HOME > 就活マガジン記事 > 内定辞退書は必要?メリットや注意点を丁寧に紹介

内定辞退書は必要?メリットや注意点を丁寧に紹介

内定を辞退するとき、「電話やメールだけで大丈夫かな?」「内定辞退書って必要なの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。

就活の終盤だからこそ、最後まで誠意を持った対応をすることが、社会人としての第一歩につながります。

この記事では、内定辞退書の必要性や提出のメリット、マナーや書き方のポイント、よくある質問までを丁寧に解説します。

トラブルを避けて円満に辞退するために、ぜひ参考にしてください。

目次

内定辞退書とは

内定辞退書とは、企業からの内定を正式に辞退する意思を、文書というかたちで丁寧に伝える手段のことです。

電話やメールでも辞退の意志を伝えることは可能ですが、特に誠意を示したいときや、相手企業が礼儀を重んじる場合には、書面での対応が適しています。

特に大学推薦やゼミの紹介など、学校を通じて応募した場合は、後輩や指導教員への影響もあるため、形式にのっとった対応が求められるでしょう。

今後、同じ業界で再び関わる可能性もゼロではありません。だからこそ、辞退という選択でも「しっかりとけじめをつける」ことが信頼につながるのです。

内定辞退書は伝え方に注意が必要

就職活動で内定を辞退することになった場合、多くの学生が「何をどう伝えればいいのか分からない」と戸惑うでしょう。

特に辞退の連絡が書面で求められるケースでは、表現ひとつで相手の受け取り方が大きく変わってしまいます。だからこそ、内定辞退書は「伝え方」に細心の注意を払う必要があります。

たとえば、感情のこもっていない事務的な文章や、辞退の理由だけを簡単に述べた一方的な内容では、相手企業に誠意が伝わりません。

また、伝え方を誤ってしまうと、大学やゼミ、後輩への影響が出ることもあります。だからこそ、自分のためだけでなく周囲の人の信頼にもつながるよう、きちんとした文面で伝えることが大切です。

内定辞退書は単なる手続きではなく、就活の最後に自分の人間性を伝える大切な機会だと考えて取り組んでみてください。

内定辞退書は提出すべきか?

結論として、内定辞退書は提出したほうがよいです。特にメールや電話で辞退の意思を伝えた後でも、文書として改めて提出することで、相手企業に対して誠実な姿勢を示せます。

また、口頭やメールだけでは記録が曖昧になり、企業側での誤解や行き違いが起こることも。特に担当者が異動した場合などは、誰がいつどんなやりとりをしたかが明確にならない可能性もあります。

そうしたリスクを防ぐためにも、辞退の意思を文書で正式に残す意義は大きいといえるでしょう。

内定辞退書を送るメリットとは

内定辞退書は単なる形式的な書類と思われがちですが、実はその一通が企業との信頼関係や今後のキャリア形成に大きく関わってきます。

特に学生の立場では、こうした丁寧なやり取りの重要性に気づきにくいものですが、社会に出る前の大切な一歩として内定辞退書の意義を理解しておくことが大切です。

ここでは、就活生が知っておくべき「内定辞退書を送るメリット」について、具体的に5つの観点から解説します。

  1. 企業に誠意を伝えられる
  2. 社会人マナーを身につけられる
  3. トラブルを防げる
  4. 大学や後輩の評判を守れる
  5. 今後の再応募や転職に役立つ

