鉄道業界の全体像を徹底解説|現像や今後の動向・求められる人材も紹介
「鉄道業界って、志望動機や自己PRで何をアピールすればいいのか分からない…」
公共性が高く安定したイメージのある鉄道業界ですが、その分志望者も多く、しっかりとした準備が求められます。
「鉄道が好き」という思いだけでは通用しにくく、業界理解や自身の強みとの接点を具体的に伝えることが重要です。
そこで本記事では、鉄道業界を志望する際の志望動機と自己PRの書き方を、例文つきでわかりやすく紹介します。ESや面接の対策に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
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鉄道業界とはどんな業界か

鉄道業界は、日本の社会インフラを支える重要な分野です。
都市間を結ぶ大量輸送だけでなく、地域の生活や経済活動を支える移動手段としての役割も果たしています。
また、不動産や観光、物流など他分野との関わりも深く、就活生にとっては単なる交通機関以上の存在と捉える必要があります。
その特徴は、正確なダイヤ運行や高い安全性を継続的に実現している点にあります。多くの企業が鉄道事業を基軸にしながらも、多角的な経営に取り組んでいるため、幅広い業務フィールドが用意されています。
志望する際は業界の背景や社会的意義を理解し、自分の関心や強みとどう結びつくのかを明確にしておくことが大切です。
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鉄道業界の内定を得るには下調べが不可欠

鉄道業界を目指す場合、企業ごとの特徴や業界全体の動きを正しく理解しているかどうかが、内定の可否を大きく左右します。
なぜなら、JR・私鉄・第三セクター・公営といった多様な組織形態が存在し、それぞれに収益構造や重視する価値観が異なるためです。
こうした違いを把握せずに応募してしまうと、志望動機や自己PRの説得力に欠けてしまい、選考を通過するのは難しいでしょう。
事前に丁寧な情報収集を行い、自分の価値観や経験がどのように業界で活かせるのかを言語化することが大切です。深い下調べは、納得感のある志望動機をつくるうえでも欠かせないステップです。
鉄道業界の種類

鉄道業界には、運営母体や経営形態の異なる複数の種類が存在します。
それぞれに特有の役割や働き方があるため、就職活動では業界全体の仕組みを理解したうえで、自分に合った企業を選ぶことが重要です。
ここでは代表的な4つの鉄道会社の種類を紹介し、特徴や魅力を解説します。
- JR
- 私鉄
- 第三セクター
- 公営鉄道
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① JR
JR(Japan Railways)は、1987年に旧国鉄が分割・民営化されて誕生した企業グループです。
現在は旅客会社6社(JR東日本・東海・西日本・北海道・四国・九州)と貨物会社1社で構成され、全国を網羅する広域輸送を担っています。
なかでも東日本・東海・西日本の3社は新幹線事業を中心に高い収益性を誇り、鉄道業界の中核的存在です。
JRの魅力は、社会インフラを支える使命感と、安定した経営基盤のもとで働ける点にあります。さらに、駅ナカ事業や海外展開などの非鉄道事業にも積極的で、成長の可能性を感じられる環境です。
ただし、企業ごとの事業戦略や社風には違いがあるため、志望先の特徴を丁寧に調べておく必要があります。知名度だけで選ぶのではなく、自分の価値観や将来像と照らし合わせることが大切です。
② 私鉄
私鉄は、JRを除いた民間の鉄道会社を指し、都市部を中心に多数の企業が存在します。たとえば、関東では東急や小田急、関西では阪急や近鉄が有名です。
多くの私鉄は地域住民の通勤・通学を支える都市交通の要であり、ダイヤの正確性やサービスの質が求められます。私鉄の特徴は、鉄道事業と連動した「沿線開発」に強みがある点です。
沿線の不動産開発、商業施設の運営、観光施設との連携などを通じて、街づくりに関わる仕事ができるのは大きな魅力でしょう。
総合職としてキャリアを積む場合は、企画やマーケティング、経営企画など幅広い領域に携わるチャンスもあります。
一方で、現業職(運転士や駅係員)とのキャリアパスが分かれる企業もあるため、応募時には職種の違いと将来の成長ルートをよく確認してください。
③ 第三セクター
第三セクター鉄道は、赤字が見込まれるローカル路線を存続させるために、自治体と民間企業が共同で出資して設立された会社です。
代表的な例として、IGRいわて銀河鉄道やえちごトキめき鉄道などが挙げられます。これらの鉄道は地域の移動手段として重要な役割を果たし、日々の生活を支える「地域密着型」の存在です。
第三セクターで働く魅力は、地域貢献の実感を得られることです。地域の人々の声を直接聞きながら、ダイヤの調整やイベント企画、観光誘致など多様な業務に関わることができます。
