SI業界とは?近年の動向・今後・志望動機のポイントなどを解説!
システム開発は幅広い企業にとって必要なことであり、「SI業界」に注目している方も多くいるのではないでしょうか。
しかし実際にSI業界の就活準備を進めるにあたっては、「どんな業界?」「将来性は?」などとさまざまなことが気になるものですよね。
そこで本記事では、SI業界の概要や特徴、将来性などを幅広く解説します。
SI業界の志望動機のポイントや例文も紹介しているので、ぜひ対策にお役立てください。
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記事の監修者
石原
新卒で株式会社C-mindに入社し、新規事業立ち上げに従事。新人賞を受賞後、SI事業部にてグループトップセールス獲得、マネージャーを歴任。2024年、同事業部の子会社化に伴い、キャンバスエッジ株式会社 執行役員に就任。SI/SES業界に精通。プロフィール詳細
記事の監修者
吉田
新卒で株式会社C-mindに入社後、キャリアアドバイザーとして累計1000人以上の就活生との面談を経験。就活時代も大手からベンチャーまで様々な業界・職種を見てきた経験から、幅広い視点でのサポートを得意とする。プロフィール詳細
SI(システムインテグレーション)とは

SI(システムインテグレーション)とは、顧客の業務内容における課題分析のコンサルティングから、システムの企画・立案、プログラムの開発、ハードウェア・ソフトウェアの選定・導入、完成したシステムの保守・運営までを総合的に行う事業のことです。また、この様な事業を営む企業のことをSler(エスアイヤー)と呼びます。 引用:https://paradigm-shift.co.jp/glossary/62/detail
クライアントが必要とするシステムの設計から開発、そして保守・運用までを一貫して行う可能性があります。
ただし、企業によっては「設計のみ」「開発のみ」などすべての工程の中から一部のみを担当することもあるでしょう。
ちなみに、システムインテグレーターのことをSIer(エスアイヤー)と呼びます。
SI業界とは?3つに分けて解説

SI業界の企業への就職に挑戦するなら、業界研究をしっかりと行うことが大切です。
ここでは、SI業界の基本情報を以下の3つに分けて解説します。
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①SI業界の構造
SI業界は、以下の3層からなる構造をしています。
層 | 主な業務内容 |
---|---|
一次請け(大企業) | システム提案・基本設計 |
二次請け(中堅企業) | 詳細設計 |
三次請け(小規模企業) | 開発実装・テスト・保守 |
発注者から大企業(一次請け)、大企業から中堅企業(二次請け)、そして中堅企業から小規模企業(三次請け)に仕事が流れていくのが基本構造です。
また、大手大企業が一次請けを担うことが多いですが、数十億規模の企業が一次請けを担うケースもあります。そのため、SI業界の基本構造をべースとして理解しておき、大企業以外にも一次請けを担う企業があると知っておきましょう。
とはいえ昨今はこの3層構造も変わりつつあるのも事実です。
大企業が元請(一次請け)を担うことが多いのは変わらずですが、技術力や営業力の高い企業では、規模に関係なく一次請けを対応しているケースも増えてきています。
そうした企業の見分けポイントとしては、主要取引先や、実績が記載されている場合の、担当工程などを見ていくとわかるでしょう。
②SI業界の市場規模
矢野経済研究所が2023年にリリースした調査結果によると、SI業界が属するIT業界全体の市場規模は近年以下の様に推移しています。
年度 | 市場規模 |
---|---|
2019年度 | 12兆8,900億円 |
2020年度 | 12兆9,700億円 |
2021年度 | 13兆5,500億円 |
2022年度 | 14兆1,600億円 |
2023年度(予測) | 14兆9,300億円 |
2024年度(予測) | 15兆3,200億円 |
2025年度(予測) | 15兆5,300億円 |
上記の通りIT業界全体が近年右肩上がりに市場を拡大しており、SI業界のニーズも高まっていくことが予測されますよ。
③SI業界の事業内容
SI業界の主な事業内容は、以下の通りです。
