【業界別例文10選】面接で業界の志望理由を質問される理由|志望業界の決め方も紹介
この記事では、業界の志望理由の答え方に関して解説しています。
また、業界の志望理由の答え方だけではなく、志望業界の決め方や志望理由を書く手順と業界ごとの例文も用意しています。
業界の志望理由は多くの就活生が「なんとなく」になりがちなので、しっかりと伝えられると好印象を獲得できますよ。この記事でしっかりとマスターしておきましょう。
記事の監修者
人事 鈴木
新卒でベンチャー企業で求人広告の新規営業を経験 入社半年でテレアポ獲得数社内1位。新卒売り上げ1位を獲得。 その後Cmind groupの人事部に入社し、新卒採用を担当。 現在は学生の面談だけではなく採用戦略や広報にも携わっている。
記事の監修者
吉田
新卒で株式会社C-mindに入社後、キャリアアドバイザーとして累計1000人以上の就活生との面談を経験。就活時代も大手からベンチャーまで様々な業界・職種を見てきた経験から、幅広い視点でのサポートを得意とする。プロフィール詳細
志望企業だけでなく「その業界」への志望動機も用意しておこう

就職活動では、企業単体の志望理由だけでなく、「なぜその業界なのか」という視点も非常に重要です。
企業説明会やエントリーシートでは企業への関心を問われる場面が多くありますが、面接では業界全体への理解や熱意が問われるケースが目立ちます。
採用担当者は「この学生は業界の将来性や課題を理解したうえで、納得して志望しているのか」を見ているため、対策が不十分だと、志望動機に説得力がなく印象は下がってしまいます。
そのため、志望動機を考える際は、「この業界で働く意義」や「どのような点に魅力を感じたのか」を明確に言語化する必要があります。
「なんとなく」の志望理由ではなく、業界全体への理解を深めておくことで、説得力の高い志望動機の作成にも繋がりますよ。
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業界の志望理由を面接で問われる理由

就職活動では、「なぜその業界を志望したのか」が必ずと言っていいほど問われます。企業はこの質問を通して、応募者の志望度や将来像、業界への理解を見極めようとしています。
業界選びの根拠が曖昧だと、ミスマッチや早期離職につながるおそれがあるため、志望理由の精度は選考において重要な評価基準です。
- 業界への志望度の高さを見極めるため
- 就活生の価値観や将来の方向性を知るため
- 業界への理解度を確認するため
- 他の業界ではなくその業界を選んだ理由を知るため
- 入社後のミスマッチを防ぐため
① 業界への志望度の高さを見極めるため
企業が志望動機を尋ねる最大の目的は、本気でその業界を目指しているかを確認することです。
いくら優秀でも、志望度が低ければ内定辞退や早期離職のリスクが高まり、企業にとっては大きな損失になります。
そのため、志望理由に熱意や目的意識があるかどうかが重視されます。「なんとなく興味がある」といった曖昧な言葉では説得力がありません。
明確な動機や経験を交えて伝えることで、本気度が伝わりやすくなります。自身の価値観や将来像と、業界の特性が一致していることを具体的に説明することが大切です。
② 就活生の価値観や将来の方向性を知るため
志望業界を選んだ背景には、その人の価値観やキャリア観が表れます。企業は、どのような思考を持つ人なのか、何にやりがいを感じ、将来どのように成長したいのかを理解しようとしています。
たとえば「社会の役に立ちたい」と考える人がインフラ業界を選ぶなら、その価値観と職種の相性が感じ取れます。
一方で、動機があいまいだと「適当に選んだのではないか」と疑問を抱かれやすくなります。価値観と志望理由がつながっていれば、納得感があり、印象にも残りやすくなります。
③ 業界への理解度を確認するため
業界に対する理解が浅いと、入社後にギャップを感じて早期に辞めてしまうおそれがあります。
企業はそのようなミスマッチを避けるため、志望理由の中に「どれだけ業界を研究しているか」を見ています。
具体的な仕事内容や業界の課題に触れていないと、興味本位で選んでいるように映ってしまいます。
たとえば、IT業界を志望する場合、「テクノロジーを活用した社会課題の解決に関心がある」といったように、自分なりの視点を盛り込むと、理解の深さが伝わります。
④ 他の業界ではなくその業界を選んだ理由を知るため
多くの学生が複数業界に応募する中で、「なぜこの業界に絞ったのか」を明確にすることは大切です。企業はその選択理由から、思考の深さや志望動機の本気度を判断しています。
「向いていそうだから」という曖昧な理由ではなく、「比較した結果、この業界に強い魅力を感じた」といったエピソードがあると説得力が増します。
たとえば、メーカーと商社を比較して「モノづくりの現場に携わりたいからメーカーを選んだ」といった説明ができれば、他業界との違いを理解していることが伝わります。
⑤ 入社後のミスマッチを防ぐため
企業にとって、採用した人がすぐに辞めてしまうことは避けたいリスクです。そのため、学生が業界や仕事への理解を深めたうえで志望しているかを確認することは重要です。
大変な側面も含めて理解し、それでも働きたいという意志がある人であれば、入社後も前向きに取り組んでくれると期待されます。
たとえば、勤務時間が長くなることを理解し、その上で「だからこそ効率よく働けるよう工夫したい」と語れば、前向きな姿勢として評価されるでしょう。
志望理由を考える前に知っておこう!業界の大まかな分類

志望理由を作成する前に、まず押さえておきたいのが「業界の全体像」です。
業界ごとの特徴や業務内容を把握することで、自己の適性や興味との接点が見つけやすくなり、説得力ある志望動機の作成にもつながるでしょう。
ここでは、代表的な10の業界に分類し、それぞれの概要と志望動機を考える際のポイントを解説します。
- メーカー業界(製造業)
- 商社業界(総合商社・専門商社)
- IT・通信業界(ソフトウェア・インフラ)
- 金融業界(銀行・証券・保険・リース)
- コンサル・シンクタンク業界
- 広告・マスコミ業界(出版・テレビ・Webメディア)
- 不動産・建設業界(デベロッパー・住宅メーカーなど)
- 小売・サービス業界(アパレル・飲食・ホテルなど)
- 運輸・物流業界(航空・鉄道・倉庫など)
- 官公庁・公共系(自治体・独立行政法人・公社など)
① メーカー業界(製造業)
メーカー業界は、自動車や電機、化学、食品など、私たちの生活に欠かせない製品を生み出す、ものづくりの中核を担う業界です。日本は高品質な製造技術に強みがあり、グローバル市場でも競争力を保っています。
近年はデジタル技術の導入によるスマート工場化や、環境配慮型の製品開発にも力を入れており、伝統と革新の両方が求められる分野です。
