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外交官とは?国家総合職と外務省専門職の違いも解説

「外交官って具体的にどんな仕事をしているの?」と疑問を抱く人は少なくありません。

国際社会の最前線で日本を代表し、交渉や情報収集を担う外交官は、国家を支える重要な役割を果たしています。外交官は、国家総合職と外務省専門職という2つのキャリアパスがあり、業務内容や求められる資質に違いがあります。

そこで本記事では、外交官の定義や種類、仕事内容、年収・待遇、さらには国家総合職と専門職の違いまでを徹底解説します。国際舞台でのキャリアを目指す方はぜひ参考にしてください。

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目次

外交官とは?基本的な役割と定義

外交官とは、国家を代表して他国との交渉や調整、情報収集を行う専門職です。国益を守るために国際社会で活動し、政治や経済、安全保障、文化など幅広い分野に関わります。

外交官は外務省に所属し、大使館や領事館などで勤務することが一般的でしょう。外交官は常に国際情勢に目を向け、複雑な問題を整理し戦略を立てることが求められます。

そのため、冷静な分析力や多様な価値観への理解、長期にわたる調整力などが必要不可欠です。さらに、文化や制度が異なる相手国と信頼関係を築く力や、国際会議や交渉の場で日本の立場を的確に伝える能力も重要になります。

また、現地の政治や経済の動きをいち早く把握し、日本政府や企業にとって有益な情報を提供することも大切な任務です。緊急時には、邦人保護や災害対応など、迅速な判断と行動が求められる場面も少なくありません。

同時に、長期的な関係構築や国際的な信頼醸成を積み重ねることで、将来の平和や安定にも貢献していくでしょう。

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外交官の種類(国家総合職・外務省専門職)

外交官には大きく分けて「国家総合職」と「外務省専門職」という2つのキャリアパスがあります

どちらも国際舞台で活躍することを目指す就活生に人気ですが、求められる資質や業務内容には違いがあります。ここでは、それぞれの特徴と役割を整理し、将来の進路選択に役立つ情報を紹介します。

  1. 国家総合職の特徴と業務範囲
  2. 外務省専門職員の特徴と業務範囲

①国家総合職の特徴と業務範囲

国家総合職は外務省全体の政策立案や調整に深く関わる職種で、いわば「外交の司令塔」として機能します。国際会議での交渉準備や政策の企画立案、他省庁や外国政府との調整など、幅広い業務を担います。

外交政策全般に関わることができるため、国益に直結するダイナミックな仕事を経験できるでしょう。国の方針を形にする過程に携われることは大きなやりがいにつながります。

また、長期的な視点で外交戦略を構築し、危機管理や緊急時対応にもあたるため、高度な分析力と決断力が求められるのです。

さらに、国際社会の変化に素早く対応する柔軟性や異文化への理解も不可欠で、語学力のほかにもコミュニケーション力やプレゼンテーション力が重要になります。

学生のうちから時事問題や語学力を磨き、基盤をしっかり整えておくことが望ましいです。幅広い知識や経験を積むことで、自身のキャリアの選択肢も広がるでしょう。

②外務省専門職員の特徴と業務範囲

外務省専門職員は特定の地域や分野に特化した専門知識をもとに外交活動を支える役割を担います。地域専門官として各国の政治・経済・文化などを調査し、その情報を基に分析や政策提言を行うのです。

職務内容は、交渉や通訳業務、現地メディアや研究機関とのネットワーク形成など、多岐にわたります。柔軟なコミュニケーション力や異なる文化を尊重する姿勢も重要です。

専門職員は一国一地域に精通し、長期的な関係構築に貢献する点が特徴で、語学力や地域研究の深さが求められます。特定の国や地域に関心を持って学んだ経験が強みとなるでしょう。

海外勤務の際には現地での交渉や情報収集を行うため、現場感覚を大切にしながら国際社会に貢献できます。さらに、専門職員は長期間同じ分野に携わるため、継続的な信頼関係を築く能力や文化背景への理解力が不可欠です。

こうした専門性と人間的な対応力の両方を備えることで、外交の現場で安定した成果をあげられるでしょう。

外交官(外務省専門職)の仕事内容

外交官(外務省専門職)は、国の安全や経済、文化を支える最前線で働く専門家です。学生のうちに仕事内容を把握しておくと、試験対策や将来像をより具体的に描けるでしょう。

