【例文あり】地方銀行の志望動機の作成方法を解説!文字数別の例文も紹介
地方銀行への志望動機作成でなかなか自分の思いを上手く表現できず、悩む就活生は少なくありません。採用担当者に響く志望動機を書けないという不安から、友人の内定獲得に焦りを感じる人も多いでしょう。
本記事では、「地方銀行が求める人材像」「志望動機の構成方法」「文字数別・シーン別の実践的な例文」などをまとめました。そのほか、熱意の表現方法や自己アピールの組み立て方などの実践的なノウハウも解説します。
魅力的な志望動機作成のコツを学んで、地方銀行の採用担当者に自分の強みと熱意を伝えましょう。
地方銀行の特徴とは

地方銀行とは、特定の都道府県を主な営業地域として、預金・融資・為替などの金融サービスを提供する民間金融機関で、地域の中小企業や個人に対してきめ細やかなサービスを展開し、地域社会の発展を支えています。
現在は全国に61の地方銀行が存在し、預金・融資・コンサルティングなどのニーズにあわせた幅広い業務を展開しています。
中小企業や個人との密接な関係性を築き上げ、地域の実情にあわせた金融サービスを提供できるのが地方銀行の強み。
また、地方銀行の総資産規模は、2024年度中間期において約422兆円とメガバンクよりは小規模なものの、地域金融機関では最大規模です。
参考:全国地方銀行協会「地方銀行2024年度中間決算の概要」
地方銀行と他金融機関との違い

地方銀行とメガバンク・第二地方銀行の違いは、以下の表のとおりです。
項目 | メガバンク | 地方銀行 | 第二地方銀行 |
---|---|---|---|
代表的な 銀行 | ・三菱UFJ銀行 ・みずほ銀行 ・三井住友銀行 | ・北海道銀行 ・京都銀行 ・福岡銀行 など | ・北洋銀行 ・きらやか銀行 ・東京スター銀行 など |
営業 エリア | 全国展および 海外進出 | 本店所在の 都道府県内を 主な営業基盤とする | 各地方の 主要都市 |
主な 取引先 | 大企業・上場企業から 中小企業まで幅広い | 地元の大企業や 有力企業 | 地元の 中小企業や個人 |
銀行数 (2025年 2月時点) | 3行 | 61行 | 37行 |
加盟団体 | – | 全国地方銀行協会 | 第二地方銀行協会 |
経営規模 | 大規模 | 中規模 | 地方銀行より 小規模 |
特徴 | ・グローバル展開 ・大規模な資産規模 | ・地域経済への 影響力が強い ・地域密着型 | 相互銀行から 転換した銀行が多い |
地方銀行と第二地方銀行は地域密着型で、地元企業や個人を主な取引先とする点において共通していますが、地方銀行・第二地方銀行・メガバンクはそれぞれまったく異なる歴史的な経緯を歩みました。
地方銀行は明治時代に株式会社として設立された普通銀行が原点で、戦前から現在の形態であったのに対し、第二地方銀行は庶民の相互扶助組織「無尽会社」から相互銀行を経て、1989年以降に普通銀行へ転換しました。
また、メガバンクは1990年代のバブル崩壊後、不良債権問題などで生き残りをかけた統合・再編成を進めて誕生しました。
地方銀行の3大業務

地方銀行は預金業務・貸付業務・為替業務の3大業務を通じて、地域経済の発展に貢献しています。地方銀行の3大業務の概要について、以下の表にまとめました。
業務区分 | 主な内容 | 特徴 |
---|---|---|
預金業務 | 個人・法人からの 預貯金の管理・運用 | ・窓口やATMでの 顧客対応が中心 ・普通預金、定期預金、 当座預金などの口座管理 |
融資業務 | 企業や個人への 資金貸付 | ・事業投資や設備投資向けの 企業融資住宅ローンなどの 個人向け融資 ・地域企業のニーズにあわせた 融資プラン提供 |
為替業務 | 振込・送金の 取り扱い | ・公共料金の自動振込 ・年金や配当金の受け取り ・国内外の送金サービス |
地方銀行は全国の6割近い地方自治体の指定金融機関として、公金の収納・支払いも担当しているのが大きな特徴のひとつです。