また、製造業はBtoBビジネスが多いため、消費者からは見えにくい部分にも大きな社会的意義があります。
志望動機では、「ものづくりが好き」といった曖昧な表現ではなく、自身の経験や関心と結びつけることが重要です。
具体的に扱いたい製品や興味を持ったきっかけを示すことで、熱意を明確に伝えることができるでしょう。
② 商社業界(総合商社・専門商社)
商社業界は、国内外のモノ・サービスの流通をつなぐ重要なプレーヤーであり、社会の裏側でインフラのように機能しています。
総合商社は多様な分野で事業投資や事業運営を行い、グローバルに展開しています。一方で、専門商社は食品や化学品、機械などの特定分野に特化し、専門性を武器に取引を深めています。
最近ではSDGsやスタートアップ投資など、従来の「貿易」だけにとどまらない新しい事業展開も進んでいます。
多くの学生が憧れる業界ですが、知名度や待遇だけを理由にしてしまうと説得力に欠けます。
志望動機では、商流の中でどんな役割を果たしたいのか、過去の経験から得た気づきなどを織り交ぜて伝えるようにしてください。
③ IT・通信業界(ソフトウェア・インフラ)
IT・通信業界は、社会インフラとしての側面を持ちつつ、最先端のテクノロジーを駆使してあらゆる産業のデジタル化を支えています。
ソフトウェアの設計・開発、クラウドサービス、通信インフラ整備、データセンター運用、さらにはAIやIoTなど、業務領域は極めて広範です。
社会課題を技術で解決する「Tech for Good」の動きも加速しており、技術革新に意欲のある人材が求められています。
志望動機では、「ITが好き」という一言では弱いため、関心のある技術領域や、活かしたいスキルを明示しましょう。加えて、自ら学び続ける意欲も伝えると効果的です。
④ 金融業界(銀行・証券・保険・リース)
金融業界は、個人・法人・国などあらゆるプレーヤーの資金を効率的に流通させ、経済全体の安定と成長を支える役割を担っています。
銀行による資金仲介、証券による資本市場の活性化、保険によるリスクヘッジ、リースによる設備投資支援など、機能は多岐にわたります。
フィンテックやキャッシュレス決済、デジタル証券などの新領域にも注目が集まっており、伝統産業でありながら革新のスピードも加速しています。
志望動機では、単に「安定しているから」ではなく、金融の力でどのように社会に貢献したいのかを語ることが大切です。身近な出来事から金融に関心を持った背景を伝えると、説得力が増します。
⑤ コンサル・シンクタンク業界
コンサル・シンクタンク業界は、企業や行政機関の課題解決を支援する専門家集団です。
コンサルは実行支援まで踏み込んだ提案型のビジネスであり、シンクタンクは中立性のある調査・分析に基づく政策提言などを主としています。
データ分析、仮説検証、業界理解、論理的思考といったスキルが総動員されるため、高度な問題解決力と柔軟な発想が求められます。
「成長したい」「頭を使う仕事がしたい」だけでは動機として弱いため、どの領域で社会に価値を提供したいのかを明確にしてください。実体験や学んできた内容を踏まえて、自分なりの志望理由を構築しましょう。
⑥ 広告・マスコミ業界(出版・テレビ・Webメディア)
広告・マスコミ業界は、情報を通じて人の感情や行動に影響を与えることを目的とする、極めて創造性の高い領域です。
出版社や放送局、広告代理店、Webメディアなどの企業があり、企画・制作・営業・マーケティングなど幅広い職種が活躍します。
SNSやYouTube、インフルエンサーとの連携を前提とした施策も一般化しており、情報発信手段が多様化しています。
志望動機では、「影響力があるから」だけではなく、自分がどのようなテーマや価値観を発信したいかを具体的に語ることが大切です。
自らの表現力や企画力をどう活かしたいのかを伝えると、より伝わる文章になります。
⑦ 不動産・建設業界(デベロッパー・住宅メーカーなど)
不動産・建設業界は、都市機能の整備や快適な住環境の創出を通じて、人々の暮らしに長期的な影響を与える業界です。
デベロッパーはまちづくりの構想から開発・運営までを一貫して担い、住宅メーカーは顧客ニーズを汲み取った商品開発力が求められます。
建設会社やゼネコンは、安全性・耐久性・施工管理など、技術の粋を集めた現場の最前線です。
志望動機では、「スケールの大きさに魅力を感じた」だけで終わらせず、自分がどのような視点で空間や街に関わっていきたいのかまで考える必要があります。
地域との関わりや社会貢献への思いを伝えてみてください。
⑧ 小売・サービス業界(アパレル・飲食・ホテルなど)
小売・サービス業界は、生活者と最前線で向き合い、顧客満足を通じて売上やブランド価値を向上させるビジネスです。
アパレルや百貨店、飲食チェーン、ホテル、EC企業など、商品・体験・空間を通じて消費者に価値を届けます。
最近では、データ活用によるパーソナライズや、サステナブルな商品開発など、社会トレンドへの適応力も問われています。
志望動機では、「人と接するのが好き」だけではなく、自分がどのように顧客に価値を提供したいのか、どのブランドに共感したのかなどを明確にしてください。
⑨ 運輸・物流業界(航空・鉄道・倉庫など)
運輸・物流業界は、人やモノの移動を支える縁の下の力持ち的存在です。鉄道・航空・船舶などの旅客運輸や、陸海空の物流網を支えるインフラは、経済活動や日常生活を止めないために欠かせません。
物流DXやラストワンマイルの効率化、モーダルシフトなど、変革の波も押し寄せています。
志望動機では、業界の役割や魅力を踏まえたうえで、自分が注目している領域や活かしたい強みを盛り込むと良いでしょう。表には出ない部分で支える仕事への理解も評価につながります。
⑩ 官公庁・公共系(自治体・独立行政法人・公社など)
官公庁・公共系は、社会課題の解決や地域住民の生活支援を目的とした、公共性の高い業界です。
自治体による地域振興、防災、福祉などの行政サービスや、独立行政法人・公社による政策運営支援など、活躍のフィールドは広範囲に及びます。
最近では、行政のデジタル化や地方創生、教育・医療の改革など、民間出身者の知見が求められる場面も増えています。
志望動機では、「安定しているから」ではなく、自分がどんな社会的役割を果たしたいのかを明確に示す必要があります。
地域への貢献意識や、自分が関心を持っている政策分野を具体的に伝えると、説得力が増すでしょう。
志望業界がわからない理由

就職活動中に「志望業界が決まらない」と感じる学生は多いものです。不安を抱えたまま活動を続けると、面接でも軸のない回答になりがちです。
そこで、ここでは志望業界が決まらない原因を整理し、解決のヒントを紹介します。
- 自己分析が不十分で就活の軸が定まっていない
- 業界の数が多く違いが分かりづらい
- インターンや実体験が少なくイメージが湧かない