ここでは、「外務省本省での勤務内容」「在外公館での勤務内容」「国際機関や多国間交渉での業務内容」の3つに分けて説明します。

  1. 外務省本省での勤務内容
  2. 在外公館(大使館・総領事館等)での勤務内容
  3. 国際機関や多国間交渉での業務内容

①外務省本省での勤務内容

外務省本省での仕事は、外交政策の企画や立案、各国との調整、国会対応など、国家の外交戦略を形づくる重要な役割です。

見落としがちなのは、単なる事務処理ではなく政策形成の中心に関わる点です。安全保障や経済協定、環境問題など幅広いテーマに携わり、調査や分析力が問われます。

実務では省内外の関係部署と連携し、交渉力と論理的思考を磨く機会も豊富です。さらに、国内外の有識者やシンクタンクとの意見交換を通して、新しい外交課題に対応する知見を積み上げることも重要な任務となります。

こうした経験を通じて、日本の外交方針に直接影響を与える仕事ができます。キャリアの初期から重要案件に参加することで、専門性の高い知識と国際的な視点を早く身につけられるのも大きな魅力でしょう。

多忙な中でも柔軟な思考やリーダーシップを鍛える環境が整っているため、将来のキャリア形成にも大きなプラスとなります。

②在外公館(大使館・総領事館等)での勤務内容

在外公館での勤務は、現地情報の収集や政府・企業との調整、邦人保護など多岐にわたります。学生が想像しにくいのは、現地情勢を分析し政策提言に活かす「インテリジェンス活動」のような役割でしょう。

現地の政治経済状況を報告書にまとめ、日本政府の意思決定をサポートすることもあります。さらに文化や教育交流を進めたり、日本企業のビジネス支援を行ったりと、ソフトパワー強化にも関わります。

加えて在外公館は「日本の顔」としての役割を持つため、高い倫理観と柔軟なコミュニケーション力が必要です。

加えて災害時や緊急事態の際には邦人救援・保護を担うため、冷静な判断力と迅速な対応力が欠かせません。異文化環境に身を置くことで多角的な視点が身につき、語学力や国際感覚の向上にもつながります。

こうした実務を通じて、現場感覚と政策感覚の両方を身につけられる点は大きな強みでしょう。現地社会とのネットワーク形成や各国メディアとの交流を通じて、外交官としての発信力を高める機会も多くあります。

③国際機関や多国間交渉での業務内容

国際機関や多国間交渉の現場では、国連やOECDなどで日本代表として政策提案や調整を行います。単なる会議出席ではなく、自国の利益を守りつつ国際社会の課題解決に貢献する戦略的役割があるのです。

気候変動や人権問題などグローバルな課題に対して、他国の利害を調整し合意形成をリードする力が求められます。この経験は交渉力や分析力を高めるだけでなく、国際法や多文化理解への深い知見も育てるのです。

さらに国際機関でのネットワーク構築は、今後のキャリアの広がりに直結するでしょう。自分の専門性を活かしながら日本の立場を世界に示すこの仕事は、外交官としてやりがいのある分野の一つといえます。

加えて多国間交渉の現場では、迅速な情報処理や多様な価値観への理解、調整力などが不可欠であり、そのスキルは国内外でのキャリアにも大きく役立つでしょう。

国際社会の最新動向を常に把握しながら戦略を立てる姿勢も求められるため、知的好奇心と粘り強さを活かした働き方が可能です。

外交官(国家総合職)の仕事内容

外交官(国家総合職)は、国の外交政策を担う中核的な役割を果たす職種です。国家の方針を立案し、国際交渉や在外公館での調整、さらに国内外の関係機関との連携など、多岐にわたる仕事を行います。

ここでは、その具体的な仕事内容を3つの観点から詳しく解説します。

  1. 政策立案・国際交渉における業務
  2. 在外公館でのマネジメント・調整業務
  3. 国内外の関係機関との連携・調整業務

①政策立案・国際交渉における業務

国家総合職の外交官は、日本の国益を守りつつ世界との信頼関係を築くために、政策の立案と国際交渉を担当します。国際情勢を分析し、日本としてどのような立場を取るべきかを整理することが重要です。

そのうえで、他国との交渉や国際会議に出席し、相手国の要望や意図を把握しながら妥協点や合意を見いだします。高度な語学力や交渉力が必要ですが、その分、成果が国の方向性に直結するため、やりがいも大きいでしょう。

