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理容師の平均年収はいくら?年収アップのコツと将来性を徹底解説

「手に職をつけたい」「美容に関わる仕事がしたい」「人を笑顔にできる仕事がしたい」そんな思いから、理容師という道に興味を持つ人も多いのではないでしょうか。

理容師は、カットやシェービングに加え、フェイシャルケアやヘッドスパなど、美容・リラクゼーション分野でも活躍の幅が広がっています。

この記事では、理容師の仕事内容・年収・必要な資格・向いている人の特徴・将来性までをわかりやすく解説します。

理容師を目指す方や、これからキャリアを考えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

理容師とは?

理容師とは、髪を切るだけでなく身だしなみを整えるプロフェッショナルです。お客さまの印象をつくる大切な仕事であり、社会的にも高い信頼を得ています。

ここでは、理容師の役割や美容師との違い、求められるスキル、そしてやりがいについて詳しく説明します。

  1. 理容師の役割
  2. 理容師と美容師の仕事内容の違い
  3. 理容師に求められるスキルや資質
  4. 理容師の魅力とやりがい

①理容師の役割

理容師の役割は、髪を整えるだけではありません。お客さまが清潔で心地よく過ごせるようにサポートする「身だしなみの専門家」としての責任を担っています

カットやシェービングを通して外見を整えることはもちろん、リラックスできる空間を提供し、日常の疲れを癒やす時間を届けるのも理容師の大切な役目です。

最近では、メンズグルーミングの需要が急増しており、ヘアケアやスキンケア、眉カット、ヘッドスパなど、理容師の仕事はますます多様化しています。

理容師は、お客さまの「外見」と「心」を整える存在であり、技術と人間力の両方が評価される職業です。

②理容師と美容師の仕事内容の違い

理容師と美容師は似た職業に思われがちですが、目的と施術内容には大きな違いがあります。

理容師は国家資格により顔そりが認められており、カットやシェービングを通して清潔感を保ち、社会人としての印象を整えることを目的としています。

一方、美容師はスタイリングやカラーを中心に、トレンドやデザイン性を重視していますよ。

③理容師に求められるスキルや資質

理容師に求められるのは、確かな技術力に加え、柔軟な人間対応力と高いサービス意識です。

基本的なカット技術やシェービング技術はもちろん、お客さまの髪質・骨格・顔立ち・ライフスタイルまでを総合的に見極める力が必要になります。

お客さまの理想のスタイルを引き出すためには、観察力と提案力が欠かせません。さらに、施術中の会話や気配りを通して信頼を築く、コミュニケーション能力も極めて重要です。

④理容師の魅力とやりがい

理容師の魅力は、お客さまの変化を自分の手で生み出せることです。カットやシェービングを通じて外見を整えるだけでなく、お客さまの気分まで明るくできるのが、この仕事の最大の喜びでしょう。

施術後に鏡を見て笑顔になる瞬間は、何度経験しても理容師としての誇りを感じるものです。常連のお客さまから感謝の言葉をかけてもらえることも多く、信頼関係が築けたときの充実感は格別でしょう。

また、経験を積めば独立して自分のサロンを持つこともでき、経営者としての道も開けます。

流行に左右されにくい安定した職業でありながら、時代の変化に合わせて新しいスタイルや技術を追求できる点も魅力の1つです。

理容師の就職先

理容師の就職先は多岐にわたり、働く環境によって仕事内容や収入、キャリアの方向性が大きく変わります。ここでは、代表的な就職先ごとの特徴や働く魅力、注意点をわかりやすく紹介しましょう。

  1. 個人経営サロン
  2. チェーン店
  3. 企業サロン
  4. 理容師専門学校・研修施設
  5. 訪問理容・介護施設
  6. ホテル・ブライダル業界

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①個人経営サロン

個人経営サロンは、オーナーの個性やこだわりが反映される職場であり、温かみのある雰囲気が魅力です。小規模な店舗が多く、スタッフ同士の距離が近いため、チームワークを意識しながら働けます。

常連のお客さまが多く、長い付き合いの中で信頼関係を築ける点も特徴です。給与は歩合制を採用する店舗が多く、技術力と売上次第で収入が大きく変動します。

努力がそのまま成果につながるため、やりがいを感じやすい環境でしょう。また、オーナーから直接店舗運営や経営について学べることも多く、将来的に独立を目指す人にとって貴重な経験が得られます。

