【例文付き】農業分野の志望動機の好印象な書き方！NG例まで徹底解説

農業分野での就職や転職を考えている方にとって、志望動機を書くのは悩ましいポイントですよね。

農業経験がある方はその強みをどう伝えるか、未経験者は何をアピールすればいいのか迷うことが多いのではないでしょうか。

この記事では、具体的な例文とともに、農業分野で好印象を持ってもらえる志望動機の書き方やNG例を徹底解説します。

知っておきたい農業分野の基礎知識

農業分野に携わることを考える際、まずは業界の基礎知識をしっかりと理解しておくことが大切です。

ここでは、農業の基本的なビジネスモデルや業界別の仕事内容、さらには今後の課題について解説します。

1. 農業の基本的なビジネスモデル
2. 農業分野の業界別の仕事内容
3. 農業分野の今後の課題

①農業の基本的なビジネスモデル

農業は、収穫物を生産・販売で利益を生み出すビジネスモデルが中心です。

しかし、近年では収穫物の販売だけでなく、付加価値を高める手法や農業を体験型の観光資源とする取り組みも増えていますよ。

例えば、農産物のブランド化や加工食品の製造、直売所やネット販売を通じた販路の拡大等が行われています。

これにより、従来の作物生産に依存するモデルから、より多角的な収益モデルへと変化していくでしょう。

②農業分野の業界別の仕事内容

農業分野には、多種多様な仕事が存在します。

主な業界には農場運営、観光農場、農業協同組合（農協）、農業機械メーカー、農業資材メーカー等がありますよ。

それぞれの業界で求められるスキルや役割は異なり、自分の適性や興味に合わせたキャリア選択が可能です。

以下に、各業界の仕事内容を詳しく解説します。

1. 農場
2. 観光農場
3. 農協（農業協同組合）
4. 農業機械メーカー
5. 農業資材メーカー

1.農場

農場では、主に作物や畜産物の生産が行われます。

仕事内容としては、種まきや水やり、肥料の散布、収穫、家畜の世話等が含まれますよ。

規模によっては、トラクターや収穫機等の農業機械を使うことも多く、機械操作のスキルも求められるでしょう。

また、近年では環境に配慮した持続可能な農業（サステナブル・アグリカルチャー）が注目されており、エコな農業技術の知識も重要です。

2.観光農場

観光農場は、農業と観光を融合させた新しい形のビジネスモデルです。

観光農場では果物狩りや収穫体験、動物とのふれあいを提供し、訪れた観光客に楽しんでもらうことが主な仕事内容ですよ。

季節ごとのイベント企画や接客業務も含まれるため、農業だけでなく、ホスピタリティやサービスのスキルも必要になるでしょう。

また、農産物の販売や加工品の提供も行うことで、観光と農業の双方から収益を得られます。

3.農協（農業協同組合）

農業協同組合、通称「農協」は、農家を支援するための組織です。

農協の業務は、農家への金融サービス、農作物の集荷や販売のサポート、農業技術の提供等、多岐にわたります。

農業経営において、農協が提供するサポートは非常に重要であり、農家の収益向上や地域の農業振興に寄与していますよ。

農協で働く場合、農業に関する知識だけでなく、金融や経営のスキルも求められるでしょう。

4.農業機械メーカー

農業機械メーカーでは、トラクターやコンバイン等の農業機械を設計・製造しています。

これらの機械は農作業の効率化に欠かせないものであり、農家にとっての必須アイテムです。

メーカーでの仕事は、機械の開発・製造はもちろん、営業や技術サポート、修理等も含まれます。

農業機械メーカーで働くためには、工学や機械に関する知識、さらには顧客対応能力が求められますよ。

5.農業資材メーカー

農業資材メーカーは、肥料、農薬、種子、温室資材等、農業に必要な各種資材を製造・販売しています。

仕事内容としては、製品の研究開発、品質管理、販売等があり、農家のニーズに応じた製品の提供が求められますよ。

また、環境に優しい資材や持続可能な農業を支援する製品の開発が進んでおり、今後さらに重要性が高まる分野でもある業種です。

③農業分野の今後の課題

農業分野は、多くの可能性を秘めている一方で、いくつかの課題にも直面しています。

少子高齢化による人材不足や価格競争、耕作放棄地の増加等、解決すべき問題が山積していますよ。

これらの課題を理解し、取り組むことが、今後の農業分野でのキャリア成功の鍵となるでしょう。

1. 少子高齢化に伴う人材不足
2. 価格競争の激化
3. 耕作放棄地の増加

1.少子高齢化に伴う人材不足

日本の農業は、少子高齢化の影響を強く受けており、担い手の減少が深刻な問題となっています。

農業従事者の平均年齢は上昇し、新たな人材の確保が難しい状況で、農場の規模縮小や耕作放棄が進む地域も少なくありません。

政府や各団体は、この問題を解決するために、新規就農者の支援や、テクノロジーを活用した効率化を進めています。

農業分野で働く際には、こうした人材不足の現状を理解し、解決に向けた意識が重要です。

2.価格競争の激化

国内外の農業市場において、価格競争が年々激化しています。

特に輸入農産物の価格は安く、日本国内の農産物が競争力を維持するのは容易ではありません。

この状況に対応するためには、農産物のブランド化や高付加価値商品への転換が求められます。

地域の特産品やオーガニック農産物等、差別化を図ることで価格競争に対抗できるような工夫が必要です。

3.耕作放棄地の増加

日本では、農業従事者の減少や都市化の進展により、耕作放棄地が増加傾向にあるのです。

この問題は、食料自給率の低下や地域の衰退に直結しており、解決が急がれています。

政府や地方自治体は放棄地の再活用に向けた取り組みを進めており、新規就農者への支援策や企業参入を促す動きも見られますよ。

耕作放棄地の再生に取り組むことで、新しいビジネスチャンスが生まれる可能性もあるでしょう。

農業分野の志望動機・履歴書で見られる評価ポイントは3つ

農業分野での就職や転職を成功させるためには、志望動機や履歴書が重要な役割を果たします。

ここでは、評価されやすいポイントを3つに分けて詳しく解説しますので、参考にしてください。

1. 農業分野への興味が本当にあるのか？
