国税専門官の志望動機の作り方｜向いている人やNG例文も紹介

この記事では、国税専門官の志望動機の書き方を徹底解説しています。

志望動機の書き方だけではなく、国税専門官の仕事内容の理解から適性、実際のOK・NG例文も紹介しているので、最後まで確認してくださいね

志望動機を作成する前に｜国税専門官の仕事内容とは

国税専門官の仕事は「税金に関する国家業務」とひとくくりにされがちですが、実際には複数の職種に分かれており、それぞれの役割には大きな違いがあります。

ここでは、国税専門官の代表的な3職種の仕事内容について詳しく解説します。業務内容を正しく理解することで、自分の適性や志望動機を考えるヒントになるでしょう。

1. 国税調査官｜企業や個人に対して納税指導を行う
2. 国税徴収官｜滞納者への督促・差押えを行う
3. 国税査察官｜悪質な脱税を摘発する調査を行う

① 国税調査官｜企業や個人に対して納税指導を行う

国税調査官は、企業や個人事業主に対して帳簿や取引内容の確認を行い、正しく税金が申告されているかを調べます。

目的は、税務申告が適正になるように指導することです。調査対象者と丁寧に向き合い、納得感のある説明をする力が求められます。

デスクワーク中心と思われがちですが、実際には現場へ出向いて帳簿を確認したり、関係者から聞き取りを行ったりする場面も多いです。

そのため、事務処理能力だけでなく、対人コミュニケーション力も発揮されます。

この仕事は、税の適正な執行を支える役割を果たし、社会全体の納税意識を高めることにもつながります。制度を守る使命感を持って取り組みたい人に向いているでしょう。

② 国税徴収官｜滞納者への督促・差押えを行う

国税徴収官は、期限までに税金を納めていない人に対して納付を促し、必要があれば財産の差押えを行います。この業務には、法的知識だけでなく、相手の状況を見極めながら判断する力も欠かせません。

税金が滞納される背景には、経済的な困難や事情があることも多いです。そのため、相手の立場に配慮しつつ、法律に基づいた毅然とした対応を取る必要があります。

冷静さと柔軟さの両方を持ち合わせていることが求められます。

調査官と連携し、チームで対応することもあるため、人と協力して仕事を進めることが好きな人に適しているでしょう。社会的責任の重い仕事ですが、やりがいも大きいはずです。

③ 国税査察官｜悪質な脱税を摘発する調査を行う

国税査察官は、いわゆる「マルサ」として知られる職種で、意図的かつ悪質な脱税を調査・摘発する専門職です。通常の調査とは異なり、刑事告発に至る可能性のある重大案件を扱います。

業務では、帳簿や資金の流れなどから不正の証拠を見つけ出し、論理的に整理して立証する力が求められます。検察や警察と連携することもあり、高度な倫理観と緊張感の中での対応が必要です。

不正を許さないという正義感と、物事を筋道立てて考える力が問われる仕事です。責任は重いものの、社会にとって非常に重要な役割を担っているといえるでしょう。

国税専門官に向いている人とは？｜適性を詳しく紹介

国税専門官は、法律知識に加えて人と関わる力や冷静な判断力など、多様な力が求められる仕事です。

ここでは、どのような人が国税専門官に向いているのかを具体的に紹介します。自己分析を深めるうえで、自分との共通点を探しながら読み進めてみてください。

1. 状況に応じた的確な対応ができる人
2. 法令を遵守しフェアな対応ができる人
3. 困難な業務にも真摯に取り組める人
4. 対人コミュニケーションが得意な人
5. 論理的に物事を考えられる人
6. 継続的に学ぶ姿勢を持っている人

① 状況に応じた的確な対応ができる人

国税専門官は、現場で予想外のトラブルに直面することがあります。その際、感情に左右されず冷静に判断する力が求められます。

特に調査や徴収業務では、相手の反応に応じて適切な対応をとらなければなりません。

たとえば、帳簿に不審な点を見つけても即断せず、事実関係を丁寧に確認する姿勢が大切です。こうした冷静な行動は、業務の正確さと納税者との信頼関係の両方を支える重要な要素です。