①企業に誠意を伝えられる

内定辞退はどうしても後ろめたさを感じる場面ですが、丁寧な辞退書を通じて誠実さを伝えられます。

特に紙の書類で感謝と謝罪の気持ちを明記すれば、企業側にも本気で悩んだ末の判断だと受け取ってもらいやすいです。

電話やメールでは伝わりにくいニュアンスも、文面なら落ち着いて伝えられます。

実際に採用担当者は、就活生の対応に対して「印象が良かった」「丁寧だった」と感じることも多く、誠意ある対応は社会人としての信頼にもつながるでしょう。

②社会人マナーを身につけられる

辞退書の作成は、社会人に求められる基本的なビジネスマナーを実践的に学ぶ貴重な機会です。

手紙の形式や敬語表現、宛名や封筒の扱い方など、細かな部分にも注意が必要であり、そのプロセス自体が学びとなります。

特に学生生活では「手紙で丁寧に断る」経験はほとんどないため、この機会に知識と作法を身につけておくことは、就職後の書類対応や社外連絡でも必ず役立つでしょう。

書く内容を考えながら言葉を選ぶ姿勢も、将来の社会人としての振る舞いに直結します。

③トラブルを防げる

電話やメールのみで辞退を伝えた場合、記録が残らず、伝達ミスが起こるリスクもあります。

特に選考途中の企業や連絡の行き違いが生じやすいタイミングでは、きちんと書面を残しておくことがトラブル防止につながるでしょう。

内定辞退書は、辞退の意思を確実に伝えた証拠として機能し、企業側が混乱せずに手続きを進めるためにも有効です。

また、辞退後に連絡が来たり、督促を受けるような事態も避けられるため、スムーズな別れ方を実現するうえで非常に役立ちます。

④大学や後輩の評判を守れる

自分の対応が、母校や後輩の就活環境に影響を与えるという事実は意外と知られていません。採用担当者の間では、学生の印象がそのまま大学全体の評価に結びつくケースも多くあります。

無断辞退や雑な対応は、「この大学の学生はマナーが悪い」と受け取られ、結果的に後輩の選考に悪影響を及ぼす恐れも

一方で、丁寧な辞退書を送ることで、礼儀正しく、信頼できる学生が多いという好印象につながるため、個人の行動が大学の信用を支えることになるのです。

⑤今後の再応募や転職に役立つ

就活が一度きりの活動とは限りません。数年後にその企業に再び応募する可能性も十分にありえます。

その際、過去にきちんと書面で誠意ある辞退をしておけば、再度のチャレンジでも悪い印象を持たれにくくなるでしょう。

また、採用情報が共有されることのある業界やグループ企業間では、社会人としての評価が広く影響を及ぼすことも。今後の選択肢を広げるためにも、丁寧な辞退は大きな意味を持つでしょう。

内定辞退書を書く際のポイント

内定辞退書を書く場面では、「何を書けば良いかわからない」「失礼のない文面にできるか不安」と悩む就活生が少なくありません。

しかし、丁寧に書かれた辞退書は、社会人としての第一歩とも言える大切なマナーです。

とくに書き方においては、形式面の正しさだけでなく、読み手への配慮や誠意をどれだけ伝えられるかが重要になります。

ここでは、就活生が実際に辞退書を作成する際に気をつけるべき4つの具体的なポイントを解説します。

  1. 手書きで丁寧に書く
  2. 読みやすさに配慮する
  3. 辞退理由は簡潔に
  4. 感謝と謝罪を忘れない

①手書きで丁寧に書く

内定辞退書は、できれば手書きで丁寧に書くことが望ましいです。とくに、対面面接を通じて内定をいただいた企業に対しては、文字に込めた誠意が相手に伝わりやすくなります。

就活ではメールでのやり取りに慣れている方も多いかもしれませんが、正式な書面としての辞退書を求められる場合には、あえて手書きで仕上げることで「誠実に向き合っている」という印象を持ってもらえますよ。

字が上手かどうかは問題ではなく、相手に読んでもらう姿勢や丁寧さが重視されます。時間はかかっても、しっかりと手を動かして書くことが信頼構築の第一歩となるでしょう。

②読みやすさに配慮する

辞退書はビジネス文書の一種であり、相手にストレスなく読んでもらえるよう、文章全体の読みやすさに細心の注意を払う必要があります。

とくに就活生にありがちなのが、丁寧に書こうとするあまり文章がまわりくどくなってしまう点です。敬語は正しく使いつつも、主語と述語の関係が明快な文を意識しましょう。

また、手書きの場合は文字の大きさや行間、漢字とひらがなのバランスも重要です。読みやすい書体で丁寧に書き進めることが、相手への配慮につながります。

相手が読みやすいと感じることこそが、社会人マナーの基本です。

③辞退理由は簡潔に

内定辞退書における「辞退理由」は、詳細に語る必要はありません。むしろ、簡潔で適切な表現のほうが相手に好印象を与えます。

「他社に進路を決めたため」「自身のキャリアについて再検討した結果」など、曖昧すぎず、かつ余計な情報を含まない表現が理想的。

学生の中には「どこまで説明すべきかわからない」と不安になる方もいますが、重要なのは、企業にとって納得できる理由であるかどうかではなく、誠実さと配慮が感じられるかどうかです。

