【例文5選】印刷業界の志望動機の書き方｜向いている人の特徴やNG例も紹介

印刷業界に就職したいけれど、志望動機をどう書いたらよいのかわからずに悩んでいる人もいるでしょう。

とは言え、やみくもに書くのはNG！熱意が伝わる志望動機を作成するには、印刷業界を目指した理由や、求められる人材に合った強みをアピールすることが大切です。

この記事では、評価される志望動機の書き方や、印象に残りやすい例文を紹介し、印刷業界のやりがいや動向についても解説します。

自分の強みを効果的にアピールして、志望する印刷会社の選考を突破しましょう！

印刷業界とは？

印刷業界とは、印刷製品の製造やニーズに合った印刷物の企画・提案を行う業界です。

他の就活生と差がつく志望動機を作成するには、印刷業界に対して理解を深めることが大切です。

1. 印刷業界の魅力
2. 印刷業界で取り扱う商品
3. 印刷業界の動向

上記の内容を把握し、志望する業種に活かせる強みを考えてみましょう。

①印刷業界の魅力

印刷業界の魅力は、企画から納品まで一貫して携わることができ、やりがいを感じやすい点です。

また、スケジュール管理やコスト管理も行うため、プロジェクトマネジメントのスキル習得が可能です。

印刷業界では企画・営業・クリエイティブ・印刷オペレーターがチーム一丸となって印刷物を完成させ、クライアントの要望以上の成果を出して継続的な依頼を獲得しなければなりません。

目標達成に向かって仲間で助け合い、成長できる場面が多く、達成感や充実感を味わえる点も魅力です。

②印刷業界で取り扱う商品

志望する印刷会社で取り扱う商品を確認し、商品の特徴を押さえた志望動機を作成すると評価されやすいです。印刷業界で取り扱う商品には、以下があります。

名称	特徴	商品
出版印刷	出版社や新聞社が発行する印刷物	書籍/雑誌/教科書
商業印刷	一般企業や団体事業で使用される印刷物	チラシ/パンフレット/カタログ/ポスター
証券印刷	証券や金銭に関わる証明書類の印刷物	紙幣/有価証/郵便切手/印紙/商品券/チケット/クレジットカード/明細書
事務用品印刷	企業事務で使用される印刷物	名刺/封筒/手帳/請求書や伝票の紙類
パッケージ印刷	商品の包装に使用される印刷物	商品全般の包装/紙器（内装箱の印刷）段ボール
建材印刷	建築材料で使用する印刷物	壁や床、天井の内装材と外装材/布地
特殊印刷	・電気、電子部品など工業製品を対象とする印刷物 ・特殊技術（3D）を必要とする印刷物	自動車部品/特殊素材の製品（部品）/ICチップを搭載したカードの製造

志望動機ではその企業を選んだ理由を書く必要があるため、取り扱っている商品についてもリサーチしておきましょう。

③印刷業界の動向

印刷業界の業績は年々縮小しています。経済産業省によると、2021年の印刷産業の出荷額は4兆8,555億円で、4年連続で5兆円を切ったことが報告されました。^注1

また、事業所数や、印刷商品別の出荷額も減少しており、厳しい状況が続いています。^注2

原因	印刷業界の取り組み
デジタルメ ディアの普及	・印刷業界における多角化事業の推進 ・M&Aや他業界との協業経営 ・印刷業界の技術やノウハウを 活かした新規事業の立ち上げ
ペーパーレス化を 意識した 環境問題が影響	・環境に配慮したFSC認証マークの 紙の印刷（エコ印刷） ・環境保護の貢献をアピール ・印刷業界全体で社会的責任 （CSR）を取りイメージアップ
紙媒体の 需要が減少	・少数ロットや短納期対応の オンデマンド印刷 ・高品質・低価格の実現

説得力のある志望動機を作成するためには、業界研究が欠かせません。志望動機では上記の取り組みやトレンドを押さえた上で、入社後に達成したい目標について述べると良いですね。

注1）引用元： 経済産業省「工業統計調査」「2022年経済構造実態調査製造業事業所調査」
注2）引用元：総務省・経済産業省「令和3年 経済センサス-活動調査 産業別集計」

