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内定承諾後の辞退は可能?リスクと正しい伝え方を解説

「内定を承諾した後に辞退してもいいのかな…?」そんな不安を抱える方は少なくありません。

理由が正当でも、伝え方を誤ると法的リスクや信頼低下につながるため、慎重で誠実な対応が欠かせません。

そこで本記事では、内定承諾後に辞退は可能か、内定承諾書の位置づけ、想定されるリスクと正当な理由、判断のポイントを整理します。

さらに、電話・メールの基本手順や例文、相手の反応別の対処まで実践的に答えているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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目次

内定承諾後の辞退は誠意をもって慎重に対応しよう

就職活動中に、内定を承諾した後で辞退したくなるケースは珍しくありません。ほかの企業から魅力的な内定をもらったり、キャリアの方向性を見直したりと、理由は人それぞれです。

しかし、内定承諾後の辞退は「一度交わした約束を取り消す行為」として、社会的に大きな意味を持ちます。企業側も人材確保のために時間と労力をかけており、辞退されれば影響は小さくありません。

そのため、やむを得ず辞退する場合には、誠実で丁寧な対応が欠かせません。連絡のタイミングや伝え方に注意を払い、相手に不快感を与えないよう配慮しましょう。

就活生としての姿勢が問われる場面でもあるため、内定承諾の重みを正しく理解したうえで、慎重に判断し行動してください。

内定承諾後に辞退することはできる?

内定を承諾したあとでも、辞退は法律上可能です。多くの就活生が「内定承諾書を提出したから、もう断れないのでは」と不安を抱きがちですが、実際にはそうではありません。

そもそも内定とは労働契約の一種であり、契約は当事者の合意によって解除できます。ただし、辞退のタイミングや伝え方によっては、企業側との信頼関係に悪影響を与えるおそれがあるでしょう。

特に入社直前の辞退や、理由をはっきり伝えないまま一方的に連絡するようなケースは注意が必要です。その選択に責任をもち、相手に配慮した伝え方を心がけることが重要です。

内定承諾書とは?

就職活動中に企業から内定をもらったあと、「内定承諾書」の提出を求められることがあります。これは、その企業で働く意思を正式に示すための書類です。

署名や捺印をして提出することで、口頭の約束よりも強い意志表示と受け取られます。承諾書を提出した時点で企業側は採用を前提に動き始めているため、辞退する際には丁寧な対応が必要になります。

特に、連絡が遅れたり理由が曖昧だったりすると、相手に不信感を与えてしまいます。トラブルを避けるためにも、辞退の連絡はできるだけ早く、誠実に伝えるようにしましょう。

承諾書を提出する前に、自分が本当にその企業で働きたいかを改めて考えてください。迷いがあるなら、無理に提出しない方が賢明です。社会に出る前の大切な判断として、慎重に行動しましょう。

内定承諾後に辞退することのリスク

内定承諾後の辞退は法律上可能ですが、行動次第ではさまざまな問題に発展するおそれがあります。ここでは、辞退を決断する前に知っておくべきリスクについて整理しました。

  1. 損害賠償を請求される可能性がある
  2. 子会社・関連会社の選考に影響する可能性がある
  3. 大学の推薦枠などに悪影響を及ぼす可能性がある
  4. 社会人マナーとして信頼を失う可能性がある

① 損害賠償を請求される可能性がある

内定を辞退したら損害賠償を求められるのではと不安に思うかもしれません。たしかに理論上はあり得ますが、実際に法的措置に発展するケースはごくわずかです。

労働契約には原則として自由な解約が認められているため、辞退そのものが違法になることはほとんどありません。

ただし、企業があなたの採用を前提に他の候補者を断ったり、備品や研修などの準備を進めていた場合、その損害を問題視される可能性もゼロではないでしょう。

こうしたリスクを回避するには、できるだけ早めに辞退の意志を伝えることが大切です。誠実な姿勢で理由を説明し、感謝の気持ちをきちんと伝えることが、トラブル防止につながります。

② 子会社・関連会社の選考に影響する可能性がある

辞退した企業が大手グループの一員である場合、その情報が関連会社に伝わることがあります。特に同じ企業グループの選考を並行して受けている場合は、注意が必要です。

たとえば、一社で辞退があったことにより、他社でも「信頼性に不安がある」と受け止められるリスクがあります。

辞退の伝え方が雑だったり、無断で音信不通になった場合などは、その悪印象が他社にも影響するかもしれません。選考への影響を避けるためには、丁寧な言葉遣いと明確な理由説明が欠かせないでしょう。