① 自己分析が不十分で就活の軸が定まっていない
志望業界を絞り込めない理由のひとつは、自己分析が足りていないことです。自分が大切にしたい価値観や、働き方の希望がはっきりしていないと、どの業界が合っているのか判断が難しくなります。
たとえば「人と関わる仕事がしたい」と考えても、営業職かサービス業かで仕事内容は大きく異なります。
こうした迷いを減らすためには、これまでの経験を振り返って、「なぜそれが楽しかったのか」「なぜ嫌だったのか」といった理由を言葉にしてみてください。
自分なりの軸が定まれば、自然と選ぶべき業界も見えてくるはずです。
自分1人での自己分析に不安がある方は、就活のプロと一緒に自己分析をしてみませんか?あなたらしい長所や強みが見つかり、就活がより楽になりますよ。
② 業界の数が多く違いが分かりづらい
業界の種類が多すぎて、違いがわかりにくいという悩みもよくあります。特に日本の産業は細かく分類されているため、名前だけでは判断がつきにくい場合も多いでしょう。
たとえば「IT業界」とひとくちに言っても、ソフトウェア開発とインフラ整備では求められるスキルや働き方がまったく違います。
違いを明確にするには、まずは業界を大きく分類し、それぞれの特徴をざっくりとつかむことが大切です。
そのうえで、企業の事業内容を調べるときは、単に規模や知名度に頼るのではなく、社会にどのような価値を提供しているかにも注目してみてください。
③ インターンや実体験が少なくイメージが湧かない
実際の体験が少ないと、業界に対するイメージを持ちにくいという壁にも直面します。
特にインターンに参加していなかったり、社会人と話す機会が少なかったりする場合は、仕事の中身が想像しづらいものです。
「コンサル業界に興味がある」と思っても、実際の業務内容や働き方を知らずに選ぶのはリスクが伴います。
こうした状況を改善するには、OB・OG訪問や企業説明会などを活用し、実際に働いている人の話を聞くのが効果的です。
具体的なイメージがつかめるようになれば、自分に合っているかどうかの判断もずっとしやすくなります。
志望業界を決めるための具体的な方法

志望業界を明確にするには、自分の考えを整理し、業界と実際に接点を持ちながら理解を深めていくことが大切です。ここでは、就活生が具体的に取り組むべき3つの方法を紹介します。
- 自己分析を通じて興味や価値観を言語化する
- 業界研究を通じて興味のある分野を深掘りする
- OB・OG訪問やインターンで業界との接点を持つ
① 自己分析を通じて興味や価値観を言語化する
志望業界を見つけるには、まず自分の価値観や関心をはっきりさせることが欠かせません。何にやりがいや楽しさを感じるかがわからなければ、業界を選ぶ際にも軸がぶれてしまいます。
たとえば、アルバイトや部活動で印象に残った経験を振り返り、そのとき自分が何を大切にしていたのかを考えてみてください。
そこから「人と協力するのが好き」「目標に向かって努力することにやりがいを感じる」などの価値観が見えてくるはずです。
こうして導き出された価値観を言葉にすることで、自分に合う業界の方向性が明確になります。自己分析は志望動機の説得力を高める材料にもなるため、丁寧に進めていきましょう。
② 業界研究を通じて興味のある分野を深掘りする
自己分析で見えてきた価値観をもとに、関心のある業界を具体的に調べていくことが次のステップです。
企業のネームバリューやイメージだけで判断するのではなく、業界の役割や仕組み、将来の動向まで把握することが重要になります。
たとえば、IT業界に興味がある場合は、ソフトウェアとインフラの違いや、ベンチャーと大手の働き方の違いにも目を向けてみてください。
複数の業界を比較することで、自分にとっての理想的な仕事環境が見えてきます。信頼性のある情報源として、業界地図や企業のIR資料、ニュースサイトなどを活用すると理解が深まります。
調査を重ねる中で、自分に合った業界が少しずつ絞り込めるようになるでしょう。
③ OB・OG訪問やインターンで業界との接点を持つ
調べた情報をもとに、実際にその業界の現場に触れることも重要です。OB・OG訪問やインターンシップは、業界のリアルな空気を体感できる貴重なチャンスです。
特にOB・OG訪問では、働いてみないとわからない職場の雰囲気や入社後のギャップなどを直接聞くことができます。
インターンでは、実際の業務に近い体験を通じて、仕事に対する適性ややりがいを確認できるでしょう。こうした経験から得たエピソードは、志望動機にも具体性を持たせてくれます。
情報を「知る」だけではなく、「体感する」ことで、自分にとって本当に納得のいく業界選びができるようになるはずです。
業界の志望理由を書く際の手順

業界の志望理由を伝えるときには、感覚的な印象ではなく、論理的な構成が求められます。
採用担当者は「なぜこの業界を選んだのか」という問いを通じて、応募者の志望度や職業観を確認しようとしています。そこで、納得感のある志望動機を組み立てるための3つの基本ステップを紹介します。
- その業界を選んだ理由を明確に書く
- 過去の経験と業界をつなげて説明する
- その業界で活躍する将来像を描く
「上手く志望動機が書けない…書いてもしっくりこない」と悩む人は、まずは無料で受け取れる志望動機のテンプレシートを使ってみましょう!1分でダウンロードでき、テンプレシートの質問に答えるだけで、好印象な志望動機を作成できますよ。
① その業界を選んだ理由を明確に書く
志望業界を選んだ背景を具体的に伝えることが、信頼される志望動機につながります。
単なる憧れや曖昧な印象だけでなく、関心を持つようになったきっかけや影響を受けた出来事があるなら、それを具体的に説明してください。
たとえば、学生時代の経験や社会課題への興味から関心が芽生えた場合、それを言葉にすることで説得力が生まれます。
さらに、「なぜこの業界か」という視点に加えて、「なぜ他ではなくこの業界を選んだのか」を補足すると、比較検討のうえで選んだことが伝わり、志望度の高さを示せるでしょう。
② 過去の経験と業界をつなげて説明する
過去の学びや取り組んできたことを業界と結びつけることで、志望理由に深みが出ます。
たとえば、ゼミの研究やアルバイト、ボランティアなどで得た経験が、その業界の求めるスキルや価値観と近ければ、自然に関連付けて書くようにしましょう。
実体験に基づくエピソードがあれば、それを通じて業界への理解と共感を伝えることができます。
採用担当者にとっては、単に熱意を語るよりも、自分の過去の延長線上にその業界があるという説明のほうが納得感があるはずです。
③ その業界で活躍する将来像を描く
「この業界でどのように活躍したいか」を具体的に語れる人は、面接でも評価されやすくなります。重要なのは、ただ夢を語るのではなく、実現性を伴った将来像を描くことです。