事業内容 | 概要 |
---|---|
企画 | クライアントの現状を調査し、求めるシステムや方針などを検討する |
要件定義 | クライアントのニーズを満たすためにはどのような機能や性能が必要か明確にする |
設計・開発 | 要件定義されたものをプログラミングし、実際に稼働するようにする |
保守運用 | システムリリース後に不具合やトラブルの発生時に解消したり、その他のサポートをしたりする |
企業によって主に行う事業は異なることから、しっかりと確認するようにしましょう。
SI業界の企業の主な分類4つ

ここでは、SI業界における企業の基本分類として以下の4つを紹介します。
①国内メーカー系
国内メーカー系とは、ハードウェアの製造企業における情報システム部門が独立し分社化して誕生した企業のことです。
親会社がリリースしているハードウェアと自社のテクノロジーを融合させたソリューションを提供できることが、メーカー系企業の強みだと言えます。
また親会社は大企業であることが大半であり、雇用の安定性や福利厚生の充実度などが魅力的だと考ええられるでしょう。国内メーカー系の代表的な企業としては、以下が挙げられます。
- 日立製作所
- 富士通
- NEC
- NECネッツエスアイ
- 都築電機
上記を見ると、就活をしていない人でも知るような大企業の名前が並んでいることが分かるでしょう。例えば日立製作所は、生産マネジメントシステムや物流業界向けのソリューション提供などを中心として行っている企業です。
また富士通は、スーパーコンピューター「富岳」をはじめとして高品質なサーバー製品のリリースを幅広い業界に行っていますよ。
②国内ユーザー系
国内ユーザー系とは、金融業界や通信業界、商社などさまざまな業界における企業の情報システム部門が分社化して誕生した企業のことです。
それぞれの業界におけるバックボーンを活かし、幅広い業務を手掛けている点が特徴的だと言えます。
またメーカー系と同様に親会社が大企業であるケースが多く、顧客基盤が強固であると考えられるでしょう。
国内ユーザー系の代表的な企業としては以下が挙げられます。
- 野村総合研究所
- 三菱総合研究所
- 伊藤忠テクノソリューションズ
- NTTデータ
- 電通国際情報サービス
上記の通り、国内ユーザー系についても多くの人が知る大企業の名前が並んでいます。
たとえば野村総合研究所は金融や物流業界へのソリューション提供に強みを持ち、特に証券業界向けのサービスで高いシェアを誇る企業です。
また三菱総合研究所は財閥系であることが大きな強みであり、強固な顧客基盤を持っていると考えられます。
③独立系
独立系とは、親会社を持たずグループにも属していない、独自でSI事業を展開している企業のことです。
親会社やグループ会社からの影響を受けないことから、クライアントのニーズに合ったハードウェア・ソフトウェアを提供できる点に強みを持ちます。
情報サービス部門で働いていた社員が独立して起業しているケースが多く、ベンチャーやスタートアップと呼ばれる企業も多い分類です。独立系の代表的な企業には以下が挙げられます。
- SRAホールディングス
- 大塚商会
- オービック
- BIPROGY
- ネットワンシステムズ
親会社の影響を受けないことから、幅広い業界の案件に携われる企業が多いと言えますよ。SRAホールディングスは、独立系企業であるにもかかわらず一次請け案件が大半という強みを持つ企業です。
また大塚商会は、あらゆるツールやサービスを組み合わせてソフトウェアからハードウェア、そしてインフラ環境までを一社で提供できますよ。
新卒未経験でもある程度の裁量を持って仕事ができる企業もあるため、1年目から大きな仕事をこなしたい人や、厳しい環境で自分を成長させたい人にはオススメです。
逆に、堅実に仕事を覚えていきたい人や、コツコツと実力を高めていきたい人は、マッチ度が低い可能性もあるため気をつけましょう。
④外資系
外資系とは、海外のIT企業が日本法人として設立した企業のことです。
日本国内に限らず世界を市場としている点が特徴的であり、国際的に活躍する大手企業が多い分類だと言えます。
本社で開発されたソリューションを日本展開することが主な業務であり、その他にもコンサルティングやシステム開発なども行っています。
外資系の代表的な企業は、以下の通りです。
- 日本オラクル株式会社