印刷業界の職種

ここでは、印刷業界の職種を詳しく解説します。

1. 事務
2. 研究開発
3. 営業
4. 企画
5. クリエイティブ
6. 印刷オペレーター

職種に合っていない強みを伝えても、効果的なアピールにはなりません。企業が求めている人材にマッチした志望動機を作成するために、仕事に対する理解を深めましょう。

①事務

印刷業界の事務の仕事は、主に品質管理と企画開発です。

品質管理は、出来上がった印刷物の仕上がりを見たり、ミスがないかチェックしたりする仕事です。

企画開発では、営業とともにクライアントの要望やニーズを深掘りし、売れる商品やサービスの企画、商品のコンセプトやコピーライティングを考えます。

細かい作業が得意な人や、業務を確実にこなせる人、サポートが得意な人が向いているでしょう。

②研究開発

研究開発の主な仕事は、新しい印刷技術の開発と研究です。特に新技術の開発は、競合他社との差別化につながるため、競争力という点において各社研究開発には力を入れています。

近年では、人々のニーズやトレンドを意識した新技術の開発と、画像処理ソフト・有機ELディスプレイ・機能性フィルムの研究開発がトレンドになっていますよ。

研究開発はモノづくりへの関心が高く、新知見に対する好奇心やチャレンジ精神がある人におすすめの職種です。

③営業

営業はクライアントの要望を聞き、自社製品やサービスを提案して受注を獲得する仕事です。聞いてきたことを適切に他部署に伝えて、商品デザインに反映できるようにします。

また、商品価格の見積もりや納期までのスケジュール管理、アフターフォローも継続受注につなげるために大切な仕事です。

営業が担当するクライアントは、官公庁・出版社・広告代理店・企業と多岐に渡るため、それぞれのニーズを素早く理解し、適切に提案する力が求められます。

さらに、営業はクライアントとのファーストコンタクトを取る役割もあり、ビジネスマナー・コミュニケーション力・プレゼンテーション能力が必要です。

④企画

企画は、クライアントの要望に沿った印刷物に関わるディレクション全般を担当します。

商品ポスターやチラシの印刷では、デザイン・印刷方法の提案や、消費者のニーズを把握するための市場調査や分析を行うこともありますよ。

社内部署だけでなく、クライアントと共にプロジェクトを進行するため、コミュニケーションスキルが欠かせません。

⑤クリエイティブ

クリエイティブ職は、クライアントの要望に沿った魅力的なデザインを制作する仕事で、デザイナー・ディレクターに分かれて業務を行います。

デザイナー	販促物のデザイン
ディレクター	企画職と詳細なデザインプランを立てる

企画担当者とプロジェクトに参加して、クライアントの要望に沿うデザインを試作し、満足度の高いデザインに仕上げることが重視されますよ。

デザインの知識・経験に加えて、豊かな発想力や臨機応変な対応力が必要でしょう。

⑥印刷オペレーター

印刷オペレーターは、印刷機の操作やインクの量を微調整して、納期までに印刷する仕事です。経験を積めば国家資格である「印刷技能士」を取得でき、キャリアアップを目指せるのが魅力です。

印刷する前には、指定された紙、刷色や仕上仕様、製本加工の有無を確認してから印刷を始めなければなりません。

また、オフセット印刷・グラビア印刷・活版印刷・スクリーン印刷といった印刷方法によって作業が異なるので業務確認が必要です。

長くモノづくりに携わりながら技術力を高めたい人や、細かい手順をしっかり確認して正しく実行できる人が向いていますよ。

印刷業界に向いている人の特徴

印刷業界に向いている人の特徴について知ることは、自分の強みを考える上で役立ちます。

志望動機では、企業に求められている人材とマッチした強みを述べると、高評価につながります。例えば、以下の特徴は印刷業界でい役立つ、効果的なアピール材料です。

アイディアを形にするのが得意	・クライアントにデザインを提案 ・消費者の購買意欲を刺激する施策の考案 ・考えることを惜しまず、 常に上を目指して アイディアを出し続けられる
根気強く真面目	・小さなミスやズレも見逃さない ・責任感が強く納期を守れる
コミュニケーションが得意	・他部署と円滑に連携が取れる ・スムーズなコミュニケーションでクライアントに具体的な提案ができる

