大学院卒の履歴書の書き方完全ガイド|学歴・研究の記載例も紹介
この記事では、大学院卒ならではの履歴書の書き方を、構成ポイントや記入例とあわせてわかりやすく解説します。
大学院での学びや研究は、履歴書にどう落とし込むかによって印象が大きく変わります。特に専門性や研究テーマ、キャリアビジョンを企業にどう伝えるかが、選考通過のカギになります。
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履歴書を書く前に知っておきたい心構え

大学院生として就職活動を進めるうえで、履歴書は単なる書類ではなく大学院卒ならではの経験やスキルを企業に伝える大切な手段です。
ここでは、履歴書を書く前に押さえておきたい心構えについて、以下の4点を解説します。
- 履歴書は「自分を伝えるツール」と意識する
- 大学院での経験をどう企業に活かせるかを明確にする
- 応募先企業の特徴や求める人物像を事前に把握する
- 自己分析とキャリアビジョンを整理しておく
① 履歴書は「自分を伝えるツール」と意識する
履歴書は、事実を淡々と書き連ねるものではありません。自分の強みや人柄を、企業にわかりやすく伝えるためのコミュニケーションツールです。
大学院生の多くは、専門性や研究内容に重きを置きすぎてしまい、企業の関心とズレが生じるケースもあります。
大切なのは、読む相手が何を知りたいかを想像し、それに応じて内容を構成することです。
たとえば「〇〇を研究していました」だけではなく、「この研究で得た○○力を、御社の△△業務にどう活かせるか」まで書ければ、読み手に響く履歴書になるはずです。
自分本位なアピールではなく、相手の立場を踏まえた言葉で説明できているかを見直してください。また、書いた内容に一貫性があるか、応募先に合った内容かをチェックすることも大切です。
履歴書は“伝える姿勢”を意識し、採用担当者との最初の対話のつもりで丁寧に仕上げましょう。
② 大学院での経験をどう企業に活かせるかを明確にする
大学院での研究や活動は、専門性の高さや努力の証でもありますが、それが企業の業務とどう結びつくのかが伝わらなければ意味がありません。
企業は即戦力だけでなく、ポテンシャルや将来性も見ています。そのため、「この経験をどう仕事に活かせるか」を明確に示すことが重要です。
特に企業は、スキルそのものよりも「再現性のある行動力」や「課題への向き合い方」に注目する傾向があります。
たとえば、実験を通して培った分析力、発表で鍛えた説明力、複数人での研究活動で得た協調性など、研究を通じて得た力を具体的に伝えましょう。
単なるスキルの羅列ではなく、背景やプロセス、成果まで含めて語ることで、あなたの価値が伝わりやすくなります。
履歴書では、企業にとって「役立つ経験」として見てもらえるように、伝え方を工夫してください。
③ 応募先企業の特徴や求める人物像を事前に把握する
履歴書の説得力を高めるには、応募する企業のことをしっかりと理解しておくことが欠かせません。
業界や事業内容だけでなく、企業理念や社風、求める人物像を調べることで、自分のどんな経験や価値観をアピールすればよいかが見えてきます。
応募先企業の採用ページ、ニュース記事、社員インタビューなどから、会社の特徴を多角的に把握しましょう。
たとえば「チームでの連携を大事にする企業」なら、研究室でのチームワークや後輩指導の経験が活きるでしょう。
逆に、「個人の主体性を重視する企業」では、自ら課題を見つけて取り組んだエピソードが響くはずです。こうした企業理解があることで、履歴書の説得力は飛躍的に高まります。
企業ごとに履歴書の見せ方を変えることは手間かもしれませんが、それが結果的に内定への近道になるでしょう。
④ 自己分析とキャリアビジョンを整理しておく
魅力的な履歴書を書くには、まず自分自身を深く理解しておくことが大切です。
特に大学院生は、「なぜ大学院に進学したのか」「その経験からどんな学びがあったのか」「今後どんなキャリアを築きたいのか」などを、論理的に説明できるようにしておきましょう。
