大学事務の年収事情と将来性|安定と成長を両立する働き方とは
「大学事務って安定していると聞くけれど、実際の年収はどのくらいなんだろう?」
大学職員の中でも、学生対応から経理・広報まで幅広い業務を担う大学事務。公務員に近い安定性がある一方で、年収やキャリアの将来性については意外とわからないものですよね。
そこで本記事では、大学事務の平均年収や昇給の仕組み、働き方の特徴、そして将来性について、データと現場のリアルを交えて詳しく解説します。
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大学事務とは?

大学事務とは、大学運営の裏側を支える事務職員のことを指します。学生のサポートや授業の管理、入試や会計処理など、大学の仕組みを円滑に動かすための重要な役割を担っています。
ここでは、大学事務職員の役割や配属先、求められるスキルについてわかりやすく解説します。
- 大学事務職員の基本的な役割とポジション
- 大学事務職員の勤務先と配属部署の種類
- 大学事務職員に求められるスキルと適性
①大学事務職員の基本的な役割とポジション
大学事務職員は、大学の運営を支える縁の下の力持ちです。授業運営のサポートや履修管理、学生対応、教員や外部関係者との調整など、多岐にわたる業務を担当します。
大学によっては、法人本部に所属し、経営企画や財務管理、研究支援などのより専門的な分野に関わることもあります。
教育機関という公共性の高い環境で社会に貢献できる点が、この職種の大きな魅力といえるでしょう。学生や教職員が安心して学び・働ける環境を整えることが、大学事務の重要な使命です。
安定した環境で、長期的にキャリアを築ける点も魅力の一つです。表に出る機会は少なくても、大学を陰で支える不可欠な存在であり、大学の発展に直接貢献できるやりがいのある仕事です。
②大学事務職員の勤務先と配属部署の種類
大学事務職員の勤務先は、国立大学法人、公立大学、私立大学など多岐にわたります。配属先も教務課、学生課、入試課、人事課、総務課、財務課、研究支援課など幅広く、担当する業務内容も異なります。
教務課では、授業計画や成績管理を行い、学生課では奨学金や学生生活の支援を担当。入試課は受験生対応や試験運営を担い、広報課では大学のブランド発信や広報活動を行います。
法人本部では経営企画や人材管理、財務運営など、大学全体を支える中枢的な役割を担っています。どの部署でも、正確さとスピード感、そして関係部署との調整力が大切です。
自分の得意分野や関心を活かしながら、多様なキャリアパスを描けるのが、大学事務職員の魅力といえるでしょう。
③大学事務職員に求められるスキルと適性
大学事務職員に求められるのは、コミュニケーション力と正確な事務処理能力です。学生や教員、外部機関など多様な立場の人々と関わるため、相手の意図を理解し、柔軟に対応できる力が不可欠になります。
加えて、ExcelやWordなどの基本的なパソコンスキルに加え、データ管理や文書作成の精度も求められるでしょう。また、大学特有の規定や制度を扱うため、ミスを防ぐ慎重さと責任感も欠かせません。
さらに、教育・研究という公共的な活動を支える立場として、社会的使命感や倫理観も重要です。
裏方としてのサポート業務が中心ではありますが、学生の成長や大学の発展を陰で支える誇りを持てる人にこそ向いている職種といえるでしょう。
大学事務の仕事内容

大学事務の仕事内容は多岐にわたり、学生対応から経理管理、国際交流まで幅広い業務を担っています。大学の運営を支える重要な職種であり、部署によって求められるスキルや役割も異なります。
ここでは、大学事務の代表的な9つの業務をわかりやすく紹介しましょう。
- 教務業務
- 学生支援業務
- 入試業務
- 広報業務
- 経理・財務業務
- 人事・総務業務
- 研究支援業務
- 国際交流業務
- キャリア支援業務
①教務業務
教務業務は、大学運営の中心を担う、非常に重要な仕事です。授業の時間割作成、履修登録の管理、成績処理、シラバス作成など、日々多くの学生と教員をサポートします。
学期ごとに行われる授業調整や試験の運営、履修登録期間の対応など、正確さとスピードの両立が求められる場面が多くあります。
また、教育課程の改定や新カリキュラム導入などにも関わるため、大学の教育方針を理解する姿勢が大切です。
