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証券会社の仕事内容と代表的な職種を紹介!働く魅力や向いている人も紹介

株式や債券の売買を仲介するだけでなく、企業の資金調達を支援したり、個人投資家の資産運用をサポートしたりと、証券会社の業務は多岐にわたります。

この記事では、証券会社の基本的な役割から、代表的な職種や部門、さらに働く魅力や求められるスキルまで幅広く解説します。

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目次

証券会社とは?

証券会社とは、株式や債券などの有価証券の売買を仲介する金融機関です。資産運用のアドバイスや市場情報の提供を通じて、個人や企業の資産形成を支える役割も担っています。

証券会社の仕事は一見難しそうに感じるかもしれませんが、仕組みを理解するとその意義や魅力が見えてくるでしょう。ここでは、証券会社の基本的な概要と社会的な役割について説明します。

証券会社は、投資家と証券取引所をつなぐ「橋渡し」のような存在です。投資家が株を買いたいとき、直接取引所に注文を出すのではなく、証券会社を通じて売買を行います。

証券業界の全体像を知ることで、自分に向いているかどうかの判断材料を得ることができます。まずは基本をしっかり押さえて、業界への理解を深めてみてください。

証券会社の主な仕事内容

証券会社では、お金の流れを支える多様な業務が行われています。就職活動中の学生にとっては、聞き慣れない職種名も多く、自分に合った仕事が見つかるかどうか、不安に感じることもあるでしょう。

ここでは、証券会社における代表的な仕事内容を紹介し、それぞれの役割や求められるスキルについてわかりやすく解説していきます。

  1. ブローカー業務
  2. ディーラー業務
  3. アンダーライティング業務
  4. セリング業務
  5. リサーチ業務
  6. 資産運用コンサルティング業務
  7. 顧客サポート業務

①ブローカー業務

ブローカー業務とは、顧客の株式や債券の売買注文を証券取引所に取り次ぐ仕事です。主に個人や法人からの注文を受け、正確かつ迅速に取引を成立させることが求められます。

単なる注文の橋渡しではなく、相場の動きやタイミングを見極めながら、最善の形で取引を成立させる必要があります。

この業務ではスピードと情報処理能力が重視されるため、常に最新の市場動向を把握し、的確に判断できる力が欠かせません。

顧客の投資方針や市場の状況に応じて最適な手続きを行うには、幅広い金融知識と経験が必要とされます。証券会社の最前線で顧客と向き合う仕事であり、信頼を得る第一歩となる重要なポジションです。

さらに、迅速な判断と冷静な対応が評価されるため、実力が結果に直結しやすい職種ともいえるでしょう。

②ディーラー業務

ディーラー業務は、証券会社が自社の資金を使って株式や債券などの売買を行う仕事です。市場の変動を予測しながら利益を出していくため、高度な分析力とスピーディな判断力が求められます。

わずかな情報の差が成果に直結するため、集中力と冷静な対応力も必要です。この職種は一見華やかに見えますが、日々変動するマーケットと向き合いながら成果を追求するプレッシャーも大きいです。

そのため、メンタルの安定と自己管理能力が求められます。一方で、自分の判断が会社の利益に直結するため、やりがいや達成感も非常に大きいでしょう。

成果が数字で明確に表れるため、結果を出したい人には向いています。経験を積むことで、金融知識だけでなく相場感覚も養われ、専門性を高めながらキャリアアップを目指せる仕事です。

③アンダーライティング業務

アンダーライティング業務とは、企業が株式や債券を発行する際に、その引き受けを行う仕事です。

IPOや増資のタイミングで証券会社が企業から有価証券を買い取り、投資家に販売することで資金調達を支援します。企業と市場をつなぐ重要な役割を担い、証券会社の信頼性を示す業務でもあります。

