テストセンターの性格検査は?評価内容から対策のコツまで例題つきで徹底解説
多くの就活生にとって、テストセンターの性格検査を受験する可能性があります。
性格検査は多くの企業が導入している選考の1つであり、対策をすべきかや対策の内容について悩む方も多いでしょう。
この記事では、就活生が対応に苦労するテストセンターの性格検査の概要や対策について解説します。
受験時のコツや対策に役立つおすすめ書籍も紹介しているので、記事を参考に対策し、志望する企業への内定を獲得してください。
テストセンターの性格検査とは
テストセンターの性格検査とは、応募者の性格や適正の把握に使われるツールです。
テストセンターの性格検査は選択式の問題で構成されており、直感をもとに回答する問題がほとんどです。
性格検査の概要を本項では解説します。
①性格検査はSPI3の検査項目の一つ
性格検査は、SPI3(Synthetic Personality Inventory 3)に含まれる検査項目の1つで、企業は応募者の適正や性格を評価し、求める人物像にマッチするかを判断しています。
性格検査は応募者が自分の強みや弱みを理解する際にも役立つため、自己理解としても有用なテストです。
就職活動を進めるうえで、性格検査の受講を求められるケースは多く、ほとんどの就活生が受験を経験するでしょう。
テストセンターの性格検査の問題例
出題される問題例を事前に知っておくと、受験の際に有利です。
一般的には2つの項目から最も自分に近い選択肢を選ぶ問題や、ある項目に対して当てはまるかを問う問題がよく出題されますよ。
例えば、「A:入念に計画を立てる」と「B:行き当たりばったりである」等が一例であり、どちらの選択肢がより自分に当てはまるかを選択します。
出題される問題は熟考して回答せず、直感を頼りに回答するとより正確な結果が得られやすいでしょう。
テストセンターの性格検査の評価項目
テストセンターの性格検査では、応募者の適正を正確に評価する目的で、複数の評価項目を設けています。
主な評価項目を以下にまとめました。
評価項目の概要と例題を参考に、適性検査の対策を実施してください。
①行動的側面
行動的側面は、応募者が実際にどんな行動をするかに焦点を当てた評価項目です。
対人関係や問題解決能力等を測定し、入社した後のチームワークに問題がないか等の適正を見極めます。
行動的側面の評価は、具体的な状況を想定した行動を問う問題がよく出題されるでしょう。
問題で問われる項目に対して実際に自分ならどんな行動をとるかを考え、回答してください。
【例】
- 考えるよりも行動する方だ
- 積極的だ
- リーダーシップがある
②意欲的側面
意欲的側面とは、応募者のモチベーションや目標達成に対する意欲を測る項目です。
自己成長や挑戦していく姿勢、業務に対する熱意を測定し、企業は応募者が入社した後にどんな成長をして貢献していくかを予測できます。
【例】
- 向上心がある
- 決断が早い方である
- 飽きっぽい方である
③情緒的側面
情緒的側面は、性格検査で評価される項目の一つであり、感情のコントロールや自分に自信があるか等を判断し、他者と良好な関係を築けるかを評価する項目です。
仕事をするうえで感情のコントロールは欠かせません。自分が感情をどうやってコントロールしているか等、改めて内観しておくと、受験の際に役立つでしょう。
【例】
- 周囲の意見をよく聞く方だ
- プレッシャーに弱い
- 細かいことが気になる性格だ
④ライスケール
テストセンターの性格検査の評価項目を測定する際に活用される手法の一つに、ライスケールがあります。
応募者が回答で嘘をついていないかを判断するために活用される項目です。
就職活動で自分を良く見せようとするあまりに、本来の自分とかけ離れた人物像として回答すると、ライスケール問題に引っかかるため注意が必要です。
【例】
- 一度も嘘をついたことがない
- 人に迷惑をかけたことがない
- 約束を破ったことはない
テストセンターの性格検査はどう評価されるのか?
