【デザイナーになりたい人必見】仕事内容と目指す方法を解説
「デザイナーになりたいけれど、どんな仕事内容なんだろう?年収や将来性は?」と気になっていませんか?
デザイナーと一言で言っても、ファッションデザイナーやWebデザイナーなど様々な分野で活躍するデザイナーがいます。
そこで、「デザイナーの種類」や「デザイナーの基本情報」、「デザイナーを目指す方法」などを詳しく解説します。
さらに、「デザイナーに求められる能力」や「デザイナーの面接までにやること」も紹介していますので是非参考にして下さい。
デザイナーの仕事とは?
デザイナーとは、クライアントの要求に応じ、様々な製品の見た目や構造をデザインする職業です。
デザイナーが活躍する業界は、広告や出版物、映像、アパレル、工業、住宅・建築業界など幅広く、仕事のジャンルによって求められる知識やセンスも異なります。
いずれにせよ、機能性や実用性、美的センスや独創性など様々な目的を果たすためのデザインを考え実用化することで、私たちの暮らしの至る所で役立てられていますよ。
デザイナーの仕事に関する4つの基本情報
デザイナーを目指しているなら知っておきたい、デザイナーの基本情報を紹介します。
①主な就職先
デザイナーの主な就職先は、目指すデザイナーの種類によっても大きく異なります。
下記は、デザイナーの種類別の主な就職先です。
広告代理店・制作会社・出版 | グラフィックデザイナー/Webデザイナー/エディトリアルデザイナー |
ゲーム制作会社 | ゲームデザイナー/CGデザイナー |
一般企業・メーカー | プロダクトデザイナー/インダストリアルデザイナー/パッケージデザイナー |
アパレルメーカー | ファッションデザイナー/テキスタイルデザイナー/コスチュームデザイナー |
デザイン事務所 | 空間デザイナー/プロダクトデザイナー/インダストリアルデザイナー/エクステリアデザイナー/パッケージデザイナー/グラフィックデザイナー |
建築や設計関係 | 空間デザイナー/エクステリアデザイナー/CGデザイナー |
②雇用形態
デザイナーの雇用形態は、正社員、契約社員、派遣社員、フリーランスなどざまざまな雇用形態があります。
正社員や契約社員の場合、企業と直接雇用契約を結び(派遣社員は派遣会社と雇用契約を結び)企業の指示によって業務を行うので、経済的には安定していますが自由度は低くなりますよ。
一方のフリーランスは、時間や場所にとらわれず働いたら働いた分だけ収入アップを目指せますが、仕事がなければ月収0円もあり得ます。
しかし、クリエイティブスキルに加え、営業スキルが備わっていれば、フリーランスでも収入アップを目指せるでしょう。
③年収
日本政府が調査した2022年「賃金構造基本統計調査特別集計に基づく職種別賃金の研究」によると、デザイナーの平均月給は約38.7万円、賞与は82.9万円でした。
そのため、平均年収は547万円となります。この数値はあくまで平均のため、継続年収やスキルによって大きく異なるので注意して下さい。
④将来性
デザインは、様々な分野で求められているため、経済成長や社会的変化に伴い、常に求められる存在であることから、今後もデザイナーの需要は高まる傾向です。
近年デザイン業界では、MidjourneyやStable Defusion、CanvaにもAIデザイン機能のようなAIを活用した画像生成やデザインサービスが急激に普及しています。
しかし、クライアントを正しく導いて、課題解決につなげるのがデザイナーの役割であることから、AIだけで課題解決できません。
また、AIに指示するために、適切なプロンプト(AIと対話形式でコミュニケーションを取る際にユーザーが示すテキストのこと)が書けないことから、デザイナーの将来性は期待できます。
デザイナーが活躍する4つの分野
デザイナーが活躍する分野は、大きく4つに分けられます。分野ごとの仕事内容や職種を解説していきますので、是非参考にして下さい。
①ビジュアルデザイン
ビジュアルデザインとは、視覚伝達デザインとも呼ばれ、映像・イラスト・写真・文字などを使って視覚で情報を伝達するデザインです。
雑誌やポスター、ウェブサイトなど、日常生活の色々なところで目にする機会が多いでしょう。
ビジュアルデザインは、配置を決める「レイアウト」や「配色」、文字や文章を読みやすくし美しく見せるための技術「タイポグラフィ」の3つが大事です。
ビジュアルデザインには、6種類のデザイナー職がありますので1つ1つ見ていきます。
Webデザイナー
Webデザイナーはその名の通り、WebサイトやWeb広告のデザインを行う仕事です。
サイトの雰囲気や配色、レイアウトなど、細部にいたるところまでデザインします。
Webデザイナーの仕事は、サイトの見た目を良くするだけでなく、使いやすいデザインにすることも重要ですよ。
