カジュアル面談とは?面接との違いから準備・進め方・逆質問対応まで徹底解説
候補者とのミスマッチを減らしたい、もっと自社のことを知って欲しい採用担当者や経営層の方も多いでしょう。そのひとつの手段として「カジュアル面談」が昨今注目されています。
しかし、カジュアル面談はうまく使えば採用にプラスの効果をもたらす一方で、目的意識をもって実施しないとただ担当者の時間を無駄に使うだけになってしまいます。
この記事では、カジュアル面談の概要や面接との違いだけではなく、実施の際の注意点や効果的に実施するためのポイントについても詳細に解説しますので、ぜひ参考にしてください。
面接で選考通過を目指そう!
カジュアル面談とは
カジュアル面談とは、公式の選考ではなく、企業と候補者がリラックスして相互理解を深める場です。
まずはカジュアル面談について理解するにあたって、以下の3つのポイントを見ていきましょう。
- カジュアル面談の目的や位置づけ
- 通常の採用面接との違い
- カジュアル面談がいま注目されている背景
①カジュアル面談の目的や位置づけ
カジュアル面談の主な目的は、企業と候補者がフランクな環境でお互いのことを知ることです。
正式な選考プロセスに入る前に、候補者の興味や価値観が企業とマッチするかを確認する場として位置づけられています。
また、候補者に対して企業のカルチャーや働き方を紹介する絶好の機会でもありますよ。
②通常の採用面接との違い
通常の採用面接が評価と選考を重視するのに対し、カジュアル面談で重視するのはコミュニケーションです。
面接官は候補者のスキルや経験だけでなく、人柄や価値観についても理解を深められます。
これにより正式な面接の前にお互いのフィット感を確認でき、無駄な選考を減らせますよ。
③カジュアル面談がいま注目されている背景
労働市場の変化と企業の採用戦略の進化を背景に、カジュアル面談は現在注目を集めています。
現代の求職者は多様な選択肢を持っているため、企業は候補者との初期接触をより柔軟で親しみやすくすることが必要です。
このような状況下で、カジュアル面談は候補者に企業の魅力をアピールする効果的な手段として重要性を増していますよ。
カジュアル面談を行うメリット・デメリット
企業側がカジュアル面談を行う際には、メリットもデメリットも存在するため、それぞれ見ていきましょう。
- カジュアル面談の3つのメリット
- カジュアル面談の2つのデメリット
①カジュアル面談の3つのメリット
カジュアル面談を実施する主要なメリットは以下の3つです。
- 潜在的な転職者や優秀層に出会える
- 候補者に自社を知ってもらう機会を作れる
- ミスマッチを減らし選考の負担を軽減できる
潜在的な候補者や優秀層に出会える
カジュアル面談は、潜在的な候補者や優秀な人材と出会う絶好の機会です。
リラックスした雰囲気で話すことで彼らの本音や隠れたスキルを引き出すことができ、将来的な採用につながる可能性の向上が期待できます。
候補者に自社を知ってもらう機会を作れる
カジュアル面談は、候補者に自社の文化や働き方を直接伝える貴重な機会です。
企業のビジョンやミッション、具体的な業務内容を詳しく説明することにより、候補者により深い理解と興味を持ってもらいやすくなります。
また、リアルな職場環境やチームメンバーとの交流を通じて、候補者が自社で働く姿を具体的にイメージできますよ。
ミスマッチを減らし選考の負担を軽減できる
カジュアル面談により、早期に候補者のフィット感を確認できミスマッチを減らす効果があります。
正式な選考に入る前にお互いの期待をすり合わせることで、後々の選考プロセスをスムーズに進められます。
これにより、企業にとっても候補者にとっても時間とリソースの無駄を減らし、より効果的な採用につながりますよ。
②カジュアル面談の2つのデメリット
カジュアル面談はいい部分だけではなく、もちろんデメリットになりうる部分もあります。
特に以下の2つのポイントには注意しましょう。
- 面談担当者のリソースを使ってしまう
- 目的意識がないと「ただの雑談」になってしまう恐れもある
面談担当者のリソースを使ってしまう
カジュアル面談は、担当者の時間と労力を必要とします。例えば、面談の準備や実施、候補者とのフォローアップなどに多くのリソースが割かれます。
