グループディスカッションの進め方7ステップ|評価されやすいポイントや注意点も解説
グループディスカッションが未体験の人は、どんな感じのものなんだろうとイメージが沸きにくいですよね。
すでにグループディスカッションを経験して慣れている人と一緒になると、余計に焦ってしまう人もいるでしょう。
とはいえ、評価されやすいポイントや注意点を把握して臨めば大丈夫!実はグループディスカッションで評価を得るコツがあります。
本記事ではまずグループディスカッションの進め方について解説し、次に評価されやすいポイントと注意点を紹介します。
グループディスカッションを控えている人はぜひ予習と思って読んでみてくださいね。
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グループディスカッションとは
グループディスカッションとは、出題された課題についてグループ分けされた就活生同士5〜10人が、時間内に話し合いをしながら結論を出す就活の選考方法の1つです。
主なチェック項目は、議論の内容に対して積極的な姿勢や発言をしているかなどです。
そのため、当事者意識を持ってディスカッションに参加するようにしましょう。
また企業によっては、最後にグループで導き出した結論を発表する場合もあるので、その際はグループ内の発表者の担当が代表して発表して面接終了です。
グループディスカッションを行う3つの理由
ここでは、グループディスカッションを行う3つの理由を解説します。
この他にも、企業はグループディスカッションを通じてコミュニケーション能力や思考力などを評価してるので念頭に置いておくといいでしょう。
①短時間で志望者を選べるから
集団選考であるグループディスカッションを行う理由は、短時間で採用志望者を選べるメリットがあるからです。
そのため、グループディスカッションは採用面接の序盤で行われますよ。
企業側も限られた時間内で、就活生の採用面接を進める必要があるので、一度に多くの志望者を選ぶことで効率よく個人面接に進める人材かを取捨選択しています。
②協調性を見極められるから
2つ目の理由は、グループディスカッションを通して、グループ内での協調性を見極めるためです。
同じ企業に就職を志望する就活生同士ですが、グループディスカッションという場で共通の目標に向けて協力し合うことができるかが評価となります。
協調性は今後社会人としても非常に重要なスキルの1つとなるので、周囲のことを配慮しながら積極的に参加していくようにしてください。
③チームで動くときの立ち振る舞いを見られるから
3つ目の理由は、企業で働くようになると自社と関わるクライアントとプロジェクトを進めていくこともあるので、採用面接の時点で個人の立ち位置や振る舞い方を見ておくためです。
グループディスカッションでは、個人面談では確認できない評価基準を設けてチェックできるのもメリットの1つといえるでしょう。
また、グループディスカッションでは、当日決められた自分の役回りを十分理解して遂行することができているかも大切です。
そのためには、普段の自分の性格や特性とは別にして、このグループ内で他のメンバーと良好な関係を築き、全体のパフォーマンス向上につなげるようにしていくことが重要といえるでしょう。
グループディスカッションの役割と対策
ここでは、グループディスカッションの役割と対策を解説します。
①司会進行
司会進行は、議論を円滑に進める進行役や、次々に出てくる意見をまとめて方向性を決める主導者のような役回りです。
また、メンバー同士が発言しやすい状況を作るのも司会進行の役割といえるでしょう。
そのため司会進行役は、周囲の気遣いやリーダーシップを取ることが大切です。
最後にメンバー一同の同意を得て議論した結果をまとめなければいけないので、全員が納得できる方法を提示する必要があります。
注意点は、どうしても主導権を握るウエイトが大きい役割となるので、自分の意見を押し通そうとしないようにきをつけましょう。
②タイムキーパー
タイムキーパーは、指定された時間内に時間配分を考えて司会進行役の人や、他のメンバーに時間を伝える役割を担っています。
時間配分を考えていても、時間通りに議論が進まない場合などに先回りして時間を伝え、きちんと所定時間内に終了できるようにする管理者のような役回りともいえるでしょう。
ただし、議論が白熱しているときに、無理に時間を気にしてストップさせてしまうと、せっかく良い意見が出ている中、中途半端な結果となってしまうので気をつけてください。
そのため、場の空気感を読み、臨機応変な対応が評価のポイントとなるでしょう。
もちろんタイムキーパーの人も時間管理をしながら、自発的な意見をすることも大切です。
③書記
