航空業界の全体像を徹底解説｜ビジネスモデルや働く魅力・選考対策も紹介

「航空業界って、華やかなイメージはあるけど、実際どんな仕事があるの？」

キャビンアテンダントやパイロットだけでなく、空港業務や運航管理、整備といった多様な職種がある航空業界。その分、就活では業界理解や職種ごとの対策が求められます。

本記事では、航空業界の主要職種や選考対策のポイントをわかりやすく解説します。

業界研究を深めたい方や志望動機に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

 

航空業界の就活には業界研究が重要

航空業界を目指すにあたっては、まず業界研究にしっかり取り組むことが不可欠です。

なぜなら、航空業界には「メガキャリア」と「LCC」といった企業の形態の違いや、「パイロット」「客室乗務員」「グランドスタッフ」など多様な職種があり、求められる能力やキャリアの方向性が異なるため。

こうした違いを理解しないまま応募すると、志望動機が薄くなったり、企業とのミスマッチを引き起こしたりするおそれがあります。

たとえば、海外での活躍を目指しているにもかかわらず、国内路線を主に扱うLCCを選んでしまうと、本人の希望とはズレが生じてしまうでしょう。

納得のいくキャリア選択を実現するためにも、まずは業界の全体像と自分の適性を深掘りしてみてください。

航空業界とは？

航空業界とは、飛行機を使って人や物を運ぶサービスを提供する産業全体のこと。旅客輸送や貨物輸送に加えて、空港の運営や航空機の整備、航空管制といったさまざまな職種が関わっています。

就活生の間では、グローバルに活躍できる環境や、非日常的な空間で働ける点に魅力を感じる人が多いでしょう。ただ、外からは見えにくい業務も多いため、業界全体の構造をきちんと理解することが重要です。

近年はコロナ禍による大きな打撃を受けたものの、現在は需要が回復傾向にあり、再び成長を目指す局面に入っています。

航空業界について正しく理解することが、志望動機や自己PRに説得力を持たせるための第一歩になるはずです。

航空業界のビジネスモデル

航空業界のビジネスモデルは、単に飛行機を運航するだけでなく、複数の収益源を持つ点が特徴です。ここでは、主なビジネスモデル4つを紹介します。

1. 旅客輸送事業
2. 貨物事業
3. 旅行事業
4. 小売・サービス販売事業

① 旅客輸送事業

旅客輸送事業は、航空会社の中でも最も売上比率が高い中核事業です。個人や法人の移動ニーズに対応し、国内外の移動手段として重要な役割を果たしています。

たとえばメガキャリア（大手航空会社）は、国際線を中心に充実した路線網と手厚いサービスを提供することで、ビジネス層や富裕層の需要を獲得。

一方、LCC（ローコストキャリア）は価格重視の層をターゲットに、機内サービスを抑えるなど、徹底したコスト管理で低価格運賃を実現しています。

さらに、近年はビジネス出張のオンライン化や燃料費の高騰など、業界全体に逆風が吹いており、各社は運航の効率化や価格戦略の見直しなど、柔軟な経営判断が求められています。

② 貨物事業

貨物事業は、旅客機の貨物室や貨物専用機を活用し、荷物を迅速に運ぶビジネスです。近年ではEC市場の急成長を背景に、航空貨物の需要が増加。

とくに医薬品、半導体、精密機器といった高付加価値かつ短納期が求められる製品において、航空輸送は大きな強みを発揮します。

また、旅客需要が落ち込んだパンデミック期にも安定収益を支えた実績があり、航空会社にとって重要な収益源の1つです。

今後はグローバルサプライチェーンの複雑化や即日配送ニーズの拡大に伴い、貨物事業の役割はいっそう高まっていくでしょう。

③ 旅行事業

旅行事業では、航空会社が自社グループ内の旅行会社を通じてツアーやパッケージ商品を販売しています。たとえば、航空券とホテルをセットにした商品を販売。

搭乗率の向上と旅行需要への取り込みを同時に実現しています。観光需要の高まりにあわせて団体旅行やビジネス向け出張商品を展開するなど、柔軟な企画力が収益の鍵となるでしょう。