自己分析を徹底的に行い、志望先の企業や職種に合った自分の強みを洗い出してみましょう。

印刷業界の志望動機を書く前の準備

ここでは、印刷業界の志望動機を書く前の準備について解説します。

1. 過去の経験から自己分析をする
2. 印刷業界を選んだ理由を考える
3. 印刷会社の特色を調べる
4. 求められる人材の特徴を調べる
5. 強みを導き出す

事前に準備することで、志望動機が格段に書きやすくなりますよ。

①過去の経験から自己分析をする

学生の間に努力してきたこと、強みや長所、過去の自分の経験を思い出して、徹底的に自己分析しましょう。

自己分析の方法は、1つのエピソードに対して「なぜ」を繰り返して深掘りすることです。

「印刷業界に就職したい」→なぜ？→「紙の本が好き」→なぜ？→「デジタルにはない温かみが感じられるから」のように「なぜ？」を繰り返すと、その考えの根幹が明確になります。

1つの結論に対して10回程度「なぜ？」を繰り返せば、志望動機でアピールできる自分が大切にしている価値観や強みが見えてくるはずです。

②印刷業界を選んだ理由を考える

印刷業界を選んだ理由が明確に感じられなければ「他の業界でもいいのでは？」と判断されてしまいかねないため、志望動機を書く前にこれを明確にしておく必要があります。

そして、ここでも「なぜ」の問いかけが有効です。前項で例に挙げた通り、「なぜ印刷業界を志望しようと考えたのか」を深掘りしていくと印刷業界を選んだ理由が明確になりますよ。

印刷業界を知ったきっかけや、興味を抱いたエピソードを書き出して深堀し、より強くアピールできるものを1つ選び出しましょう。

③印刷会社の特色を調べる

志望動機を書く際には、志望する印刷会社の特色について調べましょう。志望動機で熱意を伝えるためには、その企業を選んだ理由が述べられなければ説得力がありません。

企業の公式サイトや説明会の資料を参考に、企業情報・事業内容・企業理念・職場環境などをリサーチしておきましょう。

また、競合企業について調べておくことも大切です。競合企業がどのような取り組みを行っているのかを知ることで、志望企業にしかない強みが見えてきます。

④求められる人材の特徴を調べる

自分を効果的にアピールするためには、求められる人材を把握しておく必要があります。

例えば、何が求められているのかわからないままに志望動機を書くと、「地域密着」企業に対して「グローバルに活躍したくて志望しました」などという見当違いなアピールをしてしまいかねません。

志望する企業が求める人材を調べるためには、募集要項や社員インタビューページが参考になります。また、直接話を聞ける会社説明会やOB・OG訪問も有効です。

企業が求める人材や志望する職種において求められる人材や資格・スキルも把握しておくと、入社後のミスマッチを減らせます。

⑤強みを導き出す

採用担当者は、入社後に強みを活かして企業に貢献できる人材を求めています。志望する企業や職種に合った強みがないか、自己分析しておきましょう。

また、活躍できる人材であるとアピールするためには、具体的なエピソードを添えると印象に残りやすくなり効果的です。

強みの根拠となる経験やその時の感情も振り返ると、解像度が高く説得力のある志望動機を作成できます。

5ステップで完結！印刷業界の志望動機の書き方

続いて、印刷業界の志望動機の書き方を５ステップに分けて解説します。

1. なぜ印刷業界を選んだのか
2. なぜその印刷会社を選んだのか
3. 強みは何か
4. 強みをどのように活かしたいか
5. 入社後はどんな人材になりたいか

各ステップを詳しく解説するので、採用担当者に高く評価されるポイントを押さえておきましょう。

①なぜ印刷業界を選んだのか

志望動機には、なぜ他の業界ではなく印刷業界を志望したのかを書く必要があります。印刷業界を選んだ理由を明確に述べて、業界を志望する気持ちが強いことをアピールしましょう。

しかし、「形に残るものを作りたい」のであれば建築業界、「本を作りたい」のなら出版社でも可能です。このように、他業界でも叶えられる理由では熱意が伝わりにくくなってしまいます。

