公務員の福祉職とは?仕事内容や配属先・必要な資格も解説
公務員の福祉職は、 人々の生活に寄り添い、制度や支援を通じて課題解決を目指す、地域社会に不可欠な存在です。
仕事内容や配属先、必要な資格・スキルはもちろん、採用までの流れや試験対策も知っておくことが大切です。
本記事では、公務員福祉職の全体像を分かりやすく解説し、目指すうえで必要な情報をまとめて紹介します。
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公務員の福祉職とはどんな仕事か

公務員の福祉職とは、住民の暮らしに深く関わりながら、さまざまな社会課題の解決に向けて支援を行う仕事です。高齢化や子育て支援、生活困窮など、地域が抱える問題は年々複雑化しています。
こうした状況に対応し、個人や家庭の生活を支える福祉職は、今後ますます必要とされる存在といえるでしょう。
また、単に支援を行うだけでなく、地域全体を見渡した施策の企画・立案にも関わるため、現場感覚と政策的視点の両方が求められます。
ここでは、福祉職がどのような仕事を担っているのかを、5つの観点から具体的に紹介します。
- 住民の生活課題を支援する仕事
- 社会的弱者の自立を促す仕事
- 相談を通じて問題を解決する仕事
- 福祉施策を企画・立案する仕事
- 地域と行政をつなぐ仕事
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①住民の生活課題を支援する仕事
福祉職の基本となるのが、地域で暮らす人々の生活課題に寄り添い、解決に向けた支援を行う仕事です。
たとえば、生活保護や児童扶養手当といった制度の利用相談、介護や育児に関する不安への対応など、取り扱う内容は非常に多岐にわたります。
住民の立場に立ち、どの制度が使えるかを一緒に考えたり、関係機関とのつなぎ役を担ったりすることもあります。
困っている人の声を最前線で受け止め、その課題に対して具体的な手立てを示せる点は、公務員の中でも非常に現場性が高く、やりがいのあるポジションといえるでしょう。
人と直接向き合いながら支援したいという方には特に向いています。
②社会的弱者の自立を促す仕事
社会的に不利な状況にある方の「自立支援」も、福祉職の重要な役割のひとつです。
障がいがある方、引きこもり状態の若者、経済的に困窮している家庭など、継続的なサポートが必要なケースに対して、一人ひとりの状況に応じた支援プランを考えていきます。
単に「助ける」だけでなく、「自らの力で生活できるよう導く」というスタンスが重視されており、福祉サービスや就労支援との連携、本人の意欲を引き出すコミュニケーションなどが欠かせません。
支援の成果がすぐに現れないことも多いですが、少しずつでも前向きな変化が見られたときには、深い達成感が得られるはずです。
福祉に興味があり、人の成長を支えたい学生にとって、非常に魅力的な仕事といえるでしょう。
③相談を通じて問題を解決する仕事
相談業務は、福祉職のなかでも特に重要かつ繊細な業務です。住民の声に耳を傾け、その背景にある問題の本質を見抜く力が求められます。
たとえば、「家賃が払えない」という相談があったとしても、その背後には失業・病気・家庭内のトラブルなど、さまざまな要因が隠れていることがあります。
こうした事情を丁寧に把握し、適切な制度や支援機関につなぐことが求められるのです。また、1回の相談だけで終わらず、定期的に連絡を取りながら経過を見守ることも少なくありません。
相談を通じて信頼関係を築き、支援につなげる力は、学生時代の傾聴力や対話力の延長線上にあるものです。人と話すのが好きな方にとって、スキルを活かしやすい分野だといえるでしょう。
④福祉施策を企画・立案する仕事
福祉職は、目の前の相談対応だけでなく、地域に必要な施策を考え、制度として形にする業務にも関わります。
たとえば、独居高齢者が多い地域であれば、見守り体制の強化や配食サービスの導入といった企画が必要になるかもしれません。
こうした施策を提案・調整し、実際の運用につなげていくまでのプロセスには、現場感覚と企画力の両方が不可欠です。
日々の業務で得た気づきを政策に活かすことができるため、「現場の声を行政に反映させたい」と考える学生には非常に向いています。
机上の議論ではなく、地域の実情に即した施策づくりを担える点に、大きなやりがいを感じられるでしょう。
⑤地域と行政をつなぐ仕事
福祉職には、行政の制度や施策を住民に伝えるだけでなく、地域の声を行政に届ける役割もあります。
たとえば、町内会や地域の福祉団体と連携しながら、子育て支援のイベントや高齢者サロンなどを企画・支援することも業務の一部です。
また、住民に制度の内容を説明したり、誤解を解消したりする場面では、行政の専門用語を噛みくだいて伝える工夫も必要になります。
地域と行政の双方の立場を理解し、調整役としてのスキルを磨けるのがこの仕事の魅力です。
学生のうちから地域活動に関心がある方や、人と人をつなぐ仕事がしたい方にとっては、ぴったりのフィールドといえるでしょう。
福祉職の公務員になるために必要なこと

福祉職の公務員を目指すには、ただ福祉に関心があるだけでは不十分です。採用試験の制度や求められる姿勢を事前に理解しておくことで、準備の効率が大きく変わります。
また、大学生のうちにできる行動を知っておくことで、早めに動き出せるという安心感にもつながります。以下に、就活生が確認すべき5つのポイントを紹介します。
