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警察事務職員に向いている人とは?仕事内容・魅力・試験などをわかりやすく解説

警察事務職員という職業に興味はあっても、具体的にどんな仕事なのかわかりにくいですよね。また、自分に向いているのかわからず、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

警察組織を支える重要な役割が警察事務職員にはあり、やりがいを感じられる仕事がたくさんあるのです。

今回の記事では、警察事務の仕事内容・求められる資質・採用プロセスなどを詳しくまとめました。さらに、女性が活躍できる環境・競争倍率・1日のスケジュールなども紹介します。

警察事務への自分の適性を見極め、新たなキャリアへの一歩を踏み出すきっかけにしましょう。

警察事務とは?

警察事務は「警察行政」とも呼ばれ、警察組織の運営に携わりながら土台を支える仕事です。警察事務職員の業務内容について、以下のポイントから解説します。

  1. 警察事務と警察官の違い
  2. 警察事務職員の業務内容
  3. 警察事務の配属先
  4. 警察事務の1日のスケジュール

警察事務のポイントを理解し、職員として警察組織の運営に貢献する将来像を実現しましょう。

①警察事務と警察官の違い

警察事務と警察官の違いについて、以下の表にまとめました。

異なるポイント警察行政職員警察官
主な役割事務作業・予算管理・給与支給・物品管理など犯罪捜査・交通指導・地域パトロールなど
関与する業務武器の使用なし犯罪捜査や交通指導に関与しない市民の安全を直接守る現場活動
採用方法地方公務員として採用身体基準や体力検査がない国家公務員・地方公務員武道訓練は必須
配属先会計課・情報管理課など地域警察・刑事警察など
担当業務職員の福利厚生・組織運営に関する業務実際の捜査活動に従事

警察組織の運営を支える重要な役割を警察行政は担い、主に警察本部や警察署内での事務作業を行います。

予算管理・給与支給・物品管理・情報システムの運用などを担当し、犯罪捜査や交通指導取締りには直接関与しません。一方、警察官は犯罪捜査・交通指導・地域パトロールなど市民の安全を直接守る現場活動が中心です。

加えて、警察事務職員と警察官では地方公務員・国家公務員といった採用方法の違いや、体力検査の有無が異なります。 参考:兵庫県警察「県警察の紹介-職員採用-警察事務職等

②警察事務職員の業務内容

警察事務職員の業務は、警察組織の円滑な運営を支えるため多岐にわたります

警察本部や警察署において会計業務や窓口業務を含む多様な事務を担当し、警察活動の基盤を支える仕事です。

警察行政の主な仕事内容は、以下の通りですよ。

  • 警察活動に必要な物品の購入・管理
  • 落とし物に関する事務
  • 職員の給与・諸手当の管理・支給
  • 人事・採用に関する業務
  • 情報システムの運用や管理
  • 運転免許に関する事務
  • 警察鑑識に関する業務

警察本部や各警察署に配属されるとそれぞれの部署で異なる役割を担い、多くの経験を積めるのが警察行政の特徴です。 参考:神奈川県警察「令和6年度(2024年度)警察事務職員採用試験

③警察事務の配属先

警察事務職員の配属先を、以下の表にまとめました。

配属先配属される課
警察本部の配属先運転免許課・会計課・交通総務課・厚生課・交通捜査課・鑑識課・刑事総務課・施設課・情報管理課・警務課
警察署の配属先会計課・刑事課・交通課

それぞれの課の主な仕事内容は、以下の通りです。

課名主な仕事内容
会計課予算の策定・執行・物品の管理
施設課警察署や交番の修繕管理・装備の整備
情報管理課警察情報システムの開発・運用・文書管理
警務課職員の採用・人事管理
厚生課職員の福利厚生の申請や支払い手続き
刑事総務課事件解決に必要な証拠鑑定
刑事課犯罪捜査・被害者支援
交通課交通違反の取締り・交通事故の処理

配属先や仕事内容を十分に理解し、警察事務職員を目指すときには具体的なイメージを持ちましょう。

④警察事務の1日のスケジュール

警察事務職員の1日は、多様な業務で構成されたスケジュールとなっています。1日のスケジュールの一例を、以下の表にまとめました

時間業務内容
09:00メールや連絡事項の確認・業務開始
10:00~12:00各交番からの落とし物・遺失物の引継ぎ・管理業務の進行
12:00~13:00昼休憩
13:00~13:30窓口業務の再開・来庁者対応
13:30警察署外の連絡業務・他部署との調整業務
15:00ごろ予算執行・物品管理などのデスクワーク・書類作成・データ入力
17:00業務報告のまとめ・翌日の準備・退勤準備

