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内定辞退を手紙で伝える方法とマナー|例文つきでわかりやすく解説

「内定辞退って、手紙で伝えたほうがいいの?」

内定を辞退することになったとき、「電話だけで済ませていいのかな?」「手紙の方が丁寧?」と迷う人は少なくありません。

言葉選びや形式を誤ると、失礼な印象を与えてしまう可能性もあるため、正しいマナーを押さえた対応が求められます。

そこで本記事では、内定辞退を手紙で丁寧に伝える方法やマナー、書き方のポイントを例文つきでわかりやすく解説します。

相手に失礼のないように、誠実な気持ちをしっかり届けたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。

「あなたはビジネスマナーを分かっている?」

就活が始まると、面接や説明会など社会人と接する場面が増えていきます。

そこで意外と見られているのが、言葉遣いや挨拶、メールの書き方といった「ビジネスマナー」。マナーを知らないだけで無意識のうちに印象が悪くなっているケースもあり、選考通過のためにも事前にしっかりと確認しておく必要があります。

就活マガジン編集部では、忙しい就活生のために、これだけ見ればビジネスマナーが網羅できる「ビジネスマナー攻略BOOK」を無料で配布しています。気になる方は無料ダウンロードしてみてくださいね。

目次

内定辞退は手紙で誠意を伝えよう

内定を辞退する際、電話で済ませるケースもありますが、手紙を添えることで相手企業に誠意が伝わる場面もあります。

たとえば、すでに内定を承諾していたり、学校や知人の紹介を受けた企業の場合、電話だけで済ませてしまうと不誠実な印象を与えかねません。

そうしたときに丁寧な文章で辞退の意思を伝える手紙を送れば、最後まで誠意ある対応として受け取ってもらえる可能性が高まります。

そうした対応は、社会人としての信頼につながり、今後のキャリアや人間関係にも良い影響を与えるかもしれません。

内定辞退を手紙で伝えたほうがいいパターン

内定辞退は電話やメールでも可能ですが、場合によっては手紙で伝えるほうが適切です。

手紙を用いることで誠意が伝わりやすくなり、不要なトラブルを避けられることもあるでしょう。

ここでは、どのような状況で手紙による内定辞退が望ましいのかを具体的に紹介します。

  1. 内定承諾後に辞退する場合
  2. 知人や学校から紹介された企業を辞退する場合
  3. 老舗や礼儀を重んじる企業を辞退する場合
  4. 電話がつながらない・連絡がとりにくい場合
  5. トラブル防止や記録を残したい場合

① 内定承諾後に辞退する場合

内定を承諾した後に辞退する場合は、企業に大きな迷惑をかけることになります。採用枠や業務スケジュールの調整が必要になる可能性があるからです。

こうした場合には、電話だけでなく手紙を送ることで、誠実な姿勢がより明確に伝わるでしょう。

手紙では、内定辞退の理由を簡潔に述べたうえで、これまでの対応に対する感謝や迷惑をかけたことへの謝罪を含めることが大切です。

このような対応をしておけば、将来的に企業や関係者とのご縁が再び生まれたときにも、良好な印象を保ちやすくなるでしょう。

② 知人や学校から紹介された企業を辞退する場合

知人や大学、キャリアセンターなどから紹介された企業を辞退する際は、特に配慮が求められます。

手紙で丁寧に辞退の意思を伝えれば、紹介者にも企業にも敬意を示せます。感謝の気持ちとともに、辞退する理由や申し訳なさを率直に記すことで、相手に対する誠実さが伝わるでしょう。

こうした対応は、社会人としての基本的なマナーでもあり、自分の信頼や紹介者との関係を守るうえでも非常に重要です。

③ 老舗や礼儀を重んじる企業を辞退する場合

長い歴史を持つ老舗企業や、礼儀や形式を重視する社風の企業では、連絡手段にも配慮が必要です。こうした企業は、メールや電話よりも正式な手紙でのやり取りを好む傾向があります。

そのため、内定辞退の連絡も手紙で行うのが適切です。形式に則った手紙を送れば、ビジネスマナーを理解していることが伝わり、失礼な印象を与えずに済むでしょう。

一方で、カジュアルな連絡方法を選んでしまうと、本人だけでなく大学や紹介者の評価にも悪影響を及ぼす恐れがあります。礼儀を尽くす手段として、手紙は信頼を保つ強力な手段といえるでしょう。

