内定承諾の期限はどれぐらい?期限を延長する際のマナーやリスクも紹介
この記事では、内定承諾書の提出期限を解説しています。
また、承諾期限の延長をお願いする際の方法やメールや電話のマナー、断られたときの対処法まで紹介しているので、就活生は必見の内容になっていますよ。
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内定承諾書とは?

就活を進める中で企業から内定をもらうと、「内定承諾書」の提出を求められることがあります。名前は聞いたことがあっても、どんな意味を持つ書類なのか正確に理解している学生は少ないかもしれません。
ここでは、内定承諾書の役割や重要性についてわかりやすく説明します。内定承諾書とは、企業からの内定を正式に受け入れる意思を示すための書類です。
学生が「入社する意志があります」と文書で伝えることで、企業側も入社に向けた準備を始められるようになります。
形式的なものだと思われがちですが、企業にとっては今後の採用活動を左右する大切な合図といえるでしょう。この書類は、学生と企業の間である種の約束を交わすものです。
法的な拘束力は基本的にありませんが、提出後に辞退するとなると相手に迷惑がかかる場合があります。提出する際は、進路への意志が固まっていることを確認してからにしてください。
内定承諾書は、単なる書類ではなく、企業との信頼関係を築くための第一歩。就活をスムーズに進めるためにも、その意味や扱い方をしっかり理解しておくことが大切です。
企業が内定承諾書を提出させる理由

内定承諾書は、企業と学生の双方にとって重要な書類です。単に入社の意思を伝えるためだけでなく、採用活動の安定やトラブル防止の観点からも、企業は提出を求める傾向があります。
ここでは、企業がこの書類を必要とする主な理由を分かりやすく紹介します。
- 内定辞退を防止するため
- 入社意志を明確にするため
- 選考の公平性と透明性を保つため
- 就活の終了を促すため
- トラブル防止・証拠として残すため
① 内定辞退を防止するため
企業が内定承諾書の提出を求める最大の理由は、内定辞退を防ぐことです。学生は複数の企業から内定をもらうケースが多く、企業側は「本当に来てくれるのか」という不安を抱えています。
そこで、書面によって入社の意思を確認することで、他社への流出を抑えたいと考えているのです。
学生としては「まだ迷いたい」と感じることもあるかもしれませんが、企業は採用計画や人員配置を進める上で、早めに入社の確約がほしいのが実情です。
内定承諾書は、こうした企業の不安を解消し、採用活動を円滑に進めるための手段といえるでしょう。
② 入社意志を明確にするため
言葉だけの返答では、どうしても入社の意思があいまいになりがちです。そこで企業は、内定承諾書という書面で学生の本気度を確認しようとします。
明文化された意思表示があることで、企業は安心して入社準備を進めることができるのです。
一方、学生にとっても書面を通じて「この会社に決めた」と気持ちを固めるきっかけになります。結果的に、入社に向けて前向きな意識を持つための一歩となるでしょう。
③ 選考の公平性と透明性を保つため
採用枠には限りがあり、内定辞退が発生すると、本来チャンスを与えられるはずだった候補者が採用されない事態にもつながります。
内定承諾書を提出させることで、採用のプロセスが正式なものであることを明らかにし、公平性と透明性の確保になるのです。
また、企業としても、選考に参加したすべての学生に対して誠実であるために、内定後のプロセスをきちんと文書化しておく必要があります。
④ 就活の終了を促すため
内定承諾書には、学生に対して就活を終える決断を促す意味合いもあります。
企業は「承諾書を出した以上、他社の選考を辞退してもらえるだろう」と考えており、その期待のもとで次のステップを進めるのです。
一方で、学生も書面を提出することで気持ちに区切りがつきやすくなり、就活の終了を実感できます。精神的な負担が軽くなるという面でも、承諾書の提出は有意義といえるでしょう。
⑤ トラブル防止・証拠として残すため
口頭での内定通知だけでは、後になって「言った・言わない」といったトラブルに発展する可能性があります。
内定承諾書を提出してもらうことで、入社日や条件に関する合意が記録として残り、誤解を未然に防げるでしょう。
とくに近年は、法的なトラブルを避ける目的からも、書面による確認が重視されています。学生にとっても、自分の判断を明確に残す機会になるため、慎重な意思表示が求められるでしょう。
内定承諾書の提出期限