- KPMGコンサルティング株式会社
- SAPジャパン株式会社
- 日本アイ・ビー・エム株式会社
- PwCコンサルティング株式会社
たとえば日本オラクル株式会社は、プラットフォームからアプリケーションまでのクラウドソリューションを提供できる世界で唯一の企業ですよ。
KPMGコンサルティング株式会社は、ビジネス変革や経営改善をグローバルに手掛けている有名コンサルティングファームです。
SI業界の現状3つ

ここでは、SI業界の現状を以下の3点に整理して解説します。
①IT業界の市場規模拡大によりSI業界も拡大傾向が続く
IT業界全体の市場規模拡大に伴って、SI業界は今後も拡大傾向が続くと考えられます。
IT業界は毎年売り上げを伸ばしていましたが、新型コロナウイルス感染拡大による影響で、2021年以降当たりから際に大きく拡大しました。
デジタル化や自動化が業界を問わず広がっていっていることからも、今後も拡大傾向が続くと言えますよ。また市場拡大を続けていくことから、就活生としては注目の業界だと考えられるでしょう。
②企業のDX導入活発化により需要が高まっている
コロナ禍でデジタル化の重要性を感じた企業の多くがDXを進めるようになったことも、SI業界においては非常に重要なポイントですよ。
DXとは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称です。
幅広い意味で活用しますが、ビジネスにおいてはデジタル技術を活用した業務改善やビジネスモデル創出のことを指します。
DX化の進展にはITテクノロジーの活用が不可欠であり、SI業界の重要性も高まってきていると考えられるでしょう。
③業界全体で慢性的な人材不足が続いている
IT業界全体で慢性的な人材不足が続いていることも、SI業界を志望するうえでは理解しておくべきポイントの1つです。
システム導入全般を担当するSI業界も例外ではなく、優秀な人材の確保はどの業界・企業においても重要課題となっています。
日本経済としては大きな問題ですが、就活生としては多くのチャンスがあるタイミングだと言えるでしょう。
入社後に実力や経験を身につけていけば、さまざまな分野へのキャリアアップも考えられます。
DX化の増加に伴い、需要が一気に高まったことに、人材供給が追い付いていない状態ですね。そのため、未経験でも積極的に人材を求めている企業も多くありますよ。
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SI業界の今後・将来性3つ

ここでは、SI業界の今後や将来性に関するトピックスを以下の通り3点紹介します。
①今後も需要は高まり続ける
SI業界の需要は、今後も高まり続けると考えられます。
先ほど紹介したDX化が今後も続くだけでなく、直近では「2025年の崖」と呼ばれる問題も大きな理由になっていると言えるでしょう。
「2025年の崖」とは経済産業省のレポートに記されている表現であり、「日本がDXを推進できず国際競争力を失う」との予測のことを指します。
DX化について危惧している企業・組織は多く存在しており、システムインテグレーターの需要は高まっていくと考えることが自然です。
これからはDX化を進める企業だけでなく、最初からDX化を視野に入れて起業するところも増えるでしょう。今後ぱったりと需要がなくなることは考えにくいですね。
②プラットフォームを自社開発する企業が増加する
近年になって、収入源の確保を目的としてプラットフォームを自社開発する企業が増えています。
特に下請けをメインとしている中小企業では、こうした傾向が顕著に出ている状態です。
SIerはソリューションを提供できる存在であり、プラットフォームを自社開発する企業が増える流れは大きなチャンスだと考えられるでしょう。
今後もプラットフォーム自社開発の傾向は強まっていくと考えられることから、SI業界への就職を希望するなら注視しておきたいところです。
③人材不足の状態は引き続き続く
SI業界における人材不足の状況は、今後も引き続き続いていくと考えられています。
経済産業省が公表している資料によると、IT業界の人材不足は2023年には約78.9万人に拡大すると予測されている状態です。
(引用元:経済産業省「IT分野について」)
一方でSIを含むIT業界の市場規模は年々拡大しており、需要は高まっていくと考えられます。