言い訳がましくなったり、他社や企業を比較するような内容は避けましょう。あくまで内定辞退の意志を丁寧に伝えることに集中してください。

④感謝と謝罪を忘れない

辞退書のなかで最も大切なのは、企業に対する感謝と、辞退によってご迷惑をかけることへの謝罪です。

就活の過程で何社も受けるうち、つい内定辞退を「業務連絡」のようにとらえがちになりますが、企業は一人ひとりの学生に時間と手間をかけて選考を行っています。

その努力に対して、感謝の気持ちをしっかりと言葉にすることで、社会人としての誠実さが伝わるでしょう。

また、辞退によって採用スケジュールに影響を与える可能性もあるため、お詫びの言葉は欠かさず添えてください。

形式的ではなく、自分の言葉でしっかりと感謝と謝罪を込めることが、最終的な印象を大きく左右します。

内定辞退書の基本構成

内定辞退書は、ただ形式的に提出すれば良いというものではありません。限られた紙面のなかで、感謝・辞退・配慮のすべてを簡潔に伝える必要があります。

とくに就活生にとっては、これが社会人としての第一歩ともいえる正式な文書作成となるため、ひとつひとつの構成要素を丁寧に理解しておくことが大切です。

  1. 拝啓と時候の挨拶で始める
  2. 内定への感謝を述べる
  3. 辞退の意思と理由を伝える
  4. 企業の発展を祈る言葉で締める
  5. 結語・日付・氏名を記載する

①拝啓と時候の挨拶で始める

最初に「拝啓」で始め、季節に合った時候の挨拶を添えるのが基本です。たとえば「陽春の候」「初秋の候」などが定番で、フォーマルな文書としての印象を強めてくれます。

就活ではメールやオンラインが主流になりつつありますが、こうした手紙の形式を知っておくことで、今後の社会人生活でも役立つ場面は多いでしょう。

ネットで季節ごとの例文を調べながら、自分の書く時期に合った表現を選んでみてください。

②内定への感謝を述べる

挨拶に続けて、まずは内定をいただいたことに対して感謝の気持ちを伝えます。

たとえば「このたびは内定のご通知を賜り、誠にありがとうございました」といった一文があるだけで、企業側の誠意に対する敬意を示せます。

辞退というマイナスの報告であっても、最初に前向きな感謝を述べることで、文章全体が柔らかい印象になるでしょう。選考で得られた学びや経験がある場合は、それを簡潔に言及しても好印象です。

③辞退の意思と理由を伝える

次に、内定を辞退する意思とその理由を明確に示します。

「一身上の都合により」とぼかすのも1つの方法ですが、たとえば「他社からの内定を受諾することにしたため」など、適度な具体性を持たせると丁寧です。

ただし、企業名を出したり比較的な表現を使ったりするのは避けましょう。就活生としては気を使う場面ですが、冷静かつ簡潔にまとめることを意識してください。

④企業の発展を祈る言葉で締める

辞退の申し出をしたあとは、企業への配慮を込めて「貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます」といった締めの言葉を添えます。

この一文があることで、突然の辞退であっても誠実な印象を与えられますよ。社会人としての基本姿勢が問われる部分でもあるため、定型表現であってもおろそかにせず、丁寧に書きましょう。

なお、他のセクションで述べたようなマナー文言とは重複しないよう、簡潔にまとめることがポイントです。

⑤結語・日付・氏名を記載する

最後は「敬具」などの結語で文章を締め、1行空けて日付、大学名、学部、氏名を記載します。

この締めくくりはビジネス文書としての必須要素であり、誤字や記入漏れがあると一気に印象が悪くなりますよ。

提出前には必ず見直すようにしましょう。就活の最後のステップとして、この部分も含めて丁寧に仕上げることが、社会人としての第一歩につながります。

内定辞退書作成時のマナー

内定辞退書はただ内容を伝えるだけではなく、受け取る企業への配慮やビジネスマナーが求められます。

思わぬところで評価が変わることもあるため、形式面の基本をしっかり押さえておきましょう。ここでは、就活生がつい見落としがちな作成マナーを4点に分けて紹介します。

  1. 白無地の便箋・封筒を使う
  2. 正式な宛名を書く
  3. 書類は折らずクリアファイルに入れる
  4. 修正液や訂正印は使わない

「あなたはビジネスマナーを分かっている?」

就活が始まると、面接や説明会など社会人と接する場面が増えていきます。

そこで意外と見られているのが、言葉遣いや挨拶、メールの書き方といった「ビジネスマナー」。マナーを知らないだけで無意識のうちに印象が悪くなっているケースもあり、選考通過のためにも事前にしっかりと確認しておく必要があります。

