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SHLテストとは?基本事項・SPIとの違い・対策方法などを解説!

就活対策においては、面接対策だけでなく筆記試験対策も重要ですよね。

今回紹介する「SHLテスト」も筆記試験の一種ですが、「SPIとの違いは?」「どんな問題が出る?」など分からない方もいるのではないでしょうか。

本記事では、SHLテストの概要や特徴、SPIとの違い、基本的な対策方法などを幅広く解説します。

例題も紹介しているので、SHLテスト対策が気になっている人はぜひご参考にしてくださいね。

SHLテストとは

SHLテストとは、日本エス・エイチ・エル社が運営している適性検査の総称です。SHLテストには、以下のようなものがあります。

  • WebGAB・GAB
  • WebCAB・CAB
  • 玉手箱

就活において選考の最初の段階で適性検査を実施する企業は多数あり、SHLテストを導入しているケースも多々あります。

複数の企業にエントリーしていればSHLテストを受ける可能性は高く、就活を進めるうえでは対策が必要です。

企業がSHLテストを導入する目的3つ

ここでは、企業がSHLテストを導入する目的を以下の3つに整理して紹介します。

  1. 面接選考に進む応募者を絞るため
  2. 応募者の能力・適性・特性を把握するため
  3. 内定・入社後のフォローに活かすため

SHLテスト対策をする意義を確かめるためにも、企業側の考えをここで把握しておきましょう。

①面接選考に進む応募者を絞るため

企業がSHLテストを実施する理由としてまず考えられるのが、面接選考に進む応募者を絞るためです。

特に多くの就活生が応募してくる企業の場合、すべての応募者の面接をすることは現実的に無理があります。

そこで最初の段階で書類選考やSHLテストを実施し、一定の足切りを行ってしまうのです。

またSHLテストで足切りをしない場合や足切りラインを超えた就活生の場合は、面接の補助資料としてテスト結果を利用することも考えられます

②応募者の能力・適性・特性を把握するため

応募者の能力・適性・特性を把握することも、SHLテストを実施する重要な目的の1つです。

SHLテストには、学力・能力を試す試験以外に人柄や考え方を把握するためのテストも含まれています

履歴書やエントリーシートでも就活生の人柄や特徴はある程度把握できますが、情報としては不十分なことが多いと言えるでしょう。

そこでSHLテストを実施し、就活生の能力はもちろん適性・特性についてもより深く把握しようと考えるのです。

③内定・入社後のフォローに活かすため

SHLテストを実施する目的としては、内定・入社後のフォローに活かすことも挙げられます。

SHLテストで就活生の適性や特徴を把握できれば、内定・入社後の対応方法に活かせるためです。

例えば成長意欲が高いと感じられる内定者に対しては、入社までにプラスの課題を与えることも考えられます。

企業にとって内定辞退や入社後の早期退職は可能な限り避けたいことから、人材ひとりひとりに合わせたフォローができる点は大きな利点です。

SHLテストの受験方式3つ

ここでは、SHLテストの受験方式として以下の3つを紹介します。

  1. Webテスト
  2. マークシート
  3. テストセンター

①Webテスト

SHLテストの受験方式としてまず挙げられるのが、Webテストです。Webテストはパソコンとインターネット環境があればどこでも受検できます。

そのため、できるだけ自分がリラックスできる環境を選択することで落ち着いて取り組める点が特徴的です。

基本的にはいつでも受検できますが、企業ごとに受検期限が定められていることから注意が必要です。

一般的には、受験期限のギリギリまで勉強をして受検することがおすすめだと考えられます。

②マークシート

SHLテストの受検方式には、マークシート方式も挙げられます。企業から指定された会場に出向き、筆記形式の試験を受けることが一般的です。

筆記用具が必須である点と、企業から指定された会場に出向くことから行動にも一定の配慮が必要な点には注意しましょう。

マークシート方式の場合、受検スケジュールが公表されていることもあれば抜き打ちのような形式で他の選考と合わせて実施されることもあります。

いつ受検しても良いように、早期から対策をしておくことが大切です。

③テストセンター

テストセンター形式とは、「テストセンター」と呼ばれる適性検査実施用の特設会場で行われる受検方式のことです。

企業から配布された受検IDでテストセンターにログインし、まず予約した後受験します。

