倉庫業界の全体像を徹底解説｜ビジネスモデルや今後の動向・主要企業も紹介

この記事では、倉庫業界の全体像を徹底解説しています。

倉庫業界の仕事内容やビジネスモデルや将来性や主要企業や年収、選考対策まで網羅的に収録しています。

 

倉庫業界とは？

倉庫業界とは、物流業界の中でも「モノを保管・管理する」ことを中心に担う分野です。

就活生にとってはあまりなじみがないかもしれませんが、私たちの生活を支える大切なインフラのひとつといえるでしょう。まず、倉庫業界の主な役割は「運ぶ」ことではなく、「預かる」ことです。

メーカーや小売店から商品を預かり、一定の期間保管しながら、必要に応じて出荷するのが基本的な流れとなります。取り扱うモノによっては温度管理や保管方法が異なり、専門性が求められる点も特徴です。

たとえば、冷凍食品なら温度帯ごとの倉庫、医薬品なら厳重なセキュリティ管理が必要になるなど、用途に応じてさまざまな設備が活用されます。

近年ではEC（インターネット通販）の普及により、出荷スピードの重要性が増しており、倉庫は単なる保管場所にとどまらず、配送拠点としての機能も強化されつつあるのです。

このように、倉庫業界は時代の変化にあわせて進化しています。物流や社会インフラに関心がある方にとって、将来性を感じられる就職先のひとつになるのではないでしょうか。

倉庫業界のビジネスモデル

倉庫業界は、モノを預かるだけの業種ではありません。さまざまなサービスを組み合わせることで収益を生み出しており、企業によって特徴も異なります。

ビジネスモデルを知ることで、企業研究や志望動機の明確化につながるでしょう。

1. 保管料・荷役料
2. 入出庫・在庫管理
3. 不動産収益モデル
4. 3PLサービス提供
5. EC物流対応強化

① 保管料・荷役料

倉庫業界の基本的な収益源は、保管料と荷役料です。保管料は荷物を預かる期間に応じて発生し、荷役料は荷物の積み下ろしや仕分けなどの作業に対して発生します。

とくに、冷蔵・冷凍倉庫などの特殊設備を持つ場合には高単価なサービスとして提供できるため、利益率も高くなりやすいです。

ただし、保管スペースが空いていると収益にはならないため、空きスペースの有効活用が重要。こうした課題に対応するため、近年はITを活用した効率的な在庫配置や需要予測の精度向上が進められています。

就活生としては、ただ「モノを置く場所」という認識ではなく、スペースをどう価値に変えていくかを考える視点があると評価されやすいでしょう。

② 入出庫・在庫管理

入出庫と在庫管理は、倉庫業務の中でも中心となる役割です。商品の受け入れから棚入れ、出庫のピッキング、出荷まで、スムーズに処理することが求められます。

とくにBtoC向けの物流が増える中で、リアルタイムの在庫情報管理や即時出荷対応は欠かせません。

この分野では、WMS（倉庫管理システム）などのITツールを活用する力が大きな差を生みます。情報と現場を正確につなぐ役割を担うため、地道な作業力とデータへの理解が求められるでしょう。

在庫管理が不十分だと過剰在庫や欠品などの損失に直結するため、細部に気を配れる人材に向いている業務だといえます。

③ 不動産収益モデル

倉庫業界の中には、自社で所有する土地や建物から不動産収益を得ている企業もあります。

物流拠点や都市近郊の立地にある倉庫は、貸し出し用物件としての価値も高く、賃料や売却益による収入源になります。

中には物流業務を行わず、不動産事業として展開している企業も存在します。就職活動では、その企業が物流業に重点を置いているのか、不動産収益を重視しているのかを事前に確認しておくことが大切です。

