ESで「実現したいこと」を質問されたら?聞かれる意図・回答例文も徹底解説
ESでは、「実現したいこと」に関する質問が頻出します。しかし、将来実現したいことが決まっておらず、悩んでいる方もいるでしょう。
本記事では、ESで頻出される「実現したいこと」を聞かれる意図・回答例文を徹底解説します。NG回答例も解説するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
ESで問われる「実現したいこと」では何を答えるべき?
入社後の目標や夢を聞かれているのが、「将来実現したいこと」の質問です。この質問では、社会人として仕事を通して挑戦したい夢や達成したい目標を書いてください。会社の一員となって、どのような貢献をしたいかを伝えましょう。
志望動機とは異なり、会社への熱意ではなく将来自分が目指していることを伝える必要があります。
また、文章は簡潔にまとめつつ、具体的な内容を盛り込むことが重要ですよ。
ESで「将来実現したいこと」を聞かれる意図2つ
では、ESで「実現したいこと」を聞かれる意図は何なのでしょうか。ここでは、以下2つに分けて解説します。
- 採用ミスマッチを避けるため
- 志望度の高さを判断するため
①採用ミスマッチを避けるため
企業はESで「将来実現したいこと」を問うことで、応募者の夢・目標と会社の方向性がマッチしているかを確認したいのです。
もし合致していない場合、採用した新入社員が期待と違うと感じ、すぐに退職してしまう恐れがあります。採用には多大なコストがかかるため、そうしたミスマッチは企業にとって大きな損失となるでしょう。
一方で、応募者の目指すものと会社の目標が一致していれば、企業側から「自社に合った人材」と高く評価されるはずです。
②志望度の高さを判断するため
企業は、長期にわたって活躍できる人材を探しています。志望度が高い人は、積極的に働き、会社に貢献する傾向がありますよ。
具体的な業務に対する熱意や、その企業で実現したい目標が明確な人は面接官に好まれます。
面接では、企業研究をしっかりと行い、業務内容を深く理解した上で、自分の目標や将来のビジョンを伝えることが大切です。
これにより、採用担当者に対して、自分の志望度の高さをアピールすることができるでしょう。
【業種別】ESで「実現したいこと」の回答例文4つ
続いて、ESで「実現したいこと」の回答例文を4つ紹介します。業種別に例文を紹介するので、活用できそうな例文を参考にしてみてください。
- 【例文①】営業職
- 【例文②】エンジニア職
- 【例文③】クリエイティブ職
- 【例文④】開発職
【例文①】営業職
私が営業職で実現したいことは、お客様のニーズに真摯に向き合い、最適なソリューションを提供することです。 大学のサークル活動で学んだのは、一人ひとりの考えをよく聞くことの大切さでした。メンバーの意見をしっかり汲み取り、皆の求めるものを形にしていく作業を通して、人々の本音を引き出し理解する重要性を身に付けました。 入社後は、この経験を活かし、お客様一人ひとりの課題や要望に真剣に耳を傾けます。そして、ただ製品を売るのではなく、お客様のニーズに最も適したソリューションをご提案できるよう尽力いたします。営業という立場で、お客様に寄り添った最高のサービスを提供することが私の願いです。 |
上記の例文では、営業職で実現したいことをアピールしています。営業職に求められる資質の1つとして、お客様への寄り添いたい思いが挙げられるため、採用担当者からも好印象でしょう。
【例文②】エンジニア職
エンジニア職で私が実現したいことは、ユーザーの役に立つ製品を開発し、世の中に貢献することです。 大学時代、サークル活動でウェブサイトを制作しました。メンバーのニーズを汲み取り、使いやすいサイトを目指して試行錯誤を重ねる中で、ユーザー目線の大切さを学びました。技術力だけでなく、思いやりの心が製品づくりには欠かせません。 入社後は、この経験を活かし、ユーザーの立場に立って開発に取り組みます。単に高度な技術を詰め込むのではなく、本当に役立つ機能は何かを考え抜き、簡単で分かりやすい製品を世に送り出せるよう努力します。テクノロジーを通じて人々の生活を豊かにできるエンジニアを目指したいと考えています。 |
上記の例文は、エンジニア職で実現したいことをアピールしています。エンジニアとして人々の生活を豊かにしたいと述べており、成長意欲が感じられる目標でしょう。
【例文③】クリエイティブ職
