病院の受付の志望動機｜例文と書き方のポイント解説

この記事では、病院受付の仕事内容や志望動機の考え方を具体例とともに解説しています。

好印象を与えるための志望動機の書き方や避けるべきNG例も紹介しているので病院の受付を志望している場合は必見ですよ。

病院受付の仕事内容とは？

病院の受付の仕事は、ただ「名前を聞いて案内するだけ」だと思われがちですが、実は病院の第一印象を決める、とても大切な役割です。

受付対応だけでなく、会計や医療事務など、さまざまな仕事をこなす必要があります。ここでは、病院受付の具体的な仕事内容をわかりやすく紹介していきます。

1. 受付業務
2. 受付・会計業務
3. クラーク業務
4. レセプト業務

① 受付業務

病院の受付では、来院した患者に最初に対応します。主な仕事は、診察券の受け取り、保険証の確認、受付表のチェック、診療科の案内などです。

この業務では、患者の気持ちに寄り添った対応が大切です。たとえば、緊張している人に安心してもらえるような声かけや、わかりやすい話し方が求められます。

また、突然の変更やトラブルが起きたときも落ち着いて対処できるよう、日頃から業務の流れをしっかり理解しておくことが大切でしょう。

② 受付・会計業務

受付・会計業務は、病院受付の基本的な仕事です。患者が来院したら診察券を受け取り、内容を確認してカルテを準備します。

診察後は、保険証の内容や診療内容をもとに、自己負担額を計算し、会計を行います。計算ミスがあるとトラブルになることもあるため、正確さが求められる業務です。

最初は業務の流れや保険制度の仕組みに戸惑うこともありますが、事前に学んでおくことで落ち着いて対応しやすくなります。

③ クラーク業務

クラーク業務は、医師や看護師のサポートを行う仕事です。具体的には、患者を診察室に呼び出したり、検査の案内をしたり、診察後の記録を整理したりと、診療がスムーズに進むように支える役割を担います。

医師の指示に従って作業するため、自分で医療的な判断をする必要はありませんが、診療内容を正しく記録・整理するには、基本的な医療用語や手順を理解しておくことが大切です。

正確な入力作業と、落ち着いて対応する力が求められるでしょう。

患者と接する機会も多いため、やさしい声かけや丁寧な態度を心がけることが、信頼される受付スタッフにつながります。

④ レセプト業務

レセプト業務とは、診察や治療の内容に応じて、健康保険に診療報酬を請求するための事務作業です。記録ミスや入力ミスがあると、病院の収入に直接影響するため、細かい確認作業が欠かせません。

制度のルールや診療報酬の仕組みなど、覚えることは多いですが、事前に医療事務の知識を学んでおけば取り組みやすくなります。

正確さが求められる仕事なので、コツコツ進める作業が得意な方に向いているでしょう。

病院受付の志望動機を書く前に準備すべきこと

病院受付の志望動機をしっかりと書くには、「やる気があります」といった抽象的な表現だけでは不十分です。業務内容や必要なスキル、自分の経験や価値観とのつながりを整理したうえで、説得力のある内容に仕上げることが大切です。

ここでは、志望動機を書く前に押さえておきたい準備のポイントを4つご紹介します。

1. 仕事内容を理解する
2. 必要な資格やスキルを確認する
3. 過去の経験やエピソードを整理する
4. 将来のビジョンを描く

① 仕事内容を理解する

病院受付の志望動機を書くうえで、具体的な仕事内容を正しく理解することは欠かせません。受付では、来院者の対応や電話応対、カルテの管理、保険証の確認、会計処理など、さまざまな業務を担当します。

「人と話すのが好きだから」といった理由だけでは不十分です。接遇マナーや事務処理のスキルも求められることを知っておきましょう。

自分がどの業務に適性を感じるのか、どのように貢献できるのかを考えることで、志望動機に具体性が生まれます。

業務内容への理解を深めたうえで、自分の強みとどう結びつけるかが鍵です。

② 必要な資格やスキルを確認する

病院受付の仕事では、必ずしも資格が必要というわけではありませんが、医療事務関連の資格を持っていると有利になることがあります。それ以上に、丁寧な対応や相手を思いやる姿勢、スムーズな事務処理が重要とされます。