ただし、民間企業と比べて人員が限られており、担当業務の幅が広い点には覚悟が必要です。
また、公共性の高い仕事である一方で、経営的には厳しい状況にある会社も多いため、安定志向よりも「地域を支えたい」という強い気持ちを持つ人に向いているでしょう。
④ 公営鉄道
公営鉄道は、都道府県や市区町村などの自治体が運営する鉄道で、代表例としては都営地下鉄(東京都)や札幌市営地下鉄(北海道)などが知られています。
主に都市部における交通インフラとして機能しており、住民の足を守ることを第一に考えた運営がなされています。
最大の特徴は、営利目的よりも公共性を重視する姿勢にあります。そのため、仕事の成果が直接収益に結びつくことは少ないですが、「人々の暮らしを支えている」という誇りを持って働ける職場です。
採用面では、公務員試験に近い筆記試験を課すケースもあり、民間企業とは異なる対策が必要になるでしょう。
また、業務内容や人事制度にも行政的な要素が強く、柔軟性やスピード感には制限がある場面もあります。
とはいえ、安定性や福利厚生の面では非常に充実しており、長期的に安心して働きたい人には魅力的な選択肢といえるでしょう。
鉄道業界の現状

鉄道業界は、かつて安定した収益モデルを維持していましたが、近年は社会環境やライフスタイルの変化により、大きな転換期を迎えています。
ここでは、鉄道業界の現状を正しく理解するために、就活生が押さえておくべき4つの重要な視点を紹介します。
- 収益構造の変化
- 運行本数の見直し
- 非鉄道事業の強化
- 人手不足の深刻化
① 収益構造の変化
鉄道業界の収益は、これまで主に通勤・通学者による定期券や乗車券の収入に依存してきました。
しかし、コロナ禍を契機としたテレワークの普及や人口減少の影響で、移動ニーズそのものが大きく変化しています。
たとえば、朝夕の混雑を避ける働き方が浸透し、平日の利用者数が顕著に減少しました。その結果、定期収入が減少し、従来のビジネスモデルだけでは経営を維持することが難しくなってきています。
このような状況では、鉄道会社は不動産や観光などの新規事業に活路を見出す必要があります。業界の現状を正しく理解することは、企業研究を深めるうえで欠かせない視点といえるでしょう。
② 運行本数の見直し
鉄道各社では、収益の減少に伴い、運行本数の見直しが加速しています。具体的には、深夜帯や利用者の少ない地方路線を中心に、ダイヤ改正によって本数を減らす動きが広がっています。
これは人件費やエネルギーコストの削減に寄与する一方で、地域住民の生活や通学・通勤の利便性に影響を及ぼす可能性も否定できません。
また、観光需要に対応する特別ダイヤや、イベントに合わせた臨時列車など、需要の波に応じた柔軟な対応も見られるようになりました。
鉄道会社の経営戦略において「運行本数の見直し」は単なる削減ではなく、限られた資源を最大限に活用するための工夫とも言えるでしょう。
こうした施策の背景を理解しておくことで、就職活動時の志望動機に深みを持たせることができます。
③ 非鉄道事業の強化
鉄道業界では、従来の輸送サービスからの脱却を図るべく、非鉄道事業への取り組みが一層強化されています。
駅ビルやショッピングモールの運営、不動産開発、観光業との連携など、多角的な事業展開を進める企業が増えています。
たとえば、JR東日本は駅構内の商業施設開発に力を入れ、交通以外の収益源を確保する方針を明確に打ち出しています。
こうした動きは単なる収入補填ではなく、企業としての成長戦略の一環でもあります。その結果、事業企画やマーケティング、まちづくりといった分野での人材需要が高まりつつあります。
鉄道業界を志望する場合、鉄道運行以外の分野にも関心を持ち、広い視野で自分の関わり方を考えることが重要でしょう。
④ 人手不足の深刻化
鉄道業界は現在、運転士や整備士など専門職を中心に、人手不足が深刻化しています。
少子高齢化に伴う労働人口の減少に加え、労働環境の厳しさから若者の就職先としての人気がやや下がっている現実もあります。
これに対応するため、業界全体で働き方改革やデジタル技術の導入が進められています。たとえば、自動運転システムの開発や遠隔監視による点検作業の効率化など、次世代の働き方が模索されています。
こうした技術革新の流れの中で求められるのは、単なる作業員ではなく、変化に適応し、新しい技術を使いこなせる柔軟な人材です。
鉄道業界の現状を正しく把握し、自分がどう貢献できるかを考えることが、就職活動で他の志望者との差別化につながるでしょう。
鉄道業界の今後の動向

鉄道業界は、従来の収益モデルの限界が見え始めた今、将来を見据えた大胆な事業変革を迫られています。
人口減少や働き方の多様化により国内需要が頭打ちとなる中、企業各社は次の一手を模索しています。ここでは、
今後の成長戦開を担う4つの重要なトレンドについて、就活生の視点から整理して解説します。
