公務員試験の数学科目の範囲は?数的処理対策に力を入れよう!
公務員試験の突破には、基礎能力試験の攻略が大切です。そして基礎能力試験対策の中でも、数学科目が気になっている方は多くいるのではないでしょうか。
公務員試験の数学科目攻略は、ポイントを押さえた対策が重要です。
そのため本記事では、公務員試験における数学科目の概要や特に重要である数的処理の対策などを解説します。
数的処理の例題も紹介しているので、ぜひ気軽にチェックしてくださいね。
公務員試験の数学科目の範囲は自然科学と数的処理
公務員試験における数学科目の範囲は、「自然科学」と「数的処理」の2つです。公務員試験の基礎能力試験は、以下のように整理できます。
一般知能分野 | ・数的処理(数的推理や判断推理など) ・文章理解(現代文や英文) |
一般知識分野 | ・人文科学(歴史や地理など) ・自然科学(数学や物理、化学など) ・社会科学(法律や政治経済など) |
自然科学は問題数が毎年1問程度と少ないうえに出題範囲が広いため、対策に時間を使うことはあまり効率的と言えません。
一方の数的処理は毎年必ず出題され、全体の30%程度と出題数が非常に多い点が特徴的です。
さらに中学数学程度のレベルで対応できることからも、公務員試験の数学対策では数的処理対策に時間をかけることが重要でしょう。
自然科学とは
公務員試験における自然科学とは、中学・高校で学習する以下の5科目をカバーする分野のことです。
- 数学
- 物理
- 化学
- 生物
- 地学
自然科学の数学の問題は、数的処理と比較するとやや専門性が高いと言えます。出題数が少ないことからも、あえて捨て科目にしてしまうのも1つの方法です。
自然科学の対策をするのであれば数学ではなく、出題テーマがある程度決まっていて暗記だけで対応できる生物・地学に力を入れた方が良いでしょう。
数的処理の4分野
数的処理には、以下の4分野があります。
- 判断推理
- 数的推理
- 資料解釈
- 空間把握
ここでは、数的処理の4分野について概要や出題例を紹介します。
・人事院のホームページ(以下)を活用して、各分野の出題例も引用しつつ概要を紹介する
①判断推理
判断推理とは、問題文にて提示される一定の条件から、条件を満たす選択肢を論理的に探し出す分野です。
順序・位置関係を整理して答えたり登場人物の発言から正しい内容を選択したりと、数学的な要素が最も少ない分野だと言えます。
以下が、判断推理の例題です。
A~Dの4人がじゃんけんの大会を、図のようなトーナメント戦で戦った。次のことが分かっているとき、確実にいえるのはどれか。 ただし、全てのじゃんけんにおいて「あいこ」はなく、一回のじゃんけんは1つの手で勝ち負けが決まったものとする。 ○Aは、Dとじゃんけんを行わなかった。 ○Bは、Cとじゃんけんを行わなかった。 ○Bは、優勝しなかった。 ○1回目のじゃんけんで、Aはグーを、Bはパーを、Cはチョキを出した。 1.Aは、1回目のじゃんけんで勝った。 2.Aは、Cとじゃんけんを行わなかった。 3.Bは、Dとのじゃんけんに勝った。 4.Cは、Dとじゃんけんを行った。 5.Dは、1回目のじゃんけんでグーを出した。 (正解:5) |
②数的推理
数的推理とは、問題文を読み込み論理的に計算式を導き出して解く分野です。
数の性質や場合の数、確率、面積・体積などから出題される、算数や数学的な要素が強い分野だと言えます。
特に確立や図形の問題は、幅広い公務員試験にて出題頻度が高いため対策が必要でしょう。以下が、数的推理の例題です。
ある大会でAチームとBチームが野球の試合を行い、先に3勝したチームを優勝とし、その時点で大会を終了する。AチームがBチームに勝つ確率が2/3であるとき、AチームがBチームに3勝2敗で優勝する確率はいくらか。 ただし、引き分けはないものとする。 1.16/81 2.20/81 3.8/27 4.10/27 5.4/9 (正解:1) |
③資料解釈
資料解釈は、統計資料を読み込んで必要な計算を行い、正答を探す分野です。増加率・減少率や指数、実数などのグラフや図表を読み込みます。
正確な計算力よりも、グラフや図表から大まかな数値の見当を早期に立てる能力が求められると言えるでしょう。
以下が、資料解釈の例題です。
三角グラフは、三つの構成要素の比率を表すのに用いられ、第1次・第2次・第3次産業の人口率を表す産業別人口構成のように、合計値が100%になるようなデータの表現に適している。例えば、ある国Xの産業別人口構成が、第1次産業人効率20%、第2次産業人口率30%、第3次産業率50%である場合、図Ⅰの三角グラフを用いると、●の位置に示される。 図Ⅱは、A~Jの10か国について産業別人口構成を示したものである。図Ⅱから確実にいえることとして最も妥当なのはどれか。 1.第1次産業人口率が30%を上回っている国は5か国である。 2.第1次産業人口率と第2次産業人口率を合わせた人口率が50%を下回っている国は4か国である。 3.第1次産業人口率と第2次産業人口率の差が5ポイント以内である国はCのみである。 4.第1次産業人口率と第3次産業人口率を合わせた人口率が最も高い国はGである。 5.第2次産業人口率と第3次産業人口率を比較すると、全ての国において後者が前者を上回っている。 (正解:5) |
④空間把握
空間把握は、簡単に言うと図形問題です。空間把握は、数的推理の中の1分野として見られることもあります。
図形の形状や個数などを問われる問題が中心的で一見シンプルですが、基本的な対策は必要だと言えるでしょう。
以下が、空間把握の例題です。
