海運業界の全体像を徹底解説!業界の動向や求められる人物像も紹介
この記事では、海運業界の全体像を徹底解説しています。
海運業界のビジネスモデルや今後の動向、主要5社の比較、職種や魅力まで網羅的に紹介しています。実際に海運業界を志望している場合は必見の内容ですよ。
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海運業界は業界理解が必要

海運業界を志望するうえで、まずはこの業界がどのようなビジネスを展開しているのかを正しく理解することが欠かせません。
表面的なイメージだけで志望動機を語っても、選考では通用しないでしょうし、入社後のミスマッチにもつながりかねないでしょう。
とくに海運業界は、グローバルで複雑な構造を持っており、独自の商習慣や専門知識が求められる点が特徴。そのため、基本的な業界理解がとても大切です。
海運業界とは、貨物を大型船舶で運ぶ「海上輸送業」を中心とした産業で、世界中の貿易を支える重要なインフラでもあります。
とくに日本のように資源の多くを海外に頼っている国では、海運の役割は極めて大きいと言えるでしょう。
輸送される貨物は、石油や鉄鉱石などの「バルク貨物」から、コンテナで運ばれる「一般貨物」まで多岐にわたります。
このような仕組みや、各企業の役割を理解しておくことで、エントリーシートや面接での発言にも深みが出てくるでしょう。
また、世界経済や国際情勢の影響を大きく受ける業界であることも押さえておくと、時事性を持たせた志望理由につなげやすくなるはずです。
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海運業界とは?

海運業界は、船を使って貨物や人を海の上で運ぶ輸送産業のことです。特に日本のような島国では、貿易に必要な物流の大半を担っており、非常に重要な役割を果たしています。
たとえば、自動車や鉄鋼製品、さらには食品など、私たちの生活に欠かせない多くのモノが海運によって届けられているのです。
特徴としては、取り扱う貨物の量が膨大であること、そして世界中の港を結ぶ国際的なビジネスであることが挙げられるでしょう。まさにグローバルな視野が求められる業界です。
その一方で、景気の変化や国際情勢に左右されやすいという側面も見逃せません。ですが、それゆえに市場の動きを先読みする力や、柔軟に対応できる姿勢が自然と鍛えられる環境でもあります。
自分の将来像や興味と照らし合わせながら、こうした業界の特性をしっかり理解しておくことが、就活において非常に重要です。
海運業界のビジネスモデル

海運業界のビジネスモデルは、単に「船でモノを運ぶ」だけではありません。事業の内容は多岐にわたり、収益を生む仕組みも複雑です。
ここでは、船舶の賃貸や売買、物資輸送の方法、さらに物資ごとに異なる船舶運用の特徴について説明します。
- 船舶の賃貸・売買
- 物資輸送
- 物資別の船舶運用
① 船舶の賃貸・売買
海運業界では、船を所有せずに運航する企業も多いです。こうしたビジネスの多くは「用船契約」と呼ばれる仕組みを利用しています。
この契約では、他社から船を借りて運航するため、自社で船を保有しなくても事業が可能です。
船の購入には多額の資金がかかるため、コストを抑えながら柔軟に事業を展開する手段として有効といえるでしょう。
さらに、船の売買は事業戦略の一部としても活用されます。経済情勢や運賃相場に応じて、保有船を売却したり、新たに購入したりすることで利益を得るケースも。
こうした点を知っておくと、海運業界のダイナミックな経営の一面が見えてくるはずです。
② 物資輸送
海運業の中核をなすのが、各種物資の輸送です。主に「トランパー輸送」と「定期航路輸送」の2つに分かれており、それぞれ運ぶ対象やビジネスモデルが異なります。
トランパー輸送は、不定期に大量の原材料を運ぶスタイルで、石炭や鉄鉱石、原油などが代表例です。これに対し、定期航路輸送は決まったスケジュールとルートで運航され、主にコンテナ貨物が対象となります。
トランパー輸送は市況に左右されやすい反面、1件ごとの取引額が大きく、定期航路輸送は安定性が高いというのが特長です。
これらの違いを理解しておくことで、企業ごとの戦略や強みを把握しやすくなり、選考時の志望動機にも深みが出るでしょう。
③ 物資別の船舶運用
運ぶ物資によって、使用される船舶の種類も大きく変わります。
たとえば、原油を運ぶタンカー、石炭や鉄鉱石を運ぶバルクキャリア、生活用品などを載せるコンテナ船など、それぞれの船には特化した構造や機能があるのです。
また、船の構造だけでなく、航行ルートや管理体制、積み下ろしの方法も異なるため、求められるスキルやノウハウにも違いが出てきます。
志望する企業がどのタイプの船を扱っているのかを調べておくと、自分の適性とのすり合わせがしやすいです。こうした違いを押さえておくことで、就活の際に説得力のある志望動機を組み立てられるでしょう。
海運業界の動向