② 法令を遵守しフェアな対応ができる人

税務行政の現場では、公平性が何より重視されます。誰に対しても一貫した態度で臨むことが信頼につながるため、個人的な感情や先入観に影響されない姿勢が必要です。

たとえば、同情心から特定の納税者に便宜を図ることは、公務員としてふさわしくありません。常に法令に基づいた判断ができる人ほど、職務を安定して遂行できるでしょう。

③ 困難な業務にも真摯に取り組める人

滞納者への対応や長期的な調査など、国税専門官の業務は一筋縄ではいかない場面もあります。反発を受けたり、感情的に対応されたりすることも珍しくありません。

それでも、事実に真摯に向き合い、逃げずに取り組む姿勢が評価されます。すぐに成果が出なくても、粘り強く取り組む力が、長く信頼される職員へと成長する原動力となるはずです。

④ 対人コミュニケーションが得意な人

国税専門官は、多くの人と関わりながら仕事を進めます。調査対象者や納税者と円滑にやり取りするには、丁寧で正確な説明力が欠かせません。

相手の立場や理解度に合わせて話す内容を工夫できる人は、トラブルを防ぎながら信頼を得ることができます。伝え方だけでなく、相手の話をしっかり聞く姿勢も重要なポイントです。

⑤ 論理的に物事を考えられる人

帳簿や書類の整合性を確認する業務では、筋道立てて情報を分析する力が求められます。感覚や印象ではなく、事実に基づいた思考で問題を整理できるかが重要です。

数字や制度に関心があり、説明や主張を構造的に組み立てるのが得意な人は、現場で高く評価されるでしょう。調査や報告書の作成でも、論理的な文章力が活かされます。

⑥ 継続的に学ぶ姿勢を持っている人

税法は頻繁に改正されるため、知識の更新が欠かせません。一度覚えた内容でも、数年後には変わっている可能性があります。

そのため、学ぶことに前向きで、新しい情報を積極的に吸収しようとする姿勢が大切です。知識を磨き続けることで、より信頼される国税専門官として成長できるはずです。

面接カードとは？｜志望動機作成前に知っておくべき基礎知識

国税専門官の採用試験では、人事院面接の際に「面接カード」の提出が求められます。これは自己紹介のための書類ではなく、自分の強みや志望理由を短い文章で論理的に伝えるための重要な資料です。

面接官はこのカードをもとに質問を進めるため、内容が曖昧だったり一貫性がなかったりすると、評価が下がってしまう可能性があります。

伝えたいことが伝わらないまま終わってしまうのは、非常にもったいないことです。

そのため、志望動機や自己PRは「なぜそう思ったのか」「どのような経験に基づいているのか」を意識して記述しましょう。

面接の第一印象を左右するものとして、面接カードは準備の中でも特に丁寧に仕上げてください。

国税専門官の志望動機の作り方とは？｜説得力を高める5つのステップ

志望動機をより具体的で伝わりやすい内容にするには、段階的に考えることが効果的です。ここでは、内定に近づくために必要な5つのステップをご紹介します。

1. ステップ1：国税専門官を志望する理由を明確にする
2. ステップ2：志望動機に使える強みを整理する
3. ステップ3：エピソードを使って強みの再現性を伝える
4. ステップ4：国税専門官として実現したいことを言語化する
5. ステップ5：自分を採用するメリットを組み込む

① ステップ1：国税専門官を志望する理由を明確にする

最も重要なのは、「なぜ国税専門官なのか」をはっきりさせることです。志望理由があいまいだと他の職種との差別化ができず、印象が薄くなってしまいます。

たとえば「法律に関心がある」だけでは説得力に欠けるため、「大学で租税法を学ぶ中で納税の重要性に興味を持った」といった具体的な経験を添えてください。

他職種との違いを踏まえて志望理由を語ることが、深みのある動機づけにつながります。

② ステップ2：志望動機に使える強みを整理する

次に、自分の強みを明確にすることが重要です。税務の仕事では、論理性や粘り強さ、対人対応力などが求められます。

たとえば、ゼミ活動での資料作成を通じて継続的に学び、論理的にまとめる力を培った経験は、十分に強みとしてアピールできるでしょう。

性格だけでなく、どのような行動に表れていたかを意識して整理してください。面接官が「この人は入ってからも活躍できる」と思える内容に仕上げましょう。

③ ステップ3：エピソードを使って強みの再現性を伝える

強みを語る際は、過去の経験をもとに話すことが効果的です。たとえば、サークル活動で出店や物販を企画し、実際に利益を得て納税した経験があれば、それをもとに再現性を伝えてください。