大学院での経験は一貫性があるように見えて、実は多様な側面を持っています。そのため、自分なりの解釈で整理して言語化する力が問われます。
自己分析が甘いと、履歴書の内容に一貫性がなくなり、印象に残りません。逆に、自分の考えや経験を言語化できると、書類だけでなく面接でも強みになります。
とくにキャリアビジョンについては、「こうありたい」という理想像や、自分なりに貢献できる姿を描くことが重要です。
明確な答えがなくても構いません。自分なりの軸を持っていることで、企業側にも「将来を見据えている人材」として信頼感を与えることができるでしょう。
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大学院卒の履歴書の特徴とは?学部卒との違い

大学院卒の就活生が履歴書を作成する際には、学部卒との違いをきちんと理解しておくことが大切です。
採用担当者が注目するポイントや見られ方が異なるため、単に学歴を記載するだけでは十分なアピールになりません。
ここでは、大学院卒ならではの履歴書の特徴について、押さえておくべき点を紹介します。
- 「修了」と「卒業」を使い分ける必要がある
- 学部卒よりも専門性や研究経験が評価される
- 大学院進学の理由や目的を明確に伝える必要がある
- 学部卒よりも年齢・就業経験に関する見られ方が異なる
①「修了」と「卒業」を使い分ける必要がある
履歴書の学歴欄では、「卒業」と「修了」を正しく使い分ける必要があります。大学を出た場合は「卒業」、大学院を終えた場合は「修了」が適切な表現です。
これは意外と見落としがちですが、正確に使い分けることで基本的な理解力や注意力が伝わります。
たとえば、「〇〇大学大学院 〇〇研究科 〇〇専攻 修了」と記載すれば、正確で丁寧な印象になります。
また、誤って「卒業」と記載してしまうと、基本的なマナーを理解していないと判断されかねません。特に企業の採用担当者は、細かい表記ミスにも敏感です。
こうした細部の正確さは、文章全体の信頼性や応募者の誠実さを判断する材料にもなります。
履歴書全体の印象を左右する重要な部分なので、記入前に必ず見直してください。
②学部卒よりも専門性や研究経験が評価される
大学院卒の強みの1つは、学部卒にはない専門性や研究経験です。特に理系や技術職を志望する場合、どのようなテーマに取り組み、どんな成果を上げたかが評価されやすくなります。
ただし、専門的すぎる言葉は避け、わかりやすく説明する工夫が必要です。背景・方法・結果を簡潔に述べると、担当者にも伝わりやすくなります。
加えて、自分なりの工夫や考え方を盛り込むことで、主体性や思考力もアピールできるでしょう。
研究の成果がチームで得られたものであれば、自身の役割や貢献した点も具体的に書くと効果的です。
単なる「○○に取り組みました」では印象が弱くなるため、「課題に対して、データ整理と実験設計を主に担当し、改善策を提案しました」といった記載が望ましいです。
研究内容はわかりやすく整理しながら、自分が何を学び、どう活かせるかまで書くと、説得力が高まります。
③大学院進学の理由や目的を明確に伝える必要がある
履歴書では、なぜ大学院に進学したのかを明確にすることが重要です。
理由が曖昧だと「就職を避けただけ」と受け取られる可能性もあるため、将来のキャリアや学びの目的を具体的に伝えてください。
たとえば、「〇〇の課題に関心があり、応用力を高めたくて大学院に進みました」といった説明であれば、納得感があります。
進学の背景にある動機や目標が伝わるように工夫することで、前向きな印象を持たれるでしょう。また、進学によって得た視野の広がりや思考の深まりについても補足するとより効果的です。
「学部時代には見えなかった業界の課題に気づき、より実践的な知識を深めたいと思った」といったエピソードは、志望動機にもつながります。
④学部卒よりも年齢・就業経験に関する見られ方が異なる
大学院卒は、学部卒よりも就職活動のタイミングが遅れるため、年齢や社会経験の有無について注目されやすい立場です。