企業から内定をもらったあと、次に意識したいのが内定承諾書の提出期限です。期限がわからず不安な方もいるかもしれません。ここでは、提出の目安や気をつけたい点について整理します。
内定承諾書の提出期限は企業によって異なりますが、多くの場合は内定通知を受けてから1週間から2週間以内に設定されています。期限が書かれている場合は、それを守ることが大切です。
もし明記されていなければ、なるべく1週間以内には返答するようにしましょう。企業が期限を設けているのは、採用活動を円滑に進めたいという理由があるからです。
返事が遅れると、他の候補者への対応が難しくなるだけでなく、印象も悪くなりかねません。どうしても判断がつかない場合には、早めに延長を相談するのが適切です。
期限を過ぎてから連絡すると、内定辞退と見なされてしまうおそれがあります。そうならないためにも、提出期限はしっかり確認し、迷ったときにはすぐ行動するよう心がけてください。
内定承諾期限の延長を依頼する際のマナー

内定承諾書の提出期限を延ばしたいと考える学生は少なくありません。ただし、連絡の仕方や伝え方を誤ると、企業に不信感を与えるおそれがあります。
ここでは、期限延長をお願いする際に気をつけたいマナーを整理しました。
- できるだけ早く企業に連絡する
- 内定承諾を迷っている理由を明確に伝える
- いつまでに返答できるかを伝える
- 言葉遣いや文面に配慮する
- 無断で期限を過ぎないよう注意する
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① できるだけ早く企業に連絡する
期限を延ばしてもらいたいと思ったときは、できる限り早く連絡することが大切です。締切の直前になって連絡しても、企業側は対応に苦慮するでしょう。
連絡が遅れると「入社の意志が薄いのでは」と受け取られることもあります。
承諾期限の数日前には、延長の相談をしておくのが望ましいです。早めの連絡は誠意の表れと受け止められやすく、信頼を損ねる心配も減るでしょう。
② 内定承諾を迷っている理由を明確に伝える
「まだ決めかねています」だけでは、企業は理由をつかめません。「他社の最終面接の結果を待っている」「家族と相談中」といった具体的な背景を添えることで、企業も状況を理解しやすくなります。
理由を正直に伝えれば、不誠実な印象を与えることもありません。納得してもらえる説明を心がけてください。
③ いつまでに返答できるかを伝える
期限延長のお願いをする際は、「いつまでに返答できるか」も明示してください。企業は採用スケジュールを調整する必要があります。
たとえば「6月25日までにご連絡いたします」と具体的な日付を伝えると、企業も対応しやすくなるでしょう。
日付を示すことは、計画性のある行動と受け取られ、信頼につながります。あいまいな表現は避け、はっきりと伝えることが大切です。
④ 言葉遣いや文面に配慮する
メールでも電話でも、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。企業はやり取りの中で、あなたの社会人としての素質を見ています。
「お忙しいところ恐れ入ります」「ご迷惑をおかけし申し訳ありません」といった表現を使うと、丁寧な印象を与えられます。
形式的でなくても構いませんが、礼儀と気配りは必要です。誠実さを伝える言葉を選んでください。
⑤ 無断で期限を過ぎないよう注意する
企業への連絡なしに期限を過ぎることは、非常に印象が悪くなります。最悪の場合、内定を取り消される可能性もあるでしょう。
やむを得ない事情で連絡が遅れる場合も、早急に説明を入れることが最低限のマナーです。何より大切なのは「放置しないこと」。こまめに連絡を取り、状況を伝える努力を忘れないでください。
内定承諾期限を延長する際のリスク

内定承諾の期限を延ばしたいと考える就活生は多いですが、延長にはいくつかのリスクがともないます。ここでは代表的なリスクを紹介しますので、延長を検討する際の判断材料にしてください。
- 内定を取り消される可能性がある
- 企業側に不信感を与える可能性がある
- 第一志望でないと判断される可能性がある
- 他社選考との調整が難しくなる可能性がある
- 延長が認められない可能性がある
① 内定を取り消される可能性がある
内定承諾期限の延長を申し出ることで、最悪の場合、企業から内定を取り消されてしまうリスクがあります。
表向きには「志望度が低い」「判断に迷っている」といった印象を与え、企業側が不安を抱くきっかけとなるからです。
法律上、内定取り消しには正当な理由が必要とされていますが、実際には「社内調整がつかない」「募集枠の見直し」などといった表現で通告されることもあります。
