内定を辞退する理由はなんて言えばいい?フォーマットや例文も解説
「内定辞退したいけど………理由はなんて言えばいいの?」と悩んでいませんか。
第一志望の企業に受かった場合、その他の企業への内定辞退はやむ得ませんが、企業に失礼のないよう適切にお断りするのがマナーです。
そこで、いざという時に役立つ「内定辞退を伝える際の3つポイント」や「基本のフォーマット」を解説します。
さらに、理由によって違う「内定の辞退を伝える例文」や「注意すべき点」も紹介しますので是非参考にして下さい。
内定の辞退の理由を伝える3つのポイント
内定を辞退する連絡は、企業にとって嬉しいものではないため、伝える際には最低限のマナーが必要です。
内定を辞退する内容を伝えるときに、抑えておきたい3つのポイントを紹介します。
①簡潔に理由を述べる
内定を辞退する理由は、わかりやすく簡潔に伝えることがポイントです。
辞退する理由を事細かに伝える必要はありません。「他社からの内定」や「家庭の事情」など相手が納得するような簡潔な理由にします。
内定を出してくれた企業に、辞退の連絡をするのは気が重いと思いますが嘘はいけません。
将来、全く関わりあいを持たないとも限らないため、万が一噓がバレた時に、相手の信用を失う可能性すらあります。
また、思いがけないトラブルに発展する可能性も否定できないため、辞退理由は具体的かつ簡潔に伝えるようにしましょう。
②誠意をもって対応する
内定を辞退する理由は、誠意をもって正直に伝えることがポイントです。
まず、内定をもらった感謝の気持ちを言葉にし、辞退することへの謝罪の気持ちは誠意をもって伝えて下さい。
誠意は、話し方や文面からも伝わりますので、電話やメールで連絡する際は、丁寧な口調や文章で真心を込めて伝えましょう。
また、ないとは思いますが、誠意のかけらも感じられない「連絡なしの内定辞退」だけ社会人としての常識を疑われる行為なのでやめて下さい。
③できるだけ早く連絡する
内定を辞退する理由は、できるだけ早めに連絡することがポイントです。
企業側は、新たな社員を迎えるために様々な準備を進めているはずなので、内定辞退となれば、早急に代わりの人材確保のために動きださなければなりません。
先方の企業への迷惑が最小限に収まるよう、内定後1週間以内に連絡するなど配慮が必要です。
内定辞退を伝えるときの基本的なフォーマット
内定の辞退を伝えるとき、何の要素を盛り込めばいいのか分からないという方のために、内定辞退を伝える基本的なフォーマットを解説します。
①大学・学部・学年・フルネームを伝える
内定の辞退を伝える時は、まず自分が何者かを伝える必要があるため、「大学・学部・学年・フルネーム」をしっかり伝えましょう。
電話やメールで伝える際の例文は次の通りになります。
【電話の場合】 |
いつもお世話になっております。 私、〇〇大学〇〇学部〇年の〇〇〇〇(フルネーム)と申しますが、採用担当の〇〇様をお願いできますでしょうか? |
【メールの場合】 |
大変お世話になっております。 内定のご連絡をいただきました〇〇大学〇〇学部〇年の〇〇〇〇(フルネーム)と申します。 |
②「内定辞退」の結論を伝える
次に、本題である「内定辞退」の結論を伝えます。
しかし、名前を名乗ったすぐ後に突然「内定を辞退いたします」と言えば、少し不躾なイメージがあるので、名前を名乗った後は内定をもらった感謝を伝え、クッション言葉を置きましょう。
内定のお礼を伝えることで丁寧な対応と捉えられ印象が良くなり、「大変恐縮ではありますが」などのクッション言葉をはさむことで、企業側の気持ちを汲んだ表現ができますよ。
電話やメールで伝える際の例文は次の通りになります。
【電話・メール共通】※電話→御社と表現/メール→貴社と表現 |
先日は、内定のご連絡をいただきありがとうございました。 大変恐縮ではありますが、御社(貴社)の内定辞退のご連絡をさせていただきたいです。 |
③辞退の理由を説明する
内定の辞退の意思を伝えたら、電話で担当者から理由を聞かれる場合が多いので、辞退の理由をきちんと説明するようにしましょう。
理由は、聞かれなければ言わなくても問題ありませんが、「御社(貴社)よりもB社の方がよかった」などの企業を否定するような発言は絶対に言ってはいけません。
いかなる理由があっても、内定辞退する会社に対して不快な気持ちにさせないことが重要です。
電話やメールで伝える際の例文は次の通りになります。
【電話・メール共通】 |
内定の辞退の理由は、他社からも内定をいただき、慎重に検討を重ねた結果、他社への入社を決めたためです。 |
④感謝と謝罪の気持ちを伝える
内定の辞退の理由をしっかり伝えられたら、最後にこれまでの感謝と内定辞退への謝罪の気持ちを伝えて下さい。
選考の際、自分のために時間と労力を費やしてくれた企業や担当者に対し、内定辞退は恩を仇で返す様なものです。
お互いに嫌な気持ちで終わらせないためにも、挨拶やマナーは大切にし、改めて感謝の気持ちと謝罪の気持ちを述べて次のステップへ明るい気持ちで臨みましょう。
