
自分の状況に当てはまる例文を参考にしてヒントを得つつ、独自の魅力的な志望動機を作成しましょう。
1.中途・転職
損害保険会社に中途採用や転職を志望しているなら、以下の例文が参考になります。
前職の製造業で品質管理を担当していた経験から、リスクマネジメントの重要性を強く認識しました。特に取引先との品質問題が発生した際、保険の活用で企業価値が守られる場面を目の当たりにし、保険業界への転職を決意しました。 貴社を志望した理由は、損害保険業界でトップクラスのデジタル化推進とAIを活用した事故予測・防止の取り組みにあります。前職で培った統計的な品質管理の知識・経験を活かしながら、データ分析に基づくリスクコンサルティングを通じて、企業の持続的な成長に貢献したいと考えています。 また、業界のなかでいち早くSDGsに取り組み、特に気候変動に対応した新しい保険商品の開発を進めている点に強く共感しました。貴社で社会課題の解決に寄与していきたいと考え、応募させていただきました。 |
2.新卒
新卒で損害保険会社を目指すなら、以下の例文からヒントを得て志望動機を作成しましょう。
人々の生活や企業活動を守る損害保険の社会的使命に深く共感し、貴社を志望しました。高校時代に火災で自宅を失った経験から、損害保険の重要性を身をもって理解しました。当時、両親が加入していた火災保険のおかげで、迅速な生活再建を果たせたのです。 貴社を選んだ具体的な理由は、デジタル技術を活用した先進的なリスクマネジメントサービスの提供にあります。大学では情報工学を専攻し、特にビッグデータ解析とAIの研究に取り組んできました。学んだ知識を活かし、貴社が推進する事故予測システムの開発や、デジタルを活用した新しい保険商品の企画に携わりたいと考えています。 さらに、貴社が実施している自然災害に対する啓発活動や防災教育プログラムに強く関心を持っています。保険の枠を超えた社会貢献活動を通じて、安心・安全な社会づくりに貢献していきたいと考えました。 |
3.事務
損害保険会社の事務に就きたくて志望動機を作成するなら、以下の例文からインスピレーションが得られるかもしれません。
安定性の高い保険業界で、事務職として顧客の生活と企業活動を支える仕事に携わりたいと考え、貴社を志望しました。前職の小売業では接客と経理事務を担当し、正確な事務処理と丁寧な対応により、取引先から高い評価を得てきました。 貴社を選んだ決め手は、充実した事務職向けの研修制度と女性の活躍を積極的に推進している企業風土です。保険事務の資格取得支援制度を活用しながら、専門性の高い業務にもチャレンジしていきたいと考えています。 また、貴社の事務部門におけるデジタル化の推進にも魅力を感じています。前職で培ったExcelスキルと経理知識を活かしつつ、新しいデジタルツールの活用へ積極的に取り組んで業務の効率化に貢献していきたいと考えています。 |
4.営業
損害保険会社の営業を希望する人は、以下の例文から取り入れられるポイントを探しましょう。
保険を通じて多くの人々の生活や企業の安定を支える営業職として、貴社でキャリアを築きたいと考え志望しました。前職の医療機器メーカーでは、高度な商品知識と提案力を活かし、医師との信頼関係を構築してきました。医療現場の課題解決に貢献した営業経験は、保険による企業・個人のリスク対策提案に活かせると確信しています。 貴社を選んだ理由は、営業担当者への充実した商品研修と、デジタルツールを活用した顧客フォロー体制の整備にあります。特に、タブレット端末を活用した保険提案やAIによる最適な商品提案システムなど、先進的な営業支援ツールに魅力を感じました。 さらに、貴社が掲げる「お客様に寄り添った保険提案」という理念に強く共感しました。営業ノルマに縛られず、顧客の立場に立った適切な保険設計ができる環境で、長期的な信頼関係を築いていきたいと考えています。 |
5.パート
損害保険会社にパートとして勤務希望なら、志望動機作成時に以下の例文を応用してください。
