商社に就職したい人必見!特徴と仕事内容を徹底解説
この記事では、商社に就職したい就活生向けに、業務内容・職種の違い・求められる資質・年収ランキング・選考対策まで徹底的に解説しています。
商社に就職するに、業務内容やそれぞれの職種の違いなどを事前に理解しておくことで、志望動機や自己PRの内容がさらに良くなるので、しっかりと確認しておきましょう!
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商社とは?全体像を把握しよう

商社は、世界中のモノやサービスを結びつける役割を持つ企業です。
例えば、ある国で生産された資源を他の国のメーカーへ届けたり、海外の商品を日本国内で展開したりすることで、国際的な取引をスムーズにしています。
中でも総合商社は、エネルギー、食品、機械、化学品、不動産など、幅広い分野に関わっているのが特徴です。一方で、専門商社は特定の分野に絞って深い知識とノウハウを武器にしています。
「商社=モノを売る会社」と思われがちですが、実際には「価値をつなぐ会社」と言った方が近いでしょう。
この本質を理解しておくと、他の業界との違いも明確になりますし、自分なりの志望動機も組み立てやすくなるはずです。
商社のビジネスモデル

商社の就職を目指すなら、まずはそのビジネスモデルを理解することが重要です。単なるモノの売買にとどまらず、商社は多様な役割を担っています。
ここでは、商社の主要な機能と進化の過程について解説します。
- トレーディング
- 事業投資
- バリューチェーン戦略
- ビジネスモデルの変遷
① トレーディング
商社の原点ともいえるのがトレーディングです。これは商品の仕入れと販売を仲介し、利ざやで利益を得るビジネスモデルとなっています。
たとえば、鉄鋼や化学製品、食料品などを海外から調達し、国内企業に提供するといったケースが一般的でしょう。
価格差を活用することで利益を生み出すため、商社としてはどれだけ有利な条件で仕入れ、いかに迅速かつ安定的に販売できるかが重要となります。
このモデルの魅力は、在庫リスクを抑えながら回転率の高い取引ができる点にあります。しかし、近年では単なる売買だけでは差別化が難しくなってきているのも事実です。
そのため、物流や通関、為替リスクの管理など、取引の付加価値をどれだけ高められるかが、競争力の源泉となっています。
さらに、トレーディングには高度な情報収集力と判断力が不可欠です。国際情勢の変化、需給のバランス、政治リスクなども収益に影響します。
情報を読み解き、先を見越した判断を下す力が求められるため、現場では常にスピード感と柔軟性が問われます。単なる営業職とは一線を画す、戦略的な視点が必要とされる仕事です。
② 事業投資
商社は今や「投資家」としての顔も持つようになっています。事業投資とは、資金やノウハウを提供しながら企業活動に深く関与し、配当や事業利益から収益を得るモデルです。
トレーディングが短期収益型であるのに対し、事業投資は中長期的な利益を目的とした戦略といえるでしょう。具体例としては、発電所や鉱山、農業関連事業、物流インフラの構築などが挙げられます。
これらは数十年単位の長期視点でのリターンが見込まれる一方で、初期投資額が大きく、撤退判断の難しさもあるのです。
たとえば天然資源のプロジェクトでは、採掘権取得や環境問題への対応、現地政府との関係構築など、単純な投資以上に複雑な対応が求められます。
また、投資後には事業パートナーとして運営にも深く関わるため、財務・経営・マーケティングなど幅広い知識が必要になります。
事業の立ち上げや再建に携わることもあり、商社マンには起業家的な発想や責任感が強く求められる場面も多いです。
こうした経験を積むことで、将来的に経営人材としてのキャリアパスも開かれていくのが、事業投資の大きな魅力でしょう。
③ バリューチェーン戦略
商社のビジネスは「モノを動かす」だけでは終わりません。バリューチェーン戦略とは、原材料の調達から製造、流通、販売までを一貫して自社で管理・支援し、全体最適を追求するビジネスモデルです。
これは近年の商社が競争優位を保つうえで不可欠な考え方となっています。
