ベンチャー企業とは?スタートアップ企業との違い・向いている人も紹介
「ベンチャー企業ってブラック企業なの?」「ベンチャー企業と他の企業の違いは何?」と疑問に思っている就活生は多いのではないでしょうか。
本記事では、ベンチャー企業についての基本情報や区別の難しいスタートアップ企業との違いを解説します。
ベンチャー企業は新しい事業を行う会社
結論、ベンチャー企業とは、新しいビジネスに挑戦する会社です。新しい事業やサービスを展開する新興企業であり、従来の大手企業ではなかなか見られない独自のアプローチや技術を活かしています。
定義は厳密でなく、主に新規事業の展開と急成長が特徴です。今までにない新事業を取り扱う場合が多いため、需要が高まると売上が急増し、一気に成長する可能性を秘めています。
ベンチャー企業とスタートアップ企業・中小企業の違い
まずは、ベンチャー企業とスタートアップ企業・中小企業との違いを解説します。それぞれ分けて解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
- スタートアップ企業との違い
- 中小企業との違い
①スタートアップ企業との違い
ベンチャー企業とスタートアップ企業は、事業展開のアプローチや目的が異なります。スタートアップ企業は新しいビジネスモデルを成長させることを目指し、他社の模倣ではなく独自のアイデアと分析に基づいて行動します。
一方で、ベンチャー企業は既存のビジネスモデルをベースにしながらも、独自の発展を果たしているため、事業展開において異なるアプローチを取っています。
②中小企業との違い
次に中小企業とベンチャー企業との違いを解説します。中小企業は主に会社の規模を指し、中小企業基本法で詳細な定義がされています。
一方で、ベンチャー企業はそのほとんどが中小企業に該当するものの、中小企業の定義とは異なり、主に事業展開やビジネスモデルにおいて独自のアプローチを追求します。
「ベンチャー企業であるから中小企業ではない」という認識ではなく、ベンチャー企業でありながら規模で言うと中小企業であるという企業が存在するのです。
ベンチャー企業で働くうえでのメリット5つ
続いて、ベンチャー企業で働くメリットを5つ解説します。1つずつ見ていきましょう
- 裁量権が大きい
- 年功序列の風潮が少ない
- 挑戦しやすい環境
- 経営陣と一緒に仕事ができる
- 幅広い経験をできる
①裁量権が大きい
1つ目のメリットは、社員1人あたりの裁量権が大きいことです。ベンチャー企業は従来の企業と異なり、部門や役割の厳格な枠組みが緩やかであり、1人1人が様々な仕事に携わることが期待されます。
そのため、従業員は自分の仕事に対して高い裁量を持ち、多岐にわたる業務に挑戦できます。その結果、仕事へのやりがいや成長の機会が増え、スキルアップにもつながることも。
成長のために裁量権の大きさを求めて、ベンチャー企業を中心に就活している就活生も多くいることでしょう。
②年功序列の風潮が少ない
2つ目のメリットは、年齢に関係なく昇進や昇給が期待できることです。ベンチャー企業は実力主義が根底にあり、成果や結果を上げることが最も評価される傾向にあります。
そのため他の企業と比較して年齢に左右されず、能力に基づく昇進や昇給が期待できます。やりがいを感じやすく、モチベーションの維持がしやすいため、仕事へのやる気が高い人ほど評価されるでしょう。
若いうちから活躍する社員も多くいるのは、ベンチャー企業ならではの特徴です。
③挑戦しやすい環境
3つ目のメリットは、チャレンジしやすい環境であることです。ベンチャー企業は、新しい事業やサービスを展開する際に従来の型にはまらず、積極的に独自のアイデアや発想を尊重します。
通常の企業と異なり、従業員が様々な分野で積極的にアイデアを出し、それが採用されやすいこともベンチャー企業の特徴です。案出しから実行まで自ら実践できる環境は、従業員のモチベーション向上とキャリアの発展を後押しします。
④経営陣と一緒に仕事ができる
4つ目のメリットは、経営陣との距離が近いことです。大手企業では経営層との交流が限られる中、ベンチャー企業では経営者と従業員が共に業務に携わり、直接的な意見交換が可能です。