たとえば、「業界の課題にこう取り組みたい」「このような職種に挑戦して貢献したい」といった視点で話すと、自分なりの目標を持っていると受け止められるでしょう。
その際には、自分の強みや興味関心が業界でどう活かせるかにも触れると、説得力がさらに高まります。
【業界別】志望理由の例文10選
「業界の志望動機を書こう」と思っても、どのように書けばよいか迷う方は多いのではないでしょうか。
このセクションでは、主要な業界ごとの志望動機の例文を紹介します。それぞれの業界の特徴を踏まえた表現にすることで、あなたの志望度がより伝わる文章になります。
- メーカー業界(製造業)の志望動機
- 商社業界(総合商社・専門商社)の志望動機
- IT・通信業界(ソフトウェア・インフラ)の志望動機
- 金融業界(銀行・証券・保険・リース)の志望動機
- コンサル・シンクタンク業界の志望動機
- 広告・マスコミ業界(出版・テレビ・Webメディア)の志望動機
- 不動産・建設業界(デベロッパー・住宅メーカーなど)の志望動機
- 小売・サービス業界(アパレル・飲食・ホテルなど)の志望動機
- 運輸・物流業界(航空・鉄道・倉庫など)の志望動機
- 官公庁・公共系(自治体・独立行政法人・公社など)の志望動機
また、志望動機がそもそも書けずに困っている人は、就活マガジンの志望動機テンプレを試してみてください!まずはサクッと作成して、悩む時間を減らしましょう。
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①メーカー業界(製造業)の志望動機
ものづくりに対する関心をきっかけにメーカー業界を志望する例文を紹介します。
企業に響く志望動機を作成するには、感情ではなく具体的な行動や経験に基づいて、自分の強みや価値観を言語化することが重要です。
【結論】 ものづくりを通じて人々の生活を豊かにしたいという思いから、メーカー業界を志望しています。 |
添削コメント|「ものづくり」「人々の生活を豊かにする」という志望理由は端的でわかりやすく、製造業全体を志望する学生の共通動機として自然です。 |
【根拠となるエピソード】 小学生の頃、祖父が手作りしてくれた木製のおもちゃに感動し、 |
添削コメント|「憧れを持ちました」という感情表現では企業側に伝わりにくいため、「工夫」「人を喜ばせる」という体験に置き換えました。幼少期の感動を単なる感情ではなく、その後の価値観形成にどう影響したのかまで踏み込むことで、説得力が高まります。 |
【エピソード詳細】 その経験から、高校では科学部に所属し、身近な材料で簡単な実験装置を作る活動に熱中しました。大学では工学系の基礎科目を学びながら、学園祭で出す展示物の制作にも力を入れ、 |
添削コメント|「使う人の視点」や「生活に根ざした製品」は曖昧な印象を与えるため、誰にどう役立てたいかを明示し、「やりがい」→「志望動機」の因果関係に置き換えました。 |
【企業を選んだ理由】 貴社は長年にわたり高品質な製品を提供し続け、 |
添削コメント|他社でも通用する表現は評価が下がる傾向にあります。実際の事業分野や品質への取り組みなど、企業独自の強みに触れた上で、それに対する共感ポイントを述べると志望度が伝わりやすくなります。 |
【入社後】 入社後は、現場での学びを大切にしながら、製品開発に携わり、 |
添削コメント|「本当に役立つ製品」は再現性に乏しく、説得力に欠けます。企業の業務フローを意識した「ユーザーの声→改善→製品化」という流れを明示することで、貢献の仕方が具体化され、面接でも評価されやすくなります。 |
【NGポイント】
もともとの例文では、動機や共感ポイントがどの企業でも当てはまる内容になっていました。「誰かのために作る」「信頼されるものづくり」などの表現は、印象が良い反面、企業側には個別性が伝わらず差別化できていませんでした。
【添削内容】
感情的な表現や汎用的すぎるフレーズに対しては、背景や行動の詳細を補い、企業ごとの特徴に応じた言い換えを行いました。また、志望動機と経験のつながりが不明瞭な部分を、時系列と因果関係を意識して再構成しています。
【どう変わった?】
自分の経験が「なぜこの業界・この企業への志望につながったのか」が筋道立って伝わる内容になりました。企業視点でも、「この人は実際に現場でどう貢献してくれそうか」がイメージしやすくなり、評価につながりやすくなったでしょう。
・やりがいと志望動機の因果関係を示す ・価値観の形成に触れる ・企業の業務フローを意識する |
②商社業界(総合商社・専門商社)の志望動機
国際交流の経験から商社業界への関心を持ったことから、商社業界を志望した例文を紹介します。
人気な業界のため、他の志望者との差別化を意識することが重要です。実際の経験と業界特性をつなげて具体的に記述することを意識しましょう。
【結論】 私は世界を舞台に多くの人と関わりながら、 |
添削コメント|「社会課題の解決」はどの業界にも通用する汎用表現です。商社業界の本質である「グローバルな取引」や「生活インフラの支援」に即した動機に変えることで、説得力が高まりました。 |
【根拠となるエピソード】 きっかけは、大学1年次に所属した国際交流サークルでの活動です。 |
添削コメント|「多様な価値観に触れた」の表現を、経験とその結果である「関心」に言い換えることで、企業に伝わりやすくなります。実体験の描写を加えることで納得感が高まっています。 |
【エピソード詳細】 私は留学生との交流イベントの企画を担当し、 |
添削コメント|「工夫」「楽しさと意義」を、具体的な行動や結果に置き換えることで説得力が格段に向上しました。企業は「何をどうしたか」「何を得たか」を重視するため、再現性ある描写が重要です。 |
【企業を選んだ理由】 貴社はエネルギーや食料など生活に欠かせない分野でグローバルな取引を行っており、社会基盤を支える存在です。 |
添削コメント|「幅広い」「社風に惹かれた」といったざっくりとした表現は評価されにくいため、貴社特有の事業領域や姿勢に基づく志望理由に変更しました。他社との差別化が明確になり、志望度の高さが伝わります。 |
【入社後】 将来は、海外事業の現場に携わり、 |
添削コメント|「課題をビジネスで解決」は広すぎて再現性に欠けるため、実際の商社業務に即した「ニーズの把握」や「信頼構築」にフォーカスした内容へ修正しました。 |
【NGポイント】
もとの文章では、「社会課題の解決」「魅力を感じた」など説得力に欠ける言葉が多く使われていました。また、「やりがい」や「楽しさ」といった感情表現に具体性が伴っておらず、企業視点からの評価は難しかったといえます。
【添削内容】
大まかな感情表現を経験に置き換え、エピソードと志望動機の接続を明確にしました。特に、企業選びの理由や入社後の展望では、事業内容との関連性を強調し、他社では代替できない志望理由を構築しました。