誠意を示すことで、相手からの信頼を損ねずに済む可能性が高まります。

③ 大学の推薦枠などに悪影響を及ぼす可能性がある

大学の推薦枠で内定を得た場合、辞退することが大学全体の信用に関わる可能性があります。

企業によっては、推薦で採用した学生が辞退すると「この大学は信頼できない」と判断し、今後の枠を縮小することも。

結果として、後輩の就職活動に悪影響が出ることもあるため、個人の問題では済まされません。推薦制度は、学生と大学、企業の信頼関係で成り立っているのです。

推薦を受けて内定した場合には、まずキャリアセンターや担当教員に相談してから行動するようにしましょう。自分の判断が周囲にどう影響するかを考え、冷静に対処してください。

④ 社会人マナーとして信頼を失う可能性がある

辞退する際にマナーを欠いた対応をすると、社会人としての信頼を損なうおそれがあります。例えば、ギリギリまで連絡せずに突然辞退を申し出たり、連絡を絶ってしまう行為は非常に印象が悪いです。

企業側は誠意ある対応を期待しています。その期待を裏切るような態度を取れば、「ビジネスの基本ができていない」と判断されるかもしれません。

信頼を守るためには、辞退の連絡は早めに、丁寧な言葉で行いましょう。理由も簡潔にわかりやすく伝えることが大切です。

社会に出る前から誠実な対応を心がけることが、今後のキャリアにも良い影響を与えるでしょう。

内定承諾後に辞退する前に理解しておくべきこと

内定を承諾したあとに辞退を考える場合は、行動に移す前に確認しておくべき大切なポイントがあるのです。

ここでは、後悔しない判断をするために意識したい4つの視点を紹介します。

  1. 内定承諾に法的拘束力はないが責任は伴う
  2. 企業は入社準備を前提に動いている
  3. 辞退企業と将来関わる可能性がある
  4. 伝え方次第で印象が大きく変わる

① 内定承諾に法的拘束力はないが責任は伴う

内定承諾書を提出しても、法律上は必ず入社しなければならないわけではありません。そのため、後から辞退すること自体は可能です。ただ、承諾は企業との約束であり、軽く扱ってよいものではありません。

企業はあなたの「承諾」に基づいて採用体制を整え始めているため、辞退すればその信頼を損なうことになります。

特に、連絡が遅かったり説明が不十分だったりすると、印象が悪くなるおそれがあるでしょう。辞退を決めたら、できるだけ早く、理由を明確に伝えることが大切です。

丁寧で誠意ある姿勢を示すことで、企業の理解を得られる可能性も高まるでしょう。法的な強制力はなくても、社会人としての責任感が問われる場面です。

承諾を出す前に、自分の意思をしっかり確認してください。

② 企業は入社準備を前提に動いている

内定を承諾すると、企業はすでにあなたを「入社する人」として扱い始めます。配属や研修の準備、業務引き継ぎ、設備の手配など、さまざまな計画が動き出している可能性があるのです。

こうした準備は時間とコストがかかるため、辞退は企業側にとって大きな損失になりかねません。特に辞退の時期が遅いほど、その影響は深刻になります。

だからこそ、辞退を決めた場合は速やかに連絡し、状況をしっかり説明することが必要です。相手の立場を思いやった言葉を選びましょう。辞退の判断は、企業にとっての影響もふまえて行うべきです。

就活生とはいえ、社会との関わりの中で責任ある行動が求められます。

③ 辞退企業と将来関わる可能性がある

一度辞退した企業とは、もう関わらないと思っている人も多いかもしれません。しかし、実際には業界内でつながることも珍しくないでしょう。

転職先で取引先になる、業界イベントで再会するなどの可能性もあるはずです。とくに志望度が高かった業界の場合、人脈の重なりや情報共有の場面が多くあります。

その際、過去の印象が話題にのぼることも考えられるでしょう。だからこそ、辞退のときは感情に流されず、丁寧な対応を心がけてください。

不用意な発言や不誠実な態度は、後に悪影響を及ぼすかもしれません。人との縁は思わぬところでつながっています。未来の自分のためにも、辞退する際は冷静で誠実な姿勢を大切にしましょう。