教務業務は、学生が安心して学べる環境を維持するために欠かせない役割を担い、大学全体の教育の質を支える要の仕事といえるでしょう。地道ながらも、大学の信頼を築く重要なポジションです。
②学生支援業務
学生支援業務は、学生のキャンパスライフをあらゆる面で支える仕事です。奨学金や学生寮の管理、生活相談、クラブ活動のサポートなど、学生生活の基盤を整える業務を担います。
学生一人ひとりの背景や悩みに寄り添う姿勢が求められ、コミュニケーション力が非常に重要です。ときには、保護者や教員と連携し、トラブルの解決に向けた調整を行うこともあります。
留学生対応や学生団体の支援など、対応範囲は年々広がっています。大学生活を安心して送れるよう支援することで、学生が成長する瞬間に立ち会えるのが大きな魅力です。
人と関わるのが好きな人にとって、やりがいを感じやすい職種でしょう。
③入試業務
入試業務は、大学の第一印象を左右する重要な仕事です。受験生への説明会対応や出願受付、試験実施、合否通知の発行など、入学試験に関するあらゆる事務を担当します。
年度ごとに、制度や方式が変わることも多く、最新の情報を正確に扱う力と、臨機応変な対応が欠かせません。また、広報部門と協力して大学の魅力を発信し、志願者数の増加を目指す取り組みも行います。
大規模なイベント運営のような側面もあり、チームワークが非常に重要です。
プレッシャーの大きい業務ですが、入学を心待ちにする受験生を迎える達成感は格別でしょう。大学の顔として、責任を持って臨む必要があります。
④広報業務
広報業務は、大学の魅力を社会に発信する仕事です。パンフレットやWebサイトの制作、SNS運用、広報誌の発行、オープンキャンパスの企画運営などを行っています。
学生や保護者、企業、地域社会など、発信先によって伝える内容や表現を工夫する必要があります。大学のブランド価値を高めるため、デザインやコピーライティングなどのスキルも求められるでしょう。
さらに、ニュースリリース作成やメディア対応を通じて、大学の認知度向上にも貢献します。自らの発信が、大学の印象を左右するため責任は大きいですが、成果が数字や評価として見えやすい点が魅力です。
大学の成長を外部へ発信する、創造的で影響力のある仕事といえます。
⑤経理・財務業務
経理・財務業務は、大学の安定した運営を支える中核的な仕事です。予算編成、会計処理、決算報告、研究費や補助金の管理などを行い、大学の資金の流れを正確に把握します。
特に、研究資金や寄付金など外部資金の管理には、高度な正確性と透明性が求められるでしょう。また、学内の部署との連携を通して、効率的な資金運用を提案する役割も担います。
数字を扱う業務ですが、経営の健全性を保つうえで欠かせない存在です。法律や会計基準に基づいた処理が必要なため、専門的な知識の習得も重要でしょう。
大学の財務面から、教育と研究を支える責任のある仕事です。
⑥人事・総務業務
人事・総務業務は、大学で働く教職員を支え、組織全体を円滑に運営する仕事です。教員の採用、勤怠管理、給与計算、福利厚生手続き、労務管理などが主な業務となっています。
さらに、大学行事や式典、会議の運営、文書管理など、大学全体の管理業務も担当します。多様な業務を同時に進めるため、マルチタスク能力と柔軟な対応力が欠かせません。
大学という大規模組織の中で、内部を支える総務部門の存在は非常に大きいです。
人事・総務業務は、教職員が安心して働ける環境を整えることで、大学全体の活力を高める役割を果たします。まさに大学組織の“縁の下の力持ち”といえる仕事です。
⑦研究支援業務
研究支援業務は、大学における研究活動を事務的に支える専門職です。研究費の申請や執行管理、学会発表のサポート、外部機関との契約処理などを行います。
特に、助成金や共同研究プロジェクトなどは、複雑な書類手続きが多く、正確で迅速な対応が求められます。教員が研究に専念できる環境を整えるのが、最大の目的です。
研究支援の現場では、最先端の技術や新しい学問に触れる機会も多く、知的好奇心を刺激される仕事といえます。
大学の知的成果を社会に還元するという使命を持つこの業務は、縁の下で大きな価値を生み出すポジションです。
⑧国際交流業務
国際交流業務は、海外の大学や学生との架け橋となる仕事です。外国人留学生の受け入れ、交換留学制度の運営、海外協定校との交渉、ビザ・在留資格の手続きなどを担当します。