クリエイティブ職で実現したいのは、人々に新鮮な驚きと感動を提供することです。 大学のサークル活動では、学園祭の企画運営を担当しました。メンバーの自由な発想を大切にしながら、それらをまとめ上げ形にしていく作業を通じて、アイデアを具現化する醍醐味を味わいました。クリエイティビティと実現力、両方を育むことができたと感じています。 入社後も、この経験を活かし、お客様の想像を超えるような新しい価値を創造したいと考えています。発想の源泉は人々の生活にあり、皆様の本当の想いに寄り添った上で、目から鱗が落ちるようなアイデアを形にしていきます。感動を呼ぶ作品作りを通じて、社会に貢献できるクリエイターを目指します。 |
上記は、クリエイティブ職として実現したいことへの回答例文です。どんなクリエイターを目指し、何を世の中にもたらしたいのかを具体的に述べられている点が好印象です。
【例文④】開発職
開発職で実現したいことは、革新的な技術を生み出し、人々の生活をより豊かにすることです。 大学のサークル活動では、ロボット製作に携わりました。機構設計から制御プログラミングまで、一通りの開発工程を体験する中で、モノづくりの面白さを学びました。試行錯誤を重ね、ようやく動くロボットができた時の喜びは、今でも忘れられない思い出です。 入社後は、この経験を礎に、技術革新への情熱を注ぎ続けます。単なる機能追加にとどまらず、発想の転換によりユーザーの課題を根本から解決できる製品開発を目指します。エンジニアの先駆者としての自覚を持ち、お客様の快適な生活に資する先端技術の創出に邁進する所存です。 |
上記は、開発職として実現したいことへの回答例文です。開発職への熱意、実現したいことを明確に答えられている点がポイントですよ。
ESの「将来実現したいこと」への回答で好印象を与えるコツ
続いて、ESの「実現したいこと」への回答で採用担当者に好印象を与えるコツを紹介します。ぜひ参考にし、周囲と差をつける回答を準備してくださいね。
- 「実現したいこと」を簡潔・端的に答える
- 「実現したい」と思った動機を伝える
- 入社後の目標・行動を具体的に答える
①「実現したいこと」を簡潔・端的に答える
「将来実現したいこと」を書く際は、まず結論を簡潔に述べることが大切です。「将来、○○を実現したい」と、最初に目標を明確に示しましょう。
結論を先に示さずに書き進めてしまうと、伝えたいことが分かりにくくなり、採用担当者の印象に残りません。しかし、将来の目標を明確に提示できれば、その後の内容にも興味を持ってもらえるでしょう。
つまり、冒頭で簡潔に将来実現したい内容を伝えることで、何を語ろうとしているのかが理解しやすくなるのです。
②「実現したい」と思った動機を伝える
「将来実現したいこと」を書く際は、まず結論を簡潔に示した後、その動機を具体的に述べることが大切です。なぜその目標を立てたのかを、きっかけやエピソードを交えて説明しましょう。
例えば、応募先企業の製品やサービスに初めて触れたきっかけと、どのように魅力を感じたのかを書けば、その企業の事業を理解していることが伝わります。実際に利用した上で感じた価値観なども、ぜひ織り交ぜてください。
こうした具体的な思いを語ることで、単なる希望ではなく、しっかりと考えを巡らせた上での目標であると、採用担当者に伝えられるでしょう。
③入社後の目標・行動を具体的に答える
入社後の展望を述べる際は、具体性と熱意が重要です。まず、会社の目標と自分のスキルがどのように連動するかを示しましょう。
次に、チームでの協働を通じて、どのような価値を生み出せるかを考えます。そして、自分がどのように成長し、会社に貢献できるかのビジョンを描きましょう。
特に、自分の専門知識や経験を活かして、会社の成長にどう影響を与えられるかを具体的に述べることが大切です。
また、新しいアイデアや改善策を提案し、それらが実現した際のポジティブな影響についても触れると良いでしょう。
ESで「将来実現したいこと」を問われた際に注意すること
では、ESで「実現したいこと」を問われた際に、何に注意すべきでしょうか。ここでは、4つの注意点を紹介します。
- 抽象的な回答にしない
- 企業理念・社風と方向性がズレている
- 汎用性の高い回答は避ける
- 会社の利益を考慮できていない
①抽象的な回答にしない
「将来実現したいこと」を書く最後は、再度結論を示した上で、実現に向けた具体的な行動計画を述べることが大切です。
会社にどのように貢献できるのか、自分なりの仕事へのこだわりや価値観を書き添えましょう。入社後のイメージをはっきりと持っていることを伝えることで、単なる夢物語ではなく、実現に向けて真剣に考えていることがわかります。
できる限り詳細に、会社と関わりながら目標達成に取り組む姿勢を示せば示すほど、入社後に活躍してくれそうだと高く評価されるでしょう。
②企業理念・社風と方向性がズレている
「将来実現したいこと」の内容が、企業の理念や社風とかけ離れていると、企業側から良い印象は持たれません。企業は「志望度が低そう」「なぜ自社なのか」と疑問視されることも。