④ 小売・サービス販売事業

小売・サービス販売事業とは、機内販売やラウンジの利用料、預け荷物の超過料金に加え、マイルやクレジットカードの提携による収益などを指します。

これらは航空券以外の付帯収入として注目されており、運賃の価格競争が激しい中で利益を下支えする重要な事業です。

特に近年は、モバイルアプリやWebを通じた事前購入・決済の導入など、デジタル技術を活用した販売戦略が強化されており、顧客一人あたりの単価を高める工夫が進んでいます。

航空会社にとって、収益構造を多角化させるうえで欠かせない事業領域といえるでしょう。

航空業界の市場規模

航空業界の市場規模は、世界経済や人の移動に大きく左右される重要な指標です。

新型コロナウイルスの影響により一時は大きく縮小しましたが、現在は国際線の再開や旅行需要の回復に伴い、着実に持ち直しつつあります。

国内線・国際線ともに旅客数がコロナ前の水準に近づいており、それに伴って航空業界全体の売上も増加傾向です。ただし、燃料費や人件費の上昇といったコスト面の課題は依然として残っています。

このように航空業界は景気の影響を受けやすい一方で、インバウンド需要やビジネス渡航の増加といった追い風も見逃せません。

業界のダイナミズムや市場の変動要因について理解しておくことで、就職活動における企業研究の深みが増すでしょう。

航空業界の課題

航空業界には多くの人が憧れを抱く一方で、いくつかの深刻な課題が存在。ここでは、特に注目されている3つの課題について、その背景や影響、対応策をわかりやすく紹介します。

1. 人手不足の課題
2. LCC台頭による競争激化の課題
3. 脱炭素化に関する課題

① 人手不足の課題

航空業界では、人手不足が大きな課題となっています。とくに整備士やパイロット、グランドスタッフなど専門的な職種での人材不足が深刻です。長時間労働や業務負担の増加が指摘されています。

その背景にあるのは高齢化や若年層の志望離れ、さらにコロナ禍による大量退職です。

このままでは業務の安全性や品質の低下につながるおそれもあるため、働き方の見直しや人材育成の充実が急務となっています。

採用戦略の改善に加え、IT化や自動化によって業務効率を高める取り組みも必要になるでしょう。

② LCC台頭による競争激化の課題

近年、LCC（ローコストキャリア）の成長により、航空業界の競争は一段と厳しくなっています。特に大手航空会社にとっては、価格を強みにするLCCの存在が大きな脅威です。

利用者にとっては選択肢が増える一方、企業側はコストとサービスのバランスに苦戦。これまでのようなフルサービスを維持するには、それに見合う収益構造が求められます。

今後は、価格以外の価値を提供し、独自性を打ち出すことが差別化の鍵となるでしょう。

③ 脱炭素化に関する課題

航空業界は二酸化炭素の排出量が多い産業の1つとして、脱炭素化への取り組みが強く求められています。

とくに欧州を中心に環境規制が厳格化。日本の航空会社も持続可能な航空燃料（SAF）の導入や省エネ機材の活用などに力を入れています。

しかし、こうした施策はコストや技術のハードルが高く、中小企業にとっては大きな負担です。

環境対応が遅れるとブランドイメージにも影響するため、志望企業の環境方針を確認することは、就活生にとっても重要な視点になるでしょう。

航空業界の動向

コロナ禍からの影響が続いていた航空業界ですが、近年は需要の回復や新たな取り組みによって変化が進んでいます。

今後の動向を知っておくことは、業界研究や志望動機作成のうえでも役立つでしょう。ここでは、航空業界の動向を4つの点から紹介します。

1. コロナ禍からの回復
2. SDGsへの取り組み
3. DX（デジタルトランスフォーメーション）の推進
4. 新たなモビリティへの参入

① コロナ禍からの回復

新型コロナウイルスの影響で航空業界は大きな打撃を受けましたが、現在は国内外の需要回復が進んでいます。各航空会社は減便や機材削減を経て、収益構造の見直しやコスト削減に取り組んできました。

