【業界別例文10選】面接で業界の志望理由を質問される理由|志望業界の決め方も紹介
この記事では、業界の志望理由の答え方に関して解説しています。
また、業界の志望理由の答え方だけではなく、志望業界の決め方や志望理由を書く手順と業界ごとの例文も用意しています。
業界の志望理由は多くの就活生が「なんとなく」になりがちなので、しっかりと伝えられると好印象を獲得できますよ。この記事でしっかりとマスターしておきましょう。
志望企業だけでなく「その業界」への志望動機も用意しておこう

就職活動では、企業単体の志望理由だけでなく、「なぜその業界なのか」という視点も非常に重要です。
企業説明会やエントリーシートでは企業への関心を問われる場面が多くありますが、面接では業界全体への理解や熱意が問われるケースが目立ちます。
採用担当者は「この学生は業界の将来性や課題を理解したうえで、納得して志望しているのか」を見ているため、対策が不十分だと、志望動機に説得力がなく印象は下がってしまいます。
そのため、志望動機を考える際は、「この業界で働く意義」や「どのような点に魅力を感じたのか」を明確に言語化する必要があります。
「なんとなく」の志望理由ではなく、業界全体への理解を深めておくことで、説得力の高い志望動機の作成にも繋がりますよ。
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業界の志望理由を面接で問われる理由

就職活動では、「なぜその業界を志望したのか」が必ずと言っていいほど問われます。企業はこの質問を通して、応募者の志望度や将来像、業界への理解を見極めようとしています。
業界選びの根拠が曖昧だと、ミスマッチや早期離職につながるおそれがあるため、志望理由の精度は選考において重要な評価基準です。
- 業界への志望度の高さを見極めるため
- 就活生の価値観や将来の方向性を知るため
- 業界への理解度を確認するため
- 他の業界ではなくその業界を選んだ理由を知るため
- 入社後のミスマッチを防ぐため
① 業界への志望度の高さを見極めるため
企業が志望動機を尋ねる最大の目的は、本気でその業界を目指しているかを確認することです。
いくら優秀でも、志望度が低ければ内定辞退や早期離職のリスクが高まり、企業にとっては大きな損失になります。
そのため、志望理由に熱意や目的意識があるかどうかが重視されます。「なんとなく興味がある」といった曖昧な言葉では説得力がありません。
明確な動機や経験を交えて伝えることで、本気度が伝わりやすくなります。自身の価値観や将来像と、業界の特性が一致していることを具体的に説明することが大切です。
② 就活生の価値観や将来の方向性を知るため
志望業界を選んだ背景には、その人の価値観やキャリア観が表れます。企業は、どのような思考を持つ人なのか、何にやりがいを感じ、将来どのように成長したいのかを理解しようとしています。
たとえば「社会の役に立ちたい」と考える人がインフラ業界を選ぶなら、その価値観と職種の相性が感じ取れます。
一方で、動機があいまいだと「適当に選んだのではないか」と疑問を抱かれやすくなります。価値観と志望理由がつながっていれば、納得感があり、印象にも残りやすくなります。
③ 業界への理解度を確認するため
業界に対する理解が浅いと、入社後にギャップを感じて早期に辞めてしまうおそれがあります。
企業はそのようなミスマッチを避けるため、志望理由の中に「どれだけ業界を研究しているか」を見ています。
具体的な仕事内容や業界の課題に触れていないと、興味本位で選んでいるように映ってしまいます。
たとえば、IT業界を志望する場合、「テクノロジーを活用した社会課題の解決に関心がある」といったように、自分なりの視点を盛り込むと、理解の深さが伝わります。
④ 他の業界ではなくその業界を選んだ理由を知るため
多くの学生が複数業界に応募する中で、「なぜこの業界に絞ったのか」を明確にすることは大切です。企業はその選択理由から、思考の深さや志望動機の本気度を判断しています。
「向いていそうだから」という曖昧な理由ではなく、「比較した結果、この業界に強い魅力を感じた」といったエピソードがあると説得力が増します。
たとえば、メーカーと商社を比較して「モノづくりの現場に携わりたいからメーカーを選んだ」といった説明ができれば、他業界との違いを理解していることが伝わります。
⑤ 入社後のミスマッチを防ぐため
企業にとって、採用した人がすぐに辞めてしまうことは避けたいリスクです。そのため、学生が業界や仕事への理解を深めたうえで志望しているかを確認することは重要です。