企業が大切にしている価値観は採用サイトなどで確認でき、世間一般のイメージとは異なる場合もあります。企業の方向性を無視した独りよがりな回答は控えましょう。
つまり、志望企業のことをきちんと理解した上で、企業の方針と合致した内容を書く必要があります。企業理念と自身の目標がリンクしていることを示せば、志望度の高さが伝わり、高評価に繋がるでしょう。
③汎用性の高い回答は避ける
「将来実現したいこと」の内容は、志望企業に特化したものでなければなりません。どの会社でも当てはまるような一般的な目標では、なぜその企業を選んだのか理由が分かりづらくなってしまいます。
企業研究が不十分だと受け取られかねず、成長意欲のなさを疑われる恐れも。そうならないためには、志望企業の特色を踏まえた上で、自身の目標を語る必要があります。
具体的には、志望動機と「将来実現したいこと」を上手く関連付けましょう。その企業ならではの魅力・価値観・事業内容などを意識し、そこで達成できる自身の目標を明確に示せば、志望の熱意が伝わり、説得力のある回答になりますよ。
④会社の利益を考慮できていない
「将来実現したいこと」については、単なる個人の夢や願望に終始するのではなく、会社の利益にもつながることを意識する必要があります。
自分の成長だけを先行させた独りよがりな目標では、企業から良い評価は得られません。具体性に欠け、現実味のない内容では説得力に欠けてしまいます。
そこで大切なのが、しっかりとした企業研究です。事業内容や方針を理解した上で、自身の目標を会社の発展にどう貢献できるかを考え、順序立ててわかりやすく表現することが肝心ですよ。
自分の挑戦が会社にとってもメリットになると示せれば、「将来実現したいこと」の内容は現実的で説得力のあるものとなり、企業から高い評価を得られるでしょう。
自分なりの「実現したいこと」を見つける方法3選
では最後に、自分なりの「実現したいこと」を見つける方法を3つ紹介します。
- 企業のホームページを確認する
- 志望企業のOB・OGを訪ねる
- 先輩・OBOGのESを参考にする
- 会社の利益を考慮できていない
①企業のホームページを確認する
「将来実現したいこと」を考えるうえで、まず企業の採用ホームページを確認することをおすすめします。企業理念やスローガン、業務内容や社風などの情報が載っており、そこから自身の目標が見つかるかもしれません。
特に、社員紹介のページが重要です。現役社員の考え方に触れることで、共感できる「実現したいこと」が見つかるかもしれません。
企業が大切にしている価値観や、社員が目指していることを知れば、自身の目標を企業の方針と合致させやすくなります。ホームページの情報を活用し、説得力のある「実現したいこと」を組み立てていきましょう。
②志望企業のOB・OGを訪ねる
「将来実現したいこと」を具体化する上で、OB・OG訪問をするのがおすすめ。社会人や先輩から直接話を聞けば、企業の実情をイメージしやすくなります。
特に志望する業界や企業のOB・OGに会うことで、自身の目標により現実味を持たせられるでしょう。ホームページの情報だけでは分からない生の声に触れ、達成可能な目標を設定しやすくなります。
さらに、志望していない分野の人にも話を聞いてみることもおすすめです。思わぬ発見があり、新たな関心の対象が生まれるかもしれません。
理想の社会人に出会えば、自分なりの「将来実現したいこと」を見つけるきっかけになる可能性も高くなりますよ。
③先輩・OBOGのESを参考にする
「実現したいこと」を考える際、先輩やOBのESを参考にするのも一つの方法です。過去の内定者や選考通過者のESを読めば、同様の質問に対してどのように回答しているのかが分かります。
様々な志望動機や将来像を目にし、「自分ならどう書くか」を考えれば、新たなヒントが得られるかもしれません。
また、単に読むだけでなく、説得力のあるESとそうでないESを比較検討するのも良いでしょう。優れた回答には共通した特徴があり、そこから自身の目標設定の手がかりが見つかるかもしれません。
あくまで参考程度に留めつつ、先人のESを活用することで、より明確で具体的な「将来実現したいこと」を書けますよ。
ESで「実現したいこと」を問われたら具体的に回答しよう
ESで「実現したいこと」を問われた際は、具体性のある回答を心がけましょう。志望企業の事業内容を十分に調べ、自身の目標がその企業でなぜ達成できるのかを明確に示すことが肝心です。
漠然とした夢物語では説得力に欠けます。入社後にどのように活躍し、会社にどう貢献できるのかを具体的に語ることで、将来の姿が判りやすくなります。
企業理解を深め、自身の強みや熱意をしっかりアピールできれば、他の就活生と差をつけた印象的な回答ができるはずですよ。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。