就職四季報は就活に有益!使い方と得られる情報を詳しく解説
「就職四季報」は、就職活動における信頼できるガイドブックです。多くの方が名前は耳にしているものの、その価値や活用法が分からないという声も聞かれます。
そこで、この記事では、就職四季報を使って得られる具体的な利点と効果的な活用法について紹介します。
就職活動を成功に導くために、この貴重な情報源をどう活かすか、一緒に見ていきましょう。
「企業情報のバイブル」就職四季報とは?

東洋経済新報社が提供する「就職四季報」は、就職活動に不可欠な企業情報が満載の参考書です。この一冊には、各企業の詳細なデータが集められており、就職先の選定に大いに役立ちます。
ただ企業の基本データを掲載するだけでなく、業界内での位置づけや公正な評価も含まれているため、就活における大切な指針となるでしょう。
新版は毎年11月に発行されますので、就職活動を控えた大学3年生は、秋ごろに購入しておくと良いです。
さらに、夏のインターンシップ選考に備えて、就職四季報で事前に企業調査を行うこともあるので、インターン選考前に購入するのもおすすめですよ。
就職四季報でチェックすべき情報

- 給与情報
- 採用情報
- 望まれる人材像
これらの項目は、就職活動や選考対策に不可欠な情報です。詳細を確認してみましょう。
①給与情報
適切な企業を選定する際、給与待遇の情報は非常に役立ちます。
四季報の平均年収のデータには、単なる数値だけでなく、社員の平均年齢も含まれているため、
自身の年収がどの程度であるべきかの参考になります。
また、有給休暇の平均取得日数も確認しておきましょう。あまりにも取得日数が少ないと休暇が取れないブラック企業の恐れがあるので注意してくださいね。
さらに、社員の平均勤続年数や3年後の離職率の情報からは、その企業が長く勤務できる環境なのかがわかります。自分に合った企業を見つけるためにも、四季報をうまく活用してくださいね。
②採用情報
四季報は、就職活動を始める前に知っておくべき、各企業の詳細な採用情報を提供しています。
エントリー期間のような基本的なデータに加えて、性別による採用率の違いなど、企業の内実を反映する情報も網羅されてます。
たとえば、男性の採用率が女性よりも顕著に高い企業は、性別による働きやすさに差があるかもしれません。
採用データに違和感があれば、自分にとって最適な職場かどうか再度検討する必要があります。
③望まれる人材像
企業が求めている人物像も、四季報で確認しましょう。自身との相性を判断するために、企業が求めている人物像を理解する必要があります。
自分と企業の相性が合わない場合、入社後に仕事や環境になじめないこともあります。
しかし、選考過程で自身と企業が求める人材が一致していることを示せると、内定に大きくつながるでしょう。
そのため、多くの企業の情報を比較検討し、自分に最適な職場を見つけ出すことが大切です。
就職四季報が有益な理由3つ

以下では、具体的なメリットとその理由を3つに分けて紹介します。
- 企業情報を容易に検索できる
- 客観的なデータを見れる
- 企業を容易に比較できる
これらのメリットを把握し、就職活動に有効活用しましょう。
①企業情報を容易に検索できる
四季報を活用することで、多様な企業情報を手軽に検索することが可能です。
国内には数えきれないほどの企業が存在し、それぞれの業界で独自の特色を持っていつので、理想の企業を見つけ出す作業は難しいです。
しかし、四季報には幅広い企業のデータが集約されており、自分に合った企業を簡単に探し出せます。
就活においては、時間を有効に使ってください。四季報からさまざまな企業の情報が瞬時に手に入るため、あなたの就職活動を大きくサポートしてくれますよ。
②客観的なデータを見れる
四季報の利点は、各企業からのアンケートに基づく数値データが豊富に掲載されていることです。一方で、就職活動サイトにある口コミ情報は個人の見解に基づいており、時に事実と異なる場合があります。
四季報は、平均年収、有休消化率、離職率などの客観的な数値を提供してくれるため、信頼性のある情報をもとに企業選びができます。
③企業を簡単に比較できる
四季報は様々な企業を手軽に比較できるため、就活中の学生にとって非常に魅力的な情報源です。
客観的な数値データを基にした比較により、業界内での各企業の位置づけや将来性を把握できます。
たとえば、企業成長率や離職率が詳細に記載されているため、企業選びの判断材料にできますよ。
一見魅力的な企業でも、数値データで他社と比較することで、自分に合わない可能性もあります。そのため、四季報を活用して企業の比較検討を行うようにしましょう。
就職四季報活用のポイント6つ