基本的なパソコン操作や保険制度への理解があると、現場での適応力も高まるでしょう。

資格を持っていない場合でも、過去の接客経験や意欲を示すことで、前向きな評価を得られる可能性は十分あります。

まずは、求められるスキルが何かを確認し、自分に何が備わっているかを整理してください。

③ 過去の経験やエピソードを整理する

説得力のある志望動機を書くには、過去の経験やエピソードを交えるのが効果的です。たとえば、接客のアルバイトやボランティア活動、チームでの役割経験などが挙げられます。

重要なのは、その経験から何を学んだのか、どう活かせるのかという視点です。ただの思い出話にならないよう、病院受付の仕事との関連を意識してください。

エピソードを通じて、自分ならではの価値観や考え方を伝えることが、印象に残る志望動機につながります。

④ 将来のビジョンを描く

志望動機の中で、将来的な目標や成長したい方向性を伝えると、意欲や覚悟がより明確に伝わります。

たとえば、「患者に安心感を与えられる対応を身につけたい」や「いずれは医療事務全体をまとめられるようになりたい」といったビジョンがあると、採用担当者にとっても育成のイメージが湧きやすいでしょう。

今の思いだけでなく、長く働く意志があることを表現することが、採用の後押しになるかもしれません。

病院受付の志望動機を考える際のポイント

病院受付の志望動機を書くには、「なぜその職種なのか」「なぜその病院なのか」といった視点を明確にすることが不可欠です。

形式的なテンプレートに頼るのではなく、自分の体験や考え方と結びつけて表現することで、採用担当者の印象に残る志望動機になります。

ここでは、病院受付を目指すうえで意識すべきポイントを紹介します。

1. 病院受付を志望する理由を伝える
2. 志望先の病院を選んだ理由を説明する
3. 将来のビジョンを明確にする

① 病院受付を志望する理由を伝える

病院受付を志す理由は、単に「人と関わる仕事がしたい」といった抽象的なものでは十分とは言えません。

たとえば、家族が通院していたときに受付スタッフの丁寧な対応に安心し、自分も誰かの不安を和らげられる存在になりたいと感じた――そんな具体的なエピソードを交えることで、動機に説得力が生まれます。

また、自分の性格や強みと仕事の役割を結びつけて伝えることも効果的です。「丁寧な言葉づかいを心がけてきた」「相手の立場で物事を考えることが得意」など、業務と結びつくポイントを明確にしてみてください。

このように、体験と適性の両面から理由を伝えることで、あなたの志望動機に厚みが出て、より印象に残りやすくなります。

② なぜ志望先の病院を選んだのかを述べる

病院を選んだ理由は、「通いやすい」「施設がきれい」といった表面的なものではなく、その病院が持つ方針や特色に共感した点を中心に伝えるようにしましょう。

たとえば、「地域密着の医療を大切にしている点に惹かれ、自分もその一員として地域の人々と関わりたいと思った」といった表現が望ましいです。

さらに、説明会や公式サイト、パンフレットで得た情報を交えると、事前にしっかり調べている姿勢が伝わります。「理念に共感した」「特定の取り組みに魅力を感じた」といった形で、応募先に対する理解と熱意を具体的に表してください。

そうすることで、「この病院で働きたい」という気持ちが自然に伝わり、他の応募者との差別化にもつながるでしょう。

③ 将来のビジョンを明確にする

将来について述べるときは、抽象的な夢ではなく、実際の業務に即した現実的な目標を語ることが大切です。

たとえば、「患者に安心を届けられる受付スタッフになりたい」「接遇スキルや医療知識を積極的に学んでいきたい」といった姿勢を示すと、成長意欲が伝わります。

ただし、理想を大きく語りすぎると、かえって実現性に欠ける印象を与えてしまいます。自分の現状を踏まえたうえで、段階的に成長していきたいという姿勢を示すと、より好感が持たれるでしょう。

将来に向けて何を学び、どう貢献したいかを明確にしておくことで、長く働く意欲があることも伝えられます。

【例文あり】病院受付の志望動機の具体的な志望動機

病院の受付業務に興味はあるけれど、「どんな動機が評価されるの？」と悩む方も多いのではないでしょうか。ここでは、病院受付を志望する際の代表的な動機例文を、タイプ別に具体的に紹介します。