さらに、地域企業へのコンサルティングや事業承継支援など、金融サービス以外の面でも地域経済を支える役割を果たしています。
地方銀行の主な職種

地方銀行の主な職種・業務内容・必要なスキルについて、以下の表にまとめました。
職種 | 主な業務内容 | 必要なスキル |
---|---|---|
法人営業 | ・企業への融資提案 ・経営支援 ・事業承継支援 | ・財務分析力 ・ビジネス知識 ・コミュニケーション能力 |
個人営業 | ・預金、投資信託、保険 などの金融商品を提案 | ・金融商品の知識 ・提案力 ・顧客対応力 |
窓口事務 | ・預金、振込、税金収納 などの窓口業務 | ・正確な事務処理能力 ・接客マナー ・金融関連法規の知識 |
後方事務 | ・伝票処理 ・現金管理 ・各種書類の点検 | ・事務処理能力 ・正確性 ・コンプライアンス意識 |
市場運用 | ・有価証券運用 ・為替ディーリング | ・金融市場の知識 ・分析力 ・判断力 |
システム開発・ 運用・保守 | ・ITシステムの開発、保守、 セキュリティ管理 | ・IT技術 ・プロジェクト管理能力 ・問題解決力 |
企画 | ・経営戦略の立案 ・商品開発 ・営業施策の策定 | ・マーケティング力 ・企画力 ・分析力 |
人事 | ・採用 ・教育研修 ・人事評価 ・労務管理 | ・労務管理知識 ・マネジメント能力 ・コミュニケーション力 |
リスク管理 | 信用リスク、市場リスク、 事務リスクの管理 | ・リスク分析力 ・法務知識 ・監査能力 |
窓口業務を中心とする一般職は、預金の管理や為替業務を通じて顧客と直接的なコミュニケーションが求められます。
一方、後方事務ではデータ管理・書類整理・電話対応など、営業部門のサポート業務として正確性や事務処理能力が必要です。
地方銀行の主な職種の業務内容と求められるスキルを理解し、自分に適性があるかどうかを見極めましょう。
地方銀行で人材に求められる能力・スキル

地方銀行で求められる能力・スキルは、以下のとおりです。
地方銀行は、金融のプロフェッショナルとして、高度な専門性と地域経済の発展を担う使命感を兼ね備えた人材を求めています。
1.コミュニケーション能力
地方銀行では顧客との信頼関係構築が不可欠なため、コミュニケーション能力がもっとも重視されます。窓口業務や営業活動においても、顧客の多様なニーズを正確に把握し、適切な提案をするために必要な力です。
コミュニケーション能力には、専門用語を分かりやすく説明する力や、顧客の悩みを丁寧に聞き出す傾聴力も含まれます。
法人・個人融資の場面では、顧客の状況を的確に理解し、最適な金融商品やサービスを提案できる説明能力も大切です。普段から以下の3つのポイントを意識し、コミュニケーション能力を磨きましょう。
⑴ 相手の立場で話を聞く ⑵ 考えを明確に伝える ⑶ 表情や仕草も意識する |
2.地域貢献への高い意識
地方銀行員には、地域の中小企業や住民との密接な関係を築きながら、課題解決に取り組む意識が求められます。
地方銀行は、地域に暮らす人々の資産運用相談や地元企業の経営支援、県外への人口流出防止や雇用創出を通じた地域経済の活性化など、地域活性のために幅広く取り組みます。
また、近年では地方創生やSDGsへの関心が高まっており、社会課題の解決と経済成長の両立が必要です。
地域経済の維持・発展のためにはM&A・事業承継支援・新規事業創出支援など、視野を広く持ち多角的に貢献する姿勢が求められますよ。
3.財務にかかわる専門知識
投資商品などの適切な提案や企業に応じた支援実現のため、地方銀行員には財務諸表の読解から金融商品の提案まで、幅広い財務関連の専門知識が求められます。
一例をあげると、企業への融資業務では決算書を正確に分析し、財務状況を評価します。顧客の資産を適切に管理・運用するため、預金・融資・為替など銀行業務全般に関する専門的な知識も必要です。