採用担当者に好印象を与えるためには、印刷業界でしか実現できないことを理由として述べるのが理想的です。

②なぜその印刷会社を選んだのか

前項の「印刷業界を選んだ理由」と同じく、志望動機には「なぜその印刷会社を選んだのか」を具体的に書く必要があります。理由は、「他の会社でもいいのでは？」と疑問を持たれる隙を与えないためです。

同じ印刷業界にも企業は数多くあり、各企業の取り組みや提供するサービスにはそれぞれ強や特徴などに違いがあります。

志望企業や競合企業についてよく研究し、志望企業だからこそやりたい・できると思えたことを伝えましょう。

③強みは何か

志望動機には、自分の強みとそれを裏付ける具体的なエピソードを盛り込めると効果的です。

たとえば、「細部までこだわる姿勢」「効率的な作業を追求する力」など、印刷業界の業務に直結する強みを挙げると、企業との親和性がアピールできます。

また、強みを裏付けるエピソードを盛り込むことで、説得力のある志望動機になります。これらをわかりやすく魅力的に伝えることは、論理的な思考力のアピールにもつながりますよ。

ただし、自己PRと志望動機は異なるため、強みばかりを取り上げてしまわないよう注意してください。

④強みをどのように活かしたいか

自分の強みを入社後にどのように生かし、企業に貢献できるかをアピールしましょう。

志望する職種によって業務内容が異なるため、インターンシップで実務を体験する・OB/OG訪問で話を聞く・社員のインタビューを参考にするなどして業務への理解を深め、どのように貢献できるか考えましょう。

志望動機に具体的な業務への貢献が書かれていると、採用担当者が入社後の活躍をイメージしやすく、高評価につながりますよ。

⑤入社後はどんな人材になりたいか

最後に、入社後の自己成長や挑戦したいことを具体的に書きましょう。

特に、文章の締めくくり部分は印象に残りやすいため、ここで貢献意欲や成長意欲を魅力的に提示できると、他の就活生と差をつけられますよ。

さらに、入社後すぐの取り組みとわせて、数年先を見越した中長期にわたる目標まで提示することでと長期に働く意思が伝わり、高評価が期待できるでしょう。

職種別｜印刷業界の志望動機の例文5選

ここからは、印刷業界の職種別に志望動機の例文を5つ紹介します。

各職種の特徴を押さえた志望動機例文を参考に、印象に残る志望動機を作成しましょう。

1. 研究開発の志望動機例文
2. 企画の志望動機例文
3. デザイナーの志望動機例文
4. 営業の志望動機例文
5. 印刷オペレーターの志望動機例文

①研究開発の志望動機例文

【結論】 私は、印刷技術を通じて人々の生活を豊かにする研究開発に携わりたい製品や技術を生み出す研究開発に従事し、社会に新たな価値を提供したいと考え、貴社を志望いたしました。

添削コメント｜「携わりたい」という表現は意欲の程度が不明確で、企業貢献の視点が乏しく受け取られがちです。「製品や技術を生み出す」「価値を提供する」とすることで、研究開発職としての目的意識と主体性が明確になります。

【根拠となるエピソード】 中学生の頃、オリジナルのイラストを自宅のプリンターで印刷して友人に配った経験が印刷したオリジナルのイラストを友人に渡した際に、同じデータでも印刷の質によって見え方が変わることを実感したことが、印刷に興味を持つきっかけでした。

添削コメント｜「配った経験が興味のきっかけ」というだけでは印象が弱く、職業観につながりにくいです。印刷品質による仕上がりの違いへの関心に焦点を置くことで、技術的な興味と後の学びとの一貫性が明確になります。

【エピソード詳細】 当時、インクのにじみや発色の違いが作品の印象を左右することに気づき、インクや用紙の違いを試しながら最適な組み合わせを追求していました。何度も印刷を繰り返す中で、インクの種類や用紙の質感によって発色が大きく変わることに驚き、最もイメージに近い出力を目指して試行錯誤を重ねました。この経験から「表現の質を支える印刷の奥深さ」に魅力を感じ強く惹かれ、大学では化学を専攻し、材料開発の基礎を学んできました。