それぞれの例文を通じて、自分の経験や想いをどう伝えればよいかのヒントが得られるはずです。

1. 学生時代の経験を活かした志望動機例文
2. 接客や事務系アルバイト経験をアピールした志望動機例文
3. 医療業界への関心を示す志望動機例文
4. 大学での学びを志望動機に結びつけた志望動機例文
5. コミュニケーション力を強みにした志望動機例文

さらに今回は、現在も就活生を内定に導いている現役のキャリアアドバイザーが、5つの例文を本気で添削！どんなポイントに注目して書くべきか知りたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。

①学生時代の経験を活かした志望動機例文

【結論】 私は、患者様に安心感を与えられる存在として来院される方が不安なく診療を受けられるよう、円滑な案内と正確な対応を行う受付業務に魅力を感じ、貴院の受付で働きたいと考え志望いたしました。

添削コメント｜「安心感を与える」は抽象的かつ他者と差別化しづらい表現です。そこで、実際の業務で活かしたい具体的行動（円滑な案内・正確な対応）に置き換えることで、受付という職種への理解と適性を明確に示せる内容に改善しました。

【根拠となるエピソード】 大学時代、飲食店のアルバイトで接客を担当する中で、人と接することの楽しさやお客様の表情や反応に気を配り、安心してサービスを受けていただく工夫を重ねることの重要性を学び、相手の気持ちに寄り添うことの大切さを実感しました。

添削コメント｜「人と接する楽しさ」は抽象的で汎用的な表現のため差別化しにくく、読み手の印象に残りません。そこで、実際の行動や工夫を盛り込み、受付業務に通じる配慮力・観察力を強調することで、病院受付への志望動機との一貫性を持たせました。

【エピソード詳細】 特に印象に残っているのは、高齢のお客様から「あなたの笑顔で元気が出た」と感謝の言葉をいただいた経験です。それ以降、相手の表情や声のトーンに注意を払いながら、丁寧で思いやりのある対応を心がけるようになりました。その経験をきっかけに、お客様の様子を観察し、体調や気分に合わせた声かけや席の案内方法を工夫するなど、自分なりの接客改善に取り組みました。その積み重ねによって、店舗内で接客満足度1位に選ばれるなど、成果を出すことができました。

添削コメント｜「丁寧で思いやりのある対応」では、自分の行動がいまいち読み手に伝わらないため、具体的な対応例（声かけ、案内）に置き換えることで、読者に行動イメージが伝わるよう工夫しつつ、納得感を高めました。成果とのつながりも明確にできています。

【志望先を選んだ理由】 貴院は地域に根差した医療を提供しており、患者様一人ひとりに寄り添う姿勢に共感いたしました。ホームページや地域イベントの情報からも、医療と地域をつなぐ姿勢が感じられ、単なる受付業務にとどまらず、地域の方々に安心感を届ける役割を担っている点に強く惹かれました。私もその一員として、丁寧で温かみのある対応を通じて、信頼される窓口になりたいと思いました。

添削コメント｜「寄り添う姿勢に共感」という表現は他の志望者とも被りやすく、志望先への理解が浅く見られがちです。修正後は、病院の特徴的な取り組みに触れることで、調査や共感の深さが伝わり、「この病院だから志望した」という理由付けができています。

【入職後】 入社後は、医療に関する知識も積極的に学び、医療用語や受付業務のフローを継続的に学習しながら、患者様にとって分かりやすく、安心できる案内ができるよう努め、患者様やスタッフの方々から信頼される受付を目指して努力してまいります。

添削コメント｜「知識を学ぶ」という意欲表現は良いものの、抽象的だと熱意や成長意欲が伝わりません。実際に学ぶ内容（医療用語・業務フロー）と、それをどう業務に活かすかまで具体化することで、志望先への本気度と実行力が伝わる内容に仕上げました。

・受付業務への適性をアピールする ・志望先のどんな点に惹かれたのか詳細に示す ・エピソードと職種との接点を明確に示す

②接客や事務系アルバイト経験をアピールした志望動機例文

【結論】 私は、患者さまに安心感を与えられる受付スタッフとして、病院の運営を支えたいと考え、来院される患者さまが不安を感じずに過ごせるよう、細やかな気配りと的確な案内を行える受付スタッフとして貢献したいと考え、貴院を志望いたしました。