大変な側面も含めて理解し、それでも働きたいという意志がある人であれば、入社後も前向きに取り組んでくれると期待されます。
たとえば、勤務時間が長くなることを理解し、その上で「だからこそ効率よく働けるよう工夫したい」と語れば、前向きな姿勢として評価されるでしょう。
志望理由を考える前に知っておこう!業界の大まかな分類

志望理由を作成する前に、まず押さえておきたいのが「業界の全体像」です。
業界ごとの特徴や業務内容を把握することで、自己の適性や興味との接点が見つけやすくなり、説得力ある志望動機の作成にもつながるでしょう。
ここでは、代表的な10の業界に分類し、それぞれの概要と志望動機を考える際のポイントを解説します。
- メーカー業界(製造業)
- 商社業界(総合商社・専門商社)
- IT・通信業界(ソフトウェア・インフラ)
- 金融業界(銀行・証券・保険・リース)
- コンサル・シンクタンク業界
- 広告・マスコミ業界(出版・テレビ・Webメディア)
- 不動産・建設業界(デベロッパー・住宅メーカーなど)
- 小売・サービス業界(アパレル・飲食・ホテルなど)
- 運輸・物流業界(航空・鉄道・倉庫など)
- 官公庁・公共系(自治体・独立行政法人・公社など)
① メーカー業界(製造業)
メーカー業界は、自動車や電機、化学、食品など、私たちの生活に欠かせない製品を生み出す、ものづくりの中核を担う業界です。日本は高品質な製造技術に強みがあり、グローバル市場でも競争力を保っています。
近年はデジタル技術の導入によるスマート工場化や、環境配慮型の製品開発にも力を入れており、伝統と革新の両方が求められる分野です。
また、製造業はBtoBビジネスが多いため、消費者からは見えにくい部分にも大きな社会的意義があります。
志望動機では、「ものづくりが好き」といった曖昧な表現ではなく、自身の経験や関心と結びつけることが重要です。
具体的に扱いたい製品や興味を持ったきっかけを示すことで、熱意を明確に伝えることができるでしょう。
② 商社業界(総合商社・専門商社)
商社業界は、国内外のモノ・サービスの流通をつなぐ重要なプレーヤーであり、社会の裏側でインフラのように機能しています。
総合商社は多様な分野で事業投資や事業運営を行い、グローバルに展開しています。一方で、専門商社は食品や化学品、機械などの特定分野に特化し、専門性を武器に取引を深めています。
最近ではSDGsやスタートアップ投資など、従来の「貿易」だけにとどまらない新しい事業展開も進んでいます。
多くの学生が憧れる業界ですが、知名度や待遇だけを理由にしてしまうと説得力に欠けます。
志望動機では、商流の中でどんな役割を果たしたいのか、過去の経験から得た気づきなどを織り交ぜて伝えるようにしてください。
③ IT・通信業界(ソフトウェア・インフラ)
IT・通信業界は、社会インフラとしての側面を持ちつつ、最先端のテクノロジーを駆使してあらゆる産業のデジタル化を支えています。
ソフトウェアの設計・開発、クラウドサービス、通信インフラ整備、データセンター運用、さらにはAIやIoTなど、業務領域は極めて広範です。
社会課題を技術で解決する「Tech for Good」の動きも加速しており、技術革新に意欲のある人材が求められています。
志望動機では、「ITが好き」という一言では弱いため、関心のある技術領域や、活かしたいスキルを明示しましょう。加えて、自ら学び続ける意欲も伝えると効果的です。
④ 金融業界(銀行・証券・保険・リース)
金融業界は、個人・法人・国などあらゆるプレーヤーの資金を効率的に流通させ、経済全体の安定と成長を支える役割を担っています。
銀行による資金仲介、証券による資本市場の活性化、保険によるリスクヘッジ、リースによる設備投資支援など、機能は多岐にわたります。
フィンテックやキャッシュレス決済、デジタル証券などの新領域にも注目が集まっており、伝統産業でありながら革新のスピードも加速しています。
志望動機では、単に「安定しているから」ではなく、金融の力でどのように社会に貢献したいのかを語ることが大切です。身近な出来事から金融に関心を持った背景を伝えると、説得力が増します。
⑤ コンサル・シンクタンク業界
コンサル・シンクタンク業界は、企業や行政機関の課題解決を支援する専門家集団です。
コンサルは実行支援まで踏み込んだ提案型のビジネスであり、シンクタンクは中立性のある調査・分析に基づく政策提言などを主としています。