明確な拒否理由がないため、学生側としては対応しにくいのが実情です。
そのため、延長を依頼する際は、伝え方に十分配慮しましょう。誠実かつ具体的な理由を添えたうえで、返答期限の目安も合わせて伝えると印象が和らぎます。
「延長=リスク」と理解したうえで、丁寧な姿勢を忘れず対応することが大切です。
② 企業側に不信感を与える可能性がある
内定承諾の延長依頼をする際、説明が不十分だったり、何度も連絡のタイミングをずらしたりすると、企業からの信頼を失う可能性があります。
とくに、曖昧な理由や期限を示さずに「もう少し考えたい」と伝えるだけでは、誠意が伝わりません。
企業側は採用活動の先にある「入社後の関係」を見据えて対応しており、その判断材料のひとつが学生のやり取りの姿勢です。したがって、最初の連絡時点から丁寧で、かつ論理的な説明が求められます。
たとえば、「◯月◯日に他社の結果が出る予定なので、その確認後に必ずご連絡します」といった具体性のある内容が望ましいでしょう。責任感や計画性を感じさせる言い回しが、信頼をつなぐ鍵になります。
ちょっとした表現ひとつが、印象を大きく左右する場面だと心得ておきましょう。
③ 第一志望でないと判断される可能性がある
内定承諾を迷っている姿勢は、企業に「うちが第一志望ではないのでは?」という疑念を抱かせるきっかけになります。
採用担当者は、入社意欲の高い学生を評価する傾向があるため、返答の遅れや迷いが評価に影響を与える可能性も否定できません。
もちろん、複数の選択肢から慎重に判断したいという考えは理解されるべきですが、伝え方によっては誤解を生んでしまうのです。
そのため、「他社も見ている」と正直に伝えること自体が問題なのではなく、どう伝えるかが重要です。
たとえば、「貴社の事業には強い関心があり第一候補と考えておりますが、自分の将来像との一致を丁寧に見極めたく、数日間検討の時間をいただけますでしょうか」と伝えると、印象はまったく変わってきます。
迷いがあること自体は悪くありませんが、信頼される態度を保つことが大切です。
④ 他社選考との調整が難しくなる可能性がある
承諾期限の延長を選択することで、他社の選考スケジュールと重なってしまい、結果として調整が難しくなるケースもあります。
たとえば、延長を依頼して返答日を後ろにずらしたものの、他社の内定連絡が予定より早く届いた、あるいは逆に遅れた場合、判断のタイミングが崩れてしまうのです。
その結果、いずれの企業に対しても最適なタイミングで決断できず、全体の進路計画が不安定になる可能性があります。
さらに、複数の企業とやり取りしている場合、連絡ミスや返信漏れといった小さなトラブルも起こりがちです。
そうした事態を避けるためには、企業ごとの選考スケジュールや承諾期限を一覧で整理し、自分の意思決定の軸を明確にしておくことが効果的。
優先順位と期限感覚を持って動くことが、スムーズな就活につながります。
⑤ 延長が認められない可能性がある
内定承諾期限の延長は、すべての企業が柔軟に対応してくれるとは限りません。企業の採用フローや内部方針によっては、「延長は一切不可」というケースもあり得ます。
とくに、大手企業や選考倍率の高い人気企業では、他の候補者との兼ね合いから締切厳守を求められることも多いです。
また、延長の可否は企業文化にも影響されるため、「他社でできたからこの会社でも大丈夫」とは言い切れません。
そのため、延長を希望する場合は、まずは企業側のスタンスを確認することが欠かせないのです。
連絡を取る際には、「恐縮ながら可能でしたら」といった柔らかい表現を使い、強く押しつけない姿勢が大切です。無理な依頼は、かえって印象を悪くするリスクがあるため注意しましょう。
「延長できて当然」とは考えず、あくまで相談ベースでの丁寧なアプローチが基本です。
内定承諾期限の延長を依頼するメール例文

内定承諾の期限が迫っている中で、メールで延長をお願いしたいと思っても、どのように書けば丁寧に伝わるのか迷ってしまうことがあるでしょう。ここでは、状況別に使えるメール例文を紹介します。
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選考結果待ちの場合
他社の選考結果を待っている就活生にとって、内定承諾期限の延長をお願いする場面は少なくありません。ここでは、失礼のない形で丁寧に依頼できるメール文例をご紹介します。
《例文》
