食品製造の志望動機の内容は？企業に対するアピールポイントを解説

食品製造の志望動機は何を書いたらいいのか悩んでしまいますよね。好印象になるような志望動機が書けるよう考え込んでしまう人も多いでしょう。

志望動機で重要なのは、食品製造業界で働きたい理由や、志望企業を選んだ理由を明確にしないといけません。本記事では、食品製造の志望動機に含める内容を順に解説します。

さらに「新卒・未経験者」と「経験者で転職する人」に向けた志望動機の例文もあるので、ぜひ参考にしてください。参考にして企業に好印象を与える志望動機を作成しましょう。

食品製造業界とは

食品製造業界とは、生モノである原材料を工場で加工・製造して製品を販売する産業のことです。

この他にも、新しい製品の開発や既存製品の改良など、食を通じて社会貢献している業界になります。

人が生きていくうえで食べることは必要不可欠ですが、食品の安全面や多様化する食の好みに合わせて自社のヒット商品を生み出すことが求められるでしょう。

ここでは、主に工場での食品製造の仕事内容や、食品製造の業務に向いている人の特徴を解説します。

食品製造の主な仕事内容とは

初めに、食品製造工場の主な仕事内容を解説します。

1. 原料の加工
2. 調理
3. 検品
4. 出荷準備

お菓子や、パン、弁当、惣菜、冷凍食品など取扱う製品によって仕事内容が多少異なりますが、人々の生活に必要とされる食品を製造できるのが食品製造業の魅力といえるでしょう。

①原料の加工

仕入れてきた原料を加工し、製品化します。加工食品の種類は、以下の通りです。

名称	内容	代表的な食品
1次加工食品	原料を大きく変えずに加工	小麦粉・牛乳・油
2次加工食品	1次加工食品を1つ、もしくは複数用いて加工	麺・マーガリン・マヨネーズ
3次加工食品	1次、および2次加工食品を2種類以上使用して加工	冷凍食品・レトルト食品