- 採用区分と受験資格を確認する
- 筆記・面接試験に備える
- 福祉知識と関心を深める
- 実習やボランティアで経験を積む
- 公務員の職務を理解する
① 採用区分と受験資格を確認する
福祉職の公務員を志す際は、まず自分に該当する採用区分と受験資格を正確に確認しましょう。
自治体によっては「福祉職(社会福祉士)」「心理職」「児童福祉司」など名称が異なり、それぞれで必要とされる学部・学科、資格、実務経験の有無が細かく定められています。
たとえば、ある自治体では社会福祉士の資格取得見込みが応募要件となっている一方で、別の自治体では特定の実習経験が求められることもあります。
このような違いを見落とすと、受験できると思っていた区分に応募できないといった事態にもなりかねません。
就職活動を有利に進めるためには、早い段階で志望先の採用区分と条件をリサーチし、必要な準備を整えておくことが欠かせません。
② 筆記・面接試験に備える
福祉職の公務員試験では、教養・専門といった筆記試験に加え、人物重視の面接試験の比重が大きい点が特徴です。
筆記対策をしっかり行うのは当然ですが、最終的な合否を左右するのは面接というケースも少なくありません。
特に、対人支援に携わる職種であるため、コミュニケーション能力や共感力、ストレス耐性などが丁寧に評価されます。
そのため、自分の強みや経験をどのように福祉の現場で活かせるのかを整理しておくことが大切です。
また、専門試験では社会福祉原論や心理学、社会調査などが出題されることもあるため、自治体の出題傾向を事前に確認したうえで、過去問や問題集を活用し、計画的に対策を進めましょう。
③ 福祉知識と関心を深める
福祉職の公務員を目指す上では、制度や法律の知識だけでなく、社会課題に対する深い理解と関心が不可欠です。
高齢者の孤立、児童虐待、ヤングケアラーの問題、ひとり親世帯の貧困など、日常生活の中では見えづらい困難を抱えた人々が地域には多く存在しています。
就活生のうちに、福祉に関するニュースや行政の取り組み事例に触れておくことで、課題への感度が高まり、志望理由や面接での発言にも説得力が出ます。
大学の授業やレポートで関連テーマを選んだり、行政の公開資料を読んでみたりするのも有効です。自分なりの視点で「福祉とは何か」を考え続けることが、公務員としての資質につながるでしょう。
④ 実習やボランティアで経験を積む
現場での実践経験は、福祉職を目指すうえで大きな価値を持ちます。
たとえば高齢者施設でのボランティアや、地域の子ども食堂の運営補助、障がい者支援施設での実習などを通して、支援の現場に立ち会うことができます。
そこでは、理想通りにいかない場面や、言葉にならないニーズに触れる機会もあるでしょう。
こうした体験は、自分がどのような支援に向いているのか、どんな分野に関心があるのかを見つける手がかりになります。
大学のキャリアセンターや市区町村の社会福祉協議会などを活用すれば、比較的気軽に活動機会を見つけることができます。積極的に行動して、自分の可能性を広げてみてください。
⑤ 公務員の職務を理解する
福祉職の公務員は、民間の福祉施設と異なり、制度に基づいて業務を遂行する「行政の一員」です。
支援したい気持ちが強くても、法令や予算、条例の制約により、全ての要望に応えられない場面もあります。ときには制度の限界を感じることもあるでしょう。
だからこそ、就活生のうちに「公務員とはどのような立場か」「制度運用を担うということはどういう意味か」をしっかりと理解しておくことが大切です。
働き方や考え方のギャップを減らすことで、入庁後のミスマッチを防ぐことができます。公務員説明会や職場訪問などの機会を活かして、実際に働く職員の声を聞くことも有効です。
制度と現場の両方に目を向け、福祉のあり方を広い視野で考えていきましょう。
地方公務員として働く福祉職の仕事内容

地方公務員の福祉職は、地域住民の暮らしを支える役割を担っています。
住民の困りごとを行政の立場から受け止め、制度を通じて解決へと導く仕事です。相談対応や制度運用だけでなく、地域全体の福祉力を高める取り組みも行っています。
ここでは、地方公務員の福祉職が担う具体的な業務を5つに分けて紹介します。
- 生活保護制度の運用
- 児童・家庭支援の実施
- 高齢者・障がい者支援の展開
- 地域包括支援センターでの対応
- 地域福祉の推進
①生活保護制度の運用
生活に困っている方を支える生活保護制度の運用は、福祉職の中心的な業務の一つです。
申請の受付から家庭訪問、支給の可否判断、さらには就労支援まで、対象者に寄り添いながら一貫して関わることが求められます。
実際には、生活背景が複雑なケースも多く、制度の知識だけでなく柔軟な判断力と冷静な対話力が必要です。
また、支援の遅れや説明不足が信頼関係を損ねる可能性もあるため、誠実で丁寧な対応が欠かせません。制度を通して住民の自立を後押しできる点に、大きなやりがいを感じられるでしょう。
社会的な責任も重い業務ですが、困っている人の再出発に直接関わることができる点は、学生にとっても魅力的な職務です。
②児童・家庭支援の実施
家庭内の問題や児童虐待への対応も、福祉職が担う重要な仕事の一つです。
児童相談所や福祉事務所において、子どもとその保護者の双方を対象とした相談支援を行い、必要に応じて一時保護や施設入所といった措置も講じます。
感情的な対応や繰り返される相談もある中で、冷静に状況を整理し、関係機関と連携しながら支援を進める力が必要です。