【どう変わった?】
全体に一貫性が生まれ、企業側が評価しやすい具体性と納得感が備わりました。自分の経験から導いた関心と、企業の特性がしっかり結びついており、「この学生は商社で活躍できそうだ」と感じさせる内容に仕上がっています。
・会社独自のサービスや事業に言及する ・グローバルな視点をアピールする ・「ニーズの把握」や「信頼構築」に触れる |
③IT・通信業界(ソフトウェア・インフラ)の志望動機
IT業界を志す理由を自身の原体験から丁寧に展開した例文です。
デジタル社会を支えるIT・通信業界は、就活生にとって関心の高い分野のひとつです。そのため、原体験を交えて他の学生と被りにくい表現を意識しましょう。
【結論】 私は、 |
添削コメント|「社会や企業の課題」はイメージが伝わりづらい表現であるため、「業務効率」や「生産性」といった目的を加えました。業界研究を踏まえた動機の可視化が評価されやすくなります。 |
【根拠となるエピソード】 中学生のとき、パソコンの動作不良で困っていた祖父をサポートした経験が、ITへの興味の原点です。 |
添削コメント|「喜びを感じた」という感情だけで終わるのではなく、その背景にある行動や結果を明確に描写しました。感情表現には具体的な状況やエピソードを伴わせることが信頼性を高める鍵です。 |
【エピソード詳細】 祖父のパソコンが起動しなくなった際に、自分で調べて初期化や設定変更を行ったところ、正常に動作するようになりました。 |
添削コメント|単なる「学びを深めた」という表現から一歩踏み込み、具体的な行動(アプリ制作)とその成果や気づきにまで言及することで、説得力のあるスキルの成長ストーリーになりました。 |
【企業を選んだ理由】 貴社はクラウドやネットワークの分野で多くの実績があり、 |
添削コメント|「強みがある」「惹かれた」では志望動機として弱いため、事業内容を盛り込みました。企業理解の深さと「なぜこの企業なのか」を両立させるのが効果的です。 |
【入社後】 入社後は、顧客の課題を的確に把握し、最適なITソリューションを提案・実装できるエンジニアを目指します。 |
添削コメント|「役に立ちたい」だけにとどまらず、「資格取得」「支援のプロセス」に言及することで、入社後の成長意欲と実行力が明確になりました。企業は実践的ビジョンのある人材を高く評価します。 |
【NGポイント】
全体を通して、汎用的な表現が多く、読み手にとって印象が薄い内容になっていました。また、「魅力を感じた」や「役に立ちたい」といった感情だけにとどまっており、その理由や行動の裏付けが不足していた点も評価が下がる要因でした。
【添削内容】
実体験や企業調査の成果を具体的に補いました。特に「企業を選んだ理由」や「入社後」の部分では、事業内容や将来的な行動プランを明示することで、志望度と職務理解を伝えられるよう修正しました。
【どう変わった?】
業界に対する志望動機がより現実的で具体性を持ち、説得力のある構成になりました。企業視点で見ても、「この学生は企業のことを理解し、入社後に具体的に活躍する姿が想像できる」と評価されやすい内容に仕上がっています。
・動機を可視化できるものにする ・行動と結果を明確にする ・成果だけでなく気づきまで言及する |
④金融業界(銀行・証券・保険・リース)の志望動機
本例文では、大学生活や家庭での実体験をもとに金融業界を志望する理由を述べています。
抽象的な表現を避け、金融サービスと直接かかわった背景や行動を交えて語ることで、説得力のある志望動機に仕上げることがポイントです。
【結論】 私は、人々の生活を支える金融サービスを提供することで、社会に貢献したいと考え、金融業界を志望しています。 |
添削コメント|結論部分では、自身の志望理由が簡潔かつ明瞭にまとめられており、評価が高い構成です。「社会に貢献したい」という意思が金融業界との関連でしっかり示されている点が好印象です。 |
【根拠となるエピソード】 きっかけは、 |
添削コメント|「安心感」「支える力になる」といった表現は、読み手に強い印象を与えづらいため、具体的な場面描写に置き換える必要があります。「担当者の対応」と「祖母の反応」を描くことで、実体験に基づいた納得感ある動機に仕上がっています。 |
【エピソード詳細】 大学では経済学を専攻し、ゼミでは家計と金融リテラシーに関する研究に取り組みました。生活設計や資産形成における金融の役割を学ぶ中で、 |
添削コメント|「安心を届ける」などのフレーズは、就活生全体に共通する印象を与えやすくなります。エピソードの説得力を高めるには、学業やインターン経験の中での気づきに言及することが重要です。 |
【企業を選んだ理由】 中でも貴社は地域密着の姿勢を貫きながら、デジタル化にも積極的に取り組んでおり、 |
添削コメント|「人と人とのつながりを大切に」という表現は汎用的であり、どの企業にも当てはまるため説得力に欠けます。「非対面対応と対面接客の両立」を挙げることで、「なぜ貴社なのか」という点を明確に伝えられます。 |
【入社後】 入社後は、まずお客様一人ひとりに寄り添いながら、 |
添削コメント|「課題解決に貢献」という表現は理想論にとどまりがちで、具体性に欠ける印象を与えます。行動ベースの表現に置き換えることで、実現可能性の高いキャリア像を提示できました。 |
【NGポイント】
元の文章では曖昧な言葉が多く、内容の印象が曖昧でした。特に「安心感」や「信頼関係」などは、その背景やエピソードが乏しく、企業側から見ると動機の根拠が弱く感じられた可能性があります。さらに、企業選びの理由が汎用的になっていた点も評価が下がる要因でした。
【添削内容】
企業の特色に合わせた説明を加えることで、「なぜこの企業なのか」が伝わるよう構成を調整しています。修正後は、企業に対する理解と個人の価値観がより強く結びつく内容になっています。
【どう変わった?】
エピソードに具体性が加わったことで、志望動機の説得力が格段に向上しました。企業選びの根拠も明確になり、採用担当者が「この人は自社の特徴をきちんと理解している」と判断しやすい構成へと変化しています。
・貢献意識を表す ・エピソードは背景を分かりやすくする ・再現性のある目標を掲げる |
⑤コンサル・シンクタンク業界の志望動機
ここでは、大学での地域活性化に関するゼミ活動を起点にしたコンサル業界の志望理由例文を紹介します。
志望動機では、単なる憧れではなく、業界との接点や具体的な気づきが伝わるようにしましょう。課題解決や論理的思考への関心もアピール要素の1つです。
【結論】 私は、課題の本質を見抜き、最適な解決策を導く仕事に携わりたいと考え、 |
添削コメント|「最適な解決策を導く」という表現はどの業界にも当てはまりやすいため、志望業界への適性や関心が伝わりづらい点が課題です。「多様な業界の課題を俯瞰」と具体化することで、コンサル業界特有の視座を明示しました。 |