ベンチャー企業の経営陣の中には、若いうちから大手企業などで経験を積んだ結果その位置にいるような人や、長い間様々な企業でビジネスを経験して、新しい挑戦をしている人など様々な人がいます。全ての人に共通するのは、新しいビジネスへの熱意が高い事。
ベンチャー企業内の社員同士の距離感が近いことは、これらの熱意の高い優秀な人の影響を直に受けられることにも繋がります。
⑤幅広い経験をできる
5つ目のメリットは、幅広い知識を身に着けられることです。ベンチャー企業では様々な業務に携わる機会が多いため、未経験の領域にも挑戦できる特長があります。
そのため、ベンチャー企業で働く中では業界全体にわたる知識を獲得し、キャリアの幅を広げられます。ベンチャー企業は多くの知識を得て、独立や転職などの選択肢を広げたい人にとって魅力的な職場と言えるでしょう。
ベンチャー企業で働くうえでのデメリット3つ
続いて、ベンチャー企業で働く3つのデメリットについて解説します。
- 安定した収入とは言えない
- 独自の企業文化への適応が求められる
- 福利厚生が大手企業ほど整っていない
①安定した収入とは言えない
1つ目のデメリットは、収入が安定しないことです。ベンチャー企業は、実力や成果に応じた給与体系が一般的ですが、これが収入の不安定性をもたらすことがあります。
ノルマ達成やプロジェクトの成功によって大きく変動し、一方で成果が挙がらない場合には基本給が最低限しかもらえないことも考えられることも。働く際は、収入の変動が激しい状況がある可能性を理解しておく必要があるでしょう。
②独自の企業文化への適応が求められる
ベンチャー企業は独自の企業文化を持つ企業が多く、従業員にとっては適応が難しい場合があります。ベンチャー企業は、経営者の個性が企業の方針に大きく影響を与えます。
例えば、挑戦的な環境である一方で、じっくりと1つの事業に携わりたいと考える人には合わない場合などです。従って、企業文化や特徴をよく理解し、自らの価値観との適合性を検討することが重要です。
③福利厚生が大手企業ほど整っていない
3つ目のデメリットは、ベンチャー企業は福利厚生が整っていない場合があることです。新設立の企業が多いベンチャー企業は、大手企業に比べて福利厚生が整っていないことがあるため、会社に求めるサポートが多い人には向いていない傾向にあります。
就職前に企業の福利厚生について詳細に確認し、自身のライフスタイルや将来の不安を確認しておくことが必須になります。
ベンチャー企業に向いている人特徴を5つ紹介
ここからは、ベンチャー企業に向いていると言われる人の特徴を5つ紹介します。以下の特徴に当てはまる人はベンチャー企業に向いているので、ぜひ参考にしてくださいね。
- 変化・挑戦を楽しめる人
- 能動的に働ける人
- 将来独立・起業を考えている人
- 幅広い経験を積みたい人
- 新しいビジネスに携わりたい人
①変化・挑戦を楽しめる人
ベンチャー企業に向いている人は、変化や挑戦を楽しめる人です。新しい事業に挑戦する文化が根付いているため、前例のないビジネスに積極的に取り組むことが求められます。
短期間で業務内容が変化する中で順応力を発揮でき、失敗を恐れずに前向きに取り組める人は、ベンチャー企業向きと言えるでしょう。
②能動的に働ける人
能動的に働ける人は、ベンチャー企業に向いていると言えます。ベンチャー企業では、自分でアイデアを出し、分析・行動できる人材が求められます。
ビジネスで成果を上げるためには主体的な行動が必要であり、新しいアイデアを提案することも期待されます。指示を待つのではなく、積極的に考え行動できる人は向いていると言えるでしょう。
③将来独立・起業を考えている人
ベンチャー企業は、将来的に独立・起業を考えている人にも向いています。広範なビジネス分野に携わり、多岐にわたる経験が可能なベンチャー企業は、速い速度での知識の吸収やスキルの向上が期待できます。
経営者との距離が近いことなども、起業に関するアドバイスやポイントも得られ、将来の独立に向けた自信を築けるでしょう。
④幅広い経験を積みたい人
自ら成長し、多様な経験を積んでいきたいと考える人にとって、ベンチャー企業は理想的な職場です。上記している通り、ベンチャー企業での業務は様々な分野に挑戦でき、部門に縛られずに幅広く携われます。