データ分析、仮説検証、業界理解、論理的思考といったスキルが総動員されるため、高度な問題解決力と柔軟な発想が求められます。
「成長したい」「頭を使う仕事がしたい」だけでは動機として弱いため、どの領域で社会に価値を提供したいのかを明確にしてください。実体験や学んできた内容を踏まえて、自分なりの志望理由を構築しましょう。
⑥ 広告・マスコミ業界(出版・テレビ・Webメディア)
広告・マスコミ業界は、情報を通じて人の感情や行動に影響を与えることを目的とする、極めて創造性の高い領域です。
出版社や放送局、広告代理店、Webメディアなどの企業があり、企画・制作・営業・マーケティングなど幅広い職種が活躍します。
SNSやYouTube、インフルエンサーとの連携を前提とした施策も一般化しており、情報発信手段が多様化しています。
志望動機では、「影響力があるから」だけではなく、自分がどのようなテーマや価値観を発信したいかを具体的に語ることが大切です。
自らの表現力や企画力をどう活かしたいのかを伝えると、より伝わる文章になります。
⑦ 不動産・建設業界(デベロッパー・住宅メーカーなど)
不動産・建設業界は、都市機能の整備や快適な住環境の創出を通じて、人々の暮らしに長期的な影響を与える業界です。
デベロッパーはまちづくりの構想から開発・運営までを一貫して担い、住宅メーカーは顧客ニーズを汲み取った商品開発力が求められます。
建設会社やゼネコンは、安全性・耐久性・施工管理など、技術の粋を集めた現場の最前線です。
志望動機では、「スケールの大きさに魅力を感じた」だけで終わらせず、自分がどのような視点で空間や街に関わっていきたいのかまで考える必要があります。
地域との関わりや社会貢献への思いを伝えてみてください。
⑧ 小売・サービス業界(アパレル・飲食・ホテルなど)
小売・サービス業界は、生活者と最前線で向き合い、顧客満足を通じて売上やブランド価値を向上させるビジネスです。
アパレルや百貨店、飲食チェーン、ホテル、EC企業など、商品・体験・空間を通じて消費者に価値を届けます。
最近では、データ活用によるパーソナライズや、サステナブルな商品開発など、社会トレンドへの適応力も問われています。
志望動機では、「人と接するのが好き」だけではなく、自分がどのように顧客に価値を提供したいのか、どのブランドに共感したのかなどを明確にしてください。
⑨ 運輸・物流業界(航空・鉄道・倉庫など)
運輸・物流業界は、人やモノの移動を支える縁の下の力持ち的存在です。鉄道・航空・船舶などの旅客運輸や、陸海空の物流網を支えるインフラは、経済活動や日常生活を止めないために欠かせません。
物流DXやラストワンマイルの効率化、モーダルシフトなど、変革の波も押し寄せています。
志望動機では、業界の役割や魅力を踏まえたうえで、自分が注目している領域や活かしたい強みを盛り込むと良いでしょう。表には出ない部分で支える仕事への理解も評価につながります。
⑩ 官公庁・公共系(自治体・独立行政法人・公社など)
官公庁・公共系は、社会課題の解決や地域住民の生活支援を目的とした、公共性の高い業界です。
自治体による地域振興、防災、福祉などの行政サービスや、独立行政法人・公社による政策運営支援など、活躍のフィールドは広範囲に及びます。
最近では、行政のデジタル化や地方創生、教育・医療の改革など、民間出身者の知見が求められる場面も増えています。
志望動機では、「安定しているから」ではなく、自分がどんな社会的役割を果たしたいのかを明確に示す必要があります。
地域への貢献意識や、自分が関心を持っている政策分野を具体的に伝えると、説得力が増すでしょう。
志望業界がわからない理由

就職活動中に「志望業界が決まらない」と感じる学生は多いものです。不安を抱えたまま活動を続けると、面接でも軸のない回答になりがちです。
そこで、ここでは志望業界が決まらない原因を整理し、解決のヒントを紹介します。
- 自己分析が不十分で就活の軸が定まっていない
- 業界の数が多く違いが分かりづらい
- インターンや実体験が少なくイメージが湧かない
① 自己分析が不十分で就活の軸が定まっていない
志望業界を絞り込めない理由のひとつは、自己分析が足りていないことです。自分が大切にしたい価値観や、働き方の希望がはっきりしていないと、どの業界が合っているのか判断が難しくなります。
たとえば「人と関わる仕事がしたい」と考えても、営業職かサービス業かで仕事内容は大きく異なります。