専門知識を身につけるためには、銀行業務検定・FP・中小企業診断士などの資格取得が近道です。金融関連法規や商品知識を習得するための、学習意欲と向上心を持っているとアピールしましょう。
4.チャレンジ精神
人口減少による地域経済の縮小に直面する地方銀行では、厳しい経営環境を打開するため、新しい発想で積極的に挑戦できる人材が強く求められています。
以下は、地方銀行が取り組んでいる挑戦の一例です。
分野 | 取り組み内容 | 具体的な施策 |
---|---|---|
非金利ビジネス | 金利収入以外の 収益源の開拓 | ・金融商品販売 ・中小企業コンサルティング ・ビジネスマッチング |
地域創生支援 | 地域経済の 活性化への貢献 | ・農業支援 ・移住者支援 ・人材事業 |
デジタル化 | 業務効率化と サービス向上 | ・クラウド導入 ・ペーパーレス化 ・AI技術活用 |
経営基盤強化 | 経営の効率化と 規模拡大 | ・地銀同士の合併 ・システム統合 ・経営統合によるコスト削減 |
新規ビジネス | デジタル技術を 活用した新サービス | ・デジタル借入サービス ・AI投資アプリ ・オープンバンキング |
近年では、副業・兼業制度を導入して行員の起業家精神を育成して新たなビジネス創出を推進する動きも活発化し、地域企業との協業や地方創生につながる行員の起業を支援する制度も整備されつつあります。
5.確実性・正確性
顧客の大切な資産を扱う地方銀行の行員には、高い確実性と正確性が求められています。銀行の基幹業務では、取り扱う金額の大小にかかわらず、数値の誤りが顧客の信頼や資産に重大な影響を与えるからです。
窓口業務や事務処理では、取引情報の正確な記録や書類の不備確認など、細部まで気を配る姿勢が大切です。融資審査においても財務データの分析や与信判断を正確に行い、責任を持って結論を導く必要があります。
さらに、近年のデジタル化の進展により従来の正確性にくわえて、データ分析や新しい金融サービスへの対応もかかせません。
6.責任感
銀行業務では小さなミスでもトラブルになりえるため、顧客の大切な資産を扱う金融機関として、常に緊張感を持って業務に取り組める強い責任感を持った人材が求められます。
また、高い倫理観を持ってコンプライアンスを守りつつ、顧客の利益を第一に考えて行動しなければなりません。顧客との長期的な信頼関係を構築するためにも、約束を守り誠実に業務を遂行する姿勢が重要です。
言動に一貫性があり、顧客のために真摯に考えて努力できる人材が、地方銀行では高く評価されます。確認を怠らない慎重さと、問題解決に向けた主体的な行動力を併せ持つ人材だとアピールしましょう。
地方銀行の志望動機における説得力のある構成

地方銀行の志望動機における説得力のある構成は、以下のとおりです。
説得力を持たせるための効果的な構成を取り入れてた志望動機で、採用担当者に好印象を与えましょう。
1.結論ファースト
地方銀行の志望動機は、冒頭で明確な志望理由を述べて採用担当者の関心を引きましょう。冒頭で志望理由を明確にすると、多数の応募者がいる中でも記憶に残りやすく、評価されやすいからです。
結論をはじめに述べることで、採用担当者が志望理由を事前に把握でき、その後の内容をスムーズに理解でき、採用担当者の集中力が途切れても、最低限伝えたい情報を確実に届けられるのもメリットです。
志望理由を一文で表現するときには、「貴行の〇〇事業で、△△を実現したい」といった具体的な表現を用いると効果的です。
2.志望するきっかけとなったエピソード
次に、志望理由を説明する具体的なエピソードを提示しましょう。これにより説得力が増し、採用担当者の印象に残りやすくなります。
例えば、学生時代のアルバイトなどの経験を通じて、顧客との関係構築や金融サービスの重要性に気づいた経緯などを提示できると効果的です。
地元出身者の場合、商店街の活気が失われていく様子を目の当たりにした経験など、地域経済への実体験もよいでしょう。
地元以外の出身の場合は、大学での専攻や研究テーマと関連づけたエピソードも効果的ですよ。