2. 農業分野の中でも自社で働きたい理由が明確か？
3. 過去の経験やパーソナリティは自社にあっているか？

①農業分野への興味が本当にあるのか？

農業分野で働く上で、採用担当者がまず重視するのは応募者が本当に農業に興味を持っているかどうかです。

農業は他の業界に比べて肉体労働が多く、天候や季節に大きく影響されるため、仕事に対する熱意と覚悟が求められます。

志望動機や履歴書では農業に対する関心が表面的なものではなく、なぜその分野に魅力を感じるのか、具体的なエピソードを交えて伝えることが大切です。

例えば、農業体験やボランティア活動を通じて得た気づき、食糧問題や地域社会への貢献に対する興味を強調すれば、農業に対する情熱を伝えることが評価されるでしょう。

②農業分野の中でも自社で働きたい理由が明確か？

農業業界にはさまざまな企業があり、それぞれに異なる事業内容や経営方針があります。

その中で特定の企業を選んだ理由が明確でなければ、志望動機が曖昧に見え、他の応募者との差別化が図れません。

応募する企業の特徴や取り組みに対して具体的に言及し、自分がその会社でどう貢献できるかを伝えることが重要です。

例えば、企業が進めている地域活性化プロジェクトに強く共感した点や、エコ農業への取り組みが自分の価値観に合っていることを強調すると、説得力が増します。

③過去の経験やパーソナリティは自社にあっているか？

採用担当者は、過去の経験やパーソナリティが企業文化や仕事内容に合っているかどうかも重要な評価ポイントとしています。

特に農業はチームでの協力が不可欠であり、自己管理能力やチームワークが重視されますよ。

志望動機や履歴書には、これまでの仕事や活動の中で培ったスキルや経験が、どう農業分野で活かせるのかを具体的に書くことが求められるでしょう。

例えば、リーダーシップ経験や問題解決能力がどう役立つかを説明したり、農業分野におけるコミュニケーションの重要性の強調が有効です。

【4ステップで簡単】農業分野の志望動機の書き方

農業分野での志望動機を書くのは、初めての方にとっては少し難しく感じることも多いでしょう。

しかし、ポイントさえ押さえればシンプルかつ効果的に伝えられます。

ここでは、志望動機を4つのステップに分け、順を追ってわかりやすく解説します。

1. 農業分野の志望理由を結論から示す
2. その中でも志望先で働きたい理由を書く
3. 原体験となったエピソードや背景を具体的に盛り込む
4. 最後に入社後にどう活躍したいかで締める

①農業分野の志望理由を結論から示す

志望動機を作成する際、まず最初に結論から明確に示すことが重要です。

志望理由を冒頭で伝えることで、採用担当者がすぐに応募者の意図や熱意を理解できるようにします。

例えば、「農業を通じて地域活性化に貢献したい」「サステナブルな農業に興味がある」等の具体的な目標を述べると、読んでいる側に強い印象を与えられますよ。

最初に結論を述べることで、読み手の注意を引き、志望動機の全体像を把握させることができるため、効果的です。

②その中でも志望先で働きたい理由を書く

志望理由を明確に示した後は、なぜ数ある農業関連の企業や組織の中から志望先を選んだのかを具体的に説明しましょう。

この部分で応募先の事業内容や理念に触れ、自分とのつながりを示すことが重要です。

例えば、志望する企業が持続可能な農業を推進している場合、自分がその取り組みに共感し、エコロジーに関心を持っていることを伝えると効果的ですよ。

また、志望先企業の強みやプロジェクトに対して自分がどう貢献できるかも具体的に述べることで、採用担当者に「この応募者は我が社にフィットする」と感じてもらいやすくなるでしょう。

③原体験となったエピソードや背景を具体的に盛り込む

次に、志望理由に説得力を持たせるために、自分自身の原体験や背景を具体的なエピソードとして盛り込むことが大切です。

例えば、家庭菜園で野菜を育てた経験が農業に興味を持つきっかけになったり、大学時代のインターンシップで学んだことがベースとなった等の具体的な体験を述べると、志望動機に一貫性が生まれます。

エピソードが具体的であればあるほど、応募者の熱意や農業分野への真剣な関心が伝わりやすくなり、採用担当者に強い印象を残せますよ。

④最後に入社後にどう活躍したいかで締める

志望動機の最後は入社後に自分がどう活躍し、貢献できるかを具体的に述べて締めくくります。

ここでは、企業が抱える課題やプロジェクトに対して自分がどんなスキルや知識を活かして取り組むのか、また将来的にどう成長を目指しているのかを述べると良いでしょう。

例えば、「持続可能な農業技術の導入を推進し、地域社会に貢献したい」等の具体的なビジョンを示すことで、企業に対する熱意と自分の成長意欲を伝えられますよ。

【事業別】農業分野の好印象な志望動機の例文10選

農業分野での就職や転職を考える際、事業ごとに求められるスキルや適性が異なるでしょう。そのため、志望動機も事業内容に応じて具体的な記載が大切です。

ここでは、事業別にそれぞれの好印象な志望動機の例文を紹介します。

1. 農場を志望する場合
2. 観光農場を志望する場合
3. 農協（農業協同組合）を志望する場合
4. 農業機械メーカーを志望する場合
5. 農業資材メーカーを志望する場合

さらに今回は、現在も就活生を内定に導いている現役のキャリアアドバイザーが、10個の例文を本気で添削！どんなポイントに注目して書くべきか知りたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。

①農場を志望する場合

農場での仕事は、作物の生産から収穫、販売まで幅広い業務を担当しています。体力や忍耐力が求められる一方で、自然と共に働く喜びや収穫の達成感が得られる仕事と言えますね。

農場を志望する際には、単なる作業員としてではなく、農業全体に対する関心や持続可能な農業の推進、地域社会への貢献等を志望動機に盛り込むと効果的です。

例文1：地域農業の発展に貢献したい

【結論】 私は、地域の農業を支え、現在ある農場をより豊かに発展させつつ、持続可能な形で農業という地域産業を次世代へつなぐ仕事に携わりたいと考え、貴社を志望しました。