警察行政に携わるのを目指すなら、どういったライフワークバランスになるのかをあらかじめ把握しておきましょう。

⑤警察事務の年収

警察事務職員の年収は経験や役職で変動しますが、平均月給は33万3,573円、手当をくわえると37万6,048円です。

そのため、年間の給与総額はボーナスやそのほかの手当を含めると、約450万円から500万円程度になると推定されます。

なお、地域手当や扶養手当は勤務地域や個々の状況により異なるため、正確な年収は職員によって変動するので注意してください。

警察行政に携わる職員は地方公務員であるため給与体系が安定しており、経験年数や昇進に伴い給与が増加する傾向にあります。以下は、警察事務職員の年代別の平均月収と年収を表にまとめたものです。

年代平均月収(円)推定年収(円)
18歳・19歳18万9,455円約246万2,915円
20歳~23歳21万5,586円約280万4,118円
24歳~27歳24万2,645円約315万3,385円
28歳~31歳26万7,057円約347万1,741円
32歳~35歳29万5,415円約384万1,895円
36歳~39歳33万0,833円約429万8,829円
40歳~43歳36万6,024円約475万5,312円
44歳~47歳39万1,500円約508万6,500円
48歳~51歳40万9,233円約531万6,029円
52歳~55歳41万8,488円約543万8,344円
56歳~59歳42万2,938円約549万3,194円
60歳以上29万2,362円約379万7,706円