このとき、「なぜ新卒での就職を選んだのか」「大学院でどのような力を身につけたか」を説明できると効果的です。
インターンや学会発表、グループでの研究などは、社会人に求められる基礎力をアピールする材料になります。年齢が高いことに不安を感じる必要はありません。
それよりも、それまでの経験や成長をどう活かしているかを明確に伝えることが大切です。
たとえば、「年齢を重ねたことで、物事を多面的にとらえる習慣が身についた」「リーダー経験を通して人をまとめる力がついた」といった記述は、前向きな評価につながります。
また、既卒扱いにならないよう、エントリーのタイミングや採用枠についても確認しておくと安心です。相手の視点を意識しながら、信頼を得られる書き方を意識しましょう。
大学院卒の履歴書における学歴欄の書き方【ケース別解説】

就職活動で提出する履歴書では、大学院卒としての学歴の記載方法に迷う人が多いです。特に課程の修了状況や転入、専攻変更の有無によって、書き方が変わるため注意が必要です。
採用担当者に誤解を与えず、かつ研究内容を正しくアピールしましょう。ここでは、ケースに応じた正確な書き方について紹介します。
- 修士課程を修了した場合
- 博士課程を修了した場合
- 博士課程を修了したが博士号を取得していない場合
- 大学院を中退した場合
- 大学院に在学中の場合
- 学部・研究科・専攻を変更した場合
- 他大学から転入・編入した場合
- 和暦・西暦の記載で迷う場合
① 修士課程を修了した場合
修士課程を修了した場合は、履歴書の学歴欄に「○○大学大学院○○研究科○○専攻 修了」と記載します。
「卒業」と書いてしまうと誤解されることがあり、内容によっては不備と判断されるかもしれません。
研究科や専攻名は、大学で定められた正式名称を正確に記載してください。略称や通称を使うと、書類の信頼性が下がってしまいます。
修士論文や研究テーマについては、自己PR欄などで簡潔に伝えるのが効果的です。正確な表記は、あなたの専門性や努力を正しく伝えるために欠かせないものです。
② 博士課程を修了した場合
博士課程を修了し、博士号を取得している場合は、「○○大学大学院○○研究科○○専攻 博士課程 修了 博士(○○)取得」と記載しましょう。
これにより、正式な学位を取得していることが明確に伝わります。
「博士課程 卒業」「博士号 取得済」などの表現は正式なものではないため、避けるようにしてください。
特に一般企業では博士課程の制度を十分に理解していない担当者もいるため、正しい記述が求められます。簡潔で正確な表現にすることで、専門性と努力がしっかり伝わるはずです。
③ 博士課程を修了したが博士号を取得していない場合
博士課程を修了しても博士号を取得していない場合は、「○○大学大学院○○研究科○○専攻 博士課程 修了」と記載します。
博士号未取得であることを、履歴書に明記する必要はありません。履歴書は事実を記す書類なので、評価や理由は面接で補足する形が自然です。
面接で「なぜ博士号を取得しなかったのか」と質問されることもあるため、あらかじめ説明を用意しておくと安心でしょう。
記載はシンプルに、事実を丁寧に表すことを意識してください。
④ 大学院を中退した場合
大学院を中退した場合は、「○○大学大学院○○研究科○○専攻 中途退学」と記載します。
「退学」と書くことで悪印象になると心配する人もいますが、事実を正確に伝えることが何より重要です。
退学理由がポジティブなものであれば、面接で自信を持って説明すれば評価されることもあります。また、時系列が履歴書全体と一致しているかも忘れずに確認してください。
誤魔化さず、簡潔で誠実な記載を心がけましょう。
⑤ 大学院に在学中の場合
大学院に在学中の場合は、「○○大学大学院○○研究科○○専攻 在学中」と記載します。
修了予定年月が決まっているなら、「(2026年3月 修了予定)」のようにカッコ書きで補足しても問題ありません。