外交官は単に交渉するだけでなく、国内の政策部門や関連機関と連携して戦略を組み立てる力も求められます。さらに、経済・安全保障・文化交流などテーマごとの専門知識を身につけることも重要です。

複数の分野を横断して調整する機会が多く、幅広い視点から国際社会を理解する力が自然と身につきます。

国益を守る最前線として責任感が必要ですが、若手のうちから海外経験を積み、国際舞台で交渉できるのは大きな魅力です。

② 在外公館でのマネジメント・調整業務

外交官は世界各国の在外公館に赴任し、現地でマネジメントや調整業務を行います。たとえば、日本人の安全確保や企業活動の支援、現地政府や国際機関との連携など、多面的な役割を担うのです。

日々の業務では、現地スタッフの管理や重要な情報の収集・発信、緊急時の対応計画の策定といった実務が中心になります。特に現地の文化や制度を理解したうえで、柔軟に対応する力が必要です。

現場での経験は国際感覚を磨く絶好の機会であり、将来的なキャリア形成にも直結します。海外での実務経験を通じて、マネジメント能力や危機対応力が飛躍的に向上することも大きな強みです。

さらに、国や地域ごとの事情に応じて独自のネットワークを築き、日本への投資や文化交流を促進することも求められます。

こうした在外公館での仕事は表には見えにくいですが、日本の国益や国民の安全を支える基盤となっており、外交官として欠かせない経験のひとつといえるでしょう。

③国内外の関係機関との連携・調整業務

国家総合職の外交官は、外務省内部だけでなく、他省庁や国際機関、さらには民間企業やNGOなど多様な組織と協力して仕事を進めます

たとえば安全保障問題や経済協定、人権問題など、幅広い分野での調整や協力が必要です。この過程では、相手の立場や優先事項を的確に把握し、日本としての方針を分かりやすく伝えるスキルが求められます。

また、国内の世論や産業界の意向を踏まえながら政策を実現するため、バランス感覚と高い調整能力が欠かせません。さらに、国際的なプロジェクトや条約の履行状況をモニタリングし、問題があれば改善策を提案する役割も担います。

こうした業務を通じて、単に外交の現場にとどまらず、国内外の幅広いネットワークを築ける点が大きな強みです。

他の省庁や国際機関への出向を経験できる場合があり、多角的な視点を持つ人材へと成長するきっかけにもなります。長期的なキャリア形成にもつながるため、就活生にとって大きな魅力のある職務といえるでしょう。

外交官に向いている人の特徴

外交官(外務省専門職)に向いている人には、いくつかの共通した傾向があります。国際社会で活躍するために必要な能力や資質を理解することは、将来のキャリアを考える学生にとって大切でしょう。

ここでは、外交官に求められる特徴を具体的に解説し、自己分析や準備の参考になるポイントを紹介します。

  1. 国際問題への関心が高い人
  2. 責任感が強い人
  3. 高いコミュニケーション能力を持つ人
  4. 高い語学力を持つ人
  5. 多様な価値観への適応力を持つ人
  6. 長期的な目標設定ができる人

①国際問題への関心が高い人

外交官として成果を出すには、まず国際問題への強い関心が欠かせません。国と国との関係は常に変化し、経済、安全保障、人権など多様な課題に対応する必要があります。

こうした複雑な問題に興味を持てることは、業務を学び続け、適切な判断を下す基盤になるのです。ニュースや国際会議の動向に触れる習慣を早いうちに身につけてください。

さらに、学内外のシンポジウムや国際交流イベントに積極的に参加することで、自分自身の問題意識を深められるでしょう。

こうした経験の積み重ねが外交官としての視野を広げ、将来の判断力や行動力にも直結します。現場での迅速かつ的確な対応にもつながり、より説得力のある提案や調整ができるようになるでしょう。

②責任感が強い人

外交官の業務は国益を背負って行動するため、1つ1つの判断に大きな影響力があります。そのため責任感の強さは欠かせません。

小さな手続きや交渉の積み重ねが将来の外交関係や国際協力の成果を左右することもあります。責任感を持つことで常に最善を尽くせる姿勢が生まれ、相手国から信頼を得やすくなるでしょう。