就活マガジン編集部では、忙しい就活生のために、これだけ見ればビジネスマナーが網羅できる「ビジネスマナー攻略BOOK」を無料で配布しています。気になる方は無料ダウンロードしてみてくださいね。

①白無地の便箋・封筒を使う

内定辞退書はフォーマルな文書として扱われるため、カラフルな便箋や装飾入りの封筒はふさわしくありません。白無地の便箋と封筒を選ぶことで、相手に誠実な印象を与えられます。

「家にあるものを使えばいいか」と思ってしまう方も多いですが、こうした細部こそ社会人としての常識を試される部分です。

大学の生協や文具店であらかじめ用意しておくと安心ですよ。

②正式な宛名を書く

「誰宛にすればいいのかわからない」と悩む方は多いですが、できるだけ部署名や担当者名を正確に記載しましょう。

たとえば「株式会社〇〇 人事部 採用ご担当者様」のように、正式名称で書くのが丁寧です。

「人事部御中」だけではやや事務的な印象になってしまうため、わかる範囲で具体的に書くことをおすすめします。調べて書こうとする姿勢が、誠意として伝わるでしょう。

③書類は折らずクリアファイルに入れる

せっかく丁寧に書いた内定辞退書でも、三つ折りにしてしまうと雑な印象を与えるおそれがあります。書類はA4サイズのまま透明のクリアファイルに入れ、角形2号封筒で送付するのがベストです。

特に就活生の書類は企業にとって「第一印象」の一部となるため、封筒を開いた瞬間の整った状態が評価を左右することも。

就活の最後まで気を抜かず、丁寧な対応を心がけてください。

④修正液や訂正印は使わない

「少しのミスなら修正すればいい」と思いがちですが、内定辞退書には修正液や訂正印の使用はNGです。たとえ一文字の間違いでも、新しい便箋に書き直すことが正しいマナーとされています。

丁寧に書こうとする気持ちは相手にも伝わりますし、細部への気配りがビジネスの場では重要です。焦らず時間に余裕をもって作成し、万全な状態で提出できるように準備しましょう。

内定辞退書の例文【シンプル・丁寧】

内定辞退の意思を伝える場面では、どのような理由であれ丁寧な文章で誠意を示すことが大切です。

ここでは、辞退理由に応じたシンプルかつ丁寧な文例を多数紹介しています。

  1. 他社就職を理由に辞退する場合
  2. 公務員試験合格を理由に辞退する場合
  3. 大学院進学を理由に辞退する場合
  4. 家庭の事情を理由に辞退する場合
  5. キャリアプラン変更を理由に辞退する場合
  6. 推薦企業を辞退する場合
  7. 礼儀重視の企業に送る例文
  8. 連絡が取れない場合の例文

①他社就職を理由に辞退する場合

他社からの内定を受諾したことを理由に辞退する場合は、率直かつ丁寧な表現を意識することが大切です。誠意を示すためには、感謝とお詫びをきちんと伝える構成にしましょう。

《例文》

拝啓

貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。

貴社の選考を通じて多くの学びを得られたことに、心より感謝申し上げます。

しかしながら、自己の適性や今後のキャリアを慎重に考えた結果、他社からの内定をお受けすることに決めました。そのため、誠に勝手ながら貴社の内定を辞退させていただきたく存じます。

貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、このようなご連絡となりましたことを深くお詫び申し上げます。貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。

敬具

《解説》
他社就職を理由に辞退する際は、「選考への感謝」「辞退の理由」「お詫びと今後の応援」の3点を押さえると、誠意ある文章になります。企業名を明記せず、あくまで自分の判断として伝えると好印象です。