タイミングによっては混雑して思うように予約できないこともあるので、できるだけ時間に余裕を持って予約することが重要です。

テストセンター形式の場合、1年以内であれば結果を使いまわし可能です。

SHLテストの基本事項4つ

ここでは、SHLテストに関する基本情報を以下の4点に整理して紹介します。

  1. 受検日
  2. 受検会場
  3. 服装
  4. 持ち物

①受検日

SHLテストの受験日は1日だけに限定されているわけではなく、期間が定められていてその間に受ければ良い形式になっていることが一般的です。

たとえばWebテストであれば、定められた期間内の任意のタイミングでアクセスして受検すれば問題ありません。

テストセンターの場合も期間が定められていることは同様ですが、まず日程を予約する必要がある点に注意が必要です。

マークシート方式の場合は選考スケジュールが公開されているケースと公開されておらず面接や他の選考と一緒に実施されるケースの2つがあります。

②受検会場

SHLテストの受験会場は、テスト方式ごとにそれぞれ以下の通りです。

  • Webテスト:インターネット環境がある任意の場所
  • マークシート:企業が指定する場所
  • テストセンター:最寄りのテストセンター

ただし基本的には企業からの案内の中に受検方式や場所について記載されているので、しっかりとチェックしておけば問題ありません。

テストセンター会場は全国7都市に常設されており、就活時期になると全国47都道府県に臨時会場が設置されます。

③服装

SHLテストを受けに行く際の服装は、基本的に私服でもスーツでも問題ありません

ただしあまり華美な服装はふさわしくないため、注意しましょう。少なくとも、企業の担当者が見ている可能性は忘れてはいけません。

また、マークシート方式の場合は企業から服装の指定を受けることもあります。

「何を着ていくべきか分からない」と悩んでしまうようであれば、リクルートスーツを着ていけば基本的に問題ないと言えます

④持ち物

SHLテストの持ち物は、Webテストとそれ以外の2つで異なります

Webテストの場合は持ち物は特に不要であり、パソコンでインターネットを利用できる環境であればいつでもどこでも受検可能です。

マークシート方式とテストセンターの場合は、筆記用具に加えて本人確認書類と受検票は必須だと言えます。

本人確認書類は顔写真付きのものが必要なので、マイナンバーカードや運転免許証、パスポートなどが考えられるでしょう。

SHLのテストの主な種類3つ

ここでは、SHLテストの主な種類として以下の3つを紹介します。

  1. WebGAB・GAB
  2. WebCAB・CAB
  3. 玉手箱

①WebGAB・GAB

「WebGAB・GAB」は、新卒生を対象として実施される適性検査です。のちに紹介する玉手箱と同様に、比較的多くの企業が実施していると言えます。

WebGAB・GABのテスト項目は、以下の3つです

  • 言語理解
  • 計数理解
  • 英語

また、WebGABがWebテスト、GABがマークシート、そしてC-GABがテストセンター方式を指すので覚えておくと良いでしょう。

②WebCAB・CAB

WebCAB・CABは、言語問題が出題されず以下のような非言語問題のみが出題されるSHLテストです。

  • 計数理解テスト(四則逆算)
  • 直観的推理テスト(法則性)
  • プログラミング言語テスト(命令表)
  • 構造理解テスト(暗号)

IT職採用を行っている企業が導入するケースが多く、志望者であれば対策が必要だと言えます。

実際にプログラミング言語のテストをはじめとして、エンジニアの適性を測るような問題が多く出題されることで知られるテストです。

③玉手箱

玉手箱は、論理的思考力を測るSHLテストです。金融やメーカーなどをはじめとして幅広い業界に支持されている、有名なテストだと言えるでしょう。

玉手箱の出題内容は、以下の3つです。

  • 言語問題
  • 非言語問題
  • 英語

GAB系がじっくりと考えて答えを出すテストだとすれば、玉手箱は限られた時間でいかに素早く正確に情報を処理できるか確認するテストだと言えます。

内容自体は基本的なものが多いので、対策次第で高得点は十分に狙えるでしょう。

SHLのテストの例題4つ

ここでは、SHLテストの例題を以下の4項目に分けて紹介します。

  1. 法則性能力テスト
  2. 計数能力テスト
  3. 言語能力テスト
  4. パーソナリティ診断

①法則性能力テストせい

<例題>
下の例では、論理的な順序を持つ 5 つのボックスが示されます。課題は、この順序を完了させるボックスを選択することです。答をA ~ E のボックスから選ぶと、正解かどうかが表示されます。