件名:内定承諾期限延長のお願い(◯◯大学 △△) ◯◯株式会社 人事部 ◯◯様 お世話になっております。◯◯大学◯◯学部の△△と申します。 このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。 貴社からの内定は大変光栄であり、真剣に検討させていただいております。 大変恐縮ではございますが、現在、他社の最終選考結果を待っている状況でございます。 誠に勝手なお願いで恐縮ですが、内定承諾のご返答期限を◯月◯日まで延ばしていただくことは可能でしょうか。 ご多用のところ恐れ入りますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。 ―― ◯◯大学 ◯◯学部 △△(氏名) メールアドレス:xxxxx@example.com 電話番号:090-xxxx-xxxx |
《解説》
結論を先に伝え、理由を丁寧に添えることで誠意が伝わります。期限の希望日を明記し、相手への配慮を忘れない文章構成がポイントです。
他社と比較中の場合
複数の企業から内定をもらった場合、どの会社にするか慎重に決めたいと考えるのは自然なことです。ここでは、他社と比較している旨を伝える丁寧なメール例文をご紹介します。
《例文》
件名:内定承諾期限延長のお願い(◯◯大学 △△) ◯◯株式会社 人事部 ◯◯様 お世話になっております。◯◯大学◯◯学部の△△と申します。 このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。 貴社で働くことに強く魅力を感じており、心より感謝申し上げます。 現在、他社からも内定をいただいており、今後のキャリアについて真剣に考えております。 誠に勝手なお願いとなりますが、内定承諾のご返答を◯月◯日まで延ばしていただくことは可能でしょうか。 ご迷惑をおかけし恐縮ですが、ご理解いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。 ―― ◯◯大学 ◯◯学部 △△(氏名) メールアドレス:xxxxx@example.com 電話番号:090-xxxx-xxxx |
《解説》
比較中であることを率直に伝えつつ、企業への敬意や感謝の気持ちを添えることで、丁寧かつ誠実な印象を与えることができます。
家庭の事情がある場合
家庭の事情で進路の決定に時間が必要になるケースも珍しくありません。ここでは、プライベートな理由を伝えつつ、丁寧に期限延長をお願いするメール例文をご紹介します。
《例文》
件名:内定承諾期限延長のお願い(◯◯大学 △△) ◯◯株式会社 人事部 ◯◯様 お世話になっております。◯◯大学◯◯学部の△△と申します。 このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。 貴社で働ける機会をいただき、大変うれしく思っております。 恐縮ではございますが、現在、家族の体調不良により進路の相談や話し合いの時間が十分に取れず、もう少し検討の時間をいただきたいと考えております。 誠に勝手なお願いではございますが、内定承諾のご返答期限を◯月◯日まで延ばしていただくことは可能でしょうか。 ご迷惑をおかけし大変申し訳ございませんが、何卒ご理解のほどお願い申し上げます。 ―― ◯◯大学 ◯◯学部 △△(氏名) メールアドレス:xxxxx@example.com 電話番号:090-xxxx-xxxx |
《解説》
家庭の事情は具体的に書きすぎないよう配慮しつつ、事情があることをしっかり伝えましょう。誠意ある表現と丁寧な言い回しが信頼につながります。
進路に迷っている場合
内定をいただいたものの、自分にとって本当に合っているのかどうか迷うことは誰にでもあるものです。ここでは、進路に迷っている状況を正直に伝えるメール例文をご紹介します。
《例文》
件名:内定承諾期限延長のお願い(◯◯大学 △△) ◯◯株式会社 人事部 ◯◯様 お世話になっております。◯◯大学◯◯学部の△△と申します。 このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。 貴社の理念や事業内容に深く共感しており、大変光栄に感じております。 ただいま、今後の進路について熟考しており、少し時間をかけて自分の意思を明確にしたいと考えております。 誠に恐れ入りますが、内定承諾のご返答期限を◯月◯日まで延長していただくことは可能でしょうか。 ご多忙のところ大変恐縮ですが、何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。 ―― ◯◯大学 ◯◯学部 △△(氏名) メールアドレス:xxxxx@example.com 電話番号:090-xxxx-xxxx |