これが他の業務に影響を及ぼす可能性があり、特に多忙な時期や人手不足の際には大きな負担となりますよ。
したがって、効果的に時間を管理し、リソースの配分の工夫が求められます。
目的意識がないと「ただの雑談」になってしまう恐れもある
カジュアル面談はリラックスした雰囲気を重視するため、明確な目的意識がないと単なる雑談に終わってしまうリスクがあります。
例えば、候補者のスキルや志向性を具体的に確認する計画がなければ、有意義な情報が得られず、結果として面談の成果が低くなります。
このような事態を避けるために、面談前に目的を明確にし、具体的な質問リストの用意が重要となるでしょう。
カジュアル面談の事前準備で必要なこと
カジュアル面談を行うにあたって、担当者が準備しておくべき項目は事前、最中、事後で大きく以下の3つがあります。
- 事前に資料などを渡す
- 質問内容などをまとめる
- その後の対応を準備する
①事前に資料などを渡しておく
面談前に候補者に会社案内や仕事内容の資料を提供しておくと、面談がスムーズに進行します。
例えば、会社のビジョンやミッション、最近のプロジェクトの詳細などを共有をすることで、候補者は具体的な質問や意見を準備しやすくなるでしょう。
②質問内容などをまとめておく
面談の質を高めるためには、事前に質問内容をまとめておくことが重要です。これにより、面談中にスムーズに話を進められ、相手に対して的確な質問を行えます。
質問は具体的かつ相手の興味や関心に沿った内容に最適化すれば、より有意義な面談となるでしょう。
③その後の対応を準備しておく
カジュアル面談後のフォローアップも重要な準備の一環です。
面談で得た情報やフィードバックをもとに次のステップを計画し、迅速に対応すれば、信頼関係を築きやすくなるでしょう。
例えば、面談後にお礼のメールを送ることや、次回の面談の日程を調整するなど、適切なフォローアップを心がけましょう。
カジュアル面談の当日の流れと進め方
カジュアル面談当日の流れとしては、大きく以下の6つのステップで進めることが多いくなります。
- 自己紹介
- 面談の目的をすり合わせる
- 候補者へのヒアリング
- 自社の説明
- 質疑応答
- 今後の選考意思の確認とスケジュール調整
①自己紹介
面談はまず自己紹介から始まります。面談者と候補者がお互いの名前や役職を紹介し、リラックスした雰囲気を作ります。
ここでのポイントは、候補者に安心感を与え面談を円滑に進めるための信頼関係を築くことです。
②面談の目的をすり合わせる
自己紹介が終わった後は、面談の進行をスムーズにするために改めて面談の目的を確認しましょう。
例えば「候補者の経歴やスキルを把握する」「会社のカルチャーを説明する」などお互いにとってのゴールを明確にしましょう。
この段階でお互いの期待を明確にし面談の方向性を合わせることが重要です。
③候補者へのヒアリング
次に候補者に対して質問を行い、経歴やスキル、これまでの経験などを詳しく聞き出します。
質問内容は事前に準備しておくと、効率的にヒアリングを進められます。
④自社の説明
次に、自社についての説明を行います。企業のビジョンやミッション、業務内容、職場環境などを具体的に伝え、候補者に興味を持ってもらうことを目指します。
透明性を持って情報を提供し、候補者の信頼を得られます。
⑤質疑応答
自社の説明が終わった後は候補者からの質問に答える時間を設けましょう。
ここで疑問点や不安を解消できれば、候補者がより具体的に将来自社で働いている姿をイメージできるようになります。
ここでの対応が自社の信頼につながるため、多少苦しい質問をされたとしても、できるだけ具体的かつ誠実に回答することを心がけましょう。
⑥今後の選考意思の確認とスケジュール調整
最後に、今後の選考意思を確認し、もし意向がある場合には次のステップについてのスケジュールを調整します。
スケジュール調整は後回しにすると機会を逃してしまうきっかけになりかねません。
そのため、できる限りその場で意向を確認し、もし「少し考えたい」といった場合でも「いつまでに決められそうか」の目安を握っておきましょう。