在学中であることを示すには、過去形ではなく現在形で書くのが基本です。就活の段階で卒業見込みであっても、事実に基づいた正確な表現が信頼につながります。
入社時期の目安にもなるため、修了予定を記すことは企業側にとっても助けになるでしょう。
⑥ 学部・研究科・専攻を変更した場合
学部や研究科、専攻を変更した場合は、それぞれの学歴を別行として正確に記載します。
たとえば「○○大学 経済学部 経済学科 卒業」の次に、「○○大学大学院 工学研究科 応用化学専攻 修了」と記載する形です。
こうした変更は、進路を柔軟に考えた結果であり、新たな専門性を身につけた証とも言えます。ただし、履歴書だけでは意図が伝わりにくいため、自己PRや面接で補足することをおすすめします。
誤字や略記を避け、正式名称で統一することが大切です。
⑦ 他大学から転入・編入した場合
他大学から転入・編入した場合は、すべての在籍歴を漏れなく記載してください。
たとえば「○○大学 理学部 編入学」「○○大学大学院 ○○研究科 修了」のように表記します。
学歴の流れを正確に伝えることで、学業に対する姿勢や意欲が評価されやすくなります。省略や曖昧な表現は避け、年月の記載にも注意しましょう。
履歴書に書かれた情報は、採用担当者にとって判断材料になります。誠実に、正しく記載することが重要です。
⑧ 和暦・西暦の記載で迷う場合
履歴書での年月表記は、和暦でも西暦でも構いません。ただし、どちらかに統一することが原則です。
最近では西暦を用いる人が増えていますが、学校指定のフォーマットがある場合はそれに従いましょう。
表記が混在していると、読み手に混乱を与えてしまいます。また、企業ごとに履歴書を変える場合でも、基本のルールは変えないようにしてください。
小さな点に見えても、丁寧な書類づくりには表記の一貫性が欠かせません。
研究内容・学びを履歴書で効果的に伝えるテクニック

履歴書において大学院での研究内容や学びをどう表現するかは、就活において重要なポイントです。研究経験を強みとして伝えることで、他の応募者と差をつけられる可能性があります。
ここでは、大学院生が履歴書に研究内容を記載する際に意識すべきテクニックを3つ紹介します。
- 研究内容は簡潔かつ分かりやすく説明する
- 研究の成果や得られたスキルを具体的に示す
- 研究内容を仕事にどう活かせるかを示す
① 研究内容は簡潔かつ分かりやすく説明する
履歴書では限られたスペースの中で、誰にでも伝わる表現を意識することが大切です。
大学院での研究は専門的な内容が多くなりがちですが、採用担当者の多くは研究分野の専門家ではないため、平易な言葉を用いて説明することが求められます。
たとえば、研究テーマを最初に一文で要約し、その後に目的や取り組みの背景を簡潔に加えることで、情報が整理されて伝わりやすくなります。
難解な専門用語の使用はできるだけ避け、やむを得ず使う場合には簡単な説明を添えると丁寧です。
文章の構成としては、1文を短くし、主語と述語の対応をしっかりと整えることで読みやすさが向上します。
また、社会人にとってなじみのある事例や身近なテーマと関連付けて説明できれば、相手の理解も深まり印象にも残りやすいでしょう。
② 研究の成果や得られたスキルを具体的に示す
履歴書に研究の内容を記す際には、「何を学んだのか」「どのような力が身についたのか」に焦点を当てて伝えることが重要です。
採用担当者は単なる研究紹介よりも、その経験から得られた成長や具体的な成果に注目しています。
定量的な情報や客観的な評価がある場合は、それを添えると説得力が増します。また、困難な場面でどのような工夫をしたかに触れることで、課題解決能力や柔軟性をアピールできます。
研究を進める中で自然と培われたスキル、たとえばスケジュール管理、データ分析、報告書作成などは、どの業界でも応用できる強みとして評価されやすいでしょう。
実際にどのように行動し、何を得たかを端的に書くことで、あなたの人柄や能力がより具体的に伝わります。
③ 研究内容を仕事にどう活かせるかを示す
大学院での研究が企業の業務やビジョンにどのように結びつくのかを明確に伝えることは、履歴書における差別化につながります。