②公務員試験合格を理由に辞退する場合

就職活動を進めながら公務員試験にも挑戦していた学生にとって、内定辞退の理由を伝える場面は避けられません。

このセクションでは、公務員試験に合格したことを理由に企業の内定を辞退する場合の例文を紹介します。

《例文》

拝啓

貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびは、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。

貴社の選考を通じて、貴社の業務内容や社風に大変魅力を感じ、自分自身の成長にもつながる貴重な機会をいただけたこと、心より感謝申し上げます。

しかしながら、大学在学中より目指しておりました公務員試験にこのたび合格し、将来の進路としてそちらに進むことを決意いたしました。

誠に勝手ながら、今回の内定を辞退させていただきたく、書面にてご連絡差し上げた次第です。

貴社に対しては心より感謝しておりますとともに、ご迷惑をおかけいたしますことを深くお詫び申し上げます。

末筆ながら、貴社のさらなるご発展と皆様のご健勝をお祈り申し上げます。

敬具

《解説》
公務員試験合格による辞退は、志望の一貫性を示しつつも、企業への敬意と謝意を丁寧に伝えることが重要です。

「感謝→辞退理由→謝罪→締めくくり」の流れを意識すると、読み手に誠実な印象を与えられるでしょう。

③大学院進学を理由に辞退する場合

大学院進学を理由に内定を辞退するケースでは、学びの意欲や進路変更の背景を誠実に伝えることが大切です。将来への意思や感謝の気持ちを丁寧に述べることで、好印象を与えられる例文を紹介します。

《例文》

拝啓

貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。

貴社の選考を通じて貴重な学びと経験を得られたことに、心より感謝申し上げます。

しかしながら、熟慮の結果、かねてより関心のあった研究分野により深く取り組むため、大学院へ進学する決意を固めました。

将来の進路について真剣に考える中で、自身の知識をさらに深め、専門性を高めることが必要だと感じた次第です。

このような個人的な事情により、誠に勝手ながら内定を辞退させていただきたく存じます。貴社にはご迷惑をおかけすることとなり、深くお詫び申し上げます。貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。

敬具

《解説》
大学院進学の理由は「学問的関心」や「将来の専門性強化」を軸にすると説得力が増します。「熟慮の結果」や「勝手ながら」といった表現で丁寧さを補うのがコツです。

④家庭の事情を理由に辞退する場合

家庭の都合でやむを得ず内定を辞退する場合の例文です。誠意を伝えつつ、相手企業への感謝と謝罪を丁寧に盛り込むことがポイントです。

《例文》

拝啓

貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

このたびは、内定のご通知を賜り、誠にありがとうございました。
大変恐縮ではございますが、一身上の都合により、誠に勝手ながら内定を辞退させていただきたく存じます。

実は、家族の健康上の問題により、地元での生活を優先せざるを得ない事情が生じました。

貴社に入社できることを心より光栄に感じておりましたが、苦渋の決断となりましたこと、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

ご迷惑をおかけすることを深くお詫び申し上げるとともに、今後の貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。

敬具

《解説》
家庭の事情を理由にする場合は、詳細をぼかしつつ誠実に伝えるのが基本です。

「健康上の理由」「地元での生活」など一般的な表現を用い、相手への感謝とお詫びを忘れずに添えると良いでしょう。

⑤キャリアプラン変更を理由に辞退する場合

キャリアプランの見直しによって、内定辞退を決断した場合の文例です。志望度が高かった企業への辞退であっても、誠意ある文面を心がけることで、誤解やトラブルを避けやすくなります。

《例文》

拝啓

貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
このたびは内定のご通知をいただき、誠にありがとうございました。

大変光栄なお話ではございましたが、熟慮の末、進路について再考する機会があり、将来的により専門性の高い分野でのキャリアを志すことを決意いたしました。

その結果、誠に勝手ながら貴社の内定を辞退させていただきたく、書面にてご連絡申し上げます。

貴社の皆様には多大なるご迷惑をおかけしますこと、心よりお詫び申し上げますとともに、貴社の今後のご発展をお祈り申し上げます。

敬具

《解説》
キャリア変更を理由にする際は、「再考の機会」や「将来の方向性」といった表現で柔らかく伝えるのがポイントです。「迷った末の決断」であることを示すと、誠意がより伝わりやすくなります。