四季報を活用する際に押さえておきたい6つのポイントを紹介します。
- 企業業績
- 企業の採用数
- 企業の採用実績校
- 開示度とNA
- 残業時間
- 有給休暇の活用状況
それぞれの項目を具体的に確認し、企業情報を的確に把握するための参考にしましょう。
①企業業績
四季報で気になる企業を調べる際に、まずは企業業績を確認しましょう。
会計年度における企業の成果は、売上や利益の数字で表され、売り上げや利益が前年度を上回っている場合、その企業は安定した成長を遂げていると言えるでしょう。
また、売上は商品やサービスの販売額を、利益はそれに伴うコストを引いた後の金額を指します。従って、売上が上がっても、利益がマイナスに転じることは決して稀なことではありません。
特に、事業の基盤となる営業利益が赤字になると、企業の財務健全性が保証できず、人員の削減につながることも考えられます。
さらに、経常利益も赤字が続く場合は、企業の将来に重大な影響を及ぼす可能性があるため、慎重な分析が求められるでしょう。
②企業の採用数
企業の採用数も四季報で確認しておきましょう。
新卒採用の動向は、企業が新たに迎え入れる人材の数を示しています。
採用予定数を把握することは基本ですが、その内訳にも目を向けましょう。採用予定数は、学問の分野や性別、学位によって分けられているためです。
従業員数に対して採用数が多い場合は、前年度に多くの社員が退職した可能性が高いです。このような現象は、企業に何かしらの問題がある兆候とも取れるため、見逃さないようにしましょう。
採用枠がすくないと選考倍率も上がるので選考参加前に確認しておくと良いですよ。
③企業の採用実績校
採用実績校は、企業が新しい社員として迎え入れた人々の母校を指します。就職活動において、これらの学校リストは、自身に適した企業を見つけるための重要な手がかりとなります。
出身校がリストに含まれている場合、それは一定の安心感を与えるものです。しかし、採用実績校に在籍しているすべての学生が採用されるとは限りません。
また、社員の出身校が多い場合、すべて掲載できないため、自分の出身校が掲載されていなくても落ち込みすぎないようにしましょう。
採用実績校は、あくまで企業が求めるレベルを判断するための一つの基準に過ぎないため、その点を踏まえて活用することをお勧めします。
④開示度とNA
企業がどれだけ情報を公開しているかを示す「開示度」という指標があります。これは、企業が提供する情報の量や質を比較的に評価するものです。
一方、「NA」は「回答なし」という意味で、企業がアンケートの特定の質問に答えていないことを指します。通常、信頼できるデータは企業によって積極的に公開されるため、NAとされる情報は公表を避けたい内容である可能性が高いです。
開示度は、企業の透明性や信頼性を測るバロメーターとして機能します。企業の分析を行う際や他社との比較をする際に、必要な情報が見つからない場合は、別の情報源を探してみましょう。
⑤残業時間
現代社会では、仕事と私生活のバランスが注目されており、残業時間の把握が不可欠です。
一般的な企業では月平均20時間の残業が見込まれていますが、30時間から40時間を超える場合は、残業が多いと判断されがちです。
ただし、成長している業界では、忙しい時期には残業が増えることも珍しくありません。
そのため、残業時間のみで企業の評価を下げるのではなく、業績や福利厚生を含めた全体的な状況を見極めることが重要です。
⑥有給休暇の活用状況
四季報では、社員が実際に利用した有給休暇の日数や、付与された日数に対する消化率
が記載されています。
これに対して、多くの企業の公式サイトでは、有給休暇の上限となる付与日数の情報のみが提供されていることが一般的です。
付与日数は大体20日程度が多いものの、実際に休暇を取得する割合は企業ごとに異なります。消化率が10日分程度であれば、それは平均的な水準と言えるでしょう。
しかし、消化率の低さは、有給休暇の取りにくさを表す可能性があるので、特に注意が必要です。
就職四季報の種類4つ

就職四季報は、以下の4つの種類に分類されます。
- 就職四季報総合版
- 就職四季報優良・中堅企業版
- 就職四季報企業研究・インターンシップ版
- 就職四季報女子版
それぞれが独自の特色を持っているので、目的に合ったものを選択しましょう。
①就職四季報総合版
この四季報は、多くの人にとって最も信頼されている情報源の一つです。その最大の魅力は、企業からの広告料を一切受け取らずに、客観的かつ公平なデータを提供している点にあります。
離職率のような、他では見過ごされがちな貴重な情報も掲載されているので、企業の実態を深く理解できますよ。
また、「総合版」と呼ばれるこの四季報は、多岐にわたる情報を網羅しているため、
就職活動を始めたばかりの方や、まだ企業について詳しく知らない方にも理想的な資料
です。
②就職四季報優良・中堅企業版
この資料は、未上場ながらも優れた実績を持つ中堅・ベンチャー企業を紹介するものです。
上場企業に焦点を当てた総合版とは異なり、より幅広い選択肢を求める方々に最適な内容となっています。
新しい世代の学生たちが、新卒でのベンチャーや中堅企業への就職に関心を寄せる傾向にあり、そのニーズに応える形でこの版が作成されました。
地域を牽引するメガベンチャーや地方の隠れた優良企業も掲載されており、就職活動における選択の幅を広げるのに役立つでしょう。
③就職四季報企業研究・インターンシップ版
この四季報は、インターンシップを控えた学生たちがスムーズに就職活動を進められるように設計されています。特に、キャリア形成の初期段階にある大学3年生以下の方々に役立つ内容が満載です。
インターンシップの選考過程や正式採用への影響など、重要な情報が詳細に記載されており、就職活動のスタートラインに立つ際の貴重な判断材料になります。
さらに、企業情報だけでなく、業界研究の要点も網羅しているため、希望する業界や企業がまだ決まっていない方にも最適な参考資料ですよ。
④就職四季報女子版
このガイドは、女性が活躍できる職場を見つけるための情報を集めたものです。
家庭を持った後も仕事を続けたい女性は、自身のキャリアの築き方に迷う方が多いでしょう。
産休の取得実績や女性リーダーの数など、女性にとって重要な企業情報が網羅されており、長期的な視点での職場選びに役立ちます。
キャリアを輝かせたい女性にとって、このガイドは大変有益なツールとなるでしょう。
就職四季報を有効活用して就活に臨もう

四季報には、給与待遇や採用情報などが詳細に掲載されており、就活の必須アイテムです。
客観的なデータがまとめられているため、企業の実情を把握するのに役立ちます。公式サイトや説明会では得られない情報もありますよ。
四季報をうまく活用して、就職活動に臨みましょう。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。