現場ではその思いを制度にのせて形にしていくバランス感覚が不可欠で、福祉職は行政職として制度と法制度を軸に支援を調整していきます。
感情だけで対応せず、持続可能な支援の仕組みを考える視点が身につくでしょう。
③高齢者・障がい者支援の展開
高齢者や障がい者が安心して暮らせる地域社会をつくるために、福祉職はさまざまな形でサポートに関わります。
具体的には、介護保険サービスの申請支援、障害福祉サービスの利用案内、家族へのフォローアップなど、多岐にわたる相談対応を行います。
とくに重要なのは、制度が複雑で分かりにくいと感じる方に対しても、やさしく丁寧に説明する姿勢です。制度利用が初めてという方も多く、対話力や思いやりが強く求められます。
ときには訪問相談や出張対応なども発生し、柔軟な働き方が必要となる場面もあります。学生の目線から見れば、社会の多様な人々と関わりながら専門性を深められる領域といえるでしょう。
④地域包括支援センターでの対応
地域包括支援センターでは、高齢者を対象とした包括的な相談支援が行われており、福祉職もその中核を担っています。
保健師やケアマネジャー、社会福祉士などの専門職と協力し、介護予防、権利擁護、虐待防止といった幅広い課題に取り組みます。
福祉職は行政窓口としての機能に加え、地域の課題を拾い上げ、サービスにつなぐ調整役でもあります。制度の知識と現場感覚の両立が求められるため、若手職員にとっては成長の機会に満ちた環境です。
学生の立場ではイメージしづらいかもしれませんが、チームで支える感覚や、他分野との連携のダイナミズムを味わえる場面も多いでしょう。実践を通じて自らの視野を広げたい方にはぴったりです。
⑤地域福祉の推進
個別支援に加えて、地域全体の福祉を底上げする活動にも福祉職は力を入れています。
地域住民と協働し、サロン活動や福祉講座、見守りネットワークづくりなど、多様な取り組みを通じて「支え合う地域づくり」を進めます。
制度による支援には限界があるからこそ、住民自らが助け合える仕組みをつくることが、今後ますます重要になります。福祉職はその旗振り役として、調整・企画・実行すべての場面で活躍するのです。
就活生にとってはやや想像しにくい分野ですが、自分の関わった取り組みが地域に根づき、変化をもたらす喜びを実感できる点は大きな魅力です。
福祉の仕事は「人を助ける」だけでなく、「地域の未来をつくる」ことでもあると気づかされるはずです。
国家公務員として働く福祉職の仕事内容

国家公務員の福祉職は、国全体の制度づくりや政策の立案に関わる業務が中心です。
現場での支援というよりも、社会全体に対して影響を与える仕組みの企画や調査が求められます。学生のうちに知っておくことで、自分が携わる社会的役割の広さをイメージしやすくなるでしょう。
- 社会保障制度の企画・運営
- 福祉政策の調査・立案
- 厚労省における制度設計
- 法務省における更生支援
- 国際福祉・研究分野への関与
① 社会保障制度の企画・運営
社会保障制度の設計や運用は、国家公務員の福祉職が担う中でもとくに根幹となる業務です。
年金、医療、介護といった分野は、高齢化が進む日本社会において常に課題を抱えており、制度の継続的な見直しが不可欠です。
学生の皆さんにとっては、これらの制度が「あるのが当たり前」の存在に思えるかもしれませんが、その裏では絶え間ない調査や調整、予算管理が行われています。
制度の方向性を左右する責任あるポジションであり、実務では社会構造の変化をいち早く読み取る分析力や、多様な視点を踏まえて提案をまとめる力が求められます。
全国民の暮らしに影響する制度に関われるやりがいは、公務員福祉職の大きな魅力といえるでしょう。
② 福祉政策の調査・立案
福祉政策の調査・立案では、目の前にある課題をどう制度化するかが問われます。
たとえば、児童虐待やヤングケアラーの増加、障害者支援の地域格差など、複雑で見えにくい問題をいかに的確に捉え、国全体の仕組みとして整えるかが使命です。
国家公務員の福祉職は、現場の声や統計データをもとに課題を整理し、施策の方向性を設計していきます。その際は、実行可能性や費用対効果もふまえた設計が不可欠です。
学生時代に政策立案コンテストやボランティア活動を経験していれば、その視点を活かすことができるかもしれません。
自分の提案が現実の制度になり、社会を動かす瞬間を実感できる仕事です。
③ 厚労省における制度設計
厚生労働省で働く福祉職員は、医療・介護・雇用・子育てなど、幅広い生活支援制度の設計に携わります。
たとえば、介護保険制度の見直し、高齢者の社会参加支援、産後うつへの対応強化など、分野ごとに取り組むテーマは多岐にわたります。
制度設計は現場と政策の橋渡しのような役割を持ち、現場のニーズを的確に反映させながら、法律や財政とのバランスをとった実行可能な制度に落とし込む必要があります。
学生の皆さんには、授業で学ぶ「制度の仕組み」を、自分が設計側として動かす側に回れるというスケール感を感じてほしいところです。
資料作成やプレゼン力も求められるため、総合的なスキルが活かせる場面が多いでしょう。
④ 法務省における更生支援
法務省での福祉職の役割は、犯罪や非行をした人々が社会に戻れるよう支援する「更生支援」にあります。
具体的には、出所者向けの住居確保や就労支援、福祉的サポート体制の構築などを制度として整える業務です。
このような分野は、偏見や誤解も多く、支援の難しさがつきまとうものですが、それでも再スタートを切る手助けができることに大きな意義があります。