- 観光需要の創出
- 海外展開の加速
- 自動化技術の導入
- 多角化経営の推進
① 観光需要の創出
鉄道を「移動手段」から「体験の場」へと再定義する動きが広がっています。
とくに地方路線では、観光列車の導入や地域資源と連携した周遊プランの造成など、観光による新たな需要創出が進んでいます。
背景には、通勤需要の減退とともに乗客数が落ち込んだ現実があり、その打開策として観光分野への転換が求められているのです。
さらに、海外からの訪日客が回復傾向にあることも追い風となり、インバウンド対応を含む観光戦略の強化が重要性を増しています。
鉄道会社にとっては地域との協働を通じた新たな価値創造の場となり、地域経済の活性化にも貢献する構図が描かれています。
② 海外展開の加速
国内の少子化・高齢化により将来の人口減が避けられない中、鉄道会社は成長余地のある海外市場に活路を見いだしつつあります。
日本の鉄道は、安全運行や時間の正確さにおいて世界トップレベルであり、そのノウハウを求める国も少なくありません。
実際、インドやタイなどでは日本式の運行システム導入が進んでおり、コンサルティングやシステム提供といった形での参入が加速しています。
ただし、進出先の法制度や商習慣、文化的背景の違いに適応するには、柔軟性と国際的な視野が不可欠です。
こうした展開に関わる人材には、語学力や交渉力だけでなく、多様な価値観を受け入れる姿勢が求められるでしょう。
③ 自動化技術の導入
鉄道業界にとって、深刻な人手不足と安全性向上の両立は重要な経営課題です。
そこで注目されているのが、AIやIoT技術を活用した自動化の取り組みです。たとえば、自動運転技術の開発やホームドア設置の推進、乗降データの分析による運行最適化などが挙げられます。
これにより、限られた人員でも安全かつ効率的なサービス提供が可能となり、乗客の快適性や満足度向上にもつながります。ただし、技術の導入には大規模な投資が伴ううえ、社会的な受容も欠かせません。
将来的には、技術と人の共存をどう実現するかが、企業競争力を左右する重要なポイントとなるでしょう。
④ 多角化経営の推進
鉄道会社が「運ぶだけの企業」から脱却しようとする動きは、今や業界全体の潮流です。
近年では、駅ナカ商業施設の開発や不動産事業への本格参入、ホテル・物流・教育といった異業種との連携による新規事業が進んでいます。
たとえば、駅を「通過点」ではなく「目的地」として再構築し、生活者が日常的に訪れる空間に変える戦略が展開されています。
これにより、安定的な収益源の確保とともに、鉄道事業とのシナジー効果を生み出せる点も魅力です。
多角化の成功には市場ニーズの把握や事業推進力が問われるため、挑戦意欲と柔軟な発想を持つ人材が重宝されるでしょう。
鉄道業界の職種

鉄道業界には、運行の安全と円滑なサービスを実現するために、さまざまな職種が存在します。
業務の内容は異なっていても、いずれも利用者の日常を支える重要な役割を果たしています。ここでは代表的な4つの職種を紹介し、それぞれの特性や求められる資質について解説します。
- 総合職
- 技術職
- 営業職
- 現業職
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① 総合職
総合職は、鉄道会社の経営全体に関わる中核的な職種です。たとえば、新たな沿線開発プロジェクトの企画や、収益拡大に向けた事業戦略の立案、人材育成制度の設計など、多岐にわたる領域に携わります。
この職種の最大の特徴は、将来的に会社を方向づけるポジションに成長していくことが期待されている点にあります。
若手のうちからプロジェクト責任者やチームリーダーを任されることもあり、プレッシャーも伴いますが、大きなやりがいを感じられるでしょう。
特に、全体を俯瞰する力や、多様な立場の人々と協働できる柔軟性が求められます。鉄道という社会インフラの価値を高めていく視点で働きたい方に適した職種です。
② 技術職
技術職は、鉄道の安全・効率的な運行を技術面から支える専門職です。
たとえば、車両の設計・改良、線路や信号設備の保守点検、駅構内の電気系統の整備、さらに近年ではICTを活用した自動運転システムの開発なども対象となります。
この職種の魅力は、現場と設計の両方に関わりながら、「動いている鉄道」を実感できる点にあります。
安全基準を満たす設計力に加えて、突発的なトラブルにも対応できる判断力や、チームでの連携力も重要です。
また、近年はカーボンニュートラルへの対応やスマートメンテナンスの導入など、社会的課題に対して技術で貢献する場面も増えています。
自らの技術力を社会インフラの維持・改善に役立てたい方に適した職種といえるでしょう。
③ 営業職
営業職は、鉄道インフラを起点として、多様な収益事業を創出・拡大していく役割を担います。
具体的には、駅ナカ商業施設の運営やテナント誘致、広告枠の販売、観光キャンペーンの企画、不動産の有効活用などが挙げられます。