添削コメント｜元の文は抽象的で汎用的な印象が強く、他の志望者との差別化が難しい表現です。「安心感」や「運営を支える」などの抽象語を避け、「細やかな気配り」「的確な案内」といった病院受付に直結する具体的な役割を明示することで、志望動機としての具体性と納得感が高まります。

【根拠となるエピソード】 大学の生協で、レジや書類手続きの受付を経験し、人と丁寧に接することの大切さを学びました。 相手の立場に立って応対することの重要性を実感しました。

添削コメント｜「丁寧に接する」という表現はありふれており、読み手に具体的なイメージを与えにくいため、接客経験から得た行動指針として「相手の立場に立つ」を使うことで、応募者の姿勢が明確に伝わり、共感されやすくなります。

【エピソード詳細】 初めは慣れない業務に戸惑いましたが、お客様からの質問には一つひとつ丁寧に対応することを心がけました。 「言葉が分かりづらい」「手続きの流れが不安」といった声を受け、自分なりに伝え方を工夫し、説明内容を紙に書いて手渡すなどの対応を行いました。そうした姿勢を続ける中で、 顔を覚えて信頼していただけるようになり、 常連のお客様から「あなたがいると安心する」と声をかけていただいたことがあり、人と接する仕事に、大きなやりがいを感じました。

添削コメント｜この段落では2点改善を加えました。1つ目は「丁寧な対応」ではなく、どう丁寧だったかという行動（伝え方の工夫）を明記しました。2つ目は、結果として得た顧客の声とそこからの学びを明確に描き、エピソードの信ぴょう性と説得力を高めました。

【志望先を選んだ理由】 貴院は、受付応対に関する研修制度が整っており、未経験からでもしっかり成長できる環境がある点に魅力を感じました。 その中で新人教育にも力を入れている点から、未経験でも質の高い対応を身につけられると感じました。 また、チームで協力しながら患者さまを支える姿勢にも共感しています。 院内での他職種との連携を重視している点にも惹かれ、周囲と連携しながら安心を届けるという姿勢に共感しています。

添削コメント｜元の記述は「研修がある」「協力体制がある」など、多くの病院に当てはまる特徴のみとなっていました。そこで、応募先を理解したうえで選んでいることが伝わるよう、具体的にどのような方針や体制に共感したのかを示す文章を追記しています。

【入職後】 入職後は、未経験ではありますが、 医療に関する知識や受付業務の流れを一つひとつ丁寧に学んで積極的に知識を吸収しながら、丁寧で思いやりのある応対を心がけ、患者様やそのご家族に信頼される受付を目指したいです。

添削コメント｜「未経験ではありますが」という自己申告は、書かなくても伝わる上にマイナス印象につながります。そこで、むしろその部分を前向きな学習姿勢で言い換え、「丁寧に学ぶ」という行動目標を添えることで、成長意欲を評価されやすく工夫しました。

・エピソードでの自分なりの工夫を明記する ・志望先の特徴と自身の価値観を結びつける ・入職後の再現性のアピールを意識して書く

③医療業界への関心を示す志望動機例文

【結論】 患者さんに安心感を与える窓口として医療を支える仕事に魅力を感じたため、受付業務を志望しました。中でも、地域密着医療を実践し、患者様との信頼関係を重視されている貴院の姿勢に共感し、受付という立場から医療の現場を支えたいと考えております。

添削コメント｜削除部分は志望動機として他社でも通用する一般的な表現で、病院の独自性が伝わりません。改善文では貴院の「地域性」や「信頼関係重視」といった理念に具体的に触れることで、「なぜこの病院を選んだのか」という動機に説得力を持たせました。

【根拠となるエピソード】 高校時代、祖母の通院に付き添った際、受付の方の丁寧で温かい対応が、祖母の不安な気持ちを和らげた場面が強く印象に残っています。人の不安な気持ちを和らげるのは、医療行為だけでなく、受付のような最初の窓口対応にもあるのだと実感しました。