物流業にとどまらず、資産活用の視点で事業展開している企業は、安定した経営基盤を持つことが多いでしょう。幅広い視野を持つことで、企業研究の深さにもつながります。

④ 3PLサービス提供

3PL（サード・パーティ・ロジスティクス）は、荷主企業の物流業務を包括的に受託するサービスです。

倉庫業務にとどまらず、輸送管理や在庫計画、さらには物流全体のコンサルティングまで対応することが特徴です。

このビジネスモデルでは、単に作業をこなすだけでなく、顧客の課題に対して解決策を提案できる力が求められます。

企業にとっては、信頼できるパートナーとしての役割を担うことになるため、責任も大きくなります。

就活生にとっては、提案力やプロジェクト管理の素養が問われる分野です。自分がどのように現場を改善し、企業価値を高めていけるのかを考えられるようになると、面接でも好印象を与えられるでしょう。

⑤ EC物流対応強化

EC（電子商取引）の拡大により、倉庫業界では小口出荷や短納期といった対応が求められるようになりました。

即日出荷や翌日配送を実現するためには、物流拠点の自動化やAI・ロボットの導入が進められています。

この分野は成長スピードが早く、多くの企業が積極的に投資しています。一方で、現場では人手不足が深刻化しているため、テクノロジーと人のバランスをどう取るかが大きな課題です。

ITリテラシーや新技術に対する関心がある人材は、今後ますます重宝されるでしょう。物流が社会インフラとして果たす役割も大きくなっているため、社会貢献性を重視する方にもおすすめの領域です。

倉庫業界の主な職種

倉庫業界では、さまざまな業務が分業によって支えられています。ここでは、代表的な5つの職種について紹介。

それぞれの仕事がどう関わり合っているかを理解することで、よりリアルな業界像が見えてくるでしょう。

1. 倉庫管理業務
2. ロジスティクスエンジニア業務
3. 倉庫事務業務
4. 荷役業務
5. 保管業務

① 倉庫管理業務

倉庫管理業務は、在庫の出入りを把握し、商品が正確に保管・出荷されるよう全体を管理する役割です。

業務の中心は、入庫・出庫の計画作成、作業員への指示、庫内のレイアウト調整などで、業務の円滑な流れをつくる重要なポジションといえます。

特に求められるのは正確さと段取り力で、数百点、数千点に及ぶ在庫をミスなく扱うには高い注意力が欠かせません。

さらに、EC需要の増加に伴い出荷スピードも問われるため、効率的な仕組みづくりも求められます。現場全体を見渡しながら臨機応変に対応できる柔軟さがあると評価されやすいでしょう。

② ロジスティクスエンジニア業務

ロジスティクスエンジニア業務は、物流業務全体の効率化やシステム化を担当。具体的には、作業の自動化を進めるための機器導入や倉庫内の動線設計、在庫管理ソフトの運用改善などがあります。

現場だけでなく、データやシステムと向き合う仕事でもあるため、理系的な思考や分析力が活きる場面が多いです。

また、近年ではAIやIoTを活用したスマート物流への関心も高まっており、技術に対するアンテナの高さも重視されるでしょう。現場の課題を的確に捉え、全体最適を図る視点が求められる仕事です。

③ 倉庫事務業務

倉庫事務業務は、倉庫内での入出庫に関する書類処理や在庫データの入力、電話応対などを行うデスクワーク中心の職種です。

現場スタッフとの連携も多いため、業務の橋渡し役としての機能も果たします。数字や情報を正確に扱う力が必要で、事務処理能力に加えてコミュニケーション力も評価されやすいです。

とくに現場との連絡を円滑に行える人は重宝されます。また、繁忙期にはスピード感も求められるため、日ごろから段取りよく作業を進めることが大切でしょう。

④ 荷役業務

荷役業務は、実際に荷物を動かす仕事です。フォークリフトを使った運搬や、商品の積み下ろし、仕分けなど体を動かす作業が多くを占めます。

スピードと正確さが求められるうえ、倉庫内の安全ルールをしっかり守る意識も欠かせません。また、重量物を扱うこともあるため、一定の体力や持久力も必要です。

業務の効率化が進んでいるとはいえ、ヒューマンエラーを防ぐためには人の目と手が不可欠な場面も多くあります。現場の最前線で物流を支える役割として、責任感のある姿勢が評価されるでしょう。

