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将来の展望はどう答える?就活の面接で使える例文と考え方を解説

「将来の展望を面接で聞かれたら、どう答えればいいのだろう…」と悩む就活生は少なくありません。

面接官にとって「将来の展望」は、その学生が目標を持っているか、企業で活躍できるかを判断する大切な質問です。しかし、抽象的すぎたり企業と結びつかない回答をしてしまうと、評価を下げてしまう可能性もあります。

そこで本記事では、将来の展望例文を業界別に紹介するとともに、考え方のステップや面接での伝え方のポイントをわかりやすく解説します。

 

目次

就活でよく聞かれる「将来の展望」とは?

「将来の展望」とは、入社後にどのようなキャリアを描いていきたいのかという計画を指します。企業がこの質問をするのは、応募者が自社で長く活躍できる人材かどうかを見極めたいからです。

だからこそ、ただの憧れや漠然とした目標ではなく、企業や職種に合った具体的なビジョンを伝える必要があります。

たとえば、「営業として成長し、ゆくゆくはマネジメントにも挑戦したい」といったように、目指す姿とその道筋をセットで語れると良いでしょう。

そのためには、自己分析や業界研究を通じて、自分の適性や興味を明確にしておくことが欠かせません。

「将来の展望」は、夢を語る場ではありません。現実を見据え、企業の一員としてどう貢献し、どう成長したいかを伝える大切な機会です。

企業が面接で「将来の展望」を聞く理由

面接で「将来の展望を教えてください」と聞かれると、どう答えれば良いか戸惑う方も多いでしょう。実はこの質問には、企業側のいくつかの意図が隠れています

ここでは、企業がこの質問を通じて何を知ろうとしているのか、主な5つの理由を解説します。

  1. 目標設定ができているかを確認するため
  2. 企業で働く具体的なイメージがあるかを知るため
  3. 自社で活躍できる可能性を判断するため
  4. 入社後の定着率やキャリア継続性を見極めるため
  5. ポテンシャルや成長余地を測るため

①目標設定ができているかを確認するため

面接で将来の展望を聞くのは、あなたが目標を持って働けるかどうかを確かめるためです。目標を持つ人は、主体的に学び、成長していく傾向があります。

一方、目標があいまいな場合、「熱意がないのでは?」「とりあえず応募したのでは?」と思われてしまう可能性もあるでしょう。

どんな社会人になりたいか、どのように貢献したいかを事前に整理し、言語化しておくことが大切です。目標が明確であれば、あなたの前向きな姿勢が自然と伝わるでしょう。

②企業で働く具体的なイメージがあるかを知るため

企業は、就活生が業務内容や職場環境を理解したうえで志望しているかを見ています。その会社で働く自分をリアルに想像できているかどうかは、展望の具体性に表れます。

たとえば「入社後は〇〇の業務に携わり、その後△△のポジションを目指したい」など、明確な意欲が伝わる表現が効果的です。

逆に「成長したい」「社会に貢献したい」だけでは、印象が薄くなるかもしれません。

③自社で活躍できる可能性を判断するため

将来の展望には、その人がどのような形で貢献しようとしているかがにじみ出ます。企業は、自社の事業や強みと照らし合わせながら、「この人がどこで活躍できそうか」を見ています

「貴社の〇〇分野で、これまで培った強みを活かして成長したい」など、自分の資質や経験と企業の方向性が合っていることを示せると良いでしょう。

活躍を期待されるには、環境に依存するのではなく、それをどう活かすかまでを語れることが大切です。

④入社後の定着率やキャリア継続性を見極めるため

企業は、採用後すぐに離職されるリスクを避けたいと考えています。そのため、あなたの展望が自社のキャリアパスと合っているかを確認しています。

志望動機と将来の展望がつながっていれば、長く働いてもらえそうだと判断されるでしょう。反対に、「いずれ転職したい」「起業が目標」などの内容は、早期離職の懸念材料になります。