語学力はもちろん、文化の違いを理解し尊重する姿勢が求められます。異なる価値観の人々と協働するため、コミュニケーション能力と調整力が不可欠です。
海外出張や国際イベントの企画など、グローバルな経験を積める点も魅力でしょう。
国際化が進む現代の大学において、海外ネットワークを広げるこの仕事は、ますます重要になっています。世界を舞台に、大学の発展に貢献できる職種です。
⑨キャリア支援業務
キャリア支援業務は、学生の就職活動を全面的にサポートする仕事です。企業説明会の企画や運営、履歴書の添削、面接練習、インターンシップの紹介などを行います。
学生一人ひとりの希望や個性を理解し、最適な進路を提案する姿勢が大切です。また、企業との関係構築や卒業生ネットワークの活用など、学外との連携も多く発生します。
大学全体の就職率向上に関わるため、プレッシャーはありますがやりがいも大きい仕事です。
学生が内定を得て笑顔になる瞬間に立ち会えるのは、何よりの喜びでしょう。教育と社会をつなぐ懸け橋となる重要な役割です。
大学事務の平均年収

大学事務の平均年収は、勤務先や経験、雇用形態によって異なります。安定した職種として人気が高い一方で、国公立と私立では差があるのも特徴です。
ここでは、厚生労働省の統計データをもとに、大学事務の収入を具体的に解説します。
- 最新統計データで見る平均年収
- 平均月収・時給換算ベースの目安
- 年齢・経験年数別で見る年収推移
- 国公立大学と私立大学での年収の違い
- 地域別・都道府県別で見る年収の違い
- 雇用形態別で見る年収比較
① 新統計データで見る平均年収
厚生労働省「職業情報提供サイト(jobtag)」の最新データによると、大学事務(学校事務を含む)の平均年収は、約481.4万円です。
この数値は、教育・学習支援業全体の中でも比較的高い水準で、安定した収入を得やすい職種といえます。大学事務は、年間を通して業務量が一定であり、景気変動や企業業績の影響を受けにくい点が特徴です。
そのため、経済情勢が不安定な時期でも、収入が落ちにくい安心感があります。また、賞与は年間で4~6か月分支給されるケースが多く、手厚い福利厚生も魅力です。
教育機関としての社会的信頼性が高い分、安定した環境の中で腰を据えて働けることが大学事務の大きな強みでしょう。長期的にキャリアを積むことで、安定とやりがいの両方を得られる職種です。
②平均月収・時給換算ベースの目安
大学事務の平均月収は、およそ40万円前後、時給に換算すると約2,460円程度とされています。この水準は、他の一般事務職と比べても高く、安定性の高さが際立ちます。
さらに、ボーナスや各種手当を含めると、年収ベースで大きく上振れすることもあります。
特に、私立大学では成果に応じた手当や、役職手当が支給されることもあり、実際の収入は平均値より高くなるケースも少なくありません。
ただし、大学ごとの給与体系や手当の種類によっても差が出るため、就職活動では「基本給+手当」の総額を確認することが重要です。
また、残業時間は比較的少ない傾向にあり、ワークライフバランスを保ちながら、安定した給与を得られる点も大学事務の魅力といえるでしょう。
③年齢・経験年数別で見る年収推移
大学事務の平均年齢は43.5歳で、平均年収は約481.4万円です。
この水準を基準に考えると、20代の初任給は年収300万~350万円前後からスタートする場合が多く、30代で450万~500万円、40代になると600万円を超えることも珍しくありません。
50代以降には、役職手当が加わることで700万円台に到達するケースもあります。大学事務は、年功序列的な昇給制度を採用する傾向が強く、勤務年数とともに給与が安定して上昇するのが特徴です。
転職による昇給よりも、同じ大学で経験を積み重ねることが収入アップにつながります。長く勤めるほど評価が上がりやすいため、地道にキャリアを築きたい人に向いている職種といえるでしょう。
④国公立大学と私立大学での年収の違い
大学事務の年収は、国公立大学と私立大学で明確な差があります。国立大学職員は、公務員に準じた給与体系を採用しており、平均年収は約450万~500万円前後です。
一方で、私立大学では大学の経営規模や学生数によって報酬水準が異なり、600万~800万円を超えるケースもあります。