近年の海運業界は、世界的な変化に大きく影響される構造がより鮮明になってきました。新型コロナウイルスや国際情勢、原油価格の変動といった外部要因が、業界全体に波及しています。
一方で、デジタル技術の導入や環境対策の加速も進んでおり、持続可能な運営体制の構築が急務です。
- 新型コロナの影響と市況回復の動き
- 世界情勢・原油価格高騰によるコスト上昇リスク
- 業務効率化を促すデジタル化・DXの進展
- 脱炭素化を背景とした環境対応の加速
① 新型コロナの影響と市況回復の動き
新型コロナウイルスの流行により、海運業界は一時的に大きな打撃を受けました。各国のロックダウンや物流の混乱により輸送量が減り、多くの企業が収益を落としたのです。
しかし、経済の再開とともに需要は戻りつつあり、最近では市況も安定し始めています。特にコンテナ船の運賃が高騰し、業績を伸ばす企業も出てきました。
とはいえ、感染症リスクやサプライチェーンの変動が再び起きる可能性は否定できません。今後は、複数のルート確保や柔軟な運航体制など、リスクに強い仕組みが求められるでしょう。
② 世界情勢・原油価格高騰によるコスト上昇リスク
海運業界において燃料費は運航コストの中でも大きな割合を占めており、原油価格の高騰は深刻な問題です。ウクライナ情勢や中東の不安定化により、コストが予想以上に上がるケースも見られます。
さらに、円安や関税の変化といった経済の動きもコスト増に拍車をかける要因です。このような状況に対しては、新型の省エネ船の導入や、最適ルートによる運航効率の改善などが進められています。
今後は単なる価格競争だけでなく、持続性や信頼性も重視されるようになるでしょう。業界の変化を捉え、柔軟に対応できる力が就活では評価されます。
③ 業務効率化を促すデジタル化・DXの進展
海運業界でもデジタル化が進み、業務の効率化が加速しています。たとえば、AIによる航路予測や貨物の位置をリアルタイムで把握できるシステムの導入が広がってきました。
従来は人手と紙で行われていた作業がITによって簡素化され、作業ミスの削減や処理スピードの向上にもつながっています。また、ブロックチェーンを活用した書類管理なども実用段階に入りつつあります。
こうした変化に伴い、技術に強い人材やデジタルに柔軟な発想を持つ人への期待も高まっています。理系はもちろん、文系でもチャンスが広がる領域と言えるでしょう。
④ 脱炭素化を背景とした環境対応の加速
環境対策の強化は、海運業界全体にとって避けて通れない課題です。国際海事機関(IMO)の温室効果ガス削減目標により、企業は脱炭素への対応を急いでいます。
重油からLNG(液化天然ガス)への燃料転換や、電動推進船といったゼロエミッション技術の導入が始まっており、環境負荷の少ない運航が実現しつつあるのです。
また、これらの取り組みはESG投資や企業の社会的責任にも直結しており、企業価値の新たな基準にもなっています。志望企業を選ぶ際には、環境問題への姿勢もぜひ注目してみてください。
海運業界の主な職種