この業務には、企業価値の評価や市場との調整、スケジュール管理など多くの工程が含まれます。

特にIPOでは、初めて上場する企業を市場に送り出す責任があり、調整力やリスクマネジメント能力が問われる場面も多くあります。

証券会社の中でも裏方的な存在ではありますが、実際には非常に専門性が高く、金融マーケット全体を支える重要な役割を担っているといえるでしょう。

将来的には企業の財務戦略にまで関わる機会もあるため、ダイナミックな業務に魅力を感じる方におすすめです。

④セリング業務

セリング業務は、発行された株式や債券などを投資家に販売する仕事です。企業が発行した金融商品を広く投資家に届ける役割を担い、証券会社の営業活動の中核をなします。

単に商品を紹介するだけでなく、顧客のニーズに合った提案ができるかどうかが成果に直結します。

営業職としての側面が強く、商品知識や市場動向を理解しておくことはもちろん、コミュニケーション能力やプレゼン力も不可欠です。

また、既存の投資家との関係構築に加え、新規顧客の開拓にも積極的に取り組む必要があります。成果が自分の努力に比例しやすいことから、達成感も得やすいでしょう。

⑤リサーチ業務

リサーチ業務では、経済や企業の動向、業界のトレンドなどを調査・分析し、投資判断に役立つ情報を提供します。

主にアナリストとして、社内外の関係者に対して資料やレポートを発信することが中心の業務です。情報の正確性とスピードが重要視されるため、迅速かつ丁寧な情報処理能力が問われます。

この業務では、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析といった専門的手法を駆使して、市場を読み解いていきます。

また、メディア対応やセミナー講演といった外部活動を通じて、企業の知名度を高める役割も果たします。知的好奇心が強く、裏付けを持った意見を発信したい人にとって、非常にやりがいのある職種です。

⑥資産運用コンサルティング業務

資産運用コンサルティング業務は、顧客の資産形成を支援する仕事です。顧客のライフプランや投資目的を踏まえた上で、適切な商品や運用方針を提案していきます。

個人・法人を問わず、多様なニーズに応える柔軟性が必要です。この業務では、顧客との長期的な関係構築が非常に重要でしょう。

運用結果だけでなく、対応の丁寧さや信頼感も評価対象になるため、ヒアリング力や共感力が求められます。投資信託や株式、債券など複数の商品を組み合わせて提案するため、幅広い知識と専門性も必要です。

日々の提案やフィードバックの中で、金融のプロフェッショナルとして顧客に寄り添える点が魅力といえるでしょう。継続的な学びと成長を大切にしたい方にはぴったりの仕事です。

⑦顧客サポート業務

顧客サポート業務では、証券口座の開設や取引に関する問い合わせ対応などを行います。トラブル対応や各種手続きのサポートを通じて、顧客の安心と信頼を支える重要な役割です。

表には出にくい業務ですが、証券会社の評価に直結する仕事といえるでしょう。この業務では、電話やメールなどを通じて顧客と接する機会が多く、丁寧でわかりやすい対応が求められます。

実務を通じて証券会社全体の業務を理解しやすいため、金融業界に幅広く関心がある方にはぴったりのポジションかもしれません。業務経験を重ねる中で、さまざまな部署へのキャリアパスも開かれています。

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証券会社の代表的な3つの部門

証券会社には大きく分けて3つの主要部門があり、それぞれ役割や仕事内容が異なります。就活生にとっては、各部門が担う役割を理解することが、業界研究や自己分析に直結します。

ここでは「リテール部門」「投資銀行部門」「リサーチ部門」の特徴を紹介し、仕事のイメージを具体化できるよう解説します。

  1. リテール部門
  2. 投資銀行部門
  3. リサーチ部門

①リテール部門

リテール部門は、個人投資家を対象に金融商品の販売や資産運用の提案を行う部門です。証券会社の中では、もっとも顧客との接点が多く、企業の「顔」としての役割を果たします。

担当する顧客は幅広く、資産形成を始めたばかりの若年層から、退職後の資産運用を考える高齢者まで多岐にわたります。

信頼関係を築く中で、長期にわたって顧客と関係性を維持していくことも少なくありません。また、得られるスキルは営業力や提案力だけにとどまらず、金融知識やマーケット感覚も自然と養われていきます。