特に、早稲田大学や慶應義塾大学、関西大学などの大規模私立大学は、民間企業の大手並みの給与水準を誇っています。私立大学は、賞与や住宅手当も充実しており、全体的に年収が高い傾向にあります。
ただし、私立大学は経営状態による影響も受けやすく、規模の小さい大学では国公立より低い場合もあるでしょう。安定性を求めるなら国公立、年収の上限を狙うなら私立という選択が一般的です。
⑤地域別・都道府県別で見る年収の違い
大学事務の平均年収は、全国で約481.4万円ですが、地域によって差が見られます。東京都や大阪府などの大都市圏にある大学では、600万円以上の給与を得るケースもあるようです。
これは大学の規模が大きく、運営資金が豊富であることが主な理由となっています。
地方では、400万~450万円台が中心となりますが、生活コストが抑えられる分、実質的な生活水準に大きな差は出にくいでしょう。
また、地方大学では住宅手当や家賃補助、通勤費の支給が手厚い傾向もあります。地域によっては、公立大学の待遇が高い場合もあるため、エリアごとの求人を比較することが大切です。
給与だけでなく、生活費・福利厚生・働きやすさを総合的に見て判断することが、満足度の高い就職先選びにつながります。
⑥雇用形態別で見る年収比較
大学事務には、正規職員・契約職員・派遣職員・非常勤職員など複数の雇用形態があります。厚生労働省の統計によると、正規職員の割合は約73%と高く、安定的な雇用が確保されていると言えるでしょう。
正規職員の平均年収は500万~700万円前後で、昇給や賞与も安定しています。一方で、契約職員では350万~450万円程度、派遣職員や非常勤では300万円前後が目安です。
ただし、非正規職員でも経験やスキルに応じて更新や昇給のチャンスがあり、長期的に働く人も増えています。
大学によっては正規登用制度が整備されているところも多く、実績を積むことでキャリアアップが可能です。安定とやりがいの両立を目指すなら、正規職員を目標にステップアップするのが理想的でしょう。
大学事務が高年収といわれる理由

大学事務は「安定していて収入が良い」と評される職種のひとつです。実際、同年代の他業種と比べても平均年収が高く、長期的な昇給を見込める傾向があります。
ここでは、大学事務が高年収とされる6つの理由を、より詳しく解説していきましょう。
- 安定した給与水準を維持するため
- 年功序列で昇給を実現するため
- ボーナスや手当を充実させるため
- 福利厚生を手厚くするため
- 長期的に年収を上げるため
- 大学の規模差による報酬格差が生まれるため
①安定した給与水準を維持するため
大学事務が高年収といわれる最も大きな理由は、給与制度の安定性にあります。
大学は、企業のように景気の影響を強く受けにくく、一定の運営資金が確保されているため、給与が大きく下がることはほとんどありません。
公立・私立を問わず、定期昇給や賞与の支給が制度として明確に定められており、職員は将来の生活設計を立てやすい環境にあります。
また、文部科学省の指導のもと、賃金水準が社会的に安定していることも大きな特徴です。業績評価による変動も少なく、長く勤めるほど年収が着実に上昇します。
安心して働ける環境が整っているため、家庭を持ちながら安定した生活を送りたい人にも人気の職業です。大学事務は経済情勢に左右されにくく、安定を求める人にとって魅力的な選択肢といえるでしょう。
② 年功序列で昇給を実現するため
大学事務では、年功序列制度が根強く残っており、勤続年数に応じて確実に給与が上がる仕組みが整っています。
新卒の初任給はそれほど高くなくても、在職年数が5年、10年と増えるにつれて昇給が重なり、40代には年収600万円を超えることも珍しくありません。
特に、国立大学法人では公務員に準じた給与体系が採用されており、安定した昇給が実施されています。
さらに、評価制度も「長く勤めてきた経験」を重視する傾向があるため、勤務を続けること自体が昇給の近道です。
実績が積み重なるほど責任ある仕事を任されるようになり、職務手当や役職手当が追加されることもあります。
努力と継続が正当に報われる仕組みが整っているため、地道にキャリアを築きたい人には最適な環境でしょう。
③ボーナスや手当を充実させるため