④ 電話がつながらない・連絡がとりにくい場合

採用担当者と電話での連絡がつかない場合、何度もかけ直すことになり、辞退のタイミングを逃すこともあります。そうしたときには、手紙を送ることでスムーズに意思を伝えられるでしょう。

手紙であれば、相手の都合に関係なく一方的に情報を伝えられ、しかも記録として残せます。これは、辞退が正確に伝わったことを証明するうえでも有効です。

留守番電話や折り返しが難しい状況では、手紙による対応を検討してください。丁寧な言葉遣いと誠意ある文面を心がけることで、企業にも好印象を与えられるでしょう。

⑤ トラブル防止や記録を残したい場合

内定辞退を口頭のみで伝えると、「言った・言わない」の行き違いが起きる可能性があります。誤解を避けるためにも、手紙という書面での連絡は有効な手段です。

手紙は、やり取りの記録として残り、万一のトラブル発生時にも証拠になります。

また、文章であれば冷静に状況や気持ちを整理して伝えられるため、相手の受け止め方もより良くなるでしょう。

辞退の連絡を確実に残したいときや、後のトラブルを防ぎたいと考えるなら、手紙での対応がもっとも適しています。

内定辞退を手紙で伝えるメリット

内定辞退を手紙で伝えるべきか、迷っている方は多いのではないでしょうか。

電話だけでも構いませんが、手紙を添えることでより丁寧な印象を残せるでしょう。

ここでは、就活生が手紙を使うことで得られる主なメリットを紹介します。

  1. 誠意や丁寧さを伝えられる
  2. 印象が悪化しにくくなる
  3. トラブル回避につながる
  4. 電話で伝えにくい内容を補足できる
  5. 書面として記録が残る

① 誠意や丁寧さを伝えられる

手紙を送ることで、あなたの誠意や丁寧さがしっかりと伝わります。

特に、感謝やお詫びなど繊細な気持ちを伝えるには、丁寧に書かれた文章のほうが誠意が伝わりやすいでしょう。また、企業は多くの学生と接する中で、対応の姿勢を重視しています。

そのため、形式的なやりとりにとどまらず、手紙というひと手間をかけた対応をすることで、「この学生は信頼できる」と思ってもらえる可能性が高くなるでしょう。

入社しない企業であっても、社会人としての評価につながることを意識したいところです。

② 印象が悪化しにくくなる

内定辞退は企業側にとって残念な知らせであることに違いありません。しかし、手紙を添えることで「きちんと向き合ってくれている」と受け取ってもらいやすくなります。

電話だけで伝えた場合、事務的・一方的と感じる担当者もいるかもしれません。一方で、丁寧な文面での手紙があると、あなたの人柄や誠実な姿勢が伝わり、印象が大きく損なわれることは少ないでしょう。

特に就活の世界は狭く、どこで再び接点が生まれるか分かりません。未来のご縁に備える意味でも、円満な辞退を目指すことは大切です。

③ トラブル回避につながる

手紙はあなたの意思を正確に伝える手段として非常に有効です。口頭でのやりとりだけでは、どうしても誤解や行き違いが起きるリスクがあります。

特に企業が内定辞退の連絡を正式に受け取っていなかった場合、採用スケジュールに混乱が生じる可能性も否定できません。

そのような事態を防ぐためにも、明文化された書面での辞退通知は安心材料になります。手紙であれば「いつ、どのような内容で辞退したか」が明確に残るため、トラブルの抑止につながるでしょう。

あなた自身の記録として残す意味でも価値があります。

④ 電話で伝えにくい内容を補足できる

辞退の理由が複雑だったり、感情的になりやすい場合は、電話だけで伝えきるのは難しいと感じることもあるはずです。

相手の反応に戸惑ったり、自分の気持ちが整理できていなかったりすると、言葉がうまく出てこないこともあります。

そうしたとき、手紙は冷静に言葉を選ぶ時間が持てるため、自分の意志や考えをより丁寧に伝えられます。手紙は気持ちの補足だけでなく、意思の裏づけとしての役割も果たします。

