公務員の就職浪人について解説!割合や成功・失敗のポイントは?
公務員は就活生に人気の職種であり、1回の試験では合格できない人も多数います。
そして公務員試験に成功できなかった方の中には、「公務員浪人」について検討している人もいるのではないでしょうか。
本記事では、公務員浪人の概要やメリット・デメリット、成功のためのポイントなどを紹介します。
公務員浪人を検討している方は、ぜひお気軽にチェックしてみてくださいね。
公務員浪人とは
公務員浪人とは、公務員試験に落ちたまま卒業し、既卒として民間企業への就職を目指さずもう一度公務員試験に挑戦する人を指します。
公務員は就活生にとって人気の高い仕事であり、狭き門です。そのため、公務員浪人を選択する人も一定数います。
公務員浪人を選択する際には、採用に年齢制限が設けられている点に注意が必要です。
自治体や職種によって年齢制限は異なることから、事前に募集要項をしっかりと呼んで確認しておかなくてはいけません。
公務員試験の倍率
人事院のデータによると、公務員試験の倍率は総合職と一般職で以下の通りとなっています。
職種 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
総合職 | 10,141名 | 1,285名 | 7.9倍 |
一般職 | 17,463名 | 7,557名 | 2.3倍 |
上記を見ると一般職でも半数以上は不合格になり、特に総合職は狭き門となっていると言えるでしょう。
公務員浪人の末路はどうなる?
公務員浪人をした結果、試験に合格すればもちろん公務員になれます。しかし、浪人をしたからと言っても必ず公務員になれるわけではありません。
公務員試験は倍率が高く、年齢制限も設けられているためです。公務員浪人を繰り返していると、年齢制限に引っかかってしまう可能性はあります。
公務員浪人がうまくいかないようで民間企業への就活も検討しないと就職自体が難しくなる可能性もあるでしょう。
公務員浪人をするなら、「いつまで続けるのか」の期限をしっかりと決めることが大切です。
公務員浪人のメリット3つ
ここでは、公務員浪人のメリットを以下の3つに整理して紹介します。
- 試験勉強に多くの時間を割きやすい
- 実際の試験の反省点を活かせる
- 後悔・プレッシャーがやる気につながることもある
公務員浪人をすべきかの判断材料として、ここで確認しておきましょう。
①試験勉強に多くの時間を割きやすい
公務員試験のメリットとしてまず挙げられるのが、試験勉強に多くの時間を割きやすいことです。
大学や専門学校を卒業した後なら、学業に時間を割く必要がないことからより多くの時間を公務員試験対策に使えます。
公務員試験の突破には1,000時間の勉強が必要であるとも言われており、使える時間が多いことは大きなメリットです。
公務員としての就職しか考えていない状況であれば、公務員浪人は有力な選択肢でしょう。
②実際の試験の反省点を活かせる
実際の試験の反省点を活かせることも、公務員浪人を選択するメリットの1つです。実際に本試験を受けた経験は、現役生にはない大きな強みだと言えます。
公務員試験の細かい内容は自治体ごとに異なり、経験しなければ分からないことはどうしてもあります。
本番の雰囲気や質問の内容など、実際の試験の生きた情報は非常に貴重なものです。
実際に試験を受けた感覚を元に対策を進めることで、より合格に近づきやすいと考えられるでしょう。
③後悔・プレッシャーがやる気につながることもある
公務員試験に対する後悔やプレッシャーが、やる気につながることもあります。
「次はもう合格するしかない」と強く思うことで、集中して対策に臨めるでしょう。また予備校に通うことで、同じ状況の仲間を作ることも可能です。
ただし、後悔やプレッシャーがやる気につながるのかどうかは、性格や状況によって異なります。
またやる気に満ち溢れていたとしても冷静に計画し、1年間勉強をやりきれるように無理をしないことも重要です。
公務員浪人のデメリット6つ
公務員浪人を検討するにあたって、デメリットと向き合うことは大切です。そのためここでは、公務員浪人のデメリットを以下の6つに整理して解説します。
- 民間企業への就職が不利になる可能性がある
- 就職のタイミングが遅れる
- 精神的に追い詰められやすい
- モチベーションを保ちにくい