添削コメント｜「追求していました」「魅力を感じ」などの表現はやや曖昧で説得力に欠けるため、試行錯誤の過程や驚きなどの行動・感情を具体的に描写し、学びとのつながりを自然に示すことでエピソードの説得力が高まります

【企業を選んだ理由】 中でも貴社は、環境配慮型インクや高機能印刷素材の開発に力を入れており環境に配慮したインクや、用途に応じて最適化された印刷素材の開発を先進的に進めておられ、印刷の未来を切り拓く技術力に大きな魅力を感じました。

添削コメント｜「力を入れている」はありきたりな表現で、事業内容を伝えるだけでは他社と差別化しにくいです。技術内容の具体化と「先進的」といった評価軸を加えることで、企業研究の深さと共感の理由が明確になります。

【入社後】 入社後は、化学の知識を活かして大学で培った有機化学の知識を土台に高品質かつ環境に優しい印刷材料の研究開発に貢献し、多様な印刷ニーズに応えられる製品づくりを支えていきたいです。印刷の機能性や表現力を高める製品開発を通じて、社会に新しい価値を届けたいと考えています。

添削コメント｜「化学の知識」「ニーズに応える」は抽象的で、研究職としての具体的な貢献像が見えづらい点が課題でした。専攻分野の明示と、技術的・社会的な目的を表現することで、入社後のビジョンが明確になります。

・行動の過程と思考の工夫を示す ・志望職種と学びを結びつける ・企業独自の強みに言及する

②企画の志望動機例文

【結論】 私は、人の心を動かす企画づくりを通じて、印刷物の価値を広げていきたいと考え、印刷業界を志望いたしました。私は、印刷物を通じて人の行動や意識に影響を与える企画を生み出したいと考え、印刷業界を志望いたしました。

添削コメント｜「人の心を動かす」「価値を広げる」といった抽象的な表現が中心だったため、印刷業界の中でも企画職としての目的を明確に伝える文へ改善しました。

【根拠となるエピソード】 大学のゼミ活動で地域のフリーペーパーを制作した経験から、印刷物が人と人をつなげる力を持つことに感動しました。大学のゼミ活動で地域のフリーペーパーを制作する中で、印刷物が読者の行動を促し、地域に変化をもたらす力を持つことに感銘を受けました。

添削コメント｜「つなげる力を持つことに感動した」だけでは印刷物の何に価値を見出したのかが不明瞭でした。「読者の行動」「地域への変化」という具体的な影響に言い換えました。

【エピソード詳細】 地域の魅力を伝えるフリーペーパーを作成する中で、企画立案からレイアウト、配布方法に至るまで試行錯誤を重ねました。企画立案から取材、デザイン構成、配布までを一貫して担当し、限られた予算と時間の中で反響を得られる誌面づくりに努めました。特に読者層に合わせて特集内容を調整し、取材内容をわかりやすく伝える構成を工夫したことで写真と文章のバランスや導線を意識したレイアウトを工夫することで、配布先の方々から「読んで訪れた」「地元の魅力を再発見できた」との声をいただき、大きな達成感を得ました。

添削コメント｜元の文章は「工夫した」など抽象的な言葉が多く、読者がどのように工夫したのかを把握しづらい印象でした。「予算」「時間」「構成」「レイアウト」などの具体語を挿入し、読者の手応えと実行内容の因果関係を明確にしましょう。

【企業を選んだ理由】 貴社は紙媒体の持つ力を大切にしながら、販促や企画提案など幅広いサービスを展開されており、自身の企画力を活かして多くの人に届く印刷物を生み出せると感じました。貴社は紙媒体の強みを活かしながら、企画から印刷・流通までを一貫して手がけておられ、生活者と企業をつなぐ印刷物を生み出す姿勢に共感しました。

添削コメント｜「幅広いサービス」「活かせると感じました」といった一般的な語句が多く、他社との差別化ができていませんでした。「一貫対応」「生活者と企業をつなぐ」といった貴社特有の強みを示す表現に修正し、企業理解の深さを伝えました。