自由度が高く、自分のアイデアを活かした働き方ができるため、創造的に働きたい人やお客さまとじっくり向き合いたい人に向いています

②チェーン店

チェーン店は、安定した雇用環境と明確なキャリアプランが整っているのが大きな強みです。給与体系がしっかりしており、社会保険や福利厚生も充実しているため、安心して長く働けます。

新人研修や社内教育制度が整っているため、技術や接客の基礎を体系的に学べます。初めて理容業界に入る人でも、着実にスキルアップできるでしょう。

その一方で、施術内容や接客のマニュアルが決まっているため、自由な発想や独自のスタイルを発揮しにくいと感じることもあります。しかし、安定収入を得ながら、確実に経験を積める点は大きな魅力です。

複数店舗を展開している企業では、店長やエリアマネージャーといった昇進のチャンスも多く、キャリアアップを目指す人にも向いています。

将来的に独立したい人にとっても、経営や接客の基本を学ぶ良い土台となるでしょう。

③企業サロン

企業サロンは、商業施設やオフィスビル、ホテルなどのテナントとして展開される理容室です。主な顧客はビジネスパーソンであり、限られた時間内に効率的かつ丁寧なサービスを提供することが求められます。

そのため、スピードと品質の両立ができる技術力が必要です。給与は安定しており、固定給に加えてインセンティブ制度を導入している企業もあります。

スタッフ同士の連携が重視され、チームワークを発揮しながら働くことが多いのも特徴です。また、企業サロンでは顧客層が一定しているため、接客マナーや言葉遣いなどのビジネススキルが自然と身につきます。

オフィス街など立地条件が良い場所にあることが多く、働きやすい環境が整っているのも魅力です。

安定した収入を得ながら、社会人としての礼節やマナーを磨きたい人、効率的に働きたい人にぴったりの職場といえるでしょう。

④理容師専門学校・研修施設

理容師専門学校や研修施設で働く理容師は、教育者として後進の育成に携わります。これまで培った知識や技術を学生に伝え、未来の理容業界を支える人材を育てるやりがいのある仕事です。

実際の施術よりも、講義や実習の指導が中心となるため、伝える力や人を育てる意識が求められます。教育現場では、指導計画を立てたり、教材を作成したりと、サロンとは異なるスキルも必要になるでしょう。

その分、学生が成長していく姿を間近で見られるのは、大きな喜びです。勤務時間が安定しており、土日休みや長期休暇が取りやすい学校もあるため、ワークライフバランスを重視する人にもおすすめでしょう。

教育職に就くためには、数年の実務経験や講師資格が求められることもありますが、自身の経験を活かして人を育てたい人には最適な職場です。

⑤訪問理容・介護施設

訪問理容や介護施設で働く理容師は、サロンに通えない高齢者や体の不自由な方のもとへ出向き、施術を行います

社会的意義の高い仕事であり、「ありがとう」という言葉を直接もらえる瞬間は、何よりのやりがいです。

お客さまの生活に寄り添い、髪を整えることで自信や笑顔を取り戻してもらえることも多く、地域社会に貢献している実感を得られます。

ただし、施術スペースが限られるため、機材の工夫や柔軟な対応力が必要でしょう。

また、移動や重い道具の持ち運びなど体力的な負担もありますが、それ以上に「人の役に立てる」という満足感を得られる職場です。

福祉や介護に関心がある人、地域に根ざした働き方をしたい人にとって、最適な環境でしょう。社会貢献と専門技術を両立できる貴重な仕事といえます。

⑥ホテル・ブライダル業界

ホテルやブライダル業界で働く理容師は、特別な日を迎えるお客さまの身だしなみを整える大切な役割を担っています

結婚式やパーティーなどの特別なイベントに関わるため、細部までこだわる丁寧な技術と高い集中力が求められます。

新郎のシェービングやヘアセットはもちろん、式当日のリハーサルや打ち合わせなど、事前準備にも力を入れる必要があります。

施術後にお客さまから「最高の1日になりました」と言われたときの感動は格別です。ホテル内の理容室では、海外からのゲスト対応も多く、英語などの語学力が活かせる場面もあります。

トレンドや美意識を常にアップデートしながら、お客さまの魅力を最大限に引き出す仕事です。華やかな現場で活躍したい人や、人を輝かせる仕事がしたい人にとって理想的なフィールドでしょう。