⑤ 保管業務

保管業務は、商品を適切な場所に保ち、品質を維持するための管理を行う仕事です。取り扱う商品によっては温度や湿度の管理が重要であり、とくに食品や医薬品では厳格なルールに基づく保管が必要。

庫内の配置や保管棚の管理、定期的な在庫確認など、見えない部分での調整力が求められます。保管の精度が物流全体の信頼性にもつながるため、地道で正確な作業ができる人に向いているでしょう。

ミスなくコツコツと取り組む力が活かされる職種です。

倉庫業界の動向

倉庫業界は、社会のニーズや技術の進化にあわせて変化を続けています。とくにEC市場の成長、自動化技術の普及、環境対策の強化は、近年注目される主要なトレンドです。

ここでは、現在進行中の重要な業界動向を3つに絞って紹介します。

1. EC拡大で進む倉庫ニーズの高まり
2. 自動化導入が進む物流現場
3. 環境対応・省エネへの取り組みが活発化

① EC拡大で進む倉庫ニーズの高まり

ネット通販の普及によって、商品の保管・配送に対する需要が急増しています。とくに小口配送や即日出荷への対応には、高機能な物流施設が欠かせません。

そのため都市部を中心に多層構造の倉庫や自動仕分け設備の整備が進みつつあります。

一方で、急激な需要の拡大は人材不足や用地確保といった課題も生んでいます。これらに対しては、IT活用や運用効率の改善がカギを握ります。

倉庫を「モノを置く場所」ではなく、生活を支える社会インフラととらえる視点が求められるでしょう。

② 自動化導入が進む物流現場

倉庫業務ではいま、自動化の流れが加速しています。ピッキングロボットや自動搬送車（AGV）、AIによる在庫管理などが導入され、人手に頼らない体制が広がってきました。

作業効率や精度の向上といった効果も現れています。

とはいえ、すべての工程が機械任せになるわけではありません。現場では、人と機械が連携して働く柔軟さが求められます。

変化に前向きで、技術に対して関心がある人にとっては、活躍できるチャンスが広がっている分野といえるでしょう。

③ 環境対応・省エネへの取り組みが活発化

物流施設においても、脱炭素社会への取り組みが進められています。たとえば太陽光発電やLED照明、断熱性に優れた建材の使用など、環境負荷を下げる設備投資が拡大。

さらに、再生可能エネルギーの活用やEV車両の導入も注目されています。こうした施策は環境への貢献だけでなく、長期的なコスト削減にもつながるでしょう。

環境意識の高い企業を志望する方にとっては、志望動機に活かせるテーマになり得ます。

倉庫業界の将来性

倉庫業界は今後、単なる保管業務を担うだけでなく、総合的な物流サービスを提供する存在へと進化する可能性を秘めています。

ITやロボット技術の導入、人材の多様化、サービス領域の広がりなど、業界の未来を形作る動きが次々と生まれています。ここでは、押さえておきたい将来性の高いトピックを3つ紹介します。

1. 業務のデータ化・可視化による最適化の進展
2. 人材ニーズの変化とスキルの高度化が進む
3. 付加価値サービスの拡大が生む新たな成長機会

①業務のデータ化・可視化による最適化の進展

近年、倉庫業界では業務のデータ化と可視化が進み、将来的にはより精緻なオペレーション管理が可能になると期待されています。

これまでは経験や勘に頼っていた在庫配置や作業効率の判断も、今後はデータドリブンな最適化へと移行していくでしょう。

センシング技術やIoT機器、WMS（倉庫管理システム）によって、在庫の動きや作業時間をリアルタイムで把握できるようになってきています。

こうした取り組みは、ただの効率化にとどまらず、需要予測や在庫圧縮、リードタイム短縮といった「次の一手」にもつながります。

業務改善や分析に興味がある方には、自分のアイデアで倉庫運営を変えていくチャンスが広がっていくはずです。今後は、ロジスティクス全体の課題解決を担う戦略的な人材が求められるようになるでしょう。