【入社後】 入社後は、顧客の想いを形にする提案を行い、生活者の行動を促すような企画を生み出せるプランナーを目指してまいります。入社後は、クライアントの意図や課題に丁寧に向き合い、印刷物を通じて「伝わる価値」を最大化する企画提案を行えるよう努めます。

添削コメント｜「プランナーを目指す」という目標は伝わるものの、何をどう頑張るのかが見えづらい点が課題でした。「価値の最大化」や「課題に向き合う」といった具体的な姿勢や意図を示すことで、実行力や成長意欲が明確に伝えています。

「印刷物の影響力」の具体化 企業理解に踏み込んだ理由付け 抽象語を避けた工夫の描写

③デザイナーの志望動機例文

【結論】 私は、人の心を動かすデザインを印刷物を通して情報を的確に伝える表現を形にできる環境で、自分の発想力と表現力を磨き続けたいと考え、印刷業界のデザイナー職を志望いたします。

添削コメント｜「人の心を動かすデザイン」は、印刷業界のデザイナー職という職種の志望理由としては説得力に欠けます。そこで、「情報を的確に伝える表現」と具体的な職務イメージを明確にすることで、職種との接続が自然になりました。

【根拠となるエピソード】 大学時代に所属した広告研究会で、ポスター制作の担当を経験したことがきっかけで、印刷物を通じて情報を正確かつ魅力的に視覚的にわかりやすく伝える仕事に関心を持つようになりました。

添削コメント｜「正確かつ魅力的に」という表現は評価語に寄っており、具体性が薄いため、「視覚的にわかりやすく」と置き換えることで、印刷物の特性や伝達手段に焦点を当てた自然な説明に改善しました。

【エピソード詳細】 学園祭の集客ポスター制作を任された際、ターゲット層に合わせて配色やフォントを調整し、メッセージ性を強める工夫を重ねました。その結果、前年よりも来場者数が約1.5倍に増えSNS上で反響があり、イベント前から注目を集めることができ、企画メンバーや来場者からも高評価を得ました。この経験から、印刷物には「視覚で伝える力」があり、人の行動を後押しする役割がある興味を引き、行動を促す力があると実感しました。

添削コメント｜「人の行動を後押しする役割がある」は抽象的だったため、実際の行動と結びつく「SNSでの反響」や「興味を引き行動を促す力」という表現に修正し、実感を伴った訴求力のある内容に整えました。

【企業を選んだ理由】 貴社は幅広い業界の広告・販促物を手がけており、多様な案件を通じて表現の幅を広げられると感じたからです課題解決型の提案を重視する姿勢に魅力を感じています。特に紙媒体に特化しながらもデザイン性にこだわる姿勢に共感し、自分の強みを活かせると考えました。

添削コメント｜従来の「表現の幅を広げられると感じたから」は自己都合の印象が強く、企業理解や共感の視点が不足していました。企業の制作姿勢（提案力・専門性）に触れた上で、自身の強みと接続させました。

【入社後】 入社後は、伝えたい想いを的確に形にできる課題や目的に応じた最適なビジュアル表現を追求し、デザイナーとして、顧客や生活者に寄り添う表現を追求してまいります。

添削コメント｜「伝えたい想いを的確に形にできる」はスキルや姿勢が伝わらない表現でした。目的・課題に応じた表現という具体的な行動指針を盛り込むことで、デザイナーとしての成長意欲がより明確に伝わるようになりました。

・印刷物ならではの特性に言及する ・企業の強みに触れて選社理由を述べる ・成果は具体的かつ根拠のある表現にする

④営業の志望動機例文

【結論】 私は、情報や想いを形にして多くの人に届ける印刷業界の仕事に魅力を感じ、営業職としてお客様の課題解決に貢献したいと考えています。企業の販促活動を支える営業職として、お客様の目的に応じた最適な印刷提案を行いたいと考えています。

添削コメント｜「課題解決に貢献したい」という表現は抽象的で、営業職として何をするのかが伝わりません。「販促活動」「最適な印刷提案」など印刷業界と営業職を結びつける具体的な表現に置き換えました。

【根拠となるエピソード】 大学時代、所属していたサークルで広報担当としてイベントチラシの作成を担当し、印刷会社とやり取りをした経験があります。印刷会社の担当者と複数回の打ち合わせを重ねながら、一からチラシを完成させた経験があります。

