新卒で社内SEを目指せる方法を解説|魅力も紹介
「新卒で社内SEになるのは難しいのでは」と不安に思う就活生も多いでしょう。確かに難易度は高めですが、適切な対策を重ねれば十分に可能です。
本記事では社内SEへの新卒就職方法と、仕事内容・メリットを詳しく解説しています。社内SEとしてのキャリアを考えている人はぜひ参考にしてくださいね。
新卒で社内SEになれないと言われる理由
新卒者が社内SEとして採用される機会は、他の職種に比べると少ない傾向にあります。その背景には、求められる知識・経験の質と量の高さが影響しています。
社内SEの業務は、ITシステムの運用管理やトラブルシューティングなど、高度な専門性が求められます。加えて新規システム導入などでは、ビジネスの理解力や経験の活用も不可欠です。
このように複合的なスキルが必須だからこそ、社内SEとしては中途採用が主流となっているのです。社内SEは中途採用が多いのは、そうした背景にあるのです。
社内SEの仕事内容を解説
まずは、社内SEの仕事内容を詳しく解説します。
- 課題点を見つける
- システムの企画開発
- システムメンテナンス
- 社員向けの問い合わせ対応
①課題点を見つける
社内SEの重要な役割の1つが、ITの視点から会社の課題を発見し、解決策を提案することです。業務の非効率な部分や新規ビジネスチャンスなどを見つけ出し、ITの力を最大限活用します。
具体的には、データ解析によって業務の流れを分析・検証し、改善点を洗い出します。新システムの導入を提案したり、業務フローの見直しを図ったりと、ITを駆使して業務効率化に取り組みます。
また、ITを活用した新サービス開発の提案も社内SEの仕事です。市場分析から新たな事業機会を探り、新規ビジネス創出に向けた企画立案を行います。
このように社内SEは、IT活用で会社の生産性向上と新規価値創造の両面に貢献できる存在なのです。
②システムの企画開発
社内SEは、企業の課題解決に向けたシステム開発業務なども行います。既存システムの改修から、新しいシステムの立ち上げまで、幅広い対応が求められるのです。
それらの業務を進めるには、まず現場の課題を正確に分析・定義し、ITによる最適解を設計します。次に実際の開発プロセスに移り、関係部署と連携しながらシステムを構築していきます。
また新旧システムの乗り換えに際しても、社内SEが中心的役割を担います。移行計画の策定から、データ移行・運用教育まで、プロジェクト全体を仕切ります。
課題解決に向けてITの知見を存分に発揮し、効率的な業務実現をリードするのが社内SEの使命なのです。
③システムメンテナンス
開発したシステムの適切なメンテナンスなども社内SEの業務です。システムには更新やバグ修正、セキュリティ対策など、システムを常に最適な状態に保つ作業が欠かせません。
障害発生時には、迅速な原因究明と再発防止策の立案が求められます。システムを止めることなく業務を継続できるよう、社内SEが中心となって対応にあたります。
システムが適切に保守・管理されていないと、思わぬトラブルで業務が停止してしまう恐れがあります。
社内SEがメンテナンス業務を怠ることなく実施することで、システムの安定稼働が実現し、社員の生産性が維持できるのです。
④社員向けの問い合わせ対応
社員からのITに関する質問・問合せに対し、迅速かつ適切に回答することも社内SEの業務の1つです。
例えば新システムの導入時には、社内SEが使用方法を丁寧に説明し、運用を支援します。PCやネットワークなどの不具合発生時は、原因の特定と解決に向けて対処にあたります。
さまざまな相談に対して、高い専門性を持って対応できるのが社内SEの強みでもあります。こうした日々の支援を通じて、業務環境の改善と生産性向上に貢献しているのです。
新卒で社内SEになる5つのメリット
続いて、新卒で社内SEになることのメリットを5つ紹介します。
- SE以外の業務も経験できる
- 1つのシステム構築のみに関われる
- 身近な人がユーザーである
- 休日出勤が少ない可能性が高い
- 経営者視点を学べる
①SE以外の業務も経験できる