② 人材ニーズの変化とスキルの高度化が進む

少子高齢化の進行により、倉庫業界では人手不足が大きな課題となっています。それに伴い、求められる人材像も変化しています。

従来の作業系スキルに加え、今後はデータ分析や業務改善、顧客とのコミュニケーション力など、より複合的な能力が重視されていくでしょう。

企業側も、将来的な現場改革やイノベーションを見据えて、理系・文系問わず多様な人材を積極的に登用する動きを強めています。

とくにITリテラシーを活かして業務を効率化できる人材には、高い将来性があります。新しい知識を吸収しながら、自分なりの強みを築きたい学生には最適な環境です。

③ 付加価値サービスの拡大が生む新たな成長機会

倉庫業務は、従来の保管や配送にとどまらず、検品・加工・セット組みといった付加価値サービスへと拡張しています。

さらに、物流全体をマネジメントする3PL（サードパーティ・ロジスティクス）事業の広がりは、業界全体の競争力を押し上げています。

今後は、顧客ごとに最適化された物流ソリューションを提供するサービス型のビジネスモデルが主流になる可能性があります。

これにより、倉庫は「保管する場所」から「課題を解決するプラットフォーム」へと転換していくでしょう。

提案型の働き方をしたい方や、新たな事業創出に関心がある方にとって、将来性の高いキャリアパスが期待できます。

倉庫業界の代表的な企業

倉庫業界を志望する際は、各企業の特徴を知っておくことが重要です。ここでは、業界を代表する5社を紹介します。志望動機や企業選びの参考として役立ててください。

1. 三井倉庫ホールディングス株式会社
2. 三菱倉庫株式会社
3. 住友倉庫株式会社
4. 株式会社上組
5. 株式会社日新

① 三井倉庫ホールディングス株式会社

三井倉庫ホールディングスは、三井グループの一員であり、総合物流企業としてグローバルに展開しています。

医薬品や精密機器など、品質管理が求められる物流分野に強く、高度な温度管理やセキュリティ体制を整えている状況。不動産事業にも力を入れており、物流施設の開発を通じて事業を広げています。

海外にも多くの拠点を持っているため、グローバルに働きたい方にとって魅力的な企業でしょう。

② 三菱倉庫株式会社

三菱倉庫は、100年以上の歴史を持つ老舗の物流企業です。港湾を中心に大型の倉庫施設を展開しており、国際輸送との連携が取りやすい環境が整っています。

医療や化学品分野の物流、情報システムの開発にも注力しており、伝統と先進性を兼ね備えた企業といえるでしょう。落ち着いた社風を好む方には適した環境かもしれません。

③ 住友倉庫株式会社

住友倉庫は、住友グループに属する企業で、港湾物流を中心に事業を展開しています。国際物流に強く、海外ネットワークの広さが特徴です。

また、危険物や特殊な荷物を扱うための設備も整っており、専門性の高い業務に携わる機会も多くあります。安全管理や法令遵守を重視する社風があるため、慎重に物事を進めたい方に向いているでしょう。

④ 株式会社上組

上組は、港湾荷役に特化した企業で、国内でも有数の規模を誇ります。コンテナ輸送や重量物の取り扱いなど、現場でのダイナミックな業務が特徴です。

近年は海外展開にも注力しており、グローバルに活躍したい方にも可能性が広がっています。実務を重視する人や、体力に自信がある方にとって、やりがいのある職場といえるでしょう。

⑤ 株式会社日新

株式会社日新は、陸・海・空を活用した複合輸送を展開する国際物流企業です。航空貨物や海上輸送において豊富な実績を持ち、グローバルネットワークの強さが大きな魅力。

通関業務やフォワーディング業務など、専門的な仕事に関われる点も特徴です。語学力を活かしたい方や、海外で働くチャンスを求めている方にとって、魅力的な企業でしょう。

倉庫業界の年収ランキング

就職活動を進めるうえで、年収は気になるポイントの一つではないでしょうか。仕事のやりがいや安定性とあわせて、収入の目安を知っておくことで将来設計もしやすくなります。