国家公務員として現場と制度の両面から関われるのは貴重であり、人の人生を支える本質的な福祉に触れる経験となるでしょう。
学生時代に福祉施設や少年院見学などを経験している方は、現場理解が活きてくる場面も多いです。冷静さと共感力の両方を備えた人に向いています。
⑤ 国際福祉・研究分野への関与
国家公務員の福祉職は、国際的な舞台や研究分野での活躍の場も広がっています。
たとえば、海外の社会保障制度を調査したり、国連機関の会議に出席したり、開発途上国との協力プロジェクトを担当することもあります。
また、大学や研究機関と連携し、政策の根拠となる実証研究を行うケースも少なくありません。こうした業務では、語学力や分析力に加えて、国際的な視点や異文化に対する理解も重要になります。
就活生の中には「将来は国際的な福祉に関わりたい」と考えている人もいるかもしれませんが、国家公務員という道でもそれは十分に可能です。
国内だけでなく、グローバルな課題にも向き合える点は、福祉職の中でも特徴的なやりがいといえるでしょう。
地方公務員福祉職の主な配属先

福祉職の地方公務員として働く場合、どのような現場でどんな役割を担うのかは気になるところです。
配属先によって業務内容や求められる資質が大きく異なるため、あらかじめ特徴を理解しておくことが安心につながります。
- 福祉事務所
- 児童相談所
- 高齢福祉課・障がい福祉課
- 地域包括支援センター
- 市町村の福祉関連部署
① 福祉事務所
福祉事務所は、生活保護などの制度を通じて経済的困窮者を支援する、自治体の最前線の機関です。
配属された場合、生活に困っている方の相談受付、訪問調査、支援計画の策定、関係機関との連携などが主な業務となります。
支援対象者にはさまざまな事情を抱える方が多く、制度を理解したうえで柔軟に対応する力が求められます。
精神的な負荷がかかる場面もありますが、その分、人の生活を根底から支える意義深さを感じることができるでしょう。
学生のうちから生活保護制度やケースワークの実態を知っておくと、ミスマッチの防止にもつながります。
② 児童相談所
児童相談所は、虐待や非行、発達の問題など、子どもに関する深刻な課題を扱う専門機関です。
福祉職としてここに配属されると、保護者との面談や子どもの一時保護、施設との調整、関係機関との連携など多岐にわたる業務を担います。
ときに感情的な対応が求められたり、重い判断を下さねばならない場面もありますが、子どもの命と将来を守るという非常に重要な使命を担っています。
想像以上に体力と精神力が必要とされる現場である一方、社会的意義は非常に高い仕事です。
福祉や心理、法律などの基礎知識を学生時代に少しでも学んでおくと、スタート時の不安を和らげることができます。
③ 高齢福祉課・障がい福祉課
高齢者や障がい者に関する施策を扱うのが、高齢福祉課や障がい福祉課です。
主な業務は、介護保険制度の説明、福祉サービスの利用申請受付、利用者や家族への聞き取り、関係機関との調整などです。
近年は制度も多様化しており、単なる窓口業務ではなく、地域のニーズに応じた柔軟な対応力や提案力も求められるようになっています。
住民の不安や疑問に丁寧に寄り添える姿勢が大切であり、人と人との対話を大切にする方に向いている分野です。
将来の超高齢社会を支える仕事として、継続的なスキルアップも欠かせません。学生のうちに地域包括ケアや社会福祉制度の基礎を押さえておくと、配属後の理解がスムーズになるでしょう。
④ 地域包括支援センター
地域包括支援センターは、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう支える中核的な相談窓口です。
ここでの主な業務は、介護予防プランの作成、高齢者の虐待対応、成年後見制度の活用支援、地域ネットワークの構築など多岐にわたります。
他職種との連携が必須で、チームでの支援が基本となるため、連携力・協調性・傾聴力が大きな武器になります。
現場では「福祉の専門家」として頼られる機会も多く、自信と責任感を持って行動することが求められます。
学生の段階では聞き慣れない部署かもしれませんが、介護・保健・福祉の垣根を越えて包括的な支援を行う魅力的な現場です。
⑤ 市町村の福祉関連部署
市役所や町村役場にある福祉課では、地域に暮らす人々の多様な福祉ニーズに対応しています。
配属されると、子育て支援、生活困窮者支援、高齢者・障がい者福祉など、非常に幅広い分野の施策に携わることになります。
施策の企画立案や予算調整、住民からの問い合わせ対応、関係団体との連携など、日々の業務が多岐に渡る仕事です。
総合力が求められる一方で、住民との距離が近く「顔の見える支援」がしやすいという特徴もあります。自分の施策が地域で実際に活用される喜びを味わえる部署といえるでしょう。
学生のうちに地域福祉の現場や自治体施策を調べておくと、より明確な志望動機に結びつきます。
国家公務員福祉職の主な配属先

国家公務員の福祉職は、厚生労働省や法務省、各省庁の福祉関連部門、独立行政法人、研究機関、さらには国際福祉に関わる連携部門など、幅広い機関に配属されます。
大学で福祉や心理、社会学などを学んできた学生にとって、専門性を活かしながら公共の福祉に貢献できる魅力的な進路です。
それぞれの配属先で担う役割は異なり、現場での支援というよりは制度づくりや連携調整といった政策的な視点が求められることが特徴です。ここでは、代表的な配属先について具体的に解説します。