展望は、企業で実現可能かつ現実的な範囲に収めておくと安心です。

⑤ポテンシャルや成長余地を測るため

将来の展望は、あなたの成長意欲や吸収力を示す材料でもあり、企業は「この人はどれくらい伸びしろがありそうか」を展望から読み取ろうとしています

たとえば、現時点でのスキルや経験に正直になりながら、「入社後は〇〇に挑戦したい」といった姿勢を見せると、素直さと意欲が伝わります。完璧である必要はありません。

前向きに学ぼうとする姿勢のほうが、むしろ高く評価されるケースも多いです。

就活で使える将来の展望の考え方4ステップ

将来の展望を上手に伝えるには、例文をそのまま真似るよりも、自分の考えや方向性を明確にすることが大切です。

ここでは、面接で納得感のある展望を語るために役立つ4つのステップを紹介します。

  1. 自己分析で価値観と強みを明確にする
  2. 理想のキャリア像を時系列で描く
  3. 企業や職種の情報と照らし合わせる
  4. 一貫性と現実性をもって言語化する

①自己分析で価値観と強みを明確にする

将来の展望を伝えるには、自分の軸を持っておくことが欠かせません。その出発点となるのが自己分析です。

自分がどんな価値観を大切にしているのか、どんな場面でやりがいや成長を感じたのか、過去の経験から振り返ってみてください。そこから、自分の強みや、大切にしたい考え方を整理しましょう。

そのうえで、どのような環境や仕事なら力を発揮できそうかを考えていくと、展望にも自然と説得力が生まれます。自己理解ができていれば、面接官にも安心感を与えられるはずです。

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②理想のキャリア像を時系列で描く

次は、自分が思い描く将来像を時間の流れに沿って描いていきましょう

「リーダーになりたい」「海外で活躍したい」といった理想だけを語るのではなく、それに至る過程を具体的に示すことが大切になります。

たとえば、入社1年目は現場で経験を積み、3年後にプロジェクトを任され、5年後には後輩を育てる立場になるという流れです。ステップを分けて話すことで、現実味のある展望として伝えることができるでしょう。

③企業や職種の情報と照らし合わせる

理想を語るだけでは、一方的なアピールに聞こえてしまうおそれがあります。企業や業界の情報を踏まえたうえで、「その会社だからこそ実現できる展望」を語ることが重要です。

もし、グローバル展開に力を入れている企業なら、「語学力を活かして海外営業を目指したい」といったように、自分の目標と会社の特徴を結びつけてください。

企業研究ができていることが伝われば、志望度の高さや本気度も自然と伝わるはずです。

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④一貫性と現実性をもって言語化する

最後は、これまで考えてきた内容を一つのストーリーにまとめて言語化します。自己分析で見えた価値観、理想のキャリア像、企業との接点を、一貫した流れで語ることが大切です。

また、夢や理想だけを並べてしまうと、実現性がない印象を与えてしまいます。「なぜそれを目指すのか」「どのように努力していくのか」まで言葉にすることで、信頼感のある展望として伝わるでしょう。

話す前には、必ず自分の言葉で何度か練習してください。

面接で好印象を与える伝え方のポイント

将来の展望を伝える際には、話し方によって相手に与える印象が大きく変わります

ここでは、好印象を与えるために押さえておきたい4つのポイントを紹介しましょう。

  1. 結論から簡潔に伝える
  2. 根拠となるエピソードを交える
  3. 企業との接点を具体的に語る
  4. ポジティブな姿勢や成長意欲を込めて話す

①結論から簡潔に伝える

将来の展望を話す際は、最初に結論を伝えることが効果的です。結論が先に来ることで、聞き手はその後の話を整理しやすくなります。

たとえば「私は将来的に、人と企業をつなぐ役割を通じて社会に貢献したいと考えています」といったように、冒頭で意志を明確に伝えてみてください。

そのうえで背景や理由を補足すると、話に一貫性が生まれます。逆に、結論が曖昧なまま話し始めると、聞き手は意図をつかみにくくなるでしょう。

自分の目指す方向を端的に示すことで、印象にも残りやすくなります。

②根拠となるエピソードを交える

自身の将来像に説得力を持たせるには、エピソードを交えて話すことが大切です。アルバイトやゼミ活動、サークル経験などを通じて得た気づきや価値観の変化を具体的に伝えてみましょう。