SI業界は現在すでに需要が高いだけでなく、将来性も十分に高い業界であると考えられるでしょう。
SI業界の主な職種3つ|それぞれの1日のスケジュールも紹介

ここではSI業界の主な職種を以下の通り3つ紹介します。
「実際、どういう風に仕事をしてるの?」と疑問に思う方のため、今回は職種ごとの1日のスケジュールも紹介します。職種選びの参考にしてくださいね。
①SE
SEとは、「System Engineer(システムエンジニア)」の略称です。
クライアントのヒアリングを行い、ソフトウェアやシステムの設計から開発、テストなどを行います。
また、プロジェクトの予算やスケジュールを管理し、納期までに問題なく進めるようにすることもSEの重要な業務の1つです。
ただし開発工程に関しては、企業やプロジェクトによってはプログラマーに任せるケースも多くあります。
時間 | 業務内容 | 補足説明 |
---|---|---|
9:00 | 出勤・メールチェック | Slackやメールでの連絡事項を確認し、当日のタスクを整理 |
9:30 | 朝のミーティング | チームで進捗状況や課題を共有し、コミュニケーションを図る |
10:00 | 実装作業 | 設計書に基づき、プログラミングや単体テストを行う |
12:00 | 昼休憩 | 昼食を取り、リフレッシュ |
13:00 | 実装作業 | 午前中の作業の続きや、コードのレビューを行う |
15:00 | チームミーティング | 開発状況や課題の共有、仕様の確認などを行う |
16:00 | 実装作業 | ミーティングでのフィードバックを反映し、作業を進める |
17:30 | 日報作成・退勤準備 | 当日の作業内容をまとめ、翌日のタスクを整理 |
18:00 | 退勤 | 業務を終了し、退社 |
SEの仕事は「設計〜実装〜報告」までを一貫して行うのが特徴。特にコミュニケーションと技術作業をバランスよくこなす必要がある点が、SEならではの業務スタイルと言えるでしょう。
会議や打ち合わせで業務の方向性を確認しながら、ルーティンで終わらせず、日々柔軟に対応していく必要があります。
②ITコンサルタント
ITコンサルタントは、クライアントの経営課題解決をIT活用の切り口からサポートする専門職です。
クライアントト打ち合わせを行って経営状態を分析し、課題を洗い出して解決案を提案します。
SEよりもビジネスサイドに近い仕事が中心であり、開発に必要な知識だけでなくコミュニケーションスキルや論理的思考能力なども必要です。
プロジェクトの上流工程を担う仕事であり、大きな裁量を持って働ける点はやりがいだと言えるでしょう。
時間 | 業務内容 |
---|---|
8:00 | 出社 メールチェック スケジュール確認 |
9:00 | 社内チームミーティング(進捗共有・課題確認) |
10:00 | クライアント先へ移動 |
11:00 | クライアント経営層との戦略会議 |
12:00 | 昼食(クライアントやチームメンバーとのランチ) |
13:00 | クライアント現場担当者へのヒアリング |
14:00 | オフィスへ移動 |
15:00 | 情報整理・分析 社内ミーティング |
16:00 | 提案資料の作成 |
17:00 | 業務終了 |
③営業
SI業界においても、他の業界と同様に営業は重要な職種の1つです。自社の製品・サービスを顧客に売り込むことを主な仕事としています。
営業として高いコミュニケーション能力や交渉力が求められる一方で、ITテクノロジーに関する知見も必要な職種です。
IT分野やシステム関連の一般的な知識だけでなく、自社商品に関しても精通している必要があるでしょう。
時間 | 業務内容 | 詳細説明 |
---|---|---|
9:00 | 出社 メール確認 | 一日の業務開始。顧客や社内からのメールを確認し、対応が必要な事項を整理します。 |
10:00 | 顧客訪問 ヒアリング | 顧客先を訪問し、課題や要望をヒアリング。信頼関係の構築を図ります。 |
11:00 | 社内打ち合わせ | 技術部門やプロジェクトマネージャーと連携し、提案内容や進捗状況を共有します。 |
12:00 | 昼食・休憩 | 昼食を取り、午後の業務に備えてリフレッシュします。 |
13:00 | 提案資料作成 | 顧客の課題に対する解決策を提案するための資料を作成します。 |