⑤ 書面として記録が残る

手紙は書面として残るため、送る側・受け取る側の双方にとって安心感があります。口頭やメールでは記録として曖昧になりがちですが、手紙であれば確実な証拠として扱える点が強みです。

特に、企業側が「辞退の連絡が来ていない」と誤認するリスクを避けるうえで、手紙の存在は重要。また、あなた自身も控えを残しておくことで、就活の記録として後々見返せる安心材料になります。

正式なやりとりとしての体裁が整っているため、ビジネスシーンでも応用できる基本スキルとして習得しておく価値があるでしょう。

内定辞退をする際の正しい手順

内定を辞退する際は、相手企業への配慮を忘れずに、誠意を持った行動が求められます。

マナーを守った対応は、社会人としての信頼を高める第一歩です。

ここでは、内定辞退を適切に進めるための手順を3つのステップに分けて紹介します。

  1. 電話で辞退の意思を伝える
  2. 手紙を準備する
  3. 郵送する

① 電話で辞退の意思を伝える

内定を辞退すると決めたら、できるだけ早く電話でその意思を伝えることが大切です。メールだけでは気持ちが伝わりづらく、失礼にあたると受け取られるかもしれません。

電話なら相手の反応を確認しながら話せるため、誤解を防ぎやすくなります。まずは担当者の名前を確認し、平日の日中に電話をかけましょう。

緊張してしまう場合は、伝える内容を事前にメモしておくと安心です。

言いにくいことでも、丁寧に伝えることで相手の理解を得やすくなるでしょう。

② 手紙を準備する

電話で辞退の連絡をしたあとは、正式な形で手紙を送っておくと安心です。口頭だけだと証拠が残らないため、万が一の行き違いを防ぐためにも書面でのフォローは欠かせません。

手紙には、感謝・辞退の意思・簡潔な理由・お詫びの順で気持ちを丁寧にまとめましょう。

文章は手書きが望ましく、縦書きの便箋に黒インクのペンを使うと、より丁寧な印象を与えられます。

どんな理由であっても、最後まで誠実な対応をすることが、あなたの信頼を守ることにつながります。

③ 郵送する

手紙が完成したら、できるだけ早く郵送しましょう。封筒は白無地を使用し、表には企業名と担当者名、裏には自分の氏名と住所を明記してください。

切手の貼り忘れや料金不足がないよう、確認も忘れないようにしましょう。郵送方法は普通郵便で構いませんが、確実に届けたい場合は簡易書留が安心です。

手紙が届くまでに時間がかかることもあるため、なるべく早めの対応を意識してください。

スムーズかつ丁寧な手続きが、企業に対する最後の印象を決める重要なポイントですよ。

手紙を書く際の基本マナー

内定辞退の手紙では、誠意を伝えるために形式や書き方にも気を配ることが大切です。

どれだけ内容が丁寧でも、書式や表現が適切でなければ、誤解を生むおそれがあるでしょう。

ここでは、手紙を作成する際に気をつけたい基本的なマナーを5つ紹介します。

  1. 手書き・縦書きが基本
  2. 白無地の便箋を使用する
  3. 黒の油性ボールペンや万年筆を使用する
  4. 読みやすく丁寧な文体を心がける
  5. 丁寧語・尊敬語を正しく使う

① 手書き・縦書きが基本

内定辞退の手紙は、基本的に手書きが望ましいです。とくに縦書きは、より丁寧で落ち着いた印象を相手に与えるため、ビジネスマナーとしても好まれます。

文字に気持ちを込めて書くことで、相手に真摯な姿勢が伝わりやすくなるのです。パソコンでの作成は、やむを得ない事情がある場合に限りましょう。

たとえば、けがや障がいなどで手書きが難しい場合を除き、基本は直筆で書くのが無難です。

印刷された文面は一見整って見える反面、感情や人柄が伝わりにくいため、手紙の本来の目的にはそぐわない場合があります。

② 白無地の便箋を使用する

使用する便箋は白無地のものを選ぶことが基本です。ビジネスの場では、カラフルな柄やイラスト入りの便箋はふさわしくありません。清潔感があり、書かれている内容に集中できるデザインを選びましょう。