将来的に他部門や異業種にチャレンジする際にも応用が利く、土台作りに適したポジションといえるでしょう。

②投資銀行部門

投資銀行部門は、企業を対象に資金調達やM&A(企業の合併・買収)など、戦略的な金融サービスを提供する高度専門職の部門です。

業務のスケールが大きく、関わるプロジェクトは数十億円から数千億円規模に及ぶこともあります。そのため、経済や業界全体に与える影響も大きく、やりがいを強く感じやすい点が特徴です。

具体的には、企業が株式や債券を発行する際の助言や支援、M&A案件における戦略立案と交渉サポートなどを行います。

さらに、上場支援や企業価値の評価、株主構成の最適化なども業務の一環として含まれます。

特にロジカルシンキングや戦略的思考に自信のある人、経営層と対等に会話をするようなダイナミズムを求める人にとって、投資銀行部門は非常に魅力的な選択肢となるはずです。

③リサーチ部門

リサーチ部門は、経済全体の動きや個別企業の業績、産業トレンドなどを分析し、投資判断に役立つ情報を発信する知的中枢の役割を担います。

表立った業務ではないものの、証券会社全体の意思決定や提案活動に対して強い影響を与える存在です。主な業務は、企業分析レポートの作成や株価の予測、市場全体のトレンド解説などです。

これらを行うには、膨大なデータを収集・整理し、それらを根拠として論理的に構築されたストーリーに落とし込む力が求められます。

静かな環境でじっくり思考を深めながら、証券会社全体の「頭脳」として価値を提供したいと考える人にとって、非常にやりがいのあるキャリアパスになるでしょう。

証券会社の具体的な職種

証券会社には、一般的に知られる営業職だけでなく、分析や取引を担当する職種や、企業支援を行う専門部門まで多彩な仕事があります。

ここでは、それぞれの仕事内容や適性について、分かりやすく紹介します。

  1. 営業職
  2. アナリスト職
  3. 事務職
  4. トレーダー職
  5. 投資銀行業務職

①営業職

証券会社の営業職は、個人投資家から法人顧客まで、幅広いお客さまに金融商品を提案し販売する仕事です。

主な業務は、株式や投資信託、債券などの金融商品の紹介や、ポートフォリオの構築支援、資産運用のアドバイスなどが中心になります。

金融の専門知識だけでなく、相手のニーズを丁寧に汲み取るヒアリング力や、信頼関係を築く人間性がとても重要です。

また、営業職には成果に応じた評価制度があるため、やりがいを感じやすい環境ともいえます。その一方で、数字へのプレッシャーを感じる場面も少なくありません。

精神的なタフさや自己管理の力も欠かせないでしょう。人と接することが好きで、相手の課題を見つけて解決策を示すことにやりがいを感じる方には、非常に適した職種です。

②アナリスト職

アナリスト職は、経済全体の動きや業界ごとのトレンド、個別企業の財務情報などを調査・分析し、その結果を社内外に向けてレポートや口頭で提供する役割を担っています。

証券会社の中では、情報の最前線に立ち、営業職やトレーダー、投資銀行部門などの意思決定に直接関わるポジションです。

業務では日々発表される経済指標や企業決算をチェックしながら、データやニュースの裏にある本質を見抜く力が求められます。

単に情報を集めるだけでなく、独自の視点で仮説を立て、検証しながら考察することが求められるため、論理的思考力と柔軟な分析力が必要不可欠です。

調査や分析を地道に積み重ねることに面白みを感じる方、数字やデータの扱いに長けている方には非常に向いている職種といえるでしょう。

③事務職

証券会社の事務職は、営業やトレーダーがスムーズに業務を進められるよう、取引の裏側で正確かつ迅速な処理を担当する重要なポジションです。

業務内容は、口座開設、入出金の確認、書類の管理、取引データのチェック、コンプライアンス対応など多岐にわたります。

とくに金融業界では、一つのミスが大きなトラブルにつながるため、細かい作業に集中する力と責任感が必要です。

日々のルーティンの中にも、制度改正や社内ルールの更新に合わせて柔軟に対応していく姿勢が求められるでしょう。また、他部門と連携する機会も多く、社内コミュニケーションが円滑であることも大切です。