グラフィックに関わるデザインは、Photoshopやillustratorなどのソフトを使うのが一般的で、「HTML」や「JavaScript」など、コーディングのスキルも磨いておくと良いでしょう。
グラフィックデザイナー
グラフィックデザイナーは、雑誌の表紙、商品のパッケージ、ポスターなどの印刷物にデザインする仕事です。
クリエイティブで華やかなイメージですが、コンセプトからターゲットを絞り、そのターゲット層に受け入れられるデザインにする難しさがありますよ。
グラフィックデザイナーは、完成するまでに多くの工程と細やかな作業を求められますが、自分が手掛けたデザインを世に送り出すことに喜びややりがいを感じる人が多くなります。
グラフィックデザイナーとして実績を積んだのちは、広告全体を指揮するアートディレクターへとステップアップする人や独立してフリーで働く人もいます。
エディトリアルデザイナー
エディトリアルデザイナーは、雑誌やカタログなどの出版物に特化したレイアウトデザインを手掛ける仕事です。
出版物の誌面の美しさと読みやすさを考慮しながらデザインするデザイナーのことで、ページの多い出版物は特に重宝されますよ。
主な仕事は、テキストや写真、イラストの整理やレイアウト調整を行い、読者にとって伝わりやすく、読みやすい紙面をデザインすることです。
そのため、デザイン業と編集業の中間的な職業ともいわれており、ページの流れを崩さないように全体のレイアウトを考え、読みやすい誌面に編集することが大事になります。
CGデザイナー
CGデザイナーは、コンピューターを使ってCGを制作する人のことをいい、「CGアーティスト」「CGクリエイター」とも呼ばれています。
2Dや3Dのグラフィックを制作する仕事が多く、ゲームやアニメ、映画やVR、建築業界などでも使われている技術です。
CGデザイナーは、CGに動きをつける「アニメーター」やCGソフトを使い立体的に作る「モデラー」、現実的な質感などを表現ができる「テクスチャリング」の3職種がありますよ。
CGデザイナーは、専門的な知識や技術量が非常に多いため、独学で学んでいくことはなかなか難しいでしょう。
デザインを専門で学べるスクールで、スキルを習得することをおすすめします。
パッケージデザイナー
購買意欲を刺激させる「買わせるデザイン」の専門家、それがパッケージデザイナーです。
クライアントの要望を組み込み、商品のコンセプトやターゲットを決め、印象に残るデザインで購買意欲を掻き立て刺激します。
商品のパッケージの良し悪しで大幅に売り上げが変わることもあるので、キャッチコピーやイラスト、色合いなど広告のイメージが大事ですよ。
手掛けたパッケージデザインが採用され、店頭に並んでいるのをみたり、ヒット商品になることで大きなやりがいを感じられるでしょう。
ゲームデザイナー
ゲームデザイナーは、ゲームの基本的な設計を行う仕事で、ゲームプランナーと呼ばれています。
幅広い知識が必要なだけでなく、ゲームの流行にも敏感でなければなりません。
ゲームデザイナーは、資格を保有していることで採用が有利に働くこともあるため資格取得もおすすめです。
ゲームデザイナーにおすすめの資格 |
CGクリエイター検定/Illustratorクリエイター能力認定試験/Photoshopクリエイター能力認定試験/マルチメディア検定 |
ゲームデザイナーからは、ゲームディレクターやゲームプロデューザーへとキャリアパスが広がり、高収入も狙うことも可能になります。
②プロダクトデザイン(プロダクトデザイナー)
プロダクトデザインとは、プロダクト(製品)をデザインすることです。
小さな生活用品から家電製品、自動車や飛行機などの大きなものまで、ありとあらゆる製品にデザインします。特に自動車ややカメラ、事務機器などの工業製品のデザインを行う職業をインダストリアルデザイナーといいますよ。
専門的な知識・技術に加えて美的センスが問われる仕事であるため、プロダクトデザイナーを目指す場合には専門学校等で造形を学んで下さい。
メーカーやプロダクトデザイン事務所に就職する流れが一般的で、時代の要求に応える提案ができるプロダクトデザイナーの需要は、今後も伸びていくでしょう。
③スペースデザイン(空間デザイナー)
空間デザイナーは、商業施設や一般住宅、ホテルやイベントブースなどあらゆる空間をデザインする仕事です。
空間デザイナーは、家具・インテリア・建築を総合的に考えて、その空間を快適に過ごせるように工夫を凝らしつつデザインしなければなりません。
幅広い業務内容をこなすために、空間デザイナーは、建築の知識や「実践空間ディスプレイデザイン認定試験」の資格を取得しておけば有利でしょう。
また、様々な方法でデザインを具体的な形にするので、CADやプレゼンテーション能力も必要なスキルです。
エクステリアデザイナー
エクステリアデザイナーは、塀や門など様々な建物の外観をデザインする仕事です。
仕事の流れは、外観のデザインを設計して、施工に必要な資材などを手配し、外観工事の管理を行います。