電話やメールで伝える際の例文は次の通りになります。
【電話・メール共通】※電話→御社と表現/メール→貴社と表現 |
選考の際には、大変お世話になり本当にありがとうございました。 このような結果となってしまい、大変申し訳ございません。 |
【理由別】内定辞退を伝える際の例文7選
内定を辞退する理由はさまざまですが、よくある理由を7つ厳選して例文を紹介します。
- 他企業から内定をもらったとき
- 社風や業務が合わないと感じたとき
- 希望の業界がかわったとき
- 進学することになったとき
- 留年することになったとき
- 地元に帰ることになったとき
- 家庭の事情で受けられなくなったとき
①他企業から内定をもらったとき
他企業から内定をもらった時の例文は、次の通りです。
先日は、内定のご連絡をいただきありがとうございました。 誠に申し上げにくいのですが、内定を辞退させていただきたくご連絡しました。 御社(貴社)と同時期に、他の企業から内定をいただき、熟考した結果、今まで取り組んできた〇〇を活かせる他社に入社することを決めました。 これまで貴重な時間を割いていただいたにもかかわらず、このような結果になってしまい大変申し訳ございません。 選考に携わっていただいた〇〇様には心より感謝申し上げます。 本来であれば、直接お詫びに伺わなければいけないところですが、電話(メール)でのご連絡となりましたこと何卒ご了承ください。 |
②社風や業務が合わないと感じたとき
社風や業務に適性がないと感じた時の例文は、次の通りです。
先日は、内定のご連絡をいただきありがとうございました。 誠に申し上げにくいのですが、内定を辞退させていただきたくご連絡しました。 これまで何度か面接や面談を行っていただいた際に、社員一丸となって目標に向かって協力されている姿に憧れておりましたが、自分にできるのだろうかという思いがぬぐえず、自分に合った環境で頑張りたいと思いました。 これまで貴重な時間を割いていただいたにもかかわらず、このような結果になってしまい大変申し訳ございません。 選考に携わっていただいた〇〇様には心より感謝申し上げます。 本来であれば、直接お詫びに伺わなければいけないところですが、電話(メール)でのご連絡となりましたこと何卒ご了承ください。 |
③希望の業界がかわったとき
希望の業界が変わった時の例文は、次の通りです。
先日は、内定のご連絡をいただきありがとうございました。 誠に申し上げにくいのですが、内定を辞退させていただきたくご連絡しました。 当初は、〇〇を中心に就活を行っておりましたが、就活を進めるうちに〇〇業界に興味が湧き、〇〇に挑戦できる企業で就活をやり直したいという考えに至りました。 これまで貴重な時間を割いていただいたにもかかわらず、このような結果になってしまい大変申し訳ございません。 選考に携わっていただいた〇〇様には心より感謝申し上げます。 本来であれば、直接お詫びに伺わなければいけないところですが、電話(メール)でのご連絡となりましたこと何卒ご了承ください。 |
④進学することになったとき
進学することになった時の例文は、次の通りです。
先日は、内定のご連絡をいただきありがとうございました。 誠に申し上げにくいのですが、内定を辞退させていただきたくご連絡しました。 卒業後、就職か進学かを悩んでおりましたが、進学して〇〇を勉強したいという思いが心のどこかにずっとありましたので、大変自分都合で恐縮ですが進学することにしました。 これまで貴重な時間を割いていただいたにもかかわらず、このような結果になってしまい大変申し訳ございません。 選考に携わっていただいた〇〇様には心より感謝申し上げます。 本来であれば、直接お詫びに伺わなければいけないところですが、電話(メール)でのご連絡となりましたこと何卒ご了承ください。 |
⑤留年することになったとき
留年することになった時の例文は、次の通りです。
先日は、内定のご連絡をいただきありがとうございました。 誠に申し上げにくいのですが、内定を辞退させていただきたくご連絡しました。 大変申し訳ないのですが、卒業単位が足りず留年することになりました。 これまで貴重な時間を割いていただいたにもかかわらず、このような結果になってしまい大変申し訳ございません。 選考に携わっていただいた〇〇様には心より感謝申し上げます。 本来であれば、直接お詫びに伺わなければいけないところですが、電話(メール)でのご連絡となりましたこと何卒ご了承ください。 |
⑥地元に帰ることになったとき
地元に帰ることになった時の例文は、次の通りです。
先日は、内定のご連絡をいただきありがとうございました。 誠に申し上げにくいのですが、内定を辞退させていただきたくご連絡しました。 やはり住み慣れた地元を離れたくないという思いが強いので、地元の企業の中からj就職先を見つけようと考えております。 これまで貴重な時間を割いていただいたにもかかわらず、このような結果になってしまい大変申し訳ございません。 選考に携わっていただいた〇〇様には心より感謝申し上げます。 本来であれば、直接お詫びに伺わなければいけないところですが、電話(メール)でのご連絡となりましたこと何卒ご了承ください。 |
