履歴書の趣味欄が読書は問題ない?企業側が抱くイメージや伝え方を紹介
履歴書の趣味欄が読書だと評価に影響があるか心配になりますよね。調べてみると〇〇の趣味は辞めたほうがいいなどの意見があり不安になる人も多いでしょう。
実は志望者の趣味によって、企業側が抱くイメージが変わることも。趣味1つでマイナス印象にならないようにする伝え方にはいくつかのポイントがあります。
本記事ではまず、履歴書の趣味欄が読書でも問題ないかを解説。次に企業側が抱くイメージや伝え方なども紹介していきます。
ぜひ本記事を参考に自分の趣味を適切に伝えて、企業側に好印象を残せるようにしましょう。
そもそも就活で趣味を書く理由は?企業側の理由
ここでは、企業が志望者の趣味を聞く理由について解説します。
趣味と就活は直結しないため、書く理由が分からない方もいるでしょう。企業側の理由には、以下の3つが挙げられます。
それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
①人柄を知れるから
趣味から大まかな人柄を知ることができます。例えば「旅行が好き」であれば、アクティブな人のイメージがあるのではないでしょうか。
もしも「手芸や絵を描くのが好き」などであれば、インドアで落ち着いているイメージを抱き、旅行が好きな人とは性格が大きく違うと思うでしょう。
能力は大切ですが、それよりも大切なのは人柄です。実際、リクルートキャリア就職みらい研究所の「『就職白書2024』データ集」では、採用基準で人柄を重視するのは9割以上とのデータが出ています。
このことから、企業が趣味欄の記入を求めるのも頷けるでしょう。
②個性や特性を知れるから
人柄以外にも、趣味を通して個性や特性を読み取ることが目的という企業もあります。趣味はいわばその人が熱中しているものであるため、個性や特性を把握するのに最適です。
読書の場合であれば、好きなジャンルや作家からでも個性を伝えられます。
③会話の話題になるから
趣味は緊張を解くために、面接のはじめに聞かれることが多い話題です。
もしも面接官と趣味が同じであれば、そこから会話が弾むこともあります。
特に好きな作家や物語が似ているともなれば、一気に緊張が解けるでしょう。ただし、共通の趣味だからといって内定につながるとは限りません。
そのため、周りの評判や人気度を気にして好きな作家や物語を決めなくて大丈夫です。
「読書が趣味」からイメージされる3つの印象
趣味が読書という場合にイメージされる印象について紹介します。
趣味から人柄をイメージされるのはよくあることで、読書も例外ではありません。読書が趣味と伝えると、以下の印象を抱かれます。
ここでは、それぞれの印象を見ていきましょう。
①教養がある
趣味が読書であれば、教養があるという印象を抱かれることがあります。
これは読書は直接的な表現をせず、さまざまな言葉を用いて感情を表現することが多く、物語を通じてさまざまな知識を得られるからです。
言葉の使い方や文章の書き方から教養を感じる方は多く、就活中はもちろん、社会人になってからも長所に変わりはありません。
②共感力がある
本を読む人は、共感力があるとイメージする方も珍しくありません。
特に物語の本だと、感情移入をして同じ気持ちになる方も多いでしょう。そもそも小説は絵がないため、文字や言葉から登場人物の気持ちや、世界を想像する必要があります。
自分が体験していないものを思い浮かべたり、過去の経験から誰かの気持ちを理解しようとしたりするため、共感力や創造力が培われるのも納得です。
③物事に対して丁寧に取り組む
読書が趣味だと答えた場合、物事に対して丁寧に取り組む印象を持たれることも多いです。
本は読み切るのに時間がかかる趣味であるため、落ち着いている人でないと取り組むことはできません。
時間に余裕があっても、せっかちな人や刺激が好きな人の場合は読書を続けるのが難しいでしょう。
そのため、読書が好きな人=1つの物事に対して丁寧に取り組める落ち着いている人とのイメージが付きます。
物事に対して丁寧に取り組む姿勢は社会人としても大切であるため、良いイメージにつながるでしょう。
【ジャンル別】それぞれの本から抱かれるイメージ
ここでは、ジャンル別にそれぞれの本から抱かれるイメージを紹介します。
それぞれのイメージを詳しく見ていきましょう。
①小説
小説は、共感力や想像力が高いという印象を抱かれます。
これは小説が文字から主人公の気持ちを創造したり、見たことのない世界を想像したりする必要があるためです。
さらに小説はジャンルが多いので、より人柄がわかりやすいでしょう。また、どの場面がいいと思ったのか述べると、より相手に気持ちを伝えられます。
②ビジネス書
ビジネス書は、勉強が好き・向上心があるという印象を抱かれます。
これは、ビジネス書は小説のように楽しむものではなく、学習する要素が強くあるためです。
また、志望している業界の本を読んでいれば、志望意欲をさらにアピールできるでしょう。ただし、ビジネス書は趣味としては選びにくいジャンルでもあります。
きっかけがなければ、趣味ではなく就職活動のためという印象になりかねません。なぜビジネス書を読むようになったのか、きっかけをしっかりと話せるようにしておきましょう。
③ベストセラー
ベストセラーは情報収集力が高く、好奇心旺盛という印象を抱かれるでしょう。
そもそも、ベストセラーの本を知るにはニュースを見ておく必要があります。特にニッチなジャンルの場合、人気な本でも調べないと出てこないケースも多く、情報収集力が高いと感じられるでしょう。
一方で、ベストセラーの本は説得力をもたせられないと、「とりあえずで言っているだけ」とマイナスな評価になることがあります。本を読むきっかけや、ジャンルが好きな理由を伝えて説得力をもたせましょう。
④専門書
専門書は1つの物事に熱中している証で、知的好奇心があるという印象を抱かれるでしょう。
読んでいる専門書が志望する業界と関係ないとしても、1つの物事を追求する姿勢は高評価になります。専門書で得た知識を活用していると、さらに説得力が出るでしょう。
ただし、専門書の魅力は誰もがわかりやすい言葉で伝えるようにしてください。専門用語で魅力を伝えていると、説明能力がないとマイナス印象になる恐れがあります。
趣味が読書と言えるレベルは?