学生時代からリーダーシップやプロジェクト活動に挑戦することは、責任感を養う実践的な方法として有効です。

さらに、自分が担当する役割や課題に対して最後までやり抜く習慣を身につけておくことは、外交官としての信頼を築く礎になります。

難しい状況でも冷静に判断し、最適な選択を行える人材は、組織にとっても不可欠な存在になるでしょう。

③高いコミュニケーション能力を持つ人

外交官は多くの場面で交渉や調整を求められ、複数の国や機関と協力して物事を進めます。高いコミュニケーション能力は、相手の立場を理解し、自国の意見を的確に伝えるための重要な武器です。

言葉のやり取りだけでなく、非言語的な表現や文化的背景への理解も求められます。大学時代からディベートやグループワークに参加することで、論理的な説明力や傾聴力を磨いてください。

また、異文化交流や国際ボランティアなど実際の現場での経験を重ねることにより、より実践的な調整力や交渉力が身につくでしょう。

こうした訓練を積むことで交渉がスムーズに進み、良い成果を出せる可能性が高まります。

自分の意見を押し通すだけでなく、相手の立場に寄り添って相互理解を深める姿勢こそが、外交の現場で信頼関係を築く最大のポイントになるのです。

④高い語学力を持つ人

外交官に求められる語学力は、単に外国語を話せること以上のものです。高度な語彙力や専門知識を使って交渉や文書作成を行うため、正確かつ柔軟な表現力が必要になります。

語学力を高めることは、相手国の文化を理解する第一歩であり、信頼構築にも直結するのです。

学生時代から留学や国際交流プログラムに参加したり、専門分野の文献を外国語で読むなど多様なインプットを意識すると良いでしょう。

さらに、語学検定やディスカッションなど実践的な場で鍛えることは、交渉の現場で即戦力となる力を育てます。語学力の習得は長い努力が必要ですが、その積み重ねが将来の強みに変わるはずです。

複数言語を扱える能力はキャリアの幅を広げるだけでなく、異文化を橋渡しする存在としての信頼も高めるでしょう。

⑤多様な価値観への適応力を持つ人

グローバルな舞台では、自分とは異なる文化や価値観を持つ人々と協力しながら課題を解決しなければなりません

このとき多様な価値観への適応力が高い人ほど柔軟に対応でき、相手の信頼を得やすくなります。異文化理解は知識だけでなく、相手を尊重し対話を重ねる姿勢から育まれるものです。

大学での多国籍コミュニティ活動やボランティアなどを通して多様性に触れる経験を積んでください。さらに、自分の価値観を一度見直し、固定観念にとらわれずに物事を捉える習慣を持つことも効果的です。

こうした態度を身につけることで、どんな環境でも冷静に判断し、協調的に行動できる人材へと成長します。

異なる背景を持つ人々の強みを生かし、共通の目標に向けて協力する能力は、外交官としての大きな武器となるでしょう。

⑥長期的な目標設定ができる人

外交官としてのキャリアは長期的かつ段階的に築かれるため、将来を見据えた計画性が求められます。長期的な目標設定ができる人は、困難に直面したときでも粘り強く努力を続けられる傾向があるのです。

