食品製造の志望動機の内容は?企業に対するアピールポイントを解説
食品製造の志望動機は何を書いたらいいのか悩んでしまいますよね。好印象になるような志望動機が書けるよう考え込んでしまう人も多いでしょう。
志望動機で重要なのは、食品製造業界で働きたい理由や、志望企業を選んだ理由を明確にしないといけません。本記事では、食品製造の志望動機に含める内容を順に解説します。
さらに「新卒・未経験者」と「経験者で転職する人」に向けた志望動機の例文もあるので、ぜひ参考にしてください。参考にして企業に好印象を与える志望動機を作成しましょう。
食品製造業界とは

食品製造業界とは、生モノである原材料を工場で加工・製造して製品を販売する産業のことです。
この他にも、新しい製品の開発や既存製品の改良など、食を通じて社会貢献している業界になります。
人が生きていくうえで食べることは必要不可欠ですが、食品の安全面や多様化する食の好みに合わせて自社のヒット商品を生み出すことが求められるでしょう。
ここでは、主に工場での食品製造の仕事内容や、食品製造の業務に向いている人の特徴を解説します。
食品製造の主な仕事内容とは

初めに、食品製造工場の主な仕事内容を解説します。
お菓子や、パン、弁当、惣菜、冷凍食品など取扱う製品によって仕事内容が多少異なりますが、人々の生活に必要とされる食品を製造できるのが食品製造業の魅力といえるでしょう。
①原料の加工
仕入れてきた原料を加工し、製品化します。加工食品の種類は、以下の通りです。
名称 | 内容 | 代表的な食品 |
1次加工食品 | 原料を大きく変えずに加工 | 小麦粉・牛乳・油 |
2次加工食品 | 1次加工食品を1つ、もしくは複数用いて加工 | 麺・マーガリン・マヨネーズ |
3次加工食品 | 1次、および2次加工食品を2種類以上使用して加工 | 冷凍食品・レトルト食品 |
単一の加工食品を製造している工場もあれば、同じ原料を取扱うため複数の食品を製造している工場もあります。
②調理
調理工程は、機械が行うとはいえ人の手で調理します。
とは言え、決められた形にカットしたり、分量通りに味付けしたりするので、マニュアル通りに仕事をこなせれば特別なスキルは必要ありません。
ただし、弁当や惣菜を取扱う工場では、調理前に肉や魚の下処理もあるのでスキルやスピードが求められます。
③検品
検品作業は、包装される前にチェックする工程になります。こちらもどの製品にも必ずあります。
たとえばパン工場の検品作業は、パンの焼きムラや規格外の大きさがないかチェックして、1つひとつ品質が同じか確認する仕事です。
また、遺物が混入していないかもチェックしています。目視でも確認しますが、ほとんどの場合は加工された食品を機械に通して確認が多くなっています。
④出荷準備
出荷準備は、出来上がった製品に賞味期限のラベルを貼り付けたり、段ボールに詰めたりする作業になります。
また製品が移動中に崩れしないように、箱詰めの際には隙間なく丁寧に入れなければなりません。
製品の見た目の美しさは、食べる楽しみや美味しさにもつながるので、繊細な作業が得意な人に向いています。
食品製造会社の志望動機に含める5つの内容