書記は、議論の中で次々に出てくる意見の要点をまとめて、議事録を作成する係になります。
主に司会進行の人がどういう流れで議論を進め、他のメンバーがどのような意見を言ったかを把握しながらわかりやすく記述することが重要です。
そうは言ってもすべての内容を全部書き取ろうと思わず、議事録で大事なことを書き取れば大丈夫ですよ。
書記がとった議事録が後のプレゼンの資料を作成するための情報源となるので、議論の最中に出てきた重要なキーワードや見出しにマーカーを引いて的確にわかるよう工夫することも大切です。
④発表者
発表者は、グループの代表として、議論の経緯や導き出した結論などを採用担当者に最終プレゼンする発言者です。
グループで出した結論もさることながら、発表者の発言内容によってすべての良し悪しが決まるとも限りません。
そのため、発表者の役が回ってきた際には、採用担当者だけでなく時にはメンバーの表情を見ながら、明確でわかりやすい言葉で情報を伝えましょう。
限られた時間の中で結論を導きだしているため、短時間でうまくまとめて採用担当者の前で発表となると負担は大きいですが、改めて自分なりの言葉で話を展開していけば大丈夫です。
ただし発表の際には論理的な話し方を意識して話すように気をつけることを意識して、高い評価を得られるようにしてください。
⑤役割なし
役割がない方は新しい意見を述べることや、他の役割のサポートに徹することが求められるポジションです。
役割がない場合は、周りの状況を俯瞰して見ながら自分ができそうなことを積極的に協力するように徹することが大切です。
また、ポジティブな意見だけでなく、時にはネガティブな意見(批判的な意見)も必要となり、役割がないからこそ客観的な意見として適切な意見であれば発言することも必要となるでしょう。
グループディスカッションの課題達成に向けて、自分ができる役目を見つけて進んで協力していくことが評価のポイントとなるので、役割がない場合も積極的に議論に参加してください。
グループディスカッションの進め方7ステップ
ここからは、グループディスカッションの進め方を7ステップを紹介します。
STEP1|役割を決める
最初に役割を決めます。
ほとんどの場合、立候補で決める場合が多いですが、「役割は決めずに自由に議論してください」と指示される場合もあるので、その場合は指示に従ってください。
役割は自分が得意と思えば率先して手を挙げて、なるべく早めに始められるようにしましょう。
STEP2|時間配分を決める
次に時間配分を決めます。
企業から指定された時間内に完結させるためには、課題に応じた適切な時間配分をしなければなりません。
そのためにどの作業にどの程度で完成の目途が立つかを司会進行やタイムキーパーの人に伝えるようにしてください。
遠慮して言い出さないよりも、自分の強みを発揮すれば、作業工程にかかる時間の目安の把握にもつながるので積極的に話し合っていきましょう。
STEP3|テーマの確認をする
最初に本日のグループディスカッションの課題を採用担当者から伝えられたとしても、改めてグループ内で認識のズレがないか確認しましょう。
また、この時点でグループ内で作業工程の行動計画を決めるようにしてください。
実際に行動に移す前には、質問や懸念点がないかメンバー全員で確認し、必要に応じて再度内容を擦り合わせていくことが重要です。
もし1人でも間違った方向で試行すると、グループ全体の結論に大きく影響を及ぼす可能性もあるため、司会進行の人は、「ここまでで質問のある人がいないか」確認を取るとよいでしょう。
STEP4|課題を特定する
課題を特定するためには、とにかくたくさんの意見を出し合うことが大切です。
そのため、一旦課題の問題点について思いついたことを全てアウトプットしてみてください。
また、書記の人は、これらの意見の要点をまとめるように議事録を取っていくとよいでしょう。
紙に書いて思考をアウトプットすることが許可されていれば、同じ要点をひとつにまとめて、5個か6個に集約する「グルーピング手法」もおすすめです。
グルーピングをすると、課題の論点を明確化でき、問題点がより特定しやすくなりますよ。
STEP5|解決策を考える
ここからは、課題の解決策をどのような方法で説明していくのか、具体的に話を絞っていきます。
たとえば、「この意見に関して〇〇のような情報があれば、発表で論じやすくなるので、役割なしの人で担当してくれる人がいませんか?」と司会進行の人は指示を出していきましょう。
もちろん司会進行の人だけでなく、他のメンバーが進めても構いません。
できる限り、自発的に行動して解決策を考える時間を長く確保できるようにしてください。
STEP6|結論を出す
より良い結論を導くためには、メンバーの同意や方向性の一致が必要不可欠です。