- 厚労省の援護・社会局
- 法務省の保護観察関連部署
- 独法や研究機関
- 省庁の福祉系部署
- 国際福祉の連携部門
① 厚労省の援護・社会局
厚生労働省の援護・社会局は、戦傷病者やその遺族への援護事業、高齢者・障害者を支えるための制度設計を担当する部署です。
福祉職としての実務経験を通じて、国民全体の安心と安全を形づくる制度の根幹に関わることができます。
ここでは、実際の支援現場よりも法律や制度の企画・立案、他部署や自治体との協議・調整が主な業務です。
就活生にとっては、「現場に出る」だけでなく「福祉政策の骨組みをつくる」視点で働ける点が大きなやりがいになるでしょう。全国レベルでの影響力を持つ仕事に興味がある方には非常に向いています。
② 法務省の保護観察関連部署
法務省における保護観察関連部署は、非行歴のある少年や刑期を終えた方が社会に復帰するための支援を行う部門です。
具体的には、保護観察所の職員として、更生支援の計画を立てたり、保護司や福祉施設と連携したりして、再犯を防ぐ取り組みに携わります。
この仕事は、まさに人と人との信頼関係を土台に成り立つ分野です。
相手の背景や状況に真摯に向き合いながら、多様な立場の関係者を巻き込んで支援を進める必要があるため、学生時代にボランティア経験や対人支援の活動をしてきた方には親和性が高いといえるでしょう。
社会的課題の最前線に関わる仕事として、強いやりがいを感じられる配属先です。
③ 独法や研究機関
福祉分野における独立行政法人や研究機関では、政策の根拠となる統計調査や実証研究、効果測定などを通じて、現場の課題を行政にフィードバックし、制度の改善を支援する役割を果たします。
たとえば、国立社会保障・人口問題研究所や福祉医療機構といった機関が該当し、データや理論に基づいた政策提言を行うポジションです。
就活生にとっては、現場ではなく裏方のように見えるかもしれませんが、「福祉の未来を支える設計者」としてのやりがいがあります。
論理的思考や分析が得意な方、調査・研究に興味がある方には特に適しています。目立ちはしませんが、福祉行政を支える縁の下の力持ちとして、大きな意義を感じられる配属先です。
④ 省庁の福祉系部署
厚労省以外の省庁にも、教育・子育て・地域支援といった切り口から福祉にアプローチする部署が存在します。
たとえば、文部科学省では特別支援教育や発達支援に関する施策、内閣府では子育て支援や若者の自立支援など、幅広いテーマを扱います。
これらの部署では、複数の関係機関と連携して調整を行う機会が多く、柔軟な対応力や調整力が不可欠です。
学生目線で考えると、「教育や子ども、地域」といったテーマに関心がある方にとって、自分の興味や経験を生かしやすい環境といえます。
福祉という枠にとどまらず、社会全体の構造に関心を持つ方に向いている配属先です。
⑤ 国際福祉の連携部門
国際福祉の連携部門では、海外の福祉政策に関する情報共有、国際機関との共同事業、外国人支援施策などに関与します。
JICAとの連携による技術協力や、日本の福祉制度を活かした国際貢献の場面も多く、グローバルな舞台で活躍できることが特長です。
語学力や異文化理解、国際的な問題意識が求められますが、世界を相手に仕事をしたい方にとっては非常に魅力的な環境です。
学生時代に海外留学や国際ボランティアを経験した方などにとっては、志や関心が活かしやすい領域でしょう。
日本と世界をつなぎ、よりよい社会を築いていくという視点を持った方には、やりがいと成長の両方が得られる配属先です。
福祉職として求められるスキルとは

福祉職は、人と向き合いながら社会課題に取り組む専門性の高い仕事です。誰かを支えるには、知識や技術だけでなく、姿勢や考え方そのものも問われます。
一見すると「人と話すのが得意」だけで十分に思えるかもしれませんが、実際にはそれだけでは務まりません。ここでは、福祉職として身につけておきたいスキルを5つ紹介します。
- 対人コミュニケーション力
- 的確な判断と冷静な対応力
- 多様性を受け入れる柔軟性
- 制度や法律の理解力
- 学び続ける姿勢
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① 対人コミュニケーション力
福祉職にとって最も基本となるのが、対人コミュニケーション力です。
利用者の声に丁寧に耳を傾け、相手の表情やしぐさから気持ちを読み取り、言葉を交わしながら信頼関係を築く力が必要です。
たとえば、相談に来た人が不安を口にしなくても、表情の曇りや沈黙から悩みの深さを察する力は、実際の支援現場で非常に重要になります。
また、相手の話に耳を傾けるだけでなく、安心感を与える声のトーンや話し方、価値観の違いを受け入れる姿勢も求められます。
就活生としては、アルバイトやボランティアでの接客経験などを振り返り、相手にどう寄り添ったかを意識してみると、自分の強みや課題が見えてくるでしょう。
② 的確な判断と冷静な対応力
福祉の現場では、日常的にイレギュラーな出来事が起こります。
たとえば、支援対象者の体調が急変したり、予期せぬトラブルが発生したりする場面では、感情に流されず、冷静に状況を整理して対応する必要があります。
「何が今いちばん必要か」「誰に連絡すべきか」といった判断を素早く下せることが、円滑な支援へとつながります。
こうした力は、経験の中で徐々に養われるものですが、就活生の段階でも意識的に磨くことは可能です。