努力と感性が結果に直結する、非常にやりがいのある職場です。

理容師の仕事内容

理容師の仕事は、カットやシェービングなどの基本的な施術に加えて、接客や店舗運営など多岐にわたります。

ここでは、理容師として日常的に行う仕事の流れを具体的に紹介し、求められるスキルや役割をより深く理解できるように説明しています。

  1. カット・シェービングなどの基本施術
  2. シャンプー・ブロー・スタイリングなどの仕上げ業務
  3. パーマ・カラー・ヘッドスパなどの応用施術
  4. フェイシャルケアやリラクゼーションメニュー
  5. 接客・カウンセリング業務
  6. 店舗運営(予約管理・会計・清掃・衛生管理)

①カット・シェービングなどの基本施術

理容師の中心的な仕事は、カットとシェービングです。カットでは、お客さまの骨格や髪質、顔立ちに合わせたスタイルを提案し、理想の仕上がりを実現します。

シェービングは、理容師の国家資格を持つ人にしか許されていない特別な施術で、産毛や古い角質を取り除き、肌をなめらかに整える技術です。

施術中は肌の状態を確認しながら、カミソリの角度や圧力を微調整する繊細さが必要です。清潔感のある施術を心がけることで、信頼される理容師へと成長できるでしょう。

②シャンプー・ブロー・スタイリングなどの仕上げ業務

シャンプーやブロー、スタイリングは、理容師の施術の印象を決める大切な仕上げ工程です。シャンプーは髪や頭皮を清潔にするだけでなく、心地よさを感じてもらうリラクゼーションの要素も含まれています。

お湯の温度や手の動き、リズムによって快適さが変わるため、細やかな気配りが欠かせません。ブローでは髪の流れを整え、自然で美しいシルエットをつくります。

スタイリングでは、髪質や骨格、顔の形に合わせた提案力が求められ、お客さまの印象を大きく左右します。

また、施術後にお客さまが自宅でも再現しやすいように、セット方法をアドバイスするのも理容師の役目です。

③パーマ・カラー・ヘッドスパなどの応用施術

パーマやカラー、ヘッドスパといった応用施術は、理容師の技術の幅を広げる重要な業務です。

パーマでは髪質やクセ、頭の形を見極めながら、お客さまの希望に合わせた自然な動きをつくることがポイント。

カラーでは髪のダメージを抑えながら、肌色やファッションに調和する色味を提案するセンスが必要になります。

ヘッドスパはリラックス効果だけでなく、頭皮環境を改善し、健康な髪を育てる施術として注目されています。これらの施術は、基本的な技術力に加えて、薬剤知識やカウンセリング力も求められます。

④フェイシャルケアやリラクゼーションメニュー

理容師の仕事は、髪を整えるだけにとどまりません。フェイシャルケアやリラクゼーションメニューを通して、お客さまに癒やしと美を提供することも大切な役割です。

近年では、男性の美容意識が高まり、顔のマッサージや保湿ケアを希望する人が増えています。フェイシャルケアでは、シェービング後の肌の保湿やトラブル防止を目的とした施術が中心です。

さらに、肩や首のマッサージ、ヘッドマッサージを組み合わせることで、心身ともにリラックスできるサービスを提供できます。

理容師として技術力を磨くだけでなく、お客さまに寄り添うホスピタリティを大切にすることで、信頼される存在になれるはずです。

⑤接客・カウンセリング業務

理容師の仕事において、接客とカウンセリングは技術と同じくらい重要です。お客さまの希望を正確に引き出すためには、丁寧なヒアリングが欠かせません

言葉遣いや表情、態度すべてが信頼関係の構築につながります。特に、初めて来店するお客さまは緊張していることが多いため、笑顔で自然な対応を心がけましょう。

また、施術後にはスタイリングの方法や、自宅でのケアのアドバイスを行うことで、満足度をより高められます。接客の中で印象的な会話や気づかいを見せることが、リピーターを増やすカギです。

お客さまに「またお願いしたい」と思ってもらえるような対応を続けることで、信頼と実績を積み上げられるでしょう。

⑥店舗運営(予約管理・会計・清掃・衛生管理)