また、罫線があるタイプを使うと文字のバランスがとりやすくなり、全体の印象も整います。

文房具店や文具コーナーには、ビジネス用の便箋が多く販売されているため、迷ったら「白無地」「罫線入り」「和紙風」などを選ぶと安心です。派手さよりも落ち着きを優先してください。

③ 黒の油性ボールペンや万年筆を使用する

筆記具は、黒の油性ボールペンまたは万年筆を使うのが基本です。青や赤、ゲルインク、消せるボールペン、鉛筆などは公的な文書には不向きとされています。

書いた文字が時間の経過で薄れたり、消えたりする可能性のあるペンも避けるべきです。さらに、修正液や修正テープを使っての訂正はマナー違反とされます。

万が一書き間違えた場合は、潔く新しい便箋に書き直しましょう。少しの手間を惜しまないことで、相手に与える印象は大きく変わります。文面の内容だけでなく、筆記具選びにも気を配ることが大切です。

④ 読みやすく丁寧な文体を心がける

どれだけ誠実な内容であっても、文字が乱雑であれば相手に伝わりにくくなります。文字の形や大きさを意識しながら、読みやすく丁寧に書くことを心がけてください。

とくに行間が詰まりすぎていたり、文字が小さすぎたりすると、読み手にストレスを与える可能性があるのです。余白を適度に保ち、全体のバランスを整えることで、落ち着いた印象を演出できるでしょう。

また、改行や段落を使ってメリハリをつけると、文章全体が見やすくなります。読み手への思いやりが、自然と見た目にも表れる文面を目指しましょう。

⑤ 丁寧語・尊敬語を正しく使う

手紙は文章でやりとりするからこそ、敬語の正確な使い方が求められます。

たとえば「ご苦労さまです」は目上の人には使わず、「お疲れさまです」や「ありがとうございます」といった表現に言い換える必要があるのです。

また、「拝啓」や「敬具」などの定型表現、「貴社」「貴重なお時間」などの尊敬語はビジネス文書では欠かせません。使い慣れていない人は、例文を参考にしながら確認するのがおすすめです。

不安がある場合は、家族や友人に下書きを読んでもらうのも一つの方法でしょう。

内定辞退の手紙の書き方

内定辞退を手紙で伝える際は、構成やマナーに気を配ることが大切です。形式に沿った丁寧な文面にすることで、相手に誠意が伝わり、失礼のない対応になるでしょう。

ここでは、内定辞退の手紙を書くときに押さえるべきポイントを5つ紹介します。

  1. 頭語と時候の挨拶を書く
  2. 内定への感謝の気持ちを伝える
  3. 辞退の意思を明確に述べる
  4. 辞退理由を添える
  5. 謝罪と今後の発展を祈る言葉で締める

① 頭語と時候の挨拶を書く

手紙の冒頭では、「拝啓」や「謹啓」といった頭語を使い、次に季節に合った時候の挨拶を入れてください。たとえば「春暖の候」「盛夏の候」などが代表的です。

形式的に感じるかもしれませんが、こうした表現はビジネス文書の基本とされています。型に沿った書き出しを意識するだけで、文章全体の印象が整い、丁寧な印象を与えやすくなるでしょう。

書き出しで手を抜かないことが、信頼感のある手紙につながります。

② 内定への感謝の気持ちを伝える

最初に伝えるべきは、内定を出してくれた企業への感謝です。「このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます」といった一文を加えてください。

企業は選考を通じて多くの時間をかけています。その労力に対する感謝をしっかり表すことで、誠実な姿勢が伝わるでしょう。逆に、この部分を省略すると冷たい印象を持たれるかもしれません。

丁寧な感謝の言葉で、相手への配慮を示しましょう。

③ 辞退の意思を明確に述べる

感謝の言葉の後には、辞退の意思をはっきり伝える必要があります。「誠に勝手ながら、内定を辞退させていただきたく存じます」といった表現が一般的です。

曖昧な言い回しは誤解を生む原因になりますので、遠回しにせず、はっきりと伝えるようにしてください。その際、強すぎる表現を避け、相手を思いやる文調を心がけると印象が和らぎます。