こうした迷いを減らすためには、これまでの経験を振り返って、「なぜそれが楽しかったのか」「なぜ嫌だったのか」といった理由を言葉にしてみてください。
自分なりの軸が定まれば、自然と選ぶべき業界も見えてくるはずです。
自分1人での自己分析に不安がある方は、就活のプロと一緒に自己分析をしてみませんか?あなたらしい長所や強みが見つかり、就活がより楽になりますよ。
② 業界の数が多く違いが分かりづらい
業界の種類が多すぎて、違いがわかりにくいという悩みもよくあります。特に日本の産業は細かく分類されているため、名前だけでは判断がつきにくい場合も多いでしょう。
たとえば「IT業界」とひとくちに言っても、ソフトウェア開発とインフラ整備では求められるスキルや働き方がまったく違います。
違いを明確にするには、まずは業界を大きく分類し、それぞれの特徴をざっくりとつかむことが大切です。
そのうえで、企業の事業内容を調べるときは、単に規模や知名度に頼るのではなく、社会にどのような価値を提供しているかにも注目してみてください。
③ インターンや実体験が少なくイメージが湧かない
実際の体験が少ないと、業界に対するイメージを持ちにくいという壁にも直面します。
特にインターンに参加していなかったり、社会人と話す機会が少なかったりする場合は、仕事の中身が想像しづらいものです。
「コンサル業界に興味がある」と思っても、実際の業務内容や働き方を知らずに選ぶのはリスクが伴います。
こうした状況を改善するには、OB・OG訪問や企業説明会などを活用し、実際に働いている人の話を聞くのが効果的です。
具体的なイメージがつかめるようになれば、自分に合っているかどうかの判断もずっとしやすくなります。
志望業界を決めるための具体的な方法

志望業界を明確にするには、自分の考えを整理し、業界と実際に接点を持ちながら理解を深めていくことが大切です。ここでは、就活生が具体的に取り組むべき3つの方法を紹介します。
- 自己分析を通じて興味や価値観を言語化する
- 業界研究を通じて興味のある分野を深掘りする
- OB・OG訪問やインターンで業界との接点を持つ
① 自己分析を通じて興味や価値観を言語化する
志望業界を見つけるには、まず自分の価値観や関心をはっきりさせることが欠かせません。何にやりがいや楽しさを感じるかがわからなければ、業界を選ぶ際にも軸がぶれてしまいます。
たとえば、アルバイトや部活動で印象に残った経験を振り返り、そのとき自分が何を大切にしていたのかを考えてみてください。
そこから「人と協力するのが好き」「目標に向かって努力することにやりがいを感じる」などの価値観が見えてくるはずです。
こうして導き出された価値観を言葉にすることで、自分に合う業界の方向性が明確になります。自己分析は志望動機の説得力を高める材料にもなるため、丁寧に進めていきましょう。
② 業界研究を通じて興味のある分野を深掘りする
自己分析で見えてきた価値観をもとに、関心のある業界を具体的に調べていくことが次のステップです。
企業のネームバリューやイメージだけで判断するのではなく、業界の役割や仕組み、将来の動向まで把握することが重要になります。
たとえば、IT業界に興味がある場合は、ソフトウェアとインフラの違いや、ベンチャーと大手の働き方の違いにも目を向けてみてください。
複数の業界を比較することで、自分にとっての理想的な仕事環境が見えてきます。信頼性のある情報源として、業界地図や企業のIR資料、ニュースサイトなどを活用すると理解が深まります。
調査を重ねる中で、自分に合った業界が少しずつ絞り込めるようになるでしょう。
③ OB・OG訪問やインターンで業界との接点を持つ
調べた情報をもとに、実際にその業界の現場に触れることも重要です。OB・OG訪問やインターンシップは、業界のリアルな空気を体感できる貴重なチャンスです。
特にOB・OG訪問では、働いてみないとわからない職場の雰囲気や入社後のギャップなどを直接聞くことができます。
インターンでは、実際の業務に近い体験を通じて、仕事に対する適性ややりがいを確認できるでしょう。こうした経験から得たエピソードは、志望動機にも具体性を持たせてくれます。
情報を「知る」だけではなく、「体感する」ことで、自分にとって本当に納得のいく業界選びができるようになるはずです。
業界の志望理由を書く際の手順

業界の志望理由を伝えるときには、感覚的な印象ではなく、論理的な構成が求められます。
採用担当者は「なぜこの業界を選んだのか」という問いを通じて、応募者の志望度や職業観を確認しようとしています。そこで、納得感のある志望動機を組み立てるための3つの基本ステップを紹介します。