一般のシステムエンジニアと比べ、社内SEには様々な特徴があります。中でも大きな違いが、エンジニア業務に留まらず、幅広い業務に携われる点です。
システムの選定や導入企画においては、単なる技術的観点だけでなく、経営視点からのアプローチも必要となります。そのため社内SEは、経営層との綿密な連携を図り、コミュニケーションを重ねていきます。
こうした体験を通じて、純粋な技術スキルだけでなく、ビジネス全般に関わる高い課題解決力や提案力を身につけられます。
ITの専門家でありながら、経営マインドを学ぶ絶好の機会が用意されているのが社内SEの大きな強みなのです。
②1つのシステム構築のみに関われる
2つ目のメリットは、自社のシステムに長期間関われる点になります。設計から開発・運用・保守に至るまで、一貫してシステムに関与できるのが特徴です。
一般のSEは複数プロジェクトを平行して進めるのが通例ですが、社内SEは特定のシステムに特化して取り組む場合が多いです。そのため、深い理解とスキルの蓄積できるでしょう。
これらの知識は、システムの最適化やカスタマイズなどにも生かせます。不具合の発生原因特定や改善策の立案がスムーズになるなど、効率的な対応も可能になるのです。
③身近な人がユーザーである
社内SEとして大きな魅力といえるのが、自らが構築したシステムの実際のユーザー、つまり社員の反応を直に感じられる点です。エンドユーザーとの距離が近いのが特徴的です。
システムの使い勝手や改善要望など、ユーザーの生の声をダイレクトに収集できるため、その声に応えながら、システム改修・改善に取り組めるのです。
直接の対話を通じて得られるユーザーの本音は、強いモチベーションにも繋がります。
自分の手掛けたシステムが、どのように活用され、どのように評価されているのかを実感できるからこそ、仕事へのやりがい意識を強く持てるでしょう。
④休日出勤が少ない可能性が高い
一般のSEと比べ社内SEは、業務時間を比較的コントロールしやすい特徴があります。
社内のプロジェクト体制など、一定の枠組みの中で業務が進められる中で、基本的に社内の社員をクライアントとしているため、過剰な残業要求や突発の休日出勤といった場面が少ないです。
そのため、私生活との両立がしやすい働き方が実現できます。家庭や趣味、自己啓発の時間を十分に確保できるため、長期的なキャリア形成にも好影響を及ぼします。
社内SEの魅力は、バランスの取れた働き方にもあると言えるでしょう。
⑤経営者視点を学べる
社内SEには、システムの改修や新規導入において、技術的観点だけでなく経営的視野からの提案を行う機会があります。
長期的な関与から、そのシステムが企業経営に与える影響を見据えることができるためです。
機能面の検討にとどまらず、コストとメリットを考慮しながら、導入についてビジネス視点から提言します。
こうした経験を通じて、技術者としてだけでなく、経営者的な幅広い視野を養えます。ITリテラシーと経営マインドを併せ持つ人材に成長できる点が、社内SEの大きな魅力なのです。
新卒で社内SEになれる対策ポイント
続いて、新卒で社内SEになりたい人に確認してほしいポイントを紹介します。
- ITの基礎知識をつけておく
- システム開発について勉強する
- コミュニケーション能力を活かせるようにする
- ITスキル・資格を取得する
①ITの基礎知識をつけておく
社内システムエンジニア(SE)を志すなら、まずは基本的なITの知識を身につけることが肝心です。
まずは情報技術の基盤概念から学びましょう。ハードウェアとソフトウェアの違いや、OSやデータベースなどの基本を押さえることが重要です。
ただしITの世界は日々進化を遂げています。基礎に加えて最新のトレンドについての理解も欠かせません。ビッグデータ解析、AIシステム、IoT技術など、新たな手法や概念の学習を怠らないことが求められます。
また技術スキルのアップデートは必須です。社内SEの仕事はITを道具として活用することから始まります。基礎となる知識を確実に身につけることが、実務への第一歩となるのです。
②システム開発について勉強する
社内SEとして活躍するための第一歩となるのが、システム開発手法の理解とプログラミング力の習得です。