理容師は、技術者であると同時に、店舗運営の一員でもあります。予約の管理や会計処理、清掃、衛生管理など、日々のサロンを円滑に運営するための仕事を担っています

特に衛生管理は、理容業の信頼を保つうえで最も重要な要素です。器具の消毒やタオルの交換など、徹底した清潔管理を行うことで、お客さまに安心感を与えられます。

また、予約や会計では正確さとスピードが求められ、効率的な業務フローがサロン全体の満足度向上につながるでしょう。

さらに、スタッフ間のコミュニケーションを円滑にすることで、チーム全体の雰囲気や働きやすさも向上します。

理容師として技術を磨くと同時に、店舗を支える意識を持つことで、将来の独立や管理職への道も開けるでしょう。

理容師の平均年収

理容師の年収は、経験や勤務先の規模、働く地域、雇用形態によって大きく異なります。

ここでは、最新の公的データをもとに、平均年収や月収、年齢・地域・雇用形態による違いをわかりやすく解説しています。理容師を目指す方が、実際の収入イメージを具体的につかめるようにまとめました。

  1. 最新統計データで見る平均年収
  2. 平均月収・時給換算ベースの目安
  3. 年齢・経験年数別で見る年収推移
  4. 地域別・都道府県別で見る年収の違い
  5. 雇用形態別で見る年収比較

①最新統計データで見る平均年収

厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」によると、理容師・美容師の全国平均年収は約371.7万円です。これは、毎月のきまって支給される賃金が約30万600円で、年間賞与を含めた合計金額になります。

全国平均と比べると、やや低めの水準といえるでしょう。しかし、指名客が多い理容師や店舗責任者になると、安定した収入を得やすくなります。

また、独立開業すれば、自分の努力次第で収入を大幅に伸ばすことも可能です。

②平均月収・時給換算ベースの目安

理容師の平均月収は約30万600円、時給に換算するとおよそ1,760円前後です。勤務時間は長めの傾向がありますが、その分、頑張り次第で歩合給や指名料が加算されるため、やりがいを感じながら働けます。

多くのサロンでは、固定給に加えて歩合制が導入されており、売上やリピート率が直接給与に反映される仕組みです。つまり、自分の努力がそのまま報酬として返ってくる仕事といえるでしょう。

繁忙期や土日・祝日には残業手当がつく場合もあり、忙しい時期には月収が上がることもあります。また、顧客満足度を高めることで自然と指名数が増え、安定した収入を得やすくなるでしょう。

③年齢・経験年数別で見る年収推移

理容師の年収は、年齢や経験年数に応じて段階的に上昇します。新人・アシスタントの平均年収は200万円台前半で、修行期間は比較的長くなりがちです。

しかし、スタイリストとして独り立ちすれば、年収は300万〜400万円台に到達します。さらに、店長や経営者としての経験を積むと、500万円以上を目指すことも可能です。

厚生労働省のデータによると、理容師・美容師の平均年齢は32.8歳、平均勤続年数は7.7年です。

従業員数5〜9人規模のサロン勤務者の平均年収は約322万円で、10人以上の大規模店舗ではそれを上回る傾向があります。

年齢を重ねるごとに、技術の正確さや接客の質が向上し、指名客やリピーターが増加するため、安定した顧客基盤を築きやすくなるでしょう。

④地域別・都道府県別で見る年収の違い

理容師の収入は、地域による差が大きいのが特徴です。東京都や大阪府などの都市部では顧客単価が高く、平均年収は全国平均の371.7万円を上回る傾向にあります。

特に、ビジネス街や繁華街にあるサロンでは、顧客の回転率が高く、1日あたりの売上が多いため、40万円以上の月収を得る人もいます。

一方で、地方や郊外では、来客数が少なく料金設定も低いため、収入はやや抑えめです。ただし、地方では生活コストが低いため、実質的な生活水準は都市部とあまり変わらない場合もあります。

また、地方自治体によっては、理美容業向けの開業支援制度や補助金が設けられていることもあり、独立を目指す理容師にとってチャンスが広がっています。

将来的に働く地域を選ぶ際には、単に給与だけでなく、家賃や生活費、働きやすさなども総合的に考慮することが重要です。

⑤雇用形態別で見る年収比較

理容師の働き方には、正社員・業務委託・フリーランス・オーナーなど複数の形があります

正社員の場合は、平均年収が約370万円前後で、安定した月収に加えて社会保険や賞与などの福利厚生も受けられるでしょう。

業務委託やフリーランスの場合は、指名数や技術力に応じて収入が変動しやすく、努力次第で大きく稼げるのが魅力です。

人気理容師の中には、年収500万円以上を達成する人もおり、自分のペースで働ける自由度の高さも魅力のひとつ。

独立して店舗を経営するオーナーになると、売上次第で年収700万〜800万円以上も可能ですが、経営リスクや固定費の負担も伴います。

そのため、スキルだけでなく経営感覚も求められるでしょう。自分のライフスタイルや将来の目標に合った働き方を選ぶことで、長く理容師として活躍し続けられます。

引用:職業情報提供サイト(job tag)