参考:総務省「令和5年 地方公務員給与実態調査結果の状況

警察事務のやりがいと魅力

警察行政に携わるやりがいや魅力は、主に以下の3つです。

  1. 地域社会への貢献ができる
  2. 多様な経験を積むチャンスがある
  3. 警察の縁の下の力持ちになれる

警察行政に携わる魅力を理解し、地域社会に貢献するキャリアを築いていきましょう。

①地域社会への貢献ができる

警察組織の事務作業を通じて地域社会に大きく貢献できるのが、警察事務職員の魅力です。

警察官を支えて間接的に地域の安全と安心を守るのに寄与し、窓口業務などを通じて地域住民と直接コミュニケーションを図れます。

地域社会の安定を実現する施策立案や組織運営に携わり、さまざまな課題解決に取り組めるのが警察行政に携わるやりがいのひとつですよ。

②多様な経験を積むチャンスがある

仕事内容は多岐にわたるため、警察行政に携われば多様な経験を積むチャンスがあります。

さまざまな部署に配属されるため、会計・窓口対応・情報管理・広報・施設管理など多様な業務経験が可能で、多くのスキルを習得できるのも警察事務職員の魅力でしょう。

定期的な人事異動によって新しい部署での業務を経験し続けられるため、キャリアのなかで多様な視点と専門性を養えます。

③警察の縁の下の力持ちになれる

警察組織の縁の下の力持ちとして、重要な役割を警察行政は果たしています。

警察組織のスムーズな運営を支えるための役割を担い、警察官が現場での活動に専念できるようにバックオフィス業務を遂行します。

さまざまな業務を通じて警察活動の基盤を整え、地域社会の安全と安心に貢献できるやりがいのある仕事ですよ。

組織内での調整やサポート業務を通じて警察官との連携を深め、チーム一丸となり地域社会への貢献を目指しましょう。

警察事務に向いている人の特徴

警察事務職員に向いている人の特徴は、以下の4つです。

  1. 地域貢献したい人
  2. 地道に業務をこなせる人
  3. 作業の正確性に自信がある人
  4. 緊急性を要する仕事にも対応できる人

自分の強みを活かし、地域社会・組織運営・警察官のサポートに貢献できる警察事務職員を目指しましょう。

①地域貢献したい人

地域貢献への強い意欲を持つ人は、警察行政に携わり大きな力を発揮できるでしょう。

警察行政は地域社会の安全と安心を支える重要な役割を担い、地域の住民と直接関わる機会が多くあります

窓口業務や相談対応を通じて地域のニーズを把握し、求められるサービスを提供するのも役割です。

また、地域の治安維持や防犯活動の情報を収集・分析し、住民と協力しつつ安全な環境づくりが求められますよ。

警察署や交番などの現場で地域住民との信頼関係を築き、地域社会の一員として積極的に関与しましょう。

②地道に業務をこなせる人

地道に業務をこなす能力は、日々の業務はさまざまなルーチンワークで構成されている警察事務職員にとって重要な資質です。

また、正確さが求められるデータ入力・書類作成・予算管理などが業務に含まれており、地道な作業は不可欠です。

日常的に発生するさまざまな事務手続きをミスなく処理する必要があるため、細部にまで注意を払える人が適していますよ。

③作業の正確性に自信がある人

作業の正確性に自信がある人は、警察事務職員として重要な役割を果たせるでしょう。

警察事務では正確さを求められる業務が多く、細部に注意を払いながら業務を遂行する能力が必要ですよ。

また、法律や規則にもとづいた文書の作成や管理を行うため、細かい作業を丁寧にこなす力が求められます。

「ミスが許されない事務処理」「複雑な手続きのなかで正確な判断が必要」といった場面での対応力も不可欠です。

④緊急性を要する仕事にも対応できる人

緊急性を要する状況に適切に対応できる人は、警察事務職員として重要な役割を果たせるでしょう。

警察事務職員は、警察活動のサポート時に突発的な事案が発生する場合があり、迅速かつ的確に対応する能力が求められます。

夜間の当直や緊急の対応が必要な場合もあるため、柔軟な勤務体制に適応し、冷静に判断して行動できる人が向いています。

特に、繁忙期には大量のデータ処理や窓口対応が求められるため、プレッシャー下でも効率的に業務を遂行するスキルが重要ですよ。

予算管理・物品調達などの業務でも緊急時には迅速な対応が求められるため、計画性と即応力を兼ね備えた人が適しています。

警察事務に向いていない人の特徴

警察事務に向いていない人の特徴を、以下の表にまとめました。

向いていない理由詳細内容
長時間の単調な作業やルーチンワークが苦痛な人資料作成や備品管理など、集中力と忍耐力を必要とする地道な業務が多い
コミュニケーションが苦手な人一般市民や他部署の職員との円滑なコミュニケーションが求められる
自分の成果が見えにくいのを不満に感じる人サポート業務が中心で直接的な感謝や評価を得る機会が少ないため、仕事の意義を見出しにくい
雑務や予期せぬ業務が苦手な人窓口対応や設備管理などの雑多な業務もあり、柔軟な対応力が求められる
ストレスに弱くメンタル的に追い込まれやすい人公務員としての責任感やプレッシャーが大きく、精神的にタフな必要がある

自分が警察事務に向いているかどうかを自己分析し、将来のキャリアプランを慎重に計画しましょう。

警察事務職員になるために必要なこと

警察事務職員になるために覚えておきたいポイントは、以下の4つです。

  1. 警察事務の採用プロセス
  2. 受験資格
  3. 試験の内容
  4. 試験の合格率

警察事務職員の採用プロセスを理解し、必要な資格や試験対策を行って採用に向けた準備を進めましょう。

①警察事務の採用プロセス

警察事務職員になるための採用プロセスのポイントは、以下のとおりです。

  1. 年に一度、教養試験・専門試験・論文・面接が実施される採用試験に合格する
  2. 年齢制限があり、多くは35歳未満が受験可能
  3. 合格後は警察学校で研修し、警察本部や署に配属される

年に一度の採用試験では、公務員として必要な一般的知識や警察事務に関する専門知識を問われます。

採用試験には年齢制限があり、多くの都道府県では35歳未満が受験可能とされているため、事前に試験資格を確認しましょう。

採用試験に合格したあとは警察学校での研修を経て、都道府県内の警察本部や警察署に配属される流れです。 参考:令和6年度警視庁採用サイト「警察官・警察行政職員になるには

②受験資格

警察事務職員の受験資格には、いくつかの基本的な条件があります。警察事務の受験資格について、以下の表にまとめました。

受験資格の基本条件内容
基本条件日本国籍を有すること
年齢制限一般的に35歳未満
学歴要件高校卒業程度または大学卒業程度の学力

警察事務職員の受験資格は各都道府県が実施する公務員試験にもとづき、日本国籍を有するのが基本条件です。

具体的な年齢要件・学歴要件は各自治体によって異なるため、受験を希望する地域の詳細を確認しましょう。

③試験の内容

警察事務職員になるための試験は、多岐にわたる能力を評価するものです。

試験区分内容
筆記試験教養試験(一般的知識・知能を問う択一式)・専門試験(警察事務に必要な知識を問う択一式)
教養試験知識分野(社会科学・人文科学・自然科学)・知能分野(文章理解・判断推理・数的推理・資料解釈)
専門試験警察事務に必要な専門知識を択一式で出題
論文試験800字程度の記述式で思考力や構成力を評価
面接試験(人物試験)個別面接で人柄や性格を評価
適性検査職務遂行に必要な素質や適性を評価