ここでは、倉庫業界における年収の傾向をわかりやすく整理していきましょう。

倉庫業界の年収は、企業の規模や職種、地域、役職などによって大きく異なります。大手企業では平均年収が500万円を超える場合もあり、物流全体を統括する総合職ではさらに高収入が期待できるでしょう。

一方で、作業現場を担う職種や中小企業の場合、300万円台にとどまることもめずらしくありません。また、賞与の支給状況や残業代の取り扱いなど、基本給以外の条件にも注目したいところです。

就活生の方は、業界全体の平均だけでなく、志望する企業ごとの給与水準や昇給制度もあわせて確認しておくと安心です。年収はあくまでも一つの指標にすぎません。

仕事内容や将来性とあわせて、バランスの取れた視点で判断してください。

順位	企業名	平均年収（2024年度）	出典
1	三菱倉庫株式会社	約938万円	有報ベース平均年収（2024年3月期）
2	住友倉庫株式会社	約790万円	有報ベース平均年収（2024年3月期）
3	三井倉庫ホールディングス株式会社	約790万円（公式公表値）	企業公開値（2024年）
4	株式会社上組	約637万円	倉庫業界データ（上組も掲載）
5	株式会社日新（運輸系）	480万円	OpenWork社員投稿

倉庫業界で求められる人物像

倉庫業界を目指すうえで、どのような人物が求められているかを理解することは大切です。ここでは、企業が特に重視している3つの人物像を紹介します。自分の強みと照らし合わせながら読んでみてください。

1. 責任感がある人
2. 単純作業ができる人
3. 物流・インフラへの興味がある人

① 責任感がある人

倉庫業務は、些細なミスが納期遅延や取引先との信頼関係に影響するため、責任感の強さが重視されます。

入出庫や在庫管理など、正確さが求められる作業が多く、自分の仕事に最後まで責任を持てる姿勢が必要です。とくにトラブルが発生した際は、冷静な判断と迅速な対応が求められる場面もあります。

周囲から信頼され、現場で頼りにされる人になれるでしょう。

② 単純作業ができる人

倉庫内では、検品や仕分け、棚入れなど、繰り返しの作業が多くを占めます。こうした単純作業でも集中力を保ち、正確かつ効率的にこなせる人が活躍しているでしょう。

一見地味に感じる作業も、物流全体を支える重要な工程です。淡々とした作業に対しても前向きに取り組める姿勢があると、現場での評価も高まるでしょう。

③ 物流・インフラへの興味がある人

物流は社会インフラの一部として、人々の暮らしを支えています。

商品が店舗や家庭に届くまでの流れに興味を持ち、自分の仕事がどのように役立っているのかを理解できると、業務への意欲も自然と高まるでしょう。

関心を持つことで学びが深まり、将来的には幅広い分野での活躍にもつながりやすくなります。物流の仕組みに魅力を感じる人は、企業側からも期待される傾向があります。

倉庫業界のES（エントリーシート）対策

エントリーシートは、就職活動の最初の関門です。とくに倉庫業界を志望する場合は、業界への理解と自分の強みを結びつけて、志望動機をわかりやすく伝える必要があります。

ここでは、ESを書く際に押さえておきたい3つのポイントを紹介。

1. 倉庫業界を志望する理由を書く
2. 企業ごとの特徴を動機に反映して書く
3. 数字や事例を用いて具体性を書く

① 倉庫業界を志望する理由を書く

ESではまず、「なぜこの業界を志望するのか」が明確に伝わることが大切です。動機があいまいなままだと、熱意が伝わらず評価も下がってしまいます。

倉庫業界の役割や将来性、自分が関心を持った理由などを丁寧に整理してください。

たとえば、「生活に欠かせない物流の中核を担う業界で、人々の暮らしを支えたい」といった考え方や、

「EC拡大にともなって成長が期待できる分野で、安定したキャリアを築きたい」といった視点が挙げられます。大切なのは、自分の言葉で理由を説明できるようにしておくことです。