さらに、1つの結論に集約するまでに、本当にこの結論が最良の結論であるか検証する時間も必要となります。
結論を絞るためには、あらゆる評価軸を設定して、そのデータを根拠にして論じたら課題をより論理的に説明できるか考えるようにしてください。
逆に言えば、論理的に話ができないようであれば、その結論ではないということがわかるはずです。
時間がない中で、情報を得るにはある程度の妥協も必要ですが、できるだけ最善を尽くしてグループで納得のいく結論を導いてください。
STEP7|発表をする
最後に、発表者の役割の人が発表を行います。
発表者は、実際に資料を見せながら、説得力をもって話すようにしてください。
また、企業によっては質疑応答があるかもしれないので、これまでの資料作成と並行して質問事項についても予測しておくと焦らないで済むので余力があれば考えておくといいでしょう。
グループディスカッションで求められる能力
ここでは、グループディスカッションで求められる能力について解説します。
その他の評価基準もありますが、採用担当者は上記の評価基準を総合的に判断しているでしょう。
①論理的思考力
論理的思考力とは、直観的・感覚的に物事を考えるのではなく、根拠に基づいて物事を考える能力のことです。
つまり、グループディスカッションで求められる論理的思考力は、根拠(数値)を用いて結論(結果)を筋道を立てて説明することが求められます。
②瞬発力
グループディスカッションにおける瞬発力とは、さまざまな意見が飛び交う中、的確な返答を瞬時に返すことができる能力です。
良い意見が出ても、誰も無反応であれば、意見をした人は次にまたアイディアが浮かんだとしても発言自体を控えてしまうでしょう。
そこで大切なのが、意見が出た瞬間に共感の言葉や、うなずくジェスチャーをして反応を見せることです。
また、初めての課題に対しても、意見を出せる瞬発的な対応力です。
ぜひ一緒に課題解決する仲間意識をもって取り組むようにしていきましょう。
③コミュニケーション力
コミュニケーション力は、初めて会う人とも円滑に話ができているかで採用担当者が重要視しています。
なぜなら、社会人となってから社内外の人と仕事を円滑に進めるためには、柔軟なコミュニケーション力が必要となるからです。
グループディスカッションが始まる前にも、隣同士の人と積極的に挨拶をするなどコミュニケーションを図るようにしていくように心がけるようにしましょう。
④計画実行力
グループディスカッションの計画実行力とは、失敗を恐れず実行することや、最後まで諦めることなくやり遂げる力を指します。
自分で課題の本質を理解し、解決するためのプロセスを考えて実行に移しましょう。
また問題点を提起し、自発的に発言することも計画実行力のうちに含まれます。
⑤発想力
グループディスカッションの発想力とは、新しい視点を追加することになります。
グループの考えが行き詰まったときに、新しいアイデアや視点を提供することで、少しでも良い方向に転換しようとすることが高評価につながるといえるでしょう。
その他、逆転の発想ということも大切な要素です。
どうしても新しいアイディアが生まれないのであれば、逆転の発想を出して真逆の方向から考えてみるのも高評価となり、採用担当者の印象にも残りやすくなります。
ただし、議論の流れを乱すような発想力は場の雰囲気を壊すので気をつけるようにしましょう。
グループディスカッションを成功させるコツ
ここでは、グループディスカッションを成功させるコツについて解説します。
①主体的に取り組む
グループディスカッションでは、役割のあり・なしに関わらず、主体的に取り組む姿勢が大切です。
主体的な取り組みとは、意見を出すだけでなく、自分の強みを活かし、グループのために協力できることがないか自分から行動することです。
グループ全体の行動を一人ひとりの力で支え合い、マンパワーで動くことで最大限の結果を残すことが可能となるでしょう。
グループディスカッションでは、こうした個々の取り組み方も評価され、今後の仕事においても求められるスキルとなります。
②他の役割のメンバーにもフォローする
他の役割や、別の作業をしている人のフォローを率先して行動することも評価されるポイントとなります。
また、役割がある人は自分の役割と任された行動や作業を同時に行う必要があるため、一緒に手伝えることがないか聞くようにすることが大切です。
実質的な手助けがなかったとしても、声をかけるだけでも仲間意識の芽生えとなり、コミュニケーションもしやすい環境の配慮になるでしょう。
採用担当者は、こうした配慮を積極的に取ろうとしているところを評価の対象としてチェックしているでしょう。
③分からないことがあれば開始前に質問しておく