正答:D
出典:SHL「機能的推論能力テストのサンプル」

法則性能力テストでは、与えられた条件から法則を見つけ出し、解答する能力が求められます

上記の問題では、「円の中心にある点が1つおきに現れるパターン」と「矢印が上下交互に表示されるパターン」と複数の法則に気づくことが大切です

「円の中心にある点が有・無・有・無・有に並んでいるから、次の選択肢は無だ」と判断して正答の選択肢を導き出します。

②計数能力テスト

<例題>
コンピューター輸入に対する支出額

設問:「年度3において、ドイツのコンピュータ輸入に対する支出額は、イタリアをどの程度上回りましたか。」

A:650百万ユーロ
B:700百万ユーロ
C:750百万ユーロ
D:800百万ユーロ
E:850百万ユーロ

正答:B

設問:「年度5における英国のコンピュータ輸入に対する支出額が年度4を20%下回った場合、年度5の支出額はいくらですか。」

A:1,080百万ユーロ
B:1,120百万ユーロ
C:1,160百万ユーロ
D:1,220百万ユーロ
E:1,300百万ユーロ

正答:B
出典:SHL「計数理解テストのサンプル」

計数能力テストでは、統計表やグラフ、そして図などに記載されている事実から設問に答えていく形式の設問です。

上記のように問われている内容があまり難しくはないケースでは、いかに素早く図表を把握して正答を正確に導き出せるかが問われていると想定できるでしょう。

③言語能力テスト

<例題>
「多くの企業では、夏休みに学生を雇うことにメリットがあると考えています。常勤のスタッフの多くは、この時期に休暇を取ることを希望します。
「また、夏季が繁忙期に当たり、追加のスタッフを必要とする企業は少なくありません。夏休みの雇用を通じて学生を引きつけることによって、卒業時に十分な資格を得た新入社員として企業に戻ってくることが期待できます。
「学生が企業についてより多くのことを学べるようにすることで、常勤で働くことに関心を持たせることができます。企業は、通常の有給休暇または病気休暇の権利を与える必要なしに、固定給を学生に支払います。」

設問:休暇中の常勤スタッフは、その仕事を学生に行わせることができる。

A:真
B:偽
C:どちらでもない

正答:A
出典:SHL「言語理解」

言語能力テストでは、上記のように設問文として出されている文章を読み、設問内容に「真・偽・どちらでもない」の3択で解答します。

また、設問が英語で書かれることもあるので、英語力も同時に問われると想定しておくべきでしょう。

④パーソナリティ診断

<例題>
多数の語句または文章について、自分自身の評価を求められる場合があります。文章を読み、次のルールに従って回答してください。

セレクトサークル 1:文章に強く反対する場合
セレクトサークル 2:文章に反対する場合
セレクトサークル 3:わからない場合
セレクトサークル 4:文章に同意する場合
セレクトサークル 5:文章に強く同意する場合

次の例では、最初の文章が回答済みになっています。回答者は、「知らない人に会うのは楽しい」という文章が自分について当てはまることに同意しています。他の質問サンプルについて、あなた自身を評価してみましょう。正答や誤答はないことを忘れないでください。
出典:SHL「パーソナリティ診断のサンプル」