添削コメント｜この項目は、個人的な体験をもとに医療受付への関心が芽生えた過程が自然に描かれており好印象です。改善文では「受付＝医療の入り口」としての意義を自分の言葉で補強しており、職種理解の深さと共感性の高さが伝わります。

【エピソード詳細】 当時、祖母は初めての診療科への通院に不安を感じていましたが、受付の方が名前を呼ぶ際の声のトーンや言葉選び、笑顔の対応により、安心して診察を受けることができました。私はその様子を見て、受付業務が患者さんの気持ちに大きく影響する大切な役割だと感じました。それ以来、人を支える仕事に関心を持ち、接遇マナーや言葉遣いを意識してアルバイトに取り組むようになりました。この経験以降、接客業のアルバイトでも高齢のお客様に対して丁寧な言葉遣いや表情を意識し、相手に安心感を与える接遇を自ら実践するよう努めてきました。

添削コメント｜削除箇所は抽象的でエピソードとのつながりが薄いため、改善文では、実際のアルバイト経験とそこから得た接遇力に言及し、受付業務で活かせるスキルがあることを具体的に示した文章に置き換えました。

【志望先を選んだ理由】 貴院は徹底して患者様目線を重視し、患者さんとの信頼関係を大切にされている点に魅力を感じました。「安心・信頼・誠実」を理念に掲げ、受付スタッフによる対話や気配りを大切にされている点に魅力を感じました。また、未経験からでも学べる体制が整っていることも安心材料です。未経験者にも丁寧な指導体制があると伺い、接遇スキルを一から磨ける環境で成長したいと考えました。

添削コメント｜元の文章は他院でも使える内容であり、志望先ならではの要素が欠けていました。改善後の文章では、貴院の理念や人材育成体制に言及することで、リサーチの深さと入職意欲の高さを示しています。

【入職後】 来院される方にとって「この病院なら安心できる」と思っていただけるよう、明るく丁寧な応対を心がけ、信頼される受付スタッフを目指します。そのために、表情や声のトーンなど、目に見えない部分まで丁寧に配慮し、一人ひとりに合わせた対応ができるよう努めます。

添削コメント｜この項目は、入職後のビジョンが明確で「どのような姿勢で仕事に臨むか」が伝わる良い内容です。さらに改善文では、具体的な行動として「声・表情・配慮」を明記し、実際の業務イメージが湧くように補強しています。

・志望先独自の特徴を明確に書く ・志望職種の理解を自分の言葉で表現する ・受付スタッフとしてどう動くか示す

④大学での学びを志望動機に結びつけた志望動機例文

【結論】 私は、患者様に安心感を届ける窓口として、丁寧で思いやりのある対応が求められる不安な気持ちを抱える方にも落ち着いて対応し、安心していただけるような接遇ができる病院の受付業務に強く魅力を感じ、志望いたしました。

添削コメント｜「丁寧で思いやりのある対応」は一般的すぎて差別化に欠けるため、患者対応の具体的な姿勢を盛り込むことで、応募者の志向と業務の親和性を明確に表現しました。病院受付の役割を理解し、自分の強みとどう結びつけるかがポイントです。

【根拠となるエピソード】 大学で心理学を学ぶ中で、人との関わりが相手の感情や行動に与える影響の大きさを知り、相手の立場に立った応対の重要性に関心を持つようになりました特に、相手の不安を軽減するには、安心感を与える対話や態度が必要であることに気づきました。

添削コメント｜「関心を持つようになりました」では弱く、志望理由につながるきっかけとして説得力に欠けます。そこで、心理学の学びと患者対応の関連性を強める内容に変更しました。

【エピソード詳細】 特に、ゼミで行った「初対面の人とのコミュニケーション実験」では、言葉遣いや表情が相手に与える印象の変化を分析しました。実験後には、相手が安心できる話し方や態度について具体的に考えるようになり、日常生活でも意識的に丁寧な対応を心がけるようになりましたその経験を通じて、初対面でも相手に安心してもらえるような声のトーンや表情を意識する習慣が身につき、アルバイトや大学内での対応にも実践してきました。