- その業界を選んだ理由を明確に書く
- 過去の経験と業界をつなげて説明する
- その業界で活躍する将来像を描く
「上手く志望動機が書けない…書いてもしっくりこない」と悩む人は、まずは無料で受け取れる志望動機のテンプレシートを使ってみましょう!1分でダウンロードでき、テンプレシートの質問に答えるだけで、好印象な志望動機を作成できますよ。
① その業界を選んだ理由を明確に書く
志望業界を選んだ背景を具体的に伝えることが、信頼される志望動機につながります。
単なる憧れや曖昧な印象だけでなく、関心を持つようになったきっかけや影響を受けた出来事があるなら、それを具体的に説明してください。
たとえば、学生時代の経験や社会課題への興味から関心が芽生えた場合、それを言葉にすることで説得力が生まれます。
さらに、「なぜこの業界か」という視点に加えて、「なぜ他ではなくこの業界を選んだのか」を補足すると、比較検討のうえで選んだことが伝わり、志望度の高さを示せるでしょう。
② 過去の経験と業界をつなげて説明する
過去の学びや取り組んできたことを業界と結びつけることで、志望理由に深みが出ます。
たとえば、ゼミの研究やアルバイト、ボランティアなどで得た経験が、その業界の求めるスキルや価値観と近ければ、自然に関連付けて書くようにしましょう。
実体験に基づくエピソードがあれば、それを通じて業界への理解と共感を伝えることができます。
採用担当者にとっては、単に熱意を語るよりも、自分の過去の延長線上にその業界があるという説明のほうが納得感があるはずです。
③ その業界で活躍する将来像を描く
「この業界でどのように活躍したいか」を具体的に語れる人は、面接でも評価されやすくなります。重要なのは、ただ夢を語るのではなく、実現性を伴った将来像を描くことです。
たとえば、「業界の課題にこう取り組みたい」「このような職種に挑戦して貢献したい」といった視点で話すと、自分なりの目標を持っていると受け止められるでしょう。
その際には、自分の強みや興味関心が業界でどう活かせるかにも触れると、説得力がさらに高まります。
【業界別】志望理由の例文集

「業界の志望動機を書こう」と思っても、どのように書けばよいか迷う方は多いのではないでしょうか。
このセクションでは、主要な業界ごとの志望動機の例文を紹介します。それぞれの業界の特徴を踏まえた表現にすることで、あなたの志望度がより伝わる文章になります。
- メーカー業界(製造業)の志望動機
- 商社業界(総合商社・専門商社)の志望動機
- IT・通信業界(ソフトウェア・インフラ)の志望動機
- 金融業界(銀行・証券・保険・リース)の志望動機
- コンサル・シンクタンク業界の志望動機
- 広告・マスコミ業界(出版・テレビ・Webメディア)の志望動機
- 不動産・建設業界(デベロッパー・住宅メーカーなど)の志望動機
- 小売・サービス業界(アパレル・飲食・ホテルなど)の志望動機
- 運輸・物流業界(航空・鉄道・倉庫など)の志望動機
- 官公庁・公共系(自治体・独立行政法人・公社など)の志望動機
また、志望動機がそもそも書けずに困っている人は、就活マガジンの志望動機テンプレを試してみてください!まずはサクッと作成して、悩む時間を減らしましょう。
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【関連記事】
赤ペンESを徹底解説!エントリーシート無料添削サービスとは
メーカー業界(製造業)の志望動機
メーカー業界を目指す就活生に向けて、大学時代の経験やモノづくりへの関心をうまく盛り込んだ志望動機の例文を紹介します。
企業研究を踏まえて、自分の強みや価値観と業界の特性を結びつけることがポイントです。
《例文》
大学時代に所属していた自転車サークルでは、長距離を走るために自転車のパーツを自分たちで選び、調整することが日常でした。 最適な部品の組み合わせを考える中で、「性能」や「品質」によって体感が大きく変わることに感動し、製品づくりの奥深さに興味を持ちました。 その経験から、日常生活を支える製品の価値を実感し、自分も誰かの暮らしに貢献できるものを生み出したいと考えるようになりました。 中でも貴社は、高品質な製品を通して世界中の課題解決に取り組んでおり、私もその一員として、社会に役立つモノづくりに携わりたいと強く感じて志望いたしました。 |
《解説》