3.取り組みへの共感や地域貢献への熱意
地方銀行の志望動機では、地域経済の発展や活性化に向けた具体的な取り組みへの共感を示すと説得力が増します。
例えば、地方銀行が中小企業の成長支援や個人の夢の実現をサポートする姿勢に触れると、志望動機の具体性が高まります。そのほか、志望している銀行の独自の施策への共感も効果的です。
また、インターンシップや企業説明会で、銀行員から聞いた言葉や印象に残った取り組みを具体的にあげるのもひとつの方法です。
これらを提示することで、銀行の存在意義と価値観を深く理解している人材として評価されるでしょう。
4.自分の強みや入社後のビジョン
地方銀行の志望動機では、自分の強みを具体的なエピソードとともに示し、入社後の明確なビジョンを伝えましょう。これにより、成長意欲をアピールできます。
例えば、アルバイトやボランティアで培ったコミュニケーション力が、どのように銀行業務に活かせるかを深く掘り下げて説明すると、自分の強みを効果的に伝えられます。
「地域企業の経営支援」「個人向け営業での資産運用相談」など、具体的な業務内容に触れながら入社後のビジョンを描きましょう。
特に地方銀行では、地域密着型の営業方針に沿った具体的な展望を示すと志望度の高さが伝わりますよ。
地方銀行の志望動機の作成手順

地方銀行の志望動機の作成手順は、以下のとおりです。
採用担当者を納得させる志望動機には、業界・企業研究や構成作成、ブラッシュアップまで段階的なアプローチが不可欠です。
1.業界・企業研究
地方銀行の志望動機作成では、まず金融業界全体の動向と地方銀行特有の特徴を把握する必要があります。業界・企業研究のポイントについて、以下の表にまとめました。
研究項目 | 確認ポイント |
---|---|
業界動向 | ・人口減少による影響 ・経済動向 ・業界再編 ・業務提携 ・新規事業展開 |
個別企業の 取り組み | ・起業家支援 ・地域活性化施策 ・地域貢献活動 ・独自の金融サービス |
現場情報の 収集 | ・インターンシップ参加 ・OB訪問 ・採用説明会 ・会社説明会 |
地域との 関係性 | ・商工会議所との連携 ・地域経済指標 ・主要産業の状況 ・企業間ネットワーク |
業界研究では、地方銀行が直面する人口減少や景気悪化による地域経済の課題も理解しておく必要があります。
金融庁が公開する資料・業界専門誌・新聞のほか、企業研究では、志望する地方銀行の具体的な取り組みや特徴について、公式サイトなどを参考に調査しましょう。
2.自己分析
地方銀行の志望動機を作成するには、自己分析を通じて自分の考え方や価値観の源泉を明確にする必要があります。
過去の経験やエピソードを振り返り、以下の3点を明確にしましょう。金融業界への興味や、地方銀行での働き方が自分に適している理由を深く掘り下げてください。
⑴ なぜ金融業界に興味を持ったのか ⑵ 証券会社や保険会社ではなく銀行を選んだのか ⑶ メガバンクではなく地方銀行を志望するのか |
また、経験から得られた強みを具体的にリストアップし、それらが地方銀行でのどの業務にどう活かせるかを分析しましょう。
3.志望動機の構成を作成
実際に執筆する前に、土台となる構成をあらかじめ作成すると一貫性のある志望動機になります。
志望動機に説得力を持たせるための効果的な構成は、先にお伝えした通りです。以下でおさらいしておきましょう。
<効果的な志望動機の構成> ⑴ 志望理由の核となる結論 ⑵ 志望したきっかけ ⑶ 志望銀行の特徴と取り組みへの共感 ⑷ 自己アピール ⑸ 入社後のビジョン |
最初に箇条書きでそれぞれのポイントを書き出してから文章にまとめると、より書きやすいですよ。
4.ブラッシュアップ
志望動機を作成したあとに第三者からのフィードバックを受ければ、より説得力のある内容になります。他者に読んでもらい、客観的な視点からアドバイスを求めて、新たな気づきを得ましょう。