複数のタスクを同時にこなす経験や、緊張する場面でも落ち着いて対応した体験を振り返ることで、判断力や対応力のベースを築くことができるでしょう。
③ 多様性を受け入れる柔軟性
福祉職は、年代や性別、国籍、障がいの有無、家庭環境などが異なる、実に多様な人々と関わる職種です。
そのため、他人の価値観や生き方を否定せずに受け止め、自分とは違う背景を理解しようとする「柔軟な思考」が欠かせません。
たとえば、外国にルーツを持つ方への支援では、文化や言語の違いが壁になることもありますが、そうした壁を「乗り越えるもの」としてではなく、「違いを尊重する視点」で見る力が必要になります。
学生時代のグループ活動や多様な人と接するアルバイト経験のなかに、そうした柔軟性を試される場面があったかもしれません。
就活時には、価値観の違いにどう対応してきたかを自己PRに活かすことで、福祉職としての適性をより具体的に伝えることができるはずです。
④ 制度や法律の理解力
福祉職の仕事は「気持ちに寄り添う」ことにとどまらず、制度に基づいて支援を行うという側面もあります。
たとえば、生活保護や障害者手帳、介護保険など、各制度には対象や条件が細かく定められており、それを的確に理解し活用することで、支援の幅が広がります。
制度を正しく案内できるかどうかは、利用者の生活そのものを左右する重大な要素です。
現時点では専門的な知識がなくても問題ありませんが、ニュースや社会課題に興味を持つこと、身の回りの福祉制度に目を向けることから始めるとよいでしょう。
将来、現場で支援者として働くときに必要になる視点を、今から少しずつ養っておくと安心です。
⑤ 学び続ける姿勢
福祉職は、時代の変化に合わせて常にアップデートが求められる職業です。
たとえば、高齢化社会の進行や、LGBTQへの理解促進、多文化共生など、社会が抱える課題は年々多様化しています。
そのため、数年前まで通用していた支援のあり方が、現在では適さないというケースも珍しくありません。
そうした背景のなかで福祉職として長く活躍するためには、変化に応じて知識やスキルを更新し続ける「学びの姿勢」が欠かせません。
大学の講義だけでなく、自主的にニュースを読み込んだり、関心のあるテーマで調べ物をしたりする習慣を持つことが、今後の土台づくりにつながっていくでしょう。
福祉職として求められる資格とは

福祉職の公務員を目指すうえで、どのような資格が必要なのか気になる方も多いでしょう。
配属先や業務内容に関係するケースもあるため、どのような資格が評価されやすいかを知っておくことは重要です。
ここでは、代表的な資格や、それぞれが就職活動にどのように活かせるかを紹介します。
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 保育士などの関連資格
- 介護福祉士
- 臨床心理士
① 社会福祉士
社会福祉士は、福祉行政の現場で広く活躍できる国家資格です。生活に困窮する人や障がいを持つ方の相談支援において、その専門性が強く求められます。
行政の窓口では、制度説明や支援計画の立案など、実務的な対応が必要とされるため、社会福祉士としての知識と視点は大きな武器になります。
とくに市町村役場などの地域福祉の現場では、社会福祉士の有資格者が即戦力として期待されるケースが多く、採用時にも有利に働く可能性が高いでしょう。
福祉系の学部で学んでいる場合は、在学中に必要な実習と履修を終えれば受験資格を得られるため、準備は早めに進めておきたいところです。
福祉に対する強い関心と専門性を証明する手段として、社会福祉士の取得は非常に有効です。公務員の福祉職として深く関わっていきたい学生にとって、最初のステップとなる資格といえるでしょう。
② 精神保健福祉士
精神保健福祉士は、心の問題を抱える人の支援を専門とする国家資格です。
福祉職のなかでもとくに専門性が高く、精神障がいや依存症、ひきこもりなど、複雑な背景を持つ人への対応が求められる現場で力を発揮します。
たとえば、生活保護課や障がい者福祉課など、精神的ケアが必要とされる部署では、精神保健福祉士の知識が大きな強みになります。
習得するには専門的な授業と実習を修了し、国家試験に合格する必要がありハードルはやや高めですが、心理や精神領域に興味がある学生には、現場での活躍の幅を広げるチャンスになるはずです。
精神的な困難を抱える人の力になりたいという思いを、資格というかたちで形にしたい方におすすめです。
③ 保育士などの関連資格
とくに子育て支援や高齢者福祉に関わる部署では、現場での理解と実践力が求められることが多いため、保育士や介護福祉士といった関連資格もプラスに働くことがあります。
たとえば、児童福祉や家庭相談の担当になった場合、保育士資格を持っていることで、発達段階への理解や保護者とのコミュニケーション力を活かせます。
また、介護福祉士の資格があれば、高齢者支援や福祉用具、ケアプランの知識を持った人材として信頼されるでしょう。
これらの資格が採用条件になることは少ないものの、志望動機に厚みを持たせる要素として効果的です。非常勤や任期付き職員としてスタートし、経験を積んでから正職員を目指すルートも現実的です。
福祉に関連する資格を既に取得している学生は、それを強みとして積極的にアピールしていきましょう。
④ 介護福祉士
介護福祉士は、高齢者や障がい者の生活を支援する介護のプロフェッショナルです。