わかりやすく、かつ丁寧な言い回しがポイントです。

④ 辞退理由を添える

辞退の理由は、簡潔に記載するだけでも相手の理解が得られやすくなります。「他社への入社を決めたため」や「進路を見直した結果」といった表現で十分です。

ただし、企業への不満や選考への批判などは書かないでください。あくまで自分の都合としてまとめることが大切です。理由を添えることで、相手も状況を把握しやすくなり、気持ちよく対応してくれるはず。

相手に配慮した内容に整えることがポイントです。

⑤ 謝罪と今後の発展を祈る言葉で締める

手紙の締めくくりには、迷惑をかけたことへの謝罪と、企業の今後の発展を願う言葉を加えましょう。

「ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません」といった謝罪に続けて、「貴社のさらなるご発展をお祈り申し上げます」といった文で締めるのが一般的です。

この一文があることで、手紙全体がより丁寧な印象になります。単に辞退を伝えるだけでなく、相手を思いやる姿勢が伝わると、誠実な印象で終えることができるでしょう。

最後まで丁寧に締めくくることが、良い印象を残すカギです。

内定辞退の手紙の例文

内定辞退を手紙で伝えたいけれど、どのように書けばいいのか分からず悩んでいませんか?ここでは、状況ごとに使える内定辞退の例文を紹介します。

自分のケースに合った書き方を参考にしながら、失礼のないように丁寧に伝えましょう。

  1. 一般的な企業への内定辞退例文
  2. 内定承諾後に辞退する場合の例文
  3. 紹介や推薦を受けた企業への例文
  4. 礼儀を重視する企業向けの例文
  5. 辞退理由を曖昧にしたい場合の例文

一般的な企業への内定辞退例文

ここでは、一般的な企業に対して内定を辞退する場合の例文をご紹介します。特別な事情がなくても、丁寧に気持ちを伝えることが大切です。

《例文》

拝啓

秋風が心地よい季節となりましたが、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。選考の過程では貴社の皆様に温かくご対応いただき、心より感謝申し上げます。

誠に勝手ながら、熟考を重ねた結果、他の企業への就職を決意いたしましたため、内定を辞退させていただきたく存じます。

貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、このような結果となり申し訳ございません。

末筆ながら、貴社のますますのご発展と、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。

敬具

《解説》
この例文は、特別な事情がない一般的なケースで使用しやすい内容になっています。相手への感謝とお詫びをしっかりと盛り込みつつ、辞退の理由を簡潔に伝える構成がポイントです。

内定承諾後に辞退する場合の例文

ここでは、すでに内定を承諾した企業に対して、やむを得ず辞退を申し出る際の例文を紹介します。迷惑をかける立場であることを自覚し、丁寧な言葉選びを心がけることが重要です。

《例文》

拝啓

春風が心地よい季節となりましたが、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

このたびは内定のご通知を賜り、さらに承諾のご連絡を差し上げたにもかかわらず、誠に勝手ながら内定を辞退させていただきたく、お詫びとともにご連絡申し上げます。

就職活動を通じて多くを学ぶなかで、自分の将来像を改めて見つめ直し、他の道に進む決意を固めました。

貴社には多くのご配慮と貴重なお時間をいただいたにも関わらず、このような結果となり大変心苦しく存じます。

貴社のご厚意に深く感謝するとともに、今後のご発展を心よりお祈り申し上げます。

敬具

《解説》
一度承諾した後に辞退する場合は、強い謝意と事情説明が欠かせません。理由は詳細に語らずとも「将来像の再考」など柔らかい表現で伝えると好印象です。

紹介や推薦を受けた企業への例文

ここでは、ゼミの教授やキャリアセンターなどの紹介で応募し、内定をいただいた企業に辞退を申し出る際の例文をご紹介します。紹介者への配慮と、企業への誠意を伝える文面が求められるでしょう。

《例文》

拝啓

新緑の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

このたびは、〇〇大学〇〇教授のご紹介により、採用選考の機会をいただき、さらに内定のご連絡を賜り誠にありがとうございました。

選考を通して貴社の社風や業務内容に魅力を感じ、入社を前向きに検討してまいりましたが、最終的に自分の志向や将来の方向性を見直した結果、他の進路を選ぶ決断をいたしました。

貴重なお時間とご厚意に深く感謝申し上げるとともに、貴社のさらなるご発展と皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。