身近な経験を出発点に、「モノづくりの面白さ」や「社会貢献」への共感を自然に結びつけています。興味の芽生え→志望理由→企業選びの理由、という流れを意識すると説得力が増します。
商社業界(総合商社・専門商社)の志望動機
多くの学生が憧れる商社業界は、スケールの大きなビジネスに携われる点が魅力です。ここでは、語学や留学経験に頼らず、日常の学びや経験を活かして組み立てた志望動機の例文を紹介します。
《例文》
大学のゼミで地域活性化に関するフィールドワークに取り組んだ際、地元企業と外部パートナーの間に立ち、双方の調整役を担う機会がありました。 その中で、異なる立場や文化的背景を持つ人々と信頼関係を築きながら物事を進める難しさと面白さを実感しました。 商社はまさに、国内外の取引先との橋渡し役として価値を提供する業界であり、自分の経験や強みが活かせると感じました。 中でも貴社は、特定分野にとどまらず幅広い事業を展開しており、多様な現場での挑戦を通じて自分を成長させられる環境だと考え、志望いたしました。 |
《解説》
留学や語学スキルがなくても、身近な調整役の経験から「商社らしさ」を語ることができます。調整力や多様性への関心を軸にすると、共感されやすい内容になります。
IT・通信業界(ソフトウェア・インフラ)の志望動機
デジタル社会を支えるIT・通信業界は、就活生にとって関心の高い分野のひとつです。ここでは、文系学生でも説得力のある志望動機が書けるような、日常の体験をベースにした例文をご紹介します。
《例文》
大学の授業でオンラインツールを活用したグループワークに取り組んだ際、通信の不安定さやツールの使いにくさが作業効率に大きな影響を与えることを実感しました。 この経験から、ITインフラや通信環境が学びや働き方に直結していることに気づき、それらを支える業界に興味を持つようになりました。 中でも貴社は、幅広い分野で安定したサービスを提供しており、人々の生活や社会活動の基盤を支えている点に魅力を感じています。 私自身も、誰かの当たり前の毎日を支える仕事に携わりたいという想いから、貴社を志望いたしました。 |
《解説》
文系・理系を問わず、日常の不便さや気づきをきっかけにITへの関心を語ると共感されやすくなります。体験→気づき→志望理由の流れを意識しましょう。
金融業界(銀行・証券・保険・リース)の志望動機
金融業界に興味はあるものの、具体的にどんな志望動機が適切なのか迷う方も多いでしょう。ここでは、日常の金銭管理や学業を通じて金融への関心を深めた学生の例文を紹介します。
《例文》
大学時代、アルバイトで得た収入を管理するために家計簿アプリを使い始めたことがきっかけで、金融に対する興味を持ちました。 収支のバランスを見直す中で、将来の資産形成やリスク管理の大切さを実感し、自然と金融に関する知識を自主的に学ぶようになりました。 金融業界は人々の生活基盤を支え、将来の安心を築く重要な役割を担っており、社会的な意義の大きさにも魅力を感じています。 中でも貴社は、個人・法人の双方に向けた丁寧なサービスに強みがあり、自分の学びを活かしながら、信頼される金融パートナーとして貢献したいと考えて志望いたしました。 |
《解説》
日常的な金銭管理や自習から金融に興味を持った流れは、リアリティがあり共感されやすいです。金融=堅いという印象を払拭するような身近なテーマで語ると効果的です。
コンサル・シンクタンク業界の志望動機
課題解決や論理的思考に関心がある学生に人気の高いコンサル業界。ここでは、特別な経験がなくても説得力を持たせられる、大学での学びやグループ活動をもとにした例文を紹介します。
《例文》
大学のゼミで企業の経営課題をテーマにしたケーススタディに取り組んだ際、メンバー間で意見が食い違い、方向性が定まらない場面がありました。 そこで私は、各自の主張を整理し、共通点を見出すことで全体の議論を前に進める役割を担いました。 この経験から、異なる立場や情報を整理して最適解を導くことに面白さを感じ、論理的に考え抜く力を磨きたいと思うようになりました。 コンサル業界はまさにその力を活かせるフィールドであり、特に貴社は多様な業界を対象に実績を重ねているため、成長の機会が豊富だと感じ志望いたしました。 |
《解説》
ゼミやグループ活動を起点に「整理力」「論理的思考力」をアピールすると自然な流れになります。特別な経験がなくても問題解決への関心を伝えることが大切です。
広告・マスコミ業界(出版・テレビ・Webメディア)の志望動機