福祉職として地域包括支援センターや介護保険課などに配属された際、実務に直結した視点と経験があることは大きなメリットになります。
現場では利用者や家族と信頼関係を築きながら、きめ細かな支援を行う必要があります。そのため、介護福祉士としてのコミュニケーション力や観察力、身体介助の基本知識などが非常に重要です。
この資格は、実務経験3年以上と国家試験の合格が要件であるため、すでに介護分野でアルバイトやボランティア経験がある学生にとっては、挑戦の価値があるでしょう。
介護を軸とした支援に関心があるなら、専門性を証明する一歩として介護福祉士を視野に入れてみてください。
⑤ 臨床心理士
臨床心理士は、心理的な支援を専門とする民間資格で、相談援助や心のケアが求められる福祉現場、特に、子どもや家庭に関する相談、学校教育の分野で高く評価されます。
たとえば、虐待対応や発達支援、スクールソーシャルワークといった業務では、心理学の専門知識があることで、対象者の背景理解や適切な支援方法の選択に大きな差が出ます。
行政職員として配属された際にも、チーム内での役割が明確になりやすく、他の職種との連携もスムーズに進めやすくなります。
臨床心理士になるには大学院での専門課程修了が求められるため、就職前に取得するのは難しいかもしれませんが、「将来的に目指している」ことを志望動機に組み込むのは十分に有効です。
心理的な支援に関心があり、人の内面に寄り添う仕事をしたい学生には、長期的なキャリア形成の中で視野に入れておきたい資格です。
福祉職のやりがいや働くメリット

福祉職には、ほかの職種では得られない独自のやりがいがあります。人との深い関わりを通じて成長できる点や、地域に根ざして働ける点など、公務員としての安定性に加えた価値も大きな魅力です。
「人の役に立ちたい」「社会のために働きたい」と考える就活生にとって、福祉職はその想いをかたちにできる仕事といえるでしょう。
- 人の人生に寄り添える
- 安定した職場で働ける
- 地域に貢献できる
- 人との関わりで成長できる
- 専門性を活かせる
① 人の人生に寄り添える
福祉職の最大の魅力は、目の前の人の人生と真摯に向き合える点です。生活の不安や困難を抱える方とじっくり話し合い、丁寧に寄り添いながら支援策を考えていきます。
たとえば、経済的に苦しいひとり親世帯に対し、就労支援や子育て支援を提案し、少しずつ生活が安定していく過程を一緒に歩むことができます。
その結果、相談者から「あなたのおかげで前向きになれた」と言われることもあるでしょう。
表面的な業務ではなく、一人ひとりと深く関われる経験は、自分の存在意義や仕事の価値を実感する原動力となるはずです。
② 安定した職場で働ける
福祉職は公務員であるため、民間企業に比べて景気や業績の影響を受けにくく、安定した雇用が約束されている点も大きなメリットです。
定期的な昇給や人事評価制度も明確で、長期的なキャリア設計がしやすい環境といえるでしょう。
また、産休・育休やフレックスタイム制度など、ワークライフバランスを支える仕組みが整っている自治体も多く、将来的に結婚や子育てを考えている方にとっても安心できる職場です。
「人のために働きたいけれど、自分の生活も大切にしたい」と感じる就活生にとって、公務員福祉職は非常に魅力的な選択肢といえます。
③ 地域に貢献できる
福祉職は、地域住民の暮らしに直結する仕事です。特に地方公務員の場合は、自治体ごとの特色や課題に応じて、現場の声をもとに柔軟な支援を行います。
たとえば、高齢者の独居が課題の地域では、見守り体制の強化や地域サロンの設立など、具体的な施策づくりに携わることができます。
自分の提案が地域の制度として形になり、それが住民の安心や笑顔につながったとき、福祉職としての達成感を強く実感できるでしょう。
地元で働きたい、地域の課題に向き合いたいという想いを持つ学生にとって、地域貢献性の高い福祉職はまさに適職といえます。
④ 人との関わりで成長できる
福祉職では、日々さまざまな立場の人と向き合う中で、自然と自分自身も成長していきます。利用者やその家族だけでなく、医療機関や学校、NPOなど多くの関係機関との連携も不可欠です。
調整力や傾聴力、交渉力など、社会人として重要なスキルが実践を通して磨かれていきます。
ときには厳しい場面に直面することもありますが、そこで得られる気づきや反省が、自分の対応力や考え方を深めるきっかけになります。
「人と関わる仕事を通して、自分も成長したい」という成長志向を持つ学生には、福祉職は多くの学びが詰まった環境になるでしょう。
⑤ 専門性を活かせる
福祉系の学部で学んできた知識や資格を、そのまま実務に活かせるのも福祉職の魅力です。
たとえば、社会福祉士や精神保健福祉士の資格は、面接相談や支援計画の策定などの場面で役立ちます。
また、授業で学んだ制度論や支援技術が、施策立案や調整業務にそのまま結びつくことも多く、知識と現場のつながりを実感しやすい職種です。
学びを社会に還元したいと考えている学生にとって、福祉職は「学んだことを仕事にできる」という手応えを得られる分野といえるでしょう。
公務員の福祉職に関するよくある質問

福祉職を目指す就活生の多くが抱える疑問を、代表的な質問形式で整理しました。
仕事内容や適性、待遇など、キャリア選択に欠かせないポイントを分かりやすくまとめています。
実際の現場で求められるスキルや心構えについても、事前に理解しておくことで、将来のミスマッチを防ぐことができるでしょう。
- 福祉職に向いている人は?