この職種のやりがいは、「鉄道+α」の価値を形にし、企業の成長に直結する成果を生み出せる点にあります。
一方で、相手のニーズを見極め、スピード感を持って提案する力が必要です。ときには自治体や異業種企業との連携も発生し、柔軟な発想と調整力が求められるでしょう。
既存の枠にとらわれず、鉄道の可能性をビジネスとして広げていきたい方に向いている職種です。
④ 現業職
現業職は、駅係員・運転士・車掌といった鉄道現場の第一線で活躍する職種です。
利用者と直接接する場面が多く、鉄道会社の“顔”としての役割も担います。たとえば、改札での案内、運転席での列車操作、乗降時の安全確認、非常時の対応など、日々の運行に密接に関わる業務が中心です。
この職種では、正確なオペレーション能力だけでなく、接客力や冷静な判断力も不可欠です。
加えて、早朝・深夜など不規則な勤務形態に対応できる体力や生活管理能力も求められます。目立つことは少ないものの、社会の移動を日々支える使命感と達成感を得られる仕事です。
人と関わることが好きで、社会貢献を肌で感じながら働きたい方にぴったりの職種でしょう。
鉄道業界の仕事内容

鉄道業界の仕事は、安全で正確な運行を実現するために緻密に分業されています。
利用者の目に触れる駅業務から、線路や車両の点検、さらには地域開発まで、多様な分野のプロが連携して運営を支えています。
ここでは、鉄道の現場において専門性を発揮する代表的な5つの業務領域を紹介します。
- 運行管理
- 整備・点検
- 駅業務
- 設備保守
- 施設開発
① 運行管理
運行管理は、列車をダイヤ通りに安全に走らせるためのコントロールセンターのような役割を担います。主な業務はダイヤ作成、運転士への指令、列車同士の間隔調整、異常時の迅速な対応などです。
災害や事故といったイレギュラーな状況下でも、混乱を最小限に抑えながら安定した運行を維持する力が求められます。
現場職ではないものの、各部門との緻密な調整が不可欠であり、時間管理・判断力・冷静さが強く問われる分野です。
列車が遅れずに走ることが当たり前に感じられるのは、この業務の存在によるところが大きいといえるでしょう。
② 整備・点検
整備・点検は、鉄道車両の安全性と快適性を保つうえで欠かせない裏方の仕事です。
車両基地や検査場で、ブレーキの動作確認や車輪の摩耗具合、ドアの開閉機構、空調の動作などを一つひとつ確認します。
わずかな異常も見逃さず、事前に対応することで重大事故の防止につながります。業務には高い技術力と細部への注意力が必要で、夜間作業が多いことも特徴です。
設計や研究開発とは異なり、実際に走行している列車を日々の業務で支える、極めて現場密着型の仕事といえるでしょう。
③ 駅業務
駅業務は、鉄道利用者と最も近い距離で接する接客中心の仕事であり、公共交通機関としての信頼性や印象を左右する重要な存在です。
改札対応、構内放送、乗り換え案内、障がい者支援などが主な業務で、外国人観光客への対応や急病人のサポートといった場面も少なくありません。
単なる案内係にとどまらず、駅全体の安全や秩序を保つための判断と行動が求められます。
駅業務には、感情のコントロール、対人スキル、迅速な判断力など、接客と安全管理の両面で高度な能力が必要です。
鉄道の「最前線」でサービス品質を直接支える仕事として、重要性は年々高まっています。
④ 設備保守
設備保守の仕事は、鉄道運行に不可欠なインフラの安全性を維持することに特化しています。
線路や架線、信号機、踏切装置などの設備を対象に、点検・修理・交換といった業務を行います。設備の異常は即座に運行に影響を与えるため、夜間作業や悪天候下での作業も避けられません。
鉄道の信頼性を裏で支える重要な任務であり、決められた手順を正確に守る力と、予期せぬ状況に臨機応変に対応する現場力が求められます。
設備保守は、専門的な訓練を受けたうえでこそ活きる知識と技能が求められる、まさに“現場の職人”といえる存在です。
⑤ 施設開発
施設開発は、鉄道と地域社会の接点を創出・拡張していく仕事です。新駅の開設や駅ビルのリニューアル、周辺商業施設との連携開発、再開発事業への参画などがその中心です。
これは単なる不動産管理ではなく、沿線人口の増加や地域活性化を意識した、公共性の高い都市開発の一環でもあります。
利用者目線に立った設計・動線づくり、交通量や収益性のシミュレーションも業務の一部であり、まちづくり視点での長期的思考が欠かせません。
表には出にくいながらも、鉄道を“移動手段以上の存在”に昇華させるうえで欠かせないポジションです。
鉄道業界で求められる人物像

鉄道業界は、膨大な人とモノを日々安全かつ正確に運ぶ社会インフラとしての役割を担っています。そのため、業務には一切の妥協が許されません。
働く人に求められる資質も、一般企業とは異なる独自の基準が存在します。ここでは、鉄道業界を志望する就活生が押さえておきたい、代表的な4つの人物像を詳しく紹介します。
- 時間管理ができる人