テストセンターの性格検査は、それぞれの問題に正解・不正解はありませんが、企業ごとに適した回答は存在しています。
性格検査で評価される内容を、以下で解説します。企業が性格検査で何を評価しているかを把握しておくと、実際の検査に役立つでしょう。
①自社の求める適性をもっているかどうかを見られる
応募者が性格検査を受験すると、検査結果をもとに自社が求める適性を持った人材を見つけられます。
企業にはさまざまな役割があり、役割によって求められるスキルや性格は異なりますよ。
性格検査の結果を参考にすると、リーダーシップや協調性等の応募者の適正が自社に適しているかの判断ができます。
応募者本人も気が付かない適正を言語化してくれるため、ミスマッチの防止にもつながるでしょう。
②回答に矛盾があり取り繕っていないかを見られる
回答に矛盾がないかも重要です。エントリーシートや面接の内容と性格検査の回答が矛盾していると、取り繕った回答をしていると採用担当者に判断されます。
取り繕った回答は応募者の正確な適性を判断しづらくするため、採用担当者はネガティブなイメージを持ち応募者の採用自体を見送りかねません。
一方で、性格検査は問題数が多いため、取り繕った状態で全ての回答に一貫性を持たせるのは困難です。
回答に悩む場合は下手に取り繕うのではなく、自分が感じるありのままの内容を回答すると、矛盾が生じにくいでしょう。
③ライスケール問題に引っかかっていないかを見られる
テストセンターで受ける性格検査には間違えてはいけない問題がいくつか存在します。特にライスケール問題は、間違えてはいけない問題の筆頭です。
ライスケール問題を間違えてしまっても、似たような問題が出題された場合は正しい回答で整合性をとるように心がけましょう。
間違った回答で整合性をとってしまうと、よりマイナスの評価を与えてしまうので、注意が必要です。
受験時に通過率を上げる対策の5つのコツ
性格検査を受ける際の、通過率を上げるための5つのコツを紹介します。性格検査はただ闇雲に受けるのではなく、コツを押さえることが重要です。
性格検査はライスケール等の問題を除き、基本的に正解はありません。企業の求める人物像に適した回答により、通過率を高められるでしょう。
①企業の求める人物像を理解しておく
性格検査を受ける際は、企業が求める人物像の理解が重要です。企業のHPや採用情報等を確認し、企業理念やビジョン、求める人物像を詳細に把握しましょう。
業界研究や競合他社の情報収集も行うと、業界全体のトレンドや応募先企業の独自性がわかり、より的確に企業の求める人物像を理解できます。
事前準備により自分の強みや適正をアピールでき、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。
ただし、無理に自分を偽るのではなく、自分の本来の性格を正直に表現するように注意してください。
②面接のような意識で受ける
性格検査で得られる結果は就職活動の合否に関わるため、面接を受けるときと同様に適度な緊張感を持って臨みましょう。
採用担当者は面接の時と異なり試験時に直接見ていませんが、応募者の人柄や価値観は検査結果を通して伝わります。
誠実で正直な姿勢で回答すると採用担当者に好印象を与えられるので、面接を受けるような意識で性格検査に臨んでください。
③一貫性を持った回答を行う
回答の一貫性は重要です。性格検査では、似たような問題が形式を変えて出題されます。
無理に自分をよく見せようと取り繕った回答をすると検査内で矛盾が生じ、採用担当者に悪い印象を与えかねません。
企業の求める人物像は意識しつつも、自分の性格や価値観をもとにすると、回答に一貫性が生じます。
④全ての問題に回答する
性格検査では、出題されるすべての問題に回答する必要があります。問題への回答が不十分だと適切に検査ができず、評価に悪影響です。
わからない問題や迷う問題でも直感を信じて回答すると、本来の性格が反映されやすいでしょう。
⑤時間をかけすぎず素早く回答する
性格検査では、直感にもとづいた回答が最も信頼性が高いとされています。一つ一つの問題に時間をかけすぎず、感じたままに素早く回答をしてください。
各問題で長考してしまうと、本来の自分の回答と異なる回答になりやすいため、注意が必要です。
時間をかけすぎると、すべての問題に回答できなくなるリスクも生じます。回答が不十分だと、検査結果も不十分になりかねません。
あらかじめ問題全体のボリュームを把握たうえで時間配分を意識して回答すると、性格検査をスムーズに進められます。
テストセンターの性格検査の結果は使いまわししていい?