あわせて、柔軟な人員配置や感染対策のノウハウも蓄積され、突発的な変化にも対応しやすくなっています。こうした動向を把握しておくと、選考時の業界理解にも深みが出るでしょう。

② SDGsへの取り組み

環境への配慮が求められる中、航空業界でもSDGsに基づいた取り組みが活発化しています。たとえば、バイオ燃料の導入や飛行経路の最適化による排出ガス削減、プラスチック使用の削減などが挙げられます。

企業の公式サイトやIR資料では、これらの取り組みが詳細に紹介されており、志望理由やESで触れると、意識の高さをアピールしやすくなるでしょう。

③ DX（デジタルトランスフォーメーション）の推進

航空業界では、デジタル技術を活用した業務効率化やサービス改善が急速に進んでいます。空港での顔認証による搭乗手続きや、AIを活用したダイヤ編成、IoTを使った機材整備などが代表的です。

加えて、予約から搭乗までのすべてをスマートフォンで完結できる仕組みも整いつつあります。こうしたDXの推進により、顧客の利便性が高まると同時に、企業側の運営効率も向上しています。

今後さらにこの分野の重要性は高まっていくでしょう。

④ 新たなモビリティへの参入

航空業界は、既存の航空事業に加えて、新たなモビリティ分野への参入を模索しています。その代表的な例が、次世代のエアモビリティとして注目される空飛ぶクルマやドローンの開発です。

都市部の交通渋滞緩和や、過疎地域での移動手段の確保など、様々な社会課題の解決に貢献することが期待されています。

大手航空会社やそのグループ企業が、エアモビリティの開発企業と提携したり、実証実験に参加したりする動きが活発です。

この新たな分野への挑戦は、航空業界のビジネス領域を広げ、将来の成長を牽引する重要な要素となるでしょう。

【航空業界】企業の売上高ランキング

航空業界のなかでも、売上高の規模は企業の成長性や安定性を見極めるための重要な指標です。

ここでは、航空業界の企業の売上高ランキング(2024年6月期、2024年12月期、2025年3月期のいずれか)を紹介します。

順位	企業名	売上	出典
1	ANAホールディングス株式会社	2兆2,618億円	公式サイト
2	日本航空株式会社	1兆8,440億円	公式サイト
3	日本空港ビルデング株式会社	2,699億円	公式サイト
4	スカイマーク株式会社	1,089億円	決算短信
5	ジェットスター・ジャパン株式会社	707億円	ニュースリリース

航空業界で働く魅力

航空業界は、華やかなイメージだけでなく、国際的な環境や待遇面の安定、成長が実感できるキャリアパスなど、多くの魅力があります。

ここでは、就職先として航空業界を検討する学生が気になるポイントを3つに絞って紹介します。

1. 国際的な舞台で活躍できる
2. 安定した福利厚生と高水準の給与が期待できる
3. キャリアパスが明確で成長を実感できる

① 国際的な舞台で活躍できる

国際的な舞台で活躍できることも航空業界の魅力の1つです。たとえば、国際線の客室乗務員やパイロットは、異なる文化や価値観の中で臨機応変な対応が求められます。

グランドスタッフや整備士といった地上職でも、外資系航空会社とのやり取りや外国人顧客への対応を通じて、国際的な視点と専門性が必要です。

こうした環境に身を置くことで、語学力だけでなく、多文化理解や柔軟な対応力といったスキルも高められるでしょう。国際的な視野を持って成長したい人にとって、大きな魅力となる業界です。