添削コメント｜もとの文章は抽象的かつ冗長で、読み手に伝わりにくい印象があります。結果としてどのように行動を変えたのかを具体的に描写しました。

【志望先を選んだ理由】 貴院が「安心できる医療環境」を理念として掲げ、受付スタッフの対応力にも力を入れている点に共感しましたその理念に基づき、受付スタッフがただの案内係ではなく、患者様の不安や緊張をやわらげる「医療の入り口」として重要な役割を担っている点に魅力を感じました。患者様一人ひとりに寄り添う姿勢を、実際の見学時にも強く感じたため志望いたしました。

添削コメント｜「対応力にも力を入れている点」は曖昧で内容が薄く、どの病院でも通用してしまう表現です。修正後は、貴院独自の受付の役割に言及することで志望度の高さと理解の深さを示しました。

【入職後】 入職後は、来院された方の不安な気持ちに寄り添いながら、丁寧で分かりやすい案内ができる受付スタッフを目指して努力してまいります安心感を与える声かけや正確な案内を意識し、患者様が安心して診察を受けられるようサポートできる存在を目指します。

添削コメント｜「丁寧で分かりやすい案内」では漠然としすぎており、採用側に具体的な成長意欲や行動が伝わりません。改善後の文章のように、声かけや案内を具体的にすることで、成長後の姿が想像しやすくなります。

・病院受付という職種の理解を伝える ・実際に活かせる学びであることをアピールする ・抽象的な表現をなるべく減らす

⑤コミュニケーション力を強みにした志望動機例文

【結論】 私は、来院される方が安心して手続きを進められるよう、丁寧で分かりやすい対応を心がける相手の不安や戸惑いに気づき、先回りして声をかけられるような対応ができる受付スタッフとして、貢献したいと考えております。

添削コメント｜「丁寧で分かりやすい対応」という表現は漠然としており、志望動機の冒頭としては印象が弱いため、「気づく力」と「先回りの行動」という受付業務に求められる具体的な対応力に置き換えたことで、業務適性をアピールしました。

【根拠となるエピソード】 大学のオープンキャンパスで案内係を務めた際、多くの方に対応する中で幅広い世代の方に対応する中で初めての場所に戸惑う参加者の姿を見て、相手の立場に立って説明することの大切さを実感しました。

添削コメント｜「多くの方に対応した」という表現は汎用性が高く、受け手に印象が残りにくい一方、参加者の戸惑いに気づき行動した経験を示すことで、相手の状況に応じた対応力＝コミュニケーション力をより強調しました。

【エピソード詳細】 高校生や保護者の方から進学や学校生活について多くの質問を受けたため、事前に考え、質問されやすい内容を自分の言葉で話せるよう準備を重ねましたどのような質問が多いのかを事前に先輩に聞いて整理し、相手の理解度に合わせて説明の仕方を工夫しました。その結果、「分かりやすかった」「安心した」と感謝の言葉をいただき、人と接することへのやりがいを強く感じました。

添削コメント｜「準備を重ねた」だけではやや行動の具体性に欠けていたため、質問傾向の調査や説明の工夫といった行動を明示することで、「準備＝工夫と配慮を重ねたプロセス」であることを明確にし、納得感を高めました。

【志望先を選んだ理由】 貴院は、受付スタッフの育成にも力を入れておられ定期的に接遇研修を行うなど、受付対応の質を継続的に高めようとされている点に注目し、医療機関全体の印象に関わる重要な役割を担える点に魅力を感じました。

添削コメント｜「育成に力を入れている」は抽象的で他院でも使える表現のため、接遇研修という具体策に言及することで、その病院ならではの取り組みに魅力を感じていることを明確にしています。

【入職後】 入職後は、医療知識の習得にも積極的に取り組みながら目の前の方に対して自分から声をかけられるような姿勢を大切にしながら、来院された方の不安をやわらげ、スムーズな対応ができる受付スタッフとして貢献したいと考えています。

添削コメント｜「医療知識を学ぶ」は前向きな表現ですが、実際の行動として「自分から声をかける姿勢」を挙げることで、採用担当者が入職後の働き方を具体的にイメージしやすくなりました。「コミュニケーション力を活かしたい」という想いとの一貫性も保っています。