既存製品を上手に活用して外観を作り出すこともあれば、独自のアイデアを用いて他にはないデザインや機能を追加することもあるでしょう。
エクステリアデザイナーは、デザインの知識(プロダクトデザイン、空間デザインなど)、建築関係の知識、CADの操作技術などが求められます。
インテリアデザイナー
インテリアデザイナーは、家具・インテリア雑貨などを含めた、室内の空間を総合的に設計する仕事です。
依頼者や建築業者とも相談しながら、より過ごしやすく快適な空間を作り出すことを目的としていますよ。
インテリアデザイナーは資格がなくても就ける仕事ですが、資格をもっている方が有利です。
特に、インテリアデザイナー・インテリアプランナー・インテリアアドバイザー・CADなどの資格をもっていればかなり強みになるでしょう。
インテリアデザイナーは、家具や照明器具の設計はもちろん、それらの配置や室内の構成も行い、建築企画段階から完成まで監督することもあります。
④ファッションデザイン(ファッションデザイナー)
ファッションデザイナーは、服やバッグ、靴や帽子などファッションに使われているものをデザインします。
ファッションデザイナーは流行を生み出す仕事でもあり、ファッションセンスのみならず、時代を先読みする力が必要です。
華やかなイメージがあるため、デザイナーの中でも人気の高い職種ですが、同時に時代や人々の嗜好、マーケティング戦略も考えるべき高度な専門職でもありますよ。
自分が手掛けた洋服を着ている人に会うだけでも、大きなやりがいを感じることができ、知名度が上がれば収入アップにも繋がる職業です。
テキスタイルデザイナー
テキスタイルデザイナーは、ファッションアイテムの生地や服飾雑貨、インテリア素材の生地の織り方や染色方法、プリントの柄、デザイン、加工を企画から生産まで手がける職種になります。
生地は糸問屋などとの相談の上、糸を選定して織り方を考案するため、織物の織り方や糸の種類についても熟知していることも大切です。
プリント地の場合には、プリント柄の図案を描き、染色工場と相談しながら染料や色を決めて、生地の柄を作り出しますよ。
デザインした生地が生産される段階では、工場に出張して糸の染色具合や織り具合をチェックして、必要があれば修正を指示します。
テキスタイルデザイナーの業務内容は広く、色彩感覚やコミュニケーション能力など幅広い能力が求められるでしょう。
コスチュームデザイナー(衣裳デザイナー)
コスチュームデザイナーとは、映画や舞台、バレエ、ダンス、音楽ライブなどで使用する1点物の衣裳やドレスを製作する仕事です。
衣裳デザイナーは、脚本家や監督、演出家から依頼を受けて、そのストーリーや世界観に合った様々なコスチュームを製作し、シーンにぴったりの質感や色彩をバランスよく表現することが重要ですよ。
そのため、服飾の知識や裁縫技術のほかに、華やかで動きやすい衣裳を作り出す「発想力」や、一見衣裳製作に関係なさそうな「物語の読解能力」などのスキルも必要とされています。
登場人物それぞれの服やアクセサリー、カラーストーリーを作ることで、コスチュームデザイナーは作品全体の中で重要な役割を担っています。
デザイナーを目指す方法
「デザイナーになりたいけど、なる方法が分からない」という方のために、デザイナーを目指す4つの方法を紹介します。
①デザイン専門の学校に通う
デザイナーとして活躍している人の中には、デザインの専門学校でデザインの基礎をしっかり学んだという方もいます。
デザイン専門の学校であれば、著名な先生からデザインのコツを学べ、同じ目標に向かって励んでいる友達もできるでしょう。
しかし、デザイン専門の学校へ通うにしても最低2年は学ぶことになるので、費用が掛かってしまうのがデメリットです。
その場合、カリキュラムに沿って体系的に学べる民間スクールで学ぶ方法もあります。
②独学でデザインを学ぶ
お金をかけずに、デザイナーを目指したい方は、独学でデザインの基礎を学ぶこともできますよ。
自分がなりたいデザイン関連の有名な本を数冊読んだり、YouTubeでデザインを教えてくれる動画を見たりして学びます。
また、デザインのセミナーも数多くあり、実績のあるデザイナーさんの講座を受講できれば、デザインの基礎~応用まで学ぶことができるのでおすすめです。
SNSでデザイン系のアカウントをフォローしておくと、デザイナー企業の有益な情報を収集できる可能性もあるのでチェックしておきましょう。
③未経験でもできる求人を探す
未経験OKの求人でデザイナーを目指す方法もあります。
求人サイトを覗いてみると、「9割が未経験スタート」や「6ヶ月研修で未経験でもじっくり学べる」などの求人が東京都だけでも1,783件ありました。(2024年8月23日現在)
勉強するより、働きながらデザインのスキルを身に付けたいという方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