また、面談の総括として、今後の期待やフォローアップの方法も伝えるとなお良いでしょう。
カジュアル面談を行う際の注意点
カジュアル面談を効果的に行い、採用や自社のアピールにつなげていくためには、事前準備はもちろん、以下のポイントの意識が重要です。
- 選考の場にしない空気づくりを心がける
- 自社の現状を正直に伝える
- 候補者に合わせて適切なメンバーをアサインする
- 候補者からの逆質問に対応できる準備をする
- 常に候補者目線で考える
①選考の場にしない空気づくりを心がける
カジュアル面談は、選考の場ではなく、リラックスした対話の場であることの強調が大切です。
候補者が緊張せず、本音で話せるような雰囲気を作り出すことで、双方にとって有意義な時間を過ごせます。
②自社の現状を正直に伝える
面談においては、自社の現状を正直に伝えることが求められます。
良い点だけでなく、課題や今後の展望についてもオープンに話すことで、候補者に対して信頼感の醸成ができます。
自社の現状を正確に伝え、透明性のあるコミュニケーションを心がけましょう。
③候補者に合わせて適切なメンバーをアサインする
カジュアル面談には、候補者に適したメンバーのアサインが重要です。
例えば、技術職の候補者にはエンジニアが参加するなど、相手の専門性に応じたメンバーを選ぶことで、より深い話ができるようになります。
④候補者からの逆質問に対応できる準備をする
候補者からの逆質問に対応できるように、事前の準備が必要です。
企業のビジョンや戦略、具体的な業務内容について詳しく説明できるようにしておくことで、候補者の疑問や不安の解消ができます。
⑤常に候補者目線で考える
面談中は常に候補者目線で考えることが大切です。
相手がどんな情報を求めているのか、どんな質問をしたいのかを意識しながら対話を進めることで、候補者にとって有益な時間を提供できます。
相手の立場に立ったコミュニケーションを心がけましょう。
【チャネル別】カジュアル面談を活用すべきタイミング
カジュアル面談の効果を最大化するためには、どのタイミングで実施するかも重要です。
タイミングは候補者と接点を持つチャネルによっても変わるので、以下の3つのチャネルについて見ていきましょう。
- ダイレクトリクルーティング
- リファラル
- 候補者からの応募
①ダイレクトリクルーティング|選考より先に実施すべき
ダイレクトリクルーティングでは、選考プロセスに入る前にカジュアル面談を行うことが推奨されます。
これにより、候補者が企業の雰囲気や文化を理解しやすくなり、ミスマッチを防げます。
また、候補者との関係性を早期に築くことで、選考へのモチベーションを高める効果も期待できますよ。
②リファラル|紹介者との関係性を重視して検討すべき
リファラル(紹介採用)の場合は、紹介者との関係性の重視することが重要です。
カジュアル面談を通じて、紹介者が推薦する候補者の理解を深め、候補者自身も紹介者との信頼関係を確認する機会を提供します。
リファラルは候補者の安心感を高め、スムーズな採用プロセスを進められますよ。
③候補者からの応募|担当者の負荷によっては書類選考との順番も意識
候補者からの応募があった場合、カジュアル面談を行うタイミングは書類選考との順番の考慮も重要です。
まず書類選考を通過した候補者に対してカジュアル面談を行い、面談を通じて企業と候補者の相性を確認しましょう。
その後正式な選考プロセスに進むことで、より適切なマッチングが可能となります。
カジュアル面談の質問例
続いて、カジュアル面談で利用できる質問例をいくつか紹介していきます。
企業側から候補者にするべき質問の例に加え、候補者からの逆質問の例も紹介しているため、ぜひ逆質問対応の準備にお役立てください。
なお、カジュアル面談でも候補者の資質に関係のない質問である「出生地」「宗教」「家庭環境」「恋人・結婚の予定有無」などは、避ける必要があり、注意が必要です。
- 企業側から候補者の質問例
- 候補者から企業側への質問例
①企業側から候補者の質問例
企業側から候補者に行う質問の例は以下の10個です。
- 現在の仕事で特にやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?