理容師になるには

理容師として働くためには、国家資格である理容師免許の取得が必要です。

ここでは、免許取得までの流れや、養成施設の特徴、国家試験の内容、免許登録の手続き、そして未経験からの挑戦方法までをわかりやすく解説します。

理容師を目指す方が、将来の道筋を具体的に描けるようになるでしょう。

  1. 理容師免許を取得するまでの流れ
  2. 理容師養成施設(専門学校・通信課程)の種類と特徴
  3. 国家試験の内容と合格率
  4. 理容師免許取得後の登録・手続き
  5. 未経験から理容師を目指すためのステップ

①理容師免許を取得するまでの流れ

理容師になるには、まず理容師養成施設(専門学校または通信課程)で2年以上学ぶ必要があります

授業では、カットやシェービングなどの基本的な施術技術はもちろん、衛生管理や接客マナー、人体構造など幅広い知識を学びます。

卒業後、国家試験に合格して理容師免許を取得すると、ようやく理容師として働けるようになるのです。国家試験は年に2回実施され、筆記試験と実技試験の両方を通過しなければなりません。

実技では、正確で衛生的な施術を行えるかが重要視され、緊張感のある環境で実践力が試されます。免許取得後は、都道府県知事への登録を経て、正式に理容師として活動できますよ。

②理容師養成施設(専門学校・通信課程)の種類と特徴

理容師を目指すには、全日制の専門学校か通信課程のどちらかを選ぶ必要があります。全日制は2年間の通学制で、講義と実技をバランスよく学べるのが特徴です。

学校によっては、現役の理容師が講師を務める実践的なカリキュラムや、海外のヘア技術を学べる特別講座を用意している場合もあります。

学内コンテストや実習を通して、現場さながらの環境でスキルを磨けるのも大きな魅力です。

一方で、通信課程は3年間で、働きながら学べる柔軟なスタイル。実際に理容室で勤務しながら勉強する人も多く、現場経験を積みながら資格取得を目指せます。

ただし、自主学習が中心になるため計画的な学習姿勢が不可欠です。どちらを選んでも国家試験の受験資格を得られるため、自分のライフスタイルや目標に合わせて選ぶことが大切でしょう。

③国家試験の内容と合格率

理容師国家試験は「実技試験」と「筆記試験」の2つで構成されています。実技試験では、カット・整髪・シェービングといった理容の基本技術が問われ、正確さや衛生面の配慮が重視されます。

筆記試験では、公衆衛生や皮膚科学、理容理論、関係法規などの知識を幅広く問われます。合格率は毎年70〜80%前後で、専門学校のサポートを受けながら学べば、十分に合格を狙えるでしょう。

多くの学校では、国家試験対策のための模擬試験や個別指導を行っており、合格までのサポート体制が整っています。

特に実技は、日々の練習量が合格を左右する大きな要素です。緊張する本番で自信を持って施術できるよう、繰り返し練習を重ねて感覚を身につけておくことが重要でしょう。

④理容師免許取得後の登録・手続き

国家試験に合格したあとは、理容師免許の登録手続きを行わなければなりません

理容師法に基づき、都道府県の保健所で登録申請を行い、理容師名簿に名前が記載されることで、正式な理容師として認められます。

手続きには、合格証書、申請書、本人確認書類、顔写真、そして手数料(約1万円前後)が必要です。

登録が完了すると、全国どこでも理容師として働けるようになり、転職や独立の際にも資格が有効。独立開業を目指す場合には、別途「理容所開設届」を提出し、保健所の施設確認を受ける必要があります。

また、住所や氏名が変更になった際も、速やかに変更届を提出することが求められますよ。

⑤未経験から理容師を目指すためのステップ

未経験から理容師を目指す場合でも、正しいステップを踏めば誰でも挑戦できます。まずは、理容師養成施設に入学し、カットやシェービングなどの基本技術をしっかり学ぶことから始めましょう