《解説》
進路の迷いは誰にでもあるため、正直に気持ちを伝えることが大切です。「共感」と「誠実さ」を意識した文章が印象を左右します。
内定承諾期限の延長を依頼する電話例文

内定承諾期限の延長をお願いする場合、メールよりも電話のほうが誠意が伝わりやすい場面もあります。ただ、どのように話せばよいのか迷う人も多いでしょう。
ここでは、相手に失礼のないよう配慮した電話の例文をご紹介します。
《例文》
お世話になっております。◯◯大学◯◯学部の△△と申します。 先日は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。貴社のご厚意に心より感謝しております。本日は、内定承諾のご返答期限についてご相談があり、お電話させていただきました。 現在、今後の進路について家族と話し合っており、しっかりと意思を固めたうえでご返答を差し上げたいと考えております。 つきましては、誠に恐縮ですが、承諾のご返答を◯月◯日まで延ばしていただくことは可能でしょうか。ご無理を申し上げますが、何卒ご理解いただけますと幸いです。 |
《解説》
このように、まず感謝の気持ちを伝えたうえで、理由と希望期限を明確に伝えることが重要です。言葉遣いや話し方に気を配ることで、誠実な印象を与えることができるでしょう。
緊張してしまうかもしれませんが、丁寧な姿勢を忘れずに対応してください。あらかじめ話す内容を整理してからかけると、落ち着いて話せます。
内定承諾期限の延長が断られる場合の注意点

延長を申し出ても、企業から断られることがあります。そうした場面に備えて、事前に気をつけるべきポイントを押さえておくと安心です。以下に主な注意点をまとめました。
- 無理な交渉は避ける
- 他の選択肢も検討する
- 期限内に判断できるよう準備する
- 内定辞退と誤解されないよう注意する
- オワハラ(就活終われハラスメント)に注意する
- 「とりあえず承諾する」対応は避ける
① 無理な交渉は避ける
企業に対して内定承諾期限の延長を依頼する際、無理な交渉を持ちかけるのは避けましょう。たとえ納得できない対応があったとしても、感情的にならず冷静に対応することが重要です。
相手の立場を無視した一方的な要求や、強い口調での交渉は、信頼関係を損なう原因になります。
企業も採用スケジュールを調整しながら多くの学生とやり取りしており、あなた一人だけの都合を最優先にするわけにはいきません。
丁寧で謙虚な姿勢を示すことが、交渉の場面でもっとも大切です。たとえば「お忙しいところ大変恐れ入りますが」といったクッション言葉を使いながら、延長を希望する背景や具体的な理由を説明しましょう。
そのうえで、「もし可能でしたらご配慮いただけると幸いです」と相手の判断に委ねる形で伝えるのが理想です。
ビジネスマナーを意識した依頼のしかたは、たとえ希望が通らなかったとしても、印象を良いまま保つことにつながります。
② 他の選択肢も検討する
もし企業から延長の許可が得られなかった場合に備えて、事前に複数の選択肢を検討しておくことが大切です。
就活では「一社の判断にすべてを委ねる」のではなく、柔軟に対応できるような思考と準備が求められます。
たとえば、もしこの企業が承諾期限の延長を認めてくれなかった場合、自分はそのまま承諾するのか、それとも辞退して他社の選考を優先するのか、あらかじめ想定しておくと慌てずに対応できます。
また、就活は予期せぬ変化がつきものです。他社の選考が長引いたり、突然の連絡が入ったりすることもあります。
そうしたとき、どの会社を最優先に考えているのか、将来像と照らし合わせておくことで、判断基準がぶれずにすみます。
すべてのケースに対応できる完璧な正解はありませんが、「自分ならこうする」という軸を持っておくことで、後悔のない選択がしやすくなります。
③ 期限内に判断できるよう準備する
延長が認められないことを前提に、初めから期限内に結論を出す準備を進めておくことが理想です。
「延長できるかもしれない」という甘い期待を持っていると、いざ断られたときに慌てて判断を誤る可能性があるからです。
準備としては、まず候補となっている企業の特徴や社風、条件面などを整理しましょう。比較項目を明確にして、どの企業が自分に合っているかを可視化することで、迷いを減らすことができます。
また、家族や友人、大学のキャリアセンターなど第三者の意見を聞いてみるのも効果的です。自分では気づかない視点からアドバイスをもらうことで、新たな気づきがあるかもしれません。
さらに、企業に伝えるべき理由や質問事項などもあらかじめまとめておくと、心に余裕をもって行動できます。