例えば食品分野では、海外の農場を支援して原料を確保し、自社または提携工場で加工し、国内のスーパーや飲食チェーンへの販売までを手がけます。
このように川上から川下までを網羅することで、品質管理がしやすくなり、収益性も高まるのです。
特に消費者ニーズが多様化・高度化している現代では、柔軟かつスピーディーな対応が必要とされるため、バリューチェーン全体を抑える体制が重要になっています。
また、この戦略のメリットは単なる効率化にとどまりません。各工程に関わることで、現場から得られるデータや情報を経営戦略に活かすことができます。
製造から販売までの流れを理解しているからこそ、次の投資先や提携先の選定にも説得力が生まれます。結果として、新たな事業創出やマーケット拡大のチャンスにもつながるのです。
こうした広範囲な業務を担うには、全体を俯瞰する視点や複数部門との調整力が欠かせません。ビジネスのダイナミズムを体感したい方には、非常にやりがいのある領域といえるでしょう。
④ ビジネスモデルの変遷
商社のビジネスモデルは、時代の変化に合わせて大きく様変わりしてきました。
かつては輸出入を仲介するトレーディングが中心でしたが、今では事業投資やバリューチェーン戦略を組み合わせることで、収益構造を多様化させています。
この背景には、取引の利ざやだけでは利益が安定しないという課題があります。世界的な競争激化や、価格変動の激しい市況では、ただの仲介業では生き残れないという現実があるのです。
そこで商社は、自らリスクを取りながらも、付加価値のある事業を育て、継続的な収益を目指す方向へと舵を切ってきました。
この変化により、商社で働く人に求められるスキルも変わってきています。交渉や語学だけでなく、経営、財務、プロジェクトマネジメントなど、多面的な能力が必要。
商社マンはもはや「モノを右から左に動かす人」ではなく、「ビジネス全体を設計し動かす人材」へと進化しているのです。
商社を目指す就活生にとっては、こうしたビジネスの進化を正しく理解しておくことが欠かせません。
志望理由や企業理解を深めるうえでも、商社がどのように価値を創出し、何に注力しているのかを把握することが大きな強みになるでしょう。
人気の7大総合商社の特徴

総合商社は、それぞれに異なる事業領域や文化、強みを持っています。ここでは、就活生に人気の高い7大総合商社について、特徴や社風をわかりやすくまとめました。
企業研究の参考にして、自分に合った志望先を見つけてください。
- 三菱商事
- 三井物産
- 伊藤忠商事
- 住友商事
- 丸紅
- 双日
- 豊田通商
① 三菱商事
三菱商事は、日本を代表する最大手の総合商社です。エネルギー、金属、機械、化学品、食品など多岐にわたる分野で事業を展開し、特に資源ビジネスにおける存在感は際立っています。
長期的視点に立った投資と、堅実な経営スタイルが評価されており、安定感を重視する学生にとっては理想的な企業といえるでしょう。
一方で、保守的という印象を持たれることもありますが、近年は再生可能エネルギーやデジタル事業にも力を入れています。時代の変化に適応しながらも、安定性を損なわない姿勢が同社の強みです。
社員には論理的な思考力と高い業務遂行力が求められますが、組織全体の支援体制が整っているため、着実に力をつけられる環境が整っています。
また、海外赴任やグローバルプロジェクトへの参加機会も豊富です。国際的に活躍したいという志を持つ人には、チャレンジしがいのあるフィールドが広がっています。
安定と成長の両立を目指す方にふさわしい商社です。
② 三井物産
三井物産は、業界屈指の規模とネットワークを持ち、グローバルに多角的なビジネスを展開。
エネルギー、ライフサイエンス、食品、物流、ICTなど、伝統的な分野から先端領域まで網羅しており、変化に強い体制を築いています。
社会課題に対応する姿勢が際立ち、環境問題やエネルギー転換への取り組みにも積極的。
社風としては「挑戦を歓迎する文化」が根づいており、若手社員でも責任あるポジションに抜擢されることが少なくありません。