学校では、接客マナーや店舗運営の知識も学べるため、将来の独立にも役立ちます。卒業後、国家試験に合格して理容師免許を取得したら、理容室でアシスタントとして経験を積みましょう。

最初は、お客さま対応や掃除、準備といった補助的な業務が中心ですが、実際に現場を体験することが大切です。数年かけて技術を磨き、自信がついた段階でスタイリストデビューを目指します

理容師に向いている人

理容師は技術職でありながら、お客様と直接関わる接客業でもあります。そのため、技術力だけでなく、人柄や姿勢も大切な要素です。

ここでは、理容師として長く活躍できる人の特徴を紹介します。自分に向いているかを考える参考にしてください。

  1. お客様とのコミュニケーションが得意な人
  2. 手先が器用で細かい作業が得意な人
  3. 流行やデザインに関心がある人
  4. 体力があり長時間の立ち仕事に耐えられる人
  5. コツコツ努力できる継続力のある人

①お客様とのコミュニケーションが得意な人

理容師は、お客様との会話や接客が中心の仕事です。髪型の希望を丁寧に聞き取り、相手の雰囲気や生活に合った提案を行うことが求められます

お客様との信頼関係が築ければ、リピートや紹介にもつながるため、コミュニケーション能力は理容師にとって欠かせません。

また、初対面の人でも自然に話しかけられる人や、相手の気持ちを読み取るのが得意な人は特に向いています。

ときには話しすぎず、相手のペースに合わせて空気を読むことも求められます。言葉だけでなく、表情や姿勢、仕草からも安心感を伝えられる人は信頼されるでしょう。

②手先が器用で細かい作業が得意な人

理容師の仕事は、ミリ単位で髪を整える繊細な作業の連続です。カット、シェービング、ブロー、すべての工程に正確さが求められ、わずかなズレでも仕上がりが変わります

そのため、手先が器用で細部にまで気を配れる人は、大きな強みを持っています。また、カットラインの美しさやバランス感覚、左右対称を意識する空間認識力も重要です。

集中力を長時間維持できる人、黙々と作業に取り組むのが得意な人は、自然と技術が磨かれていきます。

練習を重ねるうちに感覚が研ぎ澄まされ、髪質や毛流れを見ただけで最適な切り方を判断できるようになるでしょう。

③流行やデザインに関心がある人

理容師は、ヘアスタイルを通してお客様の印象をデザインするクリエイティブな仕事です。常にトレンドを意識し、新しい技術やスタイルを学び続ける姿勢が求められます

特に、最近はフェードカットやメンズパーマ、カラーなど、デザイン性の高い施術が注目されています。

流行をいち早くキャッチし、SNSや雑誌で最新のヘアスタイルを研究する習慣がある人は、理容師として強みを発揮できるでしょう。

また、トレンドをそのまま再現するのではなく、お客様の顔立ちや職業、雰囲気に合わせて提案できる柔軟な感性も大切です。

④体力があり長時間の立ち仕事に耐えられる人

理容師の仕事は、1日を通して立ちっぱなしで行うことが多く、体力が必要です。1人あたりの施術時間が長いため、集中力を保ちつつ体を動かし続ける持久力が求められます。

繁忙期には、予約が立て込むこともあり、食事や休憩が短くなる日も珍しくありません。そのため、体を動かすことが好きな人や、疲れにくい体づくりを心がけている人は理容師に向いています。

また、正しい姿勢で施術することで腰痛や肩こりを防ぎ、長く働ける体を維持できます。日頃から軽い運動やストレッチを習慣にし、体調を整えることもプロとしての大切な準備です。

健康を保ちながら笑顔で仕事を続けられる人は、お客様にも安心感を与えられるでしょう。

⑤コツコツ努力できる継続力のある人

理容師は、練習と経験の積み重ねによって成長していく仕事です。アシスタント時代は、掃除や準備など地味な作業が多いですが、その時間が基礎力を高める大切な期間になります。

焦らずコツコツ取り組む姿勢が、上達への近道です。最初は難しく感じる技術も、継続的に練習すれば必ず身につきます。特に、理容師は手の感覚やリズムを体で覚える職人の世界です。