添削コメント｜「支える」「次世代へつなぐ」など簡潔にやりたいことがまとめられている点は好印象ですが、「農場志望」という視点が結論部分から抜けており、志望動機の軸がぶれていました。農場志望であることを簡潔に伝えつつ、農業発展に関わりたいという動機も示しています。

【根拠となるエピソード】 大学時代に地域活性化のボランティア活動に参加した際、農業が地域社会の基盤であり、人々の暮らしと密接に関わっていることを実感しました。 特に、農作業の人手不足や耕作放棄地の増加といった課題を目の当たりにしたことで、農業が地域全体の活力に直結していると強く感じました。

添削コメント｜「人々の暮らしと密接に関わる」は抽象的で、動機のきっかけとしては説得力に欠けます。どうしてそう考えたのかという背景を具体的に示すことで、企業側が志望動機の根拠をよりイメージしやすいように修正しました。

【エピソード詳細】 また、地元の高齢農家の支援や農産物の販売イベントに携わるなかで、農業が単なる生産活動にとどまらず、地域の雇用や文化を支えていることにも気づきました。この経験から、農業を「暮らしの土台」として守ることの大切さに気付き、自分も地域の力になりたいと思うようになりました。 農業を支えることは、その土地に暮らす人々の仕事や日常を守ることにつながると実感し、地域社会に貢献できる仕事として農業分野に強く惹かれるようになりました。

添削コメント｜元の表現は感情的で抽象的な言い回しだったため、具体的に「誰の何を守るか」まで落とし込むことで、論理的に志望動機を説明しました。

【企業を選んだ理由】 貴社は、地域密着型の農業経営を実践されており、生産だけでなく加工や販売、地域交流まで幅広く取り組まれている点に魅力を感じています。 現場の生産活動だけでなく、地域とのつながりを重視して経営を行っている点に共感いたしました。 また、若手の育成にも積極的で、未経験からでも挑戦しやすい環境があると感じました。実践を通じて地域農業を支える人材として成長できる環境だと感じています。

添削コメント｜「挑戦しやすい」といった漠然とした言葉よりも、実践でもって、どう成長できるのかを示したほうが、企業理解の解像度の高さをアピールすることができます。

【入社後】 入社後は、まずは現場での作業を着実に習得しながら、地域の方々との信頼関係を築いていきたいです。将来的には、地域農業のを魅力を外部に伝えたり、新たな人材や消費者との接点を生む企画にも挑戦したいと考えています。

添削コメント｜キャリアプランとして、まずは若手に求められている業務を全うする心づもりを示せています。また、長期的な視点で地域農業にどう貢献していきたいかが端的にまとめられており、入社後の活躍がイメージしやすい内容になっていますね。

・なぜ地域農業に貢献したいのか明確にする ・志望理由を最初に端的にまとめる ・入社後の目標は明確にする

例文2：環境に優しい農業への挑戦

【結論】 私は、自然環境との共生意識した農業のあり方に強く関心があり、 環境にやさしい農業に強い貴社を志望しています。

添削コメント｜「自然環境との共生」という明確な軸で簡潔に表現になっています。結論部分は第一印象に直結するため、分かりやすさが重要です。

【根拠となるエピソード】 きっかけは、小学生のときに家族で訪れた農業体験イベントでした。土に触れ、自分で収穫した野菜の美味しさに感動した記憶が、環境や農業に興味を持つ原点となりました。 その際、農薬や肥料に頼らず栽培された野菜に触れたことで、自然本来の力で育つ農作物への関心が芽生え、農業と環境の関係性に強い興味を持つようになりました。

添削コメント｜「美味しさに感動した」などの感情表現のみでは説得力に欠けるため、環境意識が生まれた背景をより具体的に説明しました。企業は「なぜ」関心を持ったのか、その思考過程を重視します。

【エピソード詳細】 大学では文学部に所属していますが、地域の有機農業イベントに参加し、化学肥料や農薬を使わずに作物を育てる姿勢に強く共感しました。自然とのバランスを大切にしながら取り組む農業の奥深さに惹かれ、「人にも環境にも優しい農業」に関わりたいと考えるようになりました。 栽培技術だけでなく、消費者や地域の未来を見据えて取り組む農家の姿勢に感銘を受け、農業を通じて環境と社会に貢献したいと考えるようになりました。

添削コメント｜「人にも環境にも優しい農業」というフレーズは印象的ですが曖昧です。何に感銘を受けたのか、なぜ関わりたいのかを論理的に伝えることで説得力が高まりました。

【企業を選んだ理由】 貴社は、循環型農業や環境保全活動に注力されており、持続可能な農業のモデルとして業界内でも注目されています。に触れるチャンスが多いことに魅力を感じています。

添削コメント｜「注目されています」のように、事実をただ述べるだけの文章は志望動機において、必要ありません。その事実に対して自分はどう考えているのかを示すことのほうが重要です。

【入社後】 入社後は、現場での作業を通じて自然と共存する農業の基礎知識と技術を身につけ、将来的には地域社会に貢献できる農業の形を提案・実現していきたいと考えております。 土づくりから販路拡大まで一貫して取り組みたいと考えています。

添削コメント｜地域社会に貢献しているのは、この企業の事業全体にあてはまるもので、やや抽象的な表現なので、明確に挑戦したい業務に修正しました。ただし、採用担当者から、異動があるにも関わらず「この仕事以外には興味がない人」と思われる可能性もあるので、使い方には注意しましょう。

・ただの事実の羅列は避ける ・文章全体の論理性を意識する ・原体験はなるだけ具体的にする

②観光農場を志望する場合

観光農場は、農業と観光を融合させた新しいビジネスモデルで、農業だけでなく、観光業や接客スキルも求められます。

観光客が楽しみながら農業を体験できる場の提供が目的で、地域活性化や教育的な要素も含まれますよ。

観光農場を志望する際には、地域振興や教育的価値に対する理解を深め、観光農場での具体的な体験や関心を志望動機に盛り込むと良いでしょう。

例文1：地域活性化と観光農業への熱意

【結論】 私は、観光と農業を組み合わせることで地域の魅力を発信し、地方の活性化に貢献したいと考えております。という目標を達成するために、貴社の事業モデルに魅力を感じており、志望しています。