分からないことを分からないまま進めるのではなく、きちんと理解した上で進めるようにしましょう。
役割や行動計画が決定し、各自で動くときに疑問が残ったままだと、論点から外れてしまう原因となるかもしれないからです。
同じゴールに向かって協力する仲間に質問することは、恥ずかしいことではありません。
むしろ一人だけ違う方向性に行かないためにも、一斉に行動に移す前にきちんと聞いて把握してから動く方がいい結果が生まれるはずです。
グループディスカッションを進める際の注意点5つ
最後に、グループディスカッションを進める際の注意点を5つ紹介します。
①時間配分はできる限り守る
グループディスカッションでは、情報収集や資料作成を行う必要がある場合、時間が押した分だけ後々厳しくなるので最初に決めた時間配分はできる限り守るようにしてください。
時間が足りなくなると、議論の余地を残したまま、グループディスカッションが終了してしまう可能性があります。
そのため、特にタイムキーパーは、議論の最中にも時間に配慮をしながら他の役割やメンバー一同の様子を見て時間内に論議の結果をまとめる時間を確保するように努めましょう。
また、時間内で結論をまとめる役割である司会進行の人は、先のことを読んでリードしていく力が必要となるでしょう。
②前提を逸脱しない
議論に熱中し過ぎると、本筋と違う方向に話がずれてしまい、前提から逸脱してしまうので注意しましょう。
前提を逸脱しないようにするには、議論の最中にところどころ話の論点を確認を取っていくようにすると問題が起きにくくなります。
それでも前提から逸脱してしまっていると感じた場合は、その場で原点に立ち返ることです。
軌道修正に要するロスタイムを考えると、常にグループ同士で前提を念頭に入れながら意見を発言するよう共有すれば問題はなくなるでしょう。
お互いの情報共有は、就職してから仕事を行う上でも必要な作業となるため、グループディスカッションにおいても評価基準の1つとしてチェックされていることを意識して進めてくださいね。
③解決策が妥当かを確認する
解決策が妥当であるかを確認するためには、一度仮説や推定を考えてみることをおすすめします。
より良い解決策を模索するためには、結論が実現可能なものかどうかを精査する必要があるため、収集した情報やデータ数値などを根拠にして課題の論点を立証できるか確認してみましょう。
また解決策が論点からずれていることに気が付いた場合は、別の結論で説明が可能か試してみるのも限られた時間内での策として有効です。
集めたデータを活用して論じるためには、結論となる考察部分の説明を論理的に話せば問題はないでしょう。
④資料作成や調査はこまめに進捗を確認する
グループディスカッションにおいて、こまめな進捗報告は非常に大事なことです。
特に役割ありの人が率先して進捗を確認する必要がありますが、役割なしの人もきちんと資料作成や情報収集の調査の進捗報告を行うようにしましょう。
また、資料作成や調査は、書記・発表者・役割なしの人が中心となり協力して行うとスムーズに進められます。
その理由は、一次資料となる議事録を見ながら作成すると、本番の資料作成がスムーズに仕上げられることと、追加できそうな情報を発見したらその都度資料に落とし込むことができるからです。
このような連携をしながら、時間内に可能な限り完成度の高い資料作成を行うようにしてくださいね。
⑤無言にならないようにする
グループディスカッションでは、無言や作業放棄の時間を作らないようにしてください。
明らかに参加する意思が感じられないのは、他のメンバーのモチベーションも下げてしまうのでやめましょう。
仮に他によい意見がないか考えての発言や作業の手が止まることは明らかなマイナス評価にはなりませんが、グループでの協調性を考えると、できるだけ積極的な姿勢を取り続ける方が無難です。
少なくとも参加する意思表示が見られるように、発言に対する同意や計画を達成する行動に努めるようにしていきましょう。
グループディスカッションの進め方を理解しよう
この記事では、グループディスカッションの進め方を解説しました。
企業の面接では、グループディスカッションを行うことで、グループ内で個人がどう他の人と関わろうとしているのか素質を見ています。
もちろんグループで協力して結果を残すことも大切な評価ポイントですが、個々がどのような判断をし、行動に移すことができるのかも評価しているでしょう。
場の雰囲気を見ることや、自分の強みを活かし行動ができることなど、評価ポイントはたくさんあります。
ぜひグループディスカッションの面接本番までに一読して、個人面接に進めるようにしていきましょう。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。