添削コメント｜「やり取りをした経験」は関与の深さや学びが見えにくく、印象が弱くなります。「複数回の打ち合わせ」や「一から完成させた」という表現に置き換えることで、自らの行動や成長をより具体的に伝えられています。

【エピソード詳細】 当初は何も知識がなく、印刷会社の方のアドバイスに頼りながら進めていましたが、回数を重ねるうちに紙質や色合いの調整にも関心を持つようになり、印刷の奥深さを感じるようになりました。仕様の違いが仕上がりの印象を大きく左右することを実感し、表現手段としての印刷に興味を持つようになりました。最終的に納得のいくチラシが完成し、来場者数の増加にもつながった経験が、印刷業界への関心を深めたきっかけです。来場者から「見やすくて印象に残る」と好評をいただいたことが、印刷の力を感じるきっかけとなりました。

添削コメント｜「奥深さを感じた」「来場者数の増加につながった」は因果が不明瞭で、印象が曖昧になっています。印刷仕様が仕上がりに与える影響や、実際にあった評価を具体化しています。

【企業を選んだ理由】 貴社は長年にわたり多くの企業の販促物制作を手がけ、課題解決力と提案力に定評がある点に魅力を感じました。業界・業種を問わず多様な提案実績があることに加え、企画段階から丁寧に向き合う姿勢に惹かれました。自分もそうした一員として、お客様の意図を形にしていきたいと感じました。

添削コメント｜「定評がある」という表現は根拠がなく、どの企業にも使える曖昧な表現です。企業の特徴を「多様な提案実績」「企画段階から関わる姿勢」として具体化し、自分の価値観と企業の方針が一致していることを示しています。

【入社後】 入社後は、印刷物の知識をさらに深めるとともに、顧客の要望に寄り添った提案を通じて、信頼される営業を目指したいと考えています。お客様の課題や目的を丁寧にヒアリングし、印刷物の特性を活かした販促提案を行うことで、成果につながる営業を目指していきたいです。

添削コメント｜「信頼される営業」は良い表現ですが抽象的で、どう行動するかが伝わりません。ヒアリング力や販促提案といった具体的なアクションを盛り込むことで、入社後にどのように貢献しようとしているかを明確にしました。

・抽象的な志望理由に具体例を添える ・印刷業界ならではの興味関心を明記する ・企業の特徴に即した志望理由を書く

⑤印刷オペレーターの志望動機例文

【結論】 私は、ものづくりの現場で手を動かしながら、お客様の思いをカタチにする印刷物の品質に直接関わり、正確さや再現性を追求できる仕事に魅力を感じ、印刷オペレーターを志望しています。

添削コメント｜「お客様の思いをカタチにする」は抽象的で、職種の業務特性が伝わりにくく、説得力に欠けます。そこで、印刷オペレーターが担う「品質管理」や「精密な再現性」など、職種の本質を意識した表現に言い換えています。

【根拠となるエピソード】 高校時代、文化祭のパンフレットを作成した経験を通じて、紙面の構成や仕上がりにこだわる楽しさ制作過程での工夫や完成度の高さを追求する意識の重要さを知りました。

添削コメント｜「こだわる楽しさ」は感情表現として抽象的で、志望動機の根拠としてはやや弱いため、制作中の工夫や姿勢の変化といった行動ベースの描写に変更しました。

【エピソード詳細】 クラスの代表としてレイアウトを考え、何度も試作を重ねる中で、「伝わるデザイン」を意識するようになりました。校正や修正作業に苦労もありましたが、試行錯誤を重ねた結果、印刷時のズレや色味の違いにも注意を払うようになり、完成した冊子を多くの人に手に取ってもらえたとき、大きな達成感を得ることができました。この経験から、紙媒体の価値や、裏側で支えるオペレーターの仕事に強く関心を持つようになりました。この経験を通じて、印刷の最終工程を支える現場業務に興味を持つようになりました。

添削コメント｜校正・修正の苦労はやや曖昧で、「何にどのように取り組んだか」が不明瞭でした。改善後は「ズレ」「色味」など印刷に特有の細部への配慮を記述し、印刷オペレーターとのつながりを明確化しました。