たとえば「カフェのアルバイトで、幅広い年代の方と接するうちに、人と関わる仕事に魅力を感じました」というように、自分の経験から導き出された思いを示すと、自然な流れになります。

単に「○○になりたい」と伝えるだけでは相手の心に響きにくいため、行動の背景を言語化することが重要です。

③企業との接点を具体的に語る

自分の将来の展望と企業の方向性が合っていると示せれば、面接官の印象は格段によくなります。そのためには企業研究が欠かせません。

たとえば「御社の“地域に根ざした医療”という考え方に共感し、私の○○という経験が貢献できると感じました」と伝えると、説得力が増すでしょう。

企業理念や事業内容に触れつつ、自分の価値観と重なる部分を丁寧に言葉にしてください。応募先との接点が曖昧なままだと、「どの企業にも通じる話だな」と思われる恐れもあります。

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④ポジティブな姿勢や成長意欲を込めて話す

将来の展望を話すときには、前向きな姿勢や成長意欲が伝わるように意識してください。

「まだ明確ではありませんが、○○な分野で力をつけていきたいと考えています」といった言い回しであれば、素直さと意欲の両方が伝わります。

完璧なキャリアプランがなくても、将来に向けて考えている姿勢があれば十分です。重要なのは、自分の成長を前向きに語れるかどうかです。

抽象的になりすぎず、できるだけ具体的な行動や考えを交えて伝えてみてください。

【業界別】面接で使える将来の展望の例文

どの業界を志望していても、将来の展望を具体的に語ることは内定獲得の大きなカギです。とはいえ、「業界に合った展望が思い浮かばない…」という方も多いはず。

ここでは、主要な業界ごとに実践的な例文を紹介していきます。

  1. IT業界の例文
  2. 広告業界の例文
  3. 食品メーカーの例文
  4. 商社業界の例文
  5. 人材業界の例文
  6. コンサル業界の例文
  7. 金融業界の例文
  8. メーカー(機械・電機)の例文
  9. 旅行・観光業界の例文
  10. 医療・福祉業界の例文

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①IT業界の例文

ここでは、IT業界を志望する就活生に向けて、将来の展望を伝える例文を紹介します。「技術への興味」や「ITで実現したい社会貢献」などを、具体的なエピソードを交えて表現するのがポイントです。

私は将来、ITの力で人々の暮らしをより便利にしたいと考えています。大学では情報系の授業を履修し、アプリ開発のゼミに参加しました。

そこで、地元の商店街向けにスタンプカード機能を備えたアプリを制作し、実際に運用してもらった経験があります。この経験から、ITが地域の課題を解決し、人の役に立つことを実感しました。

今後は、貴社でフロントエンドやUI設計などの業務を経験しながら、誰もが使いやすいサービスを開発するスキルを身につけたいと考えています。

5年後には、ユーザー視点を常に意識した開発ができるエンジニアとして、サービス改善の中心的な役割を担いたいです。

実体験と将来像を結びつけることで、説得力のある展望になります。自分が体験したことをもとに「なぜITなのか」「その企業で何を実現したいのか」を明確にしましょう。

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②広告業界の例文

広告業界を志望する学生に向けて、将来の展望をどう伝えるべきか迷う方も多いはずです。ここでは、大学での経験をもとに「広告を通じて人を動かしたい」という気持ちを表現した例文を紹介します。