具体的な職種で言うと営業・企画・開発・マーケティングなど。異なる領域で経験を積むことで、通常の企業では難しい幅広いスキルの習得が期待できます。
⑤新しいビジネスに携わりたい人
最後に紹介するベンチャー企業に向いている人は、今までにないようなビジネスに携わりたい人です。新しい分野やビジネスに挑戦したいという意欲を持つ人にとって、ベンチャー企業は最適な環境と言えるでしょう。
新しいアイデアや企画が積極的に取り入れられる風土があるベンチャー企業で働くことは、自分の発想が新しいビジネスとして形を成す可能性も高まります。
代表的なベンチャー企業3社を紹介
ここからは代表的なベンチャー企業を紹介します。急成長した企業ばかりなので、知っている方も多くいるのではないでしょうか。1社ずつ紹介します。
- サイバーエージェント
- メルカリ
- GOOD AID
①サイバーエージェント
サイバーエージェントは、1998年の創業以来、インターネット広告やメディア分野で国内2位の売上を達成し、21世紀を代表する企業として成功を収めています。
また、若手社員の育成にも力を入れ、20代での子会社社長の誕生など、成長と挑戦が可能な環境を提供しています。
②メルカリ
2013年に創業されたメルカリは、シェアリングエコノミーの旗手として、フリマサービス『メルカリ』を展開しました。物理的な物やお金だけでなく、あらゆる価値を循環させることをモットーに掲げ、そのコンセプトは多くの人々に受け入れられ、高い知名度を誇っています。
今ではマーケットプレイスとして確立され、新しいアイデアを積極的に取り入れたサービス拡充に努めています。非接触型決済サービスのメルペイなど、革新的な事業展開が特徴です。
③GOOD AID
GOOD AIDは2016年に設立され、医療分野において多岐にわたる事業展開を行っています。調剤薬局や訪問看護リハビリステーション、EC事業など、様々なサービスを提供することで、多くの消費者から支持を受けています。
特に処方箋なしで医薬品を手に入れることができたり、施設に来れない方に向けた訪問介護など、革新的で利便性の高い医療サービスを展開しており、業績の拡大を果たしています。
ベンチャー企業に転職する際のポイント3つ
最後に、ベンチャー企業に転職する際の3つのポイントを紹介します。
- 徹底した自己分析を行う
- 待遇面を事前に確認する
- 将来のキャリアを明確にする
①徹底した自己分析を行う
ベンチャー企業への転職を考える際には、自己分析が不可欠です。企業ごとに異なる環境や要求がある中で、自分がどのような働き方や環境に適しているのかを正確に把握しましょう。
また、希望するベンチャー企業が自分の理想と一致しているかを確認することも大切です。社内見学などを通して雰囲気を感じ、ベンチャー企業でのキャリアを成功させるための基盤を築きましょう。
②待遇面を事前に確認する
ベンチャー企業への転職を考えるなら、待遇面の確認も不可欠です。ベンチャー企業は設立直後であったりと未熟な部分があり、充分な福利厚生が整備されていないことが多いです。
待遇が整っていない状態では、自分の働き方が不利になり、職場での長期的なキャリア形成が難しいかもしれません。
したがって、待遇面の確認はどれだけ整備されているか、自身の条件に合致しているかを求人情報やエージェントを通じて詳細にチェックすることが重要になります。
③将来のキャリアを明確にする
ベンチャー企業への転職を検討する際は、自身の将来のキャリア目標をはっきりさせることが重要です。モチベーションは人それぞれ異なり、独立を視野に入れているのか、スキル向上を望んでいるのかによっても適した企業が異なります。
将来的に独立を考えるのであれば、実績のあるベンチャー企業が適しています。一方で、スキルや知識向上が目的であれば、幅広い分野で事業展開している企業が向いているでしょう。自分の将来のキャリア形成を明確にし、転職先を選んでみて下さいね。
ベンチャー企業は挑戦しやすい環境
ベンチャー企業は独自のアイデアと挑戦的な姿勢で知られています。働く社員には多岐にわたる業務が任され、社員共々の成長が促される会社です。
しかし、その環境が必ずしもすべての人に適しているわけではありません。挑戦を楽しむ意欲があれば、ベンチャー企業でのキャリアが新たな可能性を切り開くことにつながるでしょう。