単一の加工食品を製造している工場もあれば、同じ原料を取扱うため複数の食品を製造している工場もあります。

②調理

調理工程は、機械が行うとはいえ人の手で調理します。

とは言え、決められた形にカットしたり、分量通りに味付けしたりするので、マニュアル通りに仕事をこなせれば特別なスキルは必要ありません。

ただし、弁当や惣菜を取扱う工場では、調理前に肉や魚の下処理もあるのでスキルやスピードが求められます。

③検品

検品作業は、包装される前にチェックする工程になります。こちらもどの製品にも必ずあります。

たとえばパン工場の検品作業は、パンの焼きムラや規格外の大きさがないかチェックして、1つひとつ品質が同じか確認する仕事です。

また、遺物が混入していないかもチェックしています。目視でも確認しますが、ほとんどの場合は加工された食品を機械に通して確認が多くなっています。

④出荷準備

出荷準備は、出来上がった製品に賞味期限のラベルを貼り付けたり、段ボールに詰めたりする作業になります。

また製品が移動中に崩れしないように、箱詰めの際には隙間なく丁寧に入れなければなりません。

製品の見た目の美しさは、食べる楽しみや美味しさにもつながるので、繊細な作業が得意な人に向いています。

食品製造会社の志望動機に含める5つの内容

ここからは、食品製造会社の志望動機について詳しく解説します。

1. 食品製造業を志望した理由
2. 会社を志望した理由
3. 「食」に関する興味や経験のエピソード
4. 食品製造業で活かせるスキル
5. 将来の展望

上記の中でも、なぜその会社を志望したのかがわかる文章を書くようにしましょう。

①食品製造業を志望した理由

初めに食品製造業を志望した理由を述べましょう。

ここでは、食品製造業界の中でも、なぜ食品を製造する会社を目指したかがわかるようにするのがポイントです。

たとえば、「調理スキルを身につけたい」「食という身近に感じる仕事にやりがいをもてると思ったから」などの理由が良いでしょう。

②会社を志望した理由

次に数ある食品製造会社がある中で、なぜ自社を志望したのかを明確にしないといけません。

「貴社の食品を昔からよく食べて好きだから」「貴社が地産地消の食材を使った製品に力を入れているから」という理由が良いでしょう。

その他にも、会社HPの情報を参考に製品の特徴やこだわり、会社の食への想いを調べて、自分が感じた製品の魅力や共感したことをアピールする方法もおすすめです。

③「食」に関する興味や経験のエピソード

志望動機の中に、「食」に関する興味や実際の経験したエピソードがあれば、よりリアルな想いが伝わるでしょう。

・身近な人に食物アレルギーの人がいて、栄養バランスについて考えることがあったから ・子ども食堂のニュースを見て、貴社のことを知り理念に共感を抱いたから

大事なのは、なぜ自分が食に興味を抱いたのかきっかけや経緯がわかるようにまとめることです。

具体的なエピソードがなかったとしても、「貴社の製品のことを調べるうちに製造過程に興味を持つようになったから」というのも良いアピールになるでしょう。

④食品製造業で活かせるスキル

食品製造業では、同じ作業を繰り返し行う集中力や、丁寧に作業する力などが求められます。

そのため、「毎日5時間以上は栄養学の勉強を続けた」といった強みがあると集中力の根拠が伝わりやすくなるでしょう。

一方スキルのアピールには、飲食店でのキッチン経験や調理が得意であるこも有効です。

食品製造業の会社が求めるスキルにつながることをアピールしていきましょう。

⑤将来の展望

最後に、より印象に残る志望動機にするためには、将来の展望や食品製造を通して自分がどうなりたいかを書くようにすると強い意欲を感じられる文章となるはずです。

そのためには「製品を食べてくれる人の喜びにつながる仕事」「製品を通して健康な食生活を支えたい」などお客様の目線も含めると良いでしょう。

「食」に携わる仕事に就きたいという想いを締めくくるにあたり、「生きるうえで食べることの大切さ」「健康維持」「安心した製品（食品）を届けたい」など含めて書くと良いかもしれませんよ。

食品製造に向いている人の特徴4つ

続いて、食品製造に向いている人の特徴を4つ紹介します。

1. 集中力がある
2. 丁寧な作業が得意
3. コミュニケーションが取れる
4. 責任感がある

食品は人の口に入るものです。食品製造は仕事の作業効率だけでなく、衛生管理や安全に対する意識も必要なスキルの1つといえるでしょう。

①集中力がある

食品製造工場では、同じ作業を繰り返し行うため、高い集中力が求められます。

また、作業工程の中には機械の自動化も導入されていますが、人の手や目で確認しながら行うライン作業もあるため、どの作業も手を抜くことが許されません。

出来上がった製品はどれをとっても同じ品質になるためには、最後まで同じ作業に集中して取り組める人が向いているでしょう。

②丁寧な作業が得意

特に弁当や総菜の盛り付け作業では、丁寧な作業が得意である人が向いています。

細かな作業には、手早くきれいに盛り付けられるかがポイントです。

慣れてくると自ずとスピードも上がってきますが、見た目の仕上がり1つで製品全体の完成度の高さも変わってしまうので、元から料理の盛り付けにも気を遣っていることは強いアピールとなるでしょう。

③コミュニケーションが取れる

食品製造工場ではさまざまな年齢層の人が働いているため、休憩中などにコミュニケーションが取りやすい人が向いているでしょう。

衛生上の問題で作業中はほとんど声を出すことはありませんが、作業後の片付けや、業務手順の質問する際には普段のコミュニケーションが大事になります。

1人で黙々と作業を進める場面も多い食品製造の仕事ですが、チームの人たちと人間関係も大切にしてください。

④責任感がある

工場内で製造された製品から食中毒や異物の混入があると大きなトラブルとなるため、食品製造で働くためには強い責任感が求められます。

したがって、工場内の入退室基準を厳重に守り、手順に従った作業を徹底してできる人でないといけません。

また、自分の体調管理も大切になります。感染症のリスクが高くなりそうなときには、速やかに報告しましょう。

食の安全や衛生面の問題は、工場内で働く一人ひとりの意識や注意力で成り立っているため、食品製造の志望動機のアピールとして、これらの特徴を強みとするのも良い手段ですよ。

必見！食品製造の志望動機の例文

ここでは、食品製造の志望動機の例文を紹介します。新卒未経験・経験者用と分かれているので、自分に合う例文を読んでみてくださいね。

1. 【新卒・未経験者の場合】企業への共感
2. 【新卒・未経験者の場合】自分の適性
3. 【新卒・未経験者の場合】「食」を通じた社会貢献
4. 【経験者・転職の場合】現場で得たスキルや経験
5. 【経験者・転職の場合】「食」が人に与える影響