④ 伝え方次第で印象が大きく変わる

内定を辞退すること自体よりも、その伝え方によって印象は大きく変わります。たとえ正当な理由があっても、伝え方を間違えれば相手に不信感を与えてしまうでしょう。

たとえば、メールだけで一方的に連絡したり、タイミングが遅くなったりすると、誠意が感じられません。反対に、電話で直接謝意を伝えたうえで理由を説明すれば、受け止め方も違ってくるはずです。

マナーを守った対応は、あなたの人柄を伝える手段でもあります。内容と同じくらい、伝え方にも心を配ってください。結果として、良好な関係を保ったまま辞退できる可能性が高まります。

将来の自分を守るためにも、適切な伝え方を意識しましょう。

内定承諾後に辞退できる正当な理由

内定を承諾したあとでも、やむを得ない事情がある場合は辞退が認められることもあります。ただし、その理由が明確でなかったり、伝え方を誤るとトラブルにつながることもあるため注意が必要です。

ここでは、企業側からも理解を得やすいとされる正当な理由を紹介します。

  1. 他社の内定を優先したい
  2. 条件や勤務地が異なっていた
  3. 企業の将来性に不安を感じた
  4. 家庭の事情で働けなくなった
  5. 健康上の理由で継続が困難になった

① 他社の内定を優先したい

複数の企業から内定をもらった場合、自分により合った企業を選ぶのは自然な判断です。その結果として、先に承諾していた企業を辞退したくなることもあるでしょう。

内定承諾書を提出していても、将来を見据えた決断であれば企業も理解してくれることが多いです。大切なのは、「不満があったから」ではなく、「自分に合う選択をしたい」という前向きな理由で伝えること。

これまでの対応に対する感謝の気持ちを添え、丁寧に説明すれば、相手に誠意は伝わります。辞退する際は、できるだけ早く連絡することも忘れないでください。

② 条件や勤務地が異なっていた

選考中に伝えられた内容と、実際の条件が違っていた場合には、辞退の理由として十分に認められるでしょう。

たとえば「関東配属」と聞いていたのに、通知では「地方勤務」と記載されていた場合、納得できず辞退を考えるのも当然です。条件の食い違いに気づいたときは、冷静に事実を確認してください。

そのうえで、相手に対しては感情的にならず、「説明と実際が異なっていたため再検討させていただきたい」と伝えるとスムーズです。誠実な伝え方が、信頼を保つポイントになります。

③ 企業の将来性に不安を感じた

選考中には見えなかった企業の情報が、承諾後に見えてくることもあります。業績悪化や経営体制の混乱、ネガティブなニュースなどが理由で不安を抱くことはめずらしくありません。

このようなケースでは、気づいた時点で自分の将来を見直すことが大切です。無理に入社してから後悔するよりも、納得のいく決断を下す方がよい結果につながるでしょう。

企業に伝える際には、批判的な表現は避け、「十分に検討した結果、別の道を選ぶことにした」と伝えるのが無難です。敬意と感謝の気持ちは忘れずに添えてください。

④ 家庭の事情で働けなくなった

家庭の事情によって就業が難しくなるケースは、企業も理解を示してくれることが多いでしょう。たとえば、家族の介護や急な引っ越しなど、本人の意思ではどうにもならない状況が理由となる場合です。

こうした理由で辞退する場合は、なるべく早く相談や連絡を行うことが望ましいでしょう。遅れてしまうと、採用側に負担をかけてしまうため注意が必要です。

伝える際には、事情を簡潔に説明し、「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」と一言添えることで、誠意が伝わりやすくなります。

⑤ 健康上の理由で継続が困難になった

健康問題が理由で辞退する場合は、企業も無理に引き留めることはありません。

長時間の勤務が難しくなった、精神的な負担が大きくなったなど、就業に支障が出る状況であれば、早めに判断することが重要です。このとき、病名などの詳細まで伝える必要はありません。

「体調の関係で勤務継続が難しくなった」といった表現で問題いいのです。企業もプライバシーへの配慮は理解しています。辞退の連絡は迅速に行い、迷惑を最小限にとどめることを心がけてください。

あわせて、これまでの対応への感謝の気持ちも必ず伝えるようにしましょう。

内定承諾後に辞退する際の基本的な流れ

内定を承諾したあとで辞退する場合は、企業への配慮を忘れず、丁寧かつ迅速に対応することが大切です。ここでは、辞退の意思を伝えるときに踏むべき基本の流れを4つのステップに分けて紹介します。