ここからは、食品製造会社の志望動機について詳しく解説します。
上記の中でも、なぜその会社を志望したのかがわかる文章を書くようにしましょう。
①食品製造業を志望した理由
初めに食品製造業を志望した理由を述べましょう。
ここでは、食品製造業界の中でも、なぜ食品を製造する会社を目指したかがわかるようにするのがポイントです。
たとえば、「調理スキルを身につけたい」「食という身近に感じる仕事にやりがいをもてると思ったから」などの理由が良いでしょう。
②会社を志望した理由
次に数ある食品製造会社がある中で、なぜ自社を志望したのかを明確にしないといけません。
「貴社の食品を昔からよく食べて好きだから」「貴社が地産地消の食材を使った製品に力を入れているから」という理由が良いでしょう。
その他にも、会社HPの情報を参考に製品の特徴やこだわり、会社の食への想いを調べて、自分が感じた製品の魅力や共感したことをアピールする方法もおすすめです。
③「食」に関する興味や経験のエピソード
志望動機の中に、「食」に関する興味や実際の経験したエピソードがあれば、よりリアルな想いが伝わるでしょう。
・身近な人に食物アレルギーの人がいて、栄養バランスについて考えることがあったから ・子ども食堂のニュースを見て、貴社のことを知り理念に共感を抱いたから |
大事なのは、なぜ自分が食に興味を抱いたのかきっかけや経緯がわかるようにまとめることです。
具体的なエピソードがなかったとしても、「貴社の製品のことを調べるうちに製造過程に興味を持つようになったから」というのも良いアピールになるでしょう。
④食品製造業で活かせるスキル
食品製造業では、同じ作業を繰り返し行う集中力や、丁寧に作業する力などが求められます。
そのため、「毎日5時間以上は栄養学の勉強を続けた」といった強みがあると集中力の根拠が伝わりやすくなるでしょう。
一方スキルのアピールには、飲食店でのキッチン経験や調理が得意であるこも有効です。
食品製造業の会社が求めるスキルにつながることをアピールしていきましょう。
⑤将来の展望
最後に、より印象に残る志望動機にするためには、将来の展望や食品製造を通して自分がどうなりたいかを書くようにすると強い意欲を感じられる文章となるはずです。
そのためには「製品を食べてくれる人の喜びにつながる仕事」「製品を通して健康な食生活を支えたい」などお客様の目線も含めると良いでしょう。
「食」に携わる仕事に就きたいという想いを締めくくるにあたり、「生きるうえで食べることの大切さ」「健康維持」「安心した製品(食品)を届けたい」など含めて書くと良いかもしれませんよ。
食品製造に向いている人の特徴4つ

続いて、食品製造に向いている人の特徴を4つ紹介します。
食品は人の口に入るものです。食品製造は仕事の作業効率だけでなく、衛生管理や安全に対する意識も必要なスキルの1つといえるでしょう。
①集中力がある
食品製造工場では、同じ作業を繰り返し行うため、高い集中力が求められます。
また、作業工程の中には機械の自動化も導入されていますが、人の手や目で確認しながら行うライン作業もあるため、どの作業も手を抜くことが許されません。
出来上がった製品はどれをとっても同じ品質になるためには、最後まで同じ作業に集中して取り組める人が向いているでしょう。
②丁寧な作業が得意
特に弁当や総菜の盛り付け作業では、丁寧な作業が得意である人が向いています。
細かな作業には、手早くきれいに盛り付けられるかがポイントです。
慣れてくると自ずとスピードも上がってきますが、見た目の仕上がり1つで製品全体の完成度の高さも変わってしまうので、元から料理の盛り付けにも気を遣っていることは強いアピールとなるでしょう。
③コミュニケーションが取れる
食品製造工場ではさまざまな年齢層の人が働いているため、休憩中などにコミュニケーションが取りやすい人が向いているでしょう。
衛生上の問題で作業中はほとんど声を出すことはありませんが、作業後の片付けや、業務手順の質問する際には普段のコミュニケーションが大事になります。
1人で黙々と作業を進める場面も多い食品製造の仕事ですが、チームの人たちと人間関係も大切にしてください。
④責任感がある
工場内で製造された製品から食中毒や異物の混入があると大きなトラブルとなるため、食品製造で働くためには強い責任感が求められます。
したがって、工場内の入退室基準を厳重に守り、手順に従った作業を徹底してできる人でないといけません。
また、自分の体調管理も大切になります。感染症のリスクが高くなりそうなときには、速やかに報告しましょう。
食の安全や衛生面の問題は、工場内で働く一人ひとりの意識や注意力で成り立っているため、食品製造の志望動機のアピールとして、これらの特徴を強みとするのも良い手段ですよ。
必見!食品製造の志望動機の例文