添削コメント｜地域活性化という明確な目標と、その手段として観光農業に注目している点が簡潔に表現されています。しかし、考えているだけで企業を志望する理由までつながっていないため、添削をしました。

【根拠となるエピソード】 大学のゼミ活動で、地域振興をテーマに観光資源の調査を行った際に、観光農業の存在を知りました。訪れる人が農作業を体験し、地元の食材を楽しむことで地域に活気が生まれている様子に感銘を受けました。 観光客が農作業や地元の食を通じて地域とつながる様子を知り、農業が観光資源としても大きな力を持つと実感しました。

添削コメント｜「感銘を受けた」という表現は感情にとどまりがちで、内容として曖昧でした。農業が持つ具体的な影響力（観光資源としての力）を伝えるように言い換えることで、地域振興の方法として観光資源が有効であることを伝えられる文章になりました。

【エピソード詳細】 また、実際に体験農園を訪れ、野菜の収穫や加工体験に参加したことで、「農業が人と地域をつなげる力」を肌で感じました。それまで農業を遠い存在と感じていましたが、人々の交流を生む価値の高い仕事だと捉えるようになりました。 農業は単なる生産活動ではなく、人と人との交流や地域への関心を促す媒介であると捉えるようになりました。

添削コメント｜「価値の高い仕事」は農業に対して、以前はネガティブな印象を持っていたとも捉えられかねません。そこで農業に対する捉え方が、以前とは変化したという意味合いで文章を添削しました。

【企業を選んだ理由】 貴社は、農業と観光を融合させた取り組みを長年展開されており、地域資源を生かした事業モデルに魅力を感じました。未経験者にも丁寧な指導体制が整っている点も、安心して挑戦できると感じました。 また、現場での実地研修や地域との連携体制が充実している点から、未経験からでも学びながら地域活性に貢献できると感じました。

添削コメント｜「安心して挑戦できる」は抽象的な表現です。代わりに、どういったサポートが受けられるのかを具体的に記述し、自身の成長意欲と企業文化のマッチを示すようにしています。

【入社後】 入社後は農作業の基礎からしっかり学び、地域の方やお客様との関わりを大切にしながら、農業の魅力を広める企画にも積極的に取り組んでいきたいと考えております。 観光と結びつけた体験型イベントや、地域資源を活かした農業体験の企画などを通じて、農業の新たな魅力を発信していきたいと考えております。

添削コメント｜「農業の魅力を広める企画」よりも「観光と結びつけた〜発信していきたい」とすることで、キャリアビジョンを明確にし、熱意が伝わるように工夫しました。

・原体験はなるべく具体的に ・原体験と志望動機のつながりを意識 ・入社後の熱意をアピール

例文2：農業教育の場としての観光農場

【結論】 私は、農業体験を通して子どもや家族に自然の大切さや食のありがたさを伝えられる観光農場の運営に携わりたいと考えております。で、自分の知る農業の知識を分かりやすく伝え、農業の発展に寄与したいと考え、志望しています。

添削コメント｜観光農場で働くことで、自分が何をどう発展させたいか、という将来ビジョンを追加することで、志望先への熱意を強調する形に修正しています。

【根拠となるエピソード】 きっかけは、大学のボランティア活動で児童施設の子どもたちと農業体験に参加したことです。普段スーパーでしか野菜を見たことがない子どもたちが、土に触れながら目を輝かせていた姿が印象的でした。土に触れながら野菜を収穫する中で、農業が教育の場になりうることに気付かされました。

添削コメント｜「土に触れながら目を輝かせていた姿」という表現では、結局その経験から感じ取ったかがわかりません。教育的な価値に気付いたという視点を加え、志望動機との流れをスムーズにしました。

【エピソード詳細】 特に、子供たちが実際に体を動かして野菜に触れることで、質の良い野菜の見分け方や育て方の知識を多く学び、親御さんたちすらも驚かせていたのを見て、より多くの農業知識を教えられる場だと感じました。以前から、教育に関わる分野で活躍したいと考えていましたが、この経験から単に座学を教えるよりも、農業を通じて体験的な教育に携わりたいと考えるようになりました。

添削コメント｜観光農場の特徴でもある「実際に体を使って学べる場」という点に着目し、観光農場が「農業の知識を教えたい」という自分の動機を叶えられる場であることをアピールしました。

【企業を選んだ理由】 貴社は農業体験や食育イベントを積極的に展開しており、「伝える農業」に力を入れている点に強く共感しております。地域とのつながりも大切にされており、持続的な農業の姿勢に魅力を感じました。また、地域との連携や持続可能な農業経営にも注力されており、現場での取り組みから学びたいと強く感じました。

添削コメント｜「また、」という接続詞がないと、文章に違和感があるため追記しました。また、「魅力を感じました」よりも、「学びたい」という能動的な姿勢に言い換え、企業視点での評価ポイントを明確にしました。

【入社後】 入社後は農作業を一つひとつ学びながら、来園者にとって思い出に残る体験が提供できるよう工夫し、農業と教育をつなぐ仕組みづくりにも挑戦していきたいと考えております。

添削コメント｜端的に、入社後に挑戦したいことがまとめられています。このままでも十分ですが、既存の事業であれば、特に何に関わりたいのか、あるいは全く新しい挑戦を志望先でしていきたいのかを示すと、より解像度をアピールした文章になります。

・原体験と志望動機のつながりを明確にする ・基本的な文法にも気をつける ・文章全体の論理性を意識する

③農協（農業協同組合）を志望する場合

農協は地域農家の経営支援や資金調達、技術提供等、農業において重要な役割を担っています。

そのため、農協を志望する場合には農業経営や地域振興への興味を示すことが重要です。

特に、農家との信頼関係を築く能力や経済・金融の知識が求められる場面も多く、こうしたスキルを具体的にアピールすると良いでしょう。

例文1：農家を支える立場から地域貢献

【結論】 私は、農家の方々を支える仕事を通じて、地域の活性化と持続可能な農業の実現に貢献したいと考え、貴社を志望いたしました。農産物の生産から販路拡大まで一貫して支える貴社の事業を通じて、その想いを実現できると感じ、志望いたしました。