私は将来、広告を通じて人々の心を動かし、行動を促すような仕事がしたいと考えています。

大学のゼミで地域活性化をテーマにしたプロジェクトに参加し、地元のイベント告知ポスターを制作したことがきっかけです。

デザインやコピーを工夫した結果、前年よりも多くの来場者を集めることができ、広告の力を実感しました。

今後は、貴社で企画から制作、効果検証まで幅広く携わりながら、課題解決につながる広告を生み出せる力を身につけたいです。

将来的には、生活者の視点に立ったクリエイティブで、社会や企業に価値をもたらす存在になりたいと考えています。

体験から得た学びをもとに、広告の魅力と将来像を結びつけることがポイントです。身近な経験の中にある「広告との出会い」を具体的に書くことで説得力が増します。

③食品メーカーの例文

ここでは、食品メーカーを志望する方に向けて、「食」を通じた社会貢献や身近な原体験を活かした将来の展望を伝える例文を紹介します。家庭や日常生活での気づきを軸にすると、説得力が増すでしょう。

私は将来、多くの人に安心して食べてもらえる商品を届ける仕事に携わりたいと考えています。大学時代、一人暮らしを始めたことで、日々の食事の大切さを実感。

特に体調を崩した際に、レトルトのお粥やスープに助けられた経験があり、食の力を身をもって感じました。その経験をきっかけに、食品業界に関心を持ち、栄養や食品衛生に関する授業も積極的に履修しました。

将来的には、貴社で開発に携わり、忙しい人や体調を崩した人でも安心して食べられる商品の企画を通じて、誰かの毎日を支える存在になりたいと考えています。

日常の気づきをきっかけに将来の展望へつなげると、共感されやすい内容になるでしょう。食品との関わりを自分の言葉で語ることが好印象につながります。

④商社業界の例文

商社業界を志望する学生にとって、グローバルな視点や人とのつながりへの関心をどう表現するかがカギになります。ここでは、海外経験をきっかけとした将来の展望を伝える例文を紹介しています。

私は将来、人と人、国と国をつなぐ仕事に携わりたいと考えています。

大学2年のとき、短期留学で東南アジアを訪れ、現地の市場で日本製品が高く評価されているのを見て、日本と海外の架け橋となる仕事に興味を持ちました。

それ以降、貿易や国際経済に関する講義を積極的に履修し、異文化交流イベントの運営にも携わってきました。

将来的には、貴社で食品や生活雑貨などの輸出入に関わり、現地ニーズを踏まえた提案で商流を広げる営業職を目指しています。

そして、世界中の人々の暮らしを少しでも豊かにできるような商材を届けることに貢献したいです。

海外体験と志望業界のつながりを明確に示すことで、展望に説得力が生まれます。自身の経験を通じて「なぜ商社なのか」を論理的に語ることが重要です。

⑤人材業界の例文

人材業界を志望する方は、「人の成長やキャリア支援に興味がある」という想いを、自身の経験と結びつけて伝えることが大切です。ここでは、アルバイト経験をもとに展望を語る例文を紹介します。

私は将来、人の可能性を引き出し、より良いキャリア形成を支援する仕事に携わりたいと考えています。

大学時代、塾講師のアルバイトを通して、生徒一人ひとりに合った声かけや指導法の工夫を行い、成績や自信が向上していく様子を目の当たりにしました。

この経験から、「人をサポートすることでその人の未来が変わる」と実感しました。

今後は、貴社で求人広告や採用支援など幅広い業務を経験しながら、企業と求職者の双方に寄り添える人材コンサルタントを目指したいと考えています。

将来的には、多くの人が自分らしい働き方を実現できる社会づくりに貢献したいです。

自分の体験と人材業界の仕事をつなげて語ることで、志望理由に深みが出ます。サポートした相手の変化を描くと説得力が高まるでしょう。

⑥コンサル業界の例文

コンサル業界を目指す就活生は、「課題解決力」や「論理的思考」に加え、なぜその仕事に惹かれたのかを自身の経験から伝えることがポイントです。

ここでは、学園祭の運営経験をもとにした例文を紹介します。

私は将来、企業の課題を客観的に分析し、最適な解決策を提案できる人材になりたいと考えています。大学では学園祭実行委員として広報チームのリーダーを務め、予算不足という課題に直面しました。