保険業界で培える専門性と、仕事を通じた自己成長に魅力を感じ、貴社を志望しました。前職の小売業では接客と在庫管理を担当し、正確な事務処理と丁寧な対応で高い評価を得てきました。特に、取引先や顧客との円滑なコミュニケーションには自信があります。 貴社を選んだ理由は、充実した研修制度とパート社員の意見も積極的に取り入れる風通しのよい社風です。育児と両立しながら、保険の専門知識を着実に身につけていきたいと考えています。 また、貴社が導入している最新のデジタルシステムにも関心があります。前職で培った基本的なPCスキルを活かしながら効率的な業務遂行に努め、チームの一員として貢献していく所存です。 |
損害保険会社での面接時に志望動機を効果的に伝えるポイント

損害保険会社での面接時に志望動機を効果的に伝えるポイントは、以下の通りです。
面接時に自分の志望動機を上手に伝え、採用担当者に好印象を与えて採用を目指しましょう。
1.1分~3分程度を目安にする
面接で志望動機を述べる際は、1分~3分程度で簡潔に説明すればくどくならず、採用担当者の印象に残るアピールが可能です。
エントリーシートの志望動機同様、面接で話す場合にも結論のあとに根拠を示す論理展開だと、伝えたいことが伝わりやすいです。
自分の経験や企業研究で得た知見を織り交ぜながら、採用担当者の関心を引く具体的なストーリーを組み立てましょう。
一例をあげると、「デジタル戦略に魅力を感じた」という結論のあとに、「大学での研究が活かせる」と根拠を展開する形です。
2.落ち着いて聞き取りやすい声で話す
面接で志望動機を上手に伝えたいなら、落ち着いた声のトーンと適切な速さを意識しましょう。落ち着いて、聞き取りやすく話すためのポイントを、以下の表にまとめました。
話し方のポイント | 具体的な方法 |
---|---|
緊張を 緩和する | ・面接前の深呼吸 ・適度な水分摂取 ・声が詰まらない準備 |
声をコント ロールする | ・中間的な高さの維持 ・呼吸を整えながらの発声 |
話すペースを 意識する | ・相手が理解しやすい速度 ・文章間の適度な間の確保 |
話し方に 工夫をする | ・豊かな表情やボディーランゲージ ・背筋を伸ばし、自信に満ちた 姿勢での発言 |
友人や家族を採用担当者としてシミュレーションし、理想の話し方ができるようになるまで何度も練習するのが効果的です。
3.抽象的な表現は避ける
エントリーシートに限らず、面接でも抽象的な表現は避けて、具体的な表現を心がけましょう。抽象的な表現では自身の強み・経験・志望企業への理解度が明確に伝わらず、他の候補者との差別化ができません。
例えば、「保険業界に興味があります」という表現は漠然としており、採用担当者に意欲が十分に伝わりません。
「大学で自然災害による経済損失を研究し、損害保険に興味を持った」のように、具体的な経験に基づいて説得力を増しましょう。
具体的な表現で採用担当者にアピールするには、面接前に志望企業の特徴や強みを十分に頭に入れておく必要があります。
4.履歴書・エントリーシートとまったく同じ内容にしない
面接では、履歴書やエントリーシートの志望動機を基本としながらも、より具体的なエピソードや経験を交えて話しましょう。面接ならではの対話を通じて、自己アピールの機会を広げてください。
1分間のスピーチの目安となる文字数は300文字で、エントリーシートの400文字だけでは内容が足りません。エントリーシートの志望動機に肉付けした詳細な内容をスピーチできるよう練習しておきましょう。
一例をあげると、インターンシップやOB訪問での経験など、書き切れなかった詳細なエピソードを織り交ぜるのが効果的です。
損害保険会社ならではの志望動機を作成して採用を目指そう!
損害保険会社は自動車事故や火災による損害を補償し、リスクコンサルティングを通じて被害を予防する社会的役割を担っています。
志望動機を作るときは、損害保険会社の社会的役割に触れつつ、具体的な志望理由を明示するのがポイントです。
自身の経験や体験を通じて感じた保険の重要性を具体的に示し、なぜ損害保険なのかを採用担当者に印象づけましょう。
また、「人の役に立ちたい」といった一般的な表現を避け、損害保険ならではの特徴と結びつけた表現を心がけてください。
企業研究・自己分析・構成に十分な時間をかけ、採用担当者があなたの熱意と適性を実感できる志望動機を作成しましょう。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。