どれだけ専門性の高い研究であっても、企業にとっての「活用イメージ」が湧かなければ、評価には直結しにくいものです。
「研究で磨いたデータ分析力を、マーケティング施策の効果測定に応用したい」といったように、実際の業務へどう貢献できるかを示しましょう。
このとき、「どのように役立てるか」「具体的に何に使えるか」まで踏み込むと、説得力が一段と高まります。
また、業界の課題や企業の方針と、自分の研究内容やスキルがどう重なるのかを整理し、それに基づいてアピールすることが大切です。
履歴書を通じて、「この人ならうちで活躍できそう」と思ってもらえるようなリアリティのある将来像を描いてください。
仕事への応用を示すことで、単なる学術的経験が「即戦力」として認識されるようになります。
履歴書で好印象を獲得する自己PR・志望動機の書き方

大学院卒の就活生が履歴書を作成する際、自己PRと志望動機は非常に重要な要素です。大学院で得た知識や経験を効果的に伝えることで、企業に良い印象を与えることができるでしょう。
ここでは、大学院で培ったスキルの活かし方や、研究テーマと企業の関係性の示し方、そして志望動機を魅力的に伝えるポイントを解説します。
- 大学院で培ったスキルや姿勢を自己PRに活かす
- 研究テーマと志望企業の関連性を明確にする
- 志望動機は「なぜその企業か」を具体的に伝える
① 大学院で培ったスキルや姿勢を自己PRに活かす
大学院では専門知識を深めるだけでなく、課題解決能力や論理的思考力、持続的な努力といった多くの力が身につきます。
これらのスキルは社会に出てからも大いに役立つものであり、履歴書の自己PR欄で積極的にアピールすべき要素です。
たとえば、研究活動において難しい課題に直面しながらも、何度も仮説検証を繰り返す中で問題を解決した経験があれば、その過程を簡潔に伝えてください。
その際、どのように考え、どんな行動を取ったかを具体的に書くことで、自身の主体性や思考力を伝えることができます。
また、学会発表やゼミ運営、指導教員との協働などを通じて培ったプレゼンテーション力やコミュニケーション能力も大切なアピールポイントです。
こうした経験は「実践的に行動できる人材」であることの証明になります。
単に「研究をがんばった」と書くだけではなく、どのような課題にどう立ち向かったのか、その結果どんな学びがあったのかまで掘り下げて記述することで、企業側の印象に残る自己PRが完成します。
② 研究テーマと志望企業の関連性を明確にする
大学院での研究と、応募先企業の業務や理念との接点を明確に示すことは、採用担当者の関心を引くうえで非常に効果的です。
企業は、自社の方向性や課題に対して具体的な貢献ができる人材を求めています。そのため、自分の研究テーマがどのように企業にとって価値を持つのかを伝えることが重要です。
たとえば、環境問題に関する研究をしていた場合、それが企業のCSR活動や事業領域とどうつながるかを具体的に説明してください。研究と企業を結ぶストーリーを組み立てることがポイントです。
加えて、その研究で得られた知識や視点を、入社後にどう活かせるかまで言及することで、さらに説得力が高まります。
「定量的な分析力を活かして業務の最適化に貢献したい」など、企業内での活用イメージを提示すると、読み手にとって理解しやすくなります。
単に表面的な共通点を示すのではなく、研究活動の中で得たものを通じて、企業の価値創出にどう貢献できるのかを明確に伝えることが評価につながるでしょう。
③ 志望動機は「なぜその企業か」を具体的に伝える
志望動機を記述するうえで最も大切なのは、「数ある企業の中で、なぜその企業を選んだのか」という点を明確にすることです。
大学院での経験や価値観を踏まえて、自分がどんな方向性を目指しているのか、そしてそれが企業の事業や理念とどのように一致しているのかを説明してください。
たとえば、「〇〇という研究を通じて社会課題への関心が高まり、持続可能な事業を展開する貴社のビジョンに共感しました」といった形で、自分の背景と企業の魅力をつなげて表現すると良いでしょう。