  1. 辞退が決まったら電話で連絡する
  2. 担当者に辞退の意思を明確に伝える
  3. お詫びのメールや手紙を送ってフォローする
  4. 必要書類や企業からの指示に丁寧に対応する

① 辞退が決まったら電話で連絡する

辞退の意思を固めたら、まずは電話で企業に連絡しましょう。メールで済ませる人もいますが、直接話した方が誠意が伝わりやすく、基本的なビジネスマナーとしても望ましい方法です。

電話をかける際は、相手が不在だった場合の対応も考えておきましょう。伝言をお願いするか、折り返しの時間を確認して再度連絡するのが適切です。

内容を整理してから連絡することで、緊張しても落ち着いて話せます。伝えるべきなのは、辞退の意思、簡潔な理由、そして感謝の気持ちです。

相手の時間をいただくことになるため、要点を簡潔に伝えつつ、誠意ある態度を忘れないようにしてください。

② 担当者に辞退の意思を明確に伝える

電話がつながったら、まずは名前を名乗り、内定をいただいたことへの感謝を伝えましょう。そのうえで、「大変恐縮ですが、内定を辞退させていただきたいです」とはっきり伝えてください。

曖昧な言い方や回りくどい表現は避けたほうがよいでしょう。「迷っています」「検討中です」といった表現では、相手を困惑させる可能性があります。

辞退の理由は「他社への入社を決めたため」や「進路を見直した結果」など、端的で納得しやすいものにすると伝わりやすくなります。

最後に、これまでの対応への感謝とお詫びの気持ちをしっかり伝えてください。丁寧な言葉選びと落ち着いた話し方が印象を大きく左右します。

③ お詫びのメールや手紙を送ってフォローする

電話で辞退の連絡をしたあとは、感謝とお詫びの気持ちをメールや手紙で伝えましょう。文章にすることで、誠意をより明確に表せます。

メールであれば、できるだけ当日中に送信するのが望ましいです。「本日はお忙しいところ、お時間をいただきありがとうございました」などの一文があると、より丁寧な印象になります。

手紙を送る場合は、手書きでなくても構いませんが、言葉遣いや読みやすさに配慮してください。形式にとらわれすぎず、自分の言葉で素直に伝えることが大切です。

相手への感謝と迷惑をかけてしまったことへのお詫びをしっかり伝えることで、印象が良くなるでしょう。

④ 必要書類や企業からの指示に丁寧に対応する

辞退を伝えたあとも、企業から書類の返却や手続きの案内があることがあります。その場合は、指示に従い、早めに対応してください。

たとえば、承諾書の返送や貸与された資料の返却を求められることがあります。放置せず、指定された期限を守って返送することが重要です。

企業からの連絡にはすぐに応じられるよう、電話やメールのチェックも忘れずに行いましょう。不備が生じた場合も、柔軟に対応できる姿勢が求められます。

こうした対応も含めて、社会人としてのマナーが見られています。辞退後も丁寧な対応を心がけることで、最後まで誠実な印象を残すことができるでしょう。

内定承諾後に辞退する際のマナー

内定を辞退することは可能ですが、対応を誤ると印象を大きく損ねてしまいます。ここでは、円満に辞退するために知っておくべきマナーを整理しました。

相手企業に敬意を示しながら、誠実な対応を心がけましょう。

  1. 連絡は遅くとも入社2週間前までに行う
  2. まずは電話で伝え、メールで補足する
  3. 理由は事実を簡潔・誠実に伝える
  4. 感謝と謝罪の言葉を丁寧に伝える
  5. 敬語や丁寧語を使い失礼のない表現を心がける
  6. 企業の業務時間内に連絡するよう配慮する

① 連絡は遅くとも入社2週間前までに行う

辞退の連絡は、できるだけ早く伝えるのが基本です。遅くなるほど企業側の調整が難しくなり、迷惑をかけてしまいます。

入社準備には人事や配属先の調整、社内手続き、備品の用意など多くの工程があるため、直前の辞退は避けたいところです。目安としては、入社日の2週間前までには必ず連絡を入れましょう。

もちろん、それより早ければ早いほど相手の負担は減ります。辞退の意思が固まった時点で、先延ばしせず速やかに連絡を入れるよう心がけてください。早い対応は、誠意が伝わる一番の方法です。