安定した環境で、着実にキャリアを築きたい方にもおすすめできます。

④トレーダー職

トレーダー職は、市場において株式や債券、為替などの金融商品を実際に売買する役割を担っています。

勤務中は常に市場動向に集中している必要があり、少しの判断ミスが大きな損失につながることもあるため、冷静なメンタルと判断力が必要です。

また、企業によっては自己資金ではなく、会社の資金で運用を行うプロップトレーディング形式をとることもあり、責任の重さと緊張感が常に伴います。

地道な準備と素早い決断を両立できる人、また自分の判断で大きな取引を動かすスリルに魅力を感じる人に向いています。変化の激しい環境でこそ成長したいと考えている方にとっては、大きなチャンスがある職種です。

⑤投資銀行業務職

投資銀行業務職は、企業の合併・買収(M&A)や新規株式公開(IPO)、社債発行などを通じて、法人の資金調達や経営課題の解決を支援する仕事です。

証券会社の中でも高度な金融知識と戦略的思考が求められる職種で、クライアントとの信頼関係構築が極めて重要となります。

経営者層や財務担当者と直接やり取りを行いながら、企業の成長戦略に深く関与することができます。

また、実際の業務では提案資料の作成、モデル分析、社内外の調整、契約書関連の業務などが並行して進むため、マルチタスク能力や粘り強さも求められるでしょう。

挑戦を楽しみ、成長を糧にしていける方にとっては、非常に魅力的なフィールドといえます。

証券会社で働く魅力

証券会社の仕事には、他の業界では味わえないような魅力がたくさんあります。

経済の動向を読み解き、ダイナミックな変化の中で自分の力を試せる環境が整っているため、成長意欲の高い学生にとって魅力的な職場といえるでしょう。

ここでは、証券会社で働く魅力を5つの視点から詳しく紹介します。

  1. 経済の最前線で活躍できる
  2. 市場変動のスリルを体感できる
  3. 成果に応じた高報酬が得られる
  4. 若手でも大きな仕事を任されるチャンスがある
  5. 専門知識とスキルを身につけることができる

① 経済の最前線で活躍できる

証券会社は経済の中枢に位置しており、日々の仕事を通じてリアルタイムに国内外の経済活動と関われます。

企業の資金調達や投資提案を通じて、日本経済やグローバル市場の動きを肌で感じられる点は、大きなやりがいとなるでしょう。

実際の取引や提案内容にニュースや経済指標が直結しているため、日常的に知識を活用する場面が多く、自分の理解度や成長を実感しやすい環境です。

最初は専門用語や数字の多さに圧倒されるかもしれませんが、実務経験を積むなかで自然と理解が深まり、会話の中で経済用語が当たり前に使えるようになっていきます。

経済に関心があり、社会全体の動きにアンテナを張るのが好きな人には、とても刺激的な環境といえるでしょう。

② 市場変動のスリルを体感できる

証券市場は1秒ごとに動いており、刻一刻と状況が変わる中で迅速かつ的確な判断が求められます。その変動の中で自分の意思決定が大きな成果につながることもあれば、失敗に終わることもあります。

しかし、それこそがこの仕事の醍醐味であり、スリルを感じられる最大の要素です。

たとえば、株価の予測が当たって顧客から信頼されるようになったときの達成感は格別ですし、1つの決断が大きな取引につながったときの高揚感も忘れられないものになるでしょう。