さらに今回は、現在も就活生を内定に導いている現役のキャリアアドバイザーが、5個の例文を本気で添削！どんなポイントに注目して書くべきか知りたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。

①【新卒・未経験者の場合】企業への共感

【結論】 私は、人々の食生活を支える食品製造の現場で、安心・安全な品質管理が徹底された商品づくりに貢献したいと考え、貴社を志望いたしました。

添削コメント｜「安心・安全」はありきたりで説得力に欠けます。食品製造業で重視される「品質管理」というキーワードを明示することで、業界理解や志望の具体性が高まり、採用担当者に好印象を与える導入になります。

【根拠となるエピソード】 大学時代、一人暮らしを始めたことがきっかけで、日々の食事の大切さを実感しました。特に加工食品に助けられる場面が多く、品質や味の安定性に感動を覚えたことが毎日異なる時間に帰宅しても、味や品質が変わらず食事を楽しめたことから、食品業界に興味を持つきっかけとなりました。

添削コメント｜抽象的な「感動」表現を削除し、日常的な具体エピソードに変えることで、就活生の体験と業界への関心が自然につながりました。企業側は「なぜ関心を持ったのか」を重視するため、説得力が向上しています。

【エピソード詳細】 忙しい授業やアルバイトの合間でも、手軽に食べられる冷凍食品やレトルト食品は、私の生活を支えてくれました。どの商品にも工夫が凝らされており、それを作る仕事に魅力を感じました。短時間で調理できる工夫や、バランスの良い栄養設計がされている点に気づき、食に携わる仕事の奥深さと社会的意義を感じるようになりました。

添削コメント｜「工夫が凝らされている」は曖昧で、本当に食品に魅力を感じていたか、疑問に思ってしまう表現です。調理性や栄養設計といった具体的な視点に置き換えることで、観察力と食への理解が伝わるエピソードになりました。

【企業を選んだ理由】 貴社は、長年にわたり高品質な製品を提供し続けており、多くの人々に信頼されている点に魅力を感じました。特に、地域に根ざした製品展開と、自社工場での一貫生産体制により安定した品質を実現している点に強く惹かれました。また、製造過程の衛生管理や社員教育にも力を入れていることから、未経験の私でも安心して成長できる環境だと感じました。

添削コメント｜企業の魅力について「多くの人に信頼されている」だけでは他社との差別化ができません。企業特有の特徴（地域性、一貫生産）に言及することで、企業理解の深さや共感の具体性が伝わり、「なぜその企業なのか」が明確になります。

【入社後】 入社後は、現場での仕事に真摯に取り組み、確かな技術と知識を身につけて、より多くの人に喜ばれる製品づくりに貢献していきたいです。製品の製造だけでなく、将来的には改善提案などにも関わりたいです。現場での経験を積みながら主体的に学び続け、会社の品質向上に貢献していきます。

添削コメント｜「多くの人に喜ばれる」は抽象的です。製造に加えて改善提案や品質向上という業務視点を入れることで、企業が求める主体性・成長意欲を持った人物像に近づき、実行力のある印象を与えます。

抽象語は具体化 企業研究の深掘り 入社後の展望を明示

②【新卒・未経験者の場合】自分の適性

【結論】 私は「食を通じて人を笑顔にしたい」という想いから、食品製造の仕事に携わりたいと考えるようになりました。おいしい食品を安定して提供する製造の仕事に魅力を感じ、志望いたしました。大学時代に日常の中で支えられた食品に触れたことで、生活に密着した「裏方」の仕事に大きなやりがいを感じ、実際に製造の現場で人々の暮らしを支える存在になりたいと強く思うようになりました。

添削コメント｜「魅力を感じた」だけでは意図が曖昧で、他の就活生と差別化ができません。自らの体験と結びつけて「なぜ食品製造か」を伝えることで、納得感と説得力が増しています。テーマ「自分の適性」も自然に示されています。

【根拠となるエピソード】 大学時代、一人暮らしを始めたことで、食のありがたみを強く感じるようになりました。実家で何気なく食べていた料理の温かさや、スーパーで買った出来合いの食品にも支えられていたことに気付きました。特に疲れて帰宅した際に食べた冷凍パスタやお惣菜が、手軽でありながらおいしく、心までほっとする経験があり、食品が生活の質を大きく左右することを実感しました。