- あなたが過去に達成した成果の中で、特に誇りに思うものは何ですか?
- 新しい職場で特に重視する条件は何ですか?
- あなたのキャリアビジョンを教えてください。
- チームで働く際に大切にしていることは何ですか?
- これまでの仕事で学んだ最も重要な教訓は何ですか?
- どのような環境で最もパフォーマンスが発揮できると思いますか?
- あなたの得意なスキルや専門知識について教えてください。
- 過去に経験した職場での挑戦や困難をどのように乗り越えましたか?
- 当社の事業内容についてどのような印象を持っていますか?
候補者のパーソナリティを深堀りするために、過去の経験について問う質問をいくつか準備しておきましょう。
また、ミスマッチを減らすためにも自社に対するイメージ、キャリアビジョンなどついても聞くのがおすすめです。
②候補者から企業側への質問例
続いて、候補者から企業側への質問例は以下の10個です。
- 会社のビジョンやミッションを教えていただけますか?
- 企業文化や職場の雰囲気について教えていただけますか?
- チームのメンバー構成やリーダーシップスタイルについて教えていただけますか?
- 今後の成長戦略や新規プロジェクトについて教えていただけますか?
- このポジションで期待される具体的な業務内容や目標は何ですか?
- 新しいメンバーが入社した際のオンボーディングプロセスについて教えていただけますか?
- この会社で働く上で最も大切にされている価値観や原則は何ですか?
- 職務において自主性や創造性を発揮できる場面はどのように提供されますか?
- キャリアパスや昇進の機会について教えていただけますか?
- 現在の課題や改善点、またその対応策について教えていただけますか?
カジュアル面談では、候補者の方は純粋に気になる点を聞いてくることが多いです。
そのため、担当者としてはどこまで話してよいのかの線引はしたうえで、正直に伝えることための準備が大切です。
カジュアル面談についてよくある質問
最後に、カジュアル面談についてよくある質問と回答をまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
- カジュアル面談に適した服装は?ネクタイは着用すべき?
- カジュアル面談に履歴書は必要?
- カジュアル面談後の選考は辞退できる?
- カジュアル面談の種類はなにがある?
- カジュアル面談で内定や落選の連絡をしてもいい?
①カジュアル面談に適した服装は?ネクタイは着用すべき?
カジュアル面談では、ビジネスカジュアルな服装が理想的です。
ネクタイの着用は必須ではありませんが、会社の文化や業界の慣習に合わせることをおすすめします。清潔感のある服装であれば問題ありません。
②カジュアル面談に履歴書は必要?
カジュアル面談では履歴書を求めることは少ないですが、候補者の経歴を確認したい場合は持参をお願いすることもあります。
履歴書があれば具体的な質問がしやすくなりますので、必要に応じて依頼するようにしましょう。
③カジュアル面談後の選考は辞退できる?
カジュアル面談後の選考辞退は可能です。カジュアル面談はあくまでお互いの理解を深める場であり、必ずしも選考に進む必要はありません。
面談を通じて企業とのミスマッチを感じた場合は、正直に辞退の意思を伝えましょう。
④カジュアル面談の種類はなにがある?
カジュアル面談には、対面、オンライン、グループ面談などがあります。
状況に応じて適切な形式を選択し、候補者がリラックスして話せる環境を整えましょう。
⑤カジュアル面談で内定や落選の連絡をしてもいい?
カジュアル面談で内定や落選の連絡は通常行いません。面談は候補者と企業が互いに理解を深める場です。
そのため、担当者としては、たとえカジュアル面談の中で評価をしていたとしても、合格不合格といった形での連絡は避けましょう。
カジュアル面談で企業と候補者の理解を深めよう
この記事ではカジュアル面談とは一体どのような面談なのか、カジュアル面談の基本から実施のポイント、注意点まで詳しく解説しました。
カジュアル面談は、企業と求職者がリラックスした環境で相互理解を深める場として注目されています。
カジュアル面談を効果的に実施するためには、目的意識を持ち、事前準備と適切な質問が重要です。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。