結論から述べると、1ヶ月に3~4冊以上読めば趣味だと言っていいでしょう。
文化庁の「国語に関する世論調査」によると、約8割以上の人は月に1〜2冊、もしくは本を読まないとのデータが出ています。このことから1週間に1冊程度を基準だとし、1ヶ月で3〜4冊であれば趣味と言える基準です。
ただし、月に1冊〜2冊の場合だとしても、アルバイトや勉強などで忙しい方であれば読書が趣味だといいっていいでしょう。自分のプライベートの時間をどれだけ読書に充てられているかで考えると、分かりやすいのではないでしょうか。
とはいっても、月に10冊〜20冊以上は、嘘だと疑われる恐れもあるため注意してください。
読書を趣味と伝えるときの5つのポイント
ここでは、読書を趣味と伝えるときのポイントを5つ紹介します。
読書は教養がある、丁寧な人などのように評価されやすい趣味である一方、伝え方によってはマイナスな評価になることもあります。
これから紹介するポイントを押さえて、良い印象につなげていきましょう。
①読書で得られたものを伝える
読書を趣味と伝えるときは、趣味の読書を通じて得られたものを伝えることが大切です。
例えば、小説が好きな方であれば共感力が高くなって他人に寄り添えるようになった、文章を書くスキルが身について評価されたエピソードなどがあるでしょう。
得られたものは小さくとも問題ありません。何かしら得られたものがあれば、その人の個性や長所として評価されます。
②読書が好きな理由をはっきり述べる
趣味を聞かれたときは、読書が好きな理由もはっきりと伝えましょう。一口に読書が趣味といっても、好きな本のジャンルや好きになったきっかけは人によってさまざまです。
現実世界で体験できない世界に触れるのが好きな人もいれば、自分の知らないことを知れるから好きという人もいます。
読書が好きな理由を具体的に説明することで、面接官はその姿勢を評価してくれるでしょう。
③簡潔かつ分かりやすい内容にする
志望動機や自分の長所を伝える際にも言えますが、簡潔かつ分かりやすい内容にしましょう。結論ファーストで伝えることで、まとまった印象を与えられて相手は話を理解しやすくなります。
読書が趣味の場合は「私の趣味は読書です」から始まり、次に「なぜなら〜」で理由を述べれば問題ありません。
過程から話すと何を言いたいのかわからないと思われてしまうため、注意してください。
④状況に応じて話を膨らませる
面接官からの質問には、スムーズに答えられるようにして、話を膨らませられるようにしておきましょう。
趣味が読書と書いてあると、面接官からは「どのような本が好きですか?」「好きな作家などあいますか?」「好きな作品のお気に入りの場面を教えて下さい」などのように深堀りされることがあります。
面接対策として自己紹介の練習をするかと思いますが、同時に質問の想定に対する答えも考えるようにしてください。
普段であれば答えられる質問も、緊張しているとうまく答えられない可能性があります。あらかじめ質問を想定しておき、スラスラと答えられるようにしておきましょう。
⑤作家名やジャンル名などを用いて具体性を持たせる
読書を趣味と伝えるときは、作家名やジャンル名などを用いて具体性を持たせることがポイントです。
作品名やジャンルを書くことで、採用担当者はあなたの人柄を把握しやすくなります。
面接官は「作家のどこが好きなのか」「好き作品は何なのか」などのように質問もしやすくなるでしょう。
しっかりと答えることができれば、読書が趣味という言葉により説得力をもたせることができます。
履歴書の趣味欄に読書とアピールするときの例文
ここでは、履歴書の趣味欄に読書とアピールするときの例文を紹介します。
それぞれの例文を見ていきましょう。
例文①
以下は、1つ目の趣味欄に読書をアピールする際の例文です。
私は読書が趣味で、昔から幅広いジャンルの本を読むことが好きです。 中でもビジネス書や自己啓発書を通じて新しい知識や視点を得ることが好きで、年間200冊以上を目標に、週末や睡眠前には必ず本を読んでいます。 読書を通じて、論理的思考や問題解決能力を高められ、柔軟な考え方を養うこともできました。 最近では、リーダーシップやマネジメントに関する書籍を中心に読んでおり、仕事に活かせる能力の知識も身につきました。 |
例文②
以下は、2つ目の趣味欄に読書をアピールする際の例文です。