⑥推薦企業を辞退する場合

推薦を受けた企業への内定を辞退する場合、大学の推薦枠という責任を自覚したうえで、誠実かつ丁寧に対応することが求められます。ここでは、推薦企業への辞退を伝える際に適した例文を紹介します。

《例文》

拝啓

貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。

貴社の選考を受けるにあたり、大学からの推薦という形でご配慮を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。

しかしながら、自身の将来や適性について改めて深く考える中で、他社の内定先に進むことが自分にとって最も納得のいく選択であると判断いたしました。

このような形でご期待に添えず、誠に申し訳ございません。

ご迷惑をおかけいたしますこと、重ねてお詫び申し上げますとともに、貴社の今後ますますのご発展をお祈り申し上げます。

敬具

《解説》
推薦企業への辞退は、通常の辞退よりも丁寧な言い回しが求められます。大学推薦であることを明記し、感謝と謝罪のバランスを意識しましょう。

「自分なりに熟考した結果」という主観を織り交ぜると誠実さが伝わります。

⑦礼儀重視の企業に送る例文

礼儀やマナーを重視する企業に対しては、感謝やお詫びの気持ちを丁寧に表現することが大切です。ここでは、言葉遣いや文面の構成にも配慮した内定辞退書の例文をご紹介します。

《例文》

拝啓

盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。

貴社の会社説明会や面接を通じ、貴社の理念や社風に深く共感し、大変光栄に思っておりました。

しかしながら、慎重に検討を重ねた結果、今後のキャリアについて改めて自分自身と向き合った末に、他社の内定をお受けする決断をいたしました。貴社には多大なるご迷惑をおかけしますこと、心よりお詫び申し上げます。

ご多忙の中、選考の機会を賜り、温かいご対応をいただきましたことに心より感謝申し上げます。
末筆ながら、貴社のますますのご発展と、社員皆様のご健勝をお祈り申し上げます。

敬具

《解説》
丁寧な言葉遣いと礼儀正しい構成を意識することで、誠意の伝わる文面になります。企業への敬意と感謝を最初と最後で強調するのがポイントです。

⑧連絡が取れない場合の例文

企業からの連絡に気づかず、辞退の意思を伝えそびれてしまった場合でも、丁寧な謝罪と今後の配慮を示すことで誠意は伝わります。以下は、連絡が取れなかったケースにおける内定辞退書の例文です。

《例文》

拝啓

盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

さて、先日は内定のご通知をいただきながら、私の不手際によりご連絡が遅れてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます。

このたびは、誠に勝手ながら貴社からの内定を辞退させていただきたく、書面にてご連絡申し上げます。貴社の選考を通じて、貴重な経験と学びを得ることができましたことに、心より感謝申し上げます。

お忙しい中ご対応いただいたご厚意に対し、このような形でのご連絡となりましたことを重ねてお詫びいたしますとともに、貴社の今後のさらなるご発展をお祈り申し上げます。

敬具

《解説》
連絡が遅れた理由を丁寧に詫びつつ、辞退の意思を明確に伝えることが重要です。「気づかなかった」「返信を失念していた」などの背景は書かず、謝罪と感謝を軸に構成しましょう。

内定辞退書を書くときの注意点

内定辞退書を書く際には、ただ形式に沿って書くだけでは不十分です。特に就活生にとっては、どのように伝えるかによって印象が大きく変わるため、細かな配慮が求められます。

ここでは、文面や表現に関する注意点を5つに分けて紹介します。内容が他の項目と重複しないよう、ここでは「伝え方のリスク回避」に重点を置いて解説します。

  1. できるだけ早く連絡する
  2. 企業や担当者を批判しない
  3. 他社名は具体的に書かない
  4. 家族など第三者を理由にしない
  5. 丁寧な言葉遣いを心がける

①できるだけ早く連絡する

内定辞退の意思が固まったら、できる限り早めに企業へ連絡しましょう。就活生の中には「今から伝えて失礼にならないか」と迷う人もいますが、遅れるほうがかえって迷惑になります。

