ベンチャー企業へ就職するメリットを紹介|向いている人の特徴も解説
ベンチャー企業への就職を望むなら、まずその利点と欠点を理解することが大切です。一般企業とは異なる特性があり、漠然としたイメージしかないという人も多いでしょう。
本記事では、ベンチャー企業就職のメリットとデメリットを解説します。加えて、そうした環境に適した人材像も紹介します。自身と照らし合わせてみてくださいね。
ベンチャー企業の特徴を解説
通常の中小企業やスタートアップ企業とは異なり、ベンチャー企業には明確な定義は設けられていません。しかし一般的には、独自の発想や技術を武器に新規事業を展開する新興企業が該当します。
短期間で急成長を遂げる企業であれば、発足から1〜3年程度の期間であってもベンチャー企業と呼んでも構いません。既存の大手企業が参入しづらい分野に果敢に挑戦し、柔軟な経営戦略を貫く点が特徴です。
なお、ベンチャー企業は必ずしも非上場企業ばかりではありません。サイバーエージェントのような一部の上場企業も、大手ベンチャー企業と称されることがあります。
中小企業は従業員数や資本金、業種などの基準があるのに対し、ベンチャー企業にはそうした枠組みは設けられていません。また設立期間に関する制限もないため、スタートアップとは一線を画します。
ベンチャー企業で働く5つのメリット
まずは、ベンチャー企業で働くメリットを5つ紹介します。
- 成長できる機会が多い
- 成果が評価される
- 様々な業務内容
- 意思決定までが速い
- 柔軟性のある業務
①成長できる機会が多い
ベンチャー企業は少数精鋭で事業に取り組むことが多く、従業員一人ひとりが成長できるチャンスに恵まれています。保守的な大手企業では体験しづらい新規プロジェクトにも参画可能です。
少人数体制ゆえ、個人の業績が会社全体の業績に大きく影響を与えることも珍しくありません。そのような環境では自身の貢献度を実感できるでしょう。
さらにベンチャー企業は、新しいアイディアを積極的に取り入れる革新的な社風が特徴です。自由闊達な雰囲気の中で、主体的にチャレンジできる環境が整っているのです。
やる気に満ちた意欲的な方にはぴったりの職場環境と言えるでしょう。積極的に挑戦したい人には、まさにベンチャー企業がおすすめです。
②成果が評価される
ベンチャー企業では、成果主義の人事制度が一般的に採用されています。つまり、自身の実績によって報酬が決まるのです。大手企業が多く採用している年功序列とは異なり、若手でも十分に活躍の機会があります。
ベンチャー企業は、成長余地の大きい新興企業であることが多いため、社員一人ひとりにチャンスが用意されています。主体性を持って積極的に仕事に取り組めば、業績に直結し、早期の昇進や大幅な昇給も不可能ではありません。
若手社員でも、自らの力で活躍の場を切り拓けるのがベンチャー企業の魅力です。年功序列にとらわれず、実力主義に基づいて処遇が決まるため、意欲的な若手には絶好の機会が用意されているのです。
③様々な業務内容
ベンチャー企業は少数精鋭体制であるが故に、入社した専門分野にとらわれず、様々な業務を経験する機会に恵まれます。専門性を追求するよりも、広範な経験を重視したい方には最適な環境と言えるでしょう。
例えば営業職として採用されても、次第にマーケティング業務を任される場合もあり得ます。ベンチャー企業はノウハウが未確立の状態が多く、新規部署の新設や既存部署の廃止が頻繁に行われる傾向にあるためです。
そのため、部署間の連携を密に取る必要があり、それによって様々な分野の仕事に関与できるメリットがあります。自身の専門領域を超えて幅広い知見を蓄積できるのが、ベンチャー企業ならではの醍醐味なのです。
固定的なキャリアパスにとらわれない柔軟な人材育成が期待できる環境といえるでしょう。
④意思決定までが速い
ベンチャー企業が新規事業に取り組む上で何より重視されるのが、スピード感を持った意思決定です。競合他社に先んじて次々と新しい切り口を打ち出すことが、勝ち残るための大きな武器となります。