「自分の力で得た利益に対して納税の義務が発生することを実感した」と語れば、納税意識や責任感が伝わるでしょう。具体的な場面、行動、結果をセットで示すことが説得力を高めるポイントです。

④ ステップ4：国税専門官として実現したいことを言語化する

採用後にどうなりたいかを語ることも重要です。たとえば、「公平な課税を通して納税者との信頼関係を築き、社会の安定に貢献したい」といった目標があれば、使命感を持って仕事に取り組む姿勢が伝わります。

漠然とした理想ではなく、実際の業務に沿った内容にすることで、志望動機に具体性が生まれます。目標を明確にすることで、成長意欲や責任感も自然と伝わるはずです。

⑤ ステップ5：自分を採用するメリットを組み込む

最後に、自分を採用することで職場にもたらせるメリットを伝えましょう。

「初対面でもすぐに打ち解けられるため、納税者との信頼構築に貢献できる」といった具体的な利点があると、面接官の印象にも残りやすくなります。

自分の強みと志望理由、将来の目標を一貫性のあるストーリーにまとめることで、「この人なら活躍してくれそうだ」と思わせる動機づけが完成します。

国税専門官の志望動機例文とは？｜エピソード別に3選を紹介

志望動機を考える際、どのような体験をもとに話を展開すればよいか悩む方も多いでしょう。

ここでは、実際の経験を踏まえた具体的なエピソードをもとに、参考になる志望動機例文を紹介します。自分の体験と照らし合わせながら、説得力ある志望理由を組み立ててみてください。

1. 例文①：大学での学びを通じて税務行政に関心を持った志望動機
2. 例文②：サークルで収益活動を通じて納税の意義を実感した経験からの志望動機
3. 例文③：家業を通じて納税の大切さを実感した志望動機

さらに今回は、現在も就活生を内定に導いている現役のキャリアアドバイザーが、3つの例文を本気で添削！どんなポイントに注目して書くべきか知りたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。

例文①：大学での学びを通じて税務行政に関心を持った志望動機

【結論】 私は、国の財政を支える税務行政に携わる税のスペシャリストとして税務行政に、円滑な税の賦課・徴収を実現することで、公正で安心できる社会の実現に貢献したいと考え、国の財政基盤を支える役割を果たしたいと考え、国税専門官を志望しました。

添削コメント｜もとの表現は業務の表面的な部分しか述べられておらず、志望度の高さが伝わりづらい印象がありました。そこで、具体的な業務とその役割を明示するとともに、自分がどういったことを実現したいのかを明確にし、志望熱意が伝わるようにしました。

【根拠となるエピソード】 大学で公共政策を学ぶ中で、税制が社会保障やインフラ整備など多くの公共サービスを支えていることを知り、税の重要性に関心を持つようになりました税は社会全体の土台を支える重要な仕組みであると実感しました。

添削コメント｜「重要性に関心を持つようになった」だけではきっかけとしての説得力がやや弱いです。改善後では「税は社会の土台を支える仕組み」という自身の認識や学びを明記し、次項で伝える行動につながるきっかけとして説得力を高めました。

【エピソード詳細】 特に「租税の公平性」に関する授業では、税の徴収が適正に行われなければ、社会全体の信頼が揺らぐということを学びました一部の不公平な課税処理が社会全体の信頼性に影響を与えることに危機感を覚えました。そこで私は、模擬政策提案のゼミ活動で、所得に応じた負担の在り方をテーマにプレゼンを行い、税の役割を多角的に考える経験を積みました。

添削コメント｜「社会全体の信頼が揺らぐ」という表現が曖昧です。また、もとの文章では他人ごとに聞こえてしまい、当事者意識や問題意識が伝わりにくかったです。「危機感を覚えた」と当事者意識を明確にすることで、その後のゼミでの行動に繋がるようにしました。

【企業を選んだ理由】 数ある公務員職の中でも、国税専門官は調査・徴収・滞納整理などを通じて直接的に公平な課税の実現に関われる点に魅力で納税者との対話を通じて法律と実態の両方を理解し、橋渡し的な役割を果たせる点にやりがいを感じました。また、全国規模で幅広い業務を担える点にもやりがいを感じています組織として幅広い経験を積む中で、実践的に税務行政の専門性を高めていける環境が整っている点にも強く惹かれました。