- 年収や昇進はどうなっている?
- 文系・未経験でも目指せる?
- 仕事でつらいと感じる場面は?
① 福祉職に向いている人は?
福祉職に向いているのは、誰かの困りごとを自分ごとのように考え、じっくり話を聞ける人です。
特に、相手の背景や感情に丁寧に耳を傾けながらも、状況を冷静に判断し行動に移せる力が大切でしょう。というのも、福祉現場では複雑な課題や深刻なケースに対応する機会も少なくないからです。
ただし、最初から完璧な対応力が求められるわけではありません。現場に出てから少しずつ経験を積むことで、自然と成長していくものです。
大学での実習やボランティア、ゼミ活動などを通じて「人に関わる経験」がある方は、よりスムーズに適応できるでしょう。
「誰かの役に立ちたい」「社会に貢献したい」という想いを大切にできる方は、福祉職としての素質があるといえます。
② 年収や昇進はどうなっている?
福祉職の年収は、自治体の規模や地域によって差はあるものの、地方公務員の標準的な給与体系に準じています。
たとえば初任給はおおむね月20万円前後から始まり、毎年の人事評価や勤続年数に応じて安定的に昇給していく流れです。
また、扶養手当・住居手当・地域手当・時間外勤務手当など、各種手当が加算されるため、実際の支給額はもう少し高くなる場合もあります。
昇進に関しても明確な制度が整っており、一定の経験や能力を積めば係長・課長といった役職も目指せます。
年功だけでなく実績や意欲も重視されるため、若いうちからキャリアアップの機会がある点も魅力といえるでしょう。長期的に安定した生活を望む方にとって、安心感のある職場環境です。
③ 文系・未経験でも目指せる?
福祉職は、文系出身や実務未経験でも十分に目指せる職種です。採用試験の受験資格には学部の制限がない場合が多く、実際には法学部・経済学部・文学部など、さまざまな学部出身の職員が現場で活躍しています。
大切なのは、専門知識以上に「福祉に関わる意欲」や「学ぶ姿勢」があるかどうかです。
たとえば、試験勉強を通じて福祉関連の知識を補ったり、大学の授業やゼミで社会福祉や心理学に触れておくと安心です。
さらに、ボランティアやインターン、施設見学などの体験を積むことで、業務内容の理解が深まり、面接でも説得力のある志望動機が語れるようになります。
「未経験だから不安」と感じている方ほど、行動次第で十分に巻き返しが可能です。
④ 仕事でつらいと感じる場面は?
福祉職の仕事では、支援がうまくいかないときや、相談者の苦しみに触れたときに、つらさを感じる場面があります。
たとえば、虐待や生活困窮、高齢者の孤立といった深刻な問題に直面することもあり、特に、若手のうちは一つひとつの対応に神経を使い、疲弊してしまうこともあるでしょう。
しかし、福祉の現場では「一人で抱え込まない」体制がしっかり整っています。上司や同僚、他職種との連携を通じてチームで問題解決を図る文化が根づいており、相談しやすい雰囲気が築かれています。
また、すぐに成果が見えにくい仕事ではありますが、粘り強く支援を続けることで、生活の改善や信頼の構築といった達成感を得られる場面も多くあります。
つらさを乗り越えた先にあるやりがいこそ、福祉職の本質といえるでしょう。
不安を支え、社会を動かす福祉職を目指そう

公務員の福祉職は、住民の生活課題に寄り添い、社会的弱者の支援や制度づくりを通じて地域社会を支える重要な役割を担います。
地方・国家いずれの公務員でも、配属先や仕事内容は多岐にわたり、地域包括支援から政策立案、国際福祉まで幅広い分野に携わることができます。
受験に向けては採用区分や試験対策、必要な資格・スキルを把握し、現場経験を通して実践的な理解を深めておくことが有効です。
人の人生に寄り添いながら、自身も成長できる公務員の福祉職は、やりがいと安定性を兼ね備えた魅力的なキャリアパスです。
地域貢献を目指す学生にとって、福祉職は社会を動かす力となる選択肢といえるでしょう。
まずは志望動機を作ってみる
この記事を書いた人
編集部
「就活に苦しむ学生を減らしたい」をモットーに、志望動機やES、面接対策など、多種多様な就活の困りごとを解決するための記事を日々発信。700以上の記事で就活生の悩みに対処しつつ、就活の専門家であるキャリアアドバイザーの監修により、最後まで内定を狙える就活の方法を伝授し続けています。