利益が見込めないプロジェクトは早々に打ち切り、次の新しいビジネスに転換するような経営判断が、スピーディな行動につながっているのです。
また、ベンチャー企業ならではの魅力として、社長や経営陣との距離感の近さも挙げられます。大手企業では社長と面会する機会すらほとんどありませんが、ベンチャー企業なら食事を共にしたり同じ部屋で働いたりと、経営陣と密に交流できる環境があります。
環境元トップの意向をダイレクトに汲み取れる結果、スピーディな行動につなげやすいのも利点です。
⑤柔軟性のある業務
ベンチャー企業は、歴史や既存の概念にとらわれることなく、自由にビジネスを展開できる利点があります。大企業に比べ縛りが少ないため、機動力に富んでいるのが特徴です。
つまり、市場のニーズの変化をいち早く察知し、スピーディーに対応することが可能なのです。製品やサービスの改良、新規ラインナップの投入など、敏捷な動きが求められる場面でベンチャー企業は強みを発揮できます。
一方の大手企業は、既存の事業基盤を守るあまり、過度に慎重になりがちです。ユーザーからの細かなニーズに迅速に応えづらく、様々な検討を重ねてからの対応を強いられがちなのが実情です。 また、大手が積極的に新しい取り組みを行えば、ブランドイメージが傷つく可能性も否めません。
このようにベンチャー企業は、しがらみに囚われず機動力を発揮できる環境が整っています。市場の変化に臆することなく、常にスピーディーな対応を心がけられるのが最大の強みなのです。
ベンチャー企業で働く4つのデメリット
続いて、ベンチャー企業で働くデメリットを4つ紹介します。
- 福利厚生が整っていない
- 経営リスクが伴っている
- 業務量が多い
- 教育体制が不十分である
①福利厚生が整っていない
ベンチャー企業で働く際のデメリットとして、福利厚生面での手薄さが挙げられます。発展途上の企業が多いため、大手に比べると福利厚生制度が不十分なケースがよくあります。住宅手当など一般的な手当てすら用意されていないことも珍しくありません。
しかし、その一方でベンチャー企業には大きな可能性を秘めています。今後業績が上向き、会社が成長軌道に乗れば、徐々に福利厚生の拡充が見込まれるのです。大手と同等かそれ以上の待遇が望める日が来るかもしれません。
加えて、ユニークな手当制度を設けているベンチャー企業も存在します。大手企業には見られない斬新な取り組みによって、従業員のやる気を維持する工夫をしているところも少なくありません。
成長の可能性と付随するメリットに着目すれば、一時的な福利厚生面での不安は、むしろ飛躍のチャンスと捉えられるかもしれません。
②経営リスクが伴っている
ベンチャー企業の高い倒産率については、よく指摘されるところです。中小企業に比べても生存率が低いとの試算も散見されますが、その根拠となるデータは必ずしも明確ではありません。
しかし、経営基盤が脆弱なベンチャー企業の実態を踏まえれば、一般企業に比べて倒産のリスクが高いことは確かでしょう。挑戦する業界によっても、そのリスクの高低は変わってくるはずです。
つまり、ベンチャー企業を選ぶ際は、その企業が参入する業界の将来性を冷静に見極めることが重要となります。市場が成長過程にあり、今後の盛り上がりが期待できる分野であれば、ベンチャー企業への就職もリスクは抑えられるでしょう。
一方で、すでに成熟期を迎えた業界に新規参入するベンチャー企業は、厳しい現実に直面する可能性が高くなります。そのため倒産の危険を冒さざるを得ないでしょう。
③業務量が多い
ベンチャー企業は少数精鋭体制が常とされ、個々人の業務負荷が過剰になりがちです。幅広い仕事を任される機会は多いものの、時に激務に陥る危険性も否めません。
賃金や福利厚生といった待遇面で、業務量に見合わない不満を抱えてしまうケースも少なくありません。将来的に事業が軌道に乗れば処遇は改善されるでしょうが、当初はやりがいを見出しづらい環境に身を置く可能性もあります
また企業によっては、人員の入れ替わりが激しく慢性的な人手不足に陥っているところも存在します。誰かが体調を崩せば、一気に残った従業員の負荷が嵩んでしまうでしょう。