【根拠となるエピソード】 大学のゼミで地域活性化に関する調査を行った際、 |
添削コメント|「単なる表面的な問題解決」は冗長な印象を与えるため、より簡潔で視覚的な「目に見える現象にとらわれず」という表現に差し替えました。 |
【エピソード詳細】 ゼミ活動で地方都市の商店街の集客課題についてヒアリングや現地調査を重ねたところ、来客数の減少は販促不足ではなく、住民の移動手段の制限や他地域への流出が原因であると判明しました。 |
添削コメント|「面白さを感じた」という表現は主観的で評価が分かれるため、「構造的にアプローチする重要性を実感」と論理性のある気づきに置き換えました。 |
【企業を選んだ理由】 貴社は、業界・業種を問わず幅広い分野での実績があり、 |
添削コメント|「多角的な視点からアプローチ」という曖昧な表現を地域活性化・官民連携という取り組みに言い換えることで、なぜその企業に惹かれたのかが明確になりました。 |
【入社後】 入社後は、 |
添削コメント|「真摯に向き合う」は姿勢を示す表現であり、業務理解が伝わりにくいです。「利害関係や立場の整理」というフレーズに置き換えることで、職務内容への理解と実行イメージが強化されました。 |
【NGポイント】
例文全体で、どの業界にも当てはまるような汎用的な印象を与えてしまっていました。また、感情表現が目立ち、業界理解が伝わりづらくなっている点が課題でした。
【添削内容】
「最適な解決策」「多角的な視点」「面白さ」といった曖昧な言葉を削除・置換し、より業界や企業に紐づく経験・視点に変換しました。また、姿勢の表明にとどまっていた表現を、業務への理解を示す言葉へと言い換えています。
【どう変わった?】
ざっくりとした志望理由が、体験に裏打ちされた業界理解へと変化しました。企業が重視する「業務内容への理解」や「自社との接点」が明確になり、実際の選考現場でも評価されやすい構成になったと言えるでしょう。
・「整理力」「論理的思考力」をアピールする ・主観的な表現は避ける ・課題解決へのプロセスを段階的に説明する |
⑥広告・マスコミ業界(出版・テレビ・Webメディア)の志望動機
ここでは、「伝えることの面白さ」から広告・メディアへの関心につなげた、業界の志望動機例文を紹介します。
人気業界のため、単なる「憧れ」や「影響力の大きさ」といった抽象的な表現に留まらず、具体的な原体験とそこから得た学びを通して論理的に語ることが重要です。
【結論】 私は、 |
添削コメント|「人の心を動かす」という表現は抽象的で、他業界にも当てはまってしまいます。広告業界の「影響力」「行動変容への働きかけ」という本質に着目しましょう。 |
【根拠となるエピソード】 小学生の頃、好きなテレビ番組のCMをきっかけに商品を手に取り、 |
添削コメント|「自然と購買行動に移った」では受け身な表現であり、動機の根拠として弱いです。能動的に「自分なりに考えた」と視点を変え、広告の仕組みに関心を持つきっかけとしての説得力を高めました。 |
【エピソード詳細】 それ以来、どのように広告が人に影響を与えるのか興味を持ち、大学ではメディア論を専攻しました。ゼミではSNSキャンペーンの効果測定を行い、ターゲットに応じた伝え方の重要性を実感しました。 |
添削コメント|成果だけを示す文では何をしたか不明確だったため、「言葉選び」や「投稿タイミング」といった行動面を追加し、実行力と戦略的思考をアピール。数字と工夫の因果関係が明確になりました。 |
【企業を選んだ理由】 貴社は |
添削コメント|「多角的」「心に残る」など汎用的な語は説得力が弱いため、選社理由に「企画段階から関わる姿勢」「生活者視点の表現」など、企業特有の価値観・業務特性に触れる内容に修正しています。 |
【入社後】 入社後は、 |
添削コメント|曖昧な理想論では企業への貢献像が伝わりにくいため、「プランナーとしての役割」「ニーズの把握」「提案の柔軟性」など職種レベルで具体化しましょう。 |
【NGポイント】
全体的に、広告業界で求められる「企画力」「分析力」「表現力」への言及が不足していました。また、成果を示す場面で工夫や背景が説明されておらず、再現性の観点で説得力が乏しい状態でした。
【添削内容】
曖昧な感情表現や一般的な業界理解を避け、原体験とその思考過程を補完しました。また、企業の特徴に沿って志望理由を明確化し、「何ができるか」「どう貢献したいか」を職種視点で補強しています。
【どう変わった?】
広告業界ならではの視点や業務理解が伝わる内容となり、企業が知りたい「動機の一貫性」「論理性」「入社後の活躍イメージ」が明確になりました。採用担当が評価しやすい構成に仕上がったといえるでしょう。
・能動的な行動を強調する ・数字と工夫の因果関係が明確にする ・実行力と戦略的思考をアピールする |
⑦不動産・建設業界(デベロッパー・住宅メーカーなど)の志望動機
ここでは、住まいや街づくりへの関心を軸にした不動産業界の志望動機例文を紹介します。
身近な街の変化を切り口に、不動産業界への関心を自然に表現し、日常の中で感じたことを起点にすると、説得力を持たせられますよ。
【結論】 私は、人々の暮らしの基盤をつくる不動産業界で、住まいを通じた価値提供を行いたいと考え、 |
添削コメント|「貴社を志望いたしました」だけでは、どの企業でも使える抽象的な結びとなっており、企業への共感や適性が伝わりません。改善文では、地域密着型という貴社の特長を具体的に挙げ、業界内での差別化と自分の関心を結びつけています。 |
【根拠となるエピソード】 小学生の頃、家族で新築の住宅展示場を訪れた際、 |
添削コメント|元の文は「印象に残った」という受け身の感想で終わっており、志望理由につながる行動や価値観の変化が伝わりませんでした。印象に残った背景にある気づきを掘り下げ、志望の原点をより具体化しましょう。 |
【エピソード詳細】 そのとき初めて「家は単なる建物ではなく、家族の時間や安心をつくる場所である」と感じました。 |
添削コメント|「興味を持つようになった」「学んだ」では内容が曖昧で、何をどう学び、どう感じたかが不明確でした。授業名や行動が明記され、学びが志望動機にどうつながるかが明瞭になっています。 |
【企業を選んだ理由】 特に貴社は |
添削コメント|企業紹介文だけで終わっていたため、「なぜこの会社でなければならないのか」が伝わりませんでした。実際の取り組みと自身の関心を結びつけることで、志望の説得力を高めています。 |
【入社後】 将来的には、暮らしやすい街づくりに携わり、 |
添削コメント|「生活満足度を高める提案」では、どのような業務を想定しているのかが伝わりませんでした。改善では、「生活導線」「施設配置」といった具体的な要素を含めることで、入社後の目標に現実味と専門性が加わりました。 |