添削コメント｜元の表現では業務の解像度が低く、他の職種や業務にも同様なことが言えました。改善後は「納税者との対話」「税務行政における専門性の強化」など国税専門官ならではの特徴を述べ、なぜ他の行政職ではなく国税専門官を選んだのかを明確にしました。

【入社後】 入庁後は、まずは現場での実務を通して知識と経験を積み、将来的には組織の中心となって税務行政を支える存在を目指したいと考えています税務調査を中心に経験を積みながら、不正の抑止と適正課税の両立に貢献できる職員を目指したいと考えています。

添削コメント｜「組織の中心となる存在」は抽象的で具体的なイメージが湧きづらいため、国税専門官としての業務内容（税務調査）と貢献領域（不正抑止・適正課税）を明確にした表現に修正しています。志望後のビジョンが具体化され、意欲が伝わる内容に仕上がっています。

・抽象的な表現は具体例に置き換える ・志望のきっかけは行動や背景を示す ・職種に対する理解を伝える

例文②：サークルで収益活動を通じて納税の意義を実感した経験からの志望動機

【結論】 私は、税の専門家として公平な社会の実現に貢献できる国税専門官の仕事に魅力を感じ、納税を通じて社会の基盤を支える国税専門官として、法律と正義に基づいた課税を行い、社会の公正さを維持する役割に携わりたいと考え、志望いたしました。

添削コメント｜もとの文章は方向性としては悪くありませんが、「魅力を感じた」だけでは志望理由として説得力がありません。「どのような貢献するか」を具体的に述べるとともに、自身が実現したいことを明示することで、役割理解と職務意欲を明確に伝えました。

【根拠となるエピソード】 大学のサークル活動でフリーマーケットを開催した際、売上管理や税金の取り扱いについて調べる機会がありました。その際、納税の意義を身をもって実感しました。一定の利益が発生したことで税金の扱いを意識するようになり、調べていく中で納税が私たち自身が生活していく上で重要な制度であることを実感しました。

添削コメント｜もとの文章は「納税の意義を身をもって実感した」経緯が不明確で、読者に根拠が伝わりません。「気づき」の背景を行動で示すことが大切です。添削後は、「利益→税金を意識→制度理解」という流れを具体化し、エピソードの説得力を高めました。

【エピソード詳細】 活動を通じて、利益が出る一方で、利益が出たことを受けて、消費税や所得税のしくみについて学ぶ必要があり、ゼミの教授に相談しながら制度を調べ、収益報告と税務処理を行いました。納税は社会の維持に不可欠であり、その仕組みを正しく理解し運用することの大切さを強く感じました。学ぶ過程で、税制度を正しく理解して運用することが社会全体の信頼を支える行動であると実感し、制度を守る立場に関心を持ちました。

添削コメント｜「納税は社会の維持に不可欠」という内容は一般論に近く、就活生自身の主体的な視点が見えにくいです。志望動機では、「自分が何を学び、どのように感じたか」が伝えることが大切です。添削後は、「制度理解→行動→関心」への流れを強化しました。

【企業を選んだ理由】 国税専門官は、納税の公平性を守る責任ある職務であり、法の下で公正に課税し、社会への信頼を築く役割を担っている点に魅力を感じました。特に、調査や査察を通じて不正を是正し、適正な課税を実現することで社会全体の信頼を支えるという役割に強く惹かれました。

添削コメント｜削除部分は職務の具体的な内容に触れておらず「なぜ国税専門官か」の根拠が弱い印象でした。添削後は、「調査・徴収・査察」といった国税専門官特有の業務に触れ、業務理解の深さをアピールする構成に修正しています。

【入社後】 入庁後は、まずは調査・徴収業務を正確に遂行できるよう知識を深め、将来的には納税者との信頼関係を大切にしながら、適正課税に貢献できる職員を目指してまいります。

添削コメント｜入庁後の成長目標と企業貢献の方向性が明確です。知識習得だけでなく「信頼関係を重視した課税実務」に焦点を当てており、入社後の活躍像がより伝わる内容になっています。

・過去の経験と動機を結び付ける ・職務理解は具体的な業務に言及して示す ・自身の行動や思考の変化を論理的に伝える

例文③：家業を通じて納税の大切さを実感した志望動機

【結論】 私は、納税を支えることで社会の土台を守る適正な課税と納税を通じて経済活動の発展を支える国税専門官の仕事に魅力を感じ強い社会的意義を感じ、志望いたしました。