大学事務の年収を押し上げる大きな要素が、ボーナスや手当の充実です。多くの大学では、年間4~6か月分の賞与が支給され、さらに住宅手当、家族手当、通勤手当などが整っています。
私立大学では、経営が安定しているほどボーナスの支給額も高く、結果的に民間企業の平均より上回るケースもあります。
たとえば、大規模私立大学では、年収が800万円を超える職員も存在しています。また、研究支援や入試広報など特定の業務を担当する場合には、業務手当や特殊勤務手当が加算されることも多いでしょう。
こうした制度により、基本給だけでなく「実際の受け取り額」も大きくなるのが特徴です。大学事務は、安定した給与と手厚い手当の両方を得られる、数少ない事務職の一つといえるでしょう。
④福利厚生を手厚くするため
大学事務が高待遇といわれる理由の一つに、福利厚生制度の手厚さがあります。
社会保険や年金はもちろんのこと、住宅補助、育児支援、介護休暇、自己啓発支援など、職員が長く安心して働ける制度が整っています。
国立大学法人では、国家公務員共済組合に加入でき、医療費補助や共済年金、退職金などの保障が充実しているのも特徴です。
私立大学も独自の共済制度を運用しており、福利厚生面では民間企業に引けを取りません。さらに、大学によっては学食の利用補助や保養施設の割引制度、海外研修支援などもあり、金銭面以外のサポートも豊富です。
こうした仕組みは、結果的に職員の実質的な所得を押し上げる効果を持っています。給与だけでなく、働きやすさや安心感を重視する人にとって、大学事務は非常に魅力的な環境といえるでしょう。
⑤長期的に年収を上げるため
大学事務は短期的な昇給よりも、長期的に確実な年収アップを目指せる職種です。年功序列による安定した昇給に加え、管理職や専門職へのキャリアアップが明確に設計されています。
主任、係長、課長などに昇進すれば、年収は700万~800万円台に達し、大学によってはさらに上を目指すことも可能です。
また、大学の経営企画、国際交流、研究支援などの専門部署で経験を積むと、高い専門性が評価され、昇給スピードが上がる傾向があります。
昇進だけでなく、勤続年数に応じた退職金制度や、加算ボーナスも年収アップを後押しします。コツコツ努力を積み重ね、長く勤めるほど収入が上がるため、安定と成長を両立したキャリアを築きたい人に最適です。
⑥大学の規模差による報酬格差が生まれるため
大学事務の給与は、勤務先の大学の規模や財務状況によって大きく異なります。一般的に、学生数が多く財務基盤が強い大学ほど、給与が高くなる傾向があります。
早稲田大学や慶應義塾大学、同志社大学などの有名私立大学では、年収800万円を超えるケースも珍しくありません。一方で、地方の中小規模大学や短期大学では、400万~500万円台が中心となります。
国立大学法人は、全国的に給与基準が統一されているため、地域差は比較的小さいですが、私立大学は学費収入や寄付金などの運営資金に左右されやすく、格差が生まれやすいのが現状です。
志望する大学の経営状況を調べておくことで、将来どの程度の年収を見込めるのかを把握できます。自分のライフプランに合った大学を選ぶことが、安定した収入を得る第一歩となるでしょう。
大学事務が年収を上げる方法

大学事務は安定した職種ですが、少しの工夫や努力によって、さらに年収を上げることが可能です。昇進、資格取得、転職などの手段を理解し、戦略的に行動することで、着実にキャリアと収入を伸ばせます。
ここでは、大学事務として収入を高めるための6つの方法を、わかりやすく紹介します。
- 昇進・昇格して給与を上げる
- 専門資格を取得してスキルを高める
- 業務成果を上げて評価を得る
- 私立大学へ転職する
- 大学経営・企画職にキャリアチェンジする
- 副業や兼業で収入源を増やす
①昇進・昇格して給与を上げる
大学事務で、最も基本的な年収アップの方法は、昇進や昇格によって給与を引き上げることです。大学事務の多くは、年功序列をベースにしていますが、最近では成果やスキルを重視する大学が増えています。
主任や係長、課長などの役職に就くと、管理職手当や役職手当が支給され、年収は一気に上がります。特に、国立大学では職階が明確で、昇進ごとに給与が自動的に上がる仕組みが整っています。
昇進を目指すには、日々の業務で結果を残すだけでなく、他部署との連携や改善提案など「主体的に動く姿勢」を見せることが重要です。