企業側は内定者数に応じた人事計画を立てているため、辞退の連絡が遅れるとスケジュールに支障をきたすおそれがあります。

たとえば、採用予定人数の再調整や繰り上げ合格の検討をする余裕がなくなるかもしれません。社会人の第一歩として、「辞退を決めた段階で即連絡」が理想です。

勇気がいりますが、誠実な行動が信頼を生みます。

②企業や担当者を批判しない

たとえ面接や対応に不満があったとしても、それを辞退理由として書くことは避けるべきです。就活中は多くの企業と関わる機会がありますが、どこでどのような縁がつながるか分かりません。

批判的な表現は、一度で終わる関係を想定した行動であり、長期的に見るとデメリットの方が大きいでしょう。

理由を述べる際には、「志望業界の再考」や「進路選択の見直し」といった、自分の判断や意向にフォーカスする表現が望ましいです。

社会人の第一歩として、相手への敬意を保つ姿勢を忘れないでください。

③他社名は具体的に書かない

辞退理由として他社からの内定を挙げることは構いませんが、企業名を明記するのは避けましょう。業界内でのつながりや人事担当者同士の交流もあり、名前を出すことで余計な波風を立ててしまう場合があります。

「他社を選んだ」という事実よりも、「他社名を出された」という印象の方が強く残るおそれがあるため、抽象的な表現でとどめることが無難です。

たとえば、「他の企業の方向性とより一致したため」など、自分の視点で述べると角が立ちません。

④家族など第三者を理由にしない

「親に反対された」「家族が心配している」といった第三者の意見を辞退理由にするのは、責任転嫁と受け取られることがあります。

企業は応募者本人の意志や覚悟を評価して採用しているため、理由も本人の判断であることが伝わるように書くことが大切です。

もちろん家族の意向が実際に影響しているケースもありますが、文面では「自身の判断」として伝えることが社会人としての配慮になります。

「将来のキャリアを再考し、進学を決意したため」など、自分の言葉で表現するよう意識しましょう。

⑤丁寧な言葉遣いを心がける

内定辞退書では、文面全体を通して丁寧な言葉遣いを心がける必要があります。特にメールや手紙でのやり取りでは、言葉の一つひとつがあなたの人柄を映し出します。

「行けません」「やめます」などの口語は避け、「出席がかないません」「辞退させていただきます」といった表現が望ましいです。

また、感謝やお詫びの気持ちを自然な形で盛り込むことで、相手に誠意が伝わります。型通りの文章でも、語彙や語尾の選び方で印象が変わるため、読み手の立場に立って表現を整えてください。

内定辞退書に関するよくある質問

就活の終盤で悩みがちな「内定辞退書」にまつわる疑問は、意外と多くの学生が感じているものです。形式や郵送方法などのルールを誤ると、意図せず企業に悪印象を与えてしまうこともあります。

ここでは、特に就活生からよく寄せられる5つの質問に絞って、実際に使える知識と対応の仕方を丁寧に解説します。

  1. パソコン作成と手書きどちらがよい?
  2. 茶封筒や柄付き便箋は使える?
  3. 辞退理由はどこまで詳しく書く?
  4. 封筒の宛名は会社名と部署名が必要?
  5. 内定辞退書はどの郵便方法で送ればよい?

①パソコン作成と手書きどちらがよい?

内定辞退書は、手書き・パソコンいずれの方法でも問題ありません。

ただ、手書きのほうが「自分のためにわざわざ時間をかけて書いてくれた」と企業側に伝わりやすく、誠実さが強調される傾向があります。

一方で、字に自信がない、書き直しが多くなりそう、といった場合には、整ったレイアウトで印字されたパソコン文書のほうが結果的に丁寧な印象を与えることも。

いずれにせよ重要なのは、文面が読みやすく、感謝と謝罪の気持ちがきちんと伝わっているかです。

就活生にとってはどちらを選んでもマナー違反ではないため、自分の状況や得意な方法に合わせて、落ち着いて選択することが大切ですよ。

②茶封筒や柄付き便箋は使える?

ビジネスの場において、内定辞退書の封筒や便箋には「白無地」が基本です。

たとえ辞退の連絡とはいえ、相手はこれまで選考の時間を割いてくれた企業ですから、最後まで礼を尽くすことが求められます。

茶封筒は事務的でカジュアル、柄付きの便箋は個人向けの印象が強く、どちらも社会人マナーとしては好ましくありません。

就活中は、就職活動専用の便箋・封筒をあらかじめ数枚準備しておくと安心です。白無地で罫線のないA4サイズの便箋と、長形3号の白い封筒を使用しましょう。

③辞退理由はどこまで詳しく書く?