パーソナリティ診断では、上記のように簡単な設問に対して5段階の返答のいずれかで解答します。

自分の特性や適性を見るためのものであり、基本的には偽らずに本心で解答することが大切でしょう。

SPIテストとSHLテストの違い

ここでは、就活において知名度が高いSPIテストとSHLテストの違いについて以下の3点で整理します。

  1. 出題内容
  2. 受検方式
  3. 難易度

①出題内容

SPIとSHLの出題内容を整理すると、おおむね以下の通りです。

SPI言語問題
非言語問題
英語
構造的把握力
SHL法則性能力
計数能力
言語能力

ただしSHLテストにおいてはこれまで紹介してきた通りGABや玉手箱など実際の種類によって出題内容が異なります。

全体的には、SPIはシンプルでSHLは長文・図形などが出てきて複雑であることが多いと整理できるでしょう。

②受検方式

受検方式については、SPIもSHLも以下の3パターンで違いがありません

  • Webテスト
  • マークシート
  • テストセンター

実は、SPIでは「インハウスCBT」と呼ばれる受検方式もあります。しかし、会社側で場所とパソコンを指定する必要があることから、ほとんど利用されていません。

いずれのケースでも採用する受検方式はケースによってことなることから、案内をしっかりと読んで対応する必要があります

③難易度

難易度については、SPIよりもSHLテストの方が高いと言えます。SPIは、どちらかと言えば単純な設問を素早く解いていくことを求める課題であるためです。

SHLテストには、図表を読み取ったり長文を読んでから設問に答えたりと、ややじっくりと考えさせる傾向があります。

SHLテストを実施する会社に応募するケースでは、一定の対策や準備は不可欠だと考えた方が良いでしょう。

特に時間配分についてはしっかりと対策しておかないと、時間が足りず終わってします恐れも大きいと言えます。

SHLテストの対策の流れ

ここでは、SHLテストの対策方法の流れを以下の6段階に分けて解説します。

  1. 過去問や予想問題で実力を把握する
  2. 問題集1冊分に取り組む
  3. 苦手分野を重点的に学習する
  4. 問題集全体に繰り返し取り組む
  5. 制限時間を設けて問題を解く
  6. 定期的に模試を受ける

①過去問や予想問題で実力を把握する

SHLテストの対策を進めるうえではまず、過去問や予想問題を解いてみて現在の実力をは把握することをおすすめします。

自分がどのくらい対応できるのか最初の段階で理解しておくことで、今後の勉強の進め方を考えやすくなるためです。

書店で購入できる過去問でももちろん良いですし、Webサイト上には無料で受験できる模擬試験も存在します。

最初は感触をつかむ程度でも大丈夫なので、無理に書籍を購入しようとせず無料で挑戦できる過去問を利用できるなら利用してみましょう。

②問題集1冊分に取り組む

自分の現在の実力がある程度把握できたら、問題集を1冊購入して取り組んでみましょう

参考書や教材を購入してイチから体系的に学んでいってももちろん良いのですが、イチから勉強するとどうしても時間がかかってしまいます。

SHLテストは範囲が広く、1つずつ教材で学んでいくことは現実的ではないでしょう。

問題集であれば、出題範囲や出題内容を直接的に把握できることから効率的です。

③苦手分野を重点的に学習する

問題集を1周解き終えたら、次には苦手分野を重点的に学習しましょう。ひと通り解いていくと、苦手分野がどこなのか分かってくるものだと言えます。

SHLテストの中には、初めから苦労して解けるような分野も人によってあるはずです。

苦手分野をつぶしていくことで、イチからすべてを勉強しようとするよりも効率的に得点力を上げられます

1周目に解いてみて間違えたものや分からなかったものにマークしておき、2週目以降は重点的に取り組んでみてください。

④問題集全体に繰り返し取り組む

問題集を1冊語ったら、同じものを繰り返し使って勉強することをおすすめします。

SHLテストの基本的な出題パターンは一緒であり、パターンを素早く判断できるようになれば得点力アップにつながるためです。

複数の問題集に手を出すよりも、1冊の問題集を繰り返し解いた方がパターンを覚えこむには適していると考えられます。

設問を覚えてしまうくらいに繰り返し1冊の問題集に取り組めば、ある程度の対応力は身についていくと考えられるでしょう。

⑤制限時間を設けて問題を解く

問題集のやる込みをある程度行ったら、制限時間を設けて本格的に解答に取り組むことが大切です。

SHLテストではあらかじめ時間が決められており、その中でできるだけ多くの設問に解答する必要があります。

時間間隔を養っておかないと、実力を十分に発揮できないまま終わってしまう可能性もあるでしょう。

本番と同じ時間制限を付けて、「どの分野にどのくらい時間をかけるのか」までを意識して取り組むようにすることをおすすめします。

⑥定期的に模試を受ける

問題集による対策と並行して、定期的に模擬試験を受けることも大切です。

自宅でリラックスした状態で設問を解いているだけでは、制限時間を設けていてもどうしても緊張感に欠けてしまう可能性があります。

参考書でどんなに対策をしていても、緊張感に慣れておかないと本来の実力が出せません。

模試を受けて自分の実力を把握するとともに、雰囲気にも慣れるようにしましょう。

SHLの概要を理解して対策を進めましょう!

SHLテストとは、日本エス・エイチ・エル社が運営している適性検査の総称です。

SHLテストの対策をする際には概要や対策ポイントを把握し、効率的な対策方法を理解してうえで勉強に取り組むと良いでしょう。

本記事の情報が、対策のお役に立てば幸いです。

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    編集部

    「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。