図のように、短辺であるAB,CDの長さが6である長方形ABCDを2辺AB、CDが対角線ACに重なるように折り返して平行四辺形AECFを作る。頂点B、Dの折り返し後の位置をそれぞれB‘、D’とすると、長方形ABCDの面積は、三角形B’ECの面積の8倍であった。 このとき、BCの長さはいくらか。 1.4√3 2.8 3.6√2 4.9 5.6√3 (正解:2) |
【3段階】数的処理の基本的解答方法
ここでは、数的処理の基本的な回答方法を以下の3段階に分けて紹介します。
- 問題文から出題テーマを把握する
- 出題テーマに対する解法パターンを考える
- 解法パターンに合わせて解答する
①問題文から出題テーマを把握する
数的処理の問題に回答する際にはまず、問題文から出題テーマを把握します。問われているのが何の問題なのか、まず把握することが大切です。
「判断推理の順序関係だ」「数的処理の旅人算だ」などと問題文を読んですぐに気づければ、短時間での解答につながります。
公務員試験に出やすい出題テーマに関してはひと通り把握しておき、読んですぐに判別できるようにすることが理想です。
そのためにも、対策においてはできるだけ多くの問題演習が求められるでしょう。
②出題テーマに対する解法パターンを考える
出題テーマを把握できたら、テーマに合わせた解法パターンを考えます。それぞれの問題には、典型的な解法パターンがあることが通常です。
例えば旅人算であれば、「一定時間ごとの2人の距離」について注目することが基本です。
解法パターンが分からなければ、問題に対してゼロから解法を考えなくてはいけません。
時間のロスをできるだけなくすためにも、問題演習を繰り返してできるだけ多くの出題テーマの解放パターンをすぐに思い出せるように訓練すべきです。
③解法パターンに合わせて解答する
解法パターンを思いついたら、最後はパターンにあてはめて解答します。解答の速さが、数的処理の得点力を左右すると言えるからです。
問題演習にあたっては、解いてみて全く分からなくなったら無理せず解答を確認することをおすすめします。
ただし合格点を取るためには、演習を繰り返すことで解答にかかる時間を短くしていくことが重要です。
数的処理の勉強方法3選
ここでは、数的処理の勉強方法として以下の3つを紹介します。
- 解法パターンを暗記する
- 過去問・問題集を繰り返し解く
- 勉強が進んだら時間を測って取り組む
①解法パターンを暗記する
公務員試験の数的処理に対応するためには、解法パターンの暗記が基本です。数的処理は、数学的センスだけが問われる問題ではありません。
基本的には、解放パターンを覚えておいて「できるだけ早く・正確に各問題へと適用すること」が重要です。
そして解法パターンを早く・正確に問題へ適用できるようにするには、解法パターンのインプットとアウトプットの繰り返しを訓練する必要があります。
②過去問・問題集を繰り返し解く
公務員試験の数的処理の学習方法としては、過去問・問題集を繰り返し解くことも挙げられます。
解法パターンがすぐ出てくるようになるには、反復練習が何より大切です。1冊の過去問・問題集を複数回繰り返し解いてみるようにしましょう。
最初のうちは、解法が分からないと判断した段階で答えをすぐ見ても問題ありません。
解法が分からなかったり正答できなかったりした問題にはマークを付けておき、後で何度も取り組んでみるようにしてください。
③勉強が進んだら時間を測って取り組む
ある程度勉強が進んできたと思ったら、時間を測って問題を解いてみます。
公務員試験の時間感覚に慣らしておかないと、本番で力を発揮できない恐れがあるためです。
過去問や問題集を数巡程度したら、時間を測って問題を解いてみましょう。1つの問題に駆られる時間は、実際には5分もないと考えるべきです。
解答できる問題をスムーズかつ確実に抑えるためにも、時間を意識しての反復訓練は必ず行うことが大切です。
公務員試験の数的処理対策のコツ2選
ここでは、公務員試験の数的処理対策におけるコツを以下の通り2つ紹介します。
- 苦手でも捨ててしまわない
- 毎日少しずつでも勉強の時間を作る
①苦手でも捨ててしまわない
数的処理に対して苦手意識を持っていたとしても、捨ててしまうことは避けましょう。数的処理は、基礎能力試験の中も出題数が多いためです。
全体の30%程度が、数的処理の問題であり、捨ててしまうと残りの問題をほとんど落とせなくなってしまいます。
数的処理が苦手な場合でも、50%をまず目標にして対策に取り組んでみると良いでしょう。
数的処理で50%程度取れれば、他の問題で挽回することで合格ライン目安である60%の得点は十分に可能です。
②毎日少しずつでも勉強の時間を作る
数的処理の対策をするなら、毎日少しずつでも勉強の時間を取ることをおすすめします。毎日反復練習をすることで、解法を自然と身につけやすいためです。
全分野をまとめて勉強する方法も否定はしませんが、知識が定着しにくく精神的な負担が大きいことからもおすすめはしにくいでしょう。
特に数的処理に苦手意識を持っている人は、毎日少しずつでも解法パターンのインプット・アウトプットを繰り返すことをおすすめします。
公務員試験の数学対策は数的処理に時間をかけましょう!
公務員試験の数学対策をするなら、基本的には数的処理に時間をかけることをおすすめします。
解答の流れを理解して反復的に学習することで、迅速かつ正確に数的処理の問題に対応できるようにしましょう。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。