添削コメント｜「地域の活性化」や「持続可能な農業」といった表現は就活生の志望動機として好印象ですが、それをなぜ貴社で実現したいのかが抜け落ちており、企業視点では物足りません。企業の事業内容とつなげて具体性を補うことで、納得感と熱意が伝わる文章に改善しています。

【根拠となるエピソード】 大学時代、地域の課題解決をテーマにしたフィールドワークに参加し、農家の方々の高齢化や人手不足といった課題に直面しました。また地域の農業が元気であることが、周辺住民の暮らしや経済にも良い影響を与えることを知って以来、地域活性化の方法として農業に関心を抱きました。

添削コメント｜大学時代の経験（原体験）が農業に興味・関心を抱いた理由であることが明確に示せています。この後の流れとして、なぜ農業の中でも外部からのサポートの仕事をしたいと考えたのかを伝えることで、なぜ農業→なぜ外部→なぜ志望先企業という論理的な流れが作れます。

【エピソード詳細】 その中で、農家を支える仕事につきたいと考えた理由は、現場を支えるサポートの重要性を強く感じたからです。農業の現場では、生産以外の支援が不足している現状を知り、支える側として関わりたいという想いが芽生えました。

添削コメント｜「重要性を感じた」といった抽象的な表現では、採用担当に行動や思考の深さが伝わりません。何に気づき、どのような価値観が形成されたかを示すことで、動機の信ぴょう性と一貫性が高まります。

【企業を選んだ理由】 貴社は、生産支援だけでなく流通や販路拡大にも注力されており、地域農業の土台を広く支える事業展開に共感いたしました。特に、文系出身の私でも貢献できるフィールドがあると感じました。生産者と地域をつなぐ橋渡しの役割として、文系の強みである対人対応力や提案力を活かせると感じました。

添削コメント｜「文系出身でも貢献できる」という表現は、企業側からは自信のなさや受け身に映ることがあります。代わりに「文系の強みを活かせる」と主張することで、前向きな熱意と企業への貢献意欲を伝える表現に仕上げました。

【入社後】 入社後は、現場理解を深めながら、農家の課題に寄り添った提案やサポートができる人材を目指し、地域に根差した取り組みを推進していきたいと考えております。

添削コメント｜「現場理解を深めたい」「地域に根差した取り組みをしたい」だけでは、将来ビジョンがやや曖昧なままでした。実際にどんな行動を起こしたいかを追記し、入社後の活躍像をイメージしやすいように修正しています。

・論理的な文章の流れを ・ 強みは前向きに表現 ・動機は行動とセットで

例文2：金融サポートで農業を支える

【結論】 私は、金融という立場から農業を支え、生産者が安心して農業に取り組める環境づくりに貢献したいと考え、農業における資金課題の解決を支援し、生産者の挑戦を後押ししたいと考え、貴社を志望いたしました。

添削コメント｜どうして金融に携わることで「生産者が安心して、農業に取り組めるのか」がはっきりしていません。そこで、資金課題の解決と金融がどうして役立つのかを明確に表現しました。

【根拠となるエピソード】 大学時代、経済学部で地域経済を学ぶ中で、農業が地域の産業や暮らしを支える基盤であることを知り、関心を持つようになりました。そこからゼミ活動を行う中で、農業従事者の資金問題を解決したいと考えたのが、金融サポートをしたいと考えたきっかけです。農業では資金面の課題が多く発生しており、それが生産規模の拡大や新たな取り組みの壁となっている現状を知り、問題意識を持ちました。

添削コメント｜急に農業から資金問題へ視点が移っており、志望動機の根拠としては不自然になっていました。そこで、資金課題が農業に与えている影響に気づいた際のことについて追加で言及しています。

【エピソード詳細】 特にゼミの活動で農業従事者へのインタビューを行った際、「資金の不安があると、挑戦に踏み出しづらい」という声を多く聞きました。「新しい作物に挑戦したいが、初期費用が不安で踏み出せない」と話す農家の声を通じて、現場での資金課題を実感しました。この経験も、金融知識がある人材が、農業の現場に寄り添った提案をすることで、地域農業の発展に寄与できるのではないかと考えるようになったきっかけです。

添削コメント｜「声を多く聞きました」は抽象的で受け身の印象が強く、行動によって得た学びとして弱く感じられます。印象的なエピソードを具体的に描写し、「課題の実感→将来の役割意識」へとつながるストーリーを強調することで、説得力と共感性が高まりました。

【企業を選んだ理由】 貴社は、農業経営の伴走支援に力を入れ、資金調達だけでなく経営改善にも携わっている点に魅力を感じました。文系出身の私にも活かせるフィールドがあると感じ、地域に根ざした支援体制に共感し、金融の知識を活かしながら長期的に農業に関わることができると感じ、志望いたしました。

添削コメント｜「文系出身の私にも〜」という表現は弱腰に映りやすく、自信や熱意が伝わりにくくなります。企業の「伴走支援」という特色に共感を示したうえで、自身の志望動機との接点を論理的に示すことで、志望度と企業理解の高さが伝わる表現に仕上げました。

【入社後】 入社後は、現場でのニーズを正確に捉え、金融面から最適な支援を行うことで、行えるようになるため、まずは法人営業の経験を通して、金融の知識を蓄えたのち、農業の業界知見を持つことで、生産者の挑戦を後押しできる存在を目指します。

添削コメント｜金融面から最適な支援を行うことでは、広く金融業で実現できる内容になってしまい、差別化が難しいです。そこで、どうやって金融による支援ができる人材になるのかのキャリアプランを伝えることで、内容面で差別化を図っています。

・抽象的な表現を使わない ・前向きな表現を用いる ・志望先に特有の魅力に言及する

④農業機械メーカーを志望する場合

農業機械メーカーでは、最新の技術を駆使して農作業を効率化するための機械を開発・販売しています。技術者としての知識やスキルだけでなく、現場で実際に使われる機械のニーズの理解も重要です。

農業機械メーカーを志望する際には、自分の技術力や開発経験だけでなく、農業に対する情熱や現場の課題解決に取り組む姿勢を示しましょう。

例文1：農業の効率化技術に貢献したい

【結論】 私は、農業の効率化や生産性向上に技術の力で貢献し、持続可能な農業の実現に寄与したいと考え現場での課題を解決し、食と農の持続に実践的に寄与したいと考え、貴社を志望いたしました。