- 柔軟に対応できる人
- 協調性のある人
- 責任感を持てる人
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① 時間管理ができる人
鉄道業界では「定時運行」が最重要ミッションのひとつとされており、時間厳守の意識が強く求められます。
例えば、1本の列車がたった数分遅れるだけでも、後続のダイヤに波及し、通勤・通学・物流などに多大な影響を及ぼすことになります。このような環境では、スケジュールの管理能力が欠かせません。
現場では、時刻表通りに列車を走らせるだけでなく、点検・整備・接客などすべての工程が正確な時間に基づいて動いています。つまり、個人の遅れやミスがチーム全体の信用に関わってくるのです。
就活においては、学業とアルバイトの両立や、長期プロジェクトの進行管理など、時間を意識した行動を示すエピソードを語ると効果的でしょう。
② 柔軟に対応できる人
鉄道業界では、突発的なトラブルや想定外の状況が日常的に発生します。
たとえば、急な大雪や地震による運休、機器の故障、利用者からのクレーム対応など、マニュアルでは対応しきれない場面も多く存在します。そんなときこそ、現場で求められるのが「柔軟な対応力」です。
特に駅係員や運転士、車掌は乗客との直接対応が多いため、状況に応じた臨機応変な判断が必要になります。
言葉の選び方や声のトーンを変えるといった工夫も含めて、その場に最も適した対応を考えられる人は、周囲からの信頼も得やすくなります。
学生生活の中でトラブルを解決した経験や、計画変更に臨機応変に対応した場面があれば、積極的にアピールしてください。
③ 協調性のある人
鉄道の運行には、運転士・車掌・指令員・整備士・駅係員など、数多くの職種が連携して関わっています。
一人でも情報共有が不十分であれば、運行ミスや事故につながるリスクが高まるため、常に周囲と連携しながら行動する姿勢が求められます。
たとえば、遅延が発生した際には、司令所・駅・乗務員の間で素早く情報を伝え合い、最適な対応を協議する必要があります。
このような場面では、自己主張よりも全体の利益を優先して動ける協調性が不可欠です。
大学のサークル活動やゼミ、ボランティアなどでチームプレーを意識して動いた経験を示すことで、あなたの「集団で動く力」を印象づけることができるでしょう。
④ 責任感を持てる人
鉄道業界の業務は、多くの人々の命と日常生活を預かる非常に重要なものです。
ひとつの確認不足や判断ミスが重大な事故につながる可能性があるため、自分の役割に対して最後まで責任を持つ姿勢が強く求められます。
たとえば、整備士が見落とした異常が列車トラブルに直結することもありますし、運転士の誤った判断が大規模なダイヤ乱れを引き起こすケースもあります。
そのため、常に「自分の仕事は社会的責任を伴う」という意識を持って取り組まなければなりません。
学生時代に学園祭のリーダーを任され最後までやり遂げた経験や、困難な課題を粘り強く取り組んだエピソードがあれば、それは大きなアピール材料となります。
重要なのは、責任を果たした結果だけでなく、その過程において自分がどのように考え、行動したかまで伝えることです。
鉄道業界の主要企業

鉄道業界には、地域に根ざした企業から全国展開の大手まで、多様な企業が存在します。
それぞれの企業には独自のビジネスモデルや社風があり、働き方やキャリア形成にも大きな影響を与えます。ここでは、主要鉄道会社11社の業績・特徴・社風を紹介します。
- JR東日本
- JR東海
- JR西日本
- 東急
- 東武鉄道
- 東京メトロ
- 名古屋鉄道
- 阪急電鉄
- 近畿日本鉄道
- 西日本鉄道(西鉄)
- 伊予鉄グループ
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① JR東日本
JR東日本は、旅客鉄道会社として国内最大規模を誇り、首都圏を中心に1都16県にわたる広大なエリアをカバーしています。
鉄道事業に加えて、駅ナカ商業施設「エキュート」やホテル、不動産開発など非鉄道分野にも積極的に展開しています。2023年度の売上高は約2.7兆円と業界トップであり、安定感と成長性を兼ね備えた企業です。
組織風土としては、若手でも責任ある業務に早期から挑戦できる環境があり、自主性や挑戦意欲を大切にする文化が根付いています。
社会インフラの中心を担う使命感と、幅広い事業を通じて社会に影響を与えたい学生にとって非常に魅力的な職場といえるでしょう。
② JR東海
JR東海は、東海道新幹線を基軸とする高収益型の鉄道会社です。東京〜名古屋〜大阪を結ぶ世界有数のドル箱路線を持ち、全売上の8割以上を新幹線事業が占めています。
2023年度の売上高は約1.6兆円、営業利益率も業界最高水準を維持しており、リニア中央新幹線の建設も進めるなど、将来を見据えた大型投資にも積極的です。