添削コメント｜「正しい納税を支える」「魅力を感じた」などの表現では志望動機が漠然としており、説得力に欠けていました。業務内容と社会貢献性を結びつけ、職務理解と公共性への共感を具体的に伝えることで、志望動機としての説得力を高めました。

【根拠となるエピソード】 家業が自営業であったことから、幼い頃から税金に関する話を身近に聞く機会が多く、納税の重要性を自然と意識するようになりました税の仕組みが社会に与える影響を身近に感じるようになりました。

添削コメント｜「自然と意識するようになった」では、関心のきっかけとして根拠が弱い印象を受けます。家庭環境を通じて税制に関心を持った背景に主体的な学びを加えることで、動機としての納得感を強化しています。

【エピソード詳細】 実際に父が税務調査を受けた際、記帳の不備により多額の追徴を受けたことがありました。当時、家族の生活にも影響が出た経験を通じてその出来事をきっかけに、税務の正確さが家計や経営に直結する現実を実感し、税務の正確さや公正な対応の重要性を強く感じました。以来、税の仕組みに関心を持ち、大学では租税に関する講義も積極的に履修しました。

添削コメント｜「生活にも「影響が出た経験」という表現は具体性に乏しく、読み手に伝わりません。税務と生活の結びつき具体的に示すことで、動機の説得力を高めました。

【企業を選んだ理由】 国税専門官は、調査・徴収の現場で直接納税者と向き合い、適正な課税と納税を実現できる点に大きなやりがいを感じています税務の専門家として納税者の理解と信頼を得ながら、公正な行政運営に寄与できる点に強い関心を抱いています。

添削コメント｜もとの文章では、やりがいを感じる理由に説得力があまりありませんでした。添削後は、国税専門官の具体的な業務内容と自分の関心を関連づけ、社会貢献への関心と職種への志望意欲が明確に伝わるよう修正しました。

【入社後】 入庁後は、常に公正中立な立場を保ちつつ、信頼される職員を目指して努力してまいります法令知識と丁寧な対応を徹底し、納税者から信頼される職員として地域社会に貢献してまいります。

添削コメント｜「信頼される職員を目指して努力する」は抽象的で入庁後の将来像が伝わりにくいため、「どういった行動によって信頼を得るか」を具体的に伝えました。さらに、地域貢献という視点を入れることで、国税専門官の役割理解がより伝わる内容になっています。

・抽象表現を行動や状況で具体化する ・志望理由と業務内容の関連を明確に伝える ・入庁後の目標を具体的な行動で示す

国税専門官の志望動機のNG例とは？｜よくある失敗とその回避策を紹介

せっかく準備した志望動機も、内容に問題があると評価を下げてしまいます。ここでは特に注意すべき3つのNGパターンと、その回避策を紹介します。

1. NG例①：税務知識不足が露呈する志望動機
2. NG例②：公正さ・中立性を欠いた志望動機
3. NG例③：具体性に欠ける抽象的な志望動機

① NG例①：税務知識不足が露呈する志望動機

「税のことはよくわかりませんが、安定していそうなので志望しました」といった理由は、仕事への理解が浅いと判断されかねません。

専門性が求められる職種のため、少なくとも基本的な業務内容は押さえておく必要があります。

たとえば国税庁のサイトや説明会で情報を収集し、「なぜ興味を持ったのか」「どんな役割に魅力を感じたのか」を自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