添削コメント｜抽象的だった表現を具体的な食体験に言い換えたことで、エピソードの説得力を高めました。背景となる行動や状況の描写を加えることで、読み手が状況をリアルに想像しやすくなります。

【エピソード詳細】 特に試験期間中は忙しく、自炊が難しい日々が続きましたが、冷凍食品や総菜の存在に助けられ、食事を楽しめることが心の支えとなりました。この経験から、目立たないながらも人々の生活を支える食品製造の仕事に尊敬の念を抱くようになりました。このように、忙しい時でも安心して食べられる食品がそばにあることで、前向きに頑張れる環境が整うと感じました。そうした背景から、人知れず誰かの生活を支える食品製造の役割に強く共感するようになりました。

添削コメント｜「尊敬の念」という言葉は抽象的で、受け手にイメージが伝わりにくい傾向があります。実際の感情や気付きが自然に流れるような具体的表現に修正することで、共感性とリアリティが生まれました。

【企業を選んだ理由】 貴社は衛生管理や品質管理に徹底した姿勢を持ち、安心して食べられる商品作りに力を入れている点に共感しました。貴社はHACCP認証を取得しており、衛生管理体制が整った中で商品開発にも積極的に取り組んでいる点に惹かれました。私もその一員として、信頼される食品づくりに貢献したいと感じました。実際に店舗で貴社の○○ブランドの商品を手に取った際、手作業の温かみが感じられる仕上がりに驚き、品質へのこだわりを実感しました。その一員として、自分も信頼される食品づくりに携わりたいと考えています。

添削コメント｜「衛生管理が徹底している」だけでは他社との差別化が不十分です。HACCP認証などの具体性を加えることで企業研究の深さが伝わり、さらに商品に触れた実体験を加えることで志望度の高さが表現されています。

【入社後】入社後は、基本的な業務を身につけ、貴社のお役に立ちたいです。まずは製造の基本をしっかりと身につけ、将来的には現場の改善提案などにも取り組み、より良い製造環境づくりに貢献していきたいと考えています。

添削コメント｜将来的なビジョンが具体的に描かれており、成長意欲と貢献意識の両方が感じられる優れた構成です。企業側にとって「入社後にどのように活躍してくれるのか」が明確で、プラス評価につながりやすい項目です。

抽象表現は避ける 実体験を交える 志望先との接点を示す

③【新卒・未経験者の場合】「食」を通じた社会貢献

【結論】 私は、「食」を通じて人々の暮らしを支え、社会に貢献できる仕事がしたいと考えました。その中でも、地域に根差しながら安定的に高品質な食品を届け続ける貴社の取り組みに共感し、貴社を志望いたしました。

添削コメント｜「社会に貢献できる仕事がしたい」だけでは説得力が弱く、他社でも通用する表現です。そこで企業の特徴に言及し、「なぜこの会社か」を明確にすることで、食品製造業界の中で特に貴社を志望する理由が伝わるようにしました。

【根拠となるエピソード】 大学時代、サークル活動で学園祭に出店し、手作りの食品を提供した経験があります。その際、お客様に「おいしい」と喜んでいただけたことがとても嬉しく、実際に提供した焼き菓子に対し「家庭でも売ってほしい」と声をかけていただいた経験を通じて、食が人の心を動かす力を持っていると実感しました。

添削コメント｜「嬉しかった」という感情だけではなく、顧客の具体的な反応に置き換えることで、社会に与えた影響や反応の事実が伝わり、エピソードとしての説得力が格段に上がります。評価される志望動機には、こうした客観的な描写が必要です。

【エピソード詳細】 当日は仕入れから調理、販売までを一貫して担当し、衛生管理や調理工程の効率化にも注力しました。準備の大変さを経験しながらも、食を通じて多くの人と関われる喜びを味わい、これを仕事にしたいと強く思うようになりました。その中で、調理の手順を見直すことで提供時間を短縮したところ「ここは提供が早くて助かる」「混んでいないので気軽に何度も食べられる」とお客さんから感謝されました。自分の作業の工夫が人に与える価値につながることを実感し、食品製造という現場仕事にやりがいを感じるようになりました。