人の心を動かす仕事に憧れ、広告やメディア業界に興味を持つ学生は多いでしょう。ここでは、大学生活の中でメディアに関心を持つようになった一般的な経験をベースにした志望動機の例文を紹介します。
《例文》
大学の授業でプレゼンテーションをする機会が多く、伝え方次第で相手の反応が大きく変わることを何度も経験しました。 特に、資料の構成や言葉の選び方を工夫したプレゼンでは、相手の共感を得られる場面が増え、その手応えが大きなやりがいになりました。 この経験を通じて、「情報をどう届けるか」に強い関心を持つようになり、広告やメディア業界で自分の力を発揮したいと考えるようになりました。 中でも貴社は、生活者のインサイトを丁寧に捉えた表現が強みであり、自分もチームの一員として、多くの人の心に届く発信に携わりたいと思い志望しました。 |
《解説》
「伝えることの面白さ」から広告・メディアへの関心につなげると、経験に基づいた説得力のある志望動機になります。大学の授業や活動の中での気づきを活用しましょう。
不動産・建設業界(デベロッパー・住宅メーカーなど)の志望動機
街や住まいづくりに関わる仕事に興味を持つ学生にとって、不動産・建設業界は非常に魅力的です。ここでは、日常の風景や生活体験をきっかけにした志望動機の例文を紹介します。
《例文》
大学への通学路に新しい商業施設が完成し、地域の雰囲気が大きく変わったことをきっかけに、不動産開発に興味を持ちました。 それまで閑散としていたエリアに人が集まり、活気が生まれていく様子を間近で見て、「空間が人の流れや暮らしを変える」という実感が強く残りました。 自分も、人々の暮らしや地域の発展に直接関われる仕事がしたいと思うようになり、不動産・建設業界を志望するようになりました。 中でも貴社は、地域との調和を大切にしたまちづくりを進めており、自分の思いと重なる部分が多いと感じたため、志望いたしました。 |
《解説》
身近な街の変化を切り口に、不動産業界への関心を自然に表現しています。日常の中で感じたことを起点にすれば、説得力のある志望動機につながります。
小売・サービス業界(アパレル・飲食・ホテルなど)の志望動機
接客や人とのコミュニケーションにやりがいを感じる方にとって、小売・サービス業界は魅力的な選択肢です。ここでは、アルバイト経験を活かして志望理由につなげた例文を紹介します。
《例文》
大学時代にアパレルショップでアルバイトをしていた際、お客様との会話の中でニーズを引き出し、満足いただける提案ができたときに大きなやりがいを感じました。 単に商品を販売するだけでなく、一人ひとりに合わせた接客が、顧客の満足度に直結することを実感しました。 この経験から、人と直接関わりながら価値を提供する仕事に魅力を感じ、小売・サービス業界を志望しています。 中でも貴社は、接客品質の高さに定評があり、スタッフ一人ひとりがブランド価値を体現している点に共感しました。 私もその一員として、お客様に喜んでいただける体験を提供したいと考え、志望いたしました。 |
《解説》
アルバイト経験をもとに「やりがい」や「成長実感」を伝えると、説得力のある志望動機になります。接客での学びを軸にすると好印象です。
運輸・物流業界(航空・鉄道・倉庫など)の志望動機
暮らしを支えるインフラとして欠かせない運輸・物流業界に興味を持つ学生に向けて、日常生活の中での気づきをきっかけにした志望動機の例文を紹介します。
《例文》
大学のサークル活動で地方のイベントに参加した際、天候の影響で荷物の到着が遅れ、予定していた準備ができない経験がありました。 そのとき、限られた状況の中で柔軟に対応してくれた物流会社の方々のおかげで、イベントを無事に開催することができました。 この出来事から、物流は目立たないながらも人々の暮らしや仕事を支えている重要な存在であると強く感じました。 私も社会を支える縁の下の力持ちとして働きたいと思い、運輸・物流業界を志望しています。 中でも貴社は、安定したサービスと災害時の対応力に強みがあり、自分もその一員として貢献したいと考え志望いたしました。 |
《解説》
物流の重要性に気づいたエピソードを交えることで、関心の背景に説得力が生まれます。実体験をもとに「支える仕事」への共感を伝えると好印象です。
官公庁・公共系(自治体・独立行政法人・公社など)の志望動機
社会課題の解決や地域貢献に関心のある学生にとって、官公庁・公共系の仕事は魅力的な選択肢です。ここでは、身近な地域活動をきっかけに関心を持った例をもとに、志望動機を紹介します。
《例文》