【NGポイント】
全体として一般的な感想が多く、志望動機の核となる要素が曖昧になっていました。特に企業を選んだ理由と入社後のビジョンが汎用的で、他社との差別化が弱かった点が課題です。
【添削内容】
企業の特性を踏まえた共感ポイントを明記し、志望動機の根拠となる体験や大学での学びを具体的に記述しました。また、将来像をより詳細に描くことで、説得力を高めています。
【どう変わった?】
不動産業界の中でも「なぜその企業なのか」「どのように貢献するのか」が明確になり、企業視点での納得感が格段に向上しました。応募者の価値観と企業の方向性が合致していることが伝わる内容へと改善されています。
・大学での学びを明記する ・印象に残った背景を掘り下げる ・企業の特性と自身の気づきを繋げる |
⑧小売・サービス業界(アパレル・飲食・ホテルなど)の志望動機
ここでは、アルバイト経験を軸に小売・サービス業界を志望する理由を述べた例文を紹介します。
アルバイト経験は多くの就活生が使うため、エピソードの中で「どのように接客や人とのコミュニケーションにやりがいを感じるか」をアピールして差別化を図りましょう。
【結論】 私は、 |
添削コメント|「寄り添うサービス」はどの業界でも通用する表現です。小売・サービス業界ならではの「人との対話」や「期待を超える価値提供」に言い換えることで、業界選択の理由に独自性と説得力が加わりました。 |
【根拠となるエピソード】 高校時代、飲食店でのアルバイト経験を通じて、 |
添削コメント|「やりがい」「楽しさ」といった感情表現は、具体的な場面や成果と結びつける必要があります。信頼関係の構築や顧客の反応を描写することで、企業にも通用する行動力と再現性が伝わります。 |
【エピソード詳細】 ある日、常連のお客様から「あなたの笑顔を見ると元気になる」と声をかけていただいたことで、 |
添削コメント|「考えて行動した」では本人の努力が読み手に伝わりにくいため、「どのように工夫したか」を明確にしたことで、主体性や成長意識が読み取れる内容になりました。 |
【企業を選んだ理由】 中でも貴社は、 |
添削コメント|企業を選ぶ理由が曖昧だと、どの企業にも当てはまる印象になります。ここでは、同じ小売業界でもどの点で他社より惹かれているのかを示すため、企業文化や方針に紐づけた共感理由と、自身の強みを発揮する意欲をセットで伝えています。 |
【入社後】 入社後は、店舗運営の知識や接客スキルを着実に身につけ、 |
添削コメント|「サービス向上」は汎用的な表現です。貢献の方向性を「顧客満足」「スタッフ教育」と明示することで、実現可能性と自律性が企業側に伝わり、評価につながりやすくなります。 |
【NGポイント】
元の文章では「やりがい」「寄り添う」といった曖昧な言葉が使われ、業界や企業への理解や明確な志望動機が伝わりづらい状態でした。また、企業選びの理由も汎用的な表現にとどまっており、意欲が見えにくかった点も課題です。
【添削内容】
ぼんやりとしていた表現はすべて、エピソードに基づく具体的な行動や感情に置き換えました。特に「接客でのやりがい」や「企業を選んだ理由」については、本人の体験や価値観と密接に関連づけた文章に調整しています。
【どう変わった?】
志望動機全体において、なぜ小売・サービス業界なのか、なぜその企業なのか、入社後に何を目指すのかという三点が、具体的な体験や価値観と結びつけて一貫性を持って伝えられるようになりました。
・接客業への適性をアピールする ・主体性と成長意識を明示する ・実現可能性と自立性を表現する |
⑨運輸・物流業界(航空・鉄道・倉庫など)の志望動機
暮らしを支えるインフラとして欠かせない運輸・物流業界に興味を持つ学生に向けの志望動機の例文を紹介します。
物流の重要性に気づいたエピソードを交えることで、関心の背景に説得力が生まれます。実体験をもとに「支える仕事」への共感を伝えると好印象です。
【結論】 私は、 |
添削コメント|「社会インフラに携わりたい」という表現は他業界でも使える汎用的な動機で差別化に欠けます。「物流業界を志望する明確な理由」が必須なため、エピソードと結びついた導入に修正しました。 |
【根拠となるエピソード】 高校時代に、台風で物資の輸送が止まり、スーパーの棚から商品が消えた経験がありました。 |
添削コメント|「重要性を肌で感じた」は、どう重要だと感じたのかが読み手に伝わらないため、代わりに「関心が芽生えるプロセス」を描くことで、志望動機の発展性と説得力を高めました。 |
【エピソード詳細】 当時、地域の物流センターが一時的に機能停止し、生活に必要な物資が届かない状況が数日続きました。しかし、 |
添削コメント|「安心に直結する」といった抽象表現では、エピソードのインパクトが弱くなります。視覚的な描写を加えたことで、読み手に状況が伝わりやすくなり、説得力が増しました。 |
【企業を選んだ理由】 貴社は同業界の中でも国内外に広いネットワークを持ち、物流の各工程において、トラック・鉄道・航空といった輸送手段を柔軟に組み合わせる総合力により、安定的な物流提供を実現している点に惹かれました。また、 |
添削コメント|おおむね質の高い文章ですが、最後の1行はやや他社とも被りやすいため、より具体的な事業内容と自分の価値観とを結びつけることで、「なぜこの企業か」の説得力を補強しています。 |
【入社後】 入社後は、現場経験を積みながら、物流の全体最適を考えられる人材を目指します。そして、 |
添削コメント|「仕組みづくり」では貢献の具体像が見えませんでした。体制構築というキーワードを用いることで、目的意識が明確になり、実現性も伝わる表現に改善されています。 |
【NGポイント】
志望動機の核となる表現が、他業界にも通じる内容になっていた点が最大の問題でした。また、企業を選んだ理由も自分の価値観と結びつける要素が薄く、説得力に欠けていた構成でした。
【添削内容】
志望業界の理由については、災害時の経験を具体的に描写し、生活と物流の結びつきを明確にしました。また、企業選定理由には自身の関心や共感を盛り込み、個人と企業の接点を可視化しました。
【どう変わった?】
業界への志望理由が「生活実感」を伴って具体化されたことで、読み手に強い共感を与えられる内容になりました。企業視点でも「なぜこの業界・なぜ当社なのか」が明確になり、評価されやすい構成です。
・視覚的描写を加える ・社会インフラの中での貢献意識を示す ・物流を選択した背景を明確にする |
⑩官公庁・公共系(自治体・独立行政法人・公社など)の志望動機
ここでは、官公庁の仕事に対し、地域防災の経験をきっかけに強い関心を抱いたことを伝える志望動機例文を紹介します。
志望動機を作成する際は、「なぜこの業界なのか」「なぜこの組織なのか」が一貫して伝わるよう、経験と業務内容を具体的に結びつけることが大切です。