14:00 | 顧客への提案プレゼン | 作成した提案資料をもとに、顧客へプレゼンテーションを行います。 |
15:00 | 契約交渉 調整 | 提案内容に対する顧客の反応を踏まえ、契約条件の交渉や調整を行います。 |
16:00 | 社内報告 日報作成 | 一日の業務内容を上司や関係部署に報告し、日報を作成します。 |
17:00 | 翌日の準備 退社 | 翌日の訪問予定や資料準備を行い、業務を終了します。 |
SI営業は顧客対応だけでなく、提案資料の作成や社内調整など、業務が多岐に渡るため、効率的に仕事を進める力が必要です。
また、技術部門との連携が頻繁に発生するため、単なる営業職とは異なり、IT知識や論理的な思考も欠かせません。柔軟な対応力や調整力を活かしていきましょう。
SI業界で働く魅力・やりがい3つ

ここでは、SI業界で働く魅力ややりがいとして以下の3つを紹介します。
①幅広い知識・スキルを身に付けられる
SI業界で働く魅力としてまず挙げられるのが、幅広い知識やスキルを身につけられることです。
システム開発を必要とする企業は、幅広い業界に存在します。さまざまなプロジェクトを経験することで、幅広い知見が身につくでしょう。
また、システム開発の工程すべてに関われる可能性もあることから、もちろんエンジニアとしても幅広い知識・スキルを身につけられるチャンスがあります。
ITの最新技術にも触れられることから、自分の市場価値を高めることも十分に期待できます。
②独立・起業も可能
SI業界で活躍して専門スキルを身につけることで、独立・企業もできます。SI業界では、幅広い業界の企業をクライアントにして実務経験を積めるためです。
実際にSI企業でエンジニアとして経験を積んだ後、独立・企業した実業家も多数存在しますよ。
DXをはじめとしてSIerの力を必要としている企業は多数存在し、今後の需要も高待っていくと予想されます。
将来独立も視野に入れている就活生であれば、SI業界の企業で実務経験を積むことも良い選択肢だと言えるでしょう。
③安定した需要と将来性がある
SIで働く魅力としては、安定した需要と将来性があることも挙げられます。
SI業過の仕事は原則としてBtoBであり、企業が相手であることから安定した需要が見込めるのです。
システム開発の需要が今後なくなることは考えにくく、将来的にも需要が高まっていくと考えるのが自然でしょう。
メーカー系やユーザー系のSI企業であれば、顧客基盤が強固でさらに安定性が高いと考えられます。
SI業界に向いている人の特徴4つ

ここでは、SI業界に向いている人の特徴として以下の4点を紹介します。
①論理的思考ができる
SI業界に向いている人の特徴としてまず挙げられるのが、論理的思考ができることです。
クライアントのニーズをヒアリングして最適なシステム開発につなげるには、論理的思考能力が求められます。
クライアントがITに関して詳しいとは限らず、多くのケースでは一般的な意見や要望をヒアリングしたうえで専門家として整理することが必要です。
また、開発したシステムが運用され出した後も、不具合があれば状況を分析して論理的に解決策を導き出す必要があります。
✔ | 問題対処の際は手順と根拠を重視する |
✔ | 複雑な情報を構造的に整理できる |
✔ | 業務フローを論理的に説明できる |
システム開発そのものが、理論や情報処理を主な業務としています。論理的思考が既に身についている人は、ぜひ自己PRなどでアピールしていきましょう。
②コミュニケーション能力が高い
コミュニケーション能力が高いことも、SI業界に向いている人の特徴の1つです。
SI業界の仕事では、クライアントやその他の関係者から丁寧にヒアリングすることが求められます。
調整や交渉が必要になることもあり、高いレベルのコミュニケーション能力が必要だと言えるでしょう。
また日常的にも、チームメンバーとコミュニケーションを取りながら作業を進めることが求められます。
✔ | 技術者と非技術者をつなげられる |
✔ | 人の要望を正確にヒアリングできる |
✔ | 意見が割れたときも冷静にすり合わせができる |
③知的好奇心や向上心が高い
SI業界で活躍する人材に共通する特徴としては、知的好奇心や向上心が高いことも挙げられます。
IT技術は日々進歩・変化していくためです。クライアントに最適なソリューション・サービスを提供し続けるには、常に学んでいく姿勢が求められますよ。