たとえば、就活生同士でブラッシュアップすると志望動機の改善点を把握しやすくなります。他者の意見を参考にすると、表現方法の幅が広がりますよ。
また、抽象的な表現がないかどうかも確認し、具体的かつ簡潔な文章になるよう注意してください。
漠然とした表現を避け、自分の経験や思いを具体的に表現すれば、採用担当者への訴求力が高まりますよ。
5.推敲・校正
推敲・校正を重ねて誤字脱字をなくし、完成度の高い文章に仕上げましょう。自動校正ツール・生成AI・自力の3つで校正を行うと、誤字脱字や助詞のミスなどを防いで完成度の高い文章になりますよ。
自力で校正する場合は、一文ずつゆっくりと読み進め、誤字脱字や文法的な誤りを丁寧にチェックします。以下のポイントを押さえ、文章の読みやすさに注意を払いましょう。
・読点の位置 ・改行のタイミング ・不自然な表現 ・長すぎる文章 ・同じ単語の繰り返し |
一晩程度の時間をおいてから読み直すと、執筆してすぐには気づけなかったミスやねじれを発見できます。また、音読してみるのもおすすめですよ。
地方銀行の志望動機を作るときの注意点

地方銀行の志望動機を作るときの注意点は、以下のとおりです。
あらかじめ注意点について目を通しておき、ネガティブな印象を採用担当者に与えないように気をつけましょう。
1.自分本位な志望理由は避ける
志望動機では、自分の成長や待遇面だけを重視した自己中心的な理由は避けるべきです。
地域社会の発展への貢献を目指す地方銀行では、個人の利益だけを追求する姿勢は評価が低くなります。
また、自分の成長・キャリアだけに焦点を当てると、長期的に働く気がないのではないかと採用担当者に疑念を持たれかねません。
待遇や自分の成長へは触れる程度に留め、地域経済への貢献やサービス向上など、銀行の価値向上につながる視点で志望理由を組み立てましょう。
2.内容に一貫性をもたせる
矛盾する文章は信頼性を損なってしまうため、志望動機を作成するときは一貫性のある内容にしなければなりません。
志望動機の冒頭で述べた結論に対して、その後のエピソードや将来のビジョンが矛盾なくつながっているか確認しましょう。
例えば、地域密着を志望理由にあげながら世界規模の業務に言及するなど、論理的な矛盾がある文章は避けるべきです。
企業研究や業界理解に基づいて、地方銀行ならではの特徴と自身の経験や思いを結びつけた説得力のある内容を展開しましょう。
3.なぜ地方銀行なのかを明確にする
地方銀行の志望動機を作成するなら、メガバンクではなく地方銀行を選んだ理由を明確に示してください。地方銀行ならではの魅力や特徴を理解した志望理由を示せると、高く評価されやすいでしょう。
例えば、地域経済の活性化や地元企業の成長支援など、具体的な取り組みに言及できると効果的です。
また、地元出身者の場合、生まれ育った故郷への思い入れや地域活性化への意欲を具体的に語ると説得力が増します。
地元以外の出身者は、地方銀行の営業地域との関わりや地域貢献への意欲を伝えましょう。
4.エピソードや志望理由の安易な使い回しは避ける
志望動機を作成するときは、ほかの金融機関や地方銀行同士での使い回しは避けましょう。採用担当者は多数の志望動機を比較するため、独自性を理解せずに使い回した内容では、熱意の低さが伝わるからです。
特に、メガバンクと地方銀行では方向性が大きく異なるため、同じような志望動機では不誠実な印象を与えかねません。
志望動機には応募する地方銀行の具体的な施策や地域での役割を盛り込み、選んだ理由を明確に示しましょう。
インターンシップ・企業説明会・OB訪問などから得た印象や気づきを組み込むと、より説得力のある内容になります。
地方銀行の志望動機の文字数別・シーン別の例文

地方銀行の志望動機の文字数別・シーン別の例文を紹介します。
地方銀行の志望動機では、応募シーンや制限文字数に応じて表現方法を使い分け、自分らしさを効果的に伝える工夫が必要です。
1.400文字
400文字で参考にできる志望動機は、以下のとおりです。