② まずは電話で伝え、メールで補足する

辞退の意向を伝える際は、まず電話で連絡することがマナーです。電話であれば相手の反応が直接わかり、丁寧さや真剣さも伝わりやすくなります。

一方、メールだけで済ませようとすると、冷たい印象を与えてしまう可能性があるでしょう。電話では、担当者が業務に余裕のある時間帯(10〜16時)を選ぶのが望ましいです。

電話口では要点を簡潔にまとめつつ、丁寧に話すよう意識してください。その後、内容を文面で再確認する意味も込めて、フォローのメールを送りましょう。

メールでは感謝や謝罪をあらためて記し、記録としても残しておくと安心です。

③ 理由は事実を簡潔・誠実に伝える

内定辞退の理由は、事実を元に簡潔かつ誠実に伝えることが大切す。「他社を選んだ」「家庭の事情が変わった」「将来の方向性を見直した」など、具体的かつ納得感のある理由を心がけましょう。

嘘や曖昧な説明は、信頼を損ねる原因になります。ただし、相手企業を否定するような言い回しや、ネガティブな内容の強調は避けてください。

「貴社にも魅力を感じていたが、最終的には別の選択をした」というような、配慮ある伝え方を意識しましょう。自分の意思で判断したことを伝えることで、相手も納得しやすくなります。

④ 感謝と謝罪の言葉を丁寧に伝える

内定をもらったことに対する感謝、そして辞退によって迷惑をかけることへの謝罪は、必ず伝えるべきポイントです。

特に、面接や連絡の中で丁寧に対応してもらった企業には、その感謝をしっかりと言葉で表現しましょう。

「選考過程でのご配慮に感謝しております」「このような結果となり申し訳ございません」といった一文があるだけで、相手の受け取り方が変わります。

言葉は短くても構いませんが、真摯な気持ちを込めて表現することが大切です。丁寧な感謝と謝罪の言葉が、最後の印象を良くしてくれます。

⑤ 敬語や丁寧語を使い失礼のない表現を心がける

辞退の連絡は社会人としての言葉遣いが試される場面でもあります。間違った敬語や口語的な表現は相手の心証を損なう原因になるため、注意が必要です。

「すみません」ではなく「申し訳ありません」、「了解しました」ではなく「承知いたしました」など、より丁寧な言葉を選んでください。

また、電話では焦って言葉が乱れやすいため、事前に伝える内容をメモしておくと安心です。メールや手紙では、何度か読み返して誤字脱字や表現ミスをチェックしましょう。

丁寧な言葉遣いは、文章そのもの以上に誠意を伝える重要な要素です。

⑥ 企業の業務時間内に連絡するよう配慮する

企業に連絡を入れる際は、相手の都合に配慮した時間帯を選ぶことがマナーです。目安としては、平日の10時〜12時、または14時〜16時頃が理想的とされています。

この時間帯であれば、担当者も比較的落ち着いて対応しやすいでしょう。反対に、朝一番や昼休み直前・直後、終業間際の連絡は避けるのが無難です。

メールを送る際も、深夜や早朝は避け、営業日の午前中に届くよう調整してください。相手の状況を思いやる姿勢こそが、辞退の場面でも好印象を残す最大の鍵です。

【電話】内定承諾後の辞退連絡の例文

内定を承諾したあと、辞退の連絡を電話で伝えるのはとても緊張するものです。どう切り出せばよいのか、どこまで説明すべきか迷う方も多いでしょう。

ここでは、電話で辞退を伝える際に使える例文を、状況別にわかりやすく紹介します。

  1. 担当者在席時の電話例文
  2. 担当者不在時の伝言例文
  3. 理由を聞かれた際の対応例

担当者在席時の電話例文

内定を承諾した後での辞退連絡は、相手に失礼がないように伝えることが大切です。ここでは、担当者が在席している場合の電話での例文を紹介します。

「お世話になっております。〇〇大学の△△と申します。◯月◯日に内定をいただき、承諾させていただいた件でご連絡いたしました。人事ご担当の□□様はいらっしゃいますでしょうか?」

(担当者に代わる)

「改めまして、〇〇大学の△△と申します。このたびは内定をいただきありがとうございました。大変心苦しいのですが、慎重に考えた結果、別の進路を選ぶことにいたしました。

誠に申し訳ございませんが、内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。これまでご丁寧にご対応いただき、心より感謝申し上げます。」