自分のアイデアを形にしたい、裁量を持って働きたいという学生にとっては、非常に魅力的な環境といえるでしょう。
その反面、自ら動かないと評価されにくいため、受け身な姿勢では活躍が難しいかもしれません。
社内はフラットで風通しがよく、意欲のある人材には多くのチャンスが与えられます。スピード感のある環境で、世界を舞台にチャレンジしてみたい方におすすめです。
③ 伊藤忠商事
伊藤忠商事は、非資源ビジネスを主力とする独自路線を貫き、高収益体質を確立している商社。繊維、食品、小売など、生活者に近い分野を強みに持ち、消費動向を捉えた柔軟な事業展開が特徴です。
コンビニ大手やアパレルブランドとの提携など、身近な製品やサービスに関わることも多いため、仕事の成果を実感しやすい点も魅力でしょう。
また、働き方改革の先駆けとして「朝型勤務」や健康経営にも注力しており、社員の生産性と生活の質の向上を図っています。
一方で、結果主義の側面も強く、スピード感と実行力が問われる場面も多いため、やるべきことをやりきる姿勢が重要です。
成長意欲のある学生には、多くの挑戦と成果を得られる環境があります。自分の力で価値を生み出し、評価されたいと考える方にはうってつけの商社でしょう。
④ 住友商事
住友商事は、「信用を重んじ確実を旨とする」という創業理念を大切にしており、誠実で着実な事業運営を行う企業です。
エネルギー、インフラ、メディア、不動産、化学など、幅広い分野での展開があり、いずれも長期的な視点に立った投資やパートナーシップを重視しています。
社風は穏やかで協調性を重視する傾向があり、人間関係も良好です。研修制度やOJTも丁寧で、焦らず着実にキャリアを築いていきたいと考える人にとっては安心できる職場といえるでしょう。
特に「和をもって信頼を築く姿勢」が求められるため、周囲との調和を大切にできる方に向いています。
変化を求める人にはやや物足りなさを感じるかもしれませんが、安定した環境で地に足の着いたキャリアを形成したい学生にとっては、非常に良い選択肢となるでしょう。
⑤ 丸紅
丸紅は、食料やライフスタイル関連事業に強みを持つ総合商社です。再生可能エネルギーやアグリビジネスなどにも積極的に投資しており、持続可能な社会づくりに貢献。
日常に直結する商品やサービスに関われる点が、多くの就活生から支持されています。社内文化は比較的フラットで、若手にも発言の機会が多く与えられます。
その分、自ら主体的に動く力が求められ、受け身でいると評価されにくい傾向も。責任を持って動く意識がある人にとっては、大きな成長の機会が得られるでしょう。
また、幅広い事業に関わることで、多角的な視点や柔軟な思考も養われます。自分のやりたいことに挑戦しながら、新しい価値を創造していきたいと考える学生にぴったりです。
⑥ 双日
双日は、7大商社の中では比較的小規模ですが、その分フットワークの軽さとスピード感に定評があります。
航空機、医療、自動車、産業インフラなど幅広い分野を扱いながらも、ニッチで独自性のある事業に挑戦する姿勢が魅力です。成長市場への対応も早く、実行力を重視する企業風土が根づいています。
社員一人ひとりに与えられる裁量が大きく、若手でも主要プロジェクトに関われる機会が豊富です。ただし、その分プレッシャーや責任も大きいため、自己管理や意思決定力が必要になります。
指示を待つのではなく、自ら考えて行動できる人に向いています。「大きな組織の中で埋もれるより、少数精鋭で主役として活躍したい」という志を持つ方にとって、理想的な職場でしょう。
⑦ 豊田通商
豊田通商は、トヨタグループの商社として、自動車ビジネスを中心に素材、モビリティ、アフリカ事業などへ展開しています。
トヨタグループの強固な基盤を活かしながら、独自の分野でも存在感を示しており、新興国市場での成長も期待されています。
現場重視の文化が強く、論理性だけでなく行動力も評価のポイントとなります。海外赴任やグローバルプロジェクトへの参加も可能で、実践的に学べる機会が多いのも特長です。
OJTや研修制度も充実しており、若手の育成にも力を入れています。ただし、自動車産業の動向に左右されやすい面もあるため、業界の先行きを読む力も必要でしょう。