実際の開発工程ではプログラミングスキルが問われます。JavaやPython、C++など主要な言語の実践的な運用能力が必須となるでしょう。
システム構築の全プロセスに精通することで、円滑な業務遂行が可能になるのです。
③コミュニケーション能力を活かせるようにする
高い技術力は当然のこと、社内SEには優れたコミュニケーション能力も求められます。部署横断的な業務が多いため、スムーズな意思疎通が不可欠なのです。
具体的には、自分の考えを分かりやすく伝達する力、相手の意見を丁寧に聴き理解する姿勢が重要になります。単に話を聞くだけでなく、適切なフィードバックを返す対話力も問われます。
特に社員という実際のユーザーとの対話は欠かせません。ユーザーの生の声を汲み取り、それを的確にシステム改善につなげていく役割があるためです。
単に技術的な解決策を提示するだけでなく、ユーザーの視点に立った対応が肝心となります。
④ITスキル・資格を取得する
社内システムエンジニアを志す際は、ITに関する実践的なスキルや公的資格の取得が有利になります。これらは就職活動の際のアピールポイントとなり、実務でも大きな助けとなるでしょう。
まずは基本的なIT関連スキルの習得が重要です。プログラミング・サーバー構築・ネットワーク設計・データベース管理など、幅広い分野の知識が求められます。
加えて、関連する国家資格や民間資格の取得も意味があります。例えば「情報処理安全確保支援士」や「システム監査技術者」は、セキュリティやシステム監査に関する高度な専門知識を評価する資格です。
このように、多彩な技術力とITリテラシーの証明は就職活動の際に強力な武器になります。実務に必要な知識とスキルをあらかじめ身につけることで、社内SEとしての成長速度が上がっていくでしょう。
新卒でも社内SEになる3つの方法
最後に、新卒でも社内SEを目指せる方法を3つ紹介します。
- インターン・アルバイトを経験する
- 数年後に社内SEになるのを目指す
- 就職エージェントを活用する
①インターン・アルバイトを経験する
インターンやアルバイトを通して実務を体験すれば、社内SEの職務とそこで求められるスキルが分かります。そして、そこで得られたスキルを就職時に活かせるでしょう。
さらに、企業との繋がりができれば面接にも有利になり、時には新卒採用につながるケースもあるでしょう。ただし、業務経験できる企業を選んでくださいね。
インターンやアルバイトを選ぶ際は、単にSEの経験ができるだけでなく、社内SEに特化した業務を体験できる企業を探すことが重要です。
②数年後に社内SEになるのを目指す
一般的には、新卒採用試験合格後に総合職として入社し、自身の適性に合わせて社内SEを目指すルートが多いです。
そこでの新卒採用試験では基礎的なIT知識やコミュニケーション力が問われるので、資格などを取得しておくと良いでしょう。
総合職として入社後、配属先で社内SEとしての適性が認められれば、キャリアチェンジも可能になりますよ。
③就職エージェントを活用する
自身の希望に合致した企業を紹介してくれる就職エージェントを活用して、社内SEとして就職することも企業によっては可能です。
就活エージェントは面接対策や履歴書の添削も行ってくれるため、就職活動の心強い味方となります。ただし、自身の条件をしっかり伝える必要があります。
単に「社内SEになりたい」といった漠然とした希望ではなく、具体的にどのような仕事がしたいのか、どの程度の規模の企業がよいのかといった条件を明確にすることが大切です。
新卒から社内SEは不可能ではない!スキルを身に着けてチャレンジしよう
社内SEは様々な業務に携われ、経営的視点も養えます。ユーザーである社員の反応を直に見られるため、大きなやりがいを感じられる点も魅力でしたね。
社内SEの採用は中途採用が主流ですが、新卒で就職するルートも存在します。自分がどのように活躍できるのかを明確にして、企業へとアピールしていってくださいね。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。