添削コメント｜感情ベースの結論から脱却し、業務改善とその結果という具体的エピソードに変えることで、食品製造職に必要な「現場改善意識」と「継続的な工夫力」をアピールできています。評価される志望動機は、再現性のある行動に基づいていることが大切です。

【企業を選んだ理由】 貴社は、安全性と品質にこだわった食品製造を行っており、多くの家庭の食卓を支えている点に魅力を感じました。特に、貴社が地元産の素材を活用しながら製品づくりを行っている点や、消費者視点を大切にした商品開発方針に魅力を感じました。また、未経験からでも丁寧な研修制度があることから、自分の努力次第で成長できる環境が整っていると感じましたあることに加え、実際に社員インタビューで、現場でのOJTと資格取得支援が連携している点を拝見し、成長をしっかり後押ししてくれる環境だと感じました。

添削コメント｜もとの文章では「魅力を感じました」など抽象的でしたが、企業独自の取り組み（地元食材の活用・商品開発の方針）や実際の社員制度に具体的に触れることで、情報収集の深さと志望理由の納得感が高まります。

【入社後】 入社後は、現場での経験を積みながら、より効率的かつ衛生的な製造工程に貢献し、多くの人に安心と喜びを届けられる製品づくりを目指してまいります。製造工程での品質維持や衛生管理の工夫を重ね、安全で美味しい商品を安定して届けられるよう努めたいと考えています。また、将来的には製造ライン全体を俯瞰して管理できるようなスキルも身につけたいと考えています。

添削コメント｜「安心と喜びを届けたい」は理想論に聞こえやすいため、製造業に必要なスキルや視点（品質・衛生・工程管理）を具体的に示すことで、地に足のついた将来像が伝わります。キャリアの方向性が見えるのも好印象です。

心境の変化だけでなく行動プロセスも示す 企業の特徴に触れる 将来像を明確にする

④【経験者・転職の場合】現場で得たスキルや経験

【結論】 私は、食品製造に興味があったため、の現場で安全でおいしい商品を多くの人に届けたいという思いから、貴社を志望いたしました。

添削コメント｜結論部分は志望動機の核が端的に表現されており、読み手に「なぜこの業界か」「何を目指しているか」が明確に伝わります。食品製造というテーマとの整合性も高く、非常に良い入り方です。

【根拠となるエピソード】 前職では、物流会社の倉庫内で勤務していました。倉庫業務に従事しており、チームでの協力や効率的な作業の大切さを学びました。

添削コメント｜この段落では、前職の経験がしっかり示されており、「現場で得たスキルや経験」というテーマ性にもマッチしています。シンプルながらエピソードの導入として効果的です。

【エピソード詳細】 特に、季節ごとの出荷ピーク時には、納期に間に合わせるためにメンバーと連携を取りながら作業工程を見直し、品質とスピードの両立を実現しました。この経験から、決められた工程を丁寧かつ正確にこなす力や、現場での柔軟な対応力を身につけることができました。その中で、作業指示書の内容を事前に確認し、各工程で無駄な動きを減らすための配置見直しを提案するなど、改善意識を持って行動した結果、一人あたりの作業時間を平均15％削減できました。こうした経験を通じて、製造現場でも役立つ段取り力と現場改善の視点を養えたと感じております。

添削コメント｜もとの文は抽象的なスキル列挙で説得力に欠けていましたが、改善後では行動・工夫・成果が具体的に記載され、実際の貢献が明確になりました。「現場で得たスキルや経験」を読者がイメージしやすい形で伝えることができています。

【企業を選んだ理由】 貴社は衛生管理の徹底や手作業の技術に定評があり、品質を第一に考える姿勢に強く共感しました。特に、現場で一つ一つの工程に丁寧な検品や温度管理を導入するなど、安心・安全にこだわる姿勢に惹かれました。未経験ではありますが、前職で培った経験を活かし、貴社の製造現場で貢献できると考えております。現場改善の経験をもとに、業務の中で効率化や品質保持の工夫を積極的に提案し、即戦力として貢献したいと考えております。

添削コメント｜企業理解を深めた上での動機が必要なこの項目では、表現が抽象的だと差別化が困難になります。改善後は、具体的な取り組みへの共感を示すことで企業との親和性を強調し、また自らの経験をどう活かすかを明確に描けています。