④デザイナーの仕事に役立つ資格を取る
未経験からデザイナーを目指す人は、デザイナー向けの資格を取得していればアピール材料になります。
クリエイター向けの資格取得は、履歴書に記載できる上、自分のスキルを客観的に証明できます。おすすめの資格は以下の通りです。
- Photoshopクリエイター能力認定試験
- Illustratorクリエイター能力認定試験
- CGクリエイター検定
デザイナーに求められる能力
デザイナーを目指している方は、これからどんな能力を身に付けたらいいのか知りたいですよね。
そこで、デザイナーに求められる4つの能力を紹介します。
①情報収集力
デザインをする上で必要なスキルは、センスではなく、実は情報収集力です。
デザイナーは、センスがいいに越したことはありませんが、センスがいいからと言って優れたデザイナーとは限りません。
デザイナーの仕事は、感覚的なものよりもお客様が求めるイメージを具現化させることです。
与えられた情報の中から、アイデアのヒントが生まれる形にしていくため、情報収集力がとても重要になります。
②スケジュール管理能力
デザイナーにとって、スケジュール管理能力は何よりも大事です。
スケジュール管理を誤ってしまうと、納期遅れなど取引先の信用を失うことにつながりかねません。
また、うまくスケジューリングができていなければ、自分のこなせる以上の仕事を抱えてしまい、残業で疲弊してしまう可能性もあります。
そのような事態に陥らないように、スケジュール管理をきちんと行い、自分の作業スピードを把握して、確実な納期の提案をしましょう。
③ソフトウェアのスキル
多くのデザインは、ソフトウェアを使って作成されるので、ソフトウェアのスキルが求められます。
自分の考えたデザインを形にするためには、ソフトウェアが適切に扱えないといけません。
デザイナーの多くが使っているソフトウェアは、「illustrator」、「Photoshop」、「InDesign」になります。
動画などで操作方法を独学で学ぶこともできますが、身近で詳しい方がいれば教えてもらいましょう。
④コミュニケーションスキル
デザイナーは、クライアントの要望を聞き出したり、エンジニアや営業など他の部署との連携も多いので、コミュニケーションスキルが必要です。
自分のデザインや考えをプレゼンテーションすることもあるので、簡潔に伝える能力も大切になってきますよ。
デザイナーは、自分の好きなものを作るアーティストと違い、クライアントの要望に沿ったデザインを作るため相手を不快な気持ちにさせないよう心がけることが大事です。
デザイナーの面接までにやるべきこと
様々なデザイナーの職種がありますが、どの職種にも共通して、面接前にやっておくべき行動が3つあるので紹介します。
①将来のビジョンを明確にしておく
デザイナーの面接前までにやっておくべきこと1つ目は、将来のビジョンを明確にしておくことです。
「私は、将来〇〇の仕事に携わりたいです」と明確に伝えることができれば、入社への意欲やモチベーションの高さを評価してもらえるでしょう。
また、「5年後は〇〇の資格を取得し………」と資格試験の勉強をしていることをアピールしても好印象です。
②今まで手掛けた作品を準備しておく
デザイナーの面接前までにやっておくべきこと2つ目は、今まで手掛けた作品を準備しておくことです。
デザイナーのスキルは、実際に作った作品を見るのが一番正確な判断ができます。
そのため、面接の際は今まで作った作品をポートフォリオにまとめておき、すぐに出せるように準備しておきましょう。
③最新の技術を勉強しておく
デザイナーの面接前までにやっておくべきこと3つ目は、最新の技術を勉強しておくことです。
デザイナーは、日々変化しているインターネットを使って仕事をすることが多いため、常に最新技術を身に付けておくことが重要になります。
自分の知っている技術が古くなって使えないという事態にならないように、アップデートしておきましょう。
自分に合ったデザイナーの仕事を見つけよう
デザイナーとは、クライアントの要求に応じ、様々な製品の見た目や構造をデザインする職業です。
デザイナーは4つの分野に分けられ、分野ごとに仕事内容や職種も大きく違うので、自分がどんな職種をやってみたいのか考えてみましょう。
デザイナーは独学でも学べますが、専門的な知識や技術量が非常に多い分野に関しては、デザインを専門で学べるスクールで、スキルを習得することをおすすめします。
デザイナーは、「情報収集力」、「スケジュール管理能力」、「ソフトウェアのスキル」、「コミュニケーションスキル」がとても大事です。
デザイナーの面接までに、最新の技術を勉強し、作品をたくさん作り、将来のビジョンを明確にしておけば採用の可能性が高まるでしょう。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部