【企業を選んだ理由】 貴社は短納期や高品質対応に強みがあり、幅広い印刷物に対応できる設備力と、顧客の要望に応える柔軟な対応力を兼ね備えており、オペレーターとして多様な案件に携わる機会が多いと感じたため、自身の成長にもつながると考え志望いたしました。

添削コメント｜「短納期や高品質対応」は多くの印刷会社に当てはまる表現であり、志望先ならではの魅力が見えませんでした。設備力や柔軟性といった、オペレーター視点で企業特性を評価した内容に改めています。

【入社後】 入社後は、日々の業務を通じて技術を磨き、細部まで妥協しない印刷物づくりを通して、用紙やインクの特性を理解しながら印刷機の精度調整にも取り組み、信頼されるオペレーターを目指してまいります。

添削コメント｜「細部まで妥協しない印刷物づくり」は抽象的な表現で、入社後の具体的な行動やスキルが見えにくい表現でした。改善後は、業務上求められる技術（用紙やインクの理解、機械調整）を具体的に記述しました。

・印刷工程との接点を明確にする ・抽象語は行動描写で補足する ・企業理解を応募動機に直結させる

【NG例文3選】印刷業界の志望動機を書くときの注意点3つ

最後に、印刷業界の志望動機の注意点について3つ解説します。

1. 印刷業界と関係が薄い内容になっている
2. 求められている人材とズレがある
3. どの企業でも通じる内容になっている

NG例文も紹介しているので、自分の志望動機と見比べて内容に不足がないか再確認してから提出しましょう。

①印刷業界と関係が薄い内容になっている

私は、モノづくりに携わりたいと考え、貴社を志望しました。 貴社は、印刷業界の中でも幅広く活躍している会社であり、他の会社にはない独自の印刷技術にも定評があると思います。 入社後は、クライアントの求める完成度の高い印刷物を生み出して、貴社に貢献したいと考えています。

「モノづくりに携われる」点だけに終始してしまうと「他の業界でも良いのでは？」と思われてしまい、印象が薄くなってしまいます。

「モノづくり」の中でもなぜ印刷業界なのか、印刷業界だからこそ挑戦できることや達成したい目標を具体的に述べることが重要です。

②求められている人材とズレがある

私が貴社を志望したのは、まだ海外に販路を持たない貴社で、グローバルに活躍したいと思ったからです。 私は、大学時代にオンラインで海外の人と交流を深め、コミュニケーション力や語学力を身に付けてきました。また、TOEICで750点を出しました。 貴社に入社後は、素晴らしい印刷技術を活かして世界中のクライアントを感動させ、喜んでいただきたいと考えています。

この例文は、会社が求める人材に合ったアピールポイントを提示できていません。

新たに海外に進出したいと考えている企業であればアピールになりますが、そうではない場合、企業の動向についてリサーチが不十分であると判断されるでしょう。

しっかりとリサーチを行ったうえで、企業が求める人材とマッチした強みをアピールしてください。

③どの企業でも通じる内容になっている

私は、レベルの高い会社で働き、厳しい環境に身を置くことで自己成長したいと考え、貴社のクリエイティブ職を志望しました。貴社は、業界でも高い売上を誇っており、新たな分野への事業展開を進めることにも積極的であると感じています。 入職後は、クライアントの求めるデザインで、多くの人を感動させたいです。

上記の例文は、この業界、この会社でなければならない理由が感じ取れません。志望理由が企業の実績に限られているので、「実績がある会社であれば、他でもいいのではないか」と思われてしまいます。

「この会社だからこそ志望している」とアピールするためには、会社独自の強みや特徴を押さえた志望動機にする必要があります。

コツを押さえた印刷業界の志望動機で選考を突破しよう！

印刷業界は縮小傾向にありますが、仲間と協力して1つの製品を作るため、やりがいのある仕事です。

また、採用担当者の目に留まり選考を突破するためには、職種に合った強みやエピソードを述べる必要があります。企業ごとの特徴や求める人材を把握し、自分の強みと結びつけてアピールしてくださいね。

コツを押さえて説得力のある志望動機を作成し、志望する企業の選考突破を目指しましょう！