添削コメント｜「持続可能な農業」は聞こえは良いものの抽象的であり、志望動機の説得力が弱まるリスクがあります。そこで、「現場課題への解決」という表現で再構成しました。例文全体のテーマである「農業の効率化×技術貢献」も明示できており、冒頭の結論として概ね適切です。

【根拠となるエピソード】 大学で経営学を学ぶ中で、日本の農業が人手不足や高齢化といった課題を抱えていることを知りました。特に、担い手不足を補う手段として注目される「スマート農業」の仕組みに興味を持ちました。

添削コメント｜農業に関心がある理由→なぜ農業機械に関心を持ったのかのエピソードが、スムーズに表現できています。

【エピソード詳細】 ゼミで取り組んだ農業法人への調査を通じて、ITや機械化の導入によって、作業の効率が大きく向上している事例に触れました。一方で、技術を現場に根付かせるには、使用する人に寄り添ったサポートや提案が不可欠であることも学び、現場と技術をつなぐ仕事に魅力を感じました。同時に、高齢の作業者が戸惑う様子や、従来の方法とのギャップを覚え、利用者目線でのサポートの必要性も実感し、現場と技術の橋渡しをする役割に魅力を感じるようになりました。

添削コメント｜後半が抽象的だったため、現場で「どのような課題」を見たのかを具体化しました。「利用者に寄り添ったサポート」などは一般論に聞こえがちなので、対象（高齢者）と状況（戸惑い）が分かるようにすると一気に説得力が増します。「現場と技術の橋渡し」という志望動機との接続も強化されています。

【企業を選んだ理由】 その点で、貴社は農業の現場に深く入り込み、生産者とともに課題を解決する姿勢を貫かれており、地域や作物ごとのような現場の課題に即した支援を行っている点に共感し、実務を通じて技術活用を推進できると考え志望いたしました。

添削コメント｜「姿勢を貫く」という抽象表現ではなく、「地域・作物ごとの支援」という具体性を加えることで、なぜ志望先企業なのかの説得力を強めています。企業を選んだ根拠が業界共通ではなく、「その企業だから」という説得力が生まれる表現になっている点が好印象です。

【入社後】 入社後は、現場の声を丁寧に拾いながら、業務の最適化や仕組みづくりに携わり、持続可能な農業の基盤構築に貢献したいと考えております。現場ごとのニーズに合った支援の形を考え、技術の導入と運用設計の両面から食農の持続に貢献したいと考えております。

添削コメント｜「持続可能な農業の基盤構築」は抽象度が高く、「どのように貢献するか」が伝わりにくい表現でした。そこで、「運用設計」「現場ニーズ」などの実践的なキーワードに置き換え、職務内容をイメージしやすく調整しました。

・一般的な表現は具体的に ・企業の志望理由は論理的に ・ 動機の一貫性を意識

例文2：環境に優しい農業機械開発への関心

【結論】 私は、環境負荷の少ない農業機械の開発を通じて、持続可能な農業の実現に貢献したいと考え、貴社を志望いたしました。

添削コメント｜この結論は、志望の軸である「環境への配慮」と「農業機械開発」が明確に提示されており、企業の事業領域としっかり結びついています。志望動機としてのテーマ性が一文で伝わる構成になっており、文量・具体性・方向性の3点が良く整っています。

【根拠となるエピソード】 高校時代に訪れた農業体験学習で、農作業の大変さと重機による効率化の重要性作業の省力化を支える農業機械の有用性を目の当たりにしました。大学では環境問題を学ぶ中で、農業と環境保全の両立には技術の進化が欠かせない環境負荷を抑える技術革新の役割が大きいと感じました。

添削コメント｜「重機による効率化の重要性」「技術の進化」などの表現は抽象的かつ一般的で、エピソードの個別性が弱くなっていました。そこで、農業機械の「省力化」や「環境負荷軽減」といった具体的な価値に言い換えることで、テーマ性との一貫性と説得力を高めています。

【エピソード詳細】 農地の水はけ改善に携わった体験から、作業者の負担軽減だけでなく、土壌への配慮やエネルギー効率の改善にも興味を持ちました。作業の安全性や効率だけでなく、農地環境に与える影響にも意識が向くようになりました。人にも自然にも優しい機械が普及することで、次世代の農業がより魅力あるものになると考えるようになりました。農業が環境問題への一助となり得る産業であることに可能性を感じました。

添削コメント｜元の文では「興味を持った」「魅力あるものになる」といった主観的で抽象的な表現が多く、エピソードの意義が伝わりづらい構成でした。改善後は「意識の変化」や「社会的意義」に言及し、文系出身でもしっかり考察を深めている印象が伝わるようにしています。

【企業を選んだ理由】 貴社は、農業機械の小型化や電動化に力を入れており、環境と生産性の両立を目指す姿勢に深く共感いたしました。文系出身の私でも、製品開発を支える調査や企画の面で貢献できると感じています。特に製品の企画や市場調査といった分野で、利用者視点を活かした提案を行えると考えています。

添削コメント｜「文系出身の私でも」という表現は控えめすぎる印象を与え、自己評価の低さと捉えられる恐れがあります。そこで「利用者視点」や「企画・調査」という言葉に置き換えることで、職種理解と貢献意欲が明確になり、前向きな印象に改善されました。

【入社後】 入社後は、現場の声を丁寧に拾い上げながら、環境配慮と実用性を両立した製品づくりに携わり、次世代の農業を支える存在になりたいと考えております。利用者と開発現場の橋渡し役として、持続可能な農業に資する製品の価値向上に貢献したいと考えております。

添削コメント｜「次世代の農業を支える存在」は漠然としており、具体的な貢献方法が見えにくい表現でした。改善後では「橋渡し役」「価値向上」など具体的な働き方を提示し、調査や企画職で活躍する将来像が明確に描ける構成にしました。