成果主義的な側面があり、効率性や確実性を重視する社風が特徴です。制度や業務プロセスが整っている一方で、個々の裁量で物事を動かすより、組織全体で正確に進めることが求められます。
緻密さや責任感を持って働ける方にとっては、力を発揮しやすい環境といえるでしょう。
③ JR西日本
JR西日本は、関西から中国地方、北陸エリアまでを広範囲にカバーする鉄道会社です。
新幹線「のぞみ」や、観光列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」など、高品質な列車サービスの開発に力を入れています。2023年度の売上は約1.5兆円で、観光需要の回復に合わせて収益も回復傾向にあります。
地方ごとの特性に寄り添った路線運営と、地域との連携を重視する姿勢が強く、地域に根ざした仕事をしたい人にとって適した企業です。
社風はおだやかで人間関係が良好との声も多く、温かみのあるチームで地道に働きたい方に向いています。
地域貢献を実感しながらキャリアを築きたい方にとって、非常にやりがいのある企業といえるでしょう。
④ 東急
東急は、東京・神奈川を中心に展開する私鉄大手でありながら、不動産や商業施設、ホテル運営などを含む「都市開発型企業」としての顔も持っています。
鉄道利用者の利便性を高めるだけでなく、沿線全体の価値向上を図る開発が得意です。交通事業の売上は約2,200億円、グループ全体では1兆円を超える規模に成長しています。
渋谷再開発など先進的な都市づくりを推進するプロジェクトに携わるチャンスもあり、創造的なキャリアを描きたい学生にとっては非常に魅力的です。
社風は柔軟で自由な発想を重視しており、アイデアを形にすることにやりがいを見いだせる人材に適しています。
⑤ 東武鉄道
東武鉄道は、東京から埼玉・栃木・群馬までを網羅する私鉄で、路線総延長は関東最大級です。
特急「スペーシア」などを活用した観光戦略に加え、百貨店やホテル、住宅開発など非鉄道事業にも力を入れています。
2023年度の交通事業売上は約1,200億円で、日光などの観光地との連携も強みの一つです。
歴史ある企業ながら、時代の変化に柔軟に対応してきた実績もあり、堅実で着実にキャリアを積みたい方に適しています。
社内は落ち着いた雰囲気で、腰を据えて働ける環境が整っており、地域に密着した働き方を志す方に向いている企業です。
⑥ 東京メトロ
東京メトロは、都心の地下鉄網を運営する国内最大の地下鉄事業者です。1日700万人以上の乗客を運ぶインフラ企業として、高度な安全性・定時性を維持しています。
売上は約4,500億円で、地下鉄事業を中核に、不動産開発やIT関連事業も展開し、多角化を図っています。
官民出資による特殊法人という背景から、堅実な経営スタイルを保ちつつ、時代に合わせた改善にも意欲的です。
社風は落ち着いており、正確さ・誠実さを重視する姿勢が感じられます。着実に物事を進めたいタイプや、公的使命をもって働きたい方におすすめです。
⑦ 名古屋鉄道
名古屋鉄道(名鉄)は、名古屋を中心に中部地方全域を結ぶ広範なネットワークを持つ私鉄です。観光特急「ミュースカイ」や空港アクセス路線など、生活と観光の両方に貢献しています。
交通事業の売上は約1,200億円、グループ全体では不動産・流通・観光も含めて約4,000億円にのぼります。駅を中心とした施設開発に強く、名鉄百貨店やホテル、マンション開発も積極的です。
社風は地元志向が強く、地域密着型の経営方針のもと、愛知・岐阜エリアで暮らしながら働くスタイルを望む方にフィットします。地元に貢献しつつ、安定したキャリアを築きたい方には非常に適した環境です。
⑧ 阪急電鉄
阪急電鉄は、梅田を起点に神戸・京都・宝塚へと路線を伸ばす関西の代表的な私鉄です。
高級感と信頼性を両立した「阪急ブランド」を形成しており、駅周辺の不動産や百貨店と一体化した街づくりが特徴です。
交通事業の売上は約1,100億円、グループ全体では1.2兆円規模を誇り、エンタメや不動産、商業施設運営でも高い収益力があります。
社風は洗練された雰囲気があり、丁寧なサービス提供を重視する傾向が強いです。上質な生活空間づくりに貢献したいという志向を持つ学生にとって、理想的な職場環境が整っています。
⑨ 近畿日本鉄道
近畿日本鉄道(近鉄)は、奈良・三重・大阪・名古屋を結ぶ広域私鉄で、営業キロ数は日本一を誇ります。
観光特急「しまかぜ」「ひのとり」の運行など、観光客向けの取り組みにも力を入れており、鉄道事業の売上は1,300億円超に達しています。
さらに、近鉄百貨店や都ホテルズなど非鉄道事業も充実しており、グループ総合力が特徴です。
社内は関西らしい親しみやすさとチームワークの文化があり、現場主義で風通しのよい雰囲気が魅力です。人と協力して物事を進めるのが好きな方、地域に根ざした働き方をしたい方に向いています。
⑩ 西日本鉄道(西鉄)
西日本鉄道(西鉄)は、福岡都市圏を基盤に、鉄道・バス・不動産など多様な事業を展開する西日本最大規模の私鉄です。