スピード感のある仕事が好きな人、結果にワクワクできる人にはうってつけの職場といえるでしょう。

③ 成果に応じた高報酬が得られる

証券会社では、個人の成果が明確に評価される環境が整っており、頑張り次第で年齢に関係なく高報酬を得ることが可能です。

営業職などではインセンティブ制度が一般的に導入されており、契約数や取引額に応じて収入が上がる仕組みとなっています。

自分の働きがそのまま数字に表れ、それが評価や報酬に直結するのは大きなやりがいでしょう。目に見える成果があることで、自分自身のモチベーションも維持しやすくなります。

一方で、結果を求められる環境でもあるため、常にプレッシャーと向き合う必要があります。報酬が評価に基づくため、公平な競争環境があるという点も魅力の一つです。

自分で目標を決めて突き進みたい人や、努力の成果を正当に評価されたいと感じている人には、理想的な環境といえるでしょう。

④ 若手でも大きな仕事を任されるチャンスがある

証券会社では、年功序列にとらわれない実力主義の文化が根付いており、若手でもチャンスをつかめる環境が整っています。

入社から2〜3年で上場企業を担当するケースや、投資案件の提案を一手に引き受ける場面も少なくありません。

若いうちから責任あるポジションを任されることにより、実務経験を通じたスキルの習得や、判断力・交渉力といった社会人としての基礎力も飛躍的に向上します。

周囲のフォロー体制も整っているため、わからないことがあれば先輩や上司に相談しながら乗り越えることができます。

自分の可能性を広げたいと考えている人には、早い段階から成長を実感できる魅力的な職場といえるでしょう。

⑤ 専門知識とスキルを身につけることができる

証券会社では、日々の業務の中で金融や経済に関する専門知識を自然と習得できます。資格取得支援制度や充実した研修プログラムが用意されている企業も多く、自分の学びを仕事に活かしやすい環境です。

FP(ファイナンシャル・プランナー)や証券アナリストなどの資格取得を目指すことで、専門性を高めながら市場価値を上げることもできるでしょう。

また、知識だけでなく、実務を通じて鍛えられるスキルも非常に多岐にわたります。

たとえば、論理的に説明する力や、プレゼンテーションスキル、顧客との信頼関係を築くためのコミュニケーション能力など、汎用的なスキルが自然と身についていきます。

学ぶことを楽しめる人、自分の専門性を高めていきたい人にとって、非常に魅力的な成長環境といえるでしょう。

証券会社の現在の動向

証券会社は、近年大きな変化の中にあります。特に制度改革や投資ニーズの多様化によって、ビジネスの形や求められる役割も変わってきました。

ここでは、就職を目指す学生にもわかりやすいように、証券会社の最新の動向について解説します。

  1. NISA制度の普及による影響
  2. IPO(新規株式公開)の増加
  3. ラップ口座の需要拡大
  4. ビジネスモデルの多様化と転換

① NISA制度の普及による影響

NISA制度の拡大により、個人投資家の裾野が大きく広がっています。

これまで投資に関心がなかった層や、学生・主婦・若年層などが資産運用に興味を持ち始めたことで、証券会社は新たな市場を獲得するチャンスを得ています。

この変化に対応するため、証券各社はスマホアプリやオンライン講座など、初心者でも使いやすい環境整備を進めています。

さらに、従来の対面営業に加えて、SNSや動画配信を活用した新たな情報提供も行われています。一方で、情報量が多すぎて初心者が混乱するケースもあり、適切なサポートが求められる場面も増えてきました。

証券会社で働くうえでも、こうした時代の変化を理解し、多様な顧客に柔軟に対応できる力が重要になっています。

② IPO(新規株式公開)の増加

IPOが活発になることで、証券会社は企業の成長を後押しするパートナーとして、ますます存在感を高めています。

上場準備には、財務面だけでなく法務、IR(投資家向け広報)、経営戦略など多岐にわたる支援が必要となるため、証券会社の役割は非常に幅広くなっています。

証券会社では、IPO専門の部署が企業と密に連携し、適切なタイミングでの上場を実現するための助言やサポートを行っています。この業務に携わることで、証券業務の枠を超えた実務経験が積める点は大きな魅力です。