・抽象表現の具体化 ・文系としての貢献の提示 ・一貫した論理構成

⑤農業資材メーカーを志望する場合

農業資材メーカーを志望する際には、化学や生物学の知識を活かし、環境に優しい製品の開発に貢献したい等の意欲を示すことがポイントです。

また、農業の現場で使われる資材がどう生産性向上や環境保護に寄与するかについて具体的に述べることで、説得力のある志望動機となるでしょう。

例文1：持続可能な資材開発に携わりたい

【結論】 私は、環境に優しく、長期的に農業を支える資材の開発に携わることで、持続可能な社会づくりに貢献したいと考え、貴社を志望いたしました。

添削コメント｜志望理由が「持続可能な社会」と「農業資材開発」の2軸で明確に提示されており、テーマとの整合性が高い点が好印象です。また、「貢献したい」という意志が明確で、採用側も動機の方向性をつかみやすく、修正の必要はありません。

【根拠となるエピソード】 大学では環境問題について学んでおり、食品ロスやプラスチック廃棄といったテーマに取り組む中で、農業と環境保全の関係に興味を持ちました。特に、農業資材が自然環境に与える影響について関心を深め、改善の必要性を感じるようになりました。

添削コメント｜元の文は抽象的な感情表現が続いており、「関心を抱いた」だけでは具体的な思考の変化が伝わりませんでした。改善文では「改善の必要性に気づいた」という意識変化を明確にし、志望動機の根拠として説得力を高めています。

【エピソード詳細】 講義の一環で地域農家を訪問した際、ビニール資材の廃棄や処理に悩む声を聞きました。この経験から、使いやすくかつ土壌や生態系に配慮した資材が、農家にとっても環境にとっても大きな価値を持つことを実感し、資材開発という分野に強い興味を持つようになりました。この課題に直面したことで、使いやすさと環境配慮を両立した資材開発が必要であると強く感じ、将来この分野で力を発揮したいと考えるようになりました。

添削コメント｜元の文章は抽象的な「価値」や「興味」で終わっており、志望動機との接続が弱い印象でした。改善文では「課題→認識→志望」までの思考の流れを明確にすることで、エピソードが志望動機につながるストーリーとして機能するよう整理しました。

【企業を選んだ理由】 貴社は、環境に配慮した製品開発をいち早く進められており、現場の声を取り入れながら資材改良に取り組まれている点に強く惹かれました。農業資材の改良において現場の声を積極的に反映しながら、環境への負荷軽減に向けた製品開発を進めておられ、その姿勢に共感いたしました。

添削コメント｜「いち早く進められており」は主観的かつ情報の裏付けが弱く、信頼性を欠く表現でした。改善後は、企業の「現場重視」「環境配慮」という具体的な特徴を取り上げ、「共感」によって志望理由を自然につなげています。

【入社後】入社後は、生産者のニーズを丁寧にくみ取り、安心して使用できる資材づくりを通して、持続可能な農業を支える存在を目指します。

添削コメント｜「誰のために、どんな課題に対して、どう貢献したいか」が明確であり、結論やエピソードとも一貫性がある点が評価できます。具体的な行動計画（生産者ニーズの把握→製品化）も含まれており、即戦力イメージにつながる構成です。

・抽象表現に具体性を ・志望理由に企業独自の理由を ・エピソードに課題感を

例文2：環境に配慮した農業資材の開発に貢献したい

【結論】 私は、環境に優しい農業資材の開発を通じて、持続可能な農業の実現に貢献したいと考え、貴社を志望いたしました。

添削コメント｜志望内容が「資材開発」と「持続可能な農業」の2軸で明確に示されており、企業の事業領域と一致しています。簡潔ながら方向性が伝わりやすく、修正の必要はありません。

【根拠となるエピソード】 大学のゼミで環境問題を学ぶ中で、農業が自然環境に与える影響の大きさを知りました。特に、使用資材が土壌や水質に与える負荷を減らすことが、長期的な農業の継続には欠かせないと感じました。この中でも、農業資材の廃棄による土壌や水質の汚染が、5年後、10年後の農作物の収穫量に響いてくることを知り、その改善に関心を持つようになりました。

添削コメント｜「どうして農業資材の負荷が農業の継続に関わるのか」が曖昧で、根拠自体の印象が薄かったです。そのため、「農業資材の廃棄による汚染がどこまで農業に悪い影響を与えるのか」に言及し、環境に優しい農業資材を開発したいという動機に説得力を与えました。

【エピソード詳細】 フィールドワークで農業法人を訪れた際、使用後のビニールや化学資材の処理が大きな課題であると伺いました。環境に配慮した製品が広がれば、現場の負担軽減にもつながると実感し、農業資材の分野で貢献したいという想いが強まりました。その際、環境への負担を抑える資材の必要性を改めて感じ、現場課題の解決に資する製品開発に携わりたいと考えるようになりました。

添削コメント｜「想いが強まりました」といった抽象的な結論ではなく、「課題→必要性→意志」へと論理展開を明確化。現場の学びが志望へつながる構成に改善されています。

【企業を選んだ理由】 貴社は、環境配慮型の資材開発に早くから取り組んでおり、現場のニーズをもとに製品を進化させている点に魅力を感じました。ており、文系職として調査や分析の面から製品改良に貢献したいと考えております。

添削コメント｜「魅力を感じました」だけでは、やや淡白な志望動機なので、入社後に製品にどう関わっていきたいかまで伝えるように修正しました。

【入社後】 入社後は、農家の方々や地域の声を丁寧に拾いながら、自然と共生する農業資材の開発に携わりたいと考えております。

添削コメント｜入社後の行動イメージが具体的で、前段の志望内容とも矛盾なくつながっています。「共生する資材」というワードも企業姿勢と合致しており、好印象です。

・主観表現を避ける ・経験を構造化する ・企業との接点を明確に

農業分野の志望動機の落ちるNG例文

農業分野での就職や転職を目指す際、志望動機は非常に重要な役割を果たします。

ここでは、特に避けるべきNG例文とその改善ポイントを紹介しますので、参考にしてください。

1. 自然が好きなどの浅い理由に終止している
2. 応募先でなくても当てはまる一般的な理由になっている
3. 給与や福利厚生など待遇ばかりに言及している

①自然が好きなどの浅い理由に終止している

【NG例文】 「私は自然が好きなので、農業に関わる仕事に就きたいと考えています。自然に囲まれた環境で働くことで、自分自身もリフレッシュできると考え、農業分野での仕事に魅力を感じました。」 【OK例文】 「私は大学で農業経済学を学ぶ中で、農業が地域社会や経済に与える影響の大きさを実感しました。自然を愛するだけでなく、農業の持続可能性を高めることで社会に貢献したいと考え、貴社の持続可能な農業の取り組みに強い興味を抱いています。」