交通事業売上は約800億円で、特にバス事業に強みを持つ点が他の鉄道会社とは一線を画しています。さらに、都市開発やホテル・商業施設など福岡の成長とともに歩んできた経営戦略が特徴です。
社風は柔軟で、年齢に関係なくアイデアや提案が尊重される環境があります。地方都市でありながら都市型ビジネスに携われる点に魅力を感じる方には、非常に魅力的な企業といえるでしょう。
⑪ 伊予鉄グループ
伊予鉄グループは、愛媛県松山市を中心に、路面電車・バス・郊外電車などを運行する地方都市型の交通インフラ企業です。
交通事業に加え、百貨店、IT、住宅開発など幅広い分野を展開しており、地域社会を支える中核企業としての役割を果たしています。
社員数は約1,300名で、風通しがよく、若手でも積極的に地域課題に取り組める環境が整っています。
近年はUターン・Iターンを希望する若者の受け皿としても注目されており、「地方で暮らしながら成長できる」キャリア選択肢として価値が高まっています。
地方創生に関心がある方や、地域密着の仕事にやりがいを感じたい方には、最適な企業の一つといえるでしょう。
鉄道業界向け志望動機の書き方

鉄道業界の選考では、企業ごとの特徴を踏まえた志望動機が求められます。
納得感のある動機を伝えるためには、以下の4つの視点から考えると効果的です。
- 志望理由の明確化
- 企業理解の深掘り
- 経験との接続
- 将来像の提示
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① 志望理由の明確化
志望動機でまず大切なのは、「なぜ鉄道業界を志望するのか」という理由をはっきり示すことです。
たとえば、「人々の移動を支える仕事に魅力を感じた」という想いがあるなら、そのきっかけや背景を具体的に説明してください。
単なる理想ではなく、自分自身の体験に基づいて語ることで、説得力が生まれます。理由があいまいだと、本気度が伝わりにくくなってしまいます。
だからこそ、自分の価値観や目指す姿を重ねて伝えることが大切です。
② 企業理解の深掘り
鉄道会社ごとに事業戦略や注力分野は異なります。「なぜこの会社なのか」を語る際には、企業ごとの特色に触れてください。
たとえば、都市間輸送に力を入れている会社であれば、そのビジョンや実績に共感したことを伝えるとよいでしょう。
ホームページや統合報告書などから得た情報を踏まえたうえで、自分との接点を丁寧に描くことが大切です。企業への理解が深いほど、志望の本気度が伝わるはずです。
③ 経験との接続
自分の経験を志望動機に組み込むことで、納得感のある内容になります。
たとえば、接客アルバイトの経験を通じて、お客様との信頼関係づくりの大切さを学んだという話は、現業職との接続がしやすいでしょう。
また、通学や旅行で鉄道を利用する中で感じた魅力や課題を起点にするのも有効です。過去の経験が現在の志望につながっていると伝えられれば、自然なストーリーとして相手の心に残りやすくなります。
④ 将来像の提示
志望動機には、入社後にどのように活躍したいかという将来像も欠かせません。
たとえば、「地域の魅力を発信する観光列車の企画に携わりたい」「安全で快適な運行を支える技術開発に挑戦したい」といった目標を具体的に示すとよいでしょう。
夢を語るだけでなく、その実現に向けた努力の意志を添えることで、現実的なビジョンとして受け取られやすくなります。自分の成長と会社の方向性を結びつけることが重要です。
鉄道業界の職種別志望動機例文

鉄道業界を志望する際、職種ごとに求められる人物像やアピールポイントは異なります。
自身の志望職種に合った動機の伝え方を知ることで、説得力のあるエントリーシートや面接対応ができるでしょう。ここでは代表的な職種ごとの志望動機の例文をご紹介します。
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①総合職の志望動機
鉄道業界の総合職を目指す学生の多くは、「人々の暮らしを支えたい」「社会インフラに関わりたい」といった想いを持っています。
ここでは、日常の中での気づきを起点に、説得力のある志望動機につなげた例文をご紹介します。
《例文》
大学進学を機に一人暮らしを始め、地元への帰省や旅行のたびに鉄道を利用する中で、当たり前のように列車が定刻通りに走っていることのすごさに気づくようになりました。 とくに大雪の日にダイヤが乱れながらも、駅員や運行管理の方々が一丸となって対応している姿を目の当たりにし、「この安定した交通を守っている人たちがいるからこそ、社会は成り立っているのだ」と深く感動した経験があります。 その出来事をきっかけに鉄道業界への関心が高まり、実際にインターンシップにも参加しました。 現場の方々が利用者一人ひとりの立場に立って、どうすれば安心して利用できるかを考え、改善に取り組む姿に強く共感し、自分もこのような環境で、社会の土台を支える一員として働きたいと感じました。 |
《解説》