企業の成長を支えるダイナミズムや、マーケットを動かす経験ができる点で、学生にとっても非常にやりがいのあるフィールドといえるでしょう。

③ ラップ口座の需要拡大

ラップ口座は、顧客が資産運用をプロに一任できるサービスとして、近年急速に注目を集めています。

特に、長期的な視点で運用を行いたいが、日々の値動きに一喜一憂したくないという層にとって、非常に魅力的な選択肢となっています。

このようなニーズに対応するため、ポートフォリオ設計や運用戦略の提案に力を入れており、AIを活用した自動運用や定期的なレビューサービスなど、テクノロジーと人の力を融合した取り組みも進んでいます。

信頼関係の構築が非常に重要であり、数字だけでは測れない人間的な魅力も仕事の成果に直結します。長期的な関係を築く喜びを感じられる点も、この業務の特徴といえるでしょう。

④ ビジネスモデルの多様化と転換

証券会社のビジネスモデルは、手数料収入を中心とした旧来の構造から、大きく様変わりしています。

背景には、フィンテック企業の台頭や顧客ニーズの高度化などがあり、競争が激化する中で収益構造の見直しが迫られています。

たとえば、資産運用のアドバイザリー業務や、法人向けのM&A・事業承継支援、ESG投資への対応など、これまで証券会社があまり関わってこなかった分野へと進出する動きが活発になっています。

こうした業務では、金融知識に加えて、マーケットの分析力や業界理解、場合によってはグローバルな視点も求められるため、働く人の専門性も問われます。

変化の激しい業界だからこそ、自らの成長を追求できる人にとっては、大きなやりがいを感じられるはずです。

証券会社に向いている人

証券会社で働くうえで、自分に向いているかどうかは気になるポイントです。実際には業務内容や職場環境によって適性は異なりますが、ここでは共通して求められる6つの資質を紹介します。

自分の性格や特性と照らし合わせながら、証券業界が合うかを考えてみてください。

  1. 挑戦心とリスク耐性がある人
  2. 人と接するのが得意な人
  3. 継続的に学ぶ意欲がある人
  4. チームワークを重視できる人
  5. 数字やデータの分析が得意な人
  6. 成果に対して貪欲な人

① 挑戦心とリスク耐性がある人

証券会社では、日々変動する金融市場を相手にするため、迅速な判断力とリスクを恐れずに挑戦する姿勢が必要です。

営業職やトレーダー職などでは、自分の判断がそのまま成果に反映されることが多く、成功と失敗の両方を受け入れられる精神的な強さも求められます。

短期的な成果に一喜一憂するだけでなく、長期的に成功するための視点を持ち、失敗から学ぶ意識がある人は、証券業界において大きな成長を遂げる可能性があります。

変化を楽しめる柔軟さや、挑戦を通じて自分を高めたいという前向きな意欲があれば、厳しさの中にもやりがいを見いだせるでしょう。

安定よりも成長、安心よりも挑戦に価値を感じる人には、証券会社というフィールドは魅力的に映るはずです。

② 人と接するのが得意な人

証券会社では、多くの職種において顧客や社内の人との関係構築が業務の中心になります。

たとえばリテール営業では、個人のお客様に対して信頼性のある商品提案を行い、資産運用のパートナーとして長期的な関係を築く必要があります。

単にコミュニケーションが得意なだけでなく、相手の背景やニーズをくみ取る観察力と、信頼を得るための誠実さが求められるでしょう。

また、法人営業では企業の財務戦略に関わる提案をすることもあり、対話力に加えて専門性をわかりやすく伝えるスキルも重要です。

人と関わることに喜びを感じ、相手に対して誠実に向き合える姿勢があれば、証券会社での仕事は大きなやりがいとなるでしょう。

③ 継続的に学ぶ意欲がある人

証券会社で活躍するには、金融商品の仕組みや経済動向、法制度の改正など、常に最新情報をキャッチアップする必要があります。

とくに変化の激しい金融業界では、学び続けることが仕事の一部といっても過言ではありません。資格取得はもちろん、日々のニュースや市場分析、研修などを通じて知識を深める姿勢が求められます。