キャリアプランを明確に描き、必要なスキルや経験を逆算して積み重ねることが、専門性の深まりと人脈の拡大につながるでしょう。

さらに、短期目標を設定して小さな成果を積み重ねる習慣を持つことで、自己成長のモチベーションを維持しやすくなるのです。

大学時代からキャリア目標を設定し、そのために必要な資格や経験を意識して選ぶことで、外交官としての適性をさらに高められます。

持続的な学びや経験の蓄積が、国際社会で信頼される専門家への道を切り開くのです。

外交官の年収・給料・待遇

外交官の収入や待遇は、仕事の重責や専門性を反映しており、将来のキャリアを考える就活生にとって重要な情報です。

ここでは、キャリア初期から中堅以降、そして海外勤務での手当や福利厚生までを紹介し、実際の働き方や生活イメージを持てるように解説します。

  1. 新卒外交官の年収の目安
  2. 中堅・ベテラン外交官の年収の目安
  3. 海外勤務における手当・福利厚生

①新卒外交官の年収の目安

外交官としてキャリアを始めたばかりの段階では、国家公務員としての基本給を土台とする安定した給与が支給されます。

例えば、外務省専門職員採用試験に合格して入省した場合、初任給は月額約 264,000円ほど(東京都特別区勤務を想定)と公表されています。

この額に期末・勤勉手当(いわゆるボーナス、4.5か月相当など)を加えると、初年度の年収はおよそ360万円前後になります。

加えて、勤務地手当・通勤手当・扶養手当・住居手当などの諸手当が加算されるため、実質的な収入はもう少し上になる可能性があります。

若手外交官が本省勤務と在外勤務を交互に経験することも多いため、早期に手当が厚くなる環境に触れられるケースもあります。

こうした構造のおかげで、同期の国家公務員と比べて収入面で優位に立つケースも見られます。

引用:外務省専門職員採用案内(初任給 264,000 円)

②中堅・ベテラン外交官の年収の目安

経験を重ねて中堅・ベテラン外交官となると、役職や職務範囲の拡大に応じて給与や手当が飛躍的に上昇します。例えば、35歳前後の外交官では年収720万円程度という報告もあります。

また、外務省全体の平均年収として、openworkの調査では令和4年度で約702万円という数字も公表されています。

さらに高位のポストに昇進すれば、在外公館勤務で住居手当・地域手当・子女教育手当などが多数付与され、これらが加わることで年収が1,000万円を超えることも珍しくありません。

実際に、大使クラスの外交官については、年間本給だけで1,700万円台という報道例も存在します。

こうした待遇は、外交官としての責任の重さと国際交渉など高度な業務を担う役割を反映したものであり、長期的なキャリアを見据えるうえで魅力的な報酬体系といえるでしょう。

引用:openwork(外務省の職種別平均年収)

③海外勤務における手当・福利厚生

外交官の職務には、国内勤務だけでなく在外公館勤務が必ず含まれます。在外勤務時には、生活環境の変化や物価差・安全性を加味した各種手当が支給され、総収入を大きく押し上げることがあります。

主な手当には以下のようなものがあります:

  • 在勤基本手当:勤務地の治安・物価水準に応じて支給
  • 住居手当・住宅補助:家賃高騰地域での補助
  • 子女教育手当:海外で学校に通う子どもの学費支援
  • 配偶者手当・扶養手当:家族帯同時の補助
  • 赴任旅費・引越費用補助:赴任・帰任時に発生する費用を補填

これらの手当を含めた場合、特に物価が高く治安リスクもある都市で勤務すれば、手当だけで月100万円近くになる例も報じられています。

こうした補助は一律ではなく、国・地域、任地の特性によって変動するため、赴任先の手当制度を事前にチェックすることが重要です。

引用:在勤手当に関する参考資料(外務省)

外交官の勤務先の種類

外交官は国際社会で日本の立場を伝え、関係を深める大切な役割を担います。そのため勤務先も幅広く、それぞれの環境で求められる力や仕事内容が異なります

ここでは、外務省本省、在外公館、国際機関の3つに分けて説明します。自分に合うキャリアを考えるヒントにしてください。

  1. 外務省本省
  2. 在外公館(大使館・領事館等)
  3. 国際機関

①外務省本省

外務省本省は日本の外交政策の中心となる組織で、政策の立案や国際交渉の戦略づくりを担当します。本省勤務の特徴は、国内にいながら世界情勢を踏まえた意思決定に深く関われる点でしょう。

若いうちから重要な業務を任されることが多く、語学力や分析力、政策立案力を総合的に鍛えながらキャリアを積めます。

例えば安全保障や経済協力など専門分野を持つことで、より高度な交渉や調整を行うチャンスが広がります。

一方で国際経験が足りないのではと不安を抱く人もいますが、一定の年次で在外公館へ赴任する機会があるため長期的にはバランスの取れた経験が可能です。

さらに本省で築いた人脈や知識は海外勤務時にも活かせるため、戦略的にキャリアを構築したい人にとって魅力のある環境といえます。政策立案と現場経験の両方を望む人に適した勤務先でしょう。

②在外公館(大使館・領事館等)