海運業界の職種は、大きく分けて「海上職」と「陸上職」の2つ。どちらも業界を支える大切な役割を担っており、それぞれに求められるスキルや働き方が異なります。
ここでは、両者の仕事内容や特徴を詳しく見ていきましょう。
- 海上職
- 陸上職
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① 海上職
海上職は、実際に船に乗って運航や管理を行う仕事です。代表的なのは航海士と機関士で、航海士は船の操船や運航計画を担当し、機関士はエンジンなどの設備の保守・点検を担います。
この職種では、長期間の海上勤務と陸上での休暇を繰り返す生活スタイルが基本です。国際的なクルーと協力しながら働くことが多く、語学力や異文化理解も求められるでしょう。
一方で、自然の中でダイナミックな仕事に携われる点は、海上職ならではの魅力です。海が好きな人、世界を舞台に働きたい人には向いているといえます。
② 陸上職
陸上職は、船の運航をオフィスから支える仕事です。主な業務には、配船、営業、運航管理、契約交渉、企画などがあり、部門ごとに分かれてチームで進めていきます。
取引先とのやりとりやスケジュール調整なども多いため、ビジネスコミュニケーション能力が必要になります。また、キャリアの幅も広く、海外勤務やマネジメント職への昇進も視野に入れられるでしょう。
現場感覚とデスクワークの両方に関心がある方には、陸上職が向いているかもしれません。企業ごとに役割が異なるため、OB訪問や説明会でしっかり情報を集めておくと安心です。
海運業界で働く魅力

海運業界には、就活生が知っておきたい多くの魅力があります。グローバルに活躍できる点や、ビジネスの規模感、多様な職種での経験など、他の業界では得がたい価値がそろっているのです。
ここでは、具体的なポイントを3つに分けて紹介します。
- 世界を舞台にしたグローバルな働き方ができる
- スケールの大きなビジネスに関わることができる
- 多様な職種で幅広い経験を積むことができる
① 世界を舞台にしたグローバルな働き方ができる
海運業界では、日常的に海外とのやり取りが発生します。国際貿易を支える役割を持つため、仕事の範囲が自然と世界に広がるのです。
たとえば、荷主が欧米企業で、寄港地がアジア諸国、運航管理は日本といったケースも珍しくありません。
英語での調整や多国籍チームとの連携も頻繁にあり、国際的な感覚を活かすチャンスが豊富です。時差や文化の違いに対応する場面もありますが、その経験は視野の広がりや成長につながるでしょう。
海外と関わる仕事に挑戦したい方には、魅力ある環境といえます。
② スケールの大きなビジネスに関わることができる
海運業界の大きな特長は、そのビジネススケールにあります。1隻の船が運ぶ貨物量は数万トンに及び、自動車や原材料、食品など多種多様な品目が対象です。
こうした物流を通じて世界の経済が成り立っていることを実感できるでしょう。その一方で、景気や国際情勢の影響を受けやすいため、変化に対する柔軟な対応が必要です。
それでも、自分の仕事が経済の根幹に関わっていると感じられるのは、大きなやりがいとなります。広い視野で社会と関わる仕事をしたい方にふさわしい業界です。
③ 多様な職種で幅広い経験を積むことができる
海運業界には、運航に関わる現場職だけでなく、営業、企画、技術、管理など多様な職種があります。また、海上と陸上という2つの働く場があることも特徴です。
配属や異動によって異なる業務を経験する機会が多く、自分の適性や強みを見つけやすくなります。職種ごとに必要なスキルが異なるため、幅広い知識や力が自然と身につくでしょう。
長期的にキャリアを広げたい方にとって、魅力ある業界です。
海運業界の大手企業