新しいことに対して興味を持って取り組めないようであれば、SI業界の仕事は大変に感じられるかもしれません。
忙しい中でも勉強を継続していくには、高い知的好奇心や向上心が必要でしょう。
✔ | 新技術やITトレンドを自発的に学ぶ |
✔ | 資格取得など自己研鑽に積極的である |
✔ | 課題改善に前向きに取り組める |
SI業界の技術の進歩はめざましく、数年ですっかり常識が様変わりしていることも少なくありません。
自然と新しい知識を調べてしまう人や、技術革新に興味がある人、それらの情報を自分の作業に活かせる人がより向いていると言えますね。
④マネジメント能力が高い
マネジメント能力の高さも、SI業界で活躍する人の多くに共通している点です。プロジェクトマネジメントの仕事が求められるケースが、SI業界では多くあります。
プロジェクトを限られた期間で円滑に進行させていくには、予算やチームメンバーをしっかりと管理していかなくてはいけません。
また、プロジェクトによっては下請け企業の管理も行う必要があります。
「リーダーシップ」や「チームワーク」などを中心に自己PRを作成してみるのも、SI企業への就活対策ではおすすめでしょう。
✔ | 進捗やタスクの管理が得意である |
✔ | チーム全体の調整を円滑に行える |
✔ | リスクや課題を早期に察知できる |
SI業界における職種別キャリアパスの全体像
「SI業界で働くと、将来的にどんなキャリアを描けるのだろう?」と不安や疑問を抱えていませんか?
ここでは、SI業界における代表的な職種ごとに、どのようなキャリアパスがあるのかを分かりやすく解説します。職種ごとの特徴や求められるスキルも含め、将来設計の参考になる情報を提供します。
- SEのキャリアパス
- ITコンサルタントのキャリアパス
- 営業のキャリアパス
①SE(システムエンジニア)のキャリアパス
SI業界におけるSE(システムエンジニア)は、顧客の業務課題をヒアリングし、ITシステムの設計・テスト、時には導入支援まで幅広く関わるため、業務理解力・論理的思考・調整力などが養われます。
こうしたスキルは、マネジメント、技術特化、コンサルティングなどさまざまな分野のキャリアに応用され、将来的な選択肢の広さにつながっていくでしょう。
そんなSEのキャリアパス例は以下の通りです。
- マネジメント志向(プロジェクトリーダー → プロジェクトマネージャー → 部門マネージャー)
- 技術スペシャリスト志向(ITスペシャリスト → ITアーキテクト → テクニカルリード)
- コンサルティング・独立志向(ITコンサルタント → プリセールスエンジニア → フリーランスエンジニア)
SEは、まず開発現場で実務を経験しながら、顧客対応や要件整理などを通じて視野を広げていきます。
現場で培った実務力と課題解決力が、マネジメントやコンサルタントといった上流工程への道を切り開く流れです。個々の強みを活かしたキャリア設計がしやすい職種といえますね。
実務経験をより多く重ねて自分の技術を極めたい場合は、技術的なスペシャリストの道に進むのがおすすめです。
また、システム開発を通して企業の助けになることに興味を持ち、コンサルティングの道に進む人もいますね。
②ITコンサルタントのキャリアパス
SI業界におけるITコンサルタントは、クライアント企業の業務課題を把握し、それに最適なITソリューションを提案・導入する工程を通じて、論理的思考力、課題解決能力などが養われます。
こうしたスキルは、他業界・他職種においても応用が利くため、IT以外の経営戦略や業務改善分野へのキャリア展開にも繋がりやすいでしょう。
- 社内での昇進によるステップアップ(アナリスト→コンサルタント→マネージャー→パートナー)
- 他社への転職によるキャリアの拡張(外資系や事業会社などへの転職)
- フリーランスとしての独立(IT戦略立案・プロジェクト支援の個人受託)
SI業界のITコンサルタントは、上流工程からクライアントのビジネス課題に深く関わる職種であり、その過程で培う多様なスキルは、マネジメントや戦略領域を含む多岐にわたるキャリアパスへと直結しやすい特長を持ちます。
③営業のキャリアパス
SI業界における営業職は、単なる「モノ売り」ではなく、ITに関する基本的な知識に加えて、顧客の業界理解や課題抽出力、社内外の関係者を巻き込む調整力も求められる仕事です。