② 安定した福利厚生と高水準の給与が期待できる

大手航空会社では、住宅手当やフライト手当、社員割引など、福利厚生が非常に手厚く整備されています。

職種によっては年収が高水準になるケースも多く、とくにパイロットや整備士は、経験やスキルの蓄積に応じて収入が大きく伸びていきます。

中堅クラスの企業でも、他業界と比較して一定以上の待遇が期待できるため、安定した生活基盤を築きやすいといえるでしょう。

将来を見据えて働きたい人にとって、長期的に安心して働ける環境が整っている点は大きな魅力です。

③ キャリアパスが明確で成長を実感できる

航空業界は専門性の高い職種が多く、職種ごとに明確なキャリアステップが用意されています。

たとえば、客室乗務員であれば、入社後は国内線からスタートし、国際線やチーフ、マネジメント職へと段階的に進むことが可能です。

整備士や運航管理者も、資格や経験を重ねることで着実に昇進。努力が結果に結びつきやすく、働きがいを感じやすい環境が整っています。

将来的には海外拠点での勤務や本社部門への異動といった、多様なキャリア展開も視野に入るでしょう。

航空業界の職種

航空業界では、飛行機の運航を支えるために多様な職種が存在します。「客室乗務員やパイロット」以外の仕事にも目を向けることで、自分に合った働き方が見つけやすくなるでしょう。

ここでは、航空業界の代表的な職種とそれぞれの役割や魅力を紹介します。

1. 客室乗務員
2. パイロット
3. グランドスタッフ
4. 航空整備士
5. 運航管理スタッフ
6. グランドハンドリング
7. 航空管制官
8. 税関職員
9. 入国審査官
10. 総合職

① 客室乗務員

客室乗務員は、機内サービスを提供するだけでなく、乗客の安全を守る重要な役割も担っています。

華やかなイメージがありますが、実際には緊急対応なども含めた厳しい訓練を受けており、高いスキルが必要です。たとえば、体調を崩した乗客が出た場合には、適切な判断と初期対応が求められます。

冷静さや観察力が欠かせません。その一方で、さまざまな国の文化に触れられることも魅力です。人と接するのが好きで語学力を活かしたい人にとっては、やりがいのある職種といえるでしょう。

② パイロット

パイロットは、飛行機の操縦を通じて乗客や貨物を安全に目的地まで運ぶ仕事です。悪天候や予期せぬトラブルにも対応できる冷静な判断力が求められます。そのぶん、使命感や達成感は大きいでしょう。

民間の養成機関や航空会社の自社養成コースを経て目指すのが一般的で、就職には厳しい選考を突破する必要があります。憧れを集める仕事ですが、それ以上に責任感と専門性が必要とされる職種です。

③ グランドスタッフ

グランドスタッフは、空港でのチェックインや搭乗案内など、乗客と航空会社をつなぐ仕事です。トラブルが発生した場合には、冷静な対応と正確な判断が求められます。

語学力やコミュニケーション能力はもちろん、状況を素早く把握する力も欠かせません。空港の第一印象を左右するポジションでもあり、人と接することが好きな人に向いています。

④ 航空整備士

航空整備士は、飛行機の整備や点検を通じて、安全な運航を支える技術職。小さな不具合でも重大な事故につながる可能性があるため、細部への注意と高い集中力が必要です。

国家資格の取得が前提となり、専門知識も求められます。飛行機が無事に離陸する瞬間に大きなやりがいを感じる人も多く、理系の知識や技術を活かしたい人には適した職種でしょう。

⑤ 運航管理スタッフ

運航管理スタッフは、パイロットの飛行を地上からサポートする仕事です。天候、燃料、ルートなどを総合的に判断し、最適なフライトプランを作成。

トラブル発生時には、即座に代替案を提示する冷静さが求められます。表には出ないものの、航空機の安全と効率を裏で支える重要な存在です。

分析力や判断力に自信がある人にとっては、やりがいのある職種といえるでしょう。

⑥ グランドハンドリング

グランドハンドリングは、荷物の積み下ろしや航空機の誘導、給油など、地上での支援業務を担当します。体力が必要な業務ですが、飛行機が時間通りに出発できるよう、正確で迅速な作業が求められます。