海運業界を志望するなら、主要企業の特徴を把握しておくことが重要です。それぞれの企業がどの分野に強みを持っているかを知ることで、自分の志望動機を明確にしやすくなるでしょう。
ここでは、日本の大手海運会社5社の特徴を整理して紹介します。
- 日本郵船
- 商船三井
- 川崎汽船
- NSユナイテッド海運
- 飯野海運
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① 日本郵船
日本郵船は、コンテナ輸送、バルク貨物、自動車専用船、LNG船など、多様な分野をカバーする国内最大級の海運会社です。
世界中にネットワークを持ち、保有船舶数もトップクラスで、国際物流の中核を担っています。
特筆すべきは、川崎汽船や商船三井と共同出資したコンテナ事業会社「オーシャンネットワークエクスプレス(ONE)」の存在です。
この取り組みにより、世界規模でのコンテナ輸送における競争力を大きく高めました。
また、再生可能エネルギーやカーボンニュートラルの実現に向けた技術開発にも積極的です。こうした動きは、グローバルな視野を持ち、成長意欲の高い就活生にとって大きな魅力といえるでしょう。
② 商船三井
商船三井は、ばら積み貨物(バルク)輸送を中心に、エネルギー輸送やコンテナ輸送など幅広い事業を展開する大手総合海運会社です。
特に、鉄鉱石や石炭、原油、LNGといったエネルギー資源輸送においては、国内外で圧倒的なプレゼンスを誇っています。
近年は、風力や水素といった次世代エネルギーの輸送分野にも取り組んでおり、環境配慮型の船舶開発やAIによる運航最適化など、デジタル化にも注力。
安定した事業基盤に加えて、イノベーションを推進する企業文化が特徴で、チャレンジ精神と社会課題への関心を持つ学生にとって、共感しやすい企業といえるでしょう。
③ 川崎汽船
川崎汽船は、自動車専用船の運航において世界的な強みを持つ企業です。トヨタや日産などの主要完成車メーカーと長年の取引実績があり、自動車物流の分野では高い信頼を獲得しています。
同時に、バルク輸送やエネルギー輸送にも注力しており、ONEへの出資を通じてコンテナ事業にも関与しています。
多角的な事業展開が可能でありながら、組織の規模は比較的コンパクトなため、若手にもチャンスが豊富です。
意思決定のスピードが早く、現場の意見が通りやすい風土も特徴。早期に責任ある仕事を任され、実力で成長していきたい方に向いているでしょう。
④ NSユナイテッド海運
NSユナイテッド海運は、日本製鉄グループの海運部門を前身とする会社で、鉄鉱石や石炭などのばら積み貨物輸送に特化。
特に大型ばら積み船の運航ノウハウに長けており、資源輸送の安定供給を支える重要な役割を果たしています。
資源関連企業との取引が中心であるため、長期契約が多く、景気に左右されにくい堅実な事業モデルを構築。海運業界の中でも安定性を重視する学生には、安心感を持って選べる企業といえるでしょう。
また、分野特化型の強みを活かし、専門性を磨きながらキャリアを築いていける環境があります。腰を据えて成長していきたい方におすすめです。
⑤ 飯野海運
飯野海運は、原油やLPG、化学製品などの液体貨物輸送を中心に展開している中堅海運会社です。特にタンカー輸送に強みを持ち、危険物輸送に関する高い安全管理体制が評価されています。
加えて、不動産や証券投資などの収益源も保有しており、他の海運会社にはない独自の多角経営が特徴です。経営の安定性と柔軟性を兼ね備えた企業といえるでしょう。
企業規模がコンパクトな分、社員一人ひとりの業務範囲は広く、若手でも早くから責任ある仕事を経験できます。堅実かつ柔軟な働き方を望む方に適した環境です。
海運業界の大手企業ランキング