論理的思考力や課題解決力、プロジェクトマネジメント力が自然と鍛えられていくため、将来的にはより上流の業務や、異業界・異職種への転身にもつながりやすい土台が築けます。
- 営業マネージャー・部門責任者への昇進
- ITコンサルタントへの転身
- カスタマーサクセス職へのキャリアチェンジ
SI業界の営業職は、顧客の課題と向き合う中で多角的なビジネス視点が養われます。この職種で培った提案力や調整力が、次のキャリアステージにおいて即戦力として評価されるため、幅広い進路選択が可能です。
SI業界で役立つ資格3つ

ここでは、SI業界で役立つ資格として以下の3つを紹介します。
①基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITエンジニアに求められる基本的な知識やスキルを評価する資格試験です。
ITサービスや製品、システム、そしてソフトウェアを開発する人材に必要な基本的知識や技能を問われます。
「デジタル人材の登竜門」とも言われる資格試験であり、取得することでDXを実行する人材として基本的なスキルを持つことを示せるでしょう。
IT関連資格の中でも入門試験的な位置づけであることから、初心者が挑戦する対象として適していると言えます。
②プロジェクトマネージャ試験
SI業界で有効な資格試験としては、プロジェクトマネージャ試験も挙げられます。
「プロジェクトマネージャー(PM)」とは、システム開発に関するプロジェクトを管理するマネージャーポジションのことです。
国家試験である上に比較的知名度が高く、取得することで高度なスキルを持っているとアピールできます。
受験資格は特にないもののレベルは非常に高いことから、エンジニアとしての実務経験を積みつつ挑戦する人が多いと言えるでしょう。
4つの試験に参加する必要があるほか、合格率は15%前後と、非常に難易度の高い試験になっています。
就活前に取得したいというよりは、キャリアアップを目指す際に、実力に合わせて受験するのがおすすめな資格ですね。
③AWS認定
AWS認定は、Amazon社のクラウドコンピューティングサービス「AWS(Amazon Web Services)」に関する専門知識を問われる資格試験です。
近年では多くのインターネットサービスや業務システムがAWSを利用して作られており、資格の需要も高まってきていると考えられます。
就職時点ではもちろん、入社後の昇進・昇給にも有利に働くことが期待できるでしょう。
AWS認定は4レベルに分かれていることから、1つずつ挑戦してレベルアップしていくことができます。
SI業界の就活のポイント3つ

ここでは、SI業界の就活のポイントとして以下の3点を紹介します。
①インターンやアルバイトで経験を積む
SI業界の就活のポイントとしてまず挙げられるのが、インターンやアルバイトで経験を積むことです。
仕事の雰囲気や内容を身をもって理解しておくことで、書類選考や面接で有利に働くことが期待できます。
実務経験がある即戦力人材であれば、企業側としても積極的に採用したいと考えるものです。
また、職場の雰囲気を知っておくことで入社後に理想と現実のギャップが起きてしまうことも防げるでしょう。
②プログラミングスキルを身につける
プログラミングスキルを身につけることも、SI業界の就活を有利に進めるポイントです。
SIerとして採用されても、入社すぐにシステム・ソリューション提案や企画な度の仕事を任されるわけではありません。
入社後はまずプログラミングの仕事を任され、システム開発に関わっていくのが一般的です。
そのため入社前にプログラミングスキルを身につけておけば、実力をアピールできるだけでなく業務にスムーズに入っていけるでしょう。
③SI業界の研究を徹底する
SI業界の企業への就職を志望するなら、業界研究の徹底も重要です。新卒採用では、専門知識を求められることはあまりありません。
ただし、SI業界全体について一定以上の理解がなければ、採用を突破することは難しいでしょう。
インターネットで情報収集することはもちろん、できるだけ書籍も活用して深い知識を身につけることがおすすめです。
インターネットで基本的な知識を学んでから書籍でより深い知識を押さえると、スムーズに業界研究を進められます。
SI業界は未経験でも採用を進めていますが、やはりやや専門的な技術職でもあるため、一定の知識や前提理解は必要です。