そこで、企業への協賛依頼に切り替えた結果、必要な資金を確保できただけでなく、過去最高の来場者数を記録することができたのです。

この経験から、状況を見極めて戦略を練ることの面白さと、成果が出たときのやりがいを感じ、コンサル業界に興味を持ちました。

将来的には、貴社でさまざまな業界のプロジェクトに携わり、クライアントの事業成長を支える存在を目指したいと考えています。

課題解決のエピソードをもとにコンサル志望の理由を語ると、納得感が高まります。工夫した点や成果を具体的に伝えることがカギです。

⑦金融業界の例文

金融業界を志望する学生にとっては、「数字を扱う力」だけでなく、「人との信頼関係」や「社会とのつながり」に対する意識を表現することが大切です。

ここでは、家族の経験を通して金融に関心を持った例文を紹介します。

私は将来、お客様に信頼される金融のプロフェッショナルとして、人生の大切な場面に寄り添いたいと考えています。

きっかけは、両親が住宅ローンの相談をしていた際に、担当の方が親身に話を聞きながら最適なプランを提案してくれたことでした。

その対応に両親がとても安心していた姿を見て、金融の仕事が人の生活に深く関わっていることを実感しました。大学では経済学を学びながら、ファイナンスに関する勉強も自主的に続けています。

将来的には、貴社の営業職として多くの人と信頼関係を築きながら、一人ひとりに最適な金融サービスを提供し、地域や社会に貢献していきたいです。

身近な体験から興味を持った流れを丁寧に伝えることで、展望に説得力が生まれます。信頼や安心感といったキーワードを入れるのがポイントです。

⑧メーカー(機械・電機)の例文

機械・電機メーカーを志望する学生は、ものづくりへの関心だけでなく、「なぜその製品や分野に惹かれたのか」という視点から展望を語ると説得力が高まります。

ここでは、授業や身近な製品を通じて興味を持った例文を紹介します。

私は将来、生活を支える製品の開発に携わり、社会に貢献できる技術者になりたいと考えています。

大学の授業でモーターの仕組みを学んだ際、家電製品や電気自動車など、身の回りの多くの製品に活用されていることを知り、その技術の奥深さに興味を持ちました。

その後、研究室では小型モーターの制御に関する実験を通じて、より効率的な動作を実現するための改良提案を行いました。

今後は、貴社で開発業務に携わり、環境や使いやすさにも配慮した製品づくりを追求したいと考えています。将来的には、社会インフラや日常生活を支える製品の進化に貢献できるエンジニアを目指します。

授業や研究で得た知識と将来の目標を自然につなげることで、機械・電機業界への興味の深さを伝えることができます。身近な製品との関連性を示すのがポイントです。

⑨旅行・観光業界の例文

旅行・観光業界を志望する方は、「人とのつながり」や「感動体験の提供」に関心があることを、自分自身の経験を通して語ることが大切です。ここでは、家族旅行をきっかけに展望を描いた例文を紹介します。

私は将来、人の記憶に残るような旅行体験を届ける仕事に携わりたいと考えています。中学生の頃、家族旅行で訪れた地方の観光地で、現地スタッフの温かい対応に触れたことが強く印象に残っています。