継続して努力できる人ほど、周囲から信頼される存在になっていきます。また、失敗を恐れず挑戦し続ける粘り強さも欠かせません。

新しい技術やトレンドに柔軟に対応し、自分の技を常に磨き続ける人は、時代が変わっても通用するでしょう。

理容師が年収を上げる方法

理容師として働くうえで、年収アップを目指す手段はいくつもあります。経験を積むだけでなく、スキルや働き方を工夫することで、収入に大きな差が生まれるでしょう。

ここでは、理容師が実際に年収を上げるための具体的な方法を紹介します。

  1. 技術力を高めて顧客満足度を上げる
  2. 資格取得やコンテスト参加で専門性を磨く
  3. SNSや口コミで集客力を高める
  4. 高単価メニューや付加価値サービスを導入する
  5. 独立・開業して自分のサロンを持つ
  6. フリーランスとして働き方を自由にする
  7. 副業や講師業など収入源を増やす

①技術力を高めて顧客満足度を上げる

理容師が年収を上げるうえで最も基本となるのは、技術力の向上です。カットやシェービング、ブローなどの正確さやスピードが上がるほどお客様の満足度も高まり、リピーターが増えます。

特に、安定した固定客を持つ理容師は収入のベースが強くなり、長期的に安定した年収を維持できる傾向にあるでしょう。

さらに、トレンドを取り入れたカットや、最新の機器を導入するなど、技術のアップデートを怠らない姿勢も大切になるでしょう。

日々の努力が指名数の増加につながり、結果として歩合やインセンティブの上昇に直結します。技術を磨き続ける理容師ほど、お客様と長く信頼関係を築き、高収入を実現しやすくなるでしょう。

②資格取得やコンテスト参加で専門性を磨く

理容師免許を取得したあとも、さらなる資格取得やコンテストへの挑戦を通して専門性を高めることで、年収アップのチャンスが広がります。

たとえば「管理理容師」や「ヘアカラーマイスター」などの資格を取れば、専門分野での信頼性が高まり、昇進や役職手当につながる場合もあるでしょう。

サロン内で教育係やマネージャーを任されることも多くなり、給与アップに直結します。

また、全国理容競技大会などのコンテストで入賞すれば、技術力の証明になるだけでなく、業界での知名度が上がることも期待できます。

その結果、より条件の良いサロンに転職できたり、自身のブランドを確立できたりする可能性が生まれるはずです。

③SNSや口コミで集客力を高める

SNSを活用して自分の技術を発信し、集客力を高めることも収入アップに直結します。

InstagramやTikTokなどに、施術事例やスタイル写真を投稿することで、自分のセンスや強みを発信することが可能です。

特に、ビフォーアフターの写真や動画は注目されやすく、フォロワーの増加とともに来店数が伸びる傾向にあります。

フォロワー数が多い理容師は、それだけで信頼度が上がり、他県から来店するお客様が増えることもあるでしょう。さらに、SNSを見たお客様の口コミが広がれば、広告を使わずに安定した集客が可能になります。

店舗に頼るだけでなく、自ら情報発信を続けることが重要でしょう。

④高単価メニューや付加価値サービスを導入する

収入を上げるには、来店数だけでなく客単価を上げる工夫も欠かせません。

たとえば、ヘッドスパやフェイシャルケア、眉カット、耳掃除などの高付加価値メニューを導入することで、1回あたりの施術単価を引き上げられます。

さらに、上質なシャンプーやトリートメント、オリジナルのヘアケア商品を使用することで、価格設定に説得力を持たせられるでしょう。

顧客は「特別な体験」に価値を感じるため、丁寧なカウンセリングや、癒やしの空間づくりも重要です。

こうした工夫を重ねると、顧客数が少なくても安定した売上を維持できるでしょう。

⑤独立・開業して自分のサロンを持つ

独立・開業は、理容師が年収を大幅に上げるための、最も大きなステップのひとつです。自分のサロンを持てば、売上のすべてが自分の収入となります。

もちろん、初期費用や家賃、広告費などのリスクはありますが、それを上回る可能性があるでしょう。

経営者として成功するためには、技術力はもちろん、経営・マーケティング・人材育成といった幅広いスキルが必要です。

顧客管理やSNS発信を活用して集客力を高め、地域で信頼される店舗を目指すことがポイントでしょう。開業初期は大変ですが、リピーターが増えれば年収600万円以上も現実的に達成できますよ。