特定分野で専門性を磨きたい人や、現場で成果を出すことにやりがいを感じる学生には、非常に相性の良い商社です。
就職したい商社の年収ランキング

商社に就職したいと考える学生の多くが気にするのが、各社の年収水準です。結論から言えば、総合商社は他業界と比べても非常に高い年収を誇っており、特に30代以降での差が顕著に。
その背景には、グローバルな取引や高額な事業投資に関わる業務が多く、成果主義に基づいた報酬制度があることが挙げられます。
ただし、年収が高い一方で、責任も大きく、異動や海外赴任など負荷の高い働き方が求められる点にも注意が必要です。
見かけの金額だけにとらわれず、自分のキャリアや働き方の価値観と照らし合わせて判断することが大切。
年収ランキングは企業選びの参考にはなりますが、それがすべてではないと理解しておくと安心でしょう。
順位 | 商社名 | 平均年収(万円) |
---|---|---|
1 | 三菱商事 | 1,449 |
2 | 三井物産 | 1,369 |
3 | 住友商事 | 1,282 |
4 | 伊藤忠商事 | 1,221 |
5 | 丸紅 | 1,165 |
※出典:「総合商社業界の総合評価ランキング」
商社で求められる職種

商社にはさまざまなビジネスが存在しており、それに応じて多様な職種が求められます。営業や企画に加えて、事務や貿易実務など、いずれも欠かせない役割です。
ここでは代表的な4つの職種について詳しく紹介します。自分に合った仕事を見つける手がかりにしてください。
- 営業
- 事業企画
- 営業事務
- 貿易事務
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① 営業
営業は商社の中核を担い、取引先との商談や契約の取りまとめを通じて利益を生み出す職種。単なる売買にとどまらず、商材の選定から価格交渉、納期管理、リスク対応まで幅広く関わります。
たとえば、顧客のニーズに合わせて最適な製品を提案し、仕入れ先と条件をすり合わせた上で販売契約を締結することもあります。その過程では、社内外の調整力や継続的な信頼構築が欠かせません。
人と関わることが好きで、フットワーク軽く動ける方に向いている仕事です。提案が契約に結びつく瞬間には、大きなやりがいを感じられるでしょう。
② 事業企画
事業企画は、新たなビジネスの創出や既存事業の拡大を担うポジションです。市場調査や収益性の分析を行い、戦略を立てて実行に移す役割があります。
実務には論理的思考と柔軟な発想の両方が求められる職種。たとえば、再生可能エネルギー分野に注目し、現地企業と共同で新事業を立ち上げるといった動きもその一例です。
数字に強く、アイデアを形にする力が発揮されます。変化を恐れず、自分で考えたプランを実現したい方にぴったりです。挑戦意欲がある人ほど、成果につながりやすい職種といえるでしょう。
③ 営業事務
営業事務は、営業担当者のサポートを通じて業務全体を支える仕事です。契約書の作成、納期の確認、見積書の送付など、細やかな対応が求められます。正確さと丁寧さが業務の基本です。
たとえば、複数の案件が並行して進む中で、納品スケジュールや在庫状況を把握し、滞りなく進行させる必要があります。そうした裏方の働きが、営業活動を支えているのです。
縁の下の力持ちとして貢献したい方に向いています。安定感があり、着実に業務を進めることに喜びを感じる方に適しているでしょう。
④ 貿易事務
貿易事務は、海外との取引を実現するための実務を担当します。インボイスや船積書類の作成、通関の手続き、輸送スケジュールの管理などが中心です。
たとえば、出荷国の輸出規制に対応するために書類を追加で用意したり、遅延時の調整を行ったりする場面もあります。正確な書類作成と、冷静な対応力が問われる業務です。
国際業務に関心があり、事務処理を丁寧にこなす力を持つ方におすすめです。海外と関わる実務に挑戦したい学生にとって、有意義な経験を積める仕事でしょう。
商社の具体的な仕事内容

商社を目指すうえで、実際にどのような仕事をしているのかを理解しておくことはとても大切です。商社の業務は多岐にわたり、単なるモノの売買を超えた幅広い機能があります。