- 必要以上にプライドが高くなる恐れがある
- 経済的な問題が発生する
①民間企業への就職が不利になる可能性がある
公務員浪人をするデメリットとしてまず挙げられるのが、民間企業への就職が不利になる可能性です。
以下のような理由から、公務員浪人を選択すると民間企業への就職が不利になるかもしれません。
- 新卒扱いじゃなくなる
- 履歴書に空白の期間ができる
- 民間企業の業界・企業研究が進まない
公務員試験に挑戦するにあたっては、しっかりと自分の中での期限を設けて集中して取り組むことが重要でしょう。
②就職のタイミングが遅れる
公務員浪人を選択することで就職のタイミングが遅れてしまうことも、デメリットの1つです。
公務員浪人が1年で終わったとしてもそれまでの同級生たちと比較して社会に出るタイミングが1年遅れることになります。
就職のタイミングが遅れれば、人生設計が崩れたり生涯年収が減ったりする可能性があるでしょう。
公務員浪人の期間が長引けば、それだけ就職のタイミングは遅れていきます。1年で成功するように、集中して取り組むことが大切です。
③精神的に追い詰められやすい
公務員浪人のデメリットには、精神的に追い詰められやすいことも挙げられます。
同級生の多くが働き出している中で浪人生活を送ることは、想像以上に大きなプレッシャーです。
公務員浪人をしても合格できるとは限らず、そのまま民間企業への就職も難しくなってしまう可能性もあります。
未来への不安や焦りから、勉強に集中できないことも考えられます。プレッシャーに弱いなら、民間企業に勤めながらの転職も視野に入れるべきでしょう。
④モチベーションを保ちにくい
モチベーションを保ちにくいことも、公務員試験のデメリットに挙げられます。周囲が就職した中で長期間勉強を続けることは、簡単ではありません。
最初はやる気に満ちていたとしても、勉強を続けるうちに「なぜ浪人なんて選んだのか」「何のために勉強しているんだ」と考え出すこともあり得ます。
公務員を目指す理由が分からなくなってしまえば、勉強を諦めてしまうこともあり得るでしょう。
公務員浪人をするなら、事前にしっかりと検討をして覚悟を持って臨む必要があります。
⑤必要以上にプライドが高くなる恐れがある
公務員浪人をしていると、必要以上にプライドが高くなってしまうこともあります。公務員を目指していること自体が、自分のプライドになってしまうのです。
プライドだけが高くなってしまうと、民間企業への就活に切り替える判断も遅れてしまいやすいでしょう。
もちろんしっかりと勉強して合格することがベストですが、どこで民間企業への就活に切り替えるのか事前に決めておくことも重要です。
⑥経済的な問題が発生する
公務員浪人を選択する以上は、経済的な問題を無視できません。公務員浪人を続けるには、生活費の準備が必要です。
家庭の事情によっては、勉強だけを続けることが難しい場合もあります。大学や専門学校を卒業したなら、すべてを両親任せにできない場合もあるでしょう。
浪人中にかかる費用については両親ともよく話し合い、場合によってはアルバイトすることも視野に入れる必要があります。
公務員浪人成功のポイント4つ
ここでは、公務員浪人を成功させるためのポイントを以下の5つに整理して紹介します。
- スケジュール管理を徹底する
- 志望動機を明確にする
- 失敗した原因や課題を分析する
- 情報収集を大切にする
①スケジュール管理を徹底する
公務員浪人をするなら、スケジュール管理の徹底が大切です。公務員試験突破には、一定のまとまった勉強時間の確保が求められます。
ときには気分転換も必要ですが、基本的には勉強を優先しなくてはいけません。
自己管理を徹底して、勉強を中心としたスケジュールを立てることが求められます。
勉強時間を確保するためには、家で勉強できるときだけでなく、アルバイトの通勤時間や休憩時間なども勉強に有効活用すると良いでしょう。
②志望動機を明確にする
公務員浪人をするにあたっては、志望動機を明確にする必要があります。公務員浪人を続けるには、強いモチベーションが必要であるためです。
志望動機があいまいなままでは、途中でモチベーションを失ってしまう可能性もあります。
また、公務員試験の面接において志望動機を明確に伝えられない場合、浪人したとしても不合格になることは十分にあり得るでしょう。