テストセンターの性格検査を使いまわしてもいいかどうかが気になる方は多いでしょう。
テストセンターの性格検査の受検は手間がかかるため、使い回しにより時間短縮や効率化ができます。ただし、すべてのケースにおいて使い回しを推奨できるわけではありません。
本項では、使い回しをしても問題ないケースと新たに受験した方がよいケースについて解説します。
①同じ業界や職種の場合は使いまわしも可
性格検査の結果は、同じ業界や職種に応募する際は使いまわしが可能です。
同じ業界や職種であれば、各企業の求める性格や適正に大きな違いは少なく、性格検査の結果の使いまわしに適しています。
使いまわしにより性格検査を受験する手間が省けるため、就職活動の効率化につながるでしょう。
ただし、使いまわす際には応募先の企業が求める人物像のリサーチを入念に行いましょう。場合によっては再受験が望ましい可能性もあるため、注意が必要です。
②求める人物像が違う業界はその都度受験するほうがよい
異なる業界や職種に応募する場合は、性格検査結果の使いまわしは推奨できません。
業界や職種によって企業の求める人物像が異なるため、応募先企業に適さない結果になる可能性があるからです。
また、性格検査の結果は一定期間有効ですが、キャリアプランや就職活動を通じた自己成長によって検査結果が変化する可能性もあります。
テストセンターの結果は本人に返ってくる?