NG例文では、「自然が好き」等の表面的な理由に終わっており、具体性に欠けています。

一方で、OK例文では自然への関心を起点に、学びや具体的な社会貢献への意欲を述べることで、志望動機に深みを持たせていますよ。

採用担当者は、志望者がどう業界や企業に貢献できるかを重視するため、具体的な内容が重要です。

②応募先でなくても当てはまる一般的な理由になっている

【NG例文】 「私はチームで働くことが好きなので、農業分野で多くの人と協力して働きたいです。チームワークを大切にしながら、貢献できる仕事をしたいと考えています。」 【OK例文】 「私は、貴社が推進している地域農業支援のプロジェクトに強く共感しています。これまでのチームでのプロジェクト経験を活かし、貴社の地域活性化への取り組みをさらに発展させるために貢献したいと考えています。」

NG例文では「チームで働きたい」等の理由が一般的すぎて、応募先でなくても通用してしまいます。

OK例文では、具体的に応募先の企業やプロジェクトに対する関心を述べ、チームワークの経験がどう貢献できるかを示していますよ。

企業が抱える課題やプロジェクトに絡めた志望動機は、特に効果的です。

③給与や福利厚生など待遇ばかりに言及している

【NG例文】 「貴社の給与や福利厚生が充実していると聞き、安定した環境で働ける点に魅力を感じています。長期的に安定した職を得たいと考えており、応募しました。」 【OK例文】 「貴社が提供している福利厚生は、従業員が安心して働ける環境を整えていると感じましたが、それ以上に、貴社の持続可能な農業への取り組みに共感しています。自分のスキルを活かし、その取り組みに貢献したいと考えています。」

NG例文では給与や福利厚生ばかりが強調され、企業の事業内容や自分の志望動機に関する具体性がありません。

OK例文では、福利厚生に触れつつも、それ以上に企業の事業や理念に共感している点をアピールしています。

採用担当者は、待遇よりも企業への熱意や価値観を重視するため、上記の工夫が必要ですよ。

農業分野の志望動機の面接での効果的な伝え方

農業分野での面接において、志望動機を効果的に伝えるためには、具体性と熱意が重要です。

まず、志望動機を述べる際にはなぜ農業に興味を持ち、その中でもなぜ特定の企業を選んだのかを明確な説明が大切です。

例えば、自身の経験や学びを元に、農業分野で感じた魅力や課題を具体的に語り、その企業がどうその課題を解決しようとしているかに触れることで説得力が増します。

自分のスキルや知識が、企業のプロジェクトやビジョンにどう役立つかを述べ、入社後のビジョンを持っていることをアピールしましょう。

あると便利！農業分野への就職で役立つ資格4選

農業分野での就職や転職を目指す際に、資格を持っていると大きなアドバンテージです。

特に、現場での作業や農業機械の操作には専門知識やスキルが求められるため、特定の資格を持っていることで即戦力として評価されやすくなるでしょう。

ここでは、農業分野で役立つ4つの資格を紹介し、それぞれの取り方や難易度、どういった場面で活かせるかについて詳しく解説します。

1. 普通自動車運転免許
2. 大型特殊自動車運転免許
3. 日本農業技術検定
4. けん引免許

①普通自動車運転免許

普通自動車運転免許は、農業分野で働く上で非常に役立つ基本的な資格です。

農作業では、農場や畑と市場や流通センターとの間で農産物を運ぶ際に車両の運転が必要となる場面が多くあります。

普通自動車運転免許は、全国各地の自動車教習所で取得可能で、取得までに通常1～3か月ほどかかり、筆記試験と実技試験の両方があり、取得の難易度は比較的低いと言えるでしょう。

普通自動車運転免許を持っていることで、農場内外での移動や荷物の運搬をスムーズに行うことができ、仕事の幅が広がります。

②大型特殊自動車運転免許

大型特殊自動車運転免許は、トラクターやコンバイン等の大型の農業機械を運転するために必要な資格です。

農業の現場では、こうした機械を使うことが多く、特に規模の大きい農場では必須となることもあります。

大型特殊自動車運転免許は、自動車教習所で取得でき、講習を受けて実技試験と学科試験の合格で取得可能です。

取得には数週間程度の時間がかかる場合があり、普通自動車運転免許が前提となることが一般的です。

③日本農業技術検定

日本農業技術検定は、農業に関する総合的な知識を問う資格です。

植物の栽培方法や土壌管理、農業における法律や経営に関する知識等、幅広い内容をカバーしています。

検定は1級から3級まであり、特に3級は初心者でも挑戦しやすく、農業に関する基礎的な知識を確認するために役立ちますよ。また、試験も全国各地で年数回開催されており、申し込みも比較的容易です。

この資格を持っていると、農業に関する知識が証明できるため、就職や転職の際に信頼性が高まるでしょう。

④けん引免許

けん引免許は、トレーラーを使って大型の農業機械や資材を移動させる際に必要な資格です。

農業現場では、トラクターや収穫機等の大型機械を運搬する場面が多くありますが、けん引免許を持っていることでこれらの機械を安全に移動させられますよ。

取得には、けん引免許を提供する教習所に通い、学科試験と実技試験をクリアする必要があり、時間的には1～2か月程度で取得でき、難易度はやや高めの傾向にあります。

けん引免許があれば、機械の輸送が必要な大規模農場や複数の拠点を持つ農業法人等で非常に重宝されるスキルとなり、業務の幅が広がるでしょう。

農業分野の志望動機についてのまとめ

農業分野の志望動機を作成する際には、浅い理由に終わらず、具体的な経験や企業の取り組みに共感を示すことが重要です。

また、企業に対する理解を深め、他社ではなくその企業で働きたい理由を明確に伝えることで、説得力を持たせられます。

今回紹介したポイントや例文を参考にしながら、自分の強みや意欲を効果的に表現しましょう。

しっかりと準備を整え、自信を持って面接に挑むことで、より良い結果を引き寄せられます。