⑦家庭の事情で受けられなくなったとき
家庭の事情で受けられなくなった時の例文は、次の通りです。
先日は、内定のご連絡をいただきありがとうございました。 誠に申し上げにくいのですが、内定を辞退させていただきたくご連絡しました。 家庭の事情により御社(貴社)で働くことが難しくなってしまったためです。 これまで貴重な時間を割いていただいたにもかかわらず、このような結果になってしまい大変申し訳ございません。 選考に携わっていただいた〇〇様には心より感謝申し上げます。 本来であれば、直接お詫びに伺わなければいけないところですが、電話(メール)でのご連絡となりましたこと何卒ご了承ください。 |
内定辞退を連絡するときの手段
一般的に、内定を辞退する時の手段は電話もしくはメールになります。
電話やメールで内定辞退を連絡する際の伝え方の手順や、それぞれに気を付けるポイントを解説するので参考にして下さい。
①電話で伝える
内定をもらった企業への辞退の連絡は、電話の方が誠実さや感謝の気持ちが伝わりやすい傾向にあります。
電話で伝える場合、まず自分の素性を明かし、内定辞退の趣旨や理由、選考の御礼と辞退の謝罪をできる限り丁寧に伝えましょう。
内定辞退の連絡は、いつまでにしないといけないという決まりはありませんが、辞退が決まった時点の早めの連絡をおすすめします。
内定辞退の理由は、企業に失礼のないように、できるだけ具体的かつ簡潔に伝えることが大事です。
②メールで伝える
昔なら内定辞退の連絡は、電話でなくてはいけない風潮がありましたが、最近ではメールで伝えるケースも増えています。
メールの場合、採用担当者が見たタイミングでしか情報が伝わらないので、電話に比べタイムラグが発生することが懸念されます。
しかし、送信する前に文章が適切か内容をチェックできますし、送信内容や送信日を記録として残すことができるので、きちんと連絡した証明にもなりますよ。
また、担当者が忙しい場合や電話がつながらない場合などは、担当者の空いた時間にゆっくり確認できるというメリットもあるでしょう。
万が一、担当者がメールを見落としてしまった場合のことも考え、返信がない場合は、再度連絡することを忘れないようにして下さい。
内定辞退の理由を伝える際の3つの注意点
内定辞退を伝える際に、連絡しない方がいい時間帯や伝えてはいけない内容など3つの注意点がありますので紹介します。
①担当者が忙しい時間帯での連絡は避ける
内定辞退の理由を伝える際の注意点は、担当者が忙しい時間帯での連絡は避けることです。
特に、始業時間や終業時間の前後は、仕事開始の準備や終了準備でバタバタしている可能性があります。
また、一般的なお昼休憩の時間帯である12時~13時前後も不在の可能性があるので、休憩時間に当たる時間帯は連絡しない方がいいですよ。
電話やメールどちらで連絡したとしても、内定先の営業時間内に連絡するのがマナーなので、営業時間外になるようであれば翌日にしましょう。
②企業を批判するようなことは言わない
内定辞退の理由は、具体的かつ簡潔に、誠意をもって正直に伝える必要がありますが、たとえ本当のことであっても、企業を批判する内容は言ってはいけません。
具体的な辞退理由に、「他社よりも入社する条件が悪かったから」や「口コミでブラック企業と書いてあったから」など企業の悪口は言わないようにします。
あくまでも、自分の意思で、内定を辞退したいという結論に至ったことを伝え、企業を不快な気持ちにさせないようにして下さい。
将来、内定辞退した企業や担当者とどこで関わるかも分かりませんので、丁寧な対応が必要です。
③入社予定企業の名前は出さない
内定を辞退する人の中には、志望度の高い企業へ就職が決まったからという理由の人も多いでしょう。
その場合、他社へ入社する意思は伝えてもいいのですが、入社予定企業の名前は出さないように注意して下さい。
企業名を伝えれば、「自社よりも〇〇社を選んだのか」と不快な気持ちになりかねませんし、ましてや取引先だった場合、のちにトラブルになる可能性すらあります。
仮に聞かれたとしても、「先方の事情もありますので、質問には答えかねます。大変申し訳ございません」と低姿勢で断りましょう。
内定辞退はできるだけ早く誠実に伝えよう
就活をしていれば、複数の企業から内定をもらったり、選考試験を受けて初めて企業イメージの違いに気づき、内定を辞退するという状況になることは多々あります。
企業側も、内定辞退者が出ることは想定内なので、重たい気持ちにならず、誠意をもって素直に内定辞退の理由をなるべく早く伝えてあげましょう。
内定辞退の理由を詳細に伝える必要はありませんが、企業に配慮した丁寧な対応を心掛けて下さい。
連絡手段は適切か、連絡時間は営業時間内かなど相手に配慮し、不快にさせない伝え方で、トラブルになるような余計なことは言わないようにしましょう。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部