⑥フリーランスとして働き方を自由にする

フリーランス理容師として働くスタイルも、近年注目を集めています。店舗に所属せず、シェアサロンや業務委託契約を利用して働くことで、自由度の高い働き方が可能です。

施術料金の多くを自分の収入にできるため、効率よく稼げます。一方で、集客・材料費・確定申告などは、すべて自己管理が必要です。そのため、経営意識や自己ブランディング力を身につけることが欠かせません。

スケジュールを自分で組めるため、プライベートを重視した働き方や、複数店舗の掛け持ちも可能です。

また、指名客を中心に働けるため、固定客を多く抱える理容師にとっては収入面で大きなメリットがあります。

⑦副業や講師業など収入源を増やす

年収を上げるためには、本業以外の収入源を持つのも効果的です。理容師としての経験を活かし、専門学校や養成施設で講師として教えることで安定した副収入が得られます

また、YouTubeやSNSで技術解説やスタイリング動画を発信し、広告収益を得る理容師も増えています。さらに、講習会の開催やオンライン教材の販売など、自分のノウハウを活かした活動も人気です。

こうした副業は、金銭的なメリットだけでなく、業界内での知名度向上にもつながります。自分のブランディングを確立すれば、本業の集客にも良い影響を与えるでしょう。

理容師の将来性

理容師という仕事は、古くから人々の暮らしを支えてきた職業ですが、時代とともに業界の構造や働き方は変化し続けています。

近年では、男性だけでなく女性やシニア層など、多様な層に向けたサービスも拡大中です。ここでは、理容師業界の現状と将来性、そして今後の新しい働き方について詳しく解説します。

  1. 理容師業界の市場動向と需要の変化
  2. AIや自動化による理容業界への影響
  3. 今後の理容師が活躍できる新しい働き方

①理容師業界の市場動向と需要の変化

理容師業界は、人口構造や生活スタイルの変化により、多様なニーズに対応する方向へと進化しています。

従来は、男性顧客中心の業界でしたが、近年は女性客を取り込む「ユニセックスサロン」や、美容と理容の垣根を超えたトータルケア型サロンが増加中です。

また、高齢化社会の進展により、訪問理美容サービスの需要が急速に高まっています。自宅や介護施設での施術を求める利用者が増えているため、地域密着型の理容師にとっては新たな活躍の場といえるでしょう。

一方で、理容師の数は減少傾向にあり、若手人材の育成が課題です。こうした背景から、技術力と提案力を兼ね備えた理容師の市場価値は高まり続けています。

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②AIや自動化による理容業界への影響

AIや自動化技術の進歩は、理容業界にも少しずつ浸透しています。しかし、理容の本質は「人の手による丁寧なサービス」であり、完全にAIが取って代わることはありません

むしろAIは、理容師の仕事を補助するツールとして機能し、働きやすさや顧客満足度を高める役割を果たしています。

たとえば、AIによる顧客データ分析を活用すれば、お客様の髪質・頭皮状態・好みのスタイルを把握し、より的確な提案が可能になります。

また、予約管理やカルテ作成を自動化することで、事務作業の負担を減らし、施術に集中できる時間を増やせます。

AIは理容師の仕事を奪うものではなく、むしろ美容師の成長を支える存在になるでしょう。

③今後の理容師が活躍できる新しい働き方

理容師の働き方は、かつてのサロン勤務に限らず、多様化が進んでいます。フリーランスとしてシェアサロンを拠点に活動する理容師や、出張・訪問理容を専門に行う人も増えているのが現状です。

特に、SNSの普及によって、自分の技術を発信し、指名客を獲得するスタイルが一般的になりつつあります。

InstagramやTikTokで、施術例やスタイリング動画を発信し、全国から来店予約を受ける理容師も少なくありません。また、教育分野や商品開発の分野でも、理容師の活躍が広がっています。

これからの理容師に求められるのは、「技術者」としてだけでなく「発信者」「企画者」としての視点でしょう。

理容師という仕事で安定と成長を目指すために

理容師は、技術と人間力の両方が求められる専門職です。国家資格を取得し、多様な就職先で経験を積むことで、安定したキャリアを築けます。

厚生労働省の統計によると、理容師の平均年収は約340万円前後とされていますが、実力や働き方次第で大きく変動します。

たとえば、独立開業やフリーランスとして活動する理容師は、顧客を増やすことで年収600万円以上を目指すことも可能です。

理容師という職業は、努力次第で将来性も高く、自分らしい働き方と安定した年収を両立できる魅力的な仕事でしょう。

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    「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。