勉強だけでなくアルバイトやほかの経験も積み、魅力的な志望動機を練り上げられるようにしておくことも大切です。
③失敗した原因や課題を分析する
公務員浪人を始めるにあたっては、前回の失敗原因や今の課題を分析することも大切です。
筆記試験や面接などどの部分が大きく足を引っ張ったのか、どこを強化すれば合格に近づけるのか、具体的に把握て対策に取り組む必要があります。
たとえば「筆記試験がうまくいかなかった」という場合でも、時間配分を間違えたのか知識不足だったのか、原因によって対策は異なります。
失敗経験を活かせることは、現役生にはない大きな強みです。ただやみくもに勉強をするのではなく、効果的な勉強を心がけましょう。
④情報収集を大切にする
公務員浪人をするなら、情報収集も徹底する必要があります。筆記試験においても面接においても、効果的な対策には情報収集が欠かせません。
独学で勉強し続けていると、どうしても情報が不足して独りよがりな勉強になってしまいがちです。
公務員試験に合格した人の話を聞いたり、模擬面接を受けて自分に足りないものを聞いたりすると良いでしょう。
また、公務員予備校や通信講座なども、場合によっては利用してみることが大切です。
公務員浪人が成功しやすい人の特徴3つ
ここでは、公務員浪が成功しやすい人の特徴を以下の通り3つ紹介します。
- 自分の課題を見つけ改善できる
- コツコツと勉強できる
- 面接対策を怠らない
①自分の課題を見つけ改善できる
公務員浪人を成功させやすい人の特徴としてはまず、自分の課題を見つけて改善できることが挙げられます。
浪人をするということは、一度失敗しているということであるためです。課題を改善せず前回と同じようなやり方で挑戦すれば、同じ結果になってしまう可能性が高いです。
自分と向き合うことができなければ、成功することが難しいことを認識しなくてはいけません。
公務員浪人を始めるにあたっては自分の課題をまず分析し、どう克服するかを考えたうえでスケジュールを立てることが大切です。
②コツコツと勉強できる
コツコツと根気よく勉強を続けられることも、公務員浪人を成功させやすい人の特徴だと言えます。
公務員試験に合格するためには、継続して勉強し続けることが必要です。直前期にだけ勉強するには、範囲が広すぎるためです。
毎日勉強を継続させることで知識が定着し、筆記試験の得点も安定しやすくなるでしょう。
また、1年間勉強を継続することで自信につながります。本番に自信を持って臨むためにも、コツコツと勉強することは大切です。
③面接対策を怠らない
公務員試験を成功させやすい人の特徴としては、面接対策を大切にしていることも挙げられます。
筆記試験と面接で構成されている公務員試験では、筆記対策だけでは不十分です。面接本番ではどうしても緊張してしまうので、対策は欠かせません。
聞かれる可能性が高い質問はもちろん、過去の傾向なども情報収集をしてできる限りの準備をしておくことが重要です。
可能であれば第三者に模擬面接をしてもらい、気になった点をフィードバックしてもらうようにしましょう。
公務員浪人が失敗しやすい人の特徴3つ
ここでは、公務員浪人が失敗しやすい人の特徴を以下の3つに整理して紹介します。
- 勉強を最優先にしていない
- 精神的なプレッシャーを感じすぎている
- 公務員を志す理由が明確になっていない
①勉強を最優先にしていない
公務員浪人が失敗しやすい人の特徴としてはまず、勉強を最優先にした生活ができていないことが挙げられます。
公務員試験の突破には、どうしても一定の勉強時間が必要であるためです。友人からのお誘いや趣味など、誘惑は多くあるでしょう。
しかしそこで自分を律することができなくては、公務員浪人の成功はありえません。
「次の試験では必ず合格する」との意気込みを持って、浪人の1年間は勉強を最優先にしたスケジュールを立てるようにしましょう。
②精神的なプレッシャーを感じすぎている
精神的なプレッシャーを感じすぎてしまっていることも、公務員浪人が失敗しやすい人の特徴の1つです。
公務員浪人を始めてみると、想像以上のプレッシャーを感じることは多々あります。
「もう失敗できない」との気持ちが強くなればなるほどプレッシャーが強まり、勉強に集中できなくなってしまうこともあるでしょう。
公務員浪人に失敗しても、選択肢はまだ多く残っています。過度なプレッシャーを抱えないように、失敗した後のことを冷静に考えておくことも大切です。