テストセンターで受験した性格検査の結果が返ってくるかどうかは、気になる方も多いでしょう。
基本的に性格検査の結果が返却されることはありません。ただし、一部のケースでは返却される可能性もあります。
①基本的には本人には公表されない
テストセンターの性格検査の結果は、基本的に本人には公表されません。企業は性格検査を選考の一部として扱っており、他の選考結果と総合して応募者を評価します。
結果を公表しないことで応募者が結果に対する過度なストレスを受けるリスクを軽減し、就職活動に不利益が生じないように配慮しています。
性格検査を受けた際は、回答をした内容等を記録をしておくと、面接等の採用試験に役立てられるでしょう。
②企業によってはインターン参加や内定後に返却される場合も
企業によっては、インターンの参加時や内定後に性格検査の結果をフィードバックとして返却される場合もあります。
性格検査の結果が返却されると、企業の評価内容や重視している項目等を把握できるため、今後のキャリアにとって有用です。
特に内定後に返却される場合は、入社後の業務や人間関係構築において、自分の強みや改善点を活かすためのアドバイスとして活用しやすいでしょう。
ただし、性格検査の返却を実施している企業は少数なので、基本的には返却されないつもりで性格検査に臨んでください。
テストセンターの性格検査対策におすすめの書籍・サイト3選
テストセンターの性格検査は、検査に適した対策が重要です。
性格検査の対策におすすめの書籍とWebサイトを合わせて3つ紹介します。
自分に適した書籍やサイトを選び、本番で失敗しないようにしっかりと対策をしておきましょう。
①おすすめの書籍
テストセンターの性格検査対策に役立つおすすめの書籍を2冊紹介します。
性格検査以外にも対応しているため、試験を受けたことのない方でもしっかりと準備ができる書籍です。
各書籍は問題と回答を解説しているため、短時間で効率よく対策できます。
自分に合う書籍を選択し、性格検査の対策を実施してください。
1. SPI3性格適性検査 こんだけ!
「SPI3性格適性検査 こんだけ!」はSPI3の性格検査に特化した対策本であり、基本的な出題パターンの解説だけでなく、時間配分や解答のコツ等、実践で使えるアドバイスが含まれています。
本書籍を1冊活用するだけで、テストセンターの性格検査に関する十分な対策を実施できます。
2. これが本当のWebテストだ!(3)
「これが本当のWebテストだ!(3)」は、Webテスト全般に対応した書籍であり、性格検査だけでなく能力検査にも対策できる1冊です。
テストセンターで出題される主要なWebテストを幅広くカバーしており、出題パターンや試験の流れを理解できます。
各問題に対する詳細な解説だけでなく、問題の考え方や効率よく回答するポイントも解説されているため、性格検査の対策に役立ちますよ。
②おすすめのサイト
性格検査対策には、書籍だけでなくWebサイトの活用も有効な手段です。
近年では情報の流通量も増えており、無料で有益な情報にアクセスしやすくなっていますよ。
「SPI3 リクルートの適性検査 テストセンター情報」は、テストセンターで初めて受験する方を対象に、基本的な情報と受験方法に関する情報を掲載しているサイトです。
性格検査を受ける方が疑問に思うことへの回答も網羅されており、受験前に目を通しておくと不安を軽減できるでしょう。
書籍を購入する前に目を通しておくと、書籍を選ぶ際の参考にもなるので確認してみてください。
テストセンターの性格検査についてよくある質問
テストセンターの性格検査を受験する方が疑問に思う項目を本項で解説します。
性格検査を受験する前に、疑問や不安を少しでも解消しておくことが、成功への秘訣です。
①テストセンターの性格検査はWebテスティング形式と違う?
テストセンターの性格検査とWebテスティング形式は似ている部分もありますが、基本的には異なります。
テストセンターの性格検査は自宅で受け、性格検査後に能力検査を会場で受験する形式ですが、Webテスティング形式では、自宅や任意の場所でインターネットを経由して受験できます。
両者とも性格の傾向や適性を測る目的がありますが、環境や受験方法が異なるため、それぞれに適した対策が必要ですよ。
②テストセンターの性格検査は正直に回答してもいい?
基本的には正直に回答する必要があります。性格検査は、応募者の性格や適性が企業の求める人物像とマッチしているかの判断が目的です。
無理に自分をよく見せようと取り繕った回答をしてしまうと、検査結果に矛盾が生じ、信頼性の低下につながりかねません。
企業は誠実な回答を重視しており、偽りのない本来の性格を示すことで、企業との適性を正確に判断できます。
正直に回答した結果、企業とマッチしなかったとしても、適正のない職場で働くよりも、長期的には自分にとってプラスに働くでしょう。
③テストセンターの性格検査は会場で受けられる?
テストセンターの性格検査は、会場で受けられません。事前に自宅で受ける必要があります。
受験するには、事前にインターネット上で予約が必要です。
能力検査に関しては、性格検査の受験後にテストセンター会場で受けるのが一般的なので注意してください。
④性格検査が原因で落ちることはある?
性格検査の結果が原因で落ちる可能性はあります。性格検査は、応募者の性格や適性を企業が判断するためのツールです。
ただし、あくまでも性格検査は選考の一部分であるため、性格検査の結果のみで不合格になることはありません。
企業は応募者の能力や適性を総合的に判断するため、性格検査以外の要素でカバーは十分に可能です。
性格検査を正しく理解し、適切な準備で内定率を高めよう
本記事では、テストセンターの性格検査の概要や問題例、対策方法等を解説しました。
企業は性格検査の結果をもとに、応募者の適性や企業文化にマッチしているか、求める人物像に適しているかを判断しています。
性格検査を受験する前に、対策をしておきましょう。
本記事を参考に、適切に性格検査の対策を実施し、就職成功を掴み取ってください!
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。