ここでは、商社の代表的な仕事の内容を具体的に紹介。
- 国内外の仕入れ先・販売先との交渉
- 商材の輸出入や物流の調整
- 新規ビジネスや取引先の開拓
- 海外拠点との連携や現地対応
- 投資先企業の管理・経営支援
- 業界動向や商材の情報を収集・分析
- 契約書の作成や法務的チェック
- 会計・財務管理
① 国内外の仕入れ先・販売先との交渉
商社の基本かつ重要な業務の一つが、仕入れ先や販売先との交渉です。価格や納期、品質、数量など取引条件を調整し、双方にとって納得できる契約へと導く役割。
特に海外との交渉では、文化や言語の違いに配慮しつつ信頼関係を築く姿勢が求められます。そのためには、業界の動向や相手企業の事情を事前にリサーチし、的確な提案を準備する必要があります。
短期的な利益だけでなく、長期的な関係を見据えた判断が商社マンの手腕として問われるでしょう。
さらに、突発的な変更やトラブルにも臨機応変に対応する力が不可欠です。交渉担当者は、単なる中継役ではなくビジネス全体の流れを支える中心的な存在といえるかもしれません。
② 商材の輸出入や物流の調整
商社は国境を越えて商材を動かす役割を持ちます。その中核を成すのが、輸出入や物流の調整業務です。輸送手段の手配、納期の調整、コストの最適化など、効率的にモノを届ける工夫が必要。
たとえば、船便や航空便を使って商材を運ぶ際には、関税や保険の手続き、輸送ルートの確保、天候や政情リスクへの対策まで多岐にわたる対応が求められます。
生鮮食品や危険物のように特別な取扱いが必要な場合は、さらに専門知識が必要になるでしょう。書類業務も重要で、インボイスや船荷証券などを正しく整えることで、トラブルを未然に防げます。
スムーズな物流を実現するためには、国内外の関係者と連携し、情報を迅速に共有する力が必要。現場を動かす力と地道な管理能力、どちらも欠かせません。
③ 新規ビジネスや取引先の開拓
商社において、既存の枠組みにとどまらない新規ビジネスの開拓は成長のカギを握ります。市場調査を行い、将来性のある商材や事業を見つけて提案するのが主な業務です。
たとえば、環境配慮型の製品や再生可能エネルギーなど、新しい分野への参入を狙ってパートナー企業を探し、連携体制を構築します。
その際には、社内の関連部門と連携しながらプロジェクトを具体化させる力が必要です。
新しい提案を形にするには、柔軟な発想と実行力、そして何より粘り強さが求められます。すぐに成果が出ないことも多いですが、積み重ねが将来的な事業の柱となる可能性も高いでしょう。
若手でもアイデアや行動力が評価されやすい分野であり、自らチャンスを掴みに行く姿勢があれば、大きなやりがいを感じられるはずです。
④ 海外拠点との連携や現地対応
商社の多くは、世界中に拠点を持ち、現地の市場や取引先と密接に連携しながらビジネスを展開しています。そうした海外拠点とのやり取りや現地での対応も重要な仕事の一つです。
たとえば、現地スタッフと協力して販売戦略を立てたり、流通網の構築に携わったりすることもあります。現地の法制度や商習慣、文化的背景を理解したうえで適切に対応する能力が必要。
海外赴任のチャンスも多く、語学力はもちろんですが、それ以上に異文化に適応する力や人間関係を築く柔軟性が大切です。
時には日本との方針の違いに悩むこともありますが、その橋渡し役を果たすのも重要な役割でしょう。
グローバルな視点を持ちつつ、現地の目線で物事を判断するバランス感覚が問われます。現地のリアルな声を本社に届けることで、新たなビジネスの種が生まれることもあるのです。
⑤ 投資先企業の管理・経営支援
商社は単にモノを売るだけでなく、自ら出資して企業経営に関わるケースも少なくありません。こうした投資先企業の管理や支援業務も、商社の重要な仕事の一つです。
具体的には、経営計画の策定支援や資金繰りの調整、人材の派遣、事業の再構築など、経営全般にわたる幅広いサポートを行います。
単に指示するのではなく、現場と一緒に課題を解決していく伴走者としての役割が必要。