迷ったまま時間だけが過ぎてしまうのではなく、積極的に判断材料を集める姿勢が、後悔のない選択につながります。
④ 内定辞退と誤解されないよう注意する
内定承諾の延長を依頼する際に注意すべきなのが、企業側に「辞退の意思があるのでは」と誤解されてしまうことです。とくに、連絡を遅らせたり、理由を曖昧にしたりすると、その可能性が高くなります。
採用担当者は、学生からの連絡がなかなか来ないと不安になるのです。「辞退するつもりなら早めに教えてほしい」と感じているケースも少なくありません。
だからこそ、連絡は早めかつ明確に行うことが重要です。「入社意欲はあるが、検討の時間がほしい」と率直に伝えることで、相手も状況を理解しやすくなります。
たとえば、「他社の最終結果が◯月◯日に出る予定のため、その直後にはご連絡いたします」と具体的なスケジュールを提示することが有効です。
誠実な対応を心がければ、企業側の不安も軽減され、信頼を保つことができます。
⑤ オワハラ(就活終われハラスメント)に注意する
「早く就活を終わらせてほしい」「他社をすぐに辞退して」などと強く迫られた場合、それが過度なものであれば、いわゆる「オワハラ(就活終われハラスメント)」に該当する可能性があります。
学生に決断を急がせるような過度なプレッシャーは、本来あってはならない行為です。企業側にも採用計画の事情があるとはいえ、学生の人生に関わる大きな決断を急がせるのは不適切。
あなた自身が「納得のいく進路選択をしたい」と思うのは当然の権利であり、それを守る姿勢は大切にすべきです。
もしプレッシャーを感じた場合は、一度気持ちを整理し、大学のキャリアセンターなどに相談してみるのもひとつの方法でしょう。冷静に対応策を考えることで、ストレスを減らすことができます。
また、断るときは感情的にならず、丁寧な言葉遣いで「現時点では判断できない状況であること」を伝えることが大切です。自分のペースで選択を進めていくことが、後悔のない決断につながります。
⑥ 「とりあえず承諾する」対応は避ける
内定承諾の期限が近づいてくると、「とりあえず承諾しておこう」と考えてしまう人も少なくありません。しかし、このような曖昧な判断は、後に大きな問題につながることがあります。
承諾書を提出したあとに辞退を申し出ると、企業との信頼関係が損なわれるばかりか、場合によっては大学や後輩にも影響が及ぶことがあります。
とくに小規模な業界では、情報が共有されることもあり、慎重な対応が必要です。
また、自分自身にとっても「納得のいかない選択をした」という事実はストレスになり、社会人としてのスタートを不安な気持ちで迎えることになりかねません。
迷いがあるなら、誠実にその旨を伝えたうえで、もう少し時間をいただけないか相談することがベターです。大切なのは、「入社したい」という確かな意思を持って承諾すること。
勢いや空気に流されず、自分の意思で判断してください。
内定承諾書の提出後に辞退することは可能?

内定承諾書を提出したあとに気持ちが変わり、辞退を考えることは就活生にとって珍しいことではありません。しかし、「一度提出したら辞退できないのでは」と不安になる人もいるでしょう。
結論として、内定承諾書を出したあとでも辞退は可能です。日本の労働法では、実際の勤務が始まる前は労働契約が成立したとはみなされにくく、法的な拘束力は限定的といえます。
そのため、辞退しても違法にはなりません。
とはいえ、辞退の連絡が遅れると企業に大きな迷惑をかけてしまいます。準備が進んでいる場合もあるため、判断した時点でできるだけ早く伝えてください。電話で直接謝意と事情を伝えるのが丁寧です。
誠実な対応は、最後の印象を良く保つうえでも重要です。社会人としての礼儀を忘れず、真摯に対応することが信頼につながるでしょう。
内定承諾のタイミングで後悔しないために

内定承諾書とは、企業と学生の信頼関係を築く大切な書類です。企業が提出を求めるのは、内定辞退の防止や入社意志の確認など、選考全体の透明性を保つためでもあります。
承諾書の提出期限は企業によって異なりますが、提示された期限を守ることが基本です。延長を希望する場合は、マナーを守って早めに連絡しましょう。
延長にはリスクもあるため、企業の反応や自分の状況を踏まえた判断が求められます。メールや電話での依頼方法、断られた際の対応も押さえておくと安心です。
最終的には、自分が納得できる形で内定を受けることが、後悔のない就職活動につながるでしょう。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。