こうした具体的な理由づけによって、「この学生は自分の意思で企業を選んでいる」と伝わります。
さらに、入社後にどんな形で貢献したいのか、どのようなキャリアを築いていきたいのかまで述べられると、意欲と具体性が際立ちます。
企業理解と自己分析の両方がしっかりできていることを示す志望動機は、他の応募者との差別化にもつながります。
大学院卒の履歴書の記入例文4選

大学院を修了して就職活動を始めるとき、「履歴書をどう書けばいいのか」と迷う方は多いものです。ここでは、学歴や研究内容、志望動機など、大学院卒ならではの視点での記入例文を紹介します。
具体的な記入例を参考に、自信を持って履歴書を書けるようになりましょう。
1. 学歴欄の記入例
学歴欄には、高校卒業以降の学歴を時系列で記載します。大学院卒の場合は、大学入学から大学院修了までを抜け漏れなく書くことが重要です。
2017年4月 ○○大学 ○○学部 ○○学科 入学 2021年3月 ○○大学 ○○学部 ○○学科 卒業 2021年4月 ○○大学大学院 ○○研究科 ○○専攻 入学 2023年3月 ○○大学大学院 ○○研究科 ○○専攻 修了 |
2. 研究内容欄・研究課題欄の記入例
研究内容欄には、自身の専門分野や研究テーマ、アプローチ方法、成果を簡潔にまとめましょう。専門外の人が読んでも概要が伝わるように書くのがポイントです。
研究テーマ:都市環境におけるスマートエネルギーシステムの最適化 概要:都市部における再生可能エネルギーの有効活用を目的に、エネルギー需給のモデリングと最適化手法の研究を行いました。 成果:国内学会にて研究発表を行い、優秀論文賞を受賞しました。 |
3. 志望動機・自己PR欄の記入例
志望動機は、企業の事業内容や理念に共感している点を示すと効果的です。自己PRでは、大学院で得たスキルや経験をもとに、仕事でどう活かせるかをアピールしましょう。
志望動機:大学院での研究を通じて、御社の取り組む○○プロジェクトに強く関心を持ちました。エネルギーの最適化という自身の専門性を活かし、貴社の技術革新に貢献したいと考えています。 自己PR:課題解決力と論理的思考力には自信があります。研究では膨大なデータを扱い、定量的な分析をもとに最適解を導くことに注力してきました。 |
4. 資格・免許欄の記入例
資格・免許欄には、業務に関連する資格を中心に記載しましょう。取得年月を明記し、アピールポイントとなるスコアや等級があればあわせて記入すると効果的です。
2020年6月 TOEIC公開テスト スコア865 2021年11月 基本情報技術者試験 合格 2022年3月 普通自動車第一種運転免許 取得 |
大学院生が履歴書を作成する際の注意点

大学院生が履歴書を作成するとき、学部生とは異なる注意点があります。とくに形式的なミスや書き方の誤りは、思わぬ評価の低下につながることも。
内容より前に見た目や基本ルールを確認される場面もあるため、しっかりと押さえておきたいところです。ここでは、大学院生にありがちな履歴書の記載ミスや見落としやすいポイントを紹介します。
- 「卒業」と書かずに「修了」と記載する
- 大学院の正式名称を省略せずに記載する
- 専門用語や論文風表現を多用しすぎない
- 履歴書の形式・記入ルールを守る(修正液・筆記具など)
①「卒業」と書かずに「修了」と記載する
大学院を修了したにもかかわらず、履歴書に「卒業」と書いてしまう方がいます。これは制度上の誤りであり、「修士課程修了」「博士課程修了」と明確に書く必要があります。
「卒業」は学部課程までの表現であり、それ以降は「修了」となるのが正確です。
このような記載ミスがあると、基本的な理解や注意力に欠けていると受け取られる可能性があります。とくに人事担当者は履歴書の形式や用語に敏感なため、細かな部分でも正確さが求められます。
履歴書は応募者の第一印象を決める書類であるため、制度的な正確さは信頼感の証になります。形式的なルールを守ることは、社会人としての基礎力とも見なされるでしょう。