そのときの安心感や楽しさが、旅行の満足度を大きく高めていたことに気づき、「私も人の思い出に関わる仕事がしたい」と思うようになりました。

大学では観光学を学び、ゼミでは地域の観光プラン作成にも取り組みました。

将来的には、貴社で企画から運営まで幅広く携わり、訪れる人に心から満足してもらえる体験を提供できるプランナーを目指したいです。

旅行で得た感動体験をもとに展望を語ることで、志望動機に説得力が生まれます。「なぜ旅行業界か」を体験と結びつけて伝えることが重要です。

⑩医療・福祉業界の例文

医療・福祉業界を志望する方は、「人の役に立ちたい」という想いを、実体験に基づいて丁寧に伝えることが大切です。ここでは、家族の介護を通じて芽生えた将来の展望を例文として紹介します。

私は将来、身近な人の支えになれるような仕事に就きたいと考え、福祉の道を志望しました。高校生の頃、祖母が入退院を繰り返すようになり、家族全員で介護をする日々が続きました。

そんな中、訪問看護師の方がいつも笑顔で接し、祖母だけでなく私たち家族の不安にも温かく寄り添ってくれた姿が、今でも心に残っています。

大学では福祉関連の授業を積極的に履修し、地域の施設でボランティア活動を行いながら実践的な学びも深めてきました。

今後は、貴社で利用者一人ひとりに真摯に向き合い、誰もが安心して暮らせる地域づくりに携わっていきたいと考えています。

家族の経験を通じた気づきを出発点にすることで、医療・福祉業界への関心に説得力が加わります。相手に寄り添う姿勢を具体的に描くことがポイントです。

面接で避けたいNG例

就活の面接で「将来の展望」について質問されたとき、どのように答えるかは内定の成否に関わる大切なポイントです。ですが、内容によってはかえって逆効果になることもあります

ここでは、面接で避けたいNGパターンを紹介し、それぞれの注意点を解説します。

  1. 曖昧な目標設定で抽象的に話してしまう
  2. 企業と関係のない将来像を語ってしまう
  3. 理想だけで現実性がない内容になってしまう
  4. 「なんとなく」「わからない」で逃げてしまう

①曖昧な目標設定で抽象的に話してしまう

「人の役に立ちたい」や「成長したい」といったフレーズは前向きに聞こえますが、面接では注意が必要です。こうした言葉だけでは、あなたの考えや方向性が伝わりにくいため、面接官の印象に残りません

たとえば、「社会貢献がしたい」と言うだけでは、どんな方法で、どのような課題意識を持っているのかがわからないでしょう。

一方で、「ITを活用して教育の機会格差をなくしたい」と話せば、より具体的で説得力が生まれます。漠然とした表現では評価を得にくいため、自分の考えを具体例とセットで伝えることが大切です。

自分らしさを表現するためにも、抽象的な言葉に頼りすぎないよう意識してください。

②企業と関係のない将来像を語ってしまう

面接官は、「この会社でどのように成長し、どんな貢献ができるか」を知りたいと考えています。しかし、企業とは関係のない夢や目標ばかり語ってしまうと、的外れな印象を与えてしまいます

「いつか海外でカフェを開きたい」という夢を語った場合、それが企業のビジョンや職種と無関係であれば、共感されにくいでしょう。

個人の夢を持つのは問題ありませんが、それとは別に「この会社で何を学び、どのような経験を積みたいか」を明確に伝える必要があります。

企業の求める人物像と自分の将来の方向性をうまく結びつけることで、説得力がある印象を与えられるでしょう。

③理想だけで現実性がない内容になってしまう

夢や理想を語ること自体は、悪いことではありません。ただし、現実味がなかったり、具体的な根拠や行動が伴っていなかったりすると、「願望だけ」と受け取られる可能性があります。