自ら課題を見つけて解決策を提案する職員は、上司や組織から高く評価されやすいでしょう。積極性と信頼の積み重ねが、昇進への最短ルートです。
②専門資格を取得してスキルを高める
大学事務の業務は多岐にわたり、経理や人事、学生支援、国際交流など、それぞれに専門知識が求められます。
「日商簿記」「TOEIC」「社会保険労務士」「FP」などの資格は業務との関連性が高く、実務力を示す証明にもなるでしょう。
資格を持つことで、昇進のチャンスや他部署への異動の機会が広がり、結果的に年収アップにもつながります。特に、英語力やデータ分析力は、国際系・研究系部署で高く評価される傾向があるでしょう。
また、大学によっては資格取得手当や受験料補助を用意している場合もあり、挑戦しやすい環境が整っていることもあります。
学び続ける姿勢を持つことで、職員としての専門性を高め、自分の市場価値を上げていきましょう。
③業務成果を上げて評価を得る
大学事務はチームで動く仕事が多い一方で、個人の成果も確実に評価対象となります。
たとえば、入試業務で志願者数を増やす施策を打ち出したり、経理でコスト削減を実現したりするなど、明確な成果を出すことで評価が高まるでしょう。
大学によっては、業績評価制度を導入しており、優秀な職員には特別手当や報奨金が支給されるケースも。また、学生対応や教員サポートの質を高めることも、上司や同僚からの信頼を得るうえで重要です。
業務改善の提案を積極的に行い、組織全体の効率を上げることができれば、より高い評価を得られるはずです。
成果を「見える形」で残すために、日々の業務をデータ化し、報告資料にまとめておくと効果的です。努力を数字で示すことが、昇給への近道になります。
④私立大学へ転職する
大学事務で年収を上げたい場合、私立大学への転職は効果的な選択肢です。国立大学は安定していますが、公務員的な給与体系のため上限が決まっています。
その点、私立大学は経営基盤が強いほど給与が高い傾向にあり、早稲田大学や慶應義塾大学などの大規模大学では、年収700万〜900万円台に達する職員もいます。
また、学校法人によっては民間企業出身者を積極的に採用しており、社会人経験や専門スキルを評価してくれるケースもあります。
転職活動では、給与額だけでなく福利厚生、昇給制度、労働環境を総合的に比較することが大切です。大学の経営状況や職員の平均年齢、離職率を調べておくと安心でしょう。
自分のキャリアの方向性と大学の理念が一致しているかどうかも、転職成功の大きなカギになります。
⑤大学経営・企画職にキャリアチェンジする
大学事務の中でも、経営企画職は高収入を狙いやすいポジションです。大学の運営戦略や改革方針を立案する役割を担うため、より高いスキルと責任が求められます。
企画職は、マーケティング、データ分析、教育改革、国際連携など幅広い分野に関わるため、論理的思考力と柔軟な発想が不可欠です。
管理職クラスになると、年収800万円を超えることもあり、成果次第ではさらに上を目指すことも可能でしょう。
経営層に近い立場で意思決定に関わるため、大学全体を動かすダイナミックな仕事を経験できます。
キャリアチェンジを目指す場合は、現職で企画・運営に関する実績を積み、数字に基づいた提案力を磨くことが重要です。自ら新しい施策を立ち上げ、実現まで導く力を養えば、キャリアの幅が格段に広がるでしょう。
⑥副業や兼業で収入源を増やす
大学事務は残業が少なく、比較的ワークライフバランスを取りやすい職種です。そのため、副業や兼業に挑戦しやすい環境といえます。
近年は、副業を容認する大学も増えており、Webライター、翻訳、オンライン講師、家庭教師など、自分のスキルを活かした仕事が人気です。
資格を活かした講座運営や、教育コンサルティングなどを行う職員もいます。副業を通じて得られる経験やスキルは、本業にも良い影響を与えます。
たとえば、ライティング能力やプレゼン力が向上すれば、広報やキャリア支援業務で役立つでしょう。ただし、副業には大学ごとの規定があるため、事前に確認しておくことが必要になります。
無理のない範囲で時間を管理しながら、安定した収入にプラスアルファを加えるのが理想です。副業はリスクを抑えながら、自分の可能性を広げる良い手段といえるでしょう。
大学事務で年収1,000万円は可能?