② NG例②：公正さ・中立性を欠いた志望動機

「脱税する人を厳しく取り締まりたい」といった強い主張は、感情が先行しているように見えるため注意が必要です。税務の仕事では、冷静で公平な判断が求められます。

個人の正義感よりも、「法律に基づいた適切な対応ができること」や「納税者と丁寧に向き合う姿勢」を強調すると、業務への適性がより伝わりやすくなるでしょう。

③ NG例③：具体性に欠ける抽象的な志望動機

「人の役に立ちたい」「社会に貢献したい」といった表現だけでは、他の応募者と差がつきません。自分ならではの経験や学びを通じて動機を語ることが必要です。

たとえば「大学で租税法を学び、税の仕組みが社会を支えていることに気づいた」といった具体的なエピソードを加えると、説得力が格段に増します。

背景から将来の展望まで一貫した内容にすることで、より強い印象を残せるはずです。

他職種との違いは？国税専門官の魅力の見つけ方

国税専門官に興味はあるものの、仕事内容がよく分からず志望動機に悩む人は少なくありません。

そんなときは、他の職種と比べてみることで「自分に合っている理由」や「この仕事ならではの魅力」が見えてくることがあります。

特に、国家公務員や民間企業と比較することは、国税専門官という仕事の特徴をつかむうえで効果的です。

1. 他の国家公務員との違い｜現場主義と専門性が魅力の職種
2. 民間企業との違い｜社会貢献性と安定性で選ばれる職業

① 他の国家公務員との違い｜現場主義と専門性が魅力の職種

国税専門官の大きな特長は、現場での調査や指導といった実務に多く関わる点です。

政策立案を担う中央省庁の職員とは異なり、納税者と直接接する機会が多く、課題を自ら発見し解決まで導く力が求められます。

このような「現場主義」が、職務のやりがいにもつながります。また、税法や会計に関する専門知識を活かす業務が多く、法律・経済に関心がある人にとって魅力的な職種といえるでしょう。

現場経験を積むなかで、課長や統括官などへの昇進も可能です。現場で得た知識やスキルがそのままキャリアの強みとなる点も、国税専門官ならではの魅力でしょう。

② 民間企業との違い｜社会貢献性と安定性で選ばれる職業

民間企業との大きな違いは、利益追求ではなく、社会の公正を守る役割を担っていることです。国税専門官は、納税者の正確な申告と納税を支援し、不正を未然に防ぐことで税制の信頼性を保ちます。

企業活動とは異なり、景気に左右されにくい職種であるため、長期的な視点で安定した働き方を実現できるのも強みです。

また、税を通じて社会の基盤を支えているという意識を持てる点で、高い社会貢献を実感できるでしょう。

営利活動と異なり、職務の意義が明確であるため、自分の仕事に誇りを持ちやすいことも、志望理由として有力な根拠になります。

国税専門官の仕事理解を深めるには？｜リサーチ法を紹介

「国税専門官に興味はあるけれど、実際の仕事のイメージがわかない」と感じている方も多いかもしれません。

そんなときは、具体的な情報に触れることで職務内容への理解が深まり、自分との相性や志望理由も自然と見えてきます。

知識を得るだけでなく、リアルな現場の雰囲気を感じ取ることも大切です。実際に働く姿をイメージし、自分がその職にふさわしいかを見極めるためにも、積極的にリサーチを行いましょう。

1. 説明会やセミナーに参加する
2. 税務署を訪問する

① 説明会やセミナーに参加する

志望動機に説得力を持たせるには、説明会やセミナーに参加して職種への理解を深めることが重要です。これらの場では、国税専門官の役割や具体的な業務内容、求められる姿勢などを知ることができます。

また、現場で働く職員の話を直接聞ける機会が多く、実際の雰囲気ややりがいについても把握しやすいでしょう。

公式サイトだけでは得られない実感を得られるため、自分の志望理由や適性を再確認することにもつながります。選考対策としても有効なので、積極的に参加してみてください。

② 税務署を訪問する

税務署を訪れて実際の現場を見学することも、理解を深めるうえで有効な手段です。窓口業務を通して、職員の対応姿勢や雰囲気を直接感じ取ることができます。

パンフレットや掲示物などから得られる情報も多く、志望動機に現場経験を取り入れることが可能になります。

ただし、突然の訪問は業務の妨げになることもあるため、イベントや見学会の開催情報を事前に調べることが大切です。自ら足を運んで得た体験は、面接でも自然な言葉で伝えやすくなるでしょう。

国税専門官の志望動機作成で重要なポイントとは

国税専門官を目指すうえで、仕事内容や適性を理解したうえで、自分なりの志望動機を言語化することが重要です。

国税調査官や徴収官、査察官など、それぞれ異なる役割を担っており、自分がどの業務に携わりたいかを明確にする必要があります。

また、求められる適性や面接カードの基礎知識も押さえておくことで、志望動機の説得力が大きく変わるでしょう。

さらに、志望理由や強みをエピソードと結びつけて表現することで、自己PRとしても高評価を得やすくなります。

NG例を参考に避けるべきポイントも意識しながら、自分の体験や想いを丁寧に言葉にしてください。他職種との違いにも目を向けることで、国税専門官を選ぶ理由に一層の深みが生まれます。