学歴欄では、大学までは「卒業」、大学院からは「修了」と書き分けてください。この基本を守るだけでも、履歴書全体の印象が引き締まります。
誤った表現を避けることは、応募書類の完成度を高めるうえでも重要です。
②大学院の正式名称を省略せずに記載する
履歴書に学歴を記載する際、「○○大学大学院」や「○○大学院」と略して書いてしまうことがあります。しかし、これは避けるべき表記です。正式な名称を正しく記載することは、社会人としての基本的なマナーといえるでしょう。
特に大規模な大学では、研究科や専攻が複数存在するため、略称では自分の専門が正確に伝わりません。「○○大学大学院 工学研究科 電気電子工学専攻 修士課程 修了」のように、学部から課程まで正式名称で記載しましょう。
正式名称を省略せずに記すことで、学びの内容や専門性が採用担当者により明確に伝わります。また、記載ミスや略記を避けることは、応募者の丁寧さや誠実さを印象づける要素にもなります。
特に技術系や理系分野では、どの研究領域に属していたかが採用の判断材料になることもあります。略記は避け、正式名称で統一することを徹底してください。
③専門用語や論文風表現を多用しすぎない
研究内容をしっかりアピールしたいという思いから、専門用語や学術的な表現を多用する履歴書になってしまうことがあります。ただし、採用担当者が必ずしもその分野の専門家とは限りません。
あまりに難解な表現では、研究の価値や魅力が伝わらない恐れもあります。相手に伝えることを意識し、平易な言葉で自分の学びや考えを表現することが大切です。
たとえば「○○に関する研究を行い、課題解決に向けて主体的に取り組んだ」といった表現なら、専門外の人にも伝わりやすいでしょう。
専門性を保ちつつ、相手目線を忘れないことが評価につながります。また、論文のように抽象的な表現が多すぎると、読み手の関心を引きにくくなる傾向もあります。
研究の背景・目的・成果などを簡潔かつ具体的に説明することで、読む側にとって親しみやすくなるはずです。
理解されることを最優先にし、過度な専門性は控えましょう。それにより、研究活動が実務にどう活かされるかを伝えやすくなります。
④履歴書の形式・記入ルールを守る(修正液・筆記具など)
履歴書は、内容だけでなく形式やルールも評価対象になります。たとえば誤字があった場合、修正液や修正テープを使うのではなく、新しい用紙に書き直すのが基本です。
こうした点に配慮がないと、仕事への姿勢も軽く見られてしまうかもしれません。筆記具は黒インクが原則で、消せるボールペンは避けてください。
印刷する場合も、インクのにじみやズレに注意が必要です。また、日付や氏名の欄を空欄のままにしてしまうのもよくあるミスです。
基本的な記入項目を漏れなく丁寧に仕上げることが、履歴書全体の信頼感につながります。
履歴書の体裁が整っていないと、「提出書類すら満足に作れない人」という印象を与えてしまいます。逆に、端正で正確な書類は、それだけで誠実さや細やかさを伝えることができるはずです。
見た目の整った履歴書は、それだけで丁寧さや誠実さが伝わります。小さなことでも、形式をきちんと守ることが信頼の第一歩といえるでしょう。
就職活動を成功に導く大学院卒の履歴書の書き方を知ろう!

大学院卒が履歴書を書く際は、「自分を伝えるツール」としての役割を理解し、企業に対してどのように自分の専門性や研究成果をアピールできるかが鍵となります。
特に学部卒とは異なる評価ポイントが存在し、学歴欄の記載方法や研究内容の表現にも工夫が求められます。
また、志望動機や自己PRでは、大学院で培ったスキルや考え方を企業のニーズと結びつけることが大切です。
これらのポイントを押さえることで、大学院卒ならではの強みを最大限に活かした履歴書を作成できます。しっかりとした準備と正確な情報の記載が、企業に好印象を与える第一歩となるでしょう。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。