私は、地域経済の発展に貢献する地方銀行の仕事に魅力を感じ、貴行への入行を志望しました。 大学では金融論を専攻し、地域金融機関が果たす役割について研究を重ねました。とくに人口減少や事業承継といった地域特有の課題に対して、地方銀行が金融支援だけでなく、経営相談や事業マッチングなど多角的なアプローチで企業の成長を支援している点に関心を持っています。 また、インターンシップで実際に支店を見学させていただき、お客様一人ひとりに寄り添い、親身になって相談に応じる行員の姿に深く感銘を受けました。地域に根差した金融機関だからこそできる、きめ細かなサービスの提供と信頼関係の構築が、貴行の強みであると実感したのです。 私は学生時代、サークル活動で地域の商店街活性化プロジェクトに携わり、地域の方々と協力しながら課題解決に取り組んだ経験があります。この経験を活かし、貴行の一員として地域の企業や個人のお客様の夢の実現をサポートし、地域経済の持続的な発展に貢献していきたいと考えています。 |
2.200文字
志望動機を200文字で伝える場合は、以下の例文を参考にしましょう。
私は、貴行のSDGs推進や多様な地域貢献活動に深く共感し、入行を志望いたします。 大学では地方創生をテーマに研究を行い、金融機関が地域の持続可能性に果たす役割の重要性を学びました。また、学生時代には地域の子ども向け金融教育ボランティアに携わり、金融リテラシーの普及活動に取り組みました。 貴行で培われる専門知識と実務経験を活かし、地域に密着した金融サービスを通じて、地域社会の未来づくりに貢献していきたいと考えています。 |
3.インターンシップ
インターンシップへの参加を希望する場合の志望動機は、以下の例文からヒントを得ましょう。
私は地域の持続的な発展に興味を持ち、地方銀行の業務を実践的に学ぶため、貴行のインターンシップに参加を希望いたしました。大学では経済学を専攻し、とくに地域経済の活性化における金融機関の役割について関心を持って学んでいます。 私はこれまで、学内の地域連携プロジェクトで商店街の活性化に取り組み、地域事業者が抱える資金調達や事業展開の課題に触れる機会がありました。この経験から、地域金融機関による支援の重要性を実感しています。 貴行は地域に根差した金融サービスの提供はもちろん、ビジネスマッチングやSDGsの推進など、多角的なアプローチで地域社会に貢献されています。このインターンシップを通じて、実際の業務に触れながら、地域金融の実践的な知識と経験を積みたいと考えました。 将来は金融のプロフェッショナルとして、地域の発展に貢献したいという私の夢への第一歩としたいと思います。 |
4.高校生
高校を卒業して地方銀行を志望する場合は、以下の例文のポイントを取り入れましょう。
私は高校の進路学習をきっかけに、地方銀行の社会的使命と仕事のやりがいに魅力を感じ、将来は貴行で働きたいと考えるようになりました。進路学習では、銀行員の方から地域経済を支える仕事について直接お話を伺う機会があり、お客様の人生や事業の夢を金融面からサポートできる仕事に大きな関心を持ちました。 また、商業科の授業で学んだ簿記や財務の知識を活かしながら、地域に貢献できる仕事に就きたいと考えています。部活動では生徒会の会計を担当し、予算管理や収支報告の経験を積んできました。この経験を通じて、正確な数字の扱いと、関係者との丁寧なコミュニケーションの重要性を学びました。 貴行は老舗企業の事業承継支援や、地域の若手起業家支援など、地域に密着した取り組みを積極的に行っておられます。将来は貴行の一員として、こうした地域に根差した金融サービスを通じて、地域社会の発展に貢献していきたいと考えています。 |
5.地元
地元出身者が地方銀行を志望する場合に参考になる志望動機は、以下のとおりです。