ここでは、食品製造の志望動機の例文を紹介します。
新卒・未経験者の志望動機は、企業への共感や自主性をアピールし社会や会社に貢献について書いていくと良いでしょう。
経験者・転職者は、前職の現場で得たスキルや職に関する知識を志望動機にしていくと即戦力としてスムーズに採用される可能性が高くなるはずです。
①【新卒・未経験者の場合】企業への共感
以下は、企業への共感を志望動機にした例文です。
私が貴社を志望した理由は、食を通じて人々の健康意識を高めようとする企業理念に共感したためです。 最近では栄養バランスの取れた冷凍食品をスーパーで手軽に購入できるようになりました。人々のニーズに合わせて製品を改良して、より美味しい製品を生み出し続けるところにも企業努力を感じており、自分も食品製造という形で仕事をしたいと思うようになりました。 入社後も、普段身近に見ている製品だからこそ、やりがいをもって取り組んでいきたいと思います。 |
例文では、志望する食品製造会社の企業理念や、自分の製品に対する思いが述べられています。
新卒・未経験者の場合は、志望する食品製造会社と自分の考え方や意見がマッチしていることをアピールすると良いでしょう。
②【新卒・未経験者の場合】自分の適性
以下は、自分の適性アピールポイントにした志望動機の例文です。
私が食品製造の仕事の志望理由は、与えられたことに対して集中して取り組むことが得意と思うからです。 また食品製造工場を見学した際に、黙々と仕事をする時間と、休憩中に同じ製造チームで談笑する時間があり、めりはりのある仕事も自分の理想の働き方に合っていると感じました。 入社後は、もともとの集中力を活かし、まわりの人ともコミュニケーションを取って協調性を大切にしていきたいと思います。 |
例文のように、自分の適性には高い集中力があることと、入社後は周りの人とのコミュニケーションも図りながら仕事をしたいという志望動機のまとめ方には高評価が期待できるでしょう。
会社の採用基準として長期間働いてくれる人かどうかを判断しているため、実際に工場見学して働き方が合っていることをアピールポイントとするのもおすすめです。
③【新卒・未経験者の場合】「食」を通じた社会貢献
以下は、「食」を通じて社会貢献がしたいという自分の考え方を述べた例文です。
私が食品業界に興味をもつようになったきっかけは、小学生のときにクラスメイトが給食を食べている最中に、いきなり倒れたことを目の当たりにしたことがあるからです。そのときに初めて安全である食べ物が、突如危険に晒される原因になることを知りました。 貴社を志望した理由も、食物アレルギー体質の方に向けた食品製造しているからです。単一製品の製造・販売はコスト面の課題もあると思いますが、企業として社会貢献の取り組みに感銘を受けました。 安心・安全性の高い食品製造に携わりたいと思い、貴社を志望しました。 |
例文は、なぜ食品業界に興味をもったのか、会社を志望した理由が明確に説明されている文章となっています。
また実体験のエピソードがあるため、より鮮明に食の安全に対する意思が伝わる文章にまとまっており強い説得力が感じられるでしょう。
④【経験者・転職の場合】現場で得たスキルや経験
以下は、食品製造業で活かせるスキルや経験を志望動機にした例文です。
私が貴社を志望した理由は、前職の細かい作業をしてきたことが活かせると考えたからです。 前職は、約4年半、半導体の接着作業に従事してきました。各工程で異物が混入していないかその都度厳しく製品チェックが行われ、各チームでも話し合う機会もありました。 食品製造業は未経験ですが、品質の安全や工場内で働く危機管理力など、共通する点も多く、入社後は、前職で得たスキルや会社の利益を考え、業務効率と質の高い製品の維持に努めたいと思います。 |
例文は、前職の仕事内容や活かせるスキルが書かれた志望動機になります。
工場内勤務の経験や、製品に対する管理意識は同じであると思ってもらえるような志望動機にまとめられている点が採用の評価として期待できるでしょう。
⑤【経験者・転職の場合】「食」が人に与える影響
以下は、「食」が人に与える影響を志望動機にした例文です。
私は、学生時代に調理師免許を取得し、これまで学校給食の施設や、弁当の製造工場で仕事をしてきました。 食が人に与える影響は、「安心であること」「栄養バランスがよいこと」「美味しいこと」だと考えます。貴社は、介護施設利用者の食品を製造しているため、「食べやすさ」にこだわったさまざまな調理方法の工夫がされているいる点に共感がもてました。 入社後は、これまでの調理スキルを活かし、貴社の即戦力となれるよう従事したいと思います。 |
例文は、「食への意義」を伝えた志望動機となっています。
また資格を活かし、これまで一貫した食品製造業界に携わってきたことも書かれていることも高いアピールポイントとなっているでしょう。
また、今後もスキルアップしたいという意欲が感じられる内容となっており、会社への貢献度の高さも感じられる志望動機にまとまっているのも評価ポイントとなるはずです。
食品製造の志望動機は食への思いをアピールすることが大切!

この記事では、食品製造の志望動機の内容や、食品製造に向いている人の特徴について解説しました。
取扱う食品によっては、作業工程や肉体労働の有無もありますが、集中力や責任感が強い人が向いているでしょう。そのため志望動機とともに、仕事内容を事前に確認することも大切です。
もちろん志望する会社の製品に魅了されたため「ここで働きたい」とアピールするのは、採用担当者も嬉しいポイントとなるので面接ではぜひ自分の想いも伝えてくださいね。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。