大学のボランティア活動で、地域の高齢者向けイベントの運営に携わった際、参加者から「行政がこういう場を作ってくれると助かる」と感謝の声をいただきました。 この経験を通じて、行政の取り組みが人々の生活に与える影響の大きさを実感しました。 また、地域のニーズを丁寧にくみ取りながら支援策を展開する姿勢に共感し、将来は公的な立場から社会に貢献したいと考えるようになりました。 中でも貴機関は、住民との距離が近く、現場に根差した施策を多く実現している点に魅力を感じ、自分もその一員として、地域に寄り添った支援を行いたいと思い志望いたしました。 |
《解説》
ボランティア経験を軸に「地域との関わり」や「行政の役割」への気づきを語ると、誠実な志望動機に仕上がります。社会貢献への想いを素直に伝えることが大切です。
【NG例】避けるべき業界志望理由の伝え方

就職活動では志望動機が評価の大きなポイントになりますが、伝え方によっては逆効果になることもあります。とくに業界への志望理由は、意図せず評価を下げてしまう言い回しに注意が必要です。
ここでは、よくあるNGパターンを3つ紹介します。どれも一見すると問題なさそうに見えますが、選考を通過するうえでは避けたほうがよい表現です。
- 業界ではなく企業への興味に偏っている
- 条件や待遇を理由にしてしまっている
- その業界特有の魅力に触れていない
① 業界ではなく企業への興味に偏っている
業界の志望動機であるはずなのに、特定の企業の制度や社風だけに言及してしまうと、「その企業しか興味がないのでは」と捉えられてしまいます。
たとえば「○○社の研修制度が魅力」といった内容では、業界全体に関心があるとは受け取ってもらえません。
業界が持つ社会的意義や課題、将来性に触れたうえで、そのなかで特に惹かれた企業として位置づけるように意識してください。
② 条件や待遇を理由にしてしまっている
「安定しているから」や「福利厚生が整っているから」といった条件面だけを理由にすると、志望度が低いと見なされるおそれがあります。
待遇の良さに言及する場合は、それが自身の価値観や将来のキャリア形成とどう関係するのかまで説明すると納得感が増します。
たとえば「長期的に働ける環境を重視しており、その点で業界の制度に魅力を感じた」などと伝えると、より前向きな動機として受け取ってもらえるでしょう。
③ その業界特有の魅力に触れていない
業界の志望理由を語るうえで、その業界ならではの特徴や社会的役割に触れないのは致命的です。
たとえば「パソコンを使うのが得意だからIT業界を志望した」といった理由では、単なる興味の範囲にしか聞こえません。
業界が果たしている役割や将来的な展望、そこに対する自分の貢献意欲を言葉にすることで、説得力のある志望動機になります。
第一志望でない業界に応募する際はどう伝える?

第一志望ではない業界に応募する場合でも、志望動機は前向きに伝えることが大切です。なぜなら、企業は志望度の高さだけでなく、その業界や仕事に対する理解や適性を重視しているからです。
たとえ第一志望でなくても、その業界で得られる経験やスキルに魅力を感じたことをしっかりと伝えることで、好印象を持ってもらえるでしょう。
たとえば、「志望していた業界と通じる点がある」「企業研究を進める中で関心が深まった」といった理由を具体的に述べると説得力が増します。
一方で、「なんとなく応募した」と受け取られるようなあいまいな表現は避けてください。採用担当者が気にするのは、入社後にきちんと活躍し、長く働いてくれるかどうかです。
そのため、「この会社でどのように成長したいか」「どのように貢献できるか」といった将来の展望まで伝えることが重要です。
第一志望かどうかよりも、自分なりの目的意識と前向きな姿勢が、選考の中で評価されるポイントになるはずです。
業界の志望理由の重要性と考え方を理解し、自分らしい志望動機を言葉にしよう

就職活動では企業への志望動機だけでなく、「なぜその業界を選んだのか」という視点も評価の対象となります。なぜなら、業界への理解や将来像の明確さが、入社後の活躍や定着に大きく関わるからです。
業界ごとの特徴や分類を押さえたうえで、自分の経験や価値観と照らし合わせながら志望理由を組み立てることで、説得力のある文章になります。
志望業界が定まらない場合でも、自己分析や業界研究を進めることで軸を見出せるはずです。例文やNG例も参考にしながら、自分らしい動機を具体的に表現しましょう。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。