海運業界の大手企業を知っておくことは、企業研究を進めるうえで大きな助けになります。業界全体の動向や、企業ごとの特徴を把握することで、志望動機や選考準備にも深みが増すでしょう。
海運業界では、売上や事業規模を基準にすると、上位に名を連ねる企業はほぼ決まっています。代表的なのが、日本郵船、商船三井、川崎汽船の3社です。
これらは国際的に事業を展開しており、コンテナ輸送や資源エネルギー輸送など、さまざまな分野を担っています。
最近の売上ランキングでは、為替や市況の影響により順位に変動が見られますが、基本的にはこれらの企業が上位を維持しています。
各社の特色を理解しておくと、自分に合った企業選びや説得力のある志望動機の作成にもつながります。最新の情報に目を向けて、丁寧に調べてみてください。
順位 | 企業名 | 売上高(2024年度) | 出典 |
---|---|---|---|
1位 | 日本郵船 | 2兆5,887億円 | 決算情報 |
2位 | 商船三井 | 1兆7,754億円 | 決算資料 |
3位 | 川崎汽船 | 1兆478億円 | 決算短信 |
4位 | NSユナイテッド海運 | 2,474億8千万円 | IRライブラリー |
5位 | 飯野海運 | 1,379億5千万円 | 決算情報 |
海運業界が求める人物像

海運業界で活躍するには、専門知識や語学力だけでなく、業界特有の環境に適応できる人間的な資質も重要です。ここでは、採用担当者が重視する人物像を3つのポイントに分けて紹介します。
自分の経験や性格と照らし合わせながら、志望動機や自己PRに活かしてみてください。
- 対人コミュニケーション能力がある人
- 主体的に動けるリーダーシップを発揮できる人
- 変化に対応する柔軟性がある人
「自分の強みが分からない…本当にこの強みで良いのだろうか…」と、自分らしい強みが見つからず不安な方もいますよね。
そんな方はまず、就活マガジンが用意している強み診断をまずは受けてみましょう!3分であなたらしい強みが見つかり、就活にもっと自信を持って臨めるようになりますよ。
① 対人コミュニケーション能力がある人
海運業界では、多国籍の船員と協力したり、海外企業とやり取りを行ったりする機会が頻繁にあります。そのため、相手の立場を尊重しながら話し合い、円滑に仕事を進める力が欠かせません。
特に海上職では、船内で長期間共同生活を送るため、信頼関係を築く力が重要です。陸上職でも、顧客やパートナー企業との調整が日常的に発生します。
ただ話すだけでなく、きちんと聞いて理解することも求められます。言葉のキャッチボールができる人こそ、現場で信頼される存在になれるでしょう。
② 主体的に動けるリーダーシップを発揮できる人
海運の現場では、常に同じ状況が続くとは限りません。思わぬトラブルや変更が起きたとき、自分で考え、すばやく動けるかどうかが問われます。そうした場面で頼りにされるのが、主体性を持った人です。
また、チームで動く仕事が多いため、周囲と協力しながら方向性を示すリーダーシップも求められます。とくに海上では、即時の判断が必要になる場面が少なくありません。
アルバイトや課外活動でのリーダー経験がある方は、そのエピソードを積極的にアピールすると評価につながりやすいでしょう。
③ 変化に対応する柔軟性がある人
海運業界は、天候や為替、国際情勢などに大きく影響される産業です。計画どおりに進まないことも多く、柔軟に考え直す力が求められます。
たとえば、航路の変更、入港地の変更、国際規制への対応など、現場では「その場での判断」が求められる状況が少なくありません。あらかじめ想定した行動だけで対応できるとは限らないのです。
変化にストレスを感じず、前向きに対応できる人ほど、現場での信頼が厚くなります。柔軟性は、海運業界で長く活躍するための大きな強みになるでしょう。
海運業界の志望動機に盛り込みたい要素