私は読書が趣味で、昔から幅広いジャンルの本を読むことが好きです。 読書を通じて私は読書が趣味で、空き時間があれば常に本を読んでいます。毎週本屋に足を運び、ジャンルは問わずさまざまな本を読んでいます。 年間200冊以上を目標にし、本を読み終わった後は毎回一言必ず感想を残すようにしています。 本を読んだことで自分なりに物語を解釈する力も生まれ、想像力や1つのことに集中力も身につきました。継続的に物事に取り組む力は、私の長所であると考えています。 |
例文③
以下は、3つ目の趣味欄に読書をアピールする際の例文です。
私は読書が趣味で、昔から幅広いジャンルの本を読むことが好きです。 私は読書が趣味で、特にベストセラーの小説を中心に読んでいます。今では見落とさないようにSNSを見たり、毎週本屋に通ったりして本を探しています。 ベストセラー作家はさまざまな人の感想を知ることができ、広い視野で物事を考えられる力が身につきました。 趣味の読書を通じて、ベストセラーの本を調べるために情報収集力が高まり、想像力や共感力も身につきました。プレゼンやヒアリング能力として、ビジネスにも活かせると思っています。 |
NG例文①
以下は、1つ目の趣味欄に読書をアピールする際のNG例文です。
私の趣味は読書です。子供の頃に何気なく読んだのがきっかけで、気がつけば大学生の今でも読んでいます。 好きなジャンルは特にないのですが、勧められた本はとりあえず読むようにしています。 |
NG例文②
以下は、2つ目の趣味欄に読書をアピールする際のNG例文です。
趣味はなんとなく続けている読書です。寝る前の時間や休日は読書をしています。 読書はさまざまな世界を見せてくれるため、社会人になっても本は読み続けたいです。 |
趣味が読書と伝えるときの4つの注意点
ここでは、読書が趣味と伝えるときの注意点を4つ紹介します。
これから紹介する注意点を踏まえて、読書が趣味だと伝えていきましょう。
①漫画・ライトノベルは避ける
読書を趣味と伝える場合は、娯楽要素の強い漫画・ライトノベルは避けるのが無難です。
アニメ制作会社や出版社などであれば、漫画やライトノベルでも問題ないかもしれません。
しかし、業界によってはこれらは娯楽でビジネスと関連性がないとマイナスな印象を抱く企業もあります。
したがって、漫画やライトノベルと関連していない業界の場合は、ビジネスや専門書、小説などにするのが無難です。
嘘をつくのはNGですが、志望先に合わせてアピールするジャンルを変えるのもテクニックですよ。
②ネガティブな動機にしない
どの趣味でも共通していえることですが、「暇だから」「安く済むから」などのようにネガティブな動機は避けましょう。
ネガティブな動機が事実だとしても、就職活動でそれを伝えるのは自ら評価を下げに行っているようなものです。
趣味で直接的に採用・不採用になることはありませんが、回答次第で大きなマイナス評価になることは十分にあります。
したがって、読書が好きな理由は「生活では体験できないような話を聞けるから」「自分の知らない世界のことを知れるから」などのようにポジティブな理由にしましょう。
③好きなジャンルや本がない
趣味が読書だと答えているにもかかわらず、こだわりがないのは「本当は読書は趣味ではないのでは」と疑いを持たれかねません。
趣味が読書と答えると、「好きなジャンル」や「好きな作家」などを聞かれるケースが多くあります。
「幅広い本を読みますが、中でも切ない物語が好きです」のように大まかな好みは伝えられるようにしておきましょう。
④深堀りされても答えられるようにする
趣味だと答えている以上、深堀りされても答えられるようにしておきましょう。
読書が趣味だとなれば、好きなジャンルや本などを高確率で聞かれます。
そこからどのようなところが好きなのか、最近読んだ本などを聞かれるでしょう。冒頭でも述べたように、企業側は趣味を通してあなたの人柄や性格などを知ろうとしています。
そのためにさまざまな質問をして深堀りしますが、うまく答えられない場合は人柄を知ることができず、評価に繋がりません。深堀りされたときに答えられるよう、質問を想定しておきましょう。
履歴書の趣味の欄に読書と書くのは問題ない
この記事では、履歴書の趣味の欄に読書と書くのは問題ないのかについて紹介しました。
結論から述べると、読書と答えるのは問題ありません。むしろ丁寧な人や教養がある印象など、前向きな印象を抱かれる趣味です。
しかし、これは小説や専門書などに限ります。漫画やライトノベルはマイナスな印象を抱く可能性が高いため、避けるのが無難です。
とはいえ、基本的にはポジティブな印象の趣味には違いありません。読書が趣味の方は、本記事で紹介した注意点や伝え方を参考にして就職活動に挑んでくださいね。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。