こうした業務には、会計や財務、組織運営などの知識が不可欠で、事業内容を深く理解したうえでのアドバイスが求められるでしょう。責任は大きいものの、企業の成長を直接支えるやりがいのある仕事です。
また、支援を通じて得た知見は他の投資案件にも活かせるため、自身の成長にも大きくつながります。現場主義と戦略思考の両立が、この仕事を成功に導くカギになるでしょう。
⑥ 業界動向や商材の情報を収集・分析
情報収集と分析は、商社の意思決定に欠かせない基盤です。正確で多角的な情報がなければ、どんなビジネスチャンスもつかめません。
日々のニュースや統計データ、市場レポートを読み込むだけでなく、実際の取引先や現場からの声を拾い上げることも大切です。
机上の情報だけでは見えないリアルな課題に気づけるかが、商社マンとしての力の差になるでしょう。
収集した情報をもとに、商材の需要予測や価格動向を分析し、取引や投資の判断材料として役立てます。分析結果が戦略の根拠となるため、質の高いレポート作成も重要です。
情報をただ集めるのではなく、それをビジネスに活かす視点が求められます。状況の変化を素早く察知し、次の一手を導き出す力が、商社の競争力を支えているのです。
⑦ 契約書の作成や法務的チェック
グローバルなビジネスでは、契約の重要性が非常に高くなります。誤解やトラブルを避けるためにも、契約内容を明確にし、法的なリスクを最小限に抑える能力が必要です。
商社では、契約書の作成や内容の確認を担当することも多く、取引条件や責任範囲、トラブル時の対応方法などを文書でしっかりと定める必要があります。
特に海外取引では、相手国の法律や慣習にも目を配らなければなりません。
専門部署や弁護士と連携しながら進めることもありますが、ビジネスの実情を理解している現場担当者の視点も欠かせません。法律だけでなく、実務としての妥当性を考えることが重要なのです。
ミスの許されない仕事ではありますが、適切な契約があるからこそ、大きなビジネスでも安心して取引ができるのです。
⑧ 会計・財務管理
商社のビジネスは高額な取引が多いため、会計や財務の管理が重要な役割を果たします。
どれだけ売れているかだけでなく、利益がどこから出ているのか、どこにリスクがあるのかを正確に把握する必要があるのです。
具体的には、売上や原価、利益率の管理、キャッシュフローの予測、為替リスクの管理などが主な業務です。これらをもとに事業の継続性や将来性を評価し、必要に応じて方針を修正していきます。
また、現場の営業担当が数字に強いことも、説得力のある提案につながることも。数字を「経営の言語」として理解し、的確に使いこなせる力が求められます。
数字を読む力は経験とともに磨かれていくものですが、早い段階から関心を持ち、積極的に学んでおくと実務で必ず役立つでしょう。
商社の就職に向いている人の特徴

商社を目指す就活生にとって、自分がこの仕事に向いているかどうかは大きな関心事です。ここでは、実際に活躍している人に共通する特徴をもとに、商社に向いている人の資質を紹介します。
- コミュニケーション能力が高い人
- 新しい情報を取りにいける積極性と好奇心がある人
- 海外出張・長時間労働に耐えられるタフさを持つ人
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① コミュニケーション能力が高い人
商社では、多くの関係者と連携しながら仕事を進めるため、円滑なコミュニケーション力が欠かせません。取引先との交渉だけでなく、社内での情報共有や調整の場面でも、信頼関係を築く力が求められます。
特に海外のパートナーと関わる場面では、言語や文化の違いを理解したうえで、自分の意見を正しく伝える姿勢が重要です。単に話す力ではなく、相手の意図をくみ取る力や、場に応じた対応力も問われます。
表面的な会話のうまさではなく、相手の立場を考えた言葉の選び方ができるかどうかが鍵です。気配りや観察力がある人は、商社の現場でも強く求められるでしょう。
② 新しい情報を取りにいける積極性と好奇心がある人
商社のビジネスは変化が激しく、常に最新の情報をキャッチしながら判断する必要があります。そのためには、受け身でいるのではなく、自ら情報を集めにいく積極性が必要となります。