敬具

《解説》
紹介者が関わる場合は、企業への配慮に加え、紹介してくれた相手の顔を立てる表現も意識しましょう。「紹介により」「ご厚意に感謝」などの言葉を使うのがポイントです。

礼儀を重視する企業向けの例文

ここでは、歴史ある企業や形式を大切にする企業に対して、内定辞退を伝える際の例文をご紹介します。言葉遣いや構成に特に配慮し、丁寧な文面を意識することが大切です。

《例文》

拝啓

初夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

このたびは、採用選考の機会をいただき、さらには内定のご通知まで賜り、誠にありがとうございました。

貴社の伝統ある理念や落ち着いた社風に魅力を感じ、入社を前向きに検討してまいりましたが、熟慮の末、他の進路を選ぶことを決意いたしました。

このような形でご期待に沿えず、誠に申し訳なく存じます。

貴重なお時間とご配慮に深く感謝申し上げますとともに、貴社のさらなるご発展と皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。

敬具

《解説》
格式を重んじる企業に送る場合は、「理念」「社風」「ご期待に沿えず」など、伝統や配慮を意識した言葉を用いるのが効果的です。硬すぎず、丁寧な印象を心がけましょう。

辞退理由を曖昧にしたい場合の例文

内定をいただいた企業に対して、具体的な辞退理由を伝えることに抵抗がある方も多いでしょう。ここでは、理由をぼかしつつも誠実さを伝える手紙の例文をご紹介します。

《例文》

拝啓

貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。貴社の選考を通して多くの学びを得られましたこと、心より感謝申し上げます。

熟慮を重ねた結果、誠に勝手ながら今回の内定を辞退させていただくことにいたしました。
大変ご迷惑をおかけいたしますことを深くお詫び申し上げます。

貴社に対しては、今後も変わらぬ敬意を抱いております。

貴重なお時間とご配慮をいただきましたことに重ねて御礼申し上げますとともに、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。

敬具

《解説》
辞退理由をあえて明記せず、感謝と敬意を前面に出すことで印象を損なわずに辞退できます。迷ったら「熟慮の末、辞退を決断した」とする書き方が使いやすく万能です。

内定辞退の手紙を書く際の注意点

内定辞退の手紙は、内容の丁寧さだけでなく細かな配慮も求められます。不適切な表現や誤りがあると、相手に不快な印象を与えることにもなりかねません。

ここでは、手紙を書くときに気をつけたい注意点を5つに整理しました。

  1. 企業名・担当者名を正確に書く
  2. 辞退理由は簡潔かつ誠実に伝える
  3. 感情的な表現は避ける
  4. 攻撃的・批判的な文面を避ける
  5. 誤字脱字や敬語の誤用を避ける

① 企業名・担当者名を正確に書く

企業名や担当者名を間違えると、誠意を欠いた印象を与えてしまいます。略称を使ったり漢字を間違えたりするのは避けてください。

採用通知や企業ホームページ、名刺などで正式名称を確認したうえで、正しく記載しましょう。また、「御社」「貴社」などの敬称も文脈に応じて適切に使う必要があります。

書き出しの宛名は「○○株式会社 人事部 採用ご担当 ○○様」のように、肩書きも含めて丁寧に記載してください。

細かな部分ほど印象に影響するため、確認を怠らないようにしましょう。

② 辞退理由は簡潔かつ誠実に伝える

辞退の理由について、詳細に書く必要はありませんが、まったく触れないのも不自然です。「他社からの内定を受けたため」「家庭の事情により」など、簡潔で誠意のある理由を添えるのが望ましいでしょう。

ただし、「条件が合わなかった」など、否定的な表現は避けてください。相手への配慮を忘れず、感謝の気持ちを必ず伝えるようにします。

文面全体として丁寧で謙虚な姿勢を示すことで、企業側の受け止め方も柔らかくなるでしょう。

③ 感情的な表現は避ける

辞退の理由に対して個人的な感情を強く盛り込むと、手紙全体の印象が悪くなることがあります。

「非常に不満に思った」「後悔している」といった表現は、相手にネガティブな印象を与えるだけでなく、不必要な誤解を生む原因にもなりかねません。

冷静で客観的な言葉を選び、落ち着いたトーンを維持しましょう。自分の都合で辞退するという前提を忘れず、相手に不快感を与えないよう、言葉選びに十分注意することが大切です。