自ら積極的に学び、インプットした情報を仕事に活かせる人は、業務の幅がどんどん広がっていくでしょう。また、新しいことに抵抗がない人や、学びを楽しめるタイプの人は成長スピードも速くなります。

さらに、上司や同僚からのフィードバックを素直に受け入れ、自分をアップデートできる柔軟性も重要です。

学ぶことを負担と感じず、知識の蓄積に喜びを感じられる人は、証券会社で長期的に信頼される存在になれるでしょう。

④ チームワークを重視できる人

証券会社の仕事は個人の成果に目が向きがちですが、実際には部門をまたいだチームでの連携が業務を支えています。

たとえば法人営業とリサーチ部門が連携して最適な提案資料をつくったり、アナリストとトレーダーが市場情報を共有しながら判断を下したりと、相互補完の関係が日常的に行われています。

人の意見に耳を傾けながら、必要なときには自分の考えをしっかり伝えるバランスが重要です。

また、困っている同僚を自然にサポートしたり、周囲と協力して課題解決に取り組んだりできる人は、組織全体の信頼を得ることができます。

単独で成果を追うよりも、チームでの達成感を大切にできる人にとって、証券会社は働きやすい職場になるでしょう。

⑤ 数字やデータの分析が得意な人

証券会社では、膨大な財務データや株価チャートなどの数値情報を分析し、それをもとに投資判断や提案を行います。そのため、数字に強く、データを正しく読み解く力が求められます。

論理的思考力や情報を整理する力がある人は、分析業務において特に重宝されるでしょう。とくにアナリストやリサーチ職では、企業の財務諸表を読み解いて将来の業績を予測する力が不可欠です。

また、営業職でも、顧客の投資状況を踏まえたうえで適切なポートフォリオを提案するためには、データを扱う力が欠かせません。

ただ分析できるだけでなく、その結果を他者にわかりやすく伝えるプレゼン力や言語化能力も必要です。

数字を見ることに抵抗がなく、物事を筋道立てて考えるのが得意な人は、証券会社で高い評価を得られるでしょう。

⑥ 成果に対して貪欲な人

証券会社は、成果が数字として明確に評価される環境です。

インセンティブ制度が充実している企業も多く、努力した分だけ報酬や昇進に反映されるため、目標に向かって真剣に取り組める人にとって理想的な職場といえます。

競争が激しい環境ではありますが、自分の成長を実感しながら仕事に取り組める点が魅力です。

プレッシャーの中でも冷静に行動できる力や、成果を出すために日々努力を続けられる姿勢があれば、自然と結果につながっていくでしょう。

負けず嫌いで競争をポジティブに捉えられるタイプの人にとっては、証券会社という職場は大きな可能性を秘めています。

証券会社で求められるスキル

証券会社で働くには、専門性の高い知識と実務に直結するスキルが必要です。

就活生にとっては「どんなスキルが評価されるのか」「入社前から準備すべきことはあるのか」といった不安がつきものかもしれません。

ここでは、証券会社で求められる主要なスキルについて、わかりやすく整理して解説します。

  1. 証券外務員資格の取得
  2. 論理的思考力とデータ分析力
  3. 顧客対応に必要なコミュニケーション力
  4. 金融知識と経済の理解力
  5. プレゼンテーションと提案力

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① 証券外務員資格の取得

証券会社で営業業務を行うには、「証券外務員資格」の取得が必要です。これは金融商品の取り扱いに関する国家資格で、法律や商品知識をしっかり理解していることの証明になります。

