リース業界の仕事内容・ビジネスモデルを紹介
就職活動中の人の中には、業界の名前は知っていてもその実態を理解できていないケースが多いです。
その中でもリース業界は概要がつかみにくく、理解が足りない学生も多くいるでしょう。この記事では、リース業界の仕組み・将来性・求められる人材像などを紹介していきます。
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リース業界のビジネスシステム
リース業界は「設備や物件を長期間貸し出し、利子収入を得る」ビジネスモデルです。顧客企業に毎月料金を支払ってもらうため、ビジネスモデルとしては安定していると言えるでしょう。
また企業からすると、初期費用などのが削減できる部分がメリットであり、需要が高い業界でもあります。
リース業界のビジネスモデル2種を解説
リース業界は大きくは2種類に分かれます。ここではその2種類を紹介します。
- ファイナンス・リース
- オペレーティング・リース
①ファイナンス・リース
ファイナンス・リースは設備を購入して長期間貸し出す金融取引に近い業態です。リース期間中の減価償却費用は企業側が負担する場合が多いです。
契約の機会が長い傾向にあり、リース期間終了後には購入できる場合も多いため、現時点では予算が足りないという顧客にも柔軟に対応しています。
② オペレーティング・リース
オペレーティング・リースは、短期間のリースが中心で、メンテナンスはリース会社が行います。期間終了後は物件を返却するタイプがほとんどです。
解約も可能なケースが多く、企業側の初期コストを抑えられるメリットがあります。
リースとレンタルの違いは契約期間
リースの仕組みが理解できても、「それってレンタルと何が違うの?」と疑問に思いますよね。リースとレンタルの最大の違いは、契約期間の長さにあります。
リースは最短半年程度から10年前後の長期契約が一般的です。レンタルの場合は数時間から数日程度の短期利用が中心となります。またメンテナンス面でも違いが見られますよ。
リース業界の現状
リース業界は好調でしたが、製造業の海外進出が進み国内市場は伸び悩んでいます。
テレワーク普及に伴うOA機器需要減も影響しており、今後の大幅な市場拡大は見込めないという意見もあるようです。しかし安定した仕事があり、やりがいも感じられる仕事です。
リース業界のトレンド
続いて、リース業界のトレンドを紹介します。就活で選考に挑む際はしっかりと確認しておきましょう。
- 需要は停滞気味
- M&Aが進んでいる
- 海外進出が盛ん
①需要は停滞気味
リース業界の需要減少は業界内で大きな課題となっています。新型コロナ禍でテレワークが浸透し、オフィス設備への需要が減りました。加えて、金利の低下で銀行融資が容易になり、リースの優先度が下がっています。
完全に仕事がなくなるわけではありませんが、今後の大幅な市場拡大は見込めないという意見もあります。しかし、リースは設備投資を抑えられるメリットがあり、中小企業にとっては資金繰りの選択肢として現在も有効です。
②M&Aが進んでいる
国内市場が伸び悩む中で、M&A(合併・買収)が進行すると予想されます。そのため大手リース会社による小規模同業他社の買収が相次ぐでしょう。
結果的にリース会社数は減る可能性がありますが、市場自体が大幅に縮小することはないと考えられます。就職時は企業に対して規模と安定性を重視することをおすすめします。
大きい規模の会社をチェックしておくと大手企業に買収された場合でも、一定期間は現状維持される可能性が高いです。
③海外進出が盛ん
製造業の海外進出に伴い、リース業界も海外、特にアジア新興国への進出を始めています。三井住友ファイナンス&リースはアジア各国に拠点を構えるなど、今後さらに海外展開が加速すると見込まれます。
そのため外国語スキルは就活に役立つでしょう。グローバル人材の育成が急務となっており、海外勤務の機会も増えると考えられます。語学力に加え、異文化適応力も重要になりますよ。
リース業界の職種4種類
続いて、リース業界の職種を4種類紹介します。どんな職種があるのか事前に確認しておきましょう
- 営業職
- 経理職
- 審査・法無職
- 資金管理職
①営業職
新入社員は多くが営業職からスタートします。まずは顧客のビジネスを深く理解し、最適なリース提案ができる力が求められます。