このようにベンチャー企業での就労は過酷な労働を強いられるリスクがあり、入社を検討する際には綿密な情報収集が欠かせません。業界動向や企業の実情を確認し、自らに見合った就職先を選ぶ必要があるのです。
④教育体制が不十分である
ベンチャー企業は個々人の業務負担が重くなりがちなため、十分な教育体制を整備できていないケースがよくあります。少数精鋭での業務運営を強いられ、人員を教育に割く余裕がないのが実情です。
それどころか、会社や部署が立ち上げたばかりの場合は、教育用のマニュアルすら整備されていない状況に陥ることも珍しくありません。教育のやり方や内容が全く決まっていないため、新入社員に対する効率的な指導が行えないでしょう。
つまり、ベンチャー企業に入社した場合、社内の教育体制に頼るのではなく、自らの力で知識や技術を身に付けていく自習力が何より重要となります。上司や先輩社員からの助言は貴重ですが、基本的には自分自身で勉強に勉強を重ね、実務を通して経験を積まなければなりません。
ベンチャー企業に向いている人の3つの特徴
最後に、ベンチャー企業に向いている人の特徴を3つ紹介します。
- 主体的に行動する人
- 成長意欲の高い人
- 企業や独立を考えている人
①主体的に行動する人
ベンチャー企業では、個人の業務負荷が重く、新しいアイディアの発案が日常的に求められます。そのため、受け身の姿勢では適切に業務を遂行できず、場合によっては社内でも役割を果たせなくなってしまうリスクがあります。
また、先に述べた通り、教育体制が不十分なベンチャー企業が多いため、自ら能動的に業務を学び、理解を深めていく姿勢が何より重要となります。
同時に、少数精鋭のベンチャー企業では、一人一人が自発的に動き、互いに協力し合う姿勢も欠かせません。個人主義に走れば、組織として機能不全に陥ってしまいます。メンバー同士が切磋琢磨しながらも協調性を持ち続けることが大前提なのです。
②成長意欲の高い人
ベンチャー企業は試行錯誤の連続であり、失敗は避けられないものです。そのため、失敗を恐れず挑戦し続けられる強い成長意欲がある人が適性があります。
ベンチャー企業の中には社内教育体制が十分でないところも少なくありません。そうした環境では、業務外での自己啓発が必須となり、常に自発的に学び続ける姿勢が何より大切になるのです。
このように、ベンチャー企業では失敗を厭わず、成長する強い意欲を持ち続ける人が戦力となります。試練にも耐え抜き、より高みを目指し続ける心構えが必要不可欠なのです。
③起業や独立を考えている人
ベンチャー企業は、将来的に独立や起業を視野に入れている人にとって最適な経験を積めるでしょう。
独立起業を成功させるためには、専門知識だけでなく様々な分野の知見を身につける必要があります。例えば技術力は備えていても営業力やマーケティング力に乏しければ、自身のサービスを売り込むことすら難しいでしょう。
加えて、ベンチャー企業では経営陣との距離が近いため、ビジネスのノウハウを直接学べるメリットもあります。独立に向けた貴重なヒントを経営者から得られる可能性が高いのです。
ベンチャー企業は向いている人には魅力的な環境
これまでベンチャー企業で働くことのメリット・デメリットについて様々な観点から解説してきました。メリットとしては成長機会の多さ、デメリットとしては経営基盤の不安定さが挙げられるでしょう。
結論としては、ベンチャー企業への就職は個人の志向性に大きく依存します。成長意欲の高い方にとっては魅力的な選択肢となり得ますが、安定を重視する方には不向きかもしれません。
最終的な判断にあたっては、目指そうとするベンチャー企業が参入を目論む業界の将来性を、冷静に分析・検討することが重要になります。その業界が今後確実に成長が見込めるのであれば、ベンチャー企業入社のリスクは抑えられるはずです。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部