チームで動く現場であり、連携力や段取りの良さも重要です。飛行機の運航を地上から支える現場志向の仕事に関心がある人におすすめです。

⑦ 航空管制官

航空管制官は、飛行機同士の間隔を適切に保ち、衝突を防ぐための指示を出す国家公務員です。無線を使って離着陸や航行ルートをコントロールし、空の安全を守っています。

集中力と冷静な判断力が不可欠であり、緊張感のある職種ですが、その分、やりがいも大きいでしょう。国土交通省の採用試験を経て訓練を受ける必要があり、専門職としての高い責任を伴います。

⑧ 税関職員

税関職員は、輸出入される貨物や持ち物を検査し、違法品の持ち込みや密輸を防ぐ仕事です。空港での勤務も多く、乗客の荷物や書類をチェックします。

スピード感と正確さの両方が求められる業務であり、国の安全や経済にも関わる重要な役割を担っています。法律や経済に関心がある人にとっては、専門性を活かせる場となるでしょう。

⑨ 入国審査官

入国審査官は、空港における入国手続きの中で、外国人や帰国者の入国可否を判断する仕事です。パスポートやビザの確認だけでなく、不審な点を見抜く観察力や語学力も重要になります。

国の出入口を守る責任のある業務であり、公務員としての厳格さが求められるでしょう。グローバルな環境で働きたい人や、安全管理に興味がある人に適した職種です。

⑩ 総合職

航空会社の総合職は、経営企画・営業・マーケティング・人事など、会社の運営を支える幅広い業務を担当。

文系出身者の多くが目指すポジションであり、入社後はさまざまな部門を経験しながらキャリアを築いていきます。市場環境の変化に柔軟に対応する力や、広い視野で物事をとらえる力が必要です。

企業の成長に直接関わりたい人にとっては、大きなやりがいを感じられる職種でしょう。

航空業界で求められる人物像とは？

航空業界は、安全かつ正確な運航を支えるため、多様な人材が必要とされる業界です。中でも特に重視されるのが、協調性・責任感・ホスピタリティ精神・語学力といった資質。

ここでは、航空業界で活躍するうえで求められる人物像を4つの観点から解説します。

1. チームで連携できる力がある人
2. ホスピタリティ精神がある人
3. 責任感が強い人
4. 語学力が高い人

① チームで連携できる力がある人

航空業界では、パイロット・整備士・地上スタッフなど多くの職種が連携して業務を進めています。特に運航の安全を保つためには、情報共有や確認作業が不可欠です。

たとえば、整備士が機体の不具合を報告し、それをパイロットが正確に把握して判断を下すといった流れが日常的にあります。周囲と連携しながら自分の役割を果たせることが航空業界では非常に大切。

全体を見ながら動ける協調性のある人こそ、活躍の場が広がるでしょう。

② ホスピタリティ精神がある人

客室乗務員や空港スタッフなど、乗客と直接関わる職種では、ホスピタリティの精神が不可欠です。

たとえば、フライトの遅延や欠航といったトラブル時には、丁寧かつ冷静な対応が、乗客の不安をやわらげる大きな支えになります。

求められるのは、マニュアルに沿った行動だけではなく、「今、この人が何を求めているのか」をくみ取る力です。

相手の立場に立って考え、思いやりを持って行動できる人こそ、現場で信頼される存在となるでしょう。

③ 責任感が強い人

航空業界の仕事は、ひとつの判断ミスが大きな事故に直結する可能性もあります。そのため、どんな職種であっても高い責任感が求められます。

特にパイロットや整備士など安全に直結する職種では、自分の判断が人命に関わるという意識を常に持つ必要があります。

また、地味に見える業務であっても、「自分の仕事が運航全体に関わっている」という自覚を持つことが重要です。責任を恐れるのではなく、誇りとして受け止める姿勢が問われます。