実務経験がない場合は、「独学でどれくらい勉強しているか」「今後どのような資格取得を目指しているか」など、まずは自分の努力や目標をアピールしていきましょう。
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①あなたの強みを見極め企業をマッチング
②ES添削から面接対策まですべて支援
③限定求人なので、競争率が低い
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SI業界の志望動機のポイント3つ

ここでは、SI業界の志望動機を考えるうえでのポイントを以下の3点に整理して紹介します。
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①SI業界の志望理由を明確にする
SI業界の志望動機を考えるうえではまず、業界の志望理由を明確にすることが重要です。
志望理由について確認することで、採用担当者は就活生のモチベーションや熱意などを確認しようとしています。
新卒採用の場合最初からスキルを求めることはあまりない代わりに、人柄やモチベーションの高さ、熱意などを重視する傾向があるのです。
「なぜSI業界なのか」「ほかの企業ではダメなのか」の質問に対して答えられるように、志望理由を整理してみましょう。
②「なぜその企業なのか」をはっきりとさせる
「なぜその企業なのか」についても、志望動機の中ではっきりとさせることが理想的です。
SI業界にはさまざまな企業が存在していることから、「他社でも良いのでは?」と思われると入社への熱意が低いと判断されてしまいます。
業界研究・企業研究をしっかりと行い、応募先の企業と競合他社との違いを明確にしておくことが求められるでしょう。
給与の高さや安定性などの待遇面ではなく、「その企業でならどんなことができるか」に注目して考えることがおすすめです。
SI業界とひとくちに言っても、企業ごとに「どんな業務が主か」「どんなビジョンがあるか」「どんな人材を求めているか」は細かく異なってきます。
そんな「企業ごとの特色」にフィットするかどうかを選考では見られているため、企業理解を深めつつ、マッチ度の高さを強調していきましょう。
③その企業にどうやって貢献するのか明確にする
応募先の企業にどうやって貢献できるのかも、整理しておくことをおすすめします。
企業としては、少しでも活躍する可能性を感じる人材を採用したいと考えるものでしょう。
新卒採用の場合、中途採用とは異なりこれまでの職歴や実績をアピールすることはなかなかできません。
そのためアルバイトや学業、サークルなど学生時代に経験した中で経験したことをエピソードとしてアピールすることが重要です。
SI業界の志望動機の例文
志望動機は、以下の流れでの作成が基本です。
- 結論(志望理由)
- エピソード
- 入社後の展望
上記の流れを基本とすることで、志望理由やその企業にどう貢献できるかなどのポイントを押さえた志望動機を作成できますよ。
以下はSI志望動機の例文ですので、是非参考にしてください。
私が貴社を志望したのは、さまざまなシステム開発を通じて顧客のビジネスに貢献できる人材になりたいと考えたためです。 私は大学で情報工学を専攻し、データベースをはじめとするさまざまな知識を身につけてきました。 一方で学業やアルバイトのかたわら自分でウェブサイトを制作しており、顧客のニーズをコンテンツに反映させる重要性を痛感しております。 貴社では幅広い業界の企業に対してシステム開発を行っており、幅広い視点を持って業務に当たれると思い魅力に感じました。貴社に入社した後は、大学で身につけた知識を活かし、さまざまなスキルを吸収してシステム開発に関わりたいと考えております。 |
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SI業界の業界研究を進めて就活を有利に進めましょう!

SI業界は、さまざまな企業からのニーズに合わせてシステムの設計から開発、そして保守・運用までを手掛ける業界です。
SI業界を志望するなら業界研究をしっかりと行い、就活を有利に進めましょう。
本記事でお伝えした内容も、ぜひとも対策・研究にお役立てくださいね。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。