たとえば、「10年以内に経営層に入りたい」と述べても、その根拠や道筋が示されていなければ信ぴょう性に欠けてしまうでしょう。

面接では、「こうした経験を積み重ねて、段階的にステップアップしたい」といった現実的なプランを話すことが重要です。

理想を語るときは、それを裏付ける具体的な行動や考え方とセットにすることで、面接官に前向きな印象を与えることができるでしょう。

④「なんとなく」「わからない」で逃げてしまう

「将来のことはまだわかりません」や「なんとなくこの業界が気になります」といった回答は、一見正直なように思えますが、面接の場では避けたい表現です。

考える努力を放棄していると見なされるおそれがあるでしょう。

たとえ明確なビジョンが定まっていなくても、「御社の〇〇事業に関わる中で、□□のようなスキルを磨いていきたい」といったように、自分なりに考えた方向性を示すことが求められます。

完璧な将来像を描けていなくても問題ありません。大切なのは、「今、自分にできることは何か」を考え抜いたうえで答えているかどうかです。

将来の展望を伝える際の注意点

面接で「将来の展望」を聞かれたとき、ただ夢を語るだけでは十分とはいえません。企業が重視しているのは、その展望が自社とどのように関わっているかです。

ここでは、面接で展望を語る際に注意すべきポイントを4つ紹介します。

  1. 誰でも使えるようなテンプレ回答は避ける
  2. 短期的な視点だけに偏った話は控える
  3. 企業リサーチ不足が見える内容は避ける
  4. 面接官の立場で「納得できるか」を意識する

①誰でも使えるようなテンプレ回答は避ける

「成長したい」や「社会に貢献したい」といったフレーズは前向きですが、それだけでは印象に残りにくいものです。多くの就活生が使う言い回しでは、自分らしさが伝わりません

たとえば「人の役に立ちたい」という想いがあるなら、「ITを活用して教育の機会格差をなくしたい」といった具体的な手段や関心のある分野も伝えるようにしましょう。

企業は、なぜそう考えるのか、どのように行動していくのかといった背景も知りたいはずです。自分自身の経験や価値観を軸にした言葉で伝えることが、納得感のある展望につながります。

②短期的な視点だけに偏った話は控える

将来の展望を話す際、入社後すぐの目標にとどまってしまうのは避けたいところです。短期的な内容だけでは、「長く働く意志がないのでは」と疑問を持たれるおそれがあります。

「1年目は営業を学びたい」と伝える場合も、「その後はチームリーダーを目指し、マネジメント経験を積みたい」といった中長期の見通しを含めることで、継続的な成長意欲を示せるでしょう。

段階的にどう成長していきたいかを伝えることで、将来像がより具体的になり、企業側にも好印象を与えられます。

③企業リサーチ不足が見える内容は避ける

企業への理解が不十分なまま展望を語ってしまうと、誠意や準備不足を疑われてしまいます

たとえば「グローバル展開に関わりたい」と話しても、実際にその企業が海外事業を行っていなければ、内容がちぐはぐに映るでしょう。

こうしたミスマッチを防ぐには、企業のウェブサイトやIR資料、業界ニュースなどを参考にして情報を整理することが大切です。

そのうえで、自分の将来像と企業の方針がどう重なるかを言葉にできれば、共感や納得を得やすくなります。事前準備が展望の説得力を左右するといえるでしょう。

企業分析をやらなくては行けないのはわかっているけど、「やり方がわからない」「ちょっとめんどくさい」と感じている方は、企業・業界分析シートの活用がおすすめです。

やるべきことが明確になっており、シートの項目ごとに調査していけば企業分析が完了します!無料ダウンロードができるので、受け取っておいて損はありませんよ。

④面接官の立場で「納得できるか」を意識する

どれだけ立派な将来像を語っても、それが現実的でなければ評価にはつながりません。面接官は、展望の内容よりも「この人は実現に向けて努力できそうか」を見ています。

たとえば「リーダーになりたい」と言うなら、「入社後3年間で◯◯のスキルを身につけ、5年後にはチームをまとめる役割に挑戦したい」といった段階的な計画も添えると、具体性と実現性が高まるでしょう。