この例文では、冒頭で名乗ったうえで、感謝と謝罪をバランスよく伝えることを意識しています。辞退理由はあえて簡潔にとどめることで、相手に配慮した印象を与えることがポイントです。

担当者不在時の伝言例文

内定辞退の電話をかけた際に、担当者が不在で直接話せないこともあります。ここでは、伝言を残す場合の丁寧で分かりやすい例文をご紹介します。

「お世話になっております。〇〇大学の△△と申します。

◯月◯日に内定をいただきました件で、人事の□□様宛にご連絡いたしましたが、本日はご不在とのことでしたので、伝言をお願いできますでしょうか。

大変恐縮ではございますが、慎重に検討した結果、内定を辞退させていただくご連絡でございました。お手数をおかけしますが、□□様にその旨お伝えいただけますと幸いです。

後ほど改めてお電話させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。」

この例文では、簡潔かつ誠実な伝言の内容に加えて、折り返しの意志も伝えています。同様の伝言文を書く際は、謝罪・要件・再連絡の流れを意識しましょう。

理由を聞かれた際の対応例

内定辞退の電話をした際に、担当者から「辞退の理由」を尋ねられることがあります。ここでは、正直さと配慮を両立した伝え方の例文をご紹介します。

「ご丁寧にご対応いただき、ありがとうございました。

今回辞退のご連絡をさせていただいた理由ですが、実は大学3年のときに参加したインターンシップの経験が心に残っており、

その企業から改めて内定をいただいたため、そちらで働くことを決めました。

貴社にも大変魅力を感じておりましたので、最後まで悩みましたが、自分の進路として納得のいく選択をすることを優先させていただきました。

貴重なお時間とご配慮をいただいたにもかかわらず、このような結果となり、大変申し訳ありません。」

この例文では、自身の経験に基づいた理由を具体的に伝えつつ、相手企業への敬意と謝意を忘れずに表現しています。「納得のいく選択」を軸にすると伝えやすくなるでしょう。

【メール】内定承諾後の辞退連絡の例文

メールでの辞退連絡は、言葉選びや構成次第で相手に与える印象が大きく変わるのです。誠意を伝える文面を準備したい方のために、ここでは目的や状況に応じた例文を紹介します。

  1. 簡潔な辞退メール例文
  2. 丁寧な辞退メール例文

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簡潔な辞退メール例文

企業に内定承諾後の辞退を伝える際、できるだけ早く簡潔に連絡を済ませたいという方も多いでしょう。ここでは、形式的でありながらも誠意を込めた、シンプルな辞退メールの例文を紹介します。

件名:内定辞退のご連絡(〇〇大学・山田太郎)

株式会社〇〇
人事部 〇〇様

お世話になっております。〇〇大学〇〇学部の山田太郎です。
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。

熟慮を重ねた結果、大変恐縮ではございますが、内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。

貴社の選考では丁寧にご対応いただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
ご期待に沿えず申し訳ありませんが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

末筆ながら、貴社のさらなるご発展を心よりお祈り申し上げます。

山田太郎
メール:xxxx@example.com
電話:090-xxxx-xxxx

迷いがないことを明確にしつつ、感謝とお詫びを簡潔に伝えるのがポイントです。件名・本文ともに形式を押さえることで、誠実な印象を保てます。

丁寧な辞退メール例文

ここでは、選考や面談で丁寧な対応をしてくれた企業に対して、感謝の気持ちをしっかり伝えたい場合に使える、丁寧な内定辞退メールの例文をご紹介します。

件名:内定辞退のご連絡(〇〇大学・佐藤花子)

株式会社〇〇
人事部 〇〇様

お世話になっております。〇〇大学経済学部の佐藤花子です。
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。

貴社の選考を通じて、社員の皆さまのお人柄や職場の雰囲気に魅力を感じ、深く感謝しております。

しかしながら、自己の適性や将来の方向性を再考した結果、別の道に進む決意をいたしました。

ご期待に沿えず誠に申し訳ございません。貴重なお時間と機会をいただき、心より感謝申し上げます。

末筆ながら、貴社の今後ますますのご発展をお祈り申し上げます。

佐藤花子
メール:hanako.sato@example.com
電話:080-xxxx-xxxx

感謝の気持ちを具体的に書き、辞退の理由は丁寧ながら簡潔にまとめると好印象。敬意と誠意を文面全体に込めることが大切です。

辞退を伝えた際の企業の反応に対する対処法

内定承諾後に辞退を申し出ると、企業側からどのような反応があるのか不安になる方も多いはずです。ここでは、よくある企業の反応とその対処法を5つのケースに分けて紹介します。