④ 攻撃的・批判的な文面を避ける

選考や面接で不快に感じたことがあっても、それを手紙に書くのは適切ではありません。「面接官の態度が悪かった」などの批判は、マナー違反と受け取られます。

内定辞退はあくまで個人的な判断であり、その理由を相手に責任転嫁するのは避けるべきです。ビジネス文書として、常に冷静で客観的な立場を保つことが求められます。

言いたいことがあっても、ぐっとこらえる姿勢が社会人としての第一歩です。長期的な信頼関係を考えれば、誠実な対応が最善の選択といえるでしょう。

⑤ 誤字脱字や敬語の誤用を避ける

文章に誤字脱字があると、どんなに内容が良くても印象は損なわれます。一度書いたら必ず見直し、できれば声に出して読むなどしてチェックしてください。

また、敬語の誤用にも注意が必要です。「ご苦労さま」や「ご一緒させていただく」など、間違いやすい表現は避けましょう。

文章に自信がない場合は、内定辞退の例文を参考にしたり、信頼できる人に添削してもらうのもおすすめです。正しい言葉づかいが、あなたの誠意をよりよく伝えてくれます。

内定辞退の手紙を郵送する際のマナー

内定辞退の手紙は、文章の内容だけでなく、送付方法にもマナーが求められます。形式を守って丁寧に郵送することで、相手に誠意が伝わりやすくなるのです。

ここでは、手紙を郵送する際に注意しておきたい4つのポイントを紹介します。

  1. 封筒は白無地・三つ折りで入るサイズを選ぶ
  2. 宛名は採用担当者のフルネームで書く
  3. 封筒の裏には自分の住所・氏名・日付を記載する
  4. 郵便局の窓口から送る

① 封筒は白無地・三つ折りで入るサイズを選ぶ

封筒は白無地のものを使用し、便箋は三つ折りで収まるサイズを選んでください。色付きやデザイン入りの封筒は、ビジネス用途にはふさわしくありません。

サイズが合わない封筒は見た目の印象が悪くなり、書類の扱いも雑に見える可能性があります。コンビニや文具店で販売されている定型のビジネス用封筒を使うのが無難です。

見た目の丁寧さは、文面と同じくらい大切な要素といえるでしょう。

② 宛名は採用担当者のフルネームで書く

封筒の宛名は、企業名と採用担当者のフルネームを記載してください。「人事部御中」ではなく、担当者名がわかっている場合は必ず氏名を記入しましょう。

企業名には「御中」、個人名には「様」を使うのがルールです。「株式会社〇〇 人事部 田中太郎様」といった形式を意識して書いてください。

相手に失礼のないよう、肩書や敬称の使い方も正確に整えておくことが大切です。

③ 封筒の裏には自分の住所・氏名・日付を記載する

封筒の裏面には、差出人の住所・氏名・送付日を記載します。記載がないと、万が一の際に返送されず、相手に届かない可能性があります。

日付は西暦で記入し、封筒の左下に小さめの字で整えて書きましょう。書類と同様に、清潔感のある文字を意識して書くことが大切です。細かい部分まできちんと記載する姿勢が、誠実さとして伝わります。

④ 郵便局の窓口から送る

手紙はポスト投函ではなく、郵便局の窓口から送ると安心です。切手の貼り忘れや料金不足といったミスをその場で防げるため、確実に届けたいときに向いています。

普通郵便でも問題ありませんが、確実性を重視するなら簡易書留にするとよいでしょう。到着確認ができ、トラブル防止にもつながります。

「大切な書類です」とひと言添えて手渡すと、より丁寧な印象になるでしょう。送る方法ひとつにも気を配ることで、相手への配慮がしっかり伝わります。

内定辞退を手紙送る前に書き方とマナーを知っておこう!

内定辞退を手紙で伝えるのは、就活生として誠意を示す有効な手段です。

特に内定承諾後や紹介先の企業など、配慮が求められる場面では手紙が適しています。

丁寧な言葉遣いとマナーを守り、正しい手順で送付することで、相手に不快な思いをさせずに辞退の意思を伝えられるでしょう。

内定辞退という難しい場面でも、手紙を活用すれば最後まで誠実な姿勢を貫けますよ。

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    「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。