在外公館は各国に設置され、日本の外交活動の最前線として現地政府や国際機関、企業、市民社会と直接やり取りします

ここでの勤務は、国益を守る交渉力や柔軟な対応力が求められるため緊張感のある環境です。その反面、多様な文化や価値観に触れながら現場感覚を身につけられます。

自分は現場向きではないかもしれないと感じる人もいますが、在外公館ではチームで業務を進めるため得意分野を生かしやすい環境です。

さらに在外公館は、経済、文化、広報、防衛など多岐にわたる分野で活動するため、自分の専門性を育てやすい場所ともいえます。

地域や国によって求められる役割も異なるので、多彩なキャリアパスを描くことが可能です。国際問題に直接関わりたい人には大きなやりがいを得られる勤務先でしょう。

③国際機関

国際機関は国連やOECDなど多国間で活動する組織で、外交官として出向する場合もあります。世界規模の課題解決に向けた協議やプロジェクト運営など、グローバルな視点が求められます。

異なる国籍や文化背景を持つ専門家と協力するため、高い語学力とコミュニケーション力が不可欠でしょう。

就活生にとっては敷居が高く感じられるかもしれませんが、外務省での経験や国際関係の専門知識を活かす場として有効です。

さらに国際機関では、気候変動や難民問題、人権など幅広い分野の政策策定に携われる機会も多く、より直接的に国際社会に貢献できます。

こうした経験は日本政府内に戻った際にも大きな財産となり、自分の視野を広げる大きな契機になるでしょう。自らのキャリアを世界的に広げたい人には最適な舞台です。

外交官のやりがい

外交官のやりがいは、国益を守ることや国際社会での平和づくり、多文化環境でのキャリア形成など多岐にわたります

就活生にとっては、仕事内容や求められるスキル、そして日々の活動の中で得られる達成感を理解することが、進路選択の大切な指針となるでしょう。

ここでは、外交官のやりがいを具体的に見ていきます

  1. 国益保護への貢献
  2. 国際平和への貢献
  3. 多文化環境でのキャリア形成
  4. グローバルネットワークの構築

「自分らしく働ける会社が、実はあなたのすぐそばにあるかもしれない」

就活を続ける中で、求人票を見て「これ、ちょっと興味あるかも」と思うことはあっても、なかなかピンとくる企業は少ないものです。そんなときに知ってほしいのが、一般のサイトには載っていない「非公開求人」

①あなたの強みを見極め企業マッチング
②ES添削から面接対策まですべて支援
③限定求人なので、競争率が低い


「ただ応募するだけじゃなく、自分にフィットする会社でスタートを切りたい」そんなあなたにぴったりのサービスです。まずは非公開求人に登録して、あなたらしい一歩を踏み出しましょう!

①国益保護への貢献

外交官の大きな使命の1つは、国益を守ることです。交渉や政策提言を通して日本の立場を国際社会に伝える役割は、責任が重い反面、達成感も大きいでしょう。

重要な決定に関わることで、自分の行動が国や企業、市民生活に影響を与える実感が得られます。貿易交渉や安全保障の調整は難しそうに見えますが、準備や知識の積み重ねで力を発揮できる場面も多いです。

さらに、外交の現場では分析力だけでなく、文化や歴史への理解、現地の人々との関係構築など多面的な力が求められます。

こうした取り組みを続けることで、交渉力や分析力だけでなく課題解決力や調整力が自然に鍛えられ、将来的にも幅広いキャリアに役立ちます。

国の看板を背負って仕事をする経験は、他では得がたい自信と責任感を育むでしょう。

②国際平和への貢献

外交官は、紛争の調停や国際会議への参加を通して世界の安定や平和づくりに貢献しています

学生時代には国際問題が遠い存在に感じるかもしれませんが、実際には各国との連携や支援活動が日常業務として行われています。この経験により、交渉相手の文化や価値観を理解し、相互の信頼を築く力が育つでしょう。