海運業界への志望動機を考えるときは、業界全体への関心だけでなく、企業ごとの特徴や自分の将来像とのつながりまで丁寧に言語化することが大切です。
ここでは、納得感のある志望動機を作るために意識したい3つの要素を紹介します。
- 海運業界を志望する理由を示す
- 企業の特徴・価値観を把握してマッチ度を示す
- 入社後の目標とキャリアビジョンを示す
① 海運業界を志望する理由を示す
まずは、「なぜ海運業界なのか」という理由を明確にする必要があります。
たとえば、「国際的な舞台で働きたい」「物流を通じて社会に貢献したい」といった思いがある場合は、それが業界の特性とどう結びつくかを説明してください。
「スケールが大きくて面白そう」といった表現だけでは、やや抽象的に映るかもしれません。自分の経験や学びと結びつけて伝えることで、志望動機に深みが生まれます。
熱意だけでなく、根拠を添えることで信頼感も得られるでしょう。
② 企業の特徴・価値観を把握してマッチ度を示す
次に大切なのは、その企業を選んだ理由を具体的に伝えることです。たとえば、コンテナ輸送に強みを持つ企業や、資源輸送に力を入れている企業など、得意分野や戦略はさまざま。
企業研究を怠ると、「どの会社にも言える内容」に聞こえてしまう可能性があります。その企業のビジョンや価値観に共感していることを示せば、担当者に好印象を持ってもらえるはずです。
マッチ度の高さを伝えることが、選考通過への鍵になります。
③ 入社後の目標とキャリアビジョンを示す
最後に、入社後にどのような仕事をしたいか、将来どう成長していきたいかを伝えてください。
たとえば、「国際物流の現場で経験を積み、将来は営業戦略に関わりたい」といったように、現実的な目標を示すと効果的です。
理想を語るだけでなく、自分の現在地を踏まえているかも重要です。あまりに大きすぎる目標や曖昧な表現では、信頼を得にくくなってしまいます。
企業側に「この人は長く活躍してくれそう」と思ってもらえるよう、未来志向の姿勢を伝えましょう。
海運業界の選考対策

海運業界を目指す就活生にとって、選考対策は内定を勝ち取るための大切な準備です。特に専門性や国際性が求められる業界のため、志望動機の深さや自分の強みをいかに伝えるかが重要。
ここでは、選考を突破するために意識しておきたい3つのポイントを紹介します。
- 業界理解につながる情報を整理する
- 自分の強みを伝えるエピソードを準備する
- 面接で自分らしさを伝える表現力を磨く
① 業界理解につながる情報を整理する
海運業界の選考では、業界への理解度がそのまま志望理由の説得力につながります。企業側も「本気でこの業界を志望しているのか」を見ているのです。
たとえば、海運の役割や国際物流の仕組み、自社の事業内容などを事前に調べておくと、面接でも自信を持って話せるでしょう。情報が曖昧なままだと、表面的な印象を与えてしまいかねません。
会社説明会や業界研究サイトを活用し、自分の視点で整理しておくことがポイントです。事前の準備が差を生む場面ですので、手を抜かないようにしてください。
② 自分の強みを伝えるエピソードを準備する
面接やエントリーシートでは、「なぜ自分がその企業に合うのか」を伝えることが求められます。自己PRだけで終わらず、実体験を交えて語ることが大切です。
たとえば、困難を乗り越えた経験や、チームで成果を出した体験などがあれば、それを「どのように行動し、何を得たのか」の流れで説明しましょう。
エピソードが曖昧だと印象に残りにくくなります。自分の強みを裏づける具体的な話を準備して、自然な言葉で語れるよう練習しておいてください。
③ 面接で自分らしさを伝える表現力を磨く
面接では内容だけでなく、話し方や伝え方も評価の対象になります。海運業界では国際的な環境で働く機会が多く、わかりやすく、かつ自分らしい表現ができるかが見られています。
回答を丸暗記するのではなく、自分の言葉で話す意識が大切です。そのためにも、実際に声に出して練習し、言い回しを整えておくとよいでしょう。
友人やキャリアセンターで模擬面接を受けるのも効果的です。本番で緊張しても、自信を持って話せるよう準備しておくことが大きな武器になります。
海運業界を目指す前に業界の全体像を理解しておこう!

海運業界を志望するうえで重要なのは、幅広い業界知識と、自分に合った企業選びができる視点を持つことです。
ビジネスモデルや職種、最新の業界動向、大手企業の特徴、さらには求められる人物像までを理解すれば、就職活動での説得力が大きく変わってきます。
とくに、海運業界のダイナミックな働き方やグローバルな環境に魅力を感じる就活生は、志望動機や選考対策でその思いを的確に表現することが求められます。
業界理解を深めることが、内定への確かな一歩となるでしょう。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。