  1. 叱責された場合:落ち着いて謝罪の気持ちを伝える
  2. 引き止められた場合:迷いがないことをはっきり示す
  3. 辞退理由を深掘りされた場合:本音と配慮のバランスを意識する
  4. 訪問を求められた場合:必要性を見極めて丁寧に対応する
  5. 対応に不安がある場合:大学のキャリアセンターなどに相談する

① 叱責された場合:落ち着いて謝罪の気持ちを伝える

辞退を伝えた際、企業の担当者から強い口調で叱責されることがあります。たとえ厳しい言葉をかけられても、感情的に返すのは避けてください。

「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」と、まずは落ち着いて謝意を伝えましょう。採用活動には時間もコストもかかるため、企業が落胆するのは当然です。

ただし、辞退の決断そのものを変える必要はありません。自分の意思をしっかり持ちつつ、相手には誠意ある対応を心がけてください。丁寧な言葉遣いと冷静な姿勢が、信頼を損なわない対応につながります。

② 引き止められた場合:迷いがないことをはっきり示す

辞退を申し出ると、企業から「もう一度考えてほしい」と引き止められることがあります。好条件を提示されたり、再検討を促されたりする場面もあるでしょう。

それでも辞退の意思が固い場合は、「お気持ちはありがたいのですが、決意は変わりません」とはっきり伝えてください。曖昧な返答をしてしまうと、企業側も判断に迷ってしまいます。

迷いのない態度を示すことは、相手にとっても誠実な対応です。自分の決断に自信を持ち、丁寧かつ明確に伝えましょう。

③ 辞退理由を深掘りされた場合:本音と配慮のバランスを意識する

辞退を申し出た際、「なぜですか」「理由を詳しく聞かせてください」と問われることがあります。その場合、正直に話すことも大切ですが、相手への配慮を忘れないようにしましょう。

たとえば、「他社の条件が良かった」と直接言うよりも、「自分の進路について慎重に考えた結果、別の選択をすることにしました」といった表現のほうが角が立ちません。

本音を伝えながらも、相手の立場に配慮した言い回しを意識してください。丁寧な対応が、信頼関係を崩さず辞退を受け入れてもらうポイントになります。

④ 訪問を求められた場合:必要性を見極めて丁寧に対応する

企業から「一度会って話がしたい」と訪問を求められることもあります。その際は、訪問の必要性と自身の状況をよく見極めて判断してください。

すでに辞退の意思が固まっているなら、「お気持ちはありがたいのですが、結論は変わりません」と丁寧にお断りするのも一つの選択です。相手の厚意に対しては、感謝の気持ちを忘れずに伝えることが大切です。

もし訪問が必要と感じた場合は、誠実な態度で対応しましょう。どちらの対応を選ぶにしても、相手に対する丁寧さは常に意識してください。

⑤ 対応に不安がある場合:大学のキャリアセンターなどに相談する

辞退の伝え方や企業の反応に不安を感じたときは、一人で抱え込まずに信頼できる相談先に頼ってください。

大学のキャリアセンターやゼミの先生、先輩などに相談すれば、的確なアドバイスがもらえるでしょう。

特にキャリアセンターは、企業とのやり取りに慣れており、状況に応じた対応方法や言い回しを提案してくれます。不安なまま対応するよりも、相談して準備した方が落ち着いて行動できるでしょう。

就職活動は一人で進めるものではありません。困ったときは、ためらわずに周囲のサポートを受けてください。

内定承諾後の辞退には冷静な判断と丁寧な対応が不可欠

内定承諾後の辞退は法律上可能ですが、社会人としての信頼や将来のキャリアに影響を及ぼす可能性があるため、慎重な判断が求められます。

リスクやマナーを理解し、正当な理由がある場合は、誠意をもって対応することが大切です。

内定承諾書の意味や辞退に伴う流れ、連絡方法も押さえておくことで、スムーズかつトラブルのない辞退が可能になります。電話やメールでの伝え方、企業の反応への対処法も事前に確認しておきましょう。

内定承諾後の辞退は、一つの決断ではなく、丁寧な準備と行動によって相手の理解を得るプロセスです。焦らず冷静に、相手への配慮を忘れず対応してください。

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    「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。