④ 語学力が高い人

国際線を扱うことが多い航空業界では、英語を中心とした語学力が業務に直結します。

特にパイロットや客室乗務員は、外国人乗客や海外空港の職員とやりとりする場面が日常的にあるため、一定の英語力が不可欠です。

目安としてはTOEICで600点以上を求められることが多く、700〜800点台であればより安心でしょう。語学力は短期間で伸ばせるものではないため、できるだけ早くから対策しておくことをおすすめします。

航空業界の選考対策

航空業界の選考を突破するためには、一般的な就活対策だけでは不十分です。業界特有の傾向を理解し、自分の強みをどう生かすかを明確にしましょう。

以下に、航空業界を目指す人が押さえておきたい重要なポイントを紹介します。

1. 航空業界のニュースを確認する
2. 企業ごとの特徴を把握する
3. 志望動機を明確にする
4. 英語力を強化する

① 航空業界のニュースを確認する

航空業界に関心を持っていることを示すには、最新の業界ニュースに日ごろから目を通しておくことが大切です。

特にLCCの成長や国際線の回復状況、燃料費の高騰といった話題は、志望動機や面接での話に活用できます。こうした情報は、企業の公式サイトや業界誌、ニュースアプリからでも入手可能です。

内容を自分の言葉で整理しておけば、面接でも説得力のある受け答えができるようになるでしょう。

② 企業ごとの特徴を把握する

航空会社ごとにビジネスモデルや採用方針、求める人物像は異なります。たとえばANAとJALでは、サービス方針や組織文化に明確な違いがあるほか、LCCは効率やコスト意識が重視されるでしょう。

企業ごとの特徴を理解せずに画一的な志望理由を述べると、説得力に欠ける印象を与える可能性があります。

採用情報や企業の説明資料に目を通し、なぜその会社に入りたいのかを言語化しておくことが重要です。

③ 志望動機を明確にする

志望動機は、他の応募者と差をつけるうえで極めて重要です。

多くの人が「人をつなぐ仕事がしたい」「国際的に活躍したい」といった理由を挙げる中で、自分だけの体験や価値観を盛り込むと説得力が増すでしょう。

たとえば「海外生活を通じて異文化理解の大切さを学んだ」など、具体的な背景を添えると印象に残りやすくなります。

企業ごとの特徴に合わせて動機を構築し、一貫性のある話として伝えられるようにしましょう。

④ 英語力を強化する

航空業界では、日常的に国際的な対応が求められるため、英語力は評価の対象になります。TOEICで600点以上を基準とする企業が多く、ハイレベルな職種では800点以上を求められることもあるでしょう。

語学力は短期間で伸ばすのが難しいため、早めに学習を始めることが大切です。通学やスキマ時間にアプリを活用したり、模試を定期的に受けたりと、継続的な努力が結果につながります。

語学力の向上は選考対策になるだけでなく、入社後も大きな武器となるはずです。

航空業界の全体像を理解して選考対策を進めよう！

航空業界は、国際的な職場環境や高い給与水準、明確なキャリアパスなど、就活生にとって魅力的な特徴を多く備えています。

実際、旅客輸送や貨物、旅行、小売など多岐にわたるビジネスモデルが存在し、メガキャリアとLCCの違いを理解することで、自分に合った進路が見えてくるはずです。

また、職種や求められる人物像を把握し、選考対策を進めることが内定への近道となるでしょう。

今後も市場規模の拡大や脱炭素化・DXの推進といった動向を背景に、航空業界はさらなる変化を迎えることが予想されます。業界への理解を深め、自分のキャリアにどう活かせるかを考えてみてください。