内定辞退書に記載する理由は、簡潔かつ配慮のある表現にとどめるのが原則です。企業は、辞退の理由そのものよりも「誠意ある連絡があったか」を重視します。

就活生の立場からすると、「正直に説明しないと失礼ではないか」と思うかもしれませんが、具体的すぎる理由や他社との比較を含む表現は、相手を不快にさせるかもしれません。

たとえば「他の道を選ぶことにしました」や「自己の適性を改めて見直し、別の進路を選びました」など、柔らかく一般的な表現が適しています。

特定の会社名や条件などの詳細は、あえて触れない方が無難です。自分の進路に自信を持ちつつも、相手への敬意を忘れないことが、大人としての対応につながります。

④封筒の宛名は会社名と部署名が必要?

封筒の宛名を書く際は、「会社名+部署名+敬称(御中)」まで明記するのが基本マナーです。

たとえば「株式会社〇〇 人事部御中」と記載することで、誰宛の書類なのかが明確になり、企業側もスムーズに対応できます。

大学生の場合、封筒の書き方に慣れていない人も多いと思いますが、「御中」は個人名ではなく部署などの組織宛てに使う敬称です。

もし部署名がわからない場合でも、「採用ご担当者様」など、丁寧な表現を工夫すれば問題ありません。

⑤内定辞退書はどの郵便方法で送ればよい?

内定辞退書は「信書」に該当するため、メール便や宅配便では送れません。

基本的には郵便を使いますが、中でもおすすめなのが「簡易書留」です。普通郵便で送ってしまうと、紛失時に証明が残らず、企業側に届いていない可能性に気づけないままになる恐れも。

一方、簡易書留であれば、追跡サービスが利用でき、確実に手元に届いたことが確認できます。

コンビニや郵便局で数百円の手数料を払えばすぐに手続き可能なので、重要な書類を安心して届けるためにも、できるだけ記録の残る方法を選びましょう。

内定辞退は誠実な対応で円満に終えよう

内定辞退書は、辞退の意向を丁寧に伝えるうえで非常に重要な書類です。

企業側への誠意や社会人としてのマナーを示すことができ、トラブルや誤解を防ぐ手段としても有効です。

特に、今後同じ企業へ再応募する可能性がある場合や、大学や後輩の評判にも影響することを考えると、正式な文書での辞退は欠かせません。

辞退書を書く際には、感謝と謝罪の気持ちを込めて、読みやすさや形式に十分配慮しましょう。基本構成や作成マナーを守りながら、理由は簡潔かつ丁寧に伝えることが大切です。

例文を参考にしつつ、自分の状況に合った文面を作成することで、相手への印象も良くなります。内定辞退書は「伝え方」を工夫することで、円満な辞退につながる有効な手段なのです。

  • フェイスブック
  • X

まずは志望動機を作ってみる

    • 卒業年数
    • 学校
    • 名前
    • 連絡先

    No.1

    卒業年月日を選択してください

    2027年3月2026年3月2028年3月2029年3月卒業済み

    例)
    現在、大学3年の場合は「2027年度3月」
    現在、大学4年の場合は「2026年度3月」
    現在、大学2年の場合は「2028年度3月」
    現在、大学1年の場合は「2029年度3月」

    No.2

    学校区分を選択してください

    大学大学院(博士)大学院(修士)短期大学専門学校

    No.2

    学校情報を入力してください

    学校名
    学部名
    学科名
    学校名
    学部名
    学科名

    No.3

    お名前を入力してください

    お名前
    フリガナ

    No.4

    連絡先を入力してください

    電話番号
    メールアドレス

    本利用規約には、株式会社C-mindが「https://shukatsu-magazine.com」上で提供するサービスにおける、本サービスを利用するお客様との間の基本的な事項が規定されております。本サービスの利用者におかれましては、必ず全文お読み下さいますようお願いいたします。

    個人情報保護方針」と 「サービス利用規約」を確認する

    編集部

    この記事を書いた人

    編集部

    「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。