大学事務は、安定した職業として人気がありますが、「年収1,000万円」を実現できるのか気になる方も多いでしょう。
一般的には、難しいといわれていますが、一定の条件を満たせば到達することも不可能ではありません。ここでは、大学事務で高収入を目指すための、現実的な道筋とそのポイントを詳しく解説します。
- 年収1,000万円を達成するための条件
- 年収1,000万円を実現できる大学・キャリアパス
- 大学事務で高収入を狙う際の注意点とリスク
①年収1,000万円を達成するための条件
大学事務で、年収1,000万円を実現するためには、管理職以上の役職に就くことが絶対条件です。多くの大学では、課長クラスで年収700万〜900万円ほど、部長クラスでようやく1,000万円前後に届く水準でしょう。
そのため、長期的に昇進を重ね、大学経営や学内方針の決定に深く関わる立場を目指す必要があります。さらに、給与水準は国立大学よりも、私立大学の方が高い傾向にあるでしょう。
国立大学は、公務員型の給与体系のため上限が決まっていますが、私立大学では大学の収益や経営状況に応じて報酬が上乗せされることがあります。
また、大学改革や国際連携、寄附金増加など、大学の成長に直結する実績を上げることも昇給に欠かせません。自ら課題を見つけ、成果を数字で示せる人ほど評価されやすい傾向にあります。
大学運営を支える「経営意識」を持つことが、1,000万円への第一歩といえるでしょう。
②年収1,000万円を実現できる大学・キャリアパス
年収1,000万円を目指せる大学は、経営基盤のしっかりした大規模私立大学が中心です。
たとえば、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、立命館大学、関西学院大学などでは、部長級や法人本部の管理職で1,000万円を超えるケースがあります。
こうした大学では、学生数・資産規模・外部資金が大きく、大学全体の運営を担う職員に高い報酬を支払う傾向があります。
キャリアの流れとしては、一般職員から係長・課長・部長と昇進し、大学経営や戦略立案に携わることで高収入に近づきます。また、法人本部や企画職、経営企画部門への異動は年収アップに直結するでしょう。
民間企業でのマネジメント経験や財務スキルを評価し、私立大学に転職して昇進するルートもあります。英語力やデータ分析力、経営感覚などを磨き、大学の成長を支える人材になることが重要です。
特に、大学改革や国際戦略の分野に強い人は、評価が高まりやすいでしょう。
③大学事務で高収入を狙う際の注意点とリスク
大学事務で、年収1,000万円を目指すうえでは、いくつかのリスクも理解しておく必要があります。まず、管理職ポストは限られており、昇進競争は非常に厳しいのが現実です。
特に、私立大学では成果主義が進んでおり、実績が明確に示せない職員は昇格が難しい場合があります。また、大学の経営状況や少子化の影響で、昇給が抑えられるリスクもあるでしょう。
さらに、管理職になると業務範囲が広がり、経営陣との会議や外部対応が増えるため、労働時間が長くなる傾向があります。
深夜や休日対応も発生し、ワークライフバランスが崩れる可能性も否定できません。収入だけを追い求めると、精神的負担が大きくなることもあります。
そのため、自分がどんな働き方を望むのかを明確にし、長期的にやりがいを感じられるキャリアを設計することが大切です。
安定と挑戦のバランスを見極めることが、高収入と充実した働き方を両立するカギとなるでしょう。
大学事務の将来性

大学事務は、安定した職種として人気がありますが、少子化や大学改革の影響により、今後の働き方や役割はますます変化していくでしょう。
ここでは、大学事務の将来性を多角的な視点から分析し、長く安定して働き続けるために意識すべきポイントを詳しく解説します。
変化の波にどう対応すればよいかを理解することで、今後のキャリア形成にも大きなヒントが得られるはずです。
- 少子化による大学事務の需要変化
- 今後の大学経営と事務職員の役割の変化