生まれ育った地元である当地域の発展に貢献したいという思いから、転職先として貴行を志望いたしました。現在の金融系ITベンダーでの経験を通じ、金融DXの重要性とともにface to faceの対応による深い信頼関係の構築が、真の顧客満足につながると実感してきました。 貴行は地域のリーディングバンクとして、デジタル化の推進と対面サービスの質の向上を両立されています。とくに、事業承継支援や創業支援において、お客様に寄り添った丁寧なコンサルティングを提供されている点に深く共感いたしました。 私はシステム開発の経験を活かし、デジタルとリアルの最適なバランスを追求しながら、地域の皆様の課題解決に貢献したいと考えています。地元で育った者として地域特性への理解があり、なおかつITの専門知識を持つ人材として、貴行の地域金融機関としての価値向上に寄与できると確信しております。 |
6.他県・県外
地元以外の出身で地方銀行を志望する場合には、以下の例文のポイントを取り入れてみましょう。
私は地域密着型金融の理想的なあり方を追求したいという思いから、貴県を代表する金融機関である貴行への入行を志望いたしました。大学では地方創生をテーマに研究を行い、各地の地方銀行の取り組みを比較分析するなかで、貴行の先進的な事業承継支援や創業支援の取り組みに強く関心を持ちました。 とくに、貴行が実施されている地元企業と首都圏企業のビジネスマッチング支援は、地域経済の新たな可能性を切り開く取り組みとして注目しています。私は学生時代、複数の地域でインターンシップを経験し、それぞれの地域が持つ固有の課題と可能性について学びました。 県外出身者という新しい視点を活かしながら、貴行の地域金融としての専門性を学び、地域の持続的な発展に貢献していきたいと考えています。また、首都圏の大学で培ったネットワークを活用し、貴県と他地域との橋渡し役としても尽力していきたいと思います。 |
地方銀行の志望動機に関するよくある質問

地方銀行の志望動機に関するよくある質問は、以下のとおりです。
あらかじめ疑問や不安を解消しておき、魅力的な志望動機を作成して採用担当者に熱意を伝えましょう。
地方銀行の採用は地元出身者が有利?
地方銀行は優秀な人材であれば出身地による有利不利は一切なく、むしろ積極的に県外出身者も採用しています。
地方銀行は現在、生き残りをかけた競争の時代に突入しており、地域を問わず優秀な人材を求めています。
地方の大学に通う学生は就職先も地元を選ぶ傾向があり、生活圏の重なる地方銀行への志望が自然と増えて地元出身者の採用数が多くなっているだけで、採用基準に地元出身者優遇などの条件はありません。
地方銀行の面接で気をつけるべきポイントは?
地方銀行の面接では、コミュニケーション能力と清潔感のある身だしなみがとくに重視されます。地方銀行の面接で気をつけるべきポイントを、以下の表にまとめました。
ポイント | チェックポイント | 具体的な対策 |
---|---|---|
マナー面 | ・第一印象 ・言葉遣い ・態度 | ・御行/貴行の使い分け ・アイコンタクト ・身だしなみ |
知識面 | ・金融業界の理解度 ・時事問題の把握 | ・経済ニュース、 業界動向のチェック ・政治経済の学習 |
回答内容 | ・具体性 ・説得力 ・一貫性 | ・業界への理解を深める ・体験に基づく回答 |
面接時は、書き言葉の「貴行」ではなく「御行」を用います。また、「御社」ではありませんので注意してください。
そのほか、相手の目を見て話すなど基本的なビジネスマナーもチェックされるため、事前に十分な予習をしておきましょう。
地方銀行の志望動機を作り込んで採用を目指そう!
地方銀行を志望するなら、金融業界の動向や地元企業の課題を丁寧に分析したうえで、志望動機を作成しましょう。
自己分析で導き出した強みをアピールし、入行後のビジョンとして明確に描くのも大切です。
インターンシップでの経験や企業説明会における気づきを具体的に盛り込めば、志望度の高さを伝えられますよ。
エピソードや体験談を交えながら、採用担当者の共感を呼ぶ志望動機に仕上げるのが採用への近道です。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。