たとえば、業界の動きや海外情勢を自分のアンテナで察知し、それを商談や企画に活かすといった行動が成果につながる場面も多いので、疑問に思ったことを放置せずに調べる姿勢も大切です。
また、好奇心が強い人は、知らない分野や人との関わりも前向きに捉えやすく、それが結果的に仕事の幅や人脈を広げることにもつながります。
新しいことを学び続けたいと感じる人にとって、商社はやりがいのある環境だといえるでしょう。
③ 海外出張・長時間労働に耐えられるタフさを持つ人
商社の仕事には、海外出張や時間を問わない対応が必要な場面が多くあります。そのため、一定の体力や精神的なタフさがないと継続が難しい場合もあるでしょう。
たとえば、時差のある国との会議に夜遅くまで参加したり、現地での突発的なトラブルに迅速に対応したりするケースは珍しくありません。
限られた時間の中で、判断力と行動力を同時に求められる場面もあります。
そのような環境において、常に冷静さを保ち、前向きに動ける人は高く評価されるでしょう。自己管理や気分転換の工夫ができることも、大きな武器になるはずです。
過酷さの一方で、世界を舞台にダイナミックな仕事を経験できるのが商社の魅力でもあります。体力と気力の両方に自信がある人にとって、挑戦しがいのある職場でしょう。
商社の就職を志望する際の注意点

商社はグローバルに活躍できる華やかな印象が強い一方で、実際に働くうえで注意すべき点も存在します。
ここでは、志望する前に理解しておきたい代表的な注意点を3つ紹介します。業界研究を深める際の参考にしてください。
- 年功序列や古い体質が残る企業がある
- 配属先は希望通りにならないことがある
- 長時間労働や海外転勤を求められることがある
① 年功序列や古い体質が残る企業がある
商社の中には、今なお年功序列や上下関係を重んじる文化が残っている企業もあります。このような風土は、若手のうちは意見を通しにくく、自由な発言がしづらいと感じることがあるかもしれません。
たとえば、上司の指示に従うことが優先され、自発的な提案が評価されにくい場面も見受けられます。変化を求める人にとっては、成長の足かせに感じる可能性も否定できません。
ただし、そうした体質は一方で信頼や安定を生み出す基盤でもあるのです。企業説明会やOB訪問などを通じて、組織の雰囲気や価値観が自分に合うかどうかを見極めておくことをおすすめします。
② 配属先は希望通りにならないことがある
商社では、新入社員の配属先が希望と異なるケースは珍しくありません。多くの場合、入社時点では職種や部門を限定せず、会社の人材配置やニーズによって決定されるためです。
たとえば、海外営業を希望していたにもかかわらず、経理部門に配属されるといったことも実際に起こります。このような「配属ガチャ」と呼ばれる現象に戸惑う人も少なくないでしょう。
とはいえ、どの部署でも学べることは多く、社内公募制度や異動希望申請などを活用すれば、将来的に希望の業務へ近づける可能性があります。
目先の配属だけで判断せず、長期的な視野でキャリアを捉える姿勢が大切です。
③ 長時間労働や海外転勤を求められることがある
商社は業務量が多く、特に繁忙期には長時間働くことも珍しくありません。海外とのやり取りが多いため、時差に合わせて早朝や深夜に対応する必要が出てくる場合もあります。
また、数年以内に海外拠点への転勤が命じられることもあり、希望しない地域への赴任や家族との別居といった状況が発生する可能性も。ライフスタイルに影響を与える要素として認識しておくべきでしょう。
その一方で、手厚い手当や現地サポート制度が整っている企業も多くあります。体力的・精神的な準備をしておくことで、こうした変化に柔軟に対応しやすくなります。
商社の就職に向けた対策

商社は就活生に人気の高い業界ですが、その分だけ選考のハードルも高めです。内定を目指すには、一般的な対策だけでなく、商社特有の準備も欠かせません。
ここでは、商社を志望するうえで押さえておくべき対策を紹介します。
- 企業研究で各商社の強みと方向性を把握する
- 商社特有の志望動機を言語化する力を養う