日常の体験を深掘りし、感情の変化や価値観の芽生えを丁寧に描くことで、オリジナリティのある志望動機になります。
インターン経験は志望意欲の裏付けとして非常に有効なので、積極的に活用しましょう。
②技術職の志望動機
技術職を志望する学生に向けて、大学での経験を軸に自らの強みをアピールする例文を紹介します。
鉄道業界における技術職の魅力を、自分の体験と結びつけて自然に伝えることがポイントです。
《例文》
大学では機械工学を専攻し、ゼミでは鉄道車両の振動抑制に関する研究に取り組みました。 私たちの班は、限られた素材と構造条件の中で最適な制振構造を設計するという課題に向き合い、実験とシミュレーションを繰り返しました。 特に、各メンバーの意見を取り入れながら設計案をブラッシュアップしていく過程で、協働することの大切さや、技術者としての柔軟な視点の必要性を実感しました。 完成したモデルは、学内の研究発表会で高く評価され、外部の企業技術者からも実用化に向けたアドバイスをいただけたことは、大きな自信となりました。 こうした経験から、技術を通じて社会に貢献できる実感を得たことで、鉄道という人々の生活インフラを支える分野で働きたいという思いが強まりました。 御社では、車両の設計開発に携わり、安全性と快適性を両立させる製品づくりに貢献していきたいと考えています。 |
《解説》
研究内容だけでなく、取り組む中での気づきや成長、成果までを含めて書くことで、内容に深みが出ています。
単なる技術力だけでなく、協調性や課題解決力もアピールするとより効果的です。
③営業職の志望動機
鉄道業界の中でも営業職を志望する理由を伝える際には、「人と関わることが好き」という姿勢に加え、実際に相手のニーズをくみ取りながら成果を出した経験があると説得力が増します。
ここでは、大学生活の中での営業的な取り組みを軸にした志望動機の例を紹介します。
《例文》
私は大学時代、学園祭実行委員として協賛企業への営業活動に注力しました。 初めは断られることも多く苦戦しましたが、相手の業種や過去の出展履歴を調べた上で提案内容を調整し、担当者ごとに異なるアプローチを試みました。 その結果、前年を上回る30社以上から協賛を得ることに成功し、企画規模の拡大にもつなげることができました。この経験を通じて、相手に合わせて提案を工夫し、信頼関係を築く力を身につけました。 鉄道業界における営業職も、自治体や企業と密接に連携し、地域課題に即したサービスを提案する役割があると考えています。 私はこの経験を活かし、多様な関係者と信頼関係を築きながら、地域と鉄道の新たな可能性を創出していきたいと思い、志望いたしました。 |
《解説》
学園祭などの協賛獲得経験は営業活動の具体例として有効です。
成果だけでなく「工夫した点」や「相手視点で動いた過程」を明示することで、説得力が増します。営業職の志望動機では、信頼構築力や提案力をアピールしましょう。
④現業職の志望動機
鉄道業界の現業職を志望する際は、単に「鉄道が好き」ではなく、「人々の安全や日常を支えたい」という想いを根拠ある体験とともに伝えることが重要です。
今回は、鉄道利用とアルバイト経験を通じて現業職に関心を深めた学生の例文をご紹介します。
《例文》
私は、人々の安心と暮らしを支える現業職に強く惹かれ、鉄道業界を志望しています。 毎日の通学で電車を利用する中、ある日、駅員の方が点字ブロックの上に荷物を置いていた乗客に丁寧に注意を促している場面を目にしました。 その姿から、表には出にくいけれど、すべての利用者の安全を守るという使命感を持って仕事に取り組む姿勢に感銘を受けました。 また、地元の駅での構内清掃や案内補助のアルバイトを経験したことで、多くの人にとって駅が生活の一部であることを実感し、現場での気配りや正確な対応が求められる重要性も学びました。 こうした経験から、私も鉄道の現場で、人々の移動を安心かつ快適に支える一員として力を尽くしたいと考えています。 |
《解説》
エピソードを一つだけでなく複数取り入れることで、説得力と熱意が高まります。
利用者としての視点と、現場で働いた経験の両方をバランスよく盛り込むと、読み手に強く印象づけられる志望動機になります。
鉄道業界の全体像を把握して志望動機に活かそう!

鉄道業界は、安全かつ快適な移動手段を提供する社会インフラとして、多様な事業形態と職種が存在します。
業界全体の現状や将来の動向、仕事内容や企業ごとの特色を把握することで、自分に合ったキャリアを描きやすくなります。
とくに鉄道業界では、職種に応じた専門性が求められる一方、時間管理や協調性といった人間力も重要視されます。
したがって、志望動機の作成では業界研究を通じて得た知識と自身の経験を結びつけることが大切です。
事前の下調べを丁寧に行い、企業理解を深めたうえで、自分らしい将来像を示すことが内定獲得への近道となるでしょう。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。