【入社後】 入社後は、基本をしっかりと学びながら、貴社に貢献していきたいです。将来的には現場リーダーとして工程管理や後進育成にも携わりたいと考えております。

添削コメント｜「入社後」のビジョンが現実的かつ前向きに表現されており、応募者の成長意欲と長期的な貢献意識が伝わります。製造現場でキャリアを積んでいきたいという方向性も自然で、評価されやすい構成です。

抽象表現は具体化する 企業独自の業務体系に言及する 成果は数字で示す

⑤【経験者・転職の場合】「食」が人に与える影響

【結論】 私は「安心・安全でおいしい食品を通じて、日常に小さな幸せを届けたい」と考え、食品製造の仕事に強く惹かれています。中でも原材料から製品になるまでの工程に一貫して携われる食品製造の現場に魅力を感じ、自分の手で多くの人の食卓を支えたいという思いから志望いたしました。

添削コメント｜「惹かれています」では抽象的で動機の深掘りが不十分です。工程への関心と自身の役割を具体化することで、志望動機の焦点が明確になり、企業側にも応募者の意思と適性が伝わりやすくなります。

【根拠となるエピソード】 前職では、コンビニエンスストアの店舗スタッフとして、商品管理や発注業務を担当していました。売れ筋商品を分析し、季節や地域に合わせた品ぞろえを提案する中で、お客様から直接「この商品があって嬉しい」と声をかけられた経験がありました。その中で、地域のお客様から「この商品が毎日楽しみ」と言っていただけるような商品配置や発注の工夫を重ね、リピーターが増加した経験があります。

添削コメント｜提案内容や成果が曖昧で「行動→結果」の具体性に欠けていました。改善案では顧客の反応とそれに伴う工夫・成果まで示すことで、再現性と説得力が増し、食品業界で活かせる力として伝わりやすくなっています。

【エピソード詳細】 特に、ある期間限定のおにぎりが好評だった際、仕入れ数を調整しながら安定供給に努めたことで、店舗売上の向上に貢献できました。中でも、期間限定のおにぎりの人気が急増した際には、データをもとに供給バランスを見直し、欠品を防ぎつつ売上維持に繋げた経験があります。この経験から、「食」は人の心を豊かにし、毎日の楽しみになる大切な要素だと実感しました。

添削コメント｜「貢献した」という表現だけでは曖昧な印象を与えてしまいます。改善後は、数値的根拠や工夫内容を取り入れることで、「課題に対してどう動いたか」「成果がどう出たか」が明確になり、信頼性の高いエピソードとなっています。

【企業を選んだ理由】 貴社は素材のこだわりや品質管理に力を入れておられ、その姿勢に深く共感しました。貴社は素材へのこだわりと製造工程の衛生管理に徹底されており、「誰にとっても安心できる食品を届けたい」という私の思いと強く一致しています。ものづくりの現場で自らの手で「安心して食べられる商品」を作りたいと考えています。

添削コメント｜「共感しました」だけでは応募者の個性や価値観が伝わりません。改善後は企業の具体的な強みを挙げ、自身の志向との一致点を明示することで、選社理由に納得感と個人性が生まれています。

【入社後】 入社後は、製造工程を一つひとつ丁寧に学び、将来的には製造ライン全体の品質向上に貢献できる人材を目指していきたいです。将来的には、衛生管理や品質チェックの精度を高める仕組みづくりにも関わり、製造現場の信頼性向上に貢献したいと考えています。

添削コメント｜「品質向上に貢献」だけでは抽象的で印象が弱いです。衛生管理や品質チェックといった具体的な役割を明示することで、成長ビジョンが現実的になり、企業も将来的な配置をイメージしやすくなります。

志望動機は具体性が鍵 経験は数字と結果で語る 企業と志望動機の接点を示す

食品製造の志望動機は食への思いをアピールすることが大切！

この記事では、食品製造の志望動機の内容や、食品製造に向いている人の特徴について解説しました。

取扱う食品によっては、作業工程や肉体労働の有無もありますが、集中力や責任感が強い人が向いているでしょう。そのため志望動機とともに、仕事内容を事前に確認することも大切です。

もちろん志望する会社の製品に魅了されたため「ここで働きたい」とアピールするのは、採用担当者も嬉しいポイントとなるので面接ではぜひ自分の想いも伝えてくださいね。