- 自己PRではリーダー経験や成果をアピールする
- 語学力の証明としてTOEICやTOEFLのスコアを強化する
- 難関筆記試験・Webテストの対策をする
① 企業研究で各商社の強みと方向性を把握する
商社は一見似た印象を持たれがちですが、実際には企業ごとに事業の得意分野や経営方針に違いがあります。そのため、企業研究を通じて特徴をしっかり把握しておくことが重要です。
たとえば、エネルギーに強い商社もあれば、生活消費財に注力している会社もあります。それぞれの方向性を理解すれば、自分の志向や経験と結びつけた志望理由が自然に組み立てられるはずです。
単に有名企業だからという理由ではなく、「なぜその商社か」を語るには、事業内容や中期経営計画などにも目を通しておくとよいでしょう。
② 商社特有の志望動機を言語化する力を養う
商社の面接では「なぜ商社か」「なぜこの会社か」という質問がほぼ確実に聞かれます。これに対し、自分の言葉で具体的に答えられるよう準備しておく必要があるのです。
まずは、商社という業態に惹かれた理由を自分なりに深掘りしてください。そのうえで、志望企業の特徴と自分の経験や価値観をどう重ね合わせるかを整理します。
抽象的な表現だけでなく、具体的なエピソードや行動に落とし込むことが大切です。「どこに魅力を感じたか」「どんな風に貢献したいか」を、わかりやすく伝える工夫をしておきましょう。
③ 自己PRではリーダー経験や成果をアピールする
商社の仕事では、主体的に動いて周囲を巻き込む力が求められます。そのため、自己PRではリーダー経験や具体的な成果を盛り込むと説得力が増すでしょう。
学生時代に取り組んだ活動を振り返り、「どんな課題があり」「どのように工夫して乗り越えたか」「結果どうなったか」をシンプルにまとめてください。
数字や第三者の評価も加えると、より具体的になります。
役職がなかったとしても、グループ内で主導的に行動した場面があれば、それを言語化することで十分アピールになります。「どう動いたか」に焦点を当てて整理してみてください。
④ 語学力の証明としてTOEICやTOEFLのスコアを強化する
商社は海外とのやりとりが多く、語学力が重要視される職種です。その力を客観的に示す方法として、TOEICやTOEFLのスコアは非常に有効。
多くの総合商社ではTOEIC800点以上が一つの基準とされており、英語力のアピールには具体的な点数を添えることが効果的です。
現在のスコアが基準に届いていなくても、今後の学習計画を示すだけでも前向きな印象を与えられます。
語学の勉強は継続がカギです。英語を通じてどのように活躍したいかをセットで語れると、より印象に残りやすくなります。
⑤ 難関筆記試験・Webテストの対策をする
商社の選考では、筆記試験やWebテストの通過が最初の関門となることが多いです。とくにSPIの非言語問題や、独自の英語試験が課される企業もあり、油断は禁物。
市販の問題集やアプリを活用し、時間を計りながら解く練習を重ねてください。出題形式に慣れるだけでも、本番でのミスは大きく減らせます。
また、企業によって試験の難易度や傾向が異なるため、志望企業に合わせた対策が有効です。筆記対策も面接と同じくらい重要だと意識して、早めに準備を始めましょう。
商社就職を目指すなら、知識と対策の両立がカギ

商社に就職したいと考えるなら、業界全体の理解と選考対策の両面が重要です。商社のビジネスモデルにはトレーディングや事業投資、バリューチェーン戦略などがあり、各社によって強みも異なります。
加えて、仕事内容や求められる職種、年収、さらには向いている人物像や注意点まで幅広い知識が必要です。就活では、企業研究や自己PR、語学力の証明、Webテスト対策といった準備も欠かせません。
商社就職を成功させるには、こうした全体像を踏まえた戦略的なアプローチが不可欠でしょう。
まずは志望動機を作ってみる
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編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。