③公務員を志す理由が明確になっていない
公務員浪人に失敗しやすい人の特徴としては、公務員を志す理由が明確になっていないことも挙げられます。
明確な理由がなければ、1年間モチベーションを保つことが難しいためです。なんとなく続けているだけでは、途中で勉強を投げ出す可能性もあります。
公務員浪人をすべきかどうか悩んだら、公務員になりたい明確な理由があるのかしっかりと考えてみることも重要でしょう。
もし「公務員でなくても良いかも」と思えるようなら、他の選択肢も冷静に考えてみる必要があります。
公務員浪人せず民間企業就職を目指すメリット3つ
ここでは、公務員浪人をせずに民間企業への就職を目指すメリットを、以下の3つに整理して紹介します。
- 選択肢が多くなる
- 新卒として就活できる
- 公務員とは違うスキルアップ・キャリア形成のチャンスがある
今後の計画を冷静に立てるために、民間企業就職についても一定程度は調べておきましょう。
①選択肢が多くなる
民間企業への就活のメリットとしては、選択肢が多くなることがまず挙げられます。民家企業には、幅広い職種・業界があるためです。
企業規模も1社ずつ異なっており、働き方も企業によって多種多様だと言えます。自分に合った働き方を求めるなら、民間企業は魅力的な選択肢でしょう。
民間企業を選ぶことで、かえってイキイキと働けるようになるかもしれません。
ただし、自分に合った民間企業を見つけるためには、改めて自己分析や業界・企業研究を行う必要がありあます。
②新卒として就活できる
新卒として就活できることも、公務員浪人から民間企業への就活に切り替える魅力の1つです。
企業によっては、学校卒業から3年以内であれば新卒枠として採用しています。早期に民間企業への就活に切り替えれば、現役生と同様の就職が可能です。
ただし、新卒として扱う条件は企業ごとに異なります。
卒業から1~2年としていたり、学校を卒業した段階で新卒扱いしなかったりとさまざまです。気になる企業があれば、募集要項を必ず確認しましょう。
③公務員とは違うスキルアップ・キャリア形成のチャンスがある
民間企業に就職することで、公務員とは大きく異なるスキルアップ・キャリア形成のチャンスがあります。
マーケティングや営業などのスキルを民間企業で身につけることで、新たなキャリアビジョンが生まれる可能性もあるでしょう。
高いスキルを身につけることで昇進したり、他の企業からヘッドハンティングされるキャリアアップも十分に考えられます。
努力次第でさまざまな未来を描けることは、民間企業就職の大きな魅力です。
公務員に落ちてから民間企業に就活する際のポイント2つ
ここでは、公務員試験に落ちてから民間企業への就活を始める際のポイントを、以下の2点に整理して紹介します。
- 自己分析を改めて行う
- 業界・企業研究をする
①自己分析を改めて行う
公務員試験から民間企業への就活に切り替えるにあたっては、自己分析を改めて行うべきです。
就活生のポテンシャルや人間性、価値観を評価する企業も多く、自己分析によって自分の魅力や適性を理解しておく必要があります。
自己分析によって分かった就活の軸をブラさず、譲れない条件を明確にして就活に臨むと良いでしょう。
また、公務員試験に失敗してから民間企業への就活に切り替える場合は、切り替えた理由を説明できるようにしておく必要もあります。
②業界・企業研究をする
業界・企業研究の徹底も、民間企業への就活に切り替えるにあたっては大切です。
公務員試験に集中していた方の中には、業界・企業研究をほとんど行っていなかった方も多くいるのではないでしょうか。
新卒ではなく既卒扱いだとしても、未経験可として求人をしている企業は多数存在します。
自己分析で分かった自分の適性や就活の軸を元に、魅力的に感じる業界や自分に合った企業を探してみましょう。
公務員浪人をするならメリット・デメリットを比較しよう!
公務員浪人には大きなプレッシャーが伴い、1年間モチベーションを保つだけでも大変なことだと言えます。
公務員浪人をするならメリットとデメリットを比較し、しっかりとしたスケジュールを立てて計画的に取り組むようにしましょう。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。