・人と関わる際に大切にしている姿勢を明記する ・読み手が状況をイメージできるよう書く ・アピールポイントの中心を一貫させる

病院受付の志望動機で避けるべきNG例文

病院受付の志望動機を書くとき、「これでいいのかな？」と不安に感じる方も多いはずです。自分ではしっかり書いたつもりでも、内容次第では採用担当者にマイナスな印象を与えてしまうこともあります。

ここでは、ありがちなNG例文を取り上げながら、どのような点に注意すべきかを分かりやすく解説します。これを読むことで、失敗例から学び、より伝わる志望動機を作成できるようになるでしょう。

1. 応募職種や病院を選んだ理由が曖昧なNG例文
2. スキルや経験の具体性に欠けるNG例文
3. 自分の都合だけを押し出しているNG例文

①応募職種や病院を選んだ理由が曖昧なNG例文

病院の受付を志望する際、「なぜその病院を選んだのか」「なぜ受付業務なのか」が不明確だと、志望動機として説得力に欠けてしまいます。はじめに、応募職種や病院を選んだ理由が曖昧なNG例文をご紹介します。

《例文》

私は人と関わる仕事がしたいと思い、病院の受付を志望しました。病院は多くの人が訪れる場所であり、常に誰かの役に立てる環境だと感じています。 貴院は地域に密着した医療を提供しており、私もその一員として貢献したいと考えました。受付業務は初めてですが、持ち前の明るさと丁寧な対応で患者様に安心感を与えられるよう努めます。 大学ではサークル活動などで多くの人と接してきた経験があるため、その経験を活かしたいと思っています。

《解説》
この例文では「病院を選んだ理由」と「なぜ受付なのか」が抽象的で、他の職種や病院にも当てはまってしまいます。具体的な体験や明確な志望理由を入れることで、オリジナリティと説得力を高めましょう。

②スキルや経験の具体性に欠けるNG例文

病院受付の志望動機を考える際、「人の役に立ちたい」という想いだけでは抽象的すぎて説得力に欠けます。続いて、よくあるけれど改善が必要なNG例文をご紹介します。

《例文》

私は昔から人の役に立つ仕事がしたいと考えており、病院の受付という職種に魅力を感じて志望しました。 病院には様々な方が訪れるため、不安な気持ちを和らげるような対応が求められると思います。 私は接客アルバイトの経験を通じて人と接することにやりがいを感じており、その経験を活かして笑顔で丁寧な対応を心がけたいと考えています。 医療の現場に直接関わるわけではありませんが、受付として安心感を与えられる存在になりたいです。

《解説》
「人の役に立ちたい」「笑顔で対応したい」という表現は抽象的で、どのようなスキルや経験がそれに繋がるのかが不明確です。

アルバイト経験を活かすのであれば、具体的なエピソードや身についた対応力などを盛り込むことで説得力が増します。

③自分の都合だけを押し出しているNG例文

病院受付の志望動機として、「自分の希望」ばかりを前面に出してしまうと、採用担当者に「貢献する意欲が薄い」と受け取られかねません。以下はそのようなNG例文の具体例です。

《例文》

私は大学で医療事務について学び、卒業後は家庭と両立しながら安定した仕事に就きたいと考えています。 病院の受付は座ってできる仕事であり、勤務時間も比較的安定していると聞いたので、自分にぴったりだと思いました。 また、人と接する仕事の中でも病院ならではの落ち着いた雰囲気の中で働ける点も魅力です。自宅から通いやすい距離にあることも、この病院を選んだ理由の一つです。

《解説》
この例文は「安定」「勤務時間」「通勤距離」など、自分にとってのメリットだけが並べられています。志望動機では、「自分が病院にどう貢献できるか」も伝えることが大切です。

患者対応に対する意欲や、学んだ知識をどう活かしたいかなどを加えると説得力が増します。

採用につながる志望動機を作るために心がけたいこと

病院受付の仕事は、患者と最初に接する大切なポジションです。

志望動機を書く際には、病院受付の仕事内容や求められるスキル、そして自身の経験や将来のビジョンをしっかり整理することが重要です。

病院受付を目指す理由を明確にし、なぜその病院で働きたいのかを具体的に伝えることで、採用担当者に強い印象を与えられます。

志望動機は、自分の思いや適性を伝える絶好のチャンスです。病院受付への熱意をしっかりとアピールしましょう。