採用試験は一般的に筆記試験と面接試験で構成されており、筆記試験は教養試験と専門試験に分かれています。

面接試験では個別面接によって人柄や性格、適性検査では公務員としての職務遂行に必要な素質や適性が評価されます。

参考:神奈川県警察「令和6年度(2024年度)警察事務職員採用試験

④試験の合格率

警察事務職員の採用試験は、競争率が高く難関な試験として知られています。合格率は年度や地域によって大きく異なりますが、一般的に倍率は高く競争が激しいケースが多いですよ。

岡山県や兵庫県などでは、警察事務職員の採用試験で倍率が5倍から10倍以上になる場合もあります。以下は、警視庁の警察事務採用試験結果の最近5年間のデータです。

年度受験者数合格者数倍率
2023年450人49人9.2倍
2022年511人99人5.2倍
2021年408人54人7.6倍
2020年256人75人3.4倍
2019年470人65人7.2倍

警察事務職員の試験は高い競争率を誇るため、自分が受験する地域の募集要項や過去の合格実績を確認しておきましょう。

参考:警視庁「警視庁(警察行政)職員Ⅰ類」,岡山県警察「過去の採用試験実施状況」,兵庫県警察「県警察の紹介

警察事務は女性も活躍できる

女性にとって嬉しい警察事務のサポート体制の特徴は、以下の3つです。

  1. 産前・産後・育児休暇などのサポート体制が充実している
  2. 復帰研修・キャリア形成支援でキャリアが途切れない
  3. 女性専用施設の整備や相談窓口がある

充実したサポート体制を活用し、女性も安心して長期的なキャリアを築きましょう。

①産前・産後・育児休暇などのサポート体制が充実している

警察事務職員のサポート体制は女性の活躍を強力に後押しするため、充実しているのが特徴です。

産前・産後休暇や育児休業などの制度が充実しており、女性も安心して働ける環境が整備されていますよ。

また、育児休業は子どもが満3歳になるまで取得可能であり、育児短時間勤務や深夜勤務の制限・免除なども活用が可能です。

上記のような制度を十分に活用し、育児とキャリア形成の両立を目指しましょう。

参考:警察庁「警察庁の取り組み計画」,「育児支援制度

②復帰研修・キャリア形成支援でキャリアが途切れない

警察事務職員のキャリア支援制度は、女性の継続的なキャリア形成を後押ししています。警察事務が整えているサポート体制は、以下のとおりです。

支援制度内容
育児休業からの復帰を支援する事前研修長期間の休職から安心して仕事に復帰できるよう、復帰前に研修を行う
育児休業からの復帰時の配置先希望復帰時に勤務先希望調査を行い、本人の意向を考慮して配属先を決定する
育児短時間勤務者の並立任用制度同じ職場の育児短時間勤務者2人が仕事を分担しながら業務に取り組む
育児休業からの復帰後研修復帰後にゆとりを持って仕事を覚えられるよう、配属先で復帰後研修を行う
託児施設利用料金の補助託児施設の利用料金の補助を行う

例えば、育児休業や産前産後休暇からの復帰を支援する復帰研修が実施されており、職員がスムーズに職場復帰できます。

復帰研修では休業中に変化した業務・制度などの情報提供が行われ、職員が最新の知識を持って職場に戻れるよう配慮します。キャリア形成支援としてスキルアップのため研修や講座が定期的に開催されるのも大きな魅力ですよ。

参考:宮崎県警察「宮崎県警察ワークライフバランス・次世代育成支援・女性職員活躍推進行動計画」,警察庁「育児支援制度

③女性専用施設の整備や相談窓口がある

警察事務職員の職場環境は、女性が安心して働けるよう配慮されているのが大きな特徴です。警察事務職員として働く女性のために、女性専用施設や相談窓口が整備されており、安心して働ける環境が整えられていますよ。

例えば、宮崎県警察では、女性用トイレ・仮眠室・シャワールームなどの環境整備が進んでいるとのことです。

また、埼玉県警察では女性職員から寄せられる悩み事に対応するため、相談窓口を設置・運用しているといった例もあります。

また、ハラスメント防止のための研修等も実施されており、女性が安心して働ける職場環境の整備に力を入れています。

参考:宮崎県警察「宮崎県警察ワークライフバランス・次世代育成支援・女性職員活躍推進行動計画」,埼玉県警察「埼玉県警察女性職員の活躍推進及び職員のための子育てサポート推進プログラム

警察事務に自分が向いていると思ったら採用を目指そう!

警察事務職員は主に警察本部や警察署内での事務作業を行い、警察組織の運営を支える重要な役割を担っています。

「地域貢献への意欲が高い」「地道な業務をこなせる」「作業の正確性に自信がある」といった人が警察事務に向いています。

採用試験の競争率は約5倍~10倍と比較的高いため、試験・面接などの対策を十分に行ってから臨みましょう。

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    「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。