企業の多くが内定後の取得を必須としていますが、学生のうちに取得しておくことで、金融業界への意欲や主体性をアピールすることができるでしょう。

証券外務員資格には二種と一種があり、一般的にはまず二種から取得します。

試験では法律や財務知識、経済常識も問われるため、暗記だけでなく本質的な理解が求められます。就活に向けて準備する中で、時間を有効に使いながら計画的に学習を進めてください。

② 論理的思考力とデータ分析力

証券会社の仕事は、株価や為替、景気動向などの数値データを的確に読み解き、顧客にとって最適な投資提案を行うことにあります。

そのため、単なる数字の理解にとどまらず、そこから仮説を立て、情報を結びつけて一貫した論理を構築できる思考力が求められます。

数字の裏にあるストーリーを捉え、未来を見通す視点がある人材は重宝されるでしょう。

理系・文系問わず、研究やゼミ活動を通じてデータに基づいた結論を導き出すプロセスを経験しておくことが、選考時の自己PRにも活かせます。

情報を正確に読み解き、顧客の意思決定をサポートできる存在であることが、証券業界では大きな武器になるはずです。

③ 顧客対応に必要なコミュニケーション力

証券会社で最も重視される能力の一つが、対人関係を円滑に進めるコミュニケーション力です。扱う商品は無形でリスクも伴うため、顧客が安心して相談できる信頼関係の構築が欠かせません。

特に営業職では、初対面の相手に対しても丁寧かつ的確に情報を伝え、相手の心を開かせる力が求められます。

相手の立場や背景を想像しながら適切な言葉を選ぶ配慮力、質問やヒアリングを通じてニーズを引き出す洞察力も含まれます。このようなスキルは、面接やグループディスカッションでもよく見られるポイントです。

アルバイトやボランティア、サークルなど、日常の人間関係の中で得た実体験を振り返り、自分なりの工夫や相手から感謝されたエピソードを用意しておくと、説得力のある自己PRにつながります。

④ 金融知識と経済の理解力

証券会社で活躍するためには、金融商品の構造やリスク特性を理解する知識だけでなく、経済全体の動向を読み解く視点が欠かせません。

金融市場は、政治・経済・国際関係などさまざまな要因で日々変化しており、その影響を素早く察知し、提案に反映させる力が求められます。

具体的には、金利、為替、株価、雇用統計、GDP成長率などの指標を読み解き、それが顧客資産にどう関係してくるのかを論理的に説明できるかがポイントです。

証券会社ではこうしたマクロな視点を持った提案力が重視されるため、ニュースに対する日常的な関心が結果として差を生みます。

⑤ プレゼンテーションと提案力

証券会社では、顧客に対して商品内容や投資方針を説明し、納得してもらう場面が頻繁にあります。

その際に求められるのが、相手にわかりやすく伝えるプレゼンテーション能力と、状況に応じて最適な選択肢を導く提案力です。

自分の考えや分析結果を論理的に構成し、相手にとって価値のある提案に落とし込む力が問われます。提案は一方的な説明ではありません。

まずは相手の話をしっかりと聞き、何に困っているのか、どんなニーズを持っているのかを理解することから始まります。

その上で「相手にとって何がベストか」を考え抜き、それを納得できる形で伝えることが必要です。過去の経験をもとに、自分がどのように「伝える力」を高めてきたのかを言語化しておきましょう。

証券会社の仕事について理解を深めよう

証券会社の仕事内容は多岐にわたり、ブローカーやディーラーなどの専門業務に加え、顧客サポートや資産運用のアドバイスも重要な役割です。

リテール・投資銀行・リサーチの各部門で、営業職やトレーダー職など多様な職種が活躍しています。

さらに、経済の最前線での仕事や高報酬、若手へのチャンスといった魅力があり、NISAやIPOなど最新の動向にも柔軟に対応しています。

これらを総合的に理解することで、自分に合ったキャリア選択が可能になります。証券会社の仕事は挑戦と成長を求める人にとって非常に魅力的なフィールドです。

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    「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。