自分の夢や目標を語る際には、相手が納得できるように根拠とプロセスを意識してください。伝え方ひとつで、評価は大きく変わります。

将来の展望が思いつかない時の対処法

面接で「将来の展望は?」と聞かれても、うまく答えられない就活生は少なくありません。焦って無理に理想を作るよりも、自分なりに納得できる答えを準備することが大切です。

ここでは、展望が思いつかないときに役立つ考え方や整理方法を4つ紹介します。

  1. 過去の経験からヒントを得る
  2. 自己分析で「できること」「したいこと」を整理する
  3. 業界研究やOB訪問で視野を広げる
  4. 近い将来の目標から逆算して考える

①過去の経験からヒントを得る

展望が浮かばないときは、まず自分の過去を振り返ってみてください。なぜなら、熱中できたことや達成感を得られた出来事には、自分らしさや向いている方向が隠れているからです。

たとえば「アルバイトの接客が楽しかった」と感じたなら、「人と関わる仕事に向いているのかもしれない」と気づくきっかけになるでしょう。将来像はゼロから考える必要はありません。

これまでの行動や選択をたどることで、自分に合った未来のヒントが見えてくるはずです。小さな出来事でも丁寧に振り返ってみることをおすすめします。

②自己分析で「できること」「したいこと」を整理する

展望を考えるうえで、「やりたいこと」だけに目を向けるのは片手落ちです。「できること」とのバランスがとれていないと、現実味のない内容になってしまいます

もし、「文章を書くのが得意」「人の感情に敏感」といった特性があるなら、それを活かせる職種を調べてみましょう。頭の中で考えるだけでなく、紙に書き出すと考えが整理しやすくなります。

自己分析によって、自分の強みや価値観が明確になれば、自然と納得感のある将来像が見えてくるはずです。

「自己分析のやり方がよくわからない……」「やってみたけどうまく行かない」と悩んでいる場合は、無料で受け取れる自己分析シートを活用してみましょう!ステップごとに答えを記入していくだけで、あなたらしい長所や強み、就活の軸が簡単に見つかりますよ。

③業界研究やOB訪問で視野を広げる

自分の中だけで将来像をつくろうとすると、どうしても視野が狭くなりがちです。そんなときは、業界研究やOB訪問などで外の世界に触れてみてください

同じ大学の先輩がどのような経緯で企業に入り、どんなキャリアを歩んでいるかを知るだけでも、現実的なイメージを持ちやすくなります。

企業説明会やインターンに参加すれば、働く環境や職種への理解も深まるでしょう。情報の引き出しを増やすことで、今まで見えていなかった選択肢に気づくこともあります

④近い将来の目標から逆算して考える

「10年後の自分は?」と聞かれると、答えに詰まってしまう人も多いでしょう。そんなときは、まず1~3年後に達成したいことを考えてみてください

「社会人としての基礎を身につける」「営業で成果を出せるようになりたい」など、身近な目標で構いません。

その目標を起点にして、「それを達成した先にどんな姿があるか」を逆算して考えると、自然と中長期の展望も見えてきます。

いきなり完璧な将来像を描く必要はありません。小さな目標を積み重ねることで、将来への道筋が明確になるはずです。

面接で「将来の展望」を伝えるために大切なこと

面接でよく聞かれる「将来の展望」は、自分のキャリアに対する理解と企業への適性を示す重要な質問です。企業はこの質問を通じて、目標設定の有無や職場での成長可能性、定着への意欲を見極めています。

そこで重要なのが、自己分析や業界研究を通じて得た情報をもとに、自分の価値観と企業の方向性をすり合わせた上で展望を語ることです。

特に好印象を与えるには、具体的なエピソードや企業との接点を交えて、結論から簡潔に伝える工夫が必要でしょう。

また、業界別の例文を参考にしながら、自分の言葉で語る姿勢も欠かせません。将来の展望の例文はあくまでヒントでしかなく、最も大切なのは、自分らしい答えを準備することです。

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    「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。