営業で実績を上げれば、他の職種への転換も可能です。営業職は顧客対応の機会が多く、コミュニケーション能力と折衝力、プレゼンテーション力が必須です。
②経理職
経理職は、リース種別に応じた適切な会計処理や収支管理を行います。財務会計のスキルは基本ですが、金融や経営に関する高度な知識も必要とされます。
リース期間終了後の残存価値評価など、多角的な視点が求められる職種です。経理職は裏方ながら、リース会社の収益を左右する重要な役割を担っています。データ分析力と課題解決力が高く評価されるでしょう。
③審査・法務職
審査・法務職は、リース申請者の財務状況や信用力を綿密にチェックし、契約後も支払い能力があるかを判断します。法的な問題がないかの確認も重要な役割です。
そのため複雑なデータ分析能力と、的確な意思決定力が求められます。リスク管理が適切に行えるかどうかが、リース会社の収益に大きく影響するため、状況判断力と課題発見力が不可欠になります。
④資産管理職
資産管理職は、リース資産の運用を担当します。利用可能期間、廃棄費用の算出、中古品売却による利益確保など、会社資産の適正評価と運用能力が必要になるでしょう。
そのため一言で言うと、リース会社の資産運用を任される重要な職種です。資産の最適活用によって利益を最大化する役割を担っており、マーケティング力と業務改善力が求められます。
リース業界の代表企業3選
続いて、リース業界を代表する企業を3社紹介します。業界研究の際に必ずチェックしておきたい企業です。
- オリックス
- 三井住友ファイナンス&リース
- 東京センチュリー
①オリックス
オリックスは日本でリースビジネスを先駆けた企業です。金融を中心に多角的な事業を展開し、世界30カ国以上に進出しています。
大企業ながら新しいことに挑戦し続ける社風で、実力主義が評価されます。創業者の起業精神を受け継ぐ自由な社風も特徴で、アイデアを形にできる環境が整っている企業でもあります。
②三井住友ファイナンス&リース
三井住友FGと三菱商事の出資によりつくられた三井住友ファイナンス&リースは、航空機リースに強みを持ちます。両社の顧客基盤が強みとなり、リース業界の中で安定した企業のひとつです。
また最近はデジタルサービスの提供など、時代に即した新しいリースサービスにも取り組んでいます。グローバル人材の育成にも力を入れており、語学力と異文化適応力のある人材が重視されているでしょう。
③東京センチュリー
情報通信機器と国内自動車リースに強みを持つ東京センチュリーは、母体が伊藤忠商事という安定基盤もあり業績が安定しています。
グローバル展開と新領域開拓にも積極的で、高い専門性と独自性を武器に成長を続けている企業です。特に情報通信分野での豊富な知見と実績が評価されており、専門性の高い人材が活躍できる場が多くありますよ。
リース業界に向いている人の特徴2つ
最後に、リース業界に向いている人の特徴を2つ紹介します。働くメリットでもあるのでぜひチェックしてくださいね。
- 様々な業界に携わりたい人
- 顧客と長い関係を築きたい人
①様々な業界に携わりたい人
リースは様々な業種の顧客と関わるため、1つの業界への深い理解と共に、多様な業界に幅広い理解を持つことが求められます。
色々な業界に興味があり、知識を広げたい方には適した業界だと言えます。顧客の業界背景を的確に把握し、最適なリースプランを提案できる力が重要視されるでしょう。
②顧客と長い関係を築きたい人
リースは最短半年から長期にわたる契約になるため、顧客との良好な関係構築が重要な業務です。そのためコミュニケーション能力に長け、的確な提案ができる人材が向いています。
単に製品や料金だけでなく、担当者との人間関係で再契約が決まることも多いのが特徴です。顧客の信頼を得るための高い倫理観と誠実さも求められるでしょう。
リース業界の仕組みを理解して選考対策に役立てよう
リース業界の行方は必ずしも好調とは断言できませんが、仕事自体が無くなるわけではありません。大手企業への就職も可能なので、インターン参加などを通じて興味関心を高めることがおすすめです。
やりがいと共に、安定収入が得られる可能性もある業界ですので、気になる人は自らの適性を見極めた上で、前向きに検討してみてくださいね。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。