- 大学事務として安定して働き続けるためのポイント
①少子化による大学事務の需要変化
少子化の進行により、全国の大学では入学者数が減少し、経営環境が厳しさを増しています。
これまでのように、受け身で学生を受け入れる体制では立ち行かず、大学ごとに特色ある戦略が求められるようになりました。
その結果、大学事務の役割も従来の事務処理中心から、より企画・広報・経営寄りの業務へと変化しています。
特に地方大学では、地元企業や自治体との連携を強化し、地域に根ざした活動を進める必要が生じてきている状況です。
そのため、事務職員も地域交流イベントの企画や、産学連携プロジェクトの推進など、これまでにない仕事に携わるケースが増えています。
さらに、ICT化の進展に伴い、オンライン授業のサポートや学生データの分析など、デジタルスキルの習得が不可欠になります。
求められるのは“効率的に処理する人”から“課題を発見し、提案・改善できる人”への変化です。今後の大学事務は、変化をチャンスと捉え、積極的にスキルアップを図る姿勢が求められるでしょう。
②今後の大学経営と事務職員の役割の変化
これからの大学経営は、少子化やグローバル化、教育DXの推進など、さまざまな課題を同時に解決していく必要があります。
その中で、大学事務職員の役割は、より専門的で戦略的なものに変わりつつあるようです。
これまでのように、教員を支える“サポート役”にとどまらず、大学全体の方針決定や運営方針の立案に関わるケースも増えてきました。
たとえば、経営企画や財務分析、教育プログラムの設計、国際連携の調整など、大学の持続的成長に直結する業務が拡大しています。今後は、「大学を運営する一員」という意識が欠かせません。
自ら学び、大学経営や教育政策、国際教育の知識を身につけることがキャリアアップの近道です。また、大学間競争が激しくなる中で、柔軟に動ける人材が評価されやすくなっています。
部門を越えてプロジェクトを推進できる協調力や、問題を先読みして行動できる力が求められるでしょう。大学事務は“守りの職種”から“攻めの職種”へと変化しており、主体性のある人ほど将来性が高まります。
③大学事務として安定して働き続けるためのポイント
大学事務として長く安定して働くためには、変化する環境に柔軟に対応し、自分の強みを伸ばす努力が欠かせません。まず大切なのは、ITリテラシーの向上です。
大学の業務システムや、データ分析ツールを自在に使いこなせる職員は、今後ますます重宝されるでしょう。
さらに、学生・教員・外部機関など、多様な立場の人と関わる機会が多いため、信頼を得るためのコミュニケーション力も必須です。
特に、トラブル対応や調整業務では、丁寧さと柔軟な発想力の両方が求められます。また、語学力を身につけることで、国際交流部門や留学生支援などグローバル分野へのキャリアの道が開けるでしょう。
資格取得も効果的で、経営学や教育行政に関連する知識を習得しておくと、昇進にも有利に働きます。
安定して働ける環境である一方、環境の変化をチャンスとして成長につなげる姿勢が、大学事務としての価値を高めるポイントです。
時代の変化を前向きに受け入れ、自ら行動できる人こそ、長期的にキャリアを築けるでしょう。
大学事務のキャリアと年収の展望

大学事務は、教育現場を支える専門職として安定した人気を誇ります。多様な部署で専門性を発揮しながら働ける点や、年功序列による昇給制度、充実した福利厚生などが魅力です。
実際の平均年収は約450万〜600万円と安定しており、経験や大学の規模によって大きく伸びる傾向があります。特に、私立大学や経営・企画職に進むことで、高年収を実現できるケースも少なくありません。
さらに、資格取得や副業などで収入を増やす道もあります。少子化によって大学業界の構造が変化する中でも、デジタルスキルや企画力を磨くことで、将来にわたって需要の高い職種であり続けるでしょう。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。