② 企業ごとの特徴を動機に反映して書く

倉庫業界には多様な企業があり、それぞれに異なる強みがあります。ESでは、「なぜその企業なのか」にもしっかり触れてください。

事業規模や拠点数、力を入れているサービスなどを比較して、志望理由に反映させましょう。

たとえば、「3PL事業を強みにしており、幅広い物流課題に関われる点に魅力を感じた」や、「都市型倉庫に注力しており、ECの最前線で活躍できる環境に引かれた」といった書き方が有効です。

他社との違いに触れられると、説得力がぐっと増します。

③ 数字や事例を用いて具体性を書く

エントリーシートでは、自分の経験や考えを具体的に伝えることが求められます。そのためには、数字や具体的なエピソードを盛り込むと効果的です。

たとえば、「アルバイトで在庫管理を担当し、1か月で誤出荷を30％減らした」といった成果は印象に残りやすくなります。

また、「物流に関心を持ち、ゼミで倉庫の動線改善をテーマに研究した」といった体験も、意欲を示す材料になります。

抽象的な表現ではなく、行動や結果に基づいて説明することで、信頼感も生まれるでしょう。読み手が具体的にイメージできる内容を意識してください。

倉庫業界の面接対策

倉庫業界の面接では、受け答えのスキルだけでなく、現場に対する理解や適性が重視されます。ここでは、選考時に意識したい3つのポイントを紹介します。

面接で自分の魅力をきちんと伝えるための参考にしてください。

1. 現場理解と体力・継続力への適性を伝える
2. 安全意識やルール遵守の姿勢を伝える
3. チームワークや協調性をエピソードで伝える

① 現場理解と体力・継続力への適性を伝える

倉庫業務には、体を使う作業が多く含まれます。そのため、体力があるかどうか、粘り強く仕事を続けられるかが評価されやすいです。

アルバイトや部活動での体力を必要とする経験があれば、具体的に説明してください。

また、業務の内容や流れを事前に調べておくことで、実際の仕事を理解したうえで応募しているという印象を与えられます。

② 安全意識やルール遵守の姿勢を伝える

倉庫の現場では安全が第一です。フォークリフトや重量物の取り扱いがあるため、ルールを守れる人材が求められます。

面接では「指示通りに行動した経験」や「安全管理を意識して働いた場面」を交えて、自分の意識の高さを伝えると効果的です。このような姿勢は、チーム全体の信頼にもつながるでしょう。

③ チームワークや協調性をエピソードで伝える

倉庫内では複数人で業務を分担して進めるため、チームで動く力が重要です。

「仲間と協力して作業を進めた」「トラブルに対して連携して対応した」など、自分の行動がチームにどのように貢献したかを伝えてください。

具体的なエピソードを交えることで、説得力が増します。単なる「協調性がある」ではなく、どう動いたかがポイントです。

倉庫業界の全体像と動向を理解して選考を有利に進めよう！

倉庫業界は、保管・荷役といった基本業務から、3PLやEC物流対応などの高度なサービスまで多岐にわたるビジネスモデルを展開しています。

職種も幅広く、現場業務からロジスティクスエンジニアまで多様な役割が存在し、社会インフラとしての重要性が増す中で、EC市場の拡大やIT化によって大きな成長が期待されているのです。

また、大手企業の存在や年収水準の把握、求められる人物像を理解することで、自分に合った企業選びがしやすくなります。

倉庫業界を志望するなら、ESや面接対策を通じて、現場理解と意欲をしっかり伝えることが内定への近道です。業界全体の仕組みと動向を把握した上で、自分の強みをどう活かすかを明確にしていきましょう。