【結論】 私は、 |
添削コメント|「人々の暮らしを支える仕事」は一見前向きな印象を与えるものの、民間企業でも実現可能な表現です。ここでは官公庁でしか担えない「制度面での支援」という視点を強調しました。 |
【根拠となるエピソード】 高校生のとき、地域の災害対策訓練に参加した際、自治体職員の方々が |
添削コメント|「的確に指示を出し~」という表現では、読み手にとって状況がイメージしづらいため、「住民を誘導・冷静な対応」と言い換えることで臨場感を高め、納得感ある動機形成につながるよう改善しました。 |
【エピソード詳細】 その訓練では、避難誘導や情報提供などを自治体職員が主導しており、混乱を防ぐための対応力や事前準備の大切さを知りました。 |
添削コメント|結論に繋がる「安心を支える役割」も内容がぼんやりしているため、「制度や仕組み」という公的機関ならではの観点に置き換えることで、志望動機全体の一貫性と説得力を補強しました。 |
【企業を選んだ理由】 貴庁は、住民との対話を大切にしながら地域密着の行政サービスを提供しており、 |
添削コメント|「幅広い分野に魅力」「長く貢献」はよく見られる汎用表現で、他自治体にも使えてしまうため不適です。個別事業(福祉・防災)への共感や、地域課題への視座に言及することで、「なぜこの自治体なのか」を明確にしました。 |
【入社後】 入庁後は、まずは現場の業務に真摯に向き合い、住民の声に耳を傾ける姿勢を大切にしたいです。 |
添削コメント|「企画立案」「課題解決」は業界を問わず使える表現であるため、ここでは官公庁らしさを出すために「制度設計」「地域福祉・防災政策」などの行政職特有の視点を盛り込むことで、将来的な貢献イメージが明確になるように改善しました。 |
【NGポイント】
官公庁という業界を目指す上で、どの業界にも通用するような内容が多く、業務理解や志望の明確さに欠けていました。特に「暮らしを支える」「安心を与えたい」といった言葉だけでは、どう行動に変えたいのかが伝わりにくくなっていました。
【添削内容】
各段落において、官公庁特有の役割や業務内容に沿うように語句を調整しました。災害訓練の描写には「混乱を抑える対応力」など具体的な行動を加え、「企業を選んだ理由」や「入社後の目標」では、政策や制度設計に関する言及を入れました。
【どう変わった?】
官公庁の役割と自分の経験や意欲が直結する構成となり、企業視点で見たときに「理解が深く、職務に前向きに関わる人材」として映る内容に変化しました。他業界との違いやこの組織で働きたい明確な理由も伝わります。
・官公庁だから出来ることを明記する ・エピソードに臨場感を意識する ・政策や制度設計に関する言及を入れる |
「エントリーシート(ES)が選考通過するか不安….ESを誰かに添削してほしい….」そんな就活生の声に答えて、就活マガジンでは無料ES添削サービスである「赤ペンES」を運営しています。
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【NG例】避けるべき業界志望理由の伝え方

就職活動では志望動機が評価の大きなポイントになりますが、伝え方によっては逆効果になることもあります。とくに業界への志望理由は、意図せず評価を下げてしまう言い回しに注意が必要です。
ここでは、よくあるNGパターンを3つ紹介します。どれも一見すると問題なさそうに見えますが、選考を通過するうえでは避けたほうがよい表現です。
- 業界ではなく企業への興味に偏っている
- 条件や待遇を理由にしてしまっている
- その業界特有の魅力に触れていない
① 業界ではなく企業への興味に偏っている
業界の志望動機であるはずなのに、特定の企業の制度や社風だけに言及してしまうと、「その企業しか興味がないのでは」と捉えられてしまいます。
たとえば「○○社の研修制度が魅力」といった内容では、業界全体に関心があるとは受け取ってもらえません。
業界が持つ社会的意義や課題、将来性に触れたうえで、そのなかで特に惹かれた企業として位置づけるように意識してください。
② 条件や待遇を理由にしてしまっている
「安定しているから」や「福利厚生が整っているから」といった条件面だけを理由にすると、志望度が低いと見なされるおそれがあります。
待遇の良さに言及する場合は、それが自身の価値観や将来のキャリア形成とどう関係するのかまで説明すると納得感が増します。
たとえば「長期的に働ける環境を重視しており、その点で業界の制度に魅力を感じた」などと伝えると、より前向きな動機として受け取ってもらえるでしょう。
③ その業界特有の魅力に触れていない
業界の志望理由を語るうえで、その業界ならではの特徴や社会的役割に触れないのは致命的です。
たとえば「パソコンを使うのが得意だからIT業界を志望した」といった理由では、単なる興味の範囲にしか聞こえません。
業界が果たしている役割や将来的な展望、そこに対する自分の貢献意欲を言葉にすることで、説得力のある志望動機になります。
第一志望でない業界に応募する際はどう伝える?

第一志望ではない業界に応募する場合でも、志望動機は前向きに伝えることが大切です。なぜなら、企業は志望度の高さだけでなく、その業界や仕事に対する理解や適性を重視しているからです。
たとえ第一志望でなくても、その業界で得られる経験やスキルに魅力を感じたことをしっかりと伝えることで、好印象を持ってもらえるでしょう。
たとえば、「志望していた業界と通じる点がある」「企業研究を進める中で関心が深まった」といった理由を具体的に述べると説得力が増します。
一方で、「なんとなく応募した」と受け取られるようなあいまいな表現は避けてください。採用担当者が気にするのは、入社後にきちんと活躍し、長く働いてくれるかどうかです。
そのため、「この会社でどのように成長したいか」「どのように貢献できるか」といった将来の展望まで伝えることが重要です。
第一志望かどうかよりも、自分なりの目的意識と前向きな姿勢が、選考の中で評価されるポイントになるはずです。
業界の志望理由の重要性と考え方を理解し、自分らしい志望動機を言葉にしよう

就職活動では企業への志望動機だけでなく、「なぜその業界を選んだのか」という視点も評価の対象となります。なぜなら、業界への理解や将来像の明確さが、入社後の活躍や定着に大きく関わるからです。
業界ごとの特徴や分類を押さえたうえで、自分の経験や価値観と照らし合わせながら志望理由を組み立てることで、説得力のある文章になります。
志望業界が定まらない場合でも、自己分析や業界研究を進めることで軸を見出せるはずです。例文やNG例も参考にしながら、自分らしい動機を具体的に表現しましょう。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。