さらに、現場に近い立場で世界の課題に向き合えるため、ニュースや教科書では得られないリアルな知識や視野を持てる点も大きなメリットです。

国際平和の維持に関わる活動は、自分の努力が世界の人々の安全や生活に直結していると感じられ、大きなやりがいになります。

また、平和構築の現場では多くの関係者や団体と協働する必要があるため、調整力や発信力、リーダーシップの育成にもつながります

③多文化環境でのキャリア形成

外交官として働くことで、多文化環境に身を置くことが当たり前になります。世界各地の大使館や国際機関で勤務することで、日常から異なる文化や考え方に触れられます

こうした環境は、自分の視野を広げるだけでなく、柔軟な思考力や問題解決力を磨く絶好の機会となるでしょう。

特に若いうちから多国籍チームで働く経験は、国際的な場でのマナーや調整力、リーダーシップのスキルを自然に身につけることにつながります。

さらに、現地の生活を通じて語学力や交渉スキルも実践的に高めることができ、世界共通のビジネスマナーや多様な価値観を理解する力が育ちます。

こうした経験は単なる仕事のスキルにとどまらず、人としての包容力や洞察力を深めるものとなり、長期的なキャリア形成に強みをもたらすでしょう。

④グローバルネットワークの構築

外交官として活動することで、世界中の専門家や政治家、国際機関の担当者と直接つながる機会が増えます

こうしたグローバルネットワークは、単なる名刺交換にとどまらず、共通の目的を持つ協力関係や長期的な信頼構築につながるものです。

若いうちから世界の第一線で活躍する人々と関係を築くことは、国際社会での影響力を広げるだけでなく、自身のキャリアの大きな財産にもなるでしょう。

このネットワークは政策形成や交渉をより有利に進める基盤ともなり、自分の仕事が持つ意義や影響力を実感できます。また、国際的な課題解決や将来的な共同プロジェクトにも活用される可能性があります。

さらに、異なる文化や立場の人々と長く関係を築く過程では、相手の視点に立って考える力や説得力、共感力など多様なスキルが自然に育まれます

外交官になるために必要な試験

外交官を目指すうえで、最も大切なステップの1つが採用試験の突破です。ここでは、外務省が実施する代表的な試験である「外務省専門職員採用試験」と「国家公務員総合職試験」について詳しく解説します。

試験ごとの特徴や求められるスキル、合格のポイントを知ることで、自分に合った対策を立てやすくなるでしょう。

  1. 外務省専門職員採用試験
  2. 国家公務員総合職試験

①外務省専門職員採用試験

外務省専門職員採用試験は、一次(基礎能力・時事論文など)と二次(人物・面接)に分かれ、語学力や専門知識だけでなく、国際情勢への理解や問題解決能力も問われます

さらに、国際関係論や地域研究、国際法などの学術的な知識を大学で深めておくと、試験や面接で説得力ある回答ができるでしょう。

大学在学中から国際問題に関するセミナーやシンポジウムに参加し、国際感覚を養うことも評価につながります。

また、留学経験やインターンシップを通じて実践的な知識を得ると、面接時に具体例を交えて自己PRができるので効果的です。採用後も、日々の勉強を通して高いコミュニケーション力と柔軟な対応力を磨いてください。

②国家公務員総合職試験

国家公務員総合職試験は、中央省庁で幅広い政策立案や調整を担う人材を採用する試験で、外務省の外交官候補としてもこのルートが利用されています。

試験内容は基礎能力試験や専門試験に加え、政策論文や人物試験など多岐にわたり、総合的な知識と思考力が求められるのです。外交分野を志望する場合、国際法や国際経済などの専門知識を身につけることが有利に働きます。

また、模擬面接やグループディスカッションを通して、自分の意見を的確に伝える力や、他者の考えを受け止めてまとめる調整力を鍛えると、実務にも活きるでしょう。

試験対策では、過去問を繰り返し解くことで出題傾向を把握し、効率的な学習を進めることが大切です。さらに、国際問題や外交政策に関する時事知識を常に更新し、時代に即した視点を持つことが求められます。

総合職試験で採用された場合は、外務省本省や在外公館で政策企画や渉外活動を担うことになり、幅広いキャリアパスが開けるでしょう。

外交官は国家と国際社会をつなぐ要の職業!

外交官とは、国家の利益や国際平和に貢献する極めて重要な役割を担う専門職です。

国家総合職と外務省専門職という二つの道があり、それぞれ政策立案や国際交渉、在外公館での業務、国際機関での活動など多岐にわたる任務を担当します。

外交官には高い語学力や優れたコミュニケーション能力、多様な価値観への柔軟な対応力、そして長期的な視点で課題に取り組む姿勢が求められます。さらに国際問題への強い関心や責任感も不可欠です。

また、待遇やキャリアパスも充実しており、国内外で培った経験やネットワークを活かして、政府関連機関や国際機関など幅広い舞台で活躍できます。

外交官としての職務や求められる能力を理解することは、自らの将来